JP7154497B2 - 加圧循環流動炉システムの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加圧循環流動炉システムの運転方法に関し、特に、加圧循環流動炉の燃焼効率を高めて、燃焼排ガスに含まれる一酸化炭素等の有害物質の外部への排出を抑制する加圧循環流動炉システムの運転方法に関する。
加圧循環流動炉は、被処理物が供給されるライザーと、燃焼排ガス中に含まれる流動媒体を分離するサイクロンと、燃焼排ガスの逆流を防止するために流動媒体が流動しながら充満しているループシールを備え、ライザー内とサイクロンで被処理物を燃焼させる流動炉である。
しかし、例えば流動媒体の循環量が少ない場合、ライザー下部温度が下がり、流動炉内の燃焼が不十分となり、燃焼排ガス中に含まれる一酸化炭素等の有害物質の外部排出量が増加する恐れがある。
このような問題を解決するために、流動媒体の循環量を変動させる方法として、ライザーに供給する燃焼空気の質量流量を増減させたり、燃焼排ガスをライザーに再循環させたり、流動媒体の粒径を変化させる方法がある。(特許文献1)
国際公開WO2008/107929号公報
しかし、燃焼空気の質量流量を増減させる方法では、空気比が変動するためにライザー内の燃焼状態が変動する恐れがあり、燃焼排ガスを再循環させる方法では、燃焼排ガスをライザーに再循環させる設備が大掛かりになる恐れがあり、流動媒体の粒径を変化させる方法では、流動媒体の循環量に応じて流動媒体の抜出と供給を行う設備と、粒径の異なる流動媒体を保管する設備が大掛かりになる恐れがある。
そこで、本発明の課題は、空気比の変動を抑制し、大掛かりな設備を追加せずにライザー内の燃焼効率を高めて、燃焼排ガス内に含まれる有害物質を削減する加圧循環流動炉システムの運転方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明及び作用効果は次のとおりである。
第1発明は、流動媒体を循環させながら被処理物を燃焼させるライザーと、前記ライザーから排出された燃焼排ガス中に含まれる流動媒体を分離して回収するサイクロンと、前記サイクロンで分離された流動媒体を一時的に貯留するループシールを設けた加圧循環流動炉と、前記サイクロンから排出された燃焼排ガスによって回転するタービンと、タービンの回転と一体となって回転するコンプレッサを有して、前記加圧循環流動炉に供給される燃焼空気を加圧する過給機を備えた加圧循環流動炉システムの運転方法であって、
前記ライザー上部と下部の温度差が所定の設定温度差、又は、ライザー上部と下部の第1圧力差が所定の第1設定圧力差の範囲となるように、前記コンプレッサから排出される燃焼空気の圧力と、前記コンプレッサから排出されて加圧循環流動炉に供給される燃焼空気の体積流量を調整することを特徴とする加圧循環流動炉システムの運転方法。
(作用効果)
ライザー上部と下部の温度差が所定の設定温度差、又は、ライザー上部と下部の第1圧力差が所定の第1設定圧力差の範囲となるように、コンプレッサから排出される燃焼空気の圧力と、コンプレッサから排出されて加圧循環流動炉に供給される燃焼空気の体積流量を調整するので、加圧循環流動炉内の空気比の変動を抑制し、加圧循環流動炉内、特にライザーに供給する燃焼空気の体積流量を調整して、ライザー内の流動媒体の循環を安定に維持し、燃焼排ガスに含まれる有害物質を削減することができる。
第2発明は、第1発明の構成において、前記温度差が設定温度差を下回る場合、又は、前記第1圧力差が第1設定圧力差よりも大きい場合は、前記燃焼空気の圧力を上げるとともに、前記燃焼空気の体積流量を減らすことを特徴とする。
(作用効果)
温度差が設定温度差を下回る場合、又は、第1圧力差が第1設定圧力差よりも大きい場合は、燃焼空気の圧力を上げるとともに、燃焼空気の体積流量を減らすので、ライザーの上部と下部の温度差が設定温度差を下回る場合、又は、ライザーの上部と下部の第1圧力差が第1設定圧力差よりも大きい場合でも、加圧循環流動炉内の空気比の変動を抑制し、加圧循環流動炉内、特にライザーに供給する燃焼空気の体積流量を調整して、ライザー内の流動媒体の循環を安定に維持し、燃焼排ガスに含まれる有害物質を削減することができる。
第3発明は、第1発明の構成において、前記温度差が設定温度差を上回る場合、又は、前記第1圧力差が第1設定圧力差よりも小さい場合は、前記燃焼空気の圧力を下げるとともに、前記燃焼空気の体積流量を増やすことを特徴とする。
(作用効果)
温度差が設定温度差を上回る場合、又は、第1圧力差が第1設定圧力差よりも小さい場合は、燃焼空気の圧力を下げるとともに、燃焼空気の体積流量を増やすので、ライザーの上部と下部の温度差が設定温度差を上回る場合、又は、ライザーの上部と下部の第1圧力差が第1設定圧力差よりも小さい場合でも、加圧循環流動炉内の空気比の変動を抑制し、加圧循環流動炉内、特にライザーに供給する燃焼空気の体積流量を調整して、ライザー内の流動媒体の循環を安定に維持し、燃焼排ガスに含まれる有害物質を削減することができる。
第4発明は、第1~3発明のいずれか1項の発明の構成において、前記燃焼空気の圧力の調整は、前記タービンに供給する燃焼排ガスの質量流量、又は、前記コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量の少なくとも一つを調整して行うことを特徴とする。
(作用効果)
燃焼空気の圧力の調整は、タービンに供給する燃焼排ガスの質量流量、又は、コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量の少なくとも一つを調整して行うので、ライザー内に供給される燃焼空気の圧力を速やかに調整することができ、ライザー内の流動媒体の循環をより安定に維持して、燃焼排ガスに含まれる一酸化炭素等の有害物質をより効率良く削減することができる。
第5発明は、第4発明の構成において、前記燃焼空気の体積流量の調整は、前記燃焼空気の圧力を前記タービンに供給する燃焼排ガスの質量流量で調整して行う場合には、前記コンプレッサと加圧循環流動炉を接続する供給ラインの圧力損失、前記サイクロンより排出される燃焼排ガスが流れる排ガスラインと供給ラインに接続されたバイパスラインを流れる燃焼空気の体積流量、前記コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量、又は、前記コンプレッサに吸気される燃焼空気が流れる吸気ラインの圧力損失、の少なくとも一つを調整することにより行い、前記燃焼空気の圧力を前記コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量で調整して行う場合には、前記コンプレッサと加圧循環流動炉を接続する供給ラインの圧力損失、前記サイクロンより排出される燃焼排ガスが流れる排ガスラインと供給ラインに接続されたバイパスラインを流れる燃焼空気の体積流量、又は、前記コンプレッサに吸気される燃焼空気が流れる吸気ラインの圧力損失、の少なくとも一つを調整して行うことを特徴とする。
(作用効果)
燃焼空気の体積流量の調整は、燃焼空気の圧力をタービンに供給する燃焼排ガスの質量流量で調整して行う場合には、コンプレッサと加圧循環流動炉を接続する供給ラインの圧力損失、サイクロンより排出される燃焼排ガスが流れる排ガスラインと供給ラインに接続されたバイパスラインを流れる燃焼空気の体積流量、コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量、又は、コンプレッサに吸気される燃焼空気が流れる吸気ラインの圧力損失、の少なくとも一つを調整することにより行い、燃焼空気の圧力をコンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量で調整して行う場合には、コンプレッサと加圧循環流動炉を接続する供給ラインの圧力損失、サイクロンより排出される燃焼排ガスが流れる排ガスラインと供給ラインに接続されたバイパスラインを流れる燃焼空気の体積流量、又は、コンプレッサに吸気される燃焼空気が流れる吸気ラインの圧力損失、の少なくとも一つを調整して行うので、ライザー内に供給される燃焼空気の体積流量を速やかに調整することができ、ライザー内の流動媒体の循環をさらに安定に維持して、燃焼排ガスに含まれる一酸化炭素等の有害物質を効率良く迅速に削減することができる。
第6発明は、第1~5のいずれか1項の発明の構成において、前記サイクロンの排出口とループシールの第2圧力差が第2設定圧力差よりも小さい場合は、前記ループシールに供給する空気の体積流量を減少させて、ループシールからライザーに供給する流動媒体を減らし、前記第2圧力差が第2設定圧力差よりも大きい場合には、前記ループシールに供給する空気の体積流量を増加させて、ループシールからライザーに供給する流動媒体を増やすことを特徴とする。
(作用効果)
サイクロンの排出口とループシールの第2圧力差が第2設定圧力差よりも小さい場合は、ループシールに供給する空気の体積流量を減少させて、ループシールからライザーに供給する流動媒体を減らし、第2圧力差が第2設定圧力差よりも大きい場合には、ループシールに供給する空気の体積流量を増加させて、ループシールからライザーに供給する流動媒体を増やすので、ライザー内の流動媒体を好適な量に維持して、燃焼排ガスに含まれる一酸化炭素等の有害物質をさらに削減することができる。
第7発明は、第6発明の構成において、前記第2設定圧力差を0.1~10kPaに設定したことを特徴とする。
(作用効果)
第2設定圧力差を0.1~10kPaに設定したので、ライザー内の流動媒体をより好適な量に維持して、燃焼排ガスに含まれる一酸化炭素等の有害物質をより削減することができる。
(作用効果)
加圧循環流動炉内の空気比の変動を抑制し、加圧循環流動炉内、特にライザーに供給する燃焼空気の体積流量を調整して、加圧循環流動炉内の流動媒体の循環を安定に維持し、燃焼排ガスに含まれる有害物質を削減することができる。
加圧循環流動炉の説明図である。 加圧循環流動炉システムの説明図である。 コントローラの接続図である。 加圧循環流動炉システムの運転方法の説明図である。
図1に示すように、加圧循環流動炉1は、下水汚泥、バイオマス、都市ゴミ等の被処理物を燃焼させるライザー10と、ライザー10から排出される燃焼排ガス中に含有された砂等の流動媒体を分離して回収するサイクロン20と、ライザー10から排出される燃焼排ガスの逆流を防止するループシール30で構成されている。
ライザー10は、略中空円柱状に形成されている。ライザー10の側壁の一側の下部には、一次燃焼空気を供給する給気口11が形成され、給気口11の上側には、二次燃焼空気を供給する給気口12が形成され、給気口11の上側には、被処理物を供給する供給口13が形成され、側壁の他側の下部には、サイクロン20で回収された流動媒体を供給する供給口14が形成され、側壁の他側の上部には、燃焼排ガスを外部に排出する排気口15が形成されている。なお、給気口11に接続された配管には、一次燃焼空気の流量を調整する調整弁(図示省略)が設けられ、給気口12に接続された配管には、二次燃焼空気の流量を調整する調整弁(図示省略)が設けられている。なお、本明細書では、一次燃焼空気と二次燃焼空気を総称して燃焼空気と言う。
ライザー10の内部には、流動媒体が充填されている。ライザー10の下部に堆積した流動媒体内には、一次燃焼空気を供給する分散管(図示省略)が設けられている。これにより、ライザー10に一次燃焼空気を供給した場合には、流動媒体内に排気される一次燃焼空気によって流動媒体を上側に向かって流動させることができる。また、燃焼空気の単位時間当たりの体積流量を増やしてライザー10内の空塔速度を大きくすると循環する流動媒体の量を増やすことができ、燃焼空気の単位時間当たりの体積流量を減らしてライザー10内の空塔速度を小さくすると循環する流動媒体の量を減らすことができる。
ライザー10に供給された被処理物に含まれている水分は、蒸発して、蒸発時に流動媒体の熱量を奪い、流動媒体の温度T1を下げる方向に作用し、被処理物に含まれている有機物は燃焼してライザー10の上部の温度(T2を上げる方向に作用する。これにより、ライザー10に被処理物を供給した場合、流動媒体がライザー上部から熱を奪いサイクロン、ループシールを通してライザー下部に熱を与えることにより、温度T1と温度T2の設定温度差に維持してライザー10を安定して運転することができる。
上側に向かって流動した流動媒体は、燃焼排ガスと共に排気口15から外部に排出され、外部に排出された流動媒体は、サイクロン20によって回収される。サイクロン20によって回収された流動媒体は、ループシール30を介して再びライザー10に供給される。これにより、流動媒体は加圧循環流動炉1内を循環する。
ライザー10の側壁の下部には、流動媒体が堆積しているライザー10の下部の温度T1を測定する温度センサ40Aが設けられ、側壁の上部には、排気口15の近傍のライザー10の上部の温度T2を測定する温度センサ40Bが設けられている。これにより、ライザー10の運転時におけるライザー10内の温度T1を継続して測定することができる。なお、温度センサの設置数には制限がなくライザー10の上下方向の中間部にも設けることもできる。
循環している流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、温度センサ40Aで測定された温度T1と温度センサ40Bで測定された温度T2の温度差は設定温度差内にある。このような場合には、給気口11と給気口12を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を維持する。なお、流動している流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、温度T1と温度T2は、略750~880℃である。
循環している流動媒体の量が設定範囲よりも少なくなった場合には、温度センサ40Aで測定された温度T1が設定範囲よりも低温になり、温度センサ40Bで測定された温度T2は設定範囲内にあり、温度T1と温度T2に設定温度差を上回る温度差ΔTが生じる。このような場合には、加圧循環流動炉内の圧力を下げるとともに、給気口11と給気口12を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を増加させる。すなわち、過給機72のタービン72Aに供給する燃焼排ガスの質量流量を減らし、タービン72Aとコンプレッサ72Bの回転速度を下げるとともに、コンプレッサ72Bを介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を増やし、ライザー10内の空塔速度を大きくして循環している流動媒体の量を増加させる。ライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を増やす方法として、例えば、コンプレッサ72Bから加圧循環流動炉1へ燃焼空気を送るラインのバルブ開度を大きくし当該ラインの圧力損失を小さくすること、または、コンプレッサ72Bから排出された燃焼空気の一部を、加圧循環流動炉1へ送らずに排ガスラインや外部などへ排出している量を減らすこと、などが挙げられ、さらにこれらの方法を組み合わせて行うこともできる。なお、設定温度差は、任意に設定できるが設定温度差の絶対値を3~35℃に設定するのが好ましい。
循環している流動媒体の量が設定範囲よりも多くなった場合には、温度センサ40Aで測定された温度T1が設定範囲よりも高温になり、温度センサ40Bで測定された温度T2は設定範囲内にあり、温度T1と温度T2に設定温度差を下回る温度差ΔTが生じる。このような場合には、加圧循環流動炉内の圧力を上げるとともに、給気口11と供給口12を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を減少させる。すなわち、過給機72のタービン72Aに供給する燃焼排ガスの質量流量を増やし、タービン72Aとコンプレッサ72Bの回転速度を上げるとともに、コンプレッサ72Bを介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を減らし、ライザー10内の空塔速度を小さくして循環している流動媒体の量を減少させる。ライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を減らす方法として、例えば、コンプレッサ72Bから加圧循環流動炉1へ燃焼空気を送るラインのバルブ開度を小さくし当該ラインの圧力損失を大きくすること、または、コンプレッサ72Bから排出された燃焼空気の一部を、加圧循環流動炉1へ送らずに排ガスラインや外部などへ排出している量を増やすこと、などが挙げられ、さらにこれらの方法を組み合わせて行うこともできる。
ライザー10の側壁の下部には、流動媒体が堆積しているライザー10の下部に連通する連通口50Aが形成され、側壁の上部には、ライザー10の上部に連通する連通口50Bが形成されている。また、連通口50Aと連通口50Bの間には、連通口50Aと連通口50Bの間の圧力差(請求項における「第1圧力差」)ΔP1を測定する圧力センサ51Aが設けられている。
連通口50Aと圧力センサ51Aの一側は、配管52で接続され、圧力センサ51Aの他側と連通口50Bは、配管53で接続されている。これにより、ライザー10の運転時におけるライザー10の下部と上部の圧力差ΔP1を継続して測定することができ、圧力差ΔP1を介してライザー10内の流動媒体の保有量を継続して測定することができる。
ライザー10内の流動媒体の保有量は、後述するループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さで調整することができる。ループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さが設定範囲より高い場合には、給気口34を介してループシール30に供給する空気量を増やして、配管37を介してループシール30からライザー10に供給される流動媒体の供給量を増加させる。ループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さが設定範囲より低い場合には、給気口34を介してループシール30に供給する空気量を減らして、配管37を介してループシール30からライザー10に供給される流動媒体の供給量を減少させる。これらにより、ループシール部分の流動媒体量が略一定となるためライザー10内の流動媒体の保有量を設定範囲内に維持することができる。
ライザー10内の流動媒体の保有量が設定範囲内にあり、且つ、循環している流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、圧力センサ51Aで測定される圧力差ΔP1は第1設定圧力差内にある。このような場合には、給気口11と給気口12を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を維持する。なお、流動媒体の循環量は、ライザー10の空塔速度とライザー10内の流動媒体の保有量との相関があるため、第1圧力差ΔP1を利用して循環している流動媒体の量を推定する。
ライザー10内の流動媒体の保有量が設定範囲内にあり、且つ、循環している流動媒体の量が設定範囲よりも少なくなった場合には、圧力センサ51Aで測定される圧力差ΔP1は第1設定圧力差よりも小さくなる。このような場合には、給気口11と給気口12を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を増加させる。すなわち、過給機72のタービン72Aに供給する燃焼排ガスの質量流量を減らし、タービン72Aとコンプレッサ72Bの回転速度を下げて、コンプレッサ72Bを介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を増やし、ライザー10内の空塔速度を大きくして循環している流動媒体の量を増加させる。
ライザー10内の流動媒体の保有量が設定範囲内にあり、且つ、循環している流動媒体の量が設定範囲よりも多くなった場合には、圧力センサ51Aで測定される圧力差ΔP1は第1設定圧力差よりも大きくなる。このような場合には、給気口11と給気口12を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を減少させる。すなわち、過給機72のタービン72Aに供給する燃焼排ガスの質量流量を増やし、タービン72Aとコンプレッサ72Bの回転速度を上げて、コンプレッサ72Bを介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を減らし、ライザー10内の空塔速度を小さくして循環している流動媒体の量を減少させる。
配管52には、連通口50Aの圧力よりも高い圧力のパージ空気を供給する配管54が接続され、配管53には、連通口50Bの圧力よりも高い圧力のパージ空気を供給する配管55が接続されている。これにより、ライザー10内の流動媒体が、配管52、配管53を介して圧力センサ51Aに移動するのを防止することができる。
サイクロン20は、上部が略中空円柱状に形成され下部が略中空逆円錐状に形成されている。サイクロン20の側壁の上部には、ライザー10から排気された燃焼排ガスが供給される給気口21が形成され、サイクロン20の上壁には、燃焼排ガスを外部に排出する排気口22が形成され、サイクロン20の下壁には、流動媒体、不完全燃焼した被処理物であるチャー等を外部に排出する排出口23が形成されている。
ライザー10の排気口15とサイクロン20の給気口21は、配管35で接続されている。また、ライザー10で、完全燃焼した被処理物は、灰となり、不完全燃焼の被処理物は、燃焼排ガス内に一酸化二窒素(N2O)、一酸化炭素(CO)となって燃焼排ガスに含まれて排気口22から外部に排出される。
サイクロン20の側壁の中部には、排気口22の近傍のサイクロン20の中部の温度T3を測定する温度センサ40Cが設けられている。これにより、ライザー10の運転時におけるサイクロン20の中部の温度T3を継続して測定することができる。なお、温度センサの設置数には制限がない。
循環している流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、温度センサ40Cで測定された温度T3は、温度T2と略同一温度になっている。このような場合には、給気口11と給気口12を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を維持する。なお、循環している流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、温度T3は、略750~880℃に設定されている。
サイクロン20の排気口22には、排気口22を介してサイクロン20の上部に連通する連通口50Cが形成されている。また、連通口50Bに接続された配管53と連通口50Cの間には、連通口50Bと連通口50Cの間の圧力差ΔP2を測定する圧力センサ51Bが設けられている。なお、流動している流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、設定圧力差は、1.25~2.5kPaに設定されている。
配管53と圧力センサ51Bの一側は、配管56で接続され、圧力センサ51Bの他側と連通口50Cは、配管57で接続されている。これにより、ライザー10の運転時におけるライザー10のフリーボード部とサイクロン20の上部の圧力差ΔP2を継続して測定することができる。
配管57には、連通口50Cの圧力よりも高い圧力のパージ空気を供給する配管58が接続されている。これにより、流動媒体が、配管57を介して圧力センサ51Bに移動するのを防止することができる。
ループシール30は、略中空直方体状に形成されている。ループシール30の上壁には、サイクロン20から排出された流動媒体、チャー等が供給される供給口31が形成され、ループシール30の側壁の一側には、ループシール30の内部に設けられた流動媒体やサイクロン20から供給された流動媒体、チャー等をライザー10に供給する排出口32が形成されている。
供給口31と排出口32は、側面視において略U字形状の連通部33で接続されている。これにより、連通部33に流動媒体が堆積し、ライザー10から排出される燃焼排ガスが、排出口32を介してループシール30内に逆流するのを防止することができる。また、連通部33の下部には、連通部33内に堆積した流動媒体等を流動化する空気を供給する給気口34が形成されている。これにより、給気口34から空気を供給して流動媒体等を排出口32から外部に排出することができる。なお、給気口34には、配管97の一端が接続され、配管97には、流量制御弁97Aが設けられている。
ループシール30の側壁の他側には、ループシール30の連通部33に連通する連通口50Dが形成されている。また、サイクロン20の排出口23とループシール30の供給口31は、配管36で接続されている。配管36は、サイクロン20の排出口23からループシール30の供給口31に向かって直線状に設けられている。これにより、サイクロン20から排出された流動媒体、チャー等をループシール30に効率良く流下させることができる。
配管36の上部には、配管36の上部に連通する連通口50Eが形成されている。また、連通口50Dと連通口50Eの間には、連通口50Dと連通口50Eの間の圧力差(請求項における「第2圧力差」)ΔP3を測定する圧力センサ51Cが設けられている。
連通口50Dと圧力センサ51Cの一側は、配管59Aで接続され、圧力センサ51Cの他側と連通口50Eは、配管59Bで接続されている。これにより、ライザー10の運転時におけるループシール30の下部と配管36の上部の圧力差ΔP3を継続して測定することができ、圧力差ΔP3を介してループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さを継続して測定することができる。なお、ループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さとは、ループシール30内と配管36内の黒色で図示した多くの流動媒体が堆積した部位の高さを言うものとする。
ループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さが設定範囲内にある場合、すなわち、ループシール部の流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、圧力センサ51Cで測定される圧力差ΔP3は第2設定圧力差内にある。このような場合には、給気口34を介してループシール30の連通部33に供給される空気の体積流量を維持する。なお、ループシール部の流動媒体の量が設定範囲内にある場合には、第2設定圧力差は、0.1~10kPaに設定されている。
ループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さが設定範囲よりも低くなった場合、すなわち、ループシール部の流動媒体の量が設定範囲よりも少なくなった場合には、圧力センサ51Cで測定される圧力差ΔP3は第2設定圧力差よりも小さくなる。このような場合には、給気口34を介してループシール30の連通部33に供給される流動媒体を流動する空気の体積流量を減らし、排出口32から排出される流動媒体の排出量を減少させてループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さを高くする。
ループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さが設定範囲よりも高くなった場合、すなわち、ループシール部の流動媒体の量が設定範囲よりも多くなった場合には、圧力センサ51Cで測定される圧力差ΔP3は第2設定圧力差よりも大きくなる。このような場合には、給気口34を介してループシール30の連通部33に供給される流動媒体を流動する空気の体積流量を増やし、排出口32から排出される流動媒体の排出量を増加させてループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さを低くする。
配管59Aには、連通口50Dの圧力よりも高い圧力のパージ空気を供給する配管60が接続され、配管59Bには、連通口50Eの圧力よりも高い圧力のパージ空気を供給する配管61が接続されている。これにより、ループシール30の連通部34と配管36内の流動媒体が、配管59A、配管59Bを介して圧力センサ51Cに移動するのを防止することができる。
ループシール30の排出口32とライザー10の供給口14は、配管37で接続されている。配管37は、ループシール30の排出口32からライザー10の供給口14に向かって所定の傾斜角度を有して設けられている。これにより、ライザー10に過度の流動媒体を一度に供給するのを防止することができる。
図2に示すように、サイクロン20の排気口22から排出された燃焼排ガスは、サイクロン20の下流側に設けられた燃焼排ガスと燃焼空気の熱交換を行なう空気予熱器70、燃焼排ガス内の固形不純物を除去する集塵機71を移動する。
その後、一部の燃焼排ガスは、過給機72のタービン72Aを通過した後に燃焼排ガスと白煙防止空気の熱交換を行なう白煙防止予熱器73に移動し、残りの燃焼排ガスは、タービン72Aを介することなく白煙防止予熱器73に移動する。
その後、燃焼排ガスは、燃焼排ガス内の硫黄酸化物(SOX)を除去する排煙処理塔74、煙突75を移動して外部に排出される。
過給機72のコンプレッサ72Bによって吸気された燃焼空気は、コンプレッサ72Bで圧縮された後に、空気予熱器70で加熱されてライザー10の給気口11と給気口12からライザー10に供給される。
ブロア76から白煙防止予熱器73に供給された白煙防止空気は、白煙防止予熱器73で加熱されて煙突75に供給されて、燃焼排ガスと混合した後に煙突75から外部に排出される。
サイクロン20の排気口22と空気予熱器70の給気口は、配管(請求項における「排ガスライン」)80で接続され、空気予熱器70の排気口と集塵機71の給気口は、配管81で接続されている。
集塵機71の排気口とタービン72Aの給気口は、配管82で接続され、配管82には、流量制御弁82Aが設けられている。これにより、配管82を流れる燃焼排ガスの質量流量を微調整することができる。また、タービン72Aの排気口と配管84における流量制御弁84Aよりも下流側の部位は、配管83で接続されている。
配管82における流量制御弁82Aよりも上流側の部位と白煙防止予熱器73の給気口は、配管84で接続され、配管84には、流量制御弁84Aが設けられている。これにより、配管82を流れる燃焼排ガスの質量流量と配管84を流れる燃焼排ガスの質量流量とを調整することができる。なお、被処理物が含水率が高い下水汚泥の脱水汚泥の例では、集塵機71の排気口から排出された燃焼排ガスの略66%が配管82を流れ、略34%が配管84を流れる。
白煙防止予熱器73の排気口と排煙処理塔74の給気口は、配管85で接続され、排煙処理塔74の排気口と煙突75の給気口は、配管86で接続されている。
コンプレッサ72Bの吸気口は、配管(請求項における「給気ライン」)90が接続され、配管90には、流量制御弁90Aが設けられている。これにより、コンプレッサ72Bが吸気する燃焼空気の体積流量を調整することができる。流量制御弁90Aの開度を小さくした場合には、燃焼空気が流れる配管90の圧力損失が増加し、流量制御弁90Aを流れる燃焼空気の体積流量が減少する。一方、流量制御弁90Aの開度を大きくした場合には、燃焼空気が流れる配管90の圧力損失が減少し、流量制御弁90Aを流れる燃焼空気の体積流量が増加する。
コンプレッサ72Bの排気口と空気予熱器70の給気口は、配管(請求項における「供給ライン」)91で接続され、配管91には、流量制御弁91Aが設けられている。これにより、配管91を流れる燃焼空気の体積流量を微調整することができる。すなわち、流量制御弁91Aの開度を小さくした場合、つまり、コンプレッサ72Bの排気口からライザー10に流れる燃焼空気のラインの圧力損失を増加させた場合は、ライザー10へ供給される燃焼空気の体積流量を減少させる。一方、流量制御弁91Aの開度を大きくした場合、つまり、コンプレッサ72Bの排気口からライザー10に流れる燃焼空気のラインの圧力損失を減少させた場合は、ライザー10へ供給される燃焼空気の体積流量を増加させる。
配管91における流量制御弁91Aよりも上流側の部位には、配管92の一端が接続され、配管92には、流量制御弁92Aが設けられている。これにより、配管91を流れる燃焼空気の体積流量と配管92を介して外部に排出される燃焼空気の体積流量を調整することができる。また、空気予熱器70の排気口とライザー10の供給口11と給気口12は、配管(請求項における「供給ライン」)93で接続されている。
配管93と配管80は配管(請求項における「バイパスライン」)98で接続され、配管98には流量制御弁98Aが設けられている。これにより、配管93を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量と配管98を介して配管80へ排出される燃焼空気の体積流量を調整することができる。
ブロア76の排気口と白煙防止予熱器73の給気口は、配管95で接続され、白煙防止予熱器73の排気口と配管86は、配管96で接続されている。
<コントローラ>
次に、加圧循環流動炉1のライザー10に供給される燃焼空気の体積流量とループシール30に供給される空気の体積流量を制御するコントローラ65について説明する。図3に示すように、コントローラ65の入力側には、ライザー10の下部の温度T1を測定する温度センサ40Aと、ライザー10のフリーボード部の温度T2を測定する温度センサ40Bと、サイクロン20の中部の温度T3を測定する温度センサ40Cと、ライザー10の下部とライザー10の上部の間の圧力差ΔP1を測定する圧力センサ51Aと、ライザー10の上部とサイクロン20の上部の間の圧力差ΔP2を測定する圧力センサ51Bと、配管36の上部とループシール30の連通部33の間の圧力差ΔP3を測定する圧力センサ51Cが所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。
コントローラ65の出力側には、集塵機71とタービン72Aを接続する配管82に設けられた流量制御弁82Aと、配管82における流量制御弁82Aよりも上流側の部位と白煙防止予熱器73を接続する配管84に設けられた流量制御弁84Aと、コンプレッサ72Bに接続された配管90に設けられた流量制御弁90Aと、コンプレッサ72Bと空気予熱器70を接続する配管91に設けられた流量制御弁91Aと、配管91における流量制御弁91Aの上流側に接続された配管92に設けられた流量制御弁92Aと、ループシール30に接続された配管97に設けられた流量制御弁97Aと、配管93と配管80を接続する配管98に設けられた流量制御弁98Aが所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
<加圧循環流動炉システムの運転方法>
次に、加圧循環流動炉システムの運転方法について説明する。なお、図4に示す制御フローは運転方法の一例であり、これに限定されるものではなく、運転条件により流量制御弁の操作の順序を変更することができる。図4に示すように、ステップS1において、コントローラ65は、圧力センサ51Cで測定された圧力差ΔP3を判断する。圧力差ΔP3が、第2設定圧力差内にある場合は、ステップS4に進む。一方、圧力差ΔP3が、第2設定圧力差よりも小さい場合には、ステップS2に進み、圧力差ΔP3が、第2設定圧力差よりも大きい場合には、ステップS3に進む。
ステップS2において、コントローラ65は、流量制御弁97Aの開度を小さくして体積流量を減らして、ループシール30の排出口32から排出される流動媒体の排出量を減少させてループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さを高くする。
ステップS3において、コントローラ65は、流量制御弁97Aの開度を大きくして体積流量を増やして、ループシール30の排出口32から排出される流動媒体の排出量を増加させてループシール30内と配管36内の流動媒体の界面高さを低くする。
ステップS4において、コントローラ65は、圧力センサ51Aで測定された圧力差ΔP1を判断する。圧力差ΔP1が、第1設定圧力差内にある場合は、ステップS17に進む。一方、圧力差ΔP1が、第1設定圧力差よりも大きい場合には、ステップS5に進み、圧力差ΔP1が、第1設定圧力差よりも小さい場合には、ステップS11に進む。
ステップS5において、コントローラ65は、流量制御弁84Aの開度を操作して過給機72のタービン72Aに供給される燃焼排ガスの質量流量を調整する。すなわち、流量制御弁84Aの開度を小さくして、タービン72Aに供給される燃焼排ガスの質量流量を増やして、ステップS6に進む。
ステップS6において、コントローラ65は、流量制御弁82Aの開度を操作してタービン72Aに供給される燃焼排ガスの質量流量を微調整する。これにより、タービン72Aとコンプレッサ72Bの回転速度が上がり、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の圧力を上げて、ステップS7に進む。また、これにより、燃焼空気の圧力を調整することができる。なお、コントコーラ65による制御プログラムを簡易にするためにステップS6を省略することもできる。
なお、ステップS5及びS6に代え、又は、加えて、流量制御弁92Aの開度を操作してコンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の圧力を調整することも可能である。すなわち、流量制御弁92Aの開度を小さくして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の一部を外部に排出する体積流量を減らして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の圧力を上げて、ステップS7に進むこともできる。
ステップS7において、コントローラ65は、流量制御弁90Aの開度を操作してコンプレッサ72Bに供給される燃焼空気の体積流量を調整する。すなわち、流量制御弁90Aの開度を小さくして、コンプレッサ72Bに供給される燃焼空気が流れる配管90の圧力損失を増やして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の体積流量が過度に増加するのを防止して、ステップS8に進む。
ステップS8において、コントローラ65は、流量制御弁92Aの開度を操作してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を調整する。すなわち、流量制御弁92Aの開度を大きくして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の一部を外部に排出して、空気予熱器70等を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量が過度に増加するのを防止して、ステップS9に進む。また、これにより、燃焼空気の圧力を調整することができる。なお、コントコーラ65による制御プログラムを簡易にするためにステップS7とステップS8のいずれか一方を省略することもできる。
また、ステップS5及びS6に代え、又は、加えて、流量制御弁92Aの開度を操作した場合には、ステップS8は行われない。
ステップS9において、コントローラ65は、流量制御弁98Aの開度を操作してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を調整する。すなわち、流量制御弁98Aの開度を大きくして、ライザー10に供給される燃焼空気の体積流量が過度に増加するのを防止して、ステップS10に進む。
ステップS10において、コントローラ65は、流量制御弁91Aの開度を操作して空気予熱器70等を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を微調整して、ステップS4に進む。これにより、ライザー10に供給される一次燃焼空気の体積流量を減らし、ライザー10内の空塔速度を下げて流動している流動媒体の量を減少させて、ライザー10で被処理物を完全燃焼させることができる。なお、ステップS7、S8、S9、S10は、この順序に行われなくても良く、適宜順序を入れ替えて行われても良い。また、これらのステップの少なくとも1つ以上の操作が行われれば良い。好ましくは、ステップS9又はS10の少なくとも一方の操作が行われるのが良い。ただし、ステップS5及びS6に代え、又は、加えて、流量制御弁92Aの開度を操作した場合には、ステップS8は行われない。
ステップS11において、コントローラ65は、流量制御弁84Aの開度を操作して過給機72のタービン72Aに供給される燃焼排ガスの質量流量を調整する。すなわち、流量制御弁84Aの開度を大きくして、タービン72Aに供給される燃焼排ガスの質量流量を減らして、ステップS12に進む。
ステップS12において、コントローラ65は、流量制御弁82Aの開度を操作してタービン72Aに供給される燃焼排ガスの質量流量を微調整する。これにより、タービン72Aとコンプレッサ72Bの回転速度が下がり、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の圧力を下げて、ステップS13に進む。また、これにより、燃焼空気の圧力を調整することができる。なお、コントコーラ65による制御プログラムを簡易にするためにステップS12を省略することもできる。
なお、ステップS11及びS12に代え、又は、加えて、流量制御弁92Aの開度を操作してコンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の圧力を調整することも可能である。すなわち、流量制御弁92Aの開度を大きくして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の一部を外部に排出する体積流量を増やして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の圧力を下げて、ステップS13に進むこともできる。
ステップS13において、コントローラ65は、流量制御弁90Aの開度を操作してコンプレッサ72Bに供給される燃焼空気の体積流量を調整する。すなわち、流量制御弁90Aの開度を大きくして、コンプレッサ72Bに供給される燃焼空気が流れる配管90の圧力損失を減らして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の体積流量が過度に減少するのを防止して、ステップS14に進む。
ステップS14において、コントローラ65は、流量制御弁92Aの開度を操作してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を調整する。すなわち、流量制御弁92Aの開度を小さくして、コンプレッサ72Bから排出される燃焼空気の一部を外部に排出する体積流量を減らして、空気予熱器70等を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量が過度に減少するのを防止して、ステップS15に進む。また、これにより、燃焼空気の圧力を調整することができる。なお、コントコーラ65による制御プログラムを簡易にするためにステップS13とステップS14のいずれか一方を省略することもできる。
また、ステップS11及びS12に代え、又は、加えて、流量制御弁92Aの開度を操作した場合には、ステップS14は行われない。
ステップS15において、コントローラ65は、流量制御弁98Aの開度を操作してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を調整する。すなわち、流量制御弁98Aの開度を小さくして、ライザー10に供給される燃焼空気の体積流量が過度に減少するのを防止して、ステップS16に進む。
ステップS16において、コントローラ65は、流量制御弁91Aの開度を操作して空気予熱器70等を介してライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を微調整して、ステップS4に進む。これにより、ライザー10に供給される燃焼空気の体積流量を増やし、ライザー10内の空塔速度を上げて流動している流動媒体の量を増加させて、ライザー10で被処理物を完全燃焼させることができる。なお、ステップS13、S14、S15、S16は、この順序に行われなくても良く、適宜順序を入れ替えて行われても良い。また、これらのステップのうち少なくとも1つ以上の操作が行われれば良い。好ましくは、ステップS15又はS16の少なくとも一方の操作が行われるのが良い。ただし、ステップS11及びS12に代え、又は、加えて、流量制御弁92Aの開度を操作した場合には、ステップS14は行われない。
ステップS17において、コントローラ65は、温度センサ40Aで測定された温度T1と温度センサ40Bで測定された温度T2から算出された温度差ΔTが、設定温度差内にある場合には、ステップS1に進む。一方、当該温度差ΔTが、設定温度差を下回る場合には、ステップS5に進み、温度差ΔTが、設定温度差を上回る場合には、ステップS11に進む。なお、コントコーラ65による制御プログラムを簡易にするためにステップS4とステップS17のいずれか一方を省略することもできる。
本発明は、加圧循環流動炉システムの運転方法に適用することができる。
1 加圧循環流動炉
10 ライザー
20 サイクロン
30 ループシール
72 過給機
72A タービン
72B コンプレッサ
80 配管(排ガスライン)
90 配管(給気ライン)
91 配管(供給ライン)
93 配管(供給ライン)
98 配管(バイパスライン)
ΔT 温度差
ΔP1 圧力差(第1圧力差)
ΔP3 圧力差(第2圧力差)

Claims (7)

  1. 流動媒体を循環させながら被処理物を燃焼させるライザーと、前記ライザーから排出された燃焼排ガス中に含まれる流動媒体を分離して回収するサイクロンと、前記サイクロンで分離された流動媒体を一時的に貯留するループシールを設けた加圧循環流動炉と、前記サイクロンから排出された燃焼排ガスによって回転するタービンと、タービンの回転と一体となって回転するコンプレッサを有して、前記加圧循環流動炉に供給される燃焼空気を加圧する過給機を備えた加圧循環流動炉システムの運転方法であって、
    前記ライザー上部と下部の温度差が所定の設定温度差、又は、ライザー上部と下部の第1圧力差が所定の第1設定圧力差の範囲となるように、前記コンプレッサから排出される燃焼空気の圧力と、前記コンプレッサから排出されて加圧循環流動炉に供給される燃焼空気の体積流量を調整することを特徴とする加圧循環流動炉システムの運転方法。
  2. 前記温度差が設定温度差を下回る場合、又は、前記第1圧力差が第1設定圧力差よりも大きい場合は、
    前記燃焼空気の圧力を上げるとともに、
    前記燃焼空気の体積流量を減らす請求項1記載の加圧循環流動炉システムの運転方法。
  3. 前記温度差が設定温度差を上回る場合、又は、前記第1圧力差が第1設定圧力差よりも小さい場合は、
    前記燃焼空気の圧力を下げるとともに、
    前記燃焼空気の体積流量を増やす請求項1記載の加圧循環流動炉システムの運転方法。
  4. 前記燃焼空気の圧力の調整は、前記タービンに供給する燃焼排ガスの質量流量、又は、前記コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量の少なくとも一つを調整して行う請求項1~3のいずれか1項に記載の加圧循環流動炉システムの運転方法。
  5. 前記燃焼空気の体積流量の調整は、
    前記燃焼空気の圧力を、前記タービンに供給する燃焼排ガスの質量流量で調整して行う場合には、前記コンプレッサと加圧循環流動炉を接続する供給ラインの圧力損失、前記サイクロンより排出される燃焼排ガスが流れる排ガスラインと供給ラインに接続されたバイパスラインを流れる燃焼空気の体積流量、前記コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量、又は、前記コンプレッサに吸気される燃焼空気が流れる吸気ラインの圧力損失、の少なくとも一つを調整することにより行い、
    前記燃焼空気の圧力を、前記コンプレッサから排出される燃焼空気を外部へ排出する体積流量で調整して行う場合には、前記コンプレッサと加圧循環流動炉を接続する供給ラインの圧力損失、前記サイクロンより排出される燃焼排ガスが流れる排ガスラインと供給ラインに接続されたバイパスラインを流れる燃焼空気の体積流量、又は、前記コンプレッサに吸気される燃焼空気が流れる吸気ラインの圧力損失、の少なくとも一つを調整して行う請求項4記載の加圧循環流動炉システムの運転方法。
  6. 前記サイクロンの排出口とループシールの第2圧力差が第2設定圧力差よりも小さい場合は、前記ループシールに供給する空気の体積流量を減少させて、ループシールからライザーに供給する流動媒体を減らし、
    前記第2圧力差が第2設定圧力差よりも大きい場合には、前記ループシールに供給する空気の体積流量を増加させて、ループシールからライザーに供給する流動媒体を増やす請求項1~5のいずれか1項に記載の加圧循環流動炉システムの運転方法。
  7. 前記第2設定圧力差を0.1~10kPaに設定した請求項6記載の加圧循環流動炉システムの運転方法。
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