JP7064188B2 - リバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法 - Google Patents

リバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法に関する。
従来、ポリマーと液晶材料との複合体における光散乱効果を利用した調光デバイスの開発が行われている。このような複合体においては、ポリマーマトリクス内で液晶材料が相分離または分散した構造をとることから、ポリマーと液晶材料の屈折率をマッチングすること、および、該複合体に電圧を印加して液晶材料の配向を変化させることによって、光を透過させる透過モードと光を散乱させる散乱モードとを制御することができる。
上記高分子分散型(例えば、PDLC、PNLC)調光デバイスの駆動方式としては、ノーマルモードおよびリバースモードが挙げられる。ノーマルモードは、電圧が印加された状態で透過モードとなり、電圧が印加されていない状態で散乱モードとなり;リバースモードは、電圧が印加された状態で散乱モードとなり、電圧が印加されていない状態で透過モードとなる。リバースモードは、電圧が印加されていない状態で透過モードとなるので、消費電力が小さく、かつ、停電時の安全性に優れるという利点がある。一方、リバースモードにおいては、電圧が印加されていない状態での透過性(透明性)のさらなる改善が求められている。
特許第5017963号公報 特開2014-080605号公報 特開2014-080606号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、電圧無印加時の透過性に優れたリバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明のリバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法は、一対の基板を用意すること;該一対の基板の一方の基板上に、液晶化合物およびモノマー成分を含む液晶組成物を塗布して塗布層を形成すること;該塗布層上に他方の基板を積層して積層体を作製すること;および、該積層体に活性エネルギー線照射を行うこと;を含む。該活性エネルギー線照射時の温度TIRは-10℃~20℃である。
1つの実施形態においては、上記モノマー成分は液晶モノマーを含む。
1つの実施形態においては、上記液晶化合物の液晶相転移温度TLCと上記温度TIRとの差は50℃以上である。
1つの実施形態においては、上記活性エネルギー線照射は、上記積層体の所定部分に選択的に照射を行う第1の活性エネルギー線照射と、該第1の活性エネルギー線照射の後、該積層体の全面に照射を行う第2の活性エネルギー線照射と、を含み、該第2の活性エネルギー線照射時の温度TIR2が-10℃~20℃である。
本発明によれば、調光層を形成するための活性エネルギー線照射時の温度を-10℃~20℃とすることにより、電圧無印加時の透過性に優れたリバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法を実現することができる。
本発明の調光デバイスの製造方法の一例を説明する概略図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.調光デバイスの製造方法の概略
本発明の1つの実施形態によるリバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法は、一対の基板を用意すること;該一対の基板の一方の基板上に、液晶化合物およびモノマー成分を含む液晶組成物を塗布して塗布層を形成すること;該塗布層上に他方の基板を積層して積層体を作製すること;および、該積層体に活性エネルギー線照射を行うこと;を含む。本発明の実施形態においては、活性エネルギー線照射時の温度TIRは-10℃~20℃である。
以下、図1を参照しながら上記実施形態の製造方法についてより具体的に説明する。
B.基板
まず、一対の基板10a、10bを用意する。基板10a、10bは、代表的には、基材上に透明電極および配向膜がこの順に設けられている(図示せず)。透明電極は、一対の基板の両方に設けられている必要はなく、目的に応じて、いずれか一方の基板にのみ設けられていてもよい。
基材は、樹脂基材であってもよく、ガラス基材であってもよい。好ましくは樹脂基材である。樹脂基材の形成材料としては、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂等が好ましく用いられ得る。ポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、イソフタル酸、シクロヘキサン環等を含む脂環式のジカルボン酸または脂環式のジオール等を含む共重合PET(PET-G)、その他ポリエステル、および、これらの共重合体やブレンド体等が挙げられる。これらの材料は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ得る。
基材の厚みは、例えば20μm~500μm、好ましくは50μm~300μmであり得る。
透明電極は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)等の金属酸化物を用いて形成され得る。あるいは、透明電極は、銀ナノワイヤー(AgNW)、カーボンナノチューブ(CNT)、有機導電膜、金属層またはこれらの積層体によって形成され得る。透明電極は、目的に応じて、所望の形状にパターニングされ得る。例えば、透明電極を縦ストライプ、横ストライプまたは格子状にパターン形成することにより、調光デバイスにブラインド機能を好適に付与することができる。
配向膜は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール等の塗布膜にレーヨン等の布でラビング処理を施すことによって形成され得る。
基板の光透過率(波長550nm)は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。光透過率がこのような範囲であれば、透過モードにおいて優れた透明性を実現できる。
C.液晶組成物の塗布および積層体の作製
次に、図1(a)に示すように、基板10aの配向膜側表面に液晶組成物を塗布して塗布層40を形成する。液晶組成物は、代表的には液晶化合物およびモノマー成分を含む。
液晶化合物としては、非重合型の任意の適切な液晶化合物が用いられる。例えば、ネマティック型、スメクティック型、コレステリック型液晶化合物が挙げられる。透過モードにおいて優れた透明性を実現できることから、ネマティック型液晶化合物を用いることが好ましい。誘電率の異方性は、正または負のいずれであってもよい。
上記液晶化合物の具体例としては、特開平11-174211等に記載されるように、シアノビフェニル系、シアノフェニルシクロヘキサン系、シアノフェニルエステル系、安息香酸フェニルエステル系、フェニルピリミジン系化合物やそれらの混合物等の室温または高温でネマティック相やスメクティック相を呈する低分子液晶化合物が挙げられる。このような低分子液晶化合物の具体例としては、特開平11-153787に記載されるように、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、ターフェニル系、ビフェニルベンゾエート系、シクロヘキシルビフェニル系、フェニルピリミジン系、シクロヘキシルピリミジン系、コレステロール系等の各種低分子液晶化合物を挙げることができる。これらの低分子液晶化合物は、単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
液晶化合物の液晶相転移温度(液晶相-等方相転移温度)TLCは、好ましくは60℃~150℃であり、より好ましくは80℃~150℃である。液晶相転移温度がこのような範囲であれば、後述の活性エネルギー線照射時の温度を所定の低温とした場合に、液晶化合物の配向性が非常に高い状態となる。したがって、得られる調光層において、液晶化合物は、ポリマーが形成するネットワーク構造中で配向性が非常に高い状態で相分離または分散することとなり、その結果、電圧無印加時の透過性(透明性)が非常に高いリバースモードの高分子分散型調光デバイスが得られる。
モノマー成分は、光透過率、上記液晶化合物の屈折率等に応じて適切に選択され得る。モノマー成分の代表例としては、重合型の液晶モノマー(2官能以上の架橋型モノマーを含み得る)、活性エネルギー線硬化型樹脂のモノマーが挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられる。モノマー成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記液晶化合物との屈折率のマッチングが容易となることから、好ましくは、モノマー成分は、少なくとも1種の液晶モノマーを含む。
上記液晶モノマーが液晶性を示す温度範囲は、その種類に応じて異なる。具体的には、当該温度範囲は、好ましくは40℃~120℃であり、さらに好ましくは50℃~100℃であり、最も好ましくは60℃~90℃である。
液晶モノマーとしては、任意の適切な液晶モノマーが採用され得る。例えば、特表2002-533742(WO00/37585)、EP358208(US5211877)、EP66137(US4388453)、WO93/22397、EP0261712、DE19504224、DE4408171、およびGB2280445等に記載の重合型メソゲン化合物等が使用できる。このような重合型メソゲン化合物の具体例としては、例えば、BASF社の商品名LC242、Merck社の商品名E7、Wacker-Chem社の商品名LC-Sillicon-CC3767が挙げられる。液晶モノマーとしては、例えばネマティック型液晶モノマーが好ましい。
上記液晶組成物中における液晶化合物とモノマー成分との配合比(液晶化合物:モノマー成分(重量基準))は、例えば5:95~30:70、好ましくは10:90~20:80である。液晶組成物は、感光性のモノマー成分を用いること、光開始剤を配合すること等により、感光性材料とされている。
液晶組成物は、目的に応じて任意の適切な成分をさらに含み得る。例えば、液晶組成物は、カイラル剤をさらに含み得る。カイラル剤を用いることにより、上記液晶化合物または得られる液晶ポリマーをコレステリック配向性とすることができる。カイラル剤の種類や添加量は、らせんピッチ等の所望の設定値に応じて適切に決定できる。また例えば、液晶組成物は、重合開始剤をさらに含み得る。重合開始剤の種類や添加量は、モノマー成分の種類、組成等に応じて適切に決定できる。他の任意成分としては、酸化防止剤、可塑剤、色素等が挙げられる。液晶組成物中における任意成分の含有量は、例えば10重量%以下であり得る。
液晶組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。塗布層は、必要に応じて自然乾燥または加熱乾燥処理され得る。
次いで、図1(b)に示すように、基板10bを配向膜側表面が塗布層40と対向するように塗布層40上に積層し、積層体を作製する。
必要に応じて、積層体に加熱処理を施してもよい。加熱処理を行う場合、加熱温度は例えば70℃~110℃であり、加熱時間は例えば40秒~120秒である。加熱処理を行うことにより、塗布により生じた液晶配向の乱れを解消することができる。その結果、電圧無印加時の透明性をさらに高めることができる。
D.活性エネルギー線照射による調光層の形成
次いで、図1(c)に示すように、積層体に活性エネルギー線照射を行う。これにより、塗布層40の活性エネルギー線照射領域においてモノマー成分が重合し、調光層30が形成される。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が用いられる。なかでも、紫外線が好ましい。なお、図示例では積層体の全面に活性エネルギー線照射を行っているが、積層体の所定の位置のみに活性エネルギー線照射を行ってもよい。
活性エネルギー線として紫外線を採用する場合、紫外線の照射条件は、モノマー成分の種類等に応じて適切に設定され得る。例えば、活性エネルギー線照射における紫外線の照射条件は、照度を好ましくは1mW/cm~300mW/cm、より好ましくは10mW/cm~150mW/cm、照射時間を好ましくは1分間~30分間、より好ましくは3分間~15分間とすることができる。光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV-LED等を用いることができる。
本発明の実施形態においては、上記のとおり、紫外線照射時の温度TIRは-10℃~20℃であり、好ましくは-5℃~15℃である。温度TIRがこのような範囲であれば、液晶化合物の配向性が非常に高い状態での紫外線照射(モノマー成分の重合)が可能となる。したがって、得られる調光層において、液晶化合物は、ポリマーが形成するネットワーク構造中で配向性が非常に高い状態で相分離または分散することとなり、その結果、電圧無印加時の透過性(透明性)が非常に高いリバースモードの高分子分散型調光デバイスが得られる。
照射時の温度TIRと液晶相転移温度TLCとの差は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃~95℃である。当該温度差がこのような範囲であれば、紫外線照射時の液晶化合物を高い配向状態に制御することがさらに容易となる。
上記のような活性エネルギー線照射により、モノマー成分が重合する。その結果、得られる調光層は、ポリマー(モノマー成分の重合体)および液晶化合物を含む。より具体的には、調光層は、ポリマーが形成するネットワーク構造中で相分離または分散状態で存在する液晶化合物を含む。
モノマー成分が液晶モノマーを含む場合、上記重合により液晶ポリマーが得られる。液晶ポリマーは、好ましくは、所定の方向に配向し、その配向状態が固定されている。液晶ポリマーの配向状態が固定化されていることにより、液晶化合物の配向状態の変化を通じて透過モードと散乱モードとの切換えが好適に行われ得る。このような液晶ポリマーは、液晶モノマー(2官能以上の架橋型モノマーを含み得る)を配向させた後に、液晶モノマー同士を重合または架橋させることによって得られ得る。ここで、重合によりポリマーが形成され、架橋によりネットワーク構造が形成されることとなるが、これらは非液晶性である。したがって、得られる液晶ポリマーにおいては、例えば、液晶性の化合物に特有の温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への転移が起きることはない。
以上のようにして、調光層30が形成され、リバースモードの高分子分散型調光デバイスが得られる。
E.調光層および隔壁の形成
活性エネルギー線(例えば、紫外線)照射は、2段階で行ってもよい。具体的には、活性エネルギー線照射は、積層体の所定部分に選択的に照射を行う第1の活性エネルギー線照射と、第1の活性エネルギー線照射の後、積層体の全面に照射を行う第2の活性エネルギー線照射と、を含む。このような構成であれば、当該所定部分に隔壁を形成することができる。第1の活性エネルギー線照射における選択的な照射は、所定の開口パターンを有するマスクを用いて行うことができる。例えば、平面視格子状の開口パターンを有するマスクを介して積層体を照射し、次いで、マスクを外して積層体の全面を照射することにより、調光層と、平面視格子状の連続構造を有し、調光層を複数の区画に区画する隔壁と、が形成される。調光層と隔壁とは、露光条件の違いによって1つの液晶組成物から互いに異なるポリマー含有量を有する領域として形成され得る。このような構成とすることにより、耐衝撃性および機械的強度に優れた調光デバイスを得ることができる。
本実施形態においては、第2の活性エネルギー線照射時の温度TIR2が-10℃~20℃であり、好ましくは-5℃~15℃である。なお、第1の活性エネルギー線照射時の温度TIR1は、任意の適切な温度に設定され得る。TIR1は、例えば20℃~50℃である。
F.調光デバイス
本発明の製造方法により得られる調光デバイスはリバースモードであり、電圧が印加された状態で散乱モードとなり、電圧が印加されていない状態で透過モードとなる。具体的には、基板10a、10bの透明電極面に設けられた配向膜の配向作用によって、電圧無印加時に液晶化合物が配向して透過モードとなり、電圧の印加によって該液晶化合物の配向が乱れて散乱モードとなる。なお、電圧無印加時に液晶化合物が配向し得る限りにおいて、配向膜は省略され得る(例えば、電極表面に直接ラビング処理が施されている場合)。
液晶化合物は、配向状態においてポリマーと略同一の屈折率を示す。よって、液晶化合物の配向度が高い状態にある透過モード(電圧無印加時)においては、調光層に入射した光は、進行方向を大きく曲げることなく、調光層を透過することができる。このとき、調光層のヘイズ値は、例えば10%以下、好ましくは7%以下であり得る。ヘイズ値は、例えば、JIS K7136に準拠して測定され得る。なお、カイラル性を付与していない場合には液晶配向による偏光依存性が発生し得るので、そのような場合には偏光板を介して測定が行われ得る。
一方、液晶化合物の配向度が低い状態にある散乱モード(電圧印加時)においては、液晶化合物の向きが不規則となるのでポリマーと液晶化合物との間で屈折率差が増大する。この状態において、調光層に入射した光は、該屈折率差に起因して進行方向を大きく曲げて散乱する。このとき、調光層のヘイズ値は、例えば80%以上、好ましくは85%以上であり得る。
隔壁を形成する実施形態においては、上記のとおり、マスクの開口パターンに対応した平面視形状の隔壁が形成され得る。例えば平面視格子状の隔壁が形成される場合、同一方向に延びる隔壁の配置間隔は、例えば1mm以下であり、好ましくは30μm~500μmであり;隔壁の幅(延びる方向によって幅が異なる場合は、最大の幅)は、例えば3μm~50μm、好ましくは5μm~30μmである。
隔壁は、電圧の印加時および無印加時において、光透過率が実質的に変化しない。隔壁の光透過率(波長550nm)は、例えば30%~95%、好ましくは40%~90%である。
1つの実施形態において、平面視における調光層と隔壁との面積の合計に対する調光層の面積の割合(開口率)は、例えば60%以上であり、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%~95%である。調光層の面積(開口率)が60%以上であることにより、調光機能を好適に発揮することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。また、以下の「部」または「%」の記載はそれぞれ、特段の記載が無いかぎり、「重量部」または「重量%」を意味する。
[実施例1]
100Ω/□の透明電極(ITO膜)を片面に有する40mm×30mmのPETフィルム(厚み100μm)の電極面にポリイミド(JSR社製、「オプトマーAL1254」)を100nmの厚みで塗布し、90℃で10分加熱後120℃で90分間焼成し、一軸方向にラビング処理を施すことにより、平行配向膜を形成した。これにより、[配向膜/透明電極/PETフィルム]の構成を有する基板Aを得た。
液晶化合物(HCCH社製、「854600-100」、TLC=82℃)95部と、架橋型液晶モノマー(BASF社製、「LC242」)5部とを混合した。得られた混合物に、重合開始剤(BASF社製、「IRGACURE TPO」)を0.95部添加し、等方相まで加熱後、撹拌して液晶組成物を得た。
得られた液晶組成物を上記基板Aの配向膜表面に10μm厚で塗布した。次いで、配向膜が該塗布層に接するように別の基板Aを塗布層上に貼り合わせて、[基板A/塗布層/基板A]の構成を有する積層体を作製した。この積層体を、90℃、60秒間の加熱処理に供した。次いで、積層体に紫外線を照射した。具体的には、365nmに中心波長を有するLED光源にて30mW/cmの照度で10分間連続的に照射した。照射時の温度は20℃であった。これにより、上記液晶モノマーが重合して液晶ポリマーとなり、当該液晶ポリマーのネットワーク中に液晶化合物が相分離または分散した複合体(調光層)が形成された。
以上のようにして、リバースモードの調光フィルムを得た。
得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
紫外線照射時の温度を10℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例3]
紫外線照射時の温度を10℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例4]
紫外線照射時の温度を5℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例5]
紫外線照射時の温度を0℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例6]
紫外線照射時の温度を-5℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例7]
紫外線照射時の温度を-10℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
紫外線照射時の温度を室温(23℃)としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
紫外線照射時の温度を50℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[比較例3]
紫外線照射時の温度を75℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[比較例4]
紫外線照射時の温度を-15℃としたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例8]
液晶化合物としてHCCH社製の「850100-100」(TLC=73℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例9]
液晶化合物としてHCCH社製の「21600-000」(TLC=95℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
[実施例10]
液晶化合物としてHCCH社製の「21700-000」(TLC=114℃)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてリバースモードの調光フィルムを得た。得られた調光フィルムの電圧無印加時のヘイズを測定した。結果を表1に示す。
Figure 0007064188000001
表1から明らかなように、調光層を形成するための紫外線照射時の温度を所定範囲の低温とすることにより、電圧無印加時の透過性に優れたリバースモードの高分子分散型調光デバイスを得ることができる。温度が高すぎても低すぎてもヘイズ値は高く(悪く)なる。これは、温度が高すぎると、液晶化合物の流動性が高すぎて配向性が不十分となり;温度が低すぎると、流動性が低すぎかつ光重合反応が進行しないので配向状態を固定できない;からであると推定される。
本発明の製造方法により得られる調光デバイスは、窓ガラス用フィルムや画像表示装置等の分野において好適に用いられる。
10a 基板
10b 基板
30 調光層
40 塗布層

Claims (4)

  1. 一対の基板を用意すること、
    該一対の基板の一方の基板上に、液晶化合物およびモノマー成分を含む液晶組成物を塗布して塗布層を形成すること、
    該塗布層上に他方の基板を積層して積層体を作製すること、および
    該積層体に活性エネルギー線照射を行って、該モノマー成分の重合体であるポリマーおよび該液晶化合物を含む調光層を形成すること、を含み、
    該活性エネルギー線照射時の温度TIRが-10℃~℃であり、
    該液晶化合物が、ネマティック型液晶化合物を含み、
    該液晶組成物が、カイラル剤を含まない、
    リバースモードの高分子分散型調光デバイスの製造方法。
  2. 前記モノマー成分が液晶モノマーを含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記液晶化合物の液晶相転移温度TLCと前記温度TIRとの差が50℃以上である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記活性エネルギー線照射が、前記積層体の所定部分に選択的に照射を行う第1の活性エネルギー線照射と、該第1の活性エネルギー線照射の後、該積層体の全面に照射を行う第2の活性エネルギー線照射と、を含み、
    該第2の活性エネルギー線照射によって、前記調光層が形成され、
    該第2の活性エネルギー線照射時の温度TIR2が-10℃~℃である、
    請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
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