JPS596691B2 - 異物排出方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流動層を用いた流動層熱分解炉の中で層中に
混じる異物を排出する方法に関するものである。

触媒や砂を流動媒体とした流動層中に金属片などの異物
や粗大化した流動媒体が介在した時、それらは比重や粒
径の違いにより流動化せず流動層底に推積し、さらに成
長すると良好な流動状態は妨げられ、反応率は下がり、
終には流動不能となり運転を休止せざるを得なくなる。

従って良好な流動状態を保つために異物や粗大粒子を常
時抜き出す手段が必要となり、このため通常は第１図に
示す如く、熱分解炉１の多孔を有する床板２を斜面とな
しその中央或はその周辺下部に異物抜出管３を設け、流
動化のためにブロワ６により吹込口４を経て床下室５に
導かれる循環生成ガスの一部を分級ガスとして異物排出
管３の下部に吹込口７を経て導入し、異物排出管３の中
に循環生成ガスによる上昇流を作り、この上昇流を利用
して異物を排出する方式が用いられていた。

即ち、上昇流がない場合は流動層８中の流動砂は石、金
属片などの異物と共に異物排出管３の中を落下するが、
適当な速度の上昇流を与えると、流動砂は異物排出管３
の中には殆んど落ち込まず、あるいはたとえ落ち込んで
も直ちに吹き上げられて再び戻されるが、異物は異物排
出管３を落下し弁９を経て排出機１０の中に入り排出さ
れる。

排出機１０には水封装置などが備えられ、熱分解炉１内
の圧力を遮断しながら異物を外気中に排出するようにな
っている。

１１は、運転停止時に炉内から危険な生成ガスを追い出
すために導入されるパージ用の水蒸気の吹込口であり、
弁９，１２を閉じてパージを行なう。

しかし、この様な方式においては、生成ガスはＨ２、Ｃ
Ｈ４、ＣＯ１ＣＯ２、Ｃ２Ｈ４、Ｃ２Ｈ５などより成り
可燃物を多く含み高圧に圧縮すると危険なので、一部循
環せしめて吹込口７から異物排出管３の下部に吹込む点
での圧力はせいぜい５０００〜６ ０ ０ ０７１！７
Ｗａｑ程度である。

一方熱分解炉１内においては、都市ごみなどの熱分解物
がフイーダにより送り込まれる量は必ずしも定常連続で
はなく断続的であり送り込まれた時に急に熱分解生成ガ
ス量が増加して内圧を高め、この繰返しを行なうことに
より熱分解炉１内の圧力は例えばおよそ５００〜１ ５
０ ０ｍｍａｑ程度の範囲を変動する。

異物排出管３内における上昇流の速度は吹込口７から供
給された分級ガスの圧力と熱分解炉１内の圧力との差圧
によって決まるものであるから、この差圧の変動率が大
きいと上昇流の速度の変動率も大きくなる。

前述の如く生成ガス圧は比較的低いので差圧の絶対値が
低《従って上昇流の速度変動率は犬なるものであった。

さらにこの上昇流の流速と分級性能との関係を見るに、
例えば都市ごみの熱分解においては、上昇流の流速が８
〜１０ｍ／ｓｅｃ程度の範囲にあれば流動砂の落下は少
く、異物のみ落下せしめることができるが、前記の圧力
差の変動があるとこの範囲に流速を保つことが困難で、
流速が過大となれば異物の落下を妨げ、流速が過小とな
れば流動砂も多量に落下し、分級が安定せず分級性能が
悪いものであった。

本発明は、分級ガスとして水蒸気を用いることにより、
従来のものの上記の欠点を除き、異物排出管３に供給さ
れる分級ガスの圧力を高め差圧の絶対値を犬となして差
圧の変動率を小とし上昇流の速度の変動率を小とし、も
って流動砂と異物との分級を確実とし、安定なかつ精度
の高い異物排出方法を提供することを目的とするもので
ある。

本発明は、流動層熱分解炉の底部に設けた異物排出管に
異物と流動熱媒体との分級のガスとして水蒸気を上向き
に昇流せしめて異物を選択落下せしめて排出することを
特徴とする異物排出方法である。

本発明を実施例につき図面を用いて説明すれば、第２図
においては、異物排出管３に供給される分級ガスとして
第１図における循環生成ガスの一部の代りにパージ用の
水蒸気を用いたものである。

水蒸気系統としてはボイラなどの水蒸気源１３、弁１５
，１６、パージ用の蒸気吹込口１１、分級用の蒸気の吹
込口７が備えられている。

１７は冷却装置、１８はドレン排出口である。

通常の運転に当たっては、生成ガスの一部はブロワ６に
より循環して吹込口４より床下室５に入り流動化ガスと
して作用し、水蒸気系統は通常は弁１５を閉じ、弁１６
を開いて分級ガスとしての水蒸気を吹込口７より異物排
出管３内を上昇せしめて分級の作用をなさしめる。

この場合素蒸気は生成ガスの如き危険はないのでかなり
高圧にすることができ流動層熱分解炉１内の圧力との差
圧を大きくとることができ、従って差圧変動率を小さく
して上昇流速度の変動率を小さくし、流動層熱分解炉１
内の圧力変動があっても安定して精度のよい分級を行な
い異物を確実に除去することができる。

水蒸気圧力は１〜１０ｋ’ｉ／ｃｙｙｊ程度のものが用
いられる。

通常パージ用の蒸気は４〜６ｋｇ／ｃｒＡ程度の圧力と
なっているのでこの程度の圧力を対象にして分級機構を
設計すれば好都合である。

また炉内のブリッジを解消するためにもｌｋｇ／ｃａ以
上の圧力があることが好ましい。

流動層熱分解炉１の中に入った水蒸気は都市ごみなどの
中に含まれていた水分からの水蒸気と共に生成ガスに伴
って排出されるが、例えば冷却装置１７により凝縮せし
めてドレンとして排出口１８より排出し容易に分離でき
る。

また水蒸気は熱分解反応に対しては殆んど不活性であり
また冷却装置で凝縮分離できるので熱分解ガスの質的な
低下をもたらすおそれはない。

上記の例は流動化ガスとしては生成ガスの一部を用いた
ものであるが、流動化ガスとしても水蒸気を用いる方式
も考えられる。

ただし此の場合凝縮した水分を再び水蒸気とするのに多
大の潜熱が要り熱効率は低下する。

生成ガスの一部を流動化ガスに用いる従来の方式の設備
でも、他の目的の蒸気源が近くにあることが多く、さら
にその大部分の場合はパージ用の水蒸気配管が既になさ
れているので、上記の実施例の如く改造するのは極めて
容易であり、これも効果の一つである。

なおパージ用の水蒸気は必ずしも床下室５に吹込まなく
てもよく異物排出口３に入れてもよい。

この場合は吹込口１１、弁１５及び弁１６との切替設備
などが不要となる。

（第２図においてパージの場合は弁１６，９，１２を閉
じ、弁１５を開く。

）第３図は別の実施例を示し、弁１２、ブロワ６、弁１
９、吹込口４を有する循環生成ガス系統と、水蒸気源１
３、弁２０、弁１６、吹込口７を有する水蒸気系統とを
弁２１を有するバイパスで接続したものである。

２２は異物排出管３内のっまりを検出するため高さの異
なる２点間の差圧検出器で、検出器の信号は制御機構２
５に入り弁２１，２０を制御する。

２６は揚送部である。通常の運転に当たっては弁２０は
閉じ、弁１２，１９，２１，１６が開かれ生成ガスの一
部はブロワ６により流動化ガス及び分級ガスとしてそれ
ぞれ吹込口４及び７に供給される。

流動層熱分解炉１内の圧力変動が激し《分級ガスの圧力
が不足して流動砂の落下量が多い場合あるいは異物が多
《異物排出管３内につまった場合などは異物排出管３内
の差圧が犬となるので差圧検出器２２で検出して弁２１
を閉じ弁２０を開き高圧の水蒸気な吹込口７に供給して
異物排出管３内の流動砂又は異物を吹き上げて除去し、
正常に戻れば再び弁２０を閉じ弁２１を開く。

停止時には弁１２，１９，９，２１を閉じ弁１６，２０
を開いて水蒸気によるパージを行なう。

パージの際は弁２１を開として吹込口４及び７から蒸気
を供給してもよ《、またさらに弁１６を閉じて吹込口４
のみから供給してもよい。

運転中における水蒸気供給によるつまり防止は時限装置
により所定の時間毎に行なうようにしてもよい。

本発明により、次の如き特長を有する異物排出方法を提
供することができ、実用上極めて犬なる効果を奏するこ
とができる。

（１）水蒸気自体が不燃性であり爆発のおそれがなく安
全である。

（２）異物排出管が水蒸気により充満するので、高温熱
分解ガスの洩れを防ぎ危険を防止する。

（３）水蒸気は腐蝕性がな《、高圧のブロワに用いても
寿命を短縮することがないので高圧にすることができる
。

（４）上記（１）、（２）及び（３）により、安全にか
つ安定して分級ガスの圧力を高圧にすることができる。

そのため炉内圧力の変動による分級速度変動率を低減し
、異物の排出能力を犬とすると共に、熱媒体が異物と共
に排出されるのを防ぎ熱損失を防ぐことができる。

（５）水蒸気は熱分解炉を出てから後凝縮して容易に除
去できるので、可燃性製品である熱分解ガスを希釈して
その製品としては質的な低下を招くのを防ぐことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の例のフローシート、第２図及び第３図は
本発明のそれぞれ別の実施例を示すフローシートである
。 １・・・・・・流動層熱分解炉、２・・・・・・床板、
３・・・・・・異物排出管、４・・・・・・吹込口、５
・・・・・・床下室、６・・・・・・ブロワ、７・・・
・・・吹込口、８・・・・・・流動層、９・・・・・・
弁、１０・・・・・・排出機、１１・・・・・・吹込口
、１２・・・・・・弁、１３・・・・・・水蒸気源、１
５，１６・・・・・・弁、１７・・・・・・冷却装置、
１８・・・・・・排出装置、１９ ，２０ ，２１・・
・・・・弁、２２・・・・・・差圧検出器、２３・・・
・・・圧力検出器、２４・・・・・・燃焼塔、２５・・
・・・・制御機構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 流動層熱分解炉の底部に設けた異物排出管に異物と
   流動熱媒体との分級のガスとして水蒸気を上向きに昇流
   せしめて異物を選択落下せしめて排出することを特徴と
   する異物排出方法。