JP2807218B2 - 熱交換装置およびその運転方法 - Google Patents

熱交換装置およびその運転方法

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JP2807218B2
JP2807218B2 JP31670496A JP31670496A JP2807218B2 JP 2807218 B2 JP2807218 B2 JP 2807218B2 JP 31670496 A JP31670496 A JP 31670496A JP 31670496 A JP31670496 A JP 31670496A JP 2807218 B2 JP2807218 B2 JP 2807218B2
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三樹雄 村尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、珪石、石灰石およ
び鉄粉などの粉粒材料を熱媒体とし、この熱媒体を、焼
成炉などからのダストを含む高温の排ガスが供給される
一方の流動層熱交換機と、常温の空気などである低温の
被加熱ガスが供給される他方の流動層熱交換機との間で
循環させて、前記ダストを含む高温の排ガスの顕熱を低
温の被加熱ガスによって回収する熱交換装置およびその
運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は、典型的な従来技術の熱交換装
置1を示す簡略化した断面図であり、この従来技術はた
とえば特開昭54−139160号公報に示されてい
る。熱交換装置1は、高温の排ガスを流動用気体として
用いる第1流動層熱交換器4と、低温の被加熱ガスを流
動用気体として用いる第2流動層熱交換器5とを有し、
これらの2塔の流動層熱交換器4,5間で熱媒体を循環
させて、高温の排ガスから熱回収して低温の被加熱ガス
を加熱する。前記高温の排ガスは、たとえばロータリキ
ルンなどの焼成炉から排出されるダストを含む約100
0℃の排ガスであり、また前記低温の被加熱ガスは常温
の空気である。
【0003】各流動層熱交換器4,5には、複数の分散
板6a〜6d;6e〜6hがそれぞれ設けられ、各分散
板6a〜6d;6e〜6h上には、各分散板との間に熱
媒体が通過することができる隙間をあけて、各分散板6
a〜6d;6e〜6h毎に複数の隔壁7がそれぞれ設け
られ、熱媒体は各分散板6a〜6d;6e〜6h上を水
平方向に移動することができる。各分散板6a〜6d;
6e〜6hの各端部には、交互に位置を違えて溢流管9
a〜9d;9e〜9hが設けられ、これらの溢流管9a
〜9d;9e〜9hによって、各分散板6a〜6d;6
e〜6h上の熱媒体は上段から下段へ移動することがで
きる。
【0004】第1流動層熱交換器4の上部には、排ガス
排出口10と熱媒体供給口11とが設けられ、その下部
には排ガス供給口12と熱媒体排出口13とが設けられ
る。第2流動層熱交換器5の上部には、被加熱ガス排出
口14と熱媒体供給口15とが設けられ、その下部に
は、被加熱ガス供給口16と熱媒体排出口17とが設け
られる。第1流動層熱交換器4の熱媒体排出口13から
排出される熱媒体は、第1熱媒体輸送路18によって、
第2流動層熱交換器5の熱媒体供給口15へ供給され、
第2流動層熱交換器5の熱媒体排出口17から排出され
る熱媒体は、第2熱媒体輸送路19によって、第1流動
層熱交換器4の熱媒体供給口11へ供給される。第1お
よび第2熱媒体輸送路18,19は、バケットコンベア
または空気輸送管などによって実現される。
【0005】第2熱媒体輸送管19によって第2流動層
熱交換器5の熱媒体排出口17から第1流動層熱交換器
4の熱媒体供給口11へ供給された熱媒体は、排ガス供
給口12から供給される高温の排ガスによって流動化さ
れ、矢符A1〜A9で示されるように、熱媒体供給口1
1、分散板6a、溢流管9a、分散板6b、溢流管9
b、分散板6c、溢流管9c、分散板6d、および溢流
管9dを経て蓄熱し、熱媒体排出口13へ導かれる。ま
た最下段の分散板6dから最上段の分散板6aを通過し
て顕熱が回収された排ガスは、排ガス排出口10から排
出される。
【0006】上述のようにして第1熱媒体輸送路18に
よって第1流動層熱交換器4の熱媒体排出口13から第
2流動層熱交換器5の熱媒体供給口15へ供給された高
温の熱媒体は、被加熱ガス供給口16から供給される低
温の被加熱ガスによって流動化され、矢符B1〜B9で
示されるように、熱媒体供給口15、分散板6e、溢流
管9e、分散板6f、溢流管9f、分散板6g、溢流管
9g、分散板6h、および溢流管9hを経て顕熱が回収
され、熱媒体排出口17へ導かれて、前記第2熱媒体輸
送路19によって再び第1流動層熱交換器4の熱媒体供
給口11へ供給される。
【0007】このようにして熱媒体は、一連の循環を繰
り返しながら第1流動層熱交換器4内で高温の排ガスか
ら顕熱を回収し、第2流動層熱交換器5へ導かれて低温
の被加熱ガスを加熱する。第2流動層熱交換器5におい
て、最下段の分散板6hから最上段の分散板6eを通過
して加熱された被加熱ガスは、被加熱ガス排出口14か
ら排出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の技術
では、各溢流管9a〜9hを通過する熱媒体の流量を制
御するための手段が設けられていない。各溢流管9a〜
9hのうちたとえば第1流動層熱交換器4の最上段に設
けられる溢流管9aについて説明すると、図17に拡大
して示すように、本来、溢流管9a内に流動状態に応じ
た適度の高さの熱媒体の滞留層21を形成し、溢流管9
aの上開口部22からの熱媒体の流入量と、溢流管9a
の下開口部23からの熱媒体の流出量とが均衡する必要
があるが、実際には、流入量および流出量の量的および
時間的変動が異なるために、流出量が流入量よりも大き
くなる場合が生じ、溢流管9a内の滞留層21を形成す
る熱媒体の総重量が、均衡状態であった前記適度の高さ
の滞留層21を形成する熱媒体の総重量よりも減少し
て、溢流管9a内の圧力損失が小さくなり、排ガスが溢
流管9a内を高速で上昇するいわゆるショートパスが生
じる。
【0009】このように溢流管9aによってガスがショ
ートパスすると、溢流管9a内に上開口部22から熱媒
体が流入できなくなり、また、上段の流動層の分散板6
aを通過するガス流量が減少するので、分散板6a上の
ガス空塔速度が低下し、流動層の安定性が低下し、被加
熱ガスの温度および流量が安定せず、さらには流動化停
止に至る場合が生じるという問題がある。また排ガス供
給口12から第1流動層熱交換器4内に供給される排ガ
スがダストを含有しているので、そのダストは熱媒体と
ともに第1熱媒体輸送路18によって第2流動層熱交換
器5内へ供給されてしまい、したがって第2流動層熱交
換器5の被加熱ガス排出口14から排出される高温の被
加熱ガス中に前記ダストが混入してしまうという問題が
ある。
【0010】したがって本発明の目的は、ダストを含む
排ガスから熱回収して、温度および流量が安定し、かつ
ダストを含まない清浄な高温のガスを得ることができる
ようにした熱交換装置およびその運転方法を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、分散板上の熱媒体を第1ガスによって流動化して、
熱媒体の気密排出手段を介して接続される複数段の流動
層を形成する第1流動層熱交換器と、分散板上の熱媒体
を第2ガスによって流動化して、熱媒体の気密排出手段
を介して接続される複数段の流動層を形成する第2流動
層熱交換器とを含み、第1流動層熱交換器の最下段の流
動層と、第2流動層熱交換器の最上段の流動層とが、熱
媒体の気密排出手段によって接続され、第2流動層熱交
換器の最下段の流動層と、第1流動層熱交換器の最上段
の流動層とが熱媒体の気密排出手段を介して接続されて
熱媒体の循環経路が形成され、前記気密排出手段のいず
れか1つの熱媒体の流量は、予め定める値に設定され、
残余の全ての各気密排出手段が排出する熱媒体の流動層
の圧力損失をそれぞれ検出する圧力損失検出手段と、圧
力損失検出手段の出力に応答し、検出された圧力損失が
予め定める値になるように、その検出された圧力損失を
有する流動層からの熱媒体を排出する気密排出手段の流
量を制御する手段とを含むことを特徴とする熱交換装置
である。本発明に従えば、第1流動層熱交換器は、第1
ガスによって分散板上の熱媒体を流動化して、複数段の
流動層を形成し、各流動層は気密排出手段を介して順次
的に接続され、熱媒体は各流動層間を上段から下段へ移
動することができる。また第2流動層熱交換器は、第2
ガスによって分散板上の熱媒体を流動化して、複数段の
流動層を形成し、各流動層は気密排出手段を介して接続
され、熱媒体は各流動層間を上段から下段へ移動するこ
とができる。このような第1流動層熱交換器の最下段の
流動層と第2流動層熱交換器の最上段の流動層とは、気
密排出手段によって接続されるとともに、第2流動層熱
交換器の最下段の流動層と第1流動層熱交換器の最上段
の流動層とは、気密排出手段によって接続される。第1
流動層熱交換器内で最下段の流動層を形成する熱媒体
は、気密排出手段を介して第2流動層熱交換器の最上段
の流動層に導かれ、この第2流動層熱交換器の最上段の
流動層を形成する熱媒体は、気密排出手段を介して最下
段の流動層に導かれる。さらに第2流動層熱交換器の最
下段の流動層を形成する熱媒体は、気密排出手段を介し
て第1流動層熱交換器の最上段の流動層に導かれ、この
第1流動層熱交換器の最上段で流動層を形成する熱媒体
は、気密排出手段を介して最下段の流動層に導かれ、こ
のようにして第1および第2流動層熱交換器間で熱媒体
の循環経路が形成される。前記複数の気密排出手段のう
ちいずれか1つは、熱媒体の流量が予め定める値に設定
される。また残余の全ての気密排出手段が排出する熱媒
体の流動層の圧力損失は、圧力損失検出手段によってそ
れぞれ検出される。ここに、流動層の圧力損失とは、流
動層だけによる圧力損失と、その流動層が形成される分
散板による圧力損失をも含むものとのいずれであっても
よい。この残余の全ての気密排出手段は、流量制御手段
によって熱媒体の排出流量が制御される。このような制
御は、前記圧力損失検出手段の出力に基づいて、検出さ
れた圧力損失が予め定める値になるように、各気密排出
手段から排出される熱媒体の流量を増加させ、または減
少させて、各流動層による圧力損失が前記予め定める値
に保たれるように制御を行う。前記第1ガスは、たとえ
ば焼成炉などから排出されるダストを含む高温の排ガス
であり、また第2ガスは常温の空気が用いられてもよ
い。このような第2ガスは、被加熱ガスであって、前記
第1ガスから熱回収して加熱されるべきガスである。し
たがって、第1流動層熱交換器内では、第1ガスから顕
熱が熱媒体に回収され、この熱媒体は最上段の流動層か
ら最下段の流動層に移動して第2流動層熱交換器の最上
段の流動層に導かれ、さらにこの最上段の流動層の熱媒
体は最下段の流動層に導かれる。この第2流動層熱交換
器内では、各流動層によって熱媒体の顕熱が第2ガスに
よって回収され、第2ガスが加熱される。このような第
1および第2流動層熱交換器間には、気密排出手段が介
在されるので、第1流動層熱交換器からダストを含む第
1ガスが第2流動層熱交換器に導かれることが防がれ、
第2流動層熱交換器内の第2ガスにダストが混入しな
い。このようにしてダストを含む排ガスから熱回収して
清浄な高温のガスを得ることができる。しかも各流動層
の圧力損失が圧力損失検出手段によってそれぞれ検出さ
れ、この検出された圧力損失に基づいて、流量制御手段
は各気密排出手段の流量を制御するように構成されるの
で、各流動層の層厚を一定に保ち、第1ガスから熱回収
した熱媒体によって加熱される第2ガスの温度および流
量を安定させることができる。
【0012】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
本発明の構成に加えて、熱媒体の循環経路の途中には、
熱媒体の貯留部と、その貯留部からの熱媒体を供給/遮
断する開閉弁とを有する熱媒体供給源と、熱媒体供給源
に並行に設けられ、もう1つの開閉弁が介在される側路
とが、介在されることを特徴とする。本発明に従えば、
熱媒体の循環経路の途中には、熱媒体供給源と側路とが
介在される。前記熱媒体供給源は、一定量の熱媒体が貯
留される貯留部と、この貯留部から前記循環経路に熱媒
体を供給し、または遮断する開閉弁とを有する。前記側
路にももう1つの開閉弁が介在されており、たとえば運
転開始時などのように、第1および第2流動層熱交換器
内に熱媒体が存在しない状態から熱媒体を供給するとき
には、熱媒体供給源の開閉弁を開いて貯留部から熱媒体
を供給し、第1および第2流動層熱交換器の各流動層に
よる圧力損失が予め定める値になるまで、熱媒体を供給
することができる。また運転中に熱媒体の消耗などによ
って熱媒体を補給するときには、熱媒体供給源の開閉弁
を開き、貯留部から熱媒体を徐々に補給することができ
る。このようにして各流動層の圧力損失が予め定める値
に達し、連続運転する場合には、側路から循環経路内に
熱媒体を供給し、また運転中に循環経路内の熱媒体が少
なくなったときには、熱媒体供給源から第1ガスを放散
または漏洩させずに熱媒体を補給することができるの
で、供給量の相違によって熱媒体供給源と側路とを使い
分けて効率よく熱媒体を供給し、または補給することが
できる。また、運転停止時には側路の開閉弁を閉じて、
貯留部に熱媒体を貯留するように貯留部下の開閉弁を閉
じて、各流動層の熱媒体を排出し、貯留部に貯留するよ
うにすることができる。
【0013】請求項3記載の本発明は、請求項1または
2記載の構成に加えて、第1および第2ガスのいずれか
一方が含塵ガスであり、この含塵ガスが用いられる第1
および第2のいずれか一方の流動層熱交換器の最下段の
流動層から第1および第2のいずれか他方の流動層熱交
換器に気密排出手段を介して排出される熱媒体の流路に
は、その流路の上端部寄りに、その流路内の流速が前記
最下段の流動層の空塔速度ubを超える速度となるよう
に圧縮ガスを吐出する圧縮ガス供給手段が設けられるこ
とを特徴とする。本発明に従えば、含塵ガスが用いられ
る第1および第2流動層熱交換器のいずれか一方の最下
段の流動層から、第1および第2流動層熱交換器のいず
れか他方に気密排出手段を介して排出される熱媒体の流
路の上端部寄りには、圧縮ガス供給手段が設けられる。
この圧縮ガス供給手段は、前記流路の流速が、前記熱媒
体が排出される第1および第2流動層熱交換器のいずれ
か一方の最下段の流動層の空塔速度ubを超える速度と
なるように圧縮ガスを吐出し、これによって前記一方の
流動層熱交換器から流路を介して前記他方の流動層熱交
換器にダストが熱媒体とともに輸送されることが防がれ
る。第1および第2ガスのいずれか一方に含塵ガスが用
いられるとき、第1および第2ガスのいずれか他方はた
とえば空気が用いられる。先ず第1ガスとして含塵ガス
を用いる場合には、第1流動層熱交換器内の分散板上
で、この含塵ガスによって熱媒体が流動化され、含塵ガ
スによって加熱される。このようにして加熱された熱媒
体は、前述したように気密排出手段を介して第2流動層
熱交換器に導かれる。この第2流動層熱交換器には、第
2ガスである空気が供給され、第2流動層熱交換器内の
分散板上で熱媒体が前記空気によって流動化され、熱媒
体の顕熱を空気によって回収することができる。このよ
うに第1流動層熱交換器には第1ガスとして含塵ガスを
供給し、また第2流動層熱交換器には第2ガスとして空
気を供給したとき、熱媒体は第1および第2流動層熱交
換器間を循環して含塵ガスから顕熱を回収し、第2ガス
である空気を加熱することができる。したがって第2ガ
スは第1ガスと直接に接触せず、熱媒体によって加熱さ
れるので、第2流動層熱交換器から排出される第2ガス
にはダストが含まれず、清浄な高温のガスを得ることが
できる。また第1ガスとして清浄な空気を用い、第2ガ
スとして含塵ガスを用いる場合も、第1および第2流動
層熱交換器間を熱媒体を循環させて、第2流動層熱交換
器によって第2ガスである含塵ガスから顕熱を回収して
加熱された熱媒体が第1流動層熱交換器に導かれ、第1
ガスである清浄な空気を熱交換して加熱し、ダストを含
まない高温で清浄なガスを得ることができる。
【0014】請求項4記載の本発明は、請求項3記載の
発明の構成において、圧縮ガス供給手段による圧縮ガス
の吐出速度は、熱媒体の流路内の流速が流動層の空塔速
度ubの1.2〜3.0倍に選ばれることを特徴とす
る。本発明に従えば、前記圧縮ガスの吐出速度が空塔速
度ubの1.2〜3.0倍に選ばれる。このような圧縮
ガスの吐出速度が空塔速度ubの1.2倍以下なら、ダ
ストを完全に除去することができず、含塵ガスから熱媒
体を介して昇温された清浄なガス中にダストが混入して
しまう。また圧縮ガスの吐出速度が空塔速度ubの3.
0倍以上であれば、その圧縮ガスがショートパスしてし
まい、熱媒体の安定した排出が困難となる。そのため、
圧縮ガスの吐出速度が空塔速度ubの1.2〜3.0倍
に選び、清浄な空気へのダストの混入を確実に防ぐこと
ができる。
【0015】請求項5記載の本発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の発明において、第1および第2流動層
熱交換器は、複数段の流動層をそれぞれ有し、各流動層
は、その断面積が最小流動化速度umf以上となるよう
に、第1および第2ガスの温度が熱媒体との熱交換によ
って低くなるにつれて小さく形成されることを特徴とす
る。本発明に従えば、第1および第2流動層熱交換器の
各流動層は、第1および第2ガスが最小流動化速度um
f以上となるようにして、第1および第2ガスの温度が
低くなるにつれて小さく形成される。このような構成に
よって、第1および第2流動層熱交換器の各分散板上
で、熱媒体を確実に流動化させて、第1および第2ガス
と充分に熱交換させることができる。第1および第2ガ
スの低い温度の流動層の断面積を第1および第2ガスの
高い温度の流動層の断面積より小さくし、これによって
装置を小形化することができる。また、第1および第2
ガスの供給量を第1および第2ガスの温度に応じて大き
く変化させずに安定した流動層を形成し、充分に熱交換
を行わせることができる。
【0016】請求項6記載の本発明は、請求項5記載の
発明の構成において、第1ガスの温度は、第2ガスの温
度を超える値であり、第1および第2流動層熱交換器
は、複数段の流動層をそれぞれ有し、第1流動層熱交換
器の流動層の断面積は、上段が下段よりも小さく形成さ
れ、第2流動層熱交換器の流動層の断面積は、下段が上
段よりも小さく形成されることを特徴とする。本発明に
従えば、第1流動層熱交換器の上段の流動層の断面積は
下段の流動層の断面積よりも小さく選ばれるので、下段
の流動層で熱交換してガス温度が低下した上段流動層に
おいても、適切な空塔速度にして、安定した流動層を形
成することができる。このような第1流動層熱交換器に
供給される第1ガスは、たとえば焼成炉から排出される
ダストを含む高温の排ガスであり、このような高温の第
1ガスは先ず下段の流動層を形成して熱媒体を加熱し、
この下段の流動層に供給される熱媒体は上段の流動層に
おいて、前記下段の流動層で熱交換して温度が低下した
第1ガスと熱交換する。したがって上段の流動層を形成
する予熱後の熱媒体が下段の流動層に供給され、この下
段における熱媒体は、高温の第1ガスとの熱交換によっ
てさらに温度が上昇し、高温の熱媒体が第2流動層熱交
換器の上段の流動層に導かれる。この第2流動層熱交換
器では、上段の流動層の断面積が下段の流動層の断面積
よりも大きく、したがって流動層の温度に対応した適切
な空塔速度に選ぶことができるので、それぞれ安定した
流動層を形成することができる。第2流動層熱交換器に
供給される第2ガスは、たとえば常温の空気であり、こ
のような温度の低い第2ガスによって下段の流動層で熱
交換し、予熱された第2ガスは第1流動層熱交換器の下
段の流動層から導かれる前記高温の熱媒体と熱交換して
昇温される。したがって上段の流動層で熱交換した高温
のダストを含まない第2ガスを得ることができる。
【0017】請求項7記載の本発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載の発明に加えて、第1ガスの顕熱を第2
ガスによって回収する熱交換装置であって、第1流動層
熱交換器からの熱交換後の第1ガスの温度を検出する第
1ガス温度検出手段と、第1ガス温度検出手段の出力に
応答し、予め設定された温度になるように、検出される
第1ガスの温度が高くなるにつれて、前記1つの気密排
出手段による熱媒体の流量を大きく制御するもう1つの
制御手段とを含むことを特徴とする。本発明に従えば、
第1流動層熱交換器からの第1ガスの温度を検出する第
1ガス温度検出器とを、第1ガス温度検出器によって検
出される第1ガスの温度が高くなるにつれて前記各気密
排出手段のいずれか1つによる熱媒体の流量を大きく制
御する制御手段とが設けられる。このような制御手段に
よって、1つの気密排出手段による熱媒体の流量が大き
くなると、この気密排出手段によって排出された熱媒体
が供給される流動層の圧力損失が大きくなるので、その
流動層に対応して設けられる制御手段によって圧力損失
検出手段の出力に応答して、予め定められた圧力損失と
なるように、気密排出手段の流量が大きくなるように制
御される。このようにして各流動層の圧力損失が大きく
なると、順次的に気密排出手段の流量が大きく設定さ
れ、熱媒体の循環量が増加する。したがって第1流動層
熱交換器に導入される第1ガスの温度が高くなったと
き、熱媒体の循環量を増加して第1流動層熱交換器の熱
回収を増加させて第1ガスの熱交換後の温度を予め定め
る値に制御することができる。このようにして一定温度
の熱媒体を第2流動層熱交換器の上段の流動層へ導き、
第2流動層熱交換器からの第2ガスの温度を大きく変動
させることなしに第1流動層熱交換器に導入される第1
ガスの温度変化に対処することができる。
【0018】請求項8記載の本発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載の発明の構成に加えて、第1ガスの顕熱
を第2ガスによって回収する熱交換装置であって、第2
流動層熱交換器からの熱交換後の第2ガスの温度を検出
する第2ガス温度検出手段と、第2ガス温度検出手段の
出力に答し、予め設定された温度になるように、検出さ
れる第2ガスの温度が低くなるにつれて、前記1つの気
密排出手段による熱媒体の流量を大きく制御するもう1
つの制御手段とを含むことを特徴とする。本発明に従え
ば、第2ガス温度検出手段によって第2流動層熱交換器
からの第2ガスの温度が検出され、この第2ガスの温度
が低くなるにつれて制御手段は1つの気密排出手段によ
る熱媒体の流量が大きくなるように制御する。したがっ
て第1流動層熱交換器での回収熱量が増加し、熱媒体の
顕熱が増加するので、第2流動層熱交換器の回収熱量も
増加し、これによって第2流動層熱交換器からの第2ガ
スの温度を高くすることができる。
【0019】請求項9記載の本発明は、請求項8記載の
発明の構成に加えて、第2ガスの流量を検出する第2ガ
ス流量検出手段をさらに含み、前記もう1つの制御手段
は、第2ガス温度検出手段の出力に応答し、予め設定さ
れた温度になるように、第2ガス流量検出手段によって
検出される流量が大きくなるにつれて、前記1つの気密
排出手段による熱媒体の流量を大きく設定することを特
徴とする。本発明に従えば、第2流動層熱交換器からの
第2ガスの流量が第2ガス流量検出手段によって検出さ
れ、この第2ガス流量検出手段によって検出された流量
が大きくなるにつれて、1つの気密排出手段としてたと
えば第1流動層熱交換器の上段の流動層から下段の流動
層に熱媒体を導く気密排出手段による熱媒体の流量、ま
たは第2流動層熱交換器の上段の流動層から下段の流動
層に導く気密排出手段による熱媒体の流量を、第2ガス
温度検出手段による検出温度が予め定める値になるよう
に、設定する。このようにして第2流動層熱交換器から
排出される第2ガスの流量をも監視して、第2ガスの流
量が増加したときに、その第2ガスの温度が低くならな
いように制御することができる。
【0020】請求項10記載の本発明は、請求項1〜9
のいずれかに記載の発明の構成に加えて、第1ガスおよ
び第2ガスのいずれか一方が含塵ガスであり、この含塵
ガスが用いられる第1および第2のいずれか一方の流動
層熱交換器の最上段の流動層に、いずれか他方の流動層
熱交換器の最上段からの前記いずれか他方のガスから粉
塵を捕集して導く粉塵捕集手段が設けられることを特徴
とする。本発明に従えば、第1および第2ガスのいずれ
か一方が含塵ガスであり、説明の都合上、第1ガスを含
塵ガスとし、第2ガスを空気などの清浄な非含塵ガスで
あると仮定する。含塵ガスである第1ガスは、第1流動
層熱交換器に供給されて、熱媒体によって顕熱が回収さ
れる。顕熱を回収した高温の熱媒体は、第2流動層熱交
換器の上段の流動層に導かれ、下段の流動層へ熱媒体が
順次的に導かれてダストを含まない第2ガスと熱交換
し、その第2ガスが加熱される。第2流動層熱交換器の
最上段から排出される第2ガスは、粉塵捕集手段によっ
てその第2ガス中に含まれるダストが捕集された後、た
とえば後続する熱需要設備に導かれる。このような第2
ガスにダストが含まれるのは、第1流動層熱交換器内で
各流動層を第1ガスが通過したとき、第1ガス中のダス
トが各流動層の熱媒体に付着し、あるいは熱媒体ととも
に第1流動層熱交換器に供給され、第1流動層熱交換器
から排出される熱回収後の第1ガス中に含まれるダスト
に比べて僅かであっても、第2流動層熱交換器から排出
される第2ガス中にダストが侵入してしまい、このよう
なダストを含む熱媒体を第1および第2流動層熱交換器
間で循環させるためである。このような粉塵捕集手段は
第1ガスに粉塵が含まれ、第2ガスに粉塵が含まれない
場合に限らず、第2ガスに粉塵が含まれ、第1ガスに粉
塵が含まれない場合も同様に、粉塵が含まれない第1ガ
スと熱媒体とが交流接触する第1流動層熱交換器から排
出される熱交換後の第1ガス中の粉塵を捕集するために
設けられる。このようにして含塵ガスとの熱交換に用い
られた熱媒体によって持ち込まれたダストを除去し、清
浄な高温のガスを得ることができる。
【0021】請求項11記載の本発明は、分散板上の熱
媒体を第1ガスによって流動化して、熱媒体の気密排出
手段を介して接続される複数段の流動層を形成する第1
流動層熱交換器と、分散板上の熱媒体を第2ガスによっ
て流動化して、熱媒体の気密排出手段を介して接続され
る複数段の流動層を形成する第2流動層熱交換器とを含
み、第1流動層熱交換器の最下段の流動層と、第2流動
層熱交換器の最上段の流動層とが、熱媒体の気密排出手
段によって接続され、第2流動層熱交換器の最下段の流
動層と、第1流動層熱交換器の最上段の流動層とが熱媒
体の気密排出手段を介して接続されて熱媒体の循環経路
が形成され、各流動層の圧力損失をそれぞれ検出する圧
力損失検出手段と、圧力損失検出手段の出力に応答し、
検出された圧力損失が予め定める値となるように、その
検出された圧力損失を生じている流動層から熱媒体を排
出する気密排出手段の流量を制御する制御手段とを設
け、熱媒体が圧力損失の予め定める値を生じる量未満だ
け分散板上に存在し、または熱媒体が分散板上に存在し
ない状態で、前記循環経路の途中に、熱媒体を供給して
ゆき、全ての流動層の各圧力損失が前記予め定める値に
なったとき、熱媒体の供給を停止し、次に、全ての気密
排出手段のうちの1つのみを、前記圧力損失の検出によ
って制御せずに、流量を予め定める値に設定し、かつ残
余の全ての気密排出手段を、前記圧力損失の検出によっ
て制御することを特徴とする熱交換装置の運転方法であ
る。本発明に従えば、第1および第2流動層熱交換器の
各分散板上に熱媒体が予め定める値の圧力損失を生じる
量未満だけ存在し、または熱媒体が分散板上に存在しな
い状態では、制御手段によって循環経路の途中から熱媒
体を供給してゆき、全ての流動層の各圧力損失が予め定
める値になったとき、前記熱媒体の供給を停止して、1
つの気密排出手段だけを流量が予め定める値になるまで
制御し、残余の全ての気密排出手段は各流動層の圧力損
失の検出値によって制御する。前記1つの気密排出手段
の流量を第1または第2流動層熱交換器から排出される
熱交換後の第1または第2ガスの温度に基づいて設定す
ることによって、第1および第2ガスを希望する温度付
近とすることができる。このようにして熱媒体の循環量
を予め設定した状態で、各流動層の圧力損失の検出値に
基づいて、第1および第2流動層熱交換器から排出され
る第1および第2ガスの温度管理を行うことができる。
したがって運転開始時には、熱媒体を第1および第2流
動層熱交換器の各分散板上に供給して流動層を形成し、
全ての流動層が形成された後は、各流動層の圧力損失を
一定にして、熱媒体の流量によって第1および第2ガス
の温度を制御することができるので、運転開始時から円
滑にかつ短時間で第1および第2ガスの温度を安定さ
せ、ダストを含む第1および第2ガスのいずれか一方か
ら熱回収して、第1および第2ガスのいずれか他方を加
熱し、清浄な高温ガスを得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
熱交換装置41を示す系統図である。熱交換装置41
は、分散板42a,42b上の熱媒体を第1ガスによっ
て流動化して、熱媒体の第1気密排出手段43を介して
接続される複数段の流動層44a,44bを形成する第
1流動層熱交換器45と、分散板46a,46b上の熱
媒体を第2ガスによって流動化して、熱媒体の第2気密
排出手段47を介して接続される複数の流動層48a,
48bを形成する第2流動層熱交換器49と、第1流動
層熱交換器45の最下段の流動層44bおよび第2流動
層熱交換器49の最上段の流動層48aを接続して、第
1流動層熱交換器45の最下段の流動層44bから熱媒
体を第2流動層熱交換器49の最上段の流動層48aに
導く第3気密排出手段50と、第2流動層熱交換器49
の最下段の流動層48bおよび第1流動層熱交換器45
の最上段の流動層44aを接続し、第2流動層熱交換器
49の最下段の流動層48bから熱媒体を、第1流動層
熱交換器45の最上段の流動層44aに導く第4気密排
出手段51とを含む。
【0023】前記熱交換装置41はさらに、第1〜第4
気密排出手段43,47,50,51によって排出され
る熱媒体の流動層44a,48a,44b,48bの各
圧力損失ΔP1,ΔP2,ΔP3,ΔP4を、それぞれ
検出する第1〜第4圧力損失検出手段52〜55と、第
1〜第3圧力損失検出手段52〜54の出力に応答し、
検出された圧力損失ΔP1〜ΔP3が予め定める値ΔP
1a〜ΔP3aになるように、その検出された圧力損失
ΔP1〜ΔP3を有する流動層44a,48a,44b
からの熱媒体を排出する第1〜第3気密排出手段43,
47,50の流量を制御する第1〜第3制御手段56〜
58と、第1〜第4気密排出手段43,47,50,5
1のうち、いずれか1つの気密排出手段である第4気密
排出手段51によって排出される熱媒体の流量を、予め
定める値に設定する流量設定手段60とを含む。
【0024】第1流動層熱交換器45は、直円筒状の円
筒部63と、円筒部63の下端部に連なる逆円錐台状の
円錐台部64と、円筒部63の上端開口部を塞ぐ上蓋部
65とを有する炉体66と、円錐台部64に形成され、
第1ガスが供給されるガス供給部67とを備える。これ
らの炉体66およびガス供給部67は、キャスタブル耐
火物から成る。
【0025】炉体66内の空間は、前記2つの分散板4
2a,42bによって上部熱交換室68と、下部熱交換
室69と、風箱70とに仕切られる。ガス供給部67に
は、第1ガスとしてたとえば焼成炉からの約1000℃
のダストを含む排ガス、すなわち含塵ガスが供給され、
ガス供給部67に供給された第1ガスは円錐台部64内
の風箱70に導かれる。各分散板42a,42bには、
複数の透孔71a,71bがそれぞれ形成され、前記ガ
ス供給部67から風箱70内に導かれた第1ガスは、下
段の分散板42bの透孔71bを経て下部熱交換室69
内へ噴出し、さらに上段の分散板42aの透孔71aを
経て上部熱交換室68に噴出する。このようにして各分
散板42a,42bの透孔71a,71bを介して噴出
する高温の第1ガスによって熱媒体を流動化して、前記
流動層44a,44bをそれぞれ形成することができ
る。前記熱媒体は、熱によって変質および摩耗しないも
のが好ましく、たとえば粒径1〜5mmの硅砂、石灰石
および鉄粉などが用いられる。
【0026】第2流動層熱交換器49は、直円筒状の円
筒部73と、円筒部73の下端部に連なる逆円錐台状の
円錐台部74と、円筒部73の上端開口部を塞ぐ上蓋部
75とを有する炉体76と、円錐台部74に形成され、
たとえば常温の空気である第2ガスが供給されるガス供
給部77とを有する。
【0027】炉体76内の空間は、前記2つの分散板4
6a,46bによって上部熱交換室78と、下部熱交換
室79と、風箱80とに仕切られる。前記ガス供給部7
7に第2ガスが供給されると、この第2ガスは円錐台部
74の風箱80内に導かれ、下段の分散板46bの透孔
81bを通過して下部熱交換室79内に噴出し、さらに
上段の分散板46aの透孔81aを通過して上部熱交換
室78内に噴出し、各分散板46a,46b上の熱媒体
を流動化して前記流動層48a,48bをそれぞれ形成
する。
【0028】前記第1流動層熱交換器45の上段の流動
層44aを形成する熱媒体は、シュート106、第1気
密排出手段43およびシュート107を介して下段の流
動層44bに導かれる。また第2流動層熱交換器49に
おいて、上段の流動層48aを形成する上段の分散板4
6a上の熱媒体は、シュート109、前記第2気密排出
手段47およびシュート110を介して下段の分散板4
6b上に導かれる。
【0029】第1流動層熱交換器45の下段の分散板4
2b上で流動層44bを形成する熱媒体は、シュート8
3、前記第3気密排出手段50およびシュート84によ
って、第2流動層熱交換器49の上段の分散板46a上
に形成される流動層48aに、その界面よりも上方から
投入される。第2流動層熱交換器49の下段の分散板4
6b上で流動層48bを形成する熱媒体は、シュート8
5、前記第4気密排出手段51、シュート86、輸送手
段87、熱媒体供給源90、およびシュート88を介し
て、第1流動層熱交換器45の上段の流動層44aにそ
の界面よりも上方から投入される。輸送手段87の上端
部には、熱媒体投入シュート89を介して熱媒体を供給
する熱媒体供給源90が設けられ、熱媒体を前記シュー
ト88に供給することができる。
【0030】図2は、熱媒体供給源90の具体的構成を
示す正面図である。熱媒体供給源90は、前記輸送手段
87より熱媒体が投入される熱媒体供給口91を有する
供給管路92と、供給管路92を介して供給される熱媒
体を、供給管路92が連なる一端部から他端部に向けて
移送するたとえばスクリューコンベアによって実現され
る移送手段93と、供給管路92から移送手段93の一
端部に供給された熱媒体を一定量だけ貯留する貯留部で
ある貯留ホッパ94と、移送手段93の他端部から熱媒
体を前記熱媒体投入シュート89に導くバイパスシュー
ト95と、熱媒体投入シュート89に介在され、運転開
始時に熱媒体を投入する際、および熱媒体を少量だけ補
給する際に開放して熱媒体投入シュート89の熱媒体の
通過を許容し、熱媒体の非供給時には、熱媒体投入シュ
ート89を遮断する開閉弁である第1開閉弁96と、前
記バイパスシュート95に介在され、第1および第2流
動層熱交換器45,49間の熱媒体の循環経路を形成し
て連続運転する際に、移送手段93によって連続的に熱
媒体を第1流動層熱交換器45に供給するために、バイ
パスシュート95の熱媒体の通過を許容し、または遮断
する第2開閉弁97と、移送手段93の前記一端部と、
貯留ホッパ94とを接続するシュート99に介在され、
移送手段93およびバイパスシュート95によって熱媒
体を供給する際には、シュート99を遮断して熱媒体の
貯留ホッパ94への通過を遮断し運転停止時に熱交換装
置内の熱媒体を貯留する際には、前記シュート99を開
放して供給管路92からの熱媒体をシュート99を介し
て貯留ホッパ94に導く第3開閉弁98とを有する。
【0031】前記貯留ホッパ94は、直円筒状の円筒部
101と、円筒部101の下端部に連なり、逆円錐台状
の円錐台部102と、円筒部101の上端部を塞ぎ、前
記シュート99が接合される上蓋部103とを有し、こ
のような貯留ホッパ94内に貯留される熱媒体を、所望
した分だけ前記第1開閉弁96を開いて運転開始時、第
1流動層熱交換器45に供給し、または熱媒体消耗時に
徐々に補給することができるように構成される。
【0032】上記の熱媒体供給源90の動作をまとめる
と、下記の表1のとおりである。
【0033】
【表1】
【0034】本発明の実施の他の形態として、前記移送
手段93は、スクリューコンベアに代えて前記貯留ホッ
パ94が設けられる一端部よりも他端部側が低くなるよ
うに傾斜した中空のシュートを用いるようにしてもよ
い。
【0035】図3は、第1流動層熱交換器45の下段の
分散板42b付近の拡大断面図である。前記第1流動層
熱交換器45の炉体66の一部を構成する円筒部63に
は、前述したように複数の透孔71bを有する分散板4
2bが設けられる。このような分散板42bの各透孔7
1bを下から上へ通過して噴出する第1ガスによって、
分散板42b上には所定の層高の流動層44bが形成さ
れる。
【0036】円筒部63の炉壁には、図1に示すように
前記上段の流動層44aの界面111よりも上方のフリ
ーボート部に臨んで開口する熱媒体投入口112aが形
成される。この熱媒体投入口112aには、前記シュー
ト88が接続され、輸送手段87によって下から上へ輸
送されてきた熱媒体が再び前記シュート88を介して熱
媒体投入口112aから上段の流動層44aに投入さ
れ、あるいは運転開始時においては熱媒体供給源90の
熱媒体投入シュート89から前記シュート88を介して
熱媒体が投入される。このように熱媒体投入口112a
を流動層44aの界面111よりも上方に設けるのは、
熱媒体がスムースに流動層44aに投入できるためで、
加えて、熱媒体投入口112aの付着閉塞を防止できる
ためでもある。
【0037】また円筒部63の炉壁は、図3に示すよう
に下段の流動層44bの界面111よりも下方で前記流
動層44bに臨んで開口する熱媒体排出口113が形成
される。この熱媒体排出口113には、前記シュート8
3が接続され、第3気密排出手段50およびシュート8
4を介して流動層44bを形成する熱媒体を気密に第2
流動層熱交換器49の上段の流動層48a上に導くこと
ができる。このような第1流動層熱交換器45から第2
流動層熱交換器49への熱媒体の移送時において、第1
流動層熱交換器45には粉塵を含む第1ガスが供給され
るので、その粉塵は熱媒体とともに第2流動層熱交換器
49に導かれてしまう恐れがある。そのため、前記シュ
ート83には、圧縮ガス供給手段114からダストを含
まない清浄なガスが供給される。この圧縮ガスはたとえ
ば清浄な空気であり、シュート83内の空塔速度u
0は、分散板42b上の空塔速度ubの1.2〜3倍程
度に選ばれ、これによってシュート83内にダストが流
入することが防がれ、熱媒体だけを通過させることがで
きる。このような圧縮ガス供給手段114からの圧縮ガ
スは、シュート83に形成される圧縮ガス供給部115
の供給口116からシュート83内に噴射され、その圧
縮ガスは前記分散板42b上の流動層44bに向けて放
出される。このように圧縮ガス供給手段114によって
圧縮ガス供給部115の供給口116からシュート83
に供給された圧縮ガスが流動層44b側に導かれるの
は、シュート83ともう1つのシュート84との間に第
3気密排出手段50が介在され、これによってシュート
83からシュート84へのガスの通過が遮断されている
からである。
【0038】図4は、第1気密排出手段43の具体的構
成を示す拡大断面図である。前記第1気密排出手段43
は、第1流動層熱交換器45の上段の流動層44aを形
成する熱媒体を下段の流動層44bに導くシュート10
6と107との間に介在され、ケーシング121内で矢
符A方向に回転駆動されるロータ122が設けられるロ
ータリバルブ123と、前記ロータ122を矢符A方向
に所定の回転速度で回転駆動するモータ124とを有す
るロータリフィーダによって実現される。
【0039】ケーシング121は、上段の流動層44a
側のシュート106のフランジ125にボルトおよびナ
ットなどによってフランジ接合されるフランジ126を
有する流入部127と、流入部127に連なり、前記ロ
ータ122が矢符A方向に回転可能に収納され、ロータ
122の水平な回転軸線と同軸をなす直円柱状のロータ
収納空間128を有するロータ収納部129と、ロータ
収納部129に連なり、ロータ122によって熱媒体が
導かれ、下段の流動層44b側のシュート107のフラ
ンジ130のボルトおよびナットなどによってフランジ
接合されるフランジ131を有する流出部132とを有
する。
【0040】ロータ122は、前記モータ124によっ
て矢符A方向に回転駆動される回転軸133と、この回
転軸133に周方向に等間隔をあけて放射状に設けられ
る複数のブレード134とを有する。このようなロータ
122の各ブレード134は、回転軸線から最も離れた
最外周部の端面135が、ロータ収納部129の内周面
136と熱媒体を噛込まずに回転し得る程度の僅かな間
隔をあけて形成されており、これによって上段の流動層
44a側のシュート106から下段の流動層44b側の
シュート107に熱媒体だけを導き、ガスの通過を遮断
することができる。
【0041】前記ロータ122は、上段の流動層44a
側のシュート106から流入部127内に導かれる熱媒
体およびガスのうち、原料だけを周方向に隣接する各ブ
レード134間の貯留空間137内に貯留し、ロータ1
22の回転によってその貯留空間137が流出部132
内の空間に臨んだとき、貯留空間137内の熱媒体が流
出部132内に落下し、こうしてガスを通過させずに熱
媒体だけを下流側へ排出することができる。ロータ12
2の回転時に、前記ロータ収納部129の内周面136
と各ブレード134との間に熱媒体が噛込むことを防止
するために、流入部127のロータ122の回転方向下
流側である矢符A方向下流側の壁部138は、矢符A方
向とは逆方向に突出する噛込み防止片139が一体的に
形成される。このような噛込み防止片139は、いわゆ
る邪魔板として設けられ、粒径の大きな熱媒体の噛込み
を防止することができる。
【0042】前記第2〜第4気密排出手段47,50,
51もまた、上記の第1気密排出手段43と同様な構成
を有し、重複を避けて説明は省略する。
【0043】図5は、本発明の実施の他の形態の第1気
密排出手段43aを示す拡大断面図である。本実施の形
態の第1気密排出手段43aは、第1流動層熱交換器4
5の上段の流動層44aからシュート106を経て供給
される熱媒体によるマテリアルシールによってガスの通
過を遮断し、熱媒体だけを下段の流動層44b側のシュ
ート107に導くLバルブ141と、このLバルブ14
1内に堆積した熱媒体を押すための押出し手段142と
を含む。Lバルブ141は、大略的にL状に屈曲した筒
体であって、上方に立上る立上り部143と、立上り部
143の下端部にほぼ直角に屈曲して連なり、水平に延
びる水平部144と、水平部144の前記立上り部14
3が連なる長手方向一端部とは反対側の他端部からほぼ
直角に屈曲して下方に延びる立下り部145とを有す
る。立上り部143の上端部にはフランジ146が形成
され、このフランジ146はシュート106の下端部に
形成されるフランジ125と、ボルトおよびナットなど
によってフランジ接合される。また立下り部145の下
端部ではフランジ147が形成され、このフランジ14
7はシュート107の上端部に形成されるフランジ13
1と、ボルトおよびナットなどによってフランジ接合さ
れる。このようなLバルブ141は、たとえば耐火構造
であって、各シュート106,107間に気密に接続さ
れる。
【0044】上方のシュート106からLバルブ141
の立上り部143内に供給された熱媒体は、水平部14
4において立下り部145内の空間に臨む角部148か
ら上方に安息角φrを成す安息面149を形成して堆積
している。このようにしてLバルブ141内の水平部1
44から立上り部143にわたって堆積した熱媒体によ
ってマテリアルシールされ、上方のシュート106から
下方のシュート107へのガスの通過が防がれる。
【0045】このような状態で熱媒体だけを排出するた
めに、立上り部143の内壁面143aには、熱媒体の
安息面149に向けてガスを噴射するノズル部材150
が水平部144とほぼ平行に設けられる。このノズル部
材150に供給されるガスは、たとえばノズル部材15
0用に独立して設けられるブロア151からの常温の空
気であり、ノズル部材150とブロア151との間に介
在される流量調整弁200を開閉動作させて、ガス噴出
量の調整を容易に行うことができるように構成される。
また、仮想線205で示すように、ブロア151の代わ
りに圧縮空気を電磁弁206の開閉により間欠的に噴射
するように構成してもよい。前記ノズル部材150とブ
ロア151とを含んで、前記押出し手段142を構成し
ている。このようなノズル部材150から噴射されるガ
スの噴射量の設定は、後述するように、上段の流動層4
4aによる圧力損失に基づいて決定される。残余の第2
〜第4気密排出手段47,50,51もまた、上記の第
1気密排出手段43aと同様に構成されてもよい。
【0046】図6は、本発明の実施のさらに他の形態の
第1気密排出手段43bを示す拡大断面図である。本実
施の形態の第1気密排出手段43bは、上記のノズル部
材150に代えて、押圧棒152が設けられる。この押
圧棒152は直円柱状の耐熱性金属または成形された耐
火物から成り、水平部144と平行な軸線方向に駆動シ
リンダ153によって駆動され、駆動シリンダ153と
押圧棒152とを含んで、押出し手段154を構成して
いる。この駆動シリンダ153はたとえば複動高気圧シ
リンダであって、Lバルブ141内で安息角φrを成す
安息面149を形成して堆積した熱媒体を、押出棒15
2が立上り部143の内壁面143aからストロークS
Rだけ突出することによって、水平部144内の熱媒体
を押圧し、これによって安息面149が破壊されて熱媒
体が角部148を超えて立下り部145側へ押出され、
下方のシュート107内へ落下する。このような駆動シ
リンダ153のストロークSRおよび作動周期は、上記
の図5に示す押出し手段142と同様に、上段の流動層
44aによる圧力損失に基づいて決定される。このよう
な押圧棒152を用いる押出し手段154を採用した場
合には、前述の図5に示されるノズル部材150による
押出し手段142を採用した場合に比べて、押出し手段
154は、押圧棒152によってLバルブ141内に堆
積した熱媒体を押出すだけであるので、下段の流動層4
4bへ導かれる熱媒体の温度が低下するという不具合が
生じない。しかしながら駆動シリンダ153へ作動圧を
供給するための空気圧源を別途に必要とし、構成が大形
化してしまうという問題もある。残余の第2〜第4気密
排出手段47,50,51もまた、上記の第1気密排出
手段43bと同様に構成されてもよい。
【0047】図7は、第1〜第4気密排出手段43,4
7,50,51の動作を制御するための制御装置161
の電気的構成を示すブロック図である。制御装置161
は、各圧力損失設定値ΔP1a,ΔP2a,ΔP3a,
ΔP4aおよび温度設定値T1aを設定する設定手段1
62と、各流動層44a,48a,44b,48bによ
る圧力損失を検出する第1〜第4圧力損失検出手段52
〜55と、第2流動層熱交換器45から排出されるガス
の温度T1を検出する温度検出器163と、中央演算処
理装置(略称CPU)によって実現される制御手段16
4と、制御手段164からの制御信号に応答して、第1
〜第4気密排出手段43,47,50,51にそれぞれ
備えられるモータ124,165,166,167に駆
動電力を供給して駆動する駆動手段168〜171とを
含む。
【0048】同一のキー入力手段によって圧縮および流
量の設定値を入力することができるため、前記流量設定
手段60は、設定手段162に含まれてもよく、個別で
あってもよい。
【0049】前記制御手段164は、設定手段162に
よって設定された圧力損失設定値ΔP1a〜ΔP4a
と、第1〜第4圧力損失検出手段52〜55からの圧力
損失検出値ΔP1〜ΔP4とを比較して、圧力損失検出
値ΔP1〜ΔP4が圧力損失設定値ΔP1a〜ΔP4a
未満であれば、対応する駆動手段168〜171を減速
または停止するよう制御信号を出力し、各圧力損失検出
値ΔP1〜ΔP4が各圧力損失設定値ΔP1a〜ΔP4
aを超過すると、各駆動手段168〜171を増速また
は起動するよう制御信号を出力する。前記設定手段16
2によってたとえば圧力損失設定値ΔP4aに代えて温
度設定値T1aを設定したきには、制御手段164は温
度設定値T1aと温度検出器163による検出温度T1
とを比較して、温度検出値T1が温度設定値T1a未満
であれば減速信号または停止信号を駆動手段171に出
力し、また温度検出値T1が温度設定値T1aを超えた
ときには増速信号または駆動信号を駆動手段171に出
力する。駆動手段171は、前述のように制御手段16
4が温度検出器163からの温度検出値T1と設定手段
162による温度設定値T1aとを比較した結果、出力
される増速信号、駆動開始信号、減速信号および停止信
号にそれぞれ応答して第4気密排出手段51のモータ1
67の回転速度を制御する。このような温度検出器16
3による温度検出値T1および第1〜第4圧力損失検出
手段52〜55のいずれの検出値を採用するかは、設定
手段162によって切換えるようにしてもよく、さらに
温度検出器163および第1〜第4圧力損失検出手段5
2〜55の全ての検出値を採用して比較判定し、第1〜
第4気密排出手段43,47,50,51の作動ボタン
をプログラム化しておき、そのプログラムに従って制御
手段164からの制御信号を各駆動手段168〜171
に選択的に出力して、第1〜第4気密排出手段43,4
7,50,51を制御するようにしてもよい。
【0050】図8は、熱交換装置41の動作を説明する
ためのフローチャートである。ステップa1で運転が開
始され、ステップa2で熱媒体供給源90によってシュ
ート88に熱媒体が投入される。この熱媒体の投入にあ
たっては、前述の図2に関連して述べたように、貯留ホ
ッパ94の上方に設けられる第3開閉弁98は閉じた状
態で熱媒体投入シュート89に介在される第1開閉弁9
6を開いて貯留ホッパから熱媒体を供給する。第2開閉
弁97は開いた状態で、流動層44a,44b,48
a,48bに順次所定量の熱媒体が滞留し、第4気密排
出手段51が排出を開始すれば、第1開閉弁96を閉じ
熱媒体の供給を停止するとともに、第4気密排出手段5
1から排出された熱媒体は輸送手段87を介して移動手
段93、バイパスシュート95および熱媒体投入シュー
ト89を経てシュート88から第1流動層熱交換器45
の上段の分散板42a上に連続して投入する。このとき
第1〜第4圧力損失検出手段52〜55は検出動作を開
始しており、第1〜第4気密排出手段43,47,5
0,51もまた、排出動作を開始している。
【0051】このような状態で、前記熱媒体供給源90
は、熱媒体の供給動作を継続し、ステップa3で制御手
段164は第1〜第4圧力損失検出手段52〜55から
の各圧力損失検出値ΔP1〜ΔP4に基づいて、各圧力
損失検出値ΔP1〜ΔP4が設定手段162によってそ
れぞれ設定される圧力損失設定値ΔP1a〜ΔP4aと
なるように第1〜第4気密排出手段43,47,50,
51による熱媒体の供給量を制御する。
【0052】このような運転開始時における熱交換装置
41の立上げは、前記熱媒体供給源90による熱媒体の
供給動作に先立って、第1流動層熱交換器45にはガス
供給部67からダストを含む高温の排ガスが供給され、
また第2流動層熱交換器49には、ガス供給部77から
ブロアによって一定の流量で被加熱ガスとして常温の空
気が供給される。
【0053】輸送手段87によって前記熱媒体供給源9
0から供給された熱媒体は、第1流動層熱交換器45の
上段の流動層44a、下段の流動層44b、第2流動層
熱交換器49の上段の流動層48aおよび下段の流動層
48bをこの順序で循環して、第2流動層熱交換器49
から排出される被処理ガスの温度が徐々に上昇する。こ
のようにして各圧力損失検出手段52〜55による圧力
損失検出値ΔP1〜ΔP4が圧力設定値ΔP1a〜ΔP
4aになるように、第1〜第4気密排出手段43,4
7,50,51による排出量を制御する。
【0054】ステップa4で、第1〜第4圧力損失検出
手段52〜55による圧力損失検出値ΔP1〜ΔP4
が、圧力損失設定値ΔP1a〜ΔP4aに達したか否か
が判断される。これらの圧力損失設定値ΔP1a〜ΔP
4aは、たとえば300mmAqに設定されており、達
していれば次のステップa5に移り、達していなければ
ステップa3に戻る。ステップa5では、流量設定手段
60によって第4気密排出手段51による流量を設定す
る。このような設定流量で排出する気密排出手段は、第
4気密排出手段51以外の第1〜第3気密排出手段4
3,47,50のいずれか1つを選択して、前記第4気
密排出手段51に代えて設定流量で排出動作させるよう
にしてもよい。
【0055】このようにして定常運転を継続した後、ス
テップa6で運転が終了すると、制御手段164による
第1〜第4気密排出手段43,47,50,51による
排出動作が解除されるとともに、第1〜第4圧力損失検
出手段52〜55による圧力損失の検出動作が解除さ
れ、全ての動作が終了する。
【0056】上記のステップa5において、第4気密排
出手段51による流量は流量設定手段60によって設定
するようにしたけれども、本発明の実施の他の形態とし
て、第1流動層熱交換器45の排出管路に温度検出器1
63を設けて、この温度検出器163による検出温度T
1が高くなるほど第4気密排出手段51によって、第2
流動層熱交換器49の下段の流動層48bから第1流動
層熱交換器45の上段の流動層44aに供給される熱媒
体の流量Q4を増加するようにして、検出温度T1が設
定値T1aになるように制御してもよい。なお図9は、
第1流動層熱交換器45の排出管路の温度T1と第4気
密排出手段51によって排出される熱媒体の流量Q4と
の関係を示す。
【0057】また本発明の実施の他の形態として、第2
流動層熱交換器49の排気管路に温度検出器20を設け
て、第2流動層熱交換器49から排出されるガスの温度
T2を検出し、この温度T2が高くなるにつれて、第2
流動層熱交換器49の上段の流動層48aから下段の流
動層48bに導かれる熱媒体の流量Q3を減少させるよ
うにして、検出温度T2が設定値T2aになるように制
御してもよい。なお図10は、第2流動層熱交換器49
の排出管路の温度T2と第2気密排出手段47によって
排出される熱媒体の流量Q3との関係を示す。
【0058】図11は、本発明の実施のさらに他の形態
の熱交換装置41aを示す系統図である。前述の実施の
形態では、第1〜第4圧力損失検出手段52〜55は、
各流動層44a,44b,48a,48bの各界面より
も上方のフリーボート部の空間と、各分散板42a,4
2b,46a,46bよりも下方側の空間との間の差圧
に基づいて、各流動層44a,44b,48a,48b
および各分散板42a,42b,46a,46bによる
圧力損失を流動層による圧力損失として検出するように
したけれども、本発明の実施のさらに他の形態として、
各分散板42a,42b,46a,46bの上面近傍部
分と各流動層44a,44b,48a,48bの界面よ
りも上方の空間との間の差圧を測定して、流動層44
a,44b,48a,48bによる圧力損失を検出する
ように構成されてもよい。このように流動層だけによる
圧力損失に基づいて第1〜第4気密排出手段43,4
7,50,51による流量が制御されるので、各分散板
42a,42b,46a,46bにそれぞれ形成される
透孔71a,71b,81a,81bの目詰まりの影響
が含まれず、正確に流動層による圧力損失を検出し、こ
れによって各流動層44a,44b,48a,48bに
よる層高を制御して、ガスと熱媒体との交流接触時間を
制御して、所定の温度に制御することができる。
【0059】図12は、本発明の実施のさらに他の形態
の熱交換装置41bを示す系統図である。上記の各実施
の形態の輸送手段87は、バケットコンベアによって実
現するようにしたけれども、本発明の実施のさらに他の
形態では、空気輸送管175と、この空気輸送管175
の下端部から空気を供給するブロア176と、空気輸送
管175に介在され、第2流動層熱交換器49の下段の
流動層48bから熱媒体を負圧によって吸引するエジェ
クタ177と、空気輸送管175の上端部が接続される
捕集サイクロン178と、この捕集サイクロン178に
よって捕集された熱媒体が導かれるシュート88に介在
される気密排出手段179とによって構成される輸送手
段180が設けられる。前記気密排出手段179は、予
め定める一定の流量で排出動作されてもよく、あるいは
第4気密排出手段51の排出量に等しい流量で排出動作
させるようにしてもよい。
【0060】このような輸送手段180によれば、ブロ
ア176から空気輸送管175内に供給された加圧空気
によってエジェクタ177内には負圧が発生し、この負
圧によって第2流動層熱交換器49の下段の流動層48
bからシュート85および第4気密排出手段51によっ
てシュート86に排出された熱媒体を、短時間で捕集サ
イクロン178に導き、ブロア176によって空気輸送
管175内に供給された空気は外部へ排気され、捕集サ
イクロン178によって捕集された熱媒体だけをシュー
ト88から第1流動層熱交換器45の上段の分散板42
a上に投入することができる。このようにして熱媒体は
空気輸送管175内を短時間で輸送されるので、放熱量
が少なくて済み、熱回収効率を向上することができる。
【0061】図13は、本発明の実施のさらに他の形態
の熱交換装置41cを示す系統図である。なお、前述の
実施の形態と対応する部分には同一の参照符を付す。本
実施の形態では、第2流動層熱交換器49の上部に、排
気を導く排気管183が設けられ、この排気管183の
上端部には捕集サイクロン184が接続され、捕集サイ
クロン184によって捕集された熱媒体は、シュート1
85によって前述の輸送手段87に供給される。そのた
めシュート185には、気密排出手段186が設けられ
る。このような構成によって、第2流動層熱交換器49
から排出されるガス中に含まれる微細な粉粒状の熱媒体
を捕集サイクロン184によって捕集して、再び輸送手
段87に供給して第1流動層熱交換器49に戻すことが
でき、これによって熱媒体の消費量を低減することがで
き、また後続する被加熱ガス消費設備への熱媒体の漏洩
をなくし、あるいは少なくすることができる。また輸送
手段87に代えて、図12に示す輸送手段180を用い
てもよく、これによって熱回収効率を向上させることが
できる。
【0062】図14は、本発明の実施のさらに他の形態
の熱交換装置41dを示す系統図である。なお、前述の
実施の形態と対応する部分には同一の参照符を付す。本
実施の形態の熱交換装置41dは、第1流動層熱交換器
45dでは、上段の流動層44aを形成する円筒部63
aの空塔断面積が下段の流動層44bを形成する円筒部
63bの空塔断面積よりも小さく形成され、また第2流
動層熱交換器49dでは、下段の流動層48bを形成す
る円筒部73bの空塔断面積が上段の流動層48aを形
成する円筒部73aの空塔断面積よりも小さく形成され
る。このように第1流動層熱交換器45dにおいては、
上段の流動層44aが下段の流動層44bよりも断面積
が小さくなるように構成されるので、各流動層44a,
44bの温度に対応した適切な空塔速度に選ぶことがで
き、安定した流動層を形成して熱媒体の流量を安定さ
せ、第1および第2流動層熱交換器45d,49dの温
度を安定させることができる。また第2流動層熱交換器
49dにおいては、上段の流動層48aが下段の流動層
48bよりも断面積が大きく形成されるので、各流動層
48a,48bの温度に対応した適切な空塔速度に選ぶ
ことができ、安定した流動層を形成して熱媒体の流量を
安定させ、第1および第2流動層熱交換器45d,49
dの温度を安定させることができる。以上のような構成
によって安定した高い熱回収効率を達成することができ
る。
【0063】図15は、本件発明者の実験による流動層
の段数と出口ガス温度との関係を示すグラフである。横
軸は流動層の段数を示し、縦軸は各熱交換器の出口ガス
温度を示す。第1流動層熱交換器45に供給される第1
ガスは、重油を燃焼した5000Nm3/時×1000
℃のダストを含む排ガスであり、第2流動層熱交換器4
9に供給される第2ガスは、5000Nm3/時×20
℃の空気であり、熱媒体は硅砂を用いた。第1および第
2流動層熱交換器は同一構造とし、流動層の段数を増加
させながら熱媒体の流量を実線は6000kg/時、一
点鎖線は7500kg/時、破線は9000kg/時に
それぞれ変化させて第1流動層熱交換器から排出される
第1ガスの温度TGOと、第2流動層熱交換器49から排
出される第2ガスの温度TAOとを流動層の段数毎に測定
した。同図からもあきらかなように、流動層の段数を増
加するほど、また熱媒体の流量を増加するほど被加熱ガ
スである第2ガスの温度は高くなり、第1ガスの温度は
低くなることが確かめられた。このように、流動層の段
数を1段から4段にすることによって、第2ガスの温度
AOは約300°上昇させることができ、また第1ガス
の温度TGOは約300°低くなり、また熱媒体の流量を
増加すると、第1ガスの温度TGOは低下するが、第2ガ
ス温度温度TAOは上昇し、熱回収効率が向上することが
確認できた。
【0064】本発明の他の形態として、上述の形態にお
いて、各炉体66,76および貯留ホッパ94は、角形
であってもよい。
【0065】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、第1流
動層熱交換器内では、第1ガスから顕熱が熱媒体に回収
され、この熱媒体は最上段の流動層から最下段の流動層
に移動して第2流動層熱交換器の最上段の流動層に導か
れ、さらにこの最上段の流動層の熱媒体は最下段の流動
層に導かれる。この第2流動層熱交換器内では、各流動
層によって熱媒体の顕熱が第2ガスによって回収され、
第2ガスが加熱される。このような第1および第2流動
層熱交換器間には、気密排出手段が介在されるので、第
1流動層熱交換器からダストを含む第1ガスが第2流動
層熱交換器に導かれることが防がれ、第2流動層熱交換
器内の第2ガスにダストが混入しない。このようにして
ダストを含む排ガスから熱回収して清浄な高温のガスを
得ることができる。しかも各流動層の圧力損失が圧力損
失検出手段によってそれぞれ検出され、この検出された
圧力損失に基づいて、流量制御手段は各気密排出手段の
流量を制御するように構成されるので、各流動層の層厚
を一定に保ち、第1ガスから熱回収した熱媒体によって
加熱される第2ガスの温度および流量を安定させること
ができる。
【0066】請求項2記載の本発明によれば、連続的に
熱媒体を供給する場合には、側路から循環経路内に熱媒
体を供給し、また運転中に循環経路内の熱媒体が少なく
なったときには、熱媒体供給源から第1ガスを放散また
は漏洩させずに熱媒体を補給することができるので、供
給量の相違によって熱媒体供給源と側路とを使い分けて
効率よく熱媒体を供給し、または補給することができ
る。
【0067】請求項3記載の本発明によれば、第2ガス
は第1ガスと直接に接触せず、熱媒体によって加熱され
るので、第2流動層熱交換器から排出される第2ガスに
はダストが含まれず、清浄な高温のガスを得ることがで
きる。また第1ガスとして清浄な空気を用い、第2ガス
として含塵ガスを用いる場合も、第1および第2流動層
熱交換器間を熱媒体を循環させて、第2流動層熱交換器
によって第2ガスである含塵ガスから顕熱を回収して加
熱された熱媒体が第1流動層熱交換器に導かれ、第1ガ
スである清浄な空気を熱交換して加熱し、ダストを含ま
ない高温で清浄なガスを得ることができる。
【0068】請求項4記載の本発明によれば、熱媒体の
排出管路に噴出する圧縮ガスの排出管路内の流速が流動
層の空塔速度ubの1.2〜3.0倍に選ばれるので、
清浄な空気へのダストの混入を確実に防ぐことができ
る。
【0069】請求項5記載の本発明によれば、第1およ
び第2流動層熱交換器の各分散板上で、熱媒体を確実に
流動化させて、第1および第2ガスと充分に熱交換さ
せ、第1および第2ガスの高い温度の流動層における第
1および第2ガスの空塔速度に基づいて、残余の流動層
の断面積を決定する必要がなくなり、これによって装置
を小形化して、第1および第2ガスの供給量を第1およ
び第2ガスの温度に応じて大きく変化させずに充分に熱
交換を行わせることができる。
【0070】請求項6記載の本発明によれば、第1流動
層熱交換器の上段の流動層の断面積は下段の流動層の断
面積よりも小さく選ばれるので、各流動層の温度に対応
した適切な空塔速度にすることができるので、安定した
流動層を形成できる。これにより熱媒体の流量が安定
し、第1および第2ガスの温度を安定させることができ
る。このような第1流動層熱交換器に供給される第1ガ
スは、たとえば焼成炉から排出されるダストを含む高温
の排ガスであり、このような高温の第1ガスは先ず下段
の流動層を形成して熱媒体を加熱し、この下段の流動層
に供給される熱媒体は上段の流動層において、前記下段
の流動層で熱交換して温度が低下した第1ガスと熱交換
する。したがって上段の流動層を形成する予熱後の熱媒
体が下段の流動層に供給され、この下段における熱媒体
は、高温の第1ガスとの熱交換によってさらに温度が上
昇し、このようにして下段の流動層は上段の流動層より
も温度が高くなり、高温の熱媒体が第2流動層熱交換器
の上段の流動層に導かれる。
【0071】この第2流動層熱交換器では、上段の流動
層の断面積が下段の流動層の断面積よりも大きく、各流
動層の温度に対応した適切な空塔速度にすることができ
るので、安定した流動層を形成できる。これにより熱媒
体の流量が安定し、第1および第2ガスの温度を安定さ
せることができる。第2流動層熱交換器に供給される第
2ガスは、たとえば常温の空気であり、このような温度
の低い第2ガスによって下段の流動層で熱交換し、予熱
された第2ガスは第1流動層熱交換器の下段の流動層か
ら導かれる前記高温の熱媒体と熱交換して昇温される。
したがって上段の流動層の温度は下段の流動層の温度よ
りも高く、このようにして流動層において熱交換した高
温のダストを含まない第2ガスを得ることができる。
【0072】請求項7記載の本発明によれば、制御手段
によって、1つの気密排出手段による熱媒体の流量が大
きくなるので、この気密排出手段によって排出された熱
媒体が供給される流動層の圧力損失が大きくなり、この
圧力損失は圧力損失検出手段によって検出され、その流
動層に対応して設けられる制御手段によって圧力損失検
出手段の出力に応答して、圧力損失の設定値になるよう
に気密排出手段の流量が大きくなるように制御される。
このようにして各流動層の圧力損失が一定となるよう
に、順次的に気密排出手段の流量が大きく設定され、熱
媒体の循環量が増加する。
【0073】したがって第1流量層熱交換器からの第1
ガスの温度が高くなったとき、熱媒体の循環量を増加し
て第1流動層熱交換器での熱回収量を増加して熱媒体を
第2流動層熱交換器の上段の流動層へ導き、第2流動層
熱交換器からの第2ガスの温度を大きく変化させること
なしに第1流動層熱交換器から排出される第1ガスの温
度変化をなくすことができる。
【0074】請求項8記載の本発明によれば、第2ガス
温度検出手段によって第2流動層熱交換器からの第2ガ
スの温度が検出され、この第2ガスの温度が低くなるに
つれて制御手段は1つの気密排出手段による熱媒体の流
量が大きくなるように制御する。したがって第1流動層
熱交換器での熱回収量が増加し、これによって第2流動
層熱交換器からの第2ガスの温度を高くすることができ
る。
【0075】請求項9記載の本発明によれば、第2流動
層熱交換器から排出される第2ガスの流量をも監視し
て、第2ガスの流量が増加してガス温度が低下したら、
1つの気密排出手段による熱媒体の流量が大きくなるよ
うに制御して、第1流動層熱交換器での熱回収量を増加
させる。これによって、第2ガスの流量が増加したとき
に、その第2ガスの温度が低くならないように制御する
ことができる。
【0076】請求項10記載の本発明によれば、粉塵捕
集手段は第1ガスに粉塵が含まれ、第2ガスに粉塵が含
まれない場合に限らず、第2ガスに粉塵が含まれ、第1
ガスに粉塵が含まれない場合も同様に、粉塵が含まれな
い第1ガスと熱媒体とが交流接触する第1流動層熱交換
器から排出される熱交換後の第1ガス中の粉塵を捕集す
ることができるので、含塵ガスとの熱交換に用いられた
熱媒体によって持ち込まれたダストを除去し、清浄な高
温のガスを得ることができる。
【0077】請求項11記載の本発明によれば、各流動
層の圧力損失を一定に制御しつつ、循環する熱媒体の流
量によって第1および第2ガスの温度を制御することが
できるので、運転開始時から円滑にかつ短時間で第1お
よび第2ガスの温度を安定させ、ダストを含む第1およ
び第2ガスのいずれか一方から熱回収して、第1および
第2ガスのいずれか他方を加熱し、清浄な高温ガスを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の熱交換装置41を示す
系統図である。
【図2】熱媒体供給源90の具体的構成を示す正面図で
ある。
【図3】第1流動層熱交換器45の下段の分散板42b
付近の拡大断面図である。
【図4】第1気密排出手段43の具体的構成を示す拡大
断面図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の第1気密排出手段4
3aを示す拡大断面図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態の第1気密排出
手段43bを示す拡大断面図である。
【図7】第1〜第4気密排出手段43,47,50,5
1の動作を制御するための制御装置161の電気的構成
を示すブロック図である。
【図8】熱交換装置41の動作を説明するためのフロー
チャートである。
【図9】本発明の実施の他の形態の第1流動層熱交換器
45から排出されるガスの温度と第4気密排出手段51
の流量との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の実施のさらに他の形態の第2流動層
熱交換器49から排出されるガスの温度と上段の流動層
48aから下段の流動層48bへの熱媒体の流量との関
係を示すグラフである。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態の熱交換装置
41aを示す系統図である。
【図12】本発明の実施のさらに他の形態の熱交換装置
41bを示す系統図である。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態の熱交換装置
41cを示す系統図である。
【図14】本発明の実施のさらに他の形態の熱交換装置
41dを示す系統図である。
【図15】本件発明者の実験による流動層の段数と出口
ガス温度との関係を示すグラフである。
【図16】典型的な従来技術の熱交換器1を示す簡略化
した断面図である。
【図17】図16に示す第1流動層熱交換器4の最上段
の溢流管9a付近の拡大断面図である。
【符号の説明】
41,41a〜41d 熱交換装置 42a,42b;46a,46b 分散板 43,43a,43b 第1気密排出手段 44a,44b;48a,48b 流動層 45,45d 第1流動層熱交換器 47 第2気密排出手段 49,49d 第2流動層熱交換器 50 第3気密排出手段 51 第4気密排出手段 52 第1圧力損失検出手段 53 第2圧力損失検出手段 54 第3圧力損失検出手段 55 第4圧力損失検出手段 56 第1制御手段 57 第2制御手段 58 第3制御手段 59 第4制御手段 60 設定手段 87,180 輸送手段 90 熱媒体供給源

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散板上の熱媒体を第1ガスによって流
    動化して、熱媒体の気密排出手段を介して接続される複
    数段の流動層を形成する第1流動層熱交換器と、 分散板上の熱媒体を第2ガスによって流動化して、熱媒
    体の気密排出手段を介して接続される複数段の流動層を
    形成する第2流動層熱交換器とを含み、 第1流動層熱交換器の最下段の流動層と、第2流動層熱
    交換器の最上段の流動層とが、熱媒体の気密排出手段に
    よって接続され、 第2流動層熱交換器の最下段の流動層と、第1流動層熱
    交換器の最上段の流動層とが熱媒体の気密排出手段を介
    して接続されて熱媒体の循環経路が形成され、前記気密
    排出手段のいずれか1つの熱媒体の流量は、予め定める
    値に設定され、 残余の全ての各気密排出手段が排出する熱媒体の流動層
    の圧力損失をそれぞれ検出する圧力損失検出手段と、 圧力損失検出手段の出力に応答し、検出された圧力損失
    が予め定める値になるように、その検出された圧力損失
    を有する流動層からの熱媒体を排出する気密排出手段の
    流量を制御する手段とを含むことを特徴とする熱交換装
    置。
  2. 【請求項2】 熱媒体の循環経路の途中には、 熱媒体の貯留部と、その貯留部からの熱媒体を供給/遮
    断する開閉弁とを有する熱媒体供給源と、 熱媒体供給源に並行に設けられ、もう1つの開閉弁が介
    在される側路とが、介在されることを特徴とする請求項
    1記載の熱交換装置。
  3. 【請求項3】 第1および第2ガスのいずれか一方が含
    塵ガスであり、 この含塵ガスが用いられる第1および第2のいずれか一
    方の流動層熱交換器の最下段の流動層から第1および第
    2のいずれか他方の流動層熱交換器に気密排出手段を介
    して排出される熱媒体の流路には、その流路の上端部寄
    りに、その流路内の流速が前記最下段の流動層の空塔速
    度ubを超える速度となるように圧縮ガスを吐出する圧
    縮ガス供給手段が設けられることを特徴とする請求項1
    または2記載の熱交換装置。
  4. 【請求項4】 圧縮ガス供給手段による圧縮ガスの吐出
    速度は、熱媒体の流路内の流速が流動層の空塔速度ub
    の1.2〜3.0倍に選ばれることを特徴とする請求項
    3記載の熱交換装置。
  5. 【請求項5】 第1および第2流動層熱交換器は、複数
    段の流動層をそれぞれ有し、各流動層は、その断面積が
    最小流動化速度umf以上となるように、第1および第
    2ガスの温度が熱媒体との熱交換によって低くなるにつ
    れて小さく形成されることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の熱交換装置。
  6. 【請求項6】 第1ガスの温度は、第2ガスの温度を超
    える値であり、 第1および第2流動層熱交換器は、複数段の流動層をそ
    れぞれ有し、 第1流動層熱交換器の流動層の断面積は、上段が下段よ
    りも小さく形成され、第2流動層熱交換器の流動層の断
    面積は、下段が上段よりも小さく形成されることを特徴
    とする請求項5記載の熱交換装置。
  7. 【請求項7】 第1ガスの顕熱を第2ガスによって回収
    する熱交換装置であって、 第1流動層熱交換器からの熱交換後の第1ガスの温度を
    検出する第1ガス温度検出手段と、 第1ガス温度検出手段の出力に応答し、予め設定された
    温度になるように、検出される第1ガスの温度が高くな
    るにつれて、前記1つの気密排出手段による熱媒体の流
    量を大きく制御するもう1つの制御手段とを含むことを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換装
    置。
  8. 【請求項8】 第1ガスの顕熱を第2ガスによって回収
    する熱交換装置であって、 第2流動層熱交換器からの熱交換後の第2ガスの温度を
    検出する第2ガス温度検出手段と、 第2ガス温度検出手段の出力に応答し、予め設定された
    温度になるように、検出される第2ガスの温度が低くな
    るにつれて、前記1つの気密排出手段による熱媒体の流
    量を大きく制御するもう1つの制御手段とを含むことを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換装
    置。
  9. 【請求項9】 第2ガスの流量を検出する第2ガス流量
    検出手段をさらに含み、 前記もう1つの制御手段は、 第2ガス温度検出手段の出力に応答し、予め設定された
    温度になるように、第2ガス流量検出手段によって検出
    される流量が大きくなるにつれて、前記1つの気密排出
    手段による熱媒体の流量を大きく設定することを特徴と
    する請求項8記載の熱交換装置。
  10. 【請求項10】 第1ガスおよび第2ガスのいずれか一
    方が含塵ガスであり、この含塵ガスが用いられる第1お
    よび第2のいずれか一方の流動層熱交換器の最上段の流
    動層に、いずれか他方の流動層熱交換器の最上段からの
    前記いずれか他方のガスから粉塵を捕集して導く粉塵捕
    集手段が設けられることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載の熱交換装置。
  11. 【請求項11】 分散板上の熱媒体を第1ガスによって
    流動化して、熱媒体の気密排出手段を介して接続される
    複数段の流動層を形成する第1流動層熱交換器と、 分散板上の熱媒体を第2ガスによって流動化して、熱媒
    体の気密排出手段を介して接続される複数段の流動層を
    形成する第2流動層熱交換器とを含み、 第1流動層熱交換器の最下段の流動層と、第2流動層熱
    交換器の最上段の流動層とが、熱媒体の気密排出手段に
    よって接続され、 第2流動層熱交換器の最下段の流動層と、第1流動層熱
    交換器の最上段の流動層とが熱媒体の気密排出手段を介
    して接続されて熱媒体の循環経路が形成され、各流動層
    の圧力損失をそれぞれ検出する圧力損失検出手段と、 圧力損失検出手段の出力に応答し、検出された圧力損失
    が予め定める値となるように、その検出された圧力損失
    を生じている流動層から熱媒体を排出する気密排出手段
    の流量を制御する制御手段とを設け、 熱媒体が圧力損失の予め定める値を生じる量未満だけ分
    散板上に存在し、または熱媒体が分散板上に存在しない
    状態で、前記循環経路の途中に、熱媒体を供給してゆ
    き、 全ての流動層の各圧力損失が前記予め定める値になった
    とき、熱媒体の供給を停止し、 次に、全ての気密排出手段のうちの1つのみを、前記圧
    力損失の検出によって制御せずに、流量を予め定める値
    に設定し、かつ残余の全ての気密排出手段を、前記圧力
    損失の検出によって制御することを特徴とする熱交換装
    置の運転方法。
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