JP2023039967A - 調光フィルム、調光部材、車両 - Google Patents

調光フィルム、調光部材、車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2023039967A
JP2023039967A JP2022194964A JP2022194964A JP2023039967A JP 2023039967 A JP2023039967 A JP 2023039967A JP 2022194964 A JP2022194964 A JP 2022194964A JP 2022194964 A JP2022194964 A JP 2022194964A JP 2023039967 A JP2023039967 A JP 2023039967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
light
crystal cell
light control
polarization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022194964A
Other languages
English (en)
Inventor
朋也 川島
Tomoya Kawashima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2022194964A priority Critical patent/JP2023039967A/ja
Publication of JP2023039967A publication Critical patent/JP2023039967A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】偏光子の機能を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向が変化することにより著しく暗くならないようにすることができる調光フィルムを提供する。【解決手段】調光フィルム10は、直線偏光板13と液晶セル14とを積層した調光フィルム10の場合、直線偏光板13の液晶セル14とは反対側に、光の偏光を緩和する偏光緩和層20が設けられ、二色性色素を有する液晶セル54を有した調光フィルム50の場合、液晶セル54の少なくとも一方の面側に、光の偏光を緩和する偏光緩和層20が設けられていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光体に関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光体の1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光体は、透明電極、配向層を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの液晶を使用した調光体では、液晶に印加する電界の変化により液晶の配向を変化させて外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を変化させたりし、これらにより外来光の透過を制御する。
調光体では、液晶層を直線偏光板により挟持して構成されることにより、透過光は直線偏光となる。これにより例えば偏光子の機能を備えたサングラスを着用した人が、調光体の機能を有する窓を介して、室内から室外を観察した場合に、著しく暗く見える問題があった。
特開平03-47392号公報 特開平08-184273号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、偏光子の機能を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向が変化して著しく暗くならないようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、偏光を緩和する偏光緩和層を配置する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 直線偏光板と液晶セルとを積層した調光フィルムにおいて、前記直線偏光板の前記液晶セルとは反対側に、光の偏光を緩和する偏光緩和層が設けられた調光フィルム。
(1)によれば、偏光緩和層により直線偏光板を通過した光の偏光を緩和することにより、偏光子の機能を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向が変化して著しく暗くならないようにすることができる。
(2) 二色性色素を有する液晶セルを有した調光フィルムにおいて、
前記液晶セルの少なくとも一方の面に、光の偏光を緩和する偏光緩和層が設けられた調光フィルム。
(2)によれば、二色性色素を有する液晶セルを透過した光の偏光を偏光緩和層により緩和することにより、偏光子の機能を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向が変化して著しく暗くならないようにすることができる。
(3) (1)又は(2)において、
前記偏光緩和層が、
1/4波長位相差層である調光フィルム。
(4) (1)又は(2)において、
前記偏光緩和層が、
面内位相差が6000nm以上の透明フィルム材である調光フィルム。
(3)又は(4)によれば、より具体的構成により、偏光子の機能を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向が変化して著しく暗くならないようにすることができる。
(5) 透明部材と、
前記透明部材に配置される(1)から(4)までのいずれかの調光フィルムと、
を備える調光部材。
(5)によれば、調光フィルム1が配置された調光部材を、建築物の窓や、ショーケース、パーテーション、車両の窓等に用いることができ、建築物等の内側への入射する光の光量を制御することができる。
(6) (1)から(4)までのいずれかの調光フィルムが、外光が入射する部位に配置された車両。
(6)によれば、車両の内側への入射する光の光量を制御することができる。
本発明によれば、偏光子を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向により著しく暗くならないようにすることができる。
第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 第2実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 第3実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。
調光フィルム10は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。調光フィルム10は透明部材に配置され、調光部材として主に使用される。例えば、調光フィルム10は、透明樹脂板や、ガラス等の透明部材に粘着剤等により貼付されたり、合わせガラスの中間材とともに、又は中間材の代わりにガラス板(透明部材)間に挟持されたりする調光部材として使用される。
この調光フィルム10(調光部材)は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ等の調光を図る部位(外光が入射する部位、例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)に配置され、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御することができる。
この調光フィルム10は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、印加電圧を変化させることによりVA(Vertical Alignment)方式により液晶の配向を変化させて透過光を制御する。なお、VA方式は、液晶の配向を垂直配向と水平配向とで変化させて透過光を制御する方式であり、一般的に、無電界時、液晶を垂直配向させることにより、液晶層を垂直配向層により挟持して液晶セルが構成され、電界の印加により液晶材料を水平配向させるように構成される。
調光フィルム10は、直線偏光板12、13により調光フィルム用の液晶セル14を挟持して構成される。
ここで、直線偏光板12、13は、偏光子を含むものであれば特に限定されるものではなく、偏光子の片側又は両側に偏光板保護フィルムを有するものであってもよい。
偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)のような親水性ポリマーからなるフィルムを二色性色素であるヨウ素を含有する水溶液に浸漬させて延伸することによりポリビニルアルコールとヨウ素との錯体を形成させた偏光子や、ポリ塩化ビニルのようなプラスチックフィルムを処理してポリエンを配向させたものからなる偏光子等を挙げることができる。
また、ヨウ素の代わり二色性色素として二色性染料を用いる場合は、二色性染料として、アゾ系染料、スチルベン系染料、メチン系染料、シアニン系染料、ピラゾロン系染料、トリフェニルメタン系染料、キノリン系染料、オキサジン系染料、チアジン系染料、アントラキノン系染料等が用いられる。
上述の偏光板保護フィルムは、上述の偏光子を保護することができ、且つ、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。偏光板保護フィルムの材料としては、例えば、アセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等あるいは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、又は紫外線硬化型の樹脂等を挙げることができる。中でも、上述の樹脂材料としてアセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、又はアクリル系樹脂を用いることが好ましい。その中でも特に、アセチルセルロース系樹脂であるトリアセチルセルロース(TAC)が好適である。
直線偏光板12、13は、クロスニコル配置により、アクリル系透明粘着樹脂等による接着剤層により液晶セル14に配置される。なお、直線偏光板12、13には、それぞれ液晶セル14側に光学補償のための位相差フィルム12A、13Aが設けられるが、位相差フィルム12A、13Aは、必要に応じて省略してもよい。またクロスニコル配置に代えてパラレルニコル配置により配置してもよい。
液晶セル14は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム10は、透過光を制御して種々に調光を図ることができるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル14は、フィルム状の下側積層体15D及び上側積層体15Uにより液晶層18を挟持して構成される。
下側積層体15Dは、第1の基材16に、第1の透明電極21、第1の配向層23、スペーサ22を積層して形成される。
上側積層体15Uは、透明フィルム材による第2の基材25に、第2の透明電極26、第2の配向層27を積層して形成される。
液晶セル14は、この下側積層体15D及び上側積層体15Uに設けられた透明電極21、26の駆動により、VA方式により液晶層18に設けられた液晶の配向を制御し、これにより透過光の偏光面を制御する。
基材16、25は、種々の透明樹脂フィルムを適用することができるが、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380~800nm)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。
特に、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂が好ましい。
本実施形態において、基材16、25は、厚み100μmのポリカーボネートフィルムが適用されるが、種々の厚みの透明樹脂フィルムを適用することができる。
OP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
透明電極21、26は、透明樹脂フィルムに積層される透明導電膜から構成されている。
透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。
酸化インジウム(In)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。
酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
本実施形態では、ITO(Indium Tin Oxide)により透明導電膜が形成される。
本実施形態ではスペーサ22として球形状のビーズスペーサ22を用いる。ビーズスペーサ22は、液晶層18における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定するために設けられる。ビーズスペーサ22は、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。また球形状による構成の他、円柱形状、角柱形状等によるロッド形状により構成してもよい。
ただし、スペーサは、液晶層18の厚みを規定する部材はビーズスペーサ22に限定されず、例えば、フォトレジストを第1基材25側に塗工して露光、現像することにより円柱形状に作製してもよい。
なお、上述の説明では、スペーサは、下側積層体15Dに設けられる例を示したが、これに限定されるものでなく、上側積層体15U、下側積層体15Dの両方、又は、上側積層体15Uにのみ設けられるようにしてもよい。
配向層23、27は、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
本実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型の材料の具体例としては、例えば特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、光配向層に代えてラビング処理により配向層を作製してもよく、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
液晶層18は、この種の調光フィルム10に適用可能な各種の液晶材料を広く適用することができる。具体的に、液晶層18には、重合性官能基を有していない液晶化合物として、ネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物及びコレステリック液晶化合物を適用することができる。
ネマチック液晶化合物としては、例えば、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、フェニルシクロヘキシル系化合物、ビフェニルシクロヘキシル系化合物、フェニルビシクロヘキシル系化合物、トリフルオロ系化合物、安息香酸フェニル系化合物、シクロヘキシル安息香酸フェニル系化合物、フェニル安息香酸フェニル系化合物、ビシクロヘキシルカルボン酸フェニル系化合物、アゾメチン系化合物、アゾ系化合物、およびアゾオキシ系化合物、スチルベン系化合物、トラン系化合物、エステル系化合物、ビシクロヘキシル系化合物、フェニルピリミジン系化合物、ビフェニルピリミジン系化合物、ピリミジン系化合物、およびビフェニルエチン系化合物等を挙げることができる。
スメクチック液晶化合物としては、例えば、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリクロロアクリレート系、ポリオキシラン系、ポリシロキサン系、ポリエステル系等の強誘電性高分子液晶化合物を挙げることができる。
コレステリック液晶化合物としては、例えば、コレステリルリノレート、コレステリルオレエート、セルロース、セルロース誘導体、ポリペプチド等を挙げることができる。
液晶セル14は、液晶層18を囲むように、シール材29が配置され、このシール材29により上側積層体15U、下側積層体15Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。ここでシール材29は、例えばエポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
調光フィルム10は、上側積層体15U及び下側積層体15Dの透明電極21、26間の印加電圧V1により液晶層18に設けられた液晶の配向を制御し、液晶層18を透過する透過光の偏光面を変化させ、これにより透過光の光量を変化させる。
しかしながら、後述の偏光緩和層20を有していない場合、直線偏光板12又は13から出射される透過光は、直線偏光により出射されることになる。その結果、例えば偏光子の機能を備えたサングラスを使用したユーザーが、この調光フィルム10が貼り付けられている窓等を見た場合、充分な光量による外光が透過しているにも関わらず、見る方向により著しく暗く知覚されることになる。
そこで、この実施形態において、調光フィルム10には、屋内に配置される側(光の出射面側)に偏光緩和層20が設けられる。より具体的には、窓の屋内側の面に、調光フィルム10の直線偏光板12が貼付されている場合において、屋内側となる直線偏光板13の液晶セル14とは反対側が、調光フィルム10の光の出射面側となり、そこに偏光緩和層20が設けられる。すなわち、屋外側から順に直線偏光板12、液晶セル14、直線偏光板13、偏光緩和層20となるように、調光フィルム10が窓に貼付される。
ここで、この説明において、調光フィルム10の光の出射面とは、調光フィルム10の屋内側の面(直線偏光板13の液晶セル14とは反対側の面)をいい、調光フィルム10の光の入射側の面とは、調光フィルム10の屋外側の面(直線偏光板12の液晶セル14とは反対側の面)をいう。
これにより、本実施形態の調光フィルム10は、偏光緩和層20により出射光の偏光を緩和することができ、偏光子の機能を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向が変化して著しく暗くならないようにすることができる。
例えば、偏光子の機能を備えたサングラスを装着した人が、屋内におり、窓を介して屋外を見ようとした場合に、暗くて見え難くなってしまうのを抑制することができる。
なお、偏光緩和層20は、屋外側に配置される、すなわち、屋外側から順に偏光緩和層20、直線偏光板13、液晶セル14、直線偏光板12となるように、調光フィルム10を窓に貼付するようにしてもよい。これにより、偏光子の機能を備えたサングラスを装着した人が、ショーウインドウ内を見るように、屋外から屋内を見る場合に、屋内(ショーウインドウ内)が暗くなって見え難くなってしまうのを抑制することができる。
〔偏光緩和層〕
ここで偏光緩和層20は、入射光の偏光を緩和する光学機能層であり、この実施形態では、1/4波長位相差層により構成される。ここで1/4波長位相差層は、透過光に1/4波長の位相差を付与する光学機能層である。1/4波長位相差層は、硬化した液晶材料、光学異方性を備えた透明フィルム材を適用して構成することができる。
ここで、偏光緩和層20(1/4波長位相差層)は、液晶材料による場合、透明フィルム材に水平配向層を作製した後、この水平配向層の配向規制力により棒状液晶化合物を配向させた状態で硬化して作製される。なおこの場合、これら棒状液晶化合物による液晶層を透明フィルム材と一体に直線偏光板13に配置してもよい。透明フィルム材による場合、例えば一定の厚みによるCOPフィルム材を適用することができる。
偏光緩和層20は、偏光緩和層20が設けられた直線偏光板13の透過軸方向に対して遅相軸が斜め45度の角度を成すように配置され、これにより直線偏光板13の出射光を円偏光により出射し、偏光子の機能を備えたサングラスを使用した場合であっても、見る方向によって著しく暗く知覚されたりすることが無いようにする。なお、偏光緩和層20は、直線偏光板13の透過軸方向に対して遅相軸が30度以上60度以下の角度を成すように、好ましくは40度以上50度以下の角度を成すように配置して、実用上充分に見る方向の変化によって明るさの変化を知覚できないようにすることができ、これにより見る方向によって暗く知覚されないようにすることができる。また、偏光緩和層20は、面内位相差が波長550nmにおいて、225nm以上325nm以下、好ましくは250nm以上300nm以下であることが望まれる。
〔第2実施形態〕
図2は、第2実施形態に係る調光フィルムを示す図である。
この調光フィルム30は、偏光緩和層20に代えて偏光緩和層40が適用される点を除いて、第1実施形態の調光フィルム10と同一に構成される。
ここで偏光緩和層40は、面内位相差の大きな透明フィルム材により構成される。これにより調光フィルム30では、ほぼ単一の偏光面による直線偏光により出射される直線偏光板13からの出射光を、種々の偏光による出射光により出射し、これにより見る方向によって暗く知覚されないようにすることができる。
ここでこのように大きな面内位相差を付与して見る方向によって暗く知覚されないようにする場合、偏光緩和層40は、6000nm以上、好ましくは8000nm以上、より好ましくは10000nm以上の面内位相差(波長が550nm)を備えることが望ましい。なおこの偏光緩和層40にあっても、直線偏光板13の透過軸方向に対して遅相軸が30度以上60度以下の角度を成すように、好ましくは40度以上50度以下の角度を成すように配置される。
〔第3実施形態〕
図3は、第3実施形態に係る調光フィルムを示す図である。
この調光フィルム50は、主に、液晶セルがゲストホスト方式により構成されている点と、直線偏光板を備えていない点で、第1実施形態の調光フィルム10と相違している。
本実施形態の調光フィルム50は、図3に示すように、ゲストホスト方式による透過光量を変化させる液晶セル54に、上述の第1実施形態に記載の偏光緩和層20を配置して構成される。
ここで、ゲストホスト方式とは、ホストであるネマチック液晶中にゲストとして二色性色素を溶解させた液晶組成物を用いる方式である。二色性色素は、1軸の光吸収軸を有し、光吸収軸方向に振動する光のみを吸収することから、電場による液晶の動きに合わせて、二色性色素の配向を変化させ、光吸収軸の向きを制御することにより、液晶セルの透過状態を変化させることができる。なお、本実施形態の液晶セル54は、液晶中にカイラル剤を含んだカイラルネマティック液晶を用いてもよい。この場合でも、偏光した光が透過するため、透過軸、吸収軸を決めることができる。
液晶セル54は、二色性色素を使用したゲストホスト方式による液晶セルであり、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる液晶セルである。液晶セル54は、フィルム形状による下側積層体55D及び上側積層体55Uにより液晶層58を挟持して構成される。
下側積層体55Dは、基材56に、透明電極61、配向層63、スペーサ62を積層して形成される。
上側積層体55Uは、基材65に、透明電極66、配向層67を積層して形成される。
液晶セル54は、この上側積層体55U及び下側積層体55Dに設けられた透明電極61、66の駆動により、液晶層58に設けられたゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させる。
基材56、65は、上述の第1実施形態の基材16、25と同様の材料を用いることができる。
透明電極61、66は、上述の第1実施形態と同様の構成を用いることができ、本実施形態では、ITOによる透明電極材により形成される。
スペーサ62は、液晶層58の厚みを規定するために設けられ、上述の第1実施形態と同様の構成を用いることができる。本実施形態では、スペーサ62には、ビーズスペーサが用いられている。
配向層63、67は、上述の第1実施形態と同様の構成を用いることができ、本実施形態では、光配向層による垂直配向層により構成されている。
液晶層58には、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカエラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層58の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。
なお、液晶セル54は、液晶層58を囲むように、シール材69が配置され、このシール材69により上側積層体55U、下側積層体55Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材69は、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
ここで、二色性色素が液晶分子と同様にシート面内の所定の方向に配列している場合、液晶層は、特定の偏光を透過し、その他の偏光を吸収する偏光板として機能する。そのため、調光フィルム50を透過した透過光の少なくとも一部は、二色性色素を有するゲストホスト方式による液晶セル54において偏光されてしまう。
したがって、偏光緩和層20を備えていない場合、例えば、偏光子の機能を備えたサングラスを使用したユーザーが、この液晶セル54が貼り付けられている窓等を見たとき、充分な光量による外光が透過しているにも拘わらず、見る方向により著しく暗く知覚されることになる。
そこで、この実施形態において、調光フィルム50には、液晶セル54の屋内に配置される側(光の出射面側)に、上述第1実施形態と同様の偏光緩和層20が設けられる。より具体的には、窓の屋内側の面に、調光フィルム50の基材65側の面が貼付されている場合において、屋内側となる液晶セル54の基材56側が、液晶セル54の光の出射面側となり、そこに偏光緩和層20が設けられる。ここで、この説明において、液晶セル54の光の出射面とは、液晶セル54の屋内側の面(液晶セル54の基材56側の面)をいい、液晶セル54の光の入射側の面とは、液晶セル54の屋外側の面(液晶セル54の基材65側の面)をいう。
また、偏光緩和層20は、偏光板として機能する液晶セル54の透過軸方向に対して遅相軸が斜め45度の角度を成すように配置される。
これにより、本実施形態の調光フィルム50は、偏光緩和層20により出射光の偏光を緩和することができ、偏光子の機能を備えたサングラスを使用している場合でも、見る方向が変化して著しく暗くならないようにすることができる。
なお、調光フィルム50は、偏光緩和層20の代わりに、上述の第2実施形態に記載の偏光緩和層40が設けられるようにしてもよい。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせたり、さらには変更したりすることができる。
すなわち上述の第1及び第2実施形態では、VA方式による調光フィルムに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、直線偏光板と液晶セルとを積層した各種構成の調光フィルムに広く適用することができる。具体的には、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In Plane Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式等、各種方式による調光フィルムに広く適用することができる。
ここで、TN方式は、電界の印加により、液晶分子の配向を垂直方向と水平ねじれ方向とで変化させ、光の旋光性を利用して透過光量を制御する方式である。
IPS方式は、配向させた液晶分子を基板に対して横(水平)方向に回転させることにより透過光量を制御する方式である。
FFS方式は、IPS方式と同じく基板に対して液晶分子が横(水平)方向に動くが、ねじれと曲がりを伴うことにより透過光量を制御する方式である。
上述の第1及び第2実施形態において、偏光緩和層20(40)は、調光フィルム(直線偏光板13)の光の出射面側に設けられる例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、偏光緩和層20(40)は、調光フィルムの光の入射面側、より具体的には、直線偏光板12の液晶セル14とは反対側に設けられるようにしてもよい。これにより、調光フィルムの入射面側が、強化ガラス等の面内位相差を有する透明基材に貼付された場合に、強化ガラスが起因となる位相ムラが視認されてしまうのを偏光緩和層により緩和することができる。
同様に、上述の第3実施形態において、偏光緩和層20は、調光フィルム50(液晶セル54)の光の出射面側(下側積層体55D側)に設けられる例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、偏光緩和層20は、液晶セル54の光の入射面側(基材65側)に設けられるようにしてもよい。これにより、調光フィルム50の入射面側が、強化ガラス等の面内位相差を有する透明基材に貼付された場合に、強化ガラスが起因となる位相ムラが視認されてしまうのを偏光緩和層により緩和することができる。
また、偏光緩和層20(40)は、各調光フィルム10、30、50の出射面側及び入射面側の両方に設けられるようにしてもよい。
10、30、50 調光フィルム
12、13 直線偏光板
12A、13A 位相差フィルム
14、54 液晶セル
15D、55D 下側積層体
15U、55U 上側積層体
16、25、56、65 基材
18、58 液晶層
20、40 偏光緩和層
21、26、61、66 透明電極
22、62 スペーサ
23、27、63、67 配向層

Claims (1)

  1. 直線偏光板と液晶セルとを積層した調光フィルムにおいて、
    前記直線偏光板の前記液晶セルとは反対側に、光の偏光を緩和する偏光緩和層が設けられた
    調光フィルム。
JP2022194964A 2017-10-11 2022-12-06 調光フィルム、調光部材、車両 Pending JP2023039967A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022194964A JP2023039967A (ja) 2017-10-11 2022-12-06 調光フィルム、調光部材、車両

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017198006A JP2019070779A (ja) 2017-10-11 2017-10-11 調光フィルム、調光部材、車両
JP2022194964A JP2023039967A (ja) 2017-10-11 2022-12-06 調光フィルム、調光部材、車両

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017198006A Division JP2019070779A (ja) 2017-10-11 2017-10-11 調光フィルム、調光部材、車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023039967A true JP2023039967A (ja) 2023-03-22

Family

ID=66441617

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017198006A Pending JP2019070779A (ja) 2017-10-11 2017-10-11 調光フィルム、調光部材、車両
JP2022194964A Pending JP2023039967A (ja) 2017-10-11 2022-12-06 調光フィルム、調光部材、車両

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017198006A Pending JP2019070779A (ja) 2017-10-11 2017-10-11 調光フィルム、調光部材、車両

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2019070779A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11726379B2 (en) * 2020-11-20 2023-08-15 Wicue Usa Inc. Liquid crystal assembly
CN114740649A (zh) * 2022-03-16 2022-07-12 深圳市美丽加科技有限公司 局部分块响应的复合拼接液晶调光膜车窗

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2940031B2 (ja) * 1989-12-04 1999-08-25 セイコーエプソン株式会社 液晶表示素子
JP3105374B2 (ja) * 1993-03-04 2000-10-30 ローム株式会社 液晶表示デバイス
JP6065142B1 (ja) * 2016-04-21 2017-01-25 大日本印刷株式会社 調光フィルム、合わせガラス及び調光フィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019070779A (ja) 2019-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7044069B2 (ja) 積層体、調光装置、調光部材、車両
JP2023039967A (ja) 調光フィルム、調光部材、車両
WO2018012365A1 (ja) 調光フィルム、調光部材、車両
US10564337B2 (en) Optical film
US20170153495A1 (en) Anti-blue light polarizers and liquid crystal display panels
JP6758766B2 (ja) 位相差層を含む光学フィルム積層体
KR102101149B1 (ko) 투과도 가변 필름 및 이의 용도
JP2017508169A (ja) 光学素子
US9188725B2 (en) Transparent display
JP6900772B2 (ja) 照明装置及び車両
TWI592724B (zh) Dimming film
JP6953739B2 (ja) 調光フィルム及び合わせガラス
KR101884639B1 (ko) 액정 표시 장치
JP2019070781A (ja) 調光フィルム、調光部材、車両
JP2018109735A (ja) 調光部材、構造体、調光部材の配置方法
JP7062912B2 (ja) 調光フィルム、調光部材、車両、調光システム及び調光フィルムの駆動方法
JP7064188B2 (ja) リバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法
KR20210102366A (ko) 전환가능한 창 요소
TWI781392B (zh) 偏光可變元件
JP2018180169A (ja) 調光フィルム及び調光フィルムの製造方法
KR102191610B1 (ko) 광량 조절 장치
JP2019078886A (ja) 反射調整素子及びそれを備えた反射調整システム
KR20170081339A (ko) 광학 필름
TWI464493B (zh) 調光結構
KR20170040563A (ko) 광학 필름

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240425