JP2657526B2 - 循環流動床系内の固形物分布を改善する方法 - Google Patents

循環流動床系内の固形物分布を改善する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は循環流動床(CFB)反応器系内、特に燃焼系
内の固形物分布を改善する方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、循環流動床ボイラーを利用した燃焼系が広く利
用されている。その典型的な系は米国特許第4,165,717
号と米国特許第4,111,158号に開示されている。
CFB燃焼系において、パネル、管、水壁といった熱伝
達手段は燃焼室の二次空気入口の上方に設けられてい
た。別の構成では、燃焼熱の少なくとも一部が外部流動
床熱交換器内で取り出される。反応器の上方部分におけ
る固形物負荷又は固形物濃度は熱伝達の観点から及びこ
の系の効果的かつ効率的全体操作において非常に影響が
大きい。したがって、工業的CFBプラントの反応器内で
固形物の満足できる分布を達成し、維持することは重要
である。引用によってその開示を本明細書に組み入れる
米国特許第4,165,717号でRehらは燃焼室内の固形物濃度
を調節することによって熱伝達が調節できることを開示
している。
燃焼器内の固形物濃度分布を改善するために種々の技
術が用いられてきた。それらの方法として例えば次の燃
焼手段を挙げることができる:一次空気流を増す;還元
帯域内のガス速度を増す(傾斜付燃料器);二次空気を
多数のレベルから噴射する;燃料の粉砕を一層厳密に規
定する;可能なら、空気押退けミルを用いる。
しかし前記手段によっても灰と燃料とからなる下方床
部分が比較的高い濃度と高い圧力損失となることを回避
することはできなかった。燃焼器内の下部では砂利の大
きさの粗粒子が「泡立ち床」状態で流動する。これらの
粗粒子は再循環させるには大き過ぎ、床排出口が位置す
る燃焼器底部に偏析するには細か過ぎ、粗粒子は燃焼器
の下方床内で拡大された「泡立ち床」状態で蓄積して浮
遊し、結局は「粗粒子閉塞」を生じる。この下方床内で
「浮遊」する粗粒固形物の量は火格子からの灰の排出量
を増すことによって調節するのが困難である。これを行
うと系内の固形物の不均衡が生じるからである。
この下方床内での「粗粒子閉塞」はCFBの操作及び性
能にいろいろな仕方で影響を与える。下方床内での圧力
降下が大きい場合、燃焼器内下部の固形物濃度は低い。
このことは燃焼器内上部の伝熱係数を小さくし、熱伝達
を低くする。固形物濃度が低いことはまた、バック混合
が不十分となり、ガス/固形物の反応が最適化されてい
ないことを意味する。
外部流動床熱交換器を用いたこれらの系において、燃
焼器内下部における粗粒子閉塞の形成により外部熱交換
器に必要な固形物が不十分となり、したがって熱伝達が
低下する。
いまひとつの欠点は還元帯域内で発生する熱の大部分
が燃焼器下部に含まれる多量の固形物の加熱に消費され
ることである。この多量の固形物は、外部流動床熱交換
器の固形物流動が多い場合、「放熱器」として作用して
燃焼器下部の温度を低下させ、炭素の完全燃焼を防げ
る。
下部帯域における多量の固形物には硫黄付着物のかな
りの部分が含まれている。したがって、石膏を生成する
石炭硫酸化工程が富酸素雰囲気を好むので硫黄の除去効
率は低下する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記及びその他の欠点を克服するものであ
る。
本発明によりCFB系内の固形物分布が改善される。こ
の系から出る高温の灰と新しい炭質燃料とが室内で混合
され、この室は重い方の材料が濃縮される流動帯域と、
少なくとも一部が重い方の材料から分離される微粒子か
ら主としてなる第2流動帯域を形成するように流動化さ
れる。このような帯域分離は一部には重い方の材料の閉
塞を形成するように異なったガス流量を維持することに
より容易となる。
流動化用ガスは空気又は窒素ガス及び煙道ガスといっ
た酸素欠乏ガス相であってよい。好ましくはこのガスは
室内の燃料−灰混合物と接触する前に電気集塵機又はバ
ッグハウス内で超微粒子を除去するよう浄化される。
重い材料の少なくとも一部は各流動帯域から排出さ
れ、冷却され、必要に応じて粉砕された後、再び燃焼器
に投入することができる。第2流動帯域から出る微粒材
料の少なくとも一部は燃焼器の下方部分に導入される。
微粒材料の他の部分は取り出されて外部流動床熱交換器
に送られかつ冷却され、外部流動床熱交換器から排出さ
れる固形物は引き続き燃焼器の下方部分に導入すること
ができるように構成される。
灰と炭質燃料供給物との混合は独立の混合室で行うこ
とができる。しかし、この目的にループシール又はL形
弁を用いることも可能である。別の方法は、一体形成さ
れた外部流動床熱交換器内で材料を混合することであ
り、その構造は本発明者らの係属中の米国特許出願第89
8,789号に開示されていて、この開示は引用により本明
細書に組み入れる。
混合室自体は断面積が一定のものでもよく、内部の流
動化用ガスの速度を増して分離された流動帯域を形成す
るように先細りであってもよい。混合室は1つ又は2つ
以上のレベルから流動化用ガスを導入して操作すること
ができる。ガスが2つ以上のレベルから混合室に導入さ
れる場合、ガス流の相対容積と速度を調節及び/又は変
化させて種々の流動帯域を調節し、形成することができ
る。
燃料とCFB系からの高温の灰との混合物及び煙道ガス
により混合室内で燃料の予備乾燥が低コストで行える。
本発明の別の態様において、混合室内で重い方の材料
から分離される微粒子は粒状物質が燃焼器に投入される
前に外部流動床熱交換器に送ることができる。外部流動
床熱交換器のそのような構成の1つはPlassらの米国特
許第4,111,158号に開示されている。この開示を引用に
より本明細書に組み入れる。
混合室の下部床に集められた粗粒子は排出することが
できる。排出した粗粒子は冷却され約1.0mm×0に粉砕
され、燃焼器に再投入することができる。チャーは未制
御量のCaSを含む場合がある。そのため、チャー/灰の
冷却・移送・粉砕経路は乾燥状態に保ち、負担状態にす
べきである。
前記の系は多くの利益を有する。CFBに供給される固
形物の粒度が確実に制御され、したがって粒度分布の制
御が良好となる。その結果、圧力分布が改善されるた
め、性能が改善される。即ち、熱伝達が良好となり、硫
黄の除去効率が向上し、炭素燃焼が良くなる。
本発明を特徴づける種々の新規な特長は本明細書の特
許請求の範囲に記載の詳細に示されている。本発明、そ
の利用により得られる操作上の利益及び特定な目的を一
層よく理解するために、本発明の好適態様を図示しまた
説明した添付の図面及び記載を参照されたい。
第1図に示すとおり、CBF燃焼器10はその頂部付近で
排出を行う。排ガス流12は懸濁粒子を含み、サイクロン
14へ導かれ、そこで連行固形物の実質的に大部分がガス
流から分離される。このように処理された排ガス16は次
いでエコノマイザー(図示せず)等に通すことができ
る。このガス流に含まれた付加的熱の回収後、ガス流は
この流の中に残った粒子状物質を捕獲できるように電気
集塵機又はバグハウスといったガス浄化装置(図示せ
ず)に最終的に通される。サイクロン14に補修された高
温の灰は直接又は導管を経て混合室18に供給され、そこ
で供給機20から供給される新しい炭質燃料と混合され
る。
高温の灰はサイクロンの長い下方円錐部から直接排出
させてもよい。そのような構成の場合、材料ヘッドによ
ってシールが形状されなければならない。しかし、円錐
形排出部にエアロック装置を用いてシールを行い、材料
ヘッドを維持する必要なく、方向の誤った流れに対して
シールすることができる。別法として、シール装置を部
分として有するサイクロン排出部から連結導管を延長さ
せてもよい。
好適態様として、浄化された煙道ガス22んは流動化用
ガスとして混合室18に導入される。しかし、空気や不活
性な又は酸素欠乏ガスも用いることができる。一態様に
おいては、煙道ガスは噴射口24の少なくとも1つのレベ
ルから混合室18に噴射される(第2図)。煙道ガス22は
入口26から第2のレベルで噴射することもできる。多レ
ベル噴射法により室内に2つの異なった流動帯域ができ
る。しかし、後で述べるように、単一噴射平面を用いて
2つ以上の流動帯域を発生させることが可能である。
混合室18を出る微粒子28の少なくとも一部は二次空気
入口の下方から燃焼器に導入される。微粒子の別の部分
は外部流動床熱交換器25に送り、そこで熱エネルギーが
回収される。冷却された固形物は次いで燃焼器10に送ら
れる。外部流動床熱交換器が燃焼器と一体となっている
態様においては、混合室18と外部流動床熱交換器は効果
的に結合される。
重い材料の少なくとも一部は混合室18から管路30を経
て排出される。好適態様においては、灰は好ましくはス
クリュー冷却器である冷却器32内で冷却される。冷却さ
れた重い材料は冷却器32から排出され、輸送系34を経て
運ばれる。冷却された重い材料はスクリュー36により好
ましくは1mmカットで分粒される。1mmより小さい材料は
ビン38に供給され、1mm以上の材料はロールクラッシャ
ー40で処理されて好ましくは1mmより小さくされた後、
ビン38に供給される。ビン38内の材料は供給装置42から
重力により真空輸送系44に供給され、二次空気入口の下
方からCFBに投入される。二次空気が多レベルから燃焼
器へ噴射される場合、系44からの投入が燃焼器の二次空
気入口レベルの最上レベル又はその下から行われること
は理解されるであろう。
第2図は好適な混合室18を示す。混合室18は炭質材料
を導入するための材料供給口48を備えている。混合室18
は流動化用格子50を有する。ヘッダー管52は加圧ガスを
導き、このガスは混合室18の下方部分に近い管54により
格子50を経て混合室18に噴射される。微粒子が中に通さ
れる固形物用導管56は混合室18から燃焼器10まで延びて
いる。混合室18は排固形物を取り出す固形物用排出口58
を備えている。混合室18はまた、二次空気を混合室へ導
入できる噴射口60を備えている。二次空気の導入レベル
は流動化用格子50の上方であり、第2流域帯の下方境界
にかなりの衝撃を与え、その際、主として微粒子が連行
される。噴射口60は固形物用導管56の最下方壁部62より
高くはなく、好ましくは壁部62の下方である。混合室は
また固形物流動制御弁63を有し、これにより微粒材料の
一部を取り出して外部流動床熱交換器25へ送ることがで
きる。
混合室18は内部じゃま板51、53を有し、このじゃま板
は材料が堆積してシールを形成し、材料が逆流して又は
方向を誤ってサイクロン14の細長円錐部へ入るのを防ぐ
ような位置にある。
第3図は下方流動化用格子50、ヘッダー52及び管54を
有する、別の態様の混合室18の端面図を示す。混合室か
ら燃焼器へ通じる固形物用導管の下方壁62は燃料供給口
48としても示されている。
第3図の態様において、混合室18は長細即ち制限部分
64を有するように構成されている。この態様では、混合
室へのガス導入のための第2レベルは存在せず、固形物
用導管の下方壁62は混合室の制限横断部分に位置する。
縮小横断部分が制限部分64をなしているので、この制限
領域でガス速度が上昇し、効果的に第1及び第2流動帯
域を形成する。
操作中、混合室18は第3図にそれぞれ66及び68で示す
ように第1及び第2流動帯域を有する。混合室の下方部
分(帯域66)内の流動化用ガスの速度は約0.1〜1m/sで
ある。濃度の低い方の流動帯域68内の流動化用ガスの速
度は0.5〜5m/s程度である。帯域66は1,000μm(公称)
より大きい重い材料から主としてなり、帯域68は、1,00
0μm(公称)より小さい微粒材料から主としてなる。
燃料を若干含有した微粒材料はオーバーフローし、そ
して/又は混合室18の流動化用ガスによって固形物用導
管56を経て燃焼器10の二次空気入口の下方部分から燃焼
器10に導入される。重い方の材料は混合室18から排出口
58と管路30を経て取ら出され、前記のとおり処理され
る。
〔実施例〕
80MKのプラントにおいて、高温の灰を800〜1,000t/h
の割合でCFBのサイクロンの細長円錐形部から混合室に
排出させた。高温の灰の温度は1560゜Fであった。石炭
の形をした炭質材料を20t/hの割合で混合室に供給し
た。燃料は灰分15.6%、水分5.6%であった。燃焼器10
から出た浄化された最循環煙道ガスを300゜Fで950SCFM
の割合で混合室18の下部格子50から流動化用ガスとして
噴射させた。煙道ガスの流動化速度は0.2m/sであった。
流動化用ガスの二次流を、混合室から燃焼器までの固形
物用導管56の下部壁62の下方約1.5mにある二次レベルか
ら噴射した。第二次ガスを7,125SCFMの割合で混合室18
に導入し、固形物用導管の直ぐ下の混合室領域に1.5m/s
の流動化速度を与えた。0.5〜1mm以下の微粒を導管56か
ら約500t/hの割合で混合室18から燃焼器10へ移した。15
t/hの粗粒材料をスクリュー冷却器へ排出させた。スク
リュー型冷却器に60゜Fで入り、約130゜Fで出る260ガロ
ン/分の水で粗粒材料をスクリュー型冷却器内で間接的
に対向流方式で冷却した。本質的に乾燥し、冷却した。
温度300〜500゜Fの灰を真空輸送系で移送した。移送用
ガスは相対温度が低いものが好ましい。
冷却した灰を公称−1mm粒度へ粒子を通過させる分粒
スクリューに移送し、ビンに送った。ビンからの分粒材
料を15t/hの割合で真空輸送により燃焼器へ戻した。
一次格子の上方からの圧力降下が約55〜65インチで操
作される燃焼器は二次空間入口の上方の燃焼器の熱伝達
係数が約25%改善された。
本明細書及び実施例は例示的なものであって本発明を
限定するものではなく、本発明の精神と範囲においてそ
の他の態様を当業者が思いつくことは理解されるであろ
う。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を示す概略図、第2図は本発明で
有用な混合室の図、第3図は本発明で有用な混合室の端
面図である。 なお図面に用いた符号において、 10……CFB燃焼器 18……混合室 22……煙道ガス である。

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】循環流動床系の反応器内の固形物分布を改
    善する方法であって、 循環流動床系の反応器から高温の灰を取り出すこと、 取り出した高温の灰を混合室内で燃料と混合すること、 混合室に流動化用ガスとして空気又は酸素欠乏ガス相を
    導入し、混合室内に少なくとも2つの流動化帯域を有す
    るように操作し、流動化帯域のうちの第1帯域に主に重
    い方の材料を含有させ、流動化帯域のうちの第2帯域に
    重い方の材料から分離された微粒子を主に含有させるこ
    と、 分離された微粒子の少なくとも一部を混合室から取り出
    すこと、及び 取り出した微粒子を前記反応器に導入すること、 からなる方法。
  2. 【請求項2】系が燃焼系であり、反応器が燃焼器である
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】流動化用ガスが煙道ガスである請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】煙道ガスが浄化されたものである請求項3
    記載の方法。
  5. 【請求項5】混合室から重い方の材料の少なくとも一部
    を取り出すこと、取り出した重い方の材料を冷却するこ
    と、この冷却した材料を粉砕すること及びこの材料を燃
    焼器に投入することをさらに含む請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】混合室がシールポットの形状をしている請
    求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】循環流動床燃焼系の循環系から灰の少なく
    とも一部を取り出す請求項2記載の方法。
  8. 【請求項8】灰を燃料器から取り出す請求項2記載の方
    法。
  9. 【請求項9】重い方の材料の灰をスクリーンにかける請
    求項2記載の方法。
  10. 【請求項10】混合室が燃焼器と一体の外部流動床熱交
    換器である請求項2記載の方法。
  11. 【請求項11】冷却し、粉砕した材料を、この材料を燃
    焼器へ送る保持手段に供給する請求項2記載の方法。
  12. 【請求項12】流動化用ガスを混合室に1つ又は2つ以
    上のレベルで導入する請求項2記載の方法。
  13. 【請求項13】1つ又は2つ以上の異なるレベルで導入
    する流動化用ガスの相対的容積及び速度を変えて混合室
    から燃焼器に供給される固形物の粒度範囲を調節する請
    求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】燃料を燃焼器へ導入する前に燃料を混合
    器内で乾燥する請求項2記載の方法。
  15. 【請求項15】微粒子の少なくとも一部を、これを燃焼
    器に導入する前に外部流動床熱交換器に通す請求項2記
    載の方法。
  16. 【請求項16】自由水分が存在しない真空条件下で冷却
    と粉砕を行う請求項5記載の方法。
  17. 【請求項17】冷却と移送を真空条件下で行う請求項16
    記載の方法。
  18. 【請求項18】流動化用ガスを1つだけのレベルから導
    入し、混合室の横断面積を小さくして混合室を上方部分
    での速度を増大させ、第2流動帯域を形成させる請求項
    2記載の方法。
JP63192593A 1987-07-31 1988-08-01 循環流動床系内の固形物分布を改善する方法 Expired - Lifetime JP2657526B2 (ja)

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