JP2880463B2 - 粉粒状原料の焼成装置およびその運転方法 - Google Patents

粉粒状原料の焼成装置およびその運転方法

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JP2880463B2
JP2880463B2 JP30687796A JP30687796A JP2880463B2 JP 2880463 B2 JP2880463 B2 JP 2880463B2 JP 30687796 A JP30687796 A JP 30687796A JP 30687796 A JP30687796 A JP 30687796A JP 2880463 B2 JP2880463 B2 JP 2880463B2
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preheating
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gas
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三樹雄 村尾
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石灰石およびドロ
マイトなどの粉粒状原料を焼成して生石灰および焼成ド
ロマイトなどの焼成物を生成する設備に好適に実施する
ことができる粉粒状原料の焼成装置およびその運転方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図15は、典型的な従来技術の粉粒状原
料の焼成装置1を示す系統図であり、類似の従来技術は
たとえば特開平4−60381号公報に開示されてい
る。この焼成装置1は、相互にダクト3a,3b,3c
およびシュート3d,3eによって接続される複数のサ
イクロンC1,C2,C3,C4を有し、下段のサイク
ロンから各ダクト3a〜3eを介して上段のサイクロン
へ導かれるガスに石灰石などの粉粒状原料を浮遊させ
て、各サイクロンC1〜C4間を気流輸送しながら加熱
するサスペンションプレヒータSPと、バーナ4を備
え、サスペンションプレヒータSPの最下段のサイクロ
ンC1および仮焼炉PCから導かれる原料を焼成する流
動層形焼成炉KFと、焼成炉KFおよび捕集サイクロン
COから導かれる原料を空気によって冷却する冷却装置
FBQと、サスペンションプレヒータSPの下から2段
目のサイクロンC2から供給される原料を、焼成炉KF
からのガスによって加熱して仮焼し、前記最下段のサイ
クロンC1にガスを導く流動層形仮焼炉PCとを含む。
【0003】このような焼成装置1において、最上段の
サイクロンC4と上から2段目のサイクロンC3とを接
続するダクト3Cには、原料投入シュート5から上記粉
粒状原料が投入され、この原料は、たとえば5〜6mm
以下の粉粒状であり、サスペンションプレヒータSP内
で焼成炉KFからのガスによって加熱されて予熱され、
仮焼炉PCで一部仮焼されてシュート9a、Lバルブ1
0、シュート9bを経て焼成炉KFに投入される。また
仮焼炉PCを飛散した少量の微粉原料は、最下段のサイ
クロンC1からシュート6を介して前記焼成炉KFに導
かれる。焼成炉KFは、分散板7を備え、この分散板7
上に前記原料が貯留される。原料は風箱8からの空気に
よって流動化されながらバーナ4の燃焼ガスによって加
熱され、焼成される。このような焼成炉KF内では、原
料の石灰石CaCO3 の粉粒体は、 CaCO3 → CaO+CO2 のように反応して、生石灰CaOと炭酸ガスCO2 とが
生成される。またサスペンションプレヒータSPでは、
焼成後の少量の微粉が導かれた場合に600〜800℃
のガスとの接触によって、そのガス中の炭酸ガスと再炭
酸化反応、 C2O+CO2 → CaCO3 を生じて付着性が強くなり、各サイクロンC1〜C4内
で遠心力の作用によって内壁に付着して成長し、硬質の
コーチングが発生する。
【0004】そのため、この従来技術では、サスペンシ
ョンプレヒータSPの各サイクロンC1〜C4に導かれ
るガスの温度を再炭酸化反応温度以下に制限するため
に、焼成炉KFに直結される捕集サイクロンC0と最下
段のサイクロンC1との間に仮焼炉PCを設け、捕集サ
イクロンC0から排出される約40m/secの流速の
ガス流を、仮焼炉PCによって2〜5m/secの流速
に減速して、仮焼炉PCでの原料の滞留時間を長くし、
これによって仮焼炉PC内で原料とガスとを充分に熱交
換させた後、仮焼炉PC内の原料は、シュート9a,9
b間に介在されるマテリアルシールを行う気密排出手段
であるLバルブ10を介して焼成炉KFに戻され、温度
が低下したガスはダクト11を介して前記最下段のサイ
クロンC1へ導かれる。最下段のサイクロンC1で捕集
された微粉原料は、シュート6によって焼成炉KFに導
かれ、ガスはダクト3aによって下から2段目のサイク
ロンC2に導かれる。
【0005】この下から2段目のサイクロンC2で捕集
された原料は、シュート27によって仮焼炉PCに導か
れ、ガスはダクト3bによって下から3段目のサイクロ
ンC3に導かれる。さらに前記下から3段目のサイクロ
ンC3で捕集された原料は、シュート3eによって、前
記最下段のサイクロンC1と下から2段目のサイクロン
C2とを接続するダクト3aに導かれ、このダクト3a
内を上昇するガス流によって前記下から2段目のサイク
ロンC2に導かれる。
【0006】前記下から3段目のサイクロンC3からの
ガスは、ダクト3cによって最上段のサイクロンC4に
導かれる。投入シュート5から投入された原料は、ダク
ト3c内のガス流によって前記最上段のサイクロンC4
に導かれる。最上段のサイクロンC4で捕集された原料
は、シュート3dによって、前記下から2段目のサイク
ロンC2と前記下から3段目のサイクロンC3とを接続
するダクト3bに供給され、ダクト3b内のガス流によ
って再び下から3段目のサイクロンC3に導かれる。最
上段のサイクロンC4内のガスは、誘引ファン28によ
って排気ダクト29から吸引され、除塵フィルタ等で除
塵した後、大気へ放散される。
【0007】焼成炉KFにおいて焼成された製品は、シ
ュート12からマテリアルシールを行う気密排出手段で
あるLバルブ13を介して、シュート14から冷却装置
FBQに導かれる。また焼成炉KF内を飛散した微粉原
料は、捕集サイクロンC0によって捕集され、シュート
15を介して前記シュート14から冷却装置FBQに導
かれる。前記冷却装置FBQは分散板16を備え、仕切
板17によって仕切られた2つの空気室18には押込み
ファン21から空気が供給され、分散板16上で流動層
を形成する製品が冷却され、シュート22を介して搬出
コンベア23上に排出される。このようにして空気室1
8内で分散板16上の製品を冷却した空気は、ダクト2
4,25からダクト26を経て、前記焼成炉KFの風箱
8に前記バーナ4の燃焼用空気として供給される。
【0008】このようにして焼成炉KFの高温のガスを
サスペンションプレヒータSPに直接導かずに、製品捕
集サイクロンC0と最下段のサイクロンC1との間に流
動層形仮焼炉PCを設けて、前記焼成炉KFからのガス
を仮焼炉PCに導き、原料との熱交換によって顕熱を回
収したガスを最下段のサイクロンC1に供給し、各サイ
クロンC1〜C4の内壁へのコーチングの発生を防止ま
たは抑制するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
仮焼炉PCによる熱回収後の温度の低いガスをサスペン
ションプレヒータSPに導いて、原料を予熱するが、焼
成炉KFの排ガス温度が約1100℃の高温なので、仮
焼炉PCの温度が原料の仮焼反応温度約800℃にな
り、再炭酸化反応温度以下にすることができず、各サイ
クロンC1〜C4、特にC2,C3の内壁にコーチング
が発生することが防がれず、連続して安定に運転するこ
とが困難であった。また仮焼炉PCからサスペンション
プレヒータSPに供給される前記再炭酸化反応温度を超
える温度のガスは、仮焼炉PCおよびサスペンションプ
レヒータSP内で原料によって充分に熱回収されないま
ま排気ダクト29および誘引ファン28から大気へ放散
され、無駄な熱消費が多くなってしまう。
【0010】このような問題を解決する他の従来技術
は、たとえば実開平4−30034号公報に開示されて
いる。この従来技術では、図15の仮想線30,31に
よってそれぞれ示されるように、コーチングが発生しや
すい下から2段目のサイクロンC2および下から3段目
のサイクロンC2の各外壁に冷却空気管等によって実現
される冷却手段を設けて、炉壁の温度を500℃程度に
低下させ、コーチングの発生を防ぐ技術が開示されてい
るが、この冷却手段によって熱消費量が大きくなり、バ
ーナ4の燃料が無駄に消費されてしまうという問題があ
る。
【0011】したがって本発明の目的は、コーチングを
発生することなしに高い熱回収効率を達成することがで
きるようにした粉粒状原料の焼成装置およびその運転方
法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、単独または複数段の流動層の分散板上に粉粒状原料
を投入して予熱および/または仮焼する流動層形予熱/
仮焼炉PCと、バーナを備え、予熱および/または仮焼
された原料を焼成する流動層形焼成炉KFと、焼成炉K
Fで焼成された焼成物を空気によって冷却する冷却装置
FBQとを備える粉粒状原料の焼成装置において、焼成
炉KFの排ガスは微粉焼成物を捕集するサイクロンC0
を経て、前記流動層形予熱/仮焼炉PCに導入され、予
熱/仮焼炉PCにおける流動層の圧力損失を検出する圧
力損失検出手段と、予熱/仮焼炉PCから予熱および/
または仮焼された原料を排出し、前記焼成炉KFに気密
に排出する気密排出手段と、圧力損失検出手段の出力に
応答し、圧力損失検出手段によって検出される圧力損失
が予め定める値になるように、気密排出手段による原料
の流量を制御する制御手段とを含むことを特徴とする粉
粒状原料の焼成装置である。本発明に従えば、予熱/仮
焼炉PCには、焼成炉KFからサイクロンC0によって
微粉焼成物が除去された排ガスが導かれ、この排ガスに
よって予熱/仮焼炉PC内には流動層が形成され、排ガ
スと微粒状原料とが交流接触して、微粒状原料が加熱さ
れて、予熱されまたは仮焼されもしくは予熱された後に
仮焼される。このような予熱/仮焼炉PCの流動層の圧
力損失が圧力損失検出手段によって検出され、この圧力
損失検出手段によって検出される圧力損失が予め定める
値になるように、気密排出手段を介して排出される原料
の流量が制御手段によって制御される。この気密排出手
段を介して、予熱/仮焼炉PCから予熱および/または
仮焼された原料が焼成炉KFに投入され、焼成される。
この焼成炉KFで焼成された焼成物は、冷却装置FBQ
に導かれ、空気によって冷却される。前述のようにし
て、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれる排ガス
は、サイクロンC0によって微粉焼成物が除去されてい
るので、予熱/仮焼炉PC内で微粉焼成物が付着するこ
とがなく、コーチングが発生しない。また気密排出手段
は、予熱/仮焼炉の圧力損失に基づいて流量が制御され
るので、たとえば流動層の圧力損失が予め定める値を超
えたときには、気密排出手段を、流量が大きくなるよう
に制御し、逆に流動層の圧力損失が予め定める値以下の
ときには、気密排出手段を、流量が小さくなるように制
御することができる。このようにして予熱/仮焼炉PC
の流動層の圧力損失が予め定める値となるように制御さ
れるので、予熱/仮焼炉PC内の排ガス温度が、コーチ
ングが発生する温度、たとえば600〜800℃程度に
操業中に上昇することが防がれる。
【0013】請求項2記載の本発明は、粉粒状原料を分
散板上に投入して予熱および/または仮焼する流動層形
予熱および/または仮焼炉PCと、バーナを備え、予熱
および/または仮焼された原料を焼成する流動層形焼成
炉KFと、焼成炉KFからの焼成物を空気によって冷却
する冷却装置FBQと、予熱/仮焼炉PCからの予熱お
よび/または仮焼された原料を分岐して、その原料の分
岐した一部分を焼成炉KFに導く分岐手段と、予熱/仮
焼炉PCからの予熱および/または仮焼された原料の分
岐手段によって分岐された残余が投入され、この投入さ
れた原料によって、冷却装置FBQから導かれるガスが
加熱され、この加熱されたガスを焼成炉KFに導き、原
料を予熱/仮焼炉PCに戻す流動層形熱交換器HRとを
含むことを特徴とする粉粒状原料の焼成装置である。本
発明に従えば、焼成炉KFには、流動層形熱交換器HR
からのガスが導かれ、このガスによって前記焼成炉KF
に備えられるバーナが燃焼し、分岐手段によって流動層
形予熱/仮焼炉PCからの原料の一部分が導かれ、この
原料は流動化されながら焼成される。熱交換器HRに
は、前記分岐手段によって予熱/仮焼炉PCからの原料
の残余の部分が投入されるとともに、冷却装置FBQか
らガスが導かれ、このガスと原料とが熱交換し、この熱
交換によって原料から熱回収して昇温したガスは、上記
のように焼成炉KFに導かれる。このようにして焼成炉
KFには熱交換器HRからの温度の高いガスが供給され
るので、バーナの熱負荷が低減され、燃焼量を節約する
ことができる。前記予熱/仮焼炉PCには、前記焼成炉
KFからガスが導かれ、分散板上に投入された原料を流
動化して予熱しまたは仮焼しもしくは予熱した後に仮焼
する。このような予熱/仮焼炉PC内の原料は、再炭酸
化されて付着力が高くなっても、分散板上で流動化され
ているため、炉壁などに付着するおそれはなく、コーチ
ングを生じない。このようにしてコーチングの発生を防
ぎ、熱回収効率を向上して、粉粒状原料を焼成すること
ができる。
【0014】請求項3記載の本発明は、請求項2記載の
発明の構成に加えて、予熱/仮焼炉PCにおける流動層
の圧力損失を検出する第1圧力損失検出手段と、分岐手
段から原料を焼成炉KFに気密に排出する第1気密排出
手段と、第1圧力損失検出手段の出力に応答し、第1圧
力損失検出手段によって検出される圧力損失が予め定め
る値になるように、第1気密排出手段による原料の流量
を制御する第1制御手段と、熱交換器HRにおける流動
層の圧力損失を検出する第2圧力損失検出手段と、熱交
換器HRから原料を予熱/仮焼炉PCに気密に排出する
第2気密排出手段と、第2圧力損失検出手段の出力に応
答し、第2圧力損失検出手段によって検出される圧力損
失が予め定める値になるように、第2気密排出手段によ
る原料の流量を制御する第2制御手段とを含むことを特
徴とする。本発明に従えば、予熱/仮焼炉PCにおける
流動層による圧力損失は第1圧力損失検出手段によって
検出し、また熱交換器HRにおける流動層による圧力損
失が第2圧力損失検出手段によって検出される。第1制
御手段は、第1圧力損失検出手段による圧力損失が予め
定める値になるように、第1気密排出手段による原料の
流量を制御し、また第2制御手段は、第2圧力損失検出
手段による圧力損失が予め定める値になるように、第2
気密排出手段による原料の流量を制御する。前記第1気
密排出手段による原料の流量は、たとえば投入量に等し
くなるように選ばれ、このような投入量に等しい第1気
密排出手段からの原料の流量となるように、第1制御手
段による制御量が設定される。また第2気密排出手段に
よる原料の流量は、熱交換器および予熱/仮焼炉PC間
の原料の循環量が一定となるように定められる。これに
よって熱交換器HRから焼成炉KFに導かれるガスの温
度が一定に保たれ、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに
導かれるガスの温度を安定させ、原料の投入量の変化に
追従して、予熱/仮焼炉PCにおける原料の予熱温度ま
たは仮焼温度を一定に保つことができる。
【0015】請求項4記載の本発明は、請求項2記載の
発明の構成に加えて、熱交換器HRからの原料を、気密
排出手段および気流輸送手段をこの順序で介して予熱/
仮焼炉PCに戻し、気流輸送手段は、焼成炉KFから予
熱/仮焼炉PCに導かれるガスの一部分を分岐して用
い、原料を浮遊して輸送することを特徴とする。本発明
に従えば、流動層形熱交換器HRにおいて、流動層形予
熱/仮焼炉PCからの原料によって冷却装置FBQから
導かれるガスが加熱され、この加熱によって温度が低下
した原料は、気密排出手段および気流輸送手段を介して
前記予熱/仮焼炉PCに戻される。前記気密排出手段に
よって、熱交換器HRから予熱/仮焼炉PCに原料だけ
が導かれ、ガスを遮断することができる。こうして熱交
換器HRと予熱/仮焼炉PCとの間で原料だけを循環さ
せ、熱交換器HRにおいて熱媒体として用いることがで
きる。前記気流輸送手段は気密排出手段によって導かれ
た原料をガスによって浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼
炉PCに供給する。このガスは、焼成炉KFから予熱/
仮焼炉PCに導かれるガスの一部分を分岐して用いら
れ、これによって気流輸送中に原料が加熱され、予熱/
仮焼炉PCの炉内の温度低下が防がれ、熱交換器HRで
熱回収がさらに増加する。
【0016】請求項5記載の本発明は、請求項2記載の
発明の構成に加えて、熱交換器HRからの原料を、気密
排出手段および気流輸送手段をこの順序で介して予熱/
仮焼炉PCに戻し、気流輸送手段は、冷却装置FBQか
ら熱交換器HRに導かれるガスの一部分を分岐して用
い、原料を浮遊して輸送することを特徴とする。本発明
に従えば、流動層形熱交換器HRにおいて、流動層形予
熱/仮焼炉PCからの原料によって冷却装置FBQから
導かれるガスが加熱され、この加熱によって温度が低下
した原料は、気密排出手段および気流輸送手段を介して
前記予熱/仮焼炉PCに戻される。前記気密排出手段に
よって、熱交換器HRから予熱/仮焼炉PCに原料だけ
が導かれ、ガスを遮断することができる。こうして熱交
換器HRと予熱/仮焼炉PCとの間で原料だけを循環さ
せ、熱交換器HRにおいて熱媒体として用いることがで
きる。前記気流輸送手段は気密排出手段によって導かれ
た原料をガスによって浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼
炉PCに供給する。このガスは、冷却装置FBQから熱
交換器HRに導かれるガスの一部分を分岐して用いら
れ、これによって気流輸送中に原料が冷却されるので、
予熱/仮焼炉PCの炉内の温度が低下し、排ガス温度も
低下する。
【0017】請求項6記載の本発明は、請求項3記載の
発明の構成に加えて、第2気密排出手段と予熱/仮焼炉
PCとの間に原料の気流輸送手段を介在し、気流輸送手
段は、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれるガス
の一部分を分岐して用い、原料を浮遊して輸送すること
を特徴とする。本発明に従えば、流動層形熱交換器HR
において、流動層形予熱/仮焼炉PCからの原料によっ
て冷却装置FBQから導かれるガスが加熱され、この加
熱によって温度が低下した原料は、気密排出手段および
気流輸送手段を介して前記予熱/仮焼炉PCに戻され
る。前記気密排出手段によって、熱交換器HRから予熱
/仮焼炉PCに原料だけが導かれ、ガスを遮断すること
ができる。こうして熱交換器HRと予熱/仮焼炉PCと
の間で原料だけを循環させ、熱交換器HRにおいて熱媒
体として用いることができる。前記気流輸送手段は気密
排出手段によって導かれた原料をガスによって浮遊して
輸送し、前記予熱/仮焼炉PCに供給する。このガス
は、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれるガスの
一部分を分岐して用いられ、これによって気流輸送中に
原料が加熱され、予熱/仮焼炉PCの炉内の温度低下が
防がれ、熱交換器HRでの熱回収がさらに増加する。
【0018】請求項7記載の本発明は、請求項3記載の
発明に加えて、第2気密排出手段と予熱/仮焼炉PCと
の間に原料の気流輸送手段を介在し、気流輸送手段は、
冷却装置FBQから熱交換器HRに導かれるガスの一部
分を分岐して用い、原料を浮遊して輸送することを特徴
とする。本発明に従えば、流動層形熱交換器HRにおい
て、流動層形予熱/仮焼炉PCからの原料によって冷却
装置FBQから導かれるガスが加熱され、この加熱によ
って温度が低下した原料は、気密排出手段および気流輸
送手段を介して前記予熱/仮焼炉PCに戻される。前記
気密排出手段によって、熱交換器HRから予熱/仮焼炉
PCに原料だけが導かれ、ガスを遮断することができ
る。こうして熱交換器HRと予熱/仮焼炉PCとの間で
原料だけを循環させ、熱交換器HRにおいて熱媒体とし
て用いることができる。前記気流輸送手段は気密排出手
段によって導かれた原料をガスによって浮遊して輸送
し、前記予熱/仮焼炉PCに供給する。このガスは、冷
却装置FBQから熱交換器HRに導かれるガスの一部分
を分岐して用いられ、これによって気流輸送中に原料が
冷却されるので、予熱/仮焼炉PCの炉内の温度が低下
し、排ガス温度も低下する。
【0019】請求項8記載の本発明は、請求項2〜7の
いずれかに記載の発明の構成に加えて、焼成炉KFから
のガスを予熱/仮焼炉PCに導くガス経路に、微粉を捕
集する捕集装置C0を介在し、その捕集した微粉を冷却
装置FBQに供給することを特徴とする。本発明に従え
ば、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれるガスを
捕集装置C0に導いてそのガス中に含まれる微粉が捕集
されるので、予熱/仮焼炉PC内の炉壁および分散板な
どにコーチングが発生することをより確実に防ぐことが
できる。またこの捕集装置C0で捕集した微粉は冷却装
置FBQに供給されるので、原料が無駄にならず、経済
的である。また、微粉製品の顕熱も回収することがで
き、さらに熱消費の低減が図られる。
【0020】請求項9記載の本発明は、請求項2〜8の
いずれかに記載の発明の構成に加えて、分岐手段は、焼
成炉KFと熱交換器HRとに、予熱/仮焼炉PCからの
原料を分岐する各流路の流量比を可変とすることを特徴
とする。本発明に従えば、分岐手段によって予熱/仮焼
炉PCから焼成炉KFに導かれる原料の流量と、前記予
熱/仮焼炉PCから熱交換器HRに導かれる原料の流量
との比が可変であるので、予熱/仮焼炉PCおよび熱交
換器HR間の原料の循環量を一定に維持して、熱交換器
HRから焼成炉KFに導かれるガスの温度を一定に保
ち、かつ予熱/仮焼炉PCから焼成炉KFに導かれる原
料の流量を投入量と等しくして、コーチングを発生させ
ずに連続運転が可能となり、焼成物を安定して生成する
ことができる。
【0021】請求項10記載の本発明は、請求項3記載
の発明の構成に加えて、分岐手段から原料を熱交換器H
Rに気密に排出する第3気密排出手段が設けられ、この
第3気密排出手段は、ハウジング内で羽根車を駆動手段
によって回転し、分岐手段と流動層形熱交換器HRとを
気密にするロータリフィーダであることを特徴とする。
本発明に従えば、分岐手段と熱交換器HRとの間にロー
タリフィーダによって実現される第3気密排出手段が介
在されるので、予熱/仮焼炉PCから原料だけを熱交換
器HRに導き、ガスの流入を遮断することができる。こ
れによって前記分岐手段が予熱/仮焼炉PCからの原料
を熱交換器HRに導くたびに予熱/仮焼炉PC内で原料
を流動化するためのガス圧力が低減してしまうという不
具合が防がれ、予熱/仮焼炉PC内で希望する層厚また
は圧力損失で原料を流動化して、投入された原料を安定
して予熱し、あるいは仮焼することができる。
【0022】請求項11記載の本発明は、粉粒状原料の
焼成装置を準備し、この焼成装置は、原料を分散板上に
投入して予熱および/または仮焼する流動層形予熱/仮
焼炉PCと、バーナを備え、予熱および/または仮焼さ
れた原料を焼成する流動層形焼成炉KFと、焼成炉KF
からの原料を空気によって冷却する冷却装置FBQと、
予熱/仮焼炉PCからの予熱および/または仮焼された
原料を分岐して、その原料の分岐した一部分を焼成炉K
Fに導く分岐手段と、予熱/仮焼炉PCからの予熱およ
び/または仮焼された原料の分岐手段によって分岐され
た残余が投入され、この投入された原料によって、冷却
装置FBQから導かれるガスが加熱され、この加熱され
たガスを焼成炉KFに導き、原料を予熱/仮焼炉PCに
戻す流動層形熱交換器HRと、予熱/仮焼炉PCにおけ
る流動層の圧力損失を検出する第1圧力損失検出手段
と、分岐手段から原料を焼成炉KFに気密に排出する第
1気密排出手段と、第1圧力損失検出手段の出力に応答
し、第1圧力損失検出手段によって検出される圧力損失
が予め定める値になるように、第1気密排出手段による
原料の流量を制御する第1制御手段と、熱交換器HRに
おける流動層の圧力損失を検出する第2圧力損失検出手
段と、熱交換器HRから原料を予熱/仮焼炉PCに気密
に排出する第2気密排出手段と、第2圧力損失検出手段
の出力に応答し、第2圧力損失検出手段によって検出さ
れる圧力損失が予め定める値になるように、第2気密排
出手段による原料の流量を制御する第2制御手段と、分
岐手段と熱交換器HRとの間に介在される第3気密排出
手段とを含み、先ず、予熱/仮焼炉PCから原料を投入
してゆき、予熱/仮焼炉PCからの原料を、分岐手段に
よって、熱交換器側HRに比べて焼成炉KFに大きい流
量で供給し、第1圧力損失検出手段によって検出される
圧力損失が予め定める値になるように、第1気密排出手
段による原料の流量を制御し、次に、分岐手段によって
熱交換器HR側に供給する原料の流量の割合を大きくし
て予め定める分岐比率にまでもたらし、第1および第2
圧力損失検出手段によって検出される圧力損失が、予め
定める値になった後、第3気密排出手段による原料の流
量を予め定める値に制御することを特徴とする粉粒状原
料の焼成装置の運転方法である。本発明に従えば、予熱
/仮焼炉PCには焼成炉KFから高温のガスが導かれ、
このガスによって分散板上に投入された粉粒状原料が流
動化されながら予熱され、または仮焼され、もしくは予
熱された後に仮焼される。予熱/仮焼炉PCで予熱およ
び/または仮焼された原料は焼成炉KFに導かれ、バー
ナの燃焼による高温ガスによって焼成されて、冷却装置
FBQに導かれる。この冷却装置FBQでは、前記焼成
炉KFから導かれた製品を空気によって冷却し、この製
品から熱回収した高温の空気は熱交換器HRに導かれ
る。このような熱交換器HRには、前記予熱/仮焼炉P
Cから予熱され、またはさらに仮焼された原料が導か
れ、前記冷却装置FBQから導かれたガスと熱交換して
前記ガスが昇温され、この昇温されたガスは焼成炉KF
に導かれて前記バーナの燃焼用空気として用いられると
ともに、原料を流動化するためのガスとして用いられ
る。このようにして焼成炉KFには熱交換器HRから高
温ガスが供給されるので、前記バーナの熱負荷が軽減さ
れ、バーナの燃焼量を節約して、熱効率を向上すること
ができる。前記予熱/仮焼炉PCと熱交換器HRとの間
には、分岐手段が設けられる。この分岐手段は、予熱/
仮焼炉PCからの原料の一部分を分岐して焼成炉KFに
導き、前記予熱/仮焼炉PCからの原料の残部を前記熱
交換器HRに導き、この原料の残部は前述したように熱
交換器HRにおいて熱媒体として用いられ、冷却装置F
BQからのガスを加熱する。前記分岐手段によって焼成
炉KFに導かれる原料の一部分は、たとえば原料の投入
量に等しくなるようにその流量が設定され、前記予熱/
仮焼炉PC、焼成炉KFおよび熱交換器HRのいずれか
1箇所であるいは複数箇所で原料が滞留してしまうこと
を防ぎ、焼成物の生成量の変動、および熱回収効率の低
下が防がれる。前記予熱/仮焼炉炉PCの流動層の圧力
損失は、第1圧力損失検出手段によって検出され、熱交
換器HRにおける流動層の圧力損失は第2圧力損失検出
手段によって検出される。また分岐手段によって分岐さ
れた原料の一部分は、第1気密排出手段によって焼成炉
KFに気密に排出され、この第1気密排出手段は前記第
1圧力損失検出手段による圧力損失が予め定める値にな
るように第1気密排出手段による原料の流量が第1制御
手段によって制御される。さらに熱交換器HRからの原
料は、第2気密排出手段によって予熱/仮焼炉PCに気
密に排出される。この第2気密排出手段は、前記第2圧
力損失検出手段による圧力損失が予め定める値となるよ
うに第2気密排出手段による原料の流量が第2制御手段
によって制御される。前記分岐手段と熱交換器HRとの
間には第3気密排出手段が介在される。運転を開始する
にあたっては、まず前記予熱/仮焼炉PCに原料を投入
し、この予熱/仮焼炉PCからの原料を分岐手段によっ
て焼成炉KFに導く。このとき、焼成炉KFに導かれる
原料の流量は、熱交換器HR側に比べて大きくなるよう
に設定され、第1制御手段によって第1気密排出手段に
よる原料の流量が、第1圧力損失検出手段によって検出
される圧力損失が前記予め定める値になるように制御す
る。このようにして第1圧力損失検出手段による予熱/
仮焼炉PCの流動層の圧力損失が予め定める値に達した
ときには、前記分岐手段によって熱交換器HR側に供給
する原料の流量の割合を前記焼成炉KF側に供給する原
料の流量よりも大きくして、予め定める分岐比率に達す
る。熱交換器HR側への割合を大きくし、第1および第
2圧力損失検出手段による圧力損失がともに予め定める
値になった後、前記第3気密排出手段による原料の流量
の制御を開始し、この第3気密排出手段による原料の流
量が予め定める値になるように排出量を調整し、このよ
うにしてコーチングを生じることなしに焼成物の生成量
を一定に保ち、原料とガスとの熱回収率を向上して、安
定した操業を行うことが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
粉粒状原料の焼成装置40を示す系統図である。焼成装
置40は、石灰石CaCO3またはドロマイトCaMg
(CO32から成る粉粒状原料を複数(本実施形態では
3)の分散板62,63,64上に投入して予熱および
/または仮焼する流動層形予熱/仮焼炉PCと、バーナ
43を備え、予熱および/または仮焼すなわち予熱さ
れ、または仮焼され、もしくは予熱された後に仮焼され
た原料を分散板44上に投入して焼成する流動層形焼成
炉KFと、焼成炉KFからの製品を空気によって冷却す
るいわゆる流動層クーラと呼ばれる冷却装置FBQとを
含む。
【0024】上記焼成装置40はさらに、予熱/仮焼炉
PCにおける最下段の流動層の圧力損失ΔP1を検出す
る圧力損失検出手段46と、予熱/仮焼炉PCから原料
を焼成炉KFに気密に排出する気密排出手段47と、圧
力損失検出手段46の出力に応答し、圧力損失検出手段
46によって検出される圧力損失ΔP1が予め定める値
になるように、気密排出手段47による原料の流量を制
御する制御手段48とを含む。
【0025】前記予熱/仮焼炉PCは、直円筒状(角形
でもよい)の円筒部54と、円筒部54の下端部に連な
る逆円錐台状の円錐台部55と、円筒部54の上端開口
部を塞ぐ上蓋部56とを有する炉体57と、炉体57内
の空間を3つの予熱/仮焼室58,59,60と風箱6
1とに仕切る3つの分散板62,63,64とを有す
る。各分散板62〜64には、その厚み方向に挿通する
複数の透孔65〜67がそれぞれ形成され、これらの透
孔65〜67を下から上へ通過して噴射するガスによっ
て、各分散板62〜64上の原料が流動化されながらガ
スと熱交換して顕熱を回収し、約800℃に予熱され
て、前記焼成炉KFおよび熱交換器HRにそれぞれ導か
れる。
【0026】最下段の分散板64上で流動層を形成する
原料は、シュート112、気密排出手段47およびシュ
ート113を介して前記焼成炉KFの上段の分散板44
上に投入され、この分散板44に形成される透孔124
を介して下から上へ噴出するガスによって流動化され
る。このような流動層へのシュート113からの原料の
投入位置は、流動層の界面よりも上方近傍に設けられ
る。
【0027】前記予熱/仮焼炉PCにおいて、最上段の
分散板62上で流動層を形成する原料は、シュート8
1、気密排出手段82およびシュート83によって上下
方向中段の流動層にその界面よりも上方から投入され
る。この中段の分散板63上で流動層を形成する原料
は、シュート84、気密排出手段85およびシュート8
6によって最下段の分散板64上にその流動層の界面よ
りも上方から投入される。上蓋部56には、その中央に
大略的に逆L字状に屈曲したダクト87が設けられる。
このダクト87は、前記上蓋部56の上面に垂直な鉛直
方向に立上る立上り部分88と、立上り部分88の上端
からほぼ直角に屈曲して水平に延びる水平部分89とを
有し、立上り部分88には前記粉粒状原料が投入される
原料投入シュート90が設けられる。水平部分89は、
最上段のサイクロンC1に接続され、このサイクロンC
1によって捕集された原料は、シュート91、気密排出
手段92およびシュート93を経て、最上段の分散板6
2上にその流動層の界面よりも上方から投入される。
【0028】このような予熱/仮焼炉PCには、各分散
板およびその上方の流動層を挟む上下方向両側のフリー
ボードの空間で分散板を含む流動層の圧力損失を検出す
るために、各圧力損失検出手段101,102と前述の
圧力損失検出手段46とが設けられる。各圧力損失検出
手段101,102の出力は各制御手段103,104
にそれぞれ入力され、また前記圧力損失検出手段46の
出力は前記制御手段48に入力される。
【0029】前記気密排出手段82,85は、ロータリ
フィーダ105,106と、各ロータリフィーダ10
5,106をそれぞれ駆動するモータ107,108と
を有する。各モータ107,108は、制御手段10
3,104からの制御信号によって制御され、各ロータ
リフィーダ105,106によって原料の流量を調整す
ることができる。また気密排出手段92は、ロータリフ
ィーダ109と、このロータリフィーダ109を操業中
に一定の回転速度で駆動するモータ110とを有する。
前記制御手段48は、圧力損失検出手段46によって検
出された圧力損失が一定となるように前記気密排出手段
47による流量を制御する。この気密排出手段47は、
予熱/仮焼炉PCの最下段の流動層の原料が供給される
シュート112と、気密排出手段47によって前記一定
の流量で排出される原料を焼成炉KFの流動層44上に
形成される流動層の界面の上方に導くシュート113と
の間に介在される。
【0030】焼成炉KFは、直円筒状(角形でもよい)
の円筒部117と、円筒部117の下端部に連なる逆円
錐台状の円錐台部118と、円筒部117の上端部を塞
ぐ上蓋部119とを有する。これらの円筒部117、円
錐台部118および上蓋部119によって、前記予熱/
仮焼炉PCの炉体57と同様なキャスタブル耐火物から
成る炉体120が構成される。このような炉体120内
の空間は、前記分散板44によって円筒部117内の焼
成室121と、前記円錐台部118内の風箱122とに
仕切られ、この風箱122には冷却装置FBQからダク
ト123を介して、製品によって加熱された、たとえば
約300〜400℃のガスが導かれ、分散板44に形成
される複数の透孔124を介して噴出し、原料を流動化
する。この分散板44の透孔124から噴出したガスは
また、バーナ43の燃料を燃焼するための燃焼用空気と
して用いられ、これによってバーナ43の燃焼負荷が軽
減されて、燃料を節約することができる。
【0031】焼成炉KFの炉体120の上部には、ダク
ト125を介して捕集サイクロンC0が接続され、この
捕集サイクロンC0によって捕集された原料はシュート
126に導かれ、ガスはダクト127によって予熱/仮
焼炉PCの風箱61内へ導かれる。このようにして焼成
炉KFからダクト125、捕集サイクロンC0およびダ
クト127を介して予熱/仮焼炉PCの風箱61に導か
れるガスの温度は、約1100℃である。
【0032】焼成炉KFの分散板44上で流動層を形成
する原料は、ダクト128、気密排出手段129および
ダクト130を経て冷却装置FBQに導かれる。前記焼
成炉KF内では、原料と石灰石CaCO3の粉粒体は、 CaCO3 →CaO+CO2 のように脱炭酸反応して、生石灰CaOと炭酸ガスCO
2とが生成される。また予熱/仮焼炉PC内では、焼成
後の粉粒状原料が約600〜800℃のガスと接触し
て、そのガス中の炭酸ガスCO2と再炭酸化反応、 C2O+CO2 →CaCO3 を生じて付着性が強くなるけれども、予熱/仮焼炉PC
内ではサイクロンのように原料の粉粒体に遠心力が作用
しないため、原料が炉壁の内面に付着して成長するコー
チングが発生しない。そのため予熱/仮焼炉PCによっ
て原料を高温のガスと接触させて連続して安定に予熱お
よび/または仮焼することができる。
【0033】前記焼成炉KFにおいて、風箱122から
分散板44の透孔124を介して焼成室121側へ噴出
するガスの圧力損失は、風箱122と焼成室121の流
動層の界面よりも上方のフリーボードの空間との間の差
圧によって圧力損失を求める圧力損失検出手段131に
よって検出され、この圧力損失検出手段131によって
検出された分散板44を含む流動層による圧力損失に基
づいて、制御手段132は気密排出手段129による排
出量が、前記圧力損失が一定となるように、すなわち分
散板44上に一定の層厚の流動層が形成されるように排
出量を制御する。気密排出手段129からシュート13
0に排出された原料は、前記捕集サイクロンC0からシ
ュート126を介して排出される原料と合流し、冷却装
置FBQに導かれる。
【0034】冷却装置FBQは、キャスタブル耐火物か
ら成る炉体135内に、隔壁136によって仕切られた
2つの冷却室137,138を有し、各冷却室137,
138は分散板139,140によって風箱141,1
42と仕切られる。各冷却室137,138は、隔壁1
36の各分散板139,140付近に形成される連絡通
路136aによって連通され、製品が通過できるように
構成されている。各風箱141,142には、ブロア1
43から管路144,145によって冷却用ガスとして
空気が導かれ、この空気は各分散板139,140にそ
れぞれ形成される複数の透孔146,147を経て上方
の空間に噴出し、原料を流動化して冷却する。各冷却室
137,138内で原料との接触によって熱回収して温
度が上昇した空気は、ダクト148,149およびダク
ト150を介して最下段のサイクロンC2に導かれ、サ
イクロンC2のガスは、ダクト123によって導かれる
とともに、このガス中の微粉末の製品が捕集されてシュ
ート500に排出され、後述する気密排出手段82と同
様の構成を有する気密排出手段501を介してシュート
151に導かれる。この気密排出手段501は、ロータ
リフィーダ530と、このロータリフィーダ530を操
業中に一定の回転速度で駆動するモータ531とを有す
る。また一方の冷却室137から他方の冷却室138に
移動して分散板140上で流動層を形成する原料は、シ
ュート152から前記シュート151に合流して気密排
出手段153によって排出シュート154に排出され、
図示しない搬送コンベアによって次工程へ搬出される。
【0035】気密排出手段153は、冷却装置FBQ内
の冷却室137,138と大気との差圧が大きいため、
2つのロータリフィーダ155,156と、各ロータリ
フィーダ155,156を駆動する2つのモータ15
7,158とを備える。また冷却装置FBQには、風箱
142から分散板140の透孔147を介して冷却室1
38へ噴出するガスの圧力損失を、風箱142と冷却室
138の流動層の界面よりも上方のフリーボードの空間
との間の差圧によって圧力損失を求める圧力損失検出手
段502が設けられる。各モータ157,158は、制
御手段159によって、圧力損失検出手段502によっ
て検出される圧力損失に基づいて、予め定める流量で製
品を排出することができるように制御される。このよう
に2つのロータリフィーダ55,56を連接することに
よって、シール性を高め、冷却装置FBQから大気への
ガスの放散が防がれる。
【0036】図2は、気密排出手段47の具体的構成を
示す拡大断面図であり、図2(1)はLバルブ196に
ノズル部材197を設けた気密排出手段47aを示し、
図2(2)はLバルブ196に前記ノズル部材197に
代えて押圧棒198を設けた気密排出手段47bを示
す。なお、各気密排出手段47a,47bを総称する場
合には、添字a,bは省略する。前記気密排出手段47
は、予熱/仮焼炉PCからシュート112を介して供給
される原料によるマテリアルシールによってガスの通過
を遮断し、原料だけを焼成炉KF側のシュート113へ
導くLバルブ196と、このLバルブ196内に堆積し
た原料を押出すための原料押出し手段199a,199
bとを含む。
【0037】図2(1)は、本実施の形態に用いられる
気密排出手段47aを示す。この気密排出手段47aの
Lバルブ196は、上方に立上る立上り部201と、立
上り部201の下端部にほぼ直角に屈曲して連なり水平
に延びる水平部202と、水平部202の前記立上り部
201が連なる長手方向一端部と反対側の他端部からほ
ぼ直角に屈曲して下方に延びる立下り部203とを有す
る。立上り部201の上端部にはフランジ204が形成
され、このフランジ204はシュート112の下端部に
形成されるフランジ205とボルトおよびナット等によ
ってフランジ接合される。また立下り部203の下端部
にはフランジ206が形成され、このフランジ206は
シュート113の上端部に形成されるフランジ207と
ボルトおよびナット等によってフランジ接合される。こ
のようなLバルブ196は、たとえば耐熱性金属製また
は耐火物で内張りされ、分岐手段45側のシュート11
2と焼成炉KF側のシュート113との間に気密に接続
される。
【0038】予熱/仮焼炉PCから導かれシュート11
2を介して立上り部201から供給された原料は、水平
部202において立下り部203内の空間に臨む角部2
08から上方に安息角θrを成す安息面209を形成し
て堆積している。このようにしてLバルブ196内の水
平部202から立上り部203にわたって堆積した原料
によってマテリアルシールされ、上方のシュート112
から下方のシュート113へのガスの通過が防がれる。
【0039】このような状態で、原料だけを排出するた
めに、立上り部201の出隅側の壁の下部には、原料の
安息面209に向けてガスを噴射するノズル部材197
が水平部202とほぼ平行に設けられる。このノズル部
材197に供給されるガスは、たとえばこのノズル部材
197用に独立して設けられるブロア210からの常温
の空気であり、ノズル部材197とブロア210との間
に介在される流量調整弁510を開閉動作させて、ガス
噴射量の調整を容易に行うことができるようにして流量
を制御できるように構成される。また、仮想線540で
示されるように、圧縮空気をノズル部材197から噴出
するようにしてもよく、電磁弁541を開閉動作して、
空気を間欠的に噴射して、その間隔を制御して流量を制
御し、その大きな噴射力によってノズル部材197の前
方に存在する原料を排出することができる。前記ノズル
部材197とブロア210とを含んで、前記原料押出し
手段199aを構成している。他の実施形態では、熱交
換器HRから図示しない管路を介して導かれた高温のガ
スであってもよい。このような熱交換器HRからの高温
のガスを導く場合には、Lバルブ196内に堆積した原
料の温度が低下することを防ぐことができる。ノズル部
材197から噴射されるガスの流量および噴射時間は、
このガスによって押出される原料の流量が前記原料投入
シュート90から投入される原料の投入量Rと等しくな
るように設定される。このようなノズル部材197から
噴射されるガスの噴射量の設定は、後述するように、予
熱/仮焼炉PCの最下段の分散板64上の流動層および
分散板64を含む圧力損失に基づいて決定される。
【0040】本発明の実施の他の形態として、図2
(2)に示されるように、上記のノズル部材197に代
えて、押圧棒198が設けられる。この押圧棒198
は、直円柱状であって、水平部202と平行な軸線方向
に駆動シリンダ211によって駆動され、駆動シリンダ
211と押圧棒198とを含んで、前記原料押出し手段
199bを構成している。この駆動シリンダ211はた
とえば複動空気圧シリンダであって、Lバルブ196内
で安息角φrを成す安息面209を形成して堆積した原
料を、押圧棒198が立上り部201の内壁面201a
からストロークSRだけ突出することによって、水平部
202内の原料を押圧し、これによって安息面209が
破壊されて原料が角部208を超えて立下り部203側
へ押出され、下方のシュート113内へ落下する。この
ような駆動シリンダ211のストロークSRおよび作動
周期は、上記の図2(1)に示す原料押出し手段199
aと同様に、前記シュート113を介して焼成炉KFへ
供給される原料の流量が投入量Rと等しくなるように設
定され、このような設定値は予熱/仮焼炉PCの最下段
の流量層の圧力損失に基づいて行われる。
【0041】このような押圧棒198を用いる原料押出
し手段199bを採用した場合には、前述の図2(1)
に示されるノズル部材197による原料押出し手段19
9aを採用した場合に比べて、押圧棒198によってL
バルブ196内に堆積した原料を押出すだけであるの
で、焼成炉KFへ導かれる原料の温度が低下するという
不具合が生じない。
【0042】以上の説明では、気密排出手段47の構成
について説明したけれども、前述の気密排出手段129
についてもまた、気密排出手段47と同様に構成され、
焼成炉KFで焼成された原料を気密に冷却装置FBQに
供給することができる。その供給量は、焼成炉KFの流
動層と分散板44とによる圧力損失が一定となるように
設定されている。
【0043】図3は、気密排出手段82の具体的構成を
示す拡大断面図である。前記気密排出手段82は、予熱
/仮焼炉PCの予熱/仮焼室58から予熱/仮焼室59
に原料を導く各シュート81,83間に介在され、ケー
シング212内で矢符B方向に回転駆動されるロータ2
13が設けられるロータリフィーダ105と、前記ロー
タ213を矢符B方向に所定の回転速度で回転駆動する
モータ107とを有する。
【0044】ケーシング212は、予熱/仮焼室58側
のシュート81のフランジ216にボルトおよびナット
等によってフランジ接合されるフランジ217を有する
流入部218と、前記ロータ213が矢符B方向に回転
可能に収納され、ロータ213の水平な回転軸線と同軸
を成す直円柱状のロータ収納空間219を有するロータ
収納部220と、ロータ収納部220に連なり、ロータ
213によって原料が導かれ、予熱/仮焼室59側のシ
ュート83のフランジ221にボルトおよびナット等に
よってフランジ接合されるフランジ222を有する流出
部223とを有する。
【0045】ロータ213は、前記モータ107によっ
て矢符B方向に回転駆動される回転軸224と、この回
転軸224に周方向に等間隔をあけて放射状に設けられ
る複数のブレード225とを有する。このようなロータ
213の各ブレート225は、その回転軸線から最も離
れた最外周部の端面226がロータ収納部220の内周
面227と原料を噛込まずに回転し得る程度の僅かな間
隔をあけて形成されおり、これによって予熱/仮焼室5
8側のシュート81から予熱/仮焼室59側のシュート
83に原料だけを導き、ガスの通過を遮断することがで
きる。
【0046】ロータ213は、予熱/仮焼室58側のシ
ュート81から流入部218内に導かれる原料およびガ
スのうち、原料だけを周方向に隣接する各ブレード22
5間の貯留空間228内に貯留し、ロータ213の回転
によってその貯留空間228が流出部223内の空間に
臨んだとき、貯留空間228内の原料が流出部223内
に落下し、こうしてガスを通過させずに原料だけを下流
側へ排出することができる。ロータ213の回転時に、
前記ロータ収納部220の内周面227と各ブレード2
25との間に原料が噛込むことを防止するために、流入
部218のロータ213の回転方向下流側である矢符B
方向下流側の壁部229には、矢符B方向とは逆方向に
突出する噛込み防止片230が一体的に形成される。こ
のような噛込み防止片230は、いわゆる邪魔板として
設けられ、粒径の大きな原料の噛込みを防止することが
できる。
【0047】前記気密排出手段85,92,153もま
た、上記の気密排出手段82と同様に構成される。
【0048】図4は、焼成装置40に備えられる気密排
出手段47,82,85,92,129,153,50
1を制御するための制御装置234の電気的構成を示す
ブロック図である。制御装置234は、設定手段235
と、圧力損失検出手段46,101,102,131,
502と、制御手段48,103,104,132,1
59と、駆動手段236,238〜244とを含む。
【0049】この制御装置234は、たとえばパーソナ
ルコンピュータによって実現され、設定手段235はそ
のパーソナルコンピュータのキーボードによって実現さ
れる。この設定手段235によって予熱/仮焼炉PCを
最下段の流動層および分散板64による圧力損失の設定
値ΔP1aが入力されると、制御手段48は設定値ΔP
1aと圧力損失検出手段46による圧力損失の検出値Δ
P1とを比較し、検出値ΔP1が設定値ΔP1a未満で
あれば停止信号を駆動手段236に出力して気密排出手
段47による原料の排出を停止させ、また検出値ΔP1
が設定値ΔP1a以上であるときには駆動信号を駆動手
段236に出力して気密排出手段47を排出動作させ
る。
【0050】さらに設定手段235によって、予熱/仮
焼炉PCの最終段の流動層および分散板62による圧力
損失の設定値ΔP3aが入力されると、制御手段103
は圧力損失検出手段101によって検出された圧力損失
の検出値ΔP3と比較し、この検出値ΔP3が設定値Δ
P3a未満であれば停止信号または減速信号を駆動手段
238へ出力して気密排出手段82による排出動作を停
止させまたは減速させ、検出値ΔP3が設定値ΔP3a
以上であれば、駆動信号または増速信号を駆動手段23
8に出力して気密排出手段82による排出動作を開始さ
せまたは増速させる。
【0051】設定手段235によって、予熱/仮焼炉P
Cの中段の流動層および分散板63による圧力損失の設
定値ΔP4aを入力すると、制御手段104は圧力損失
検出手段102によって検出された圧力損失の検出値Δ
P4とを比較し、この検出値ΔP4が設定値ΔP4a未
満であれば停止信号または減速信号を駆動手段239に
出力し、気密排出手段85による排出動作を停止させ、
または減速させ、検出値ΔP4が設定値ΔP4a以上で
あれば、駆動信号または増速信号を駆動手段239に出
力し、気密排出手段85による排出動作を開始させ、ま
たは増速させる。
【0052】設定手段235によって、焼成炉KFの流
動層より分散板44による圧力損失の設定値ΔP5aを
入力すると、制御手段132は圧力損失検出手段131
によって検出された圧力損失の検出値ΔP5と比較し、
この検出値ΔP5が設定値ΔP5a未満であれば、停止
信号または減速信号を駆動手段240に出力して気密排
出手段129による排出動作を停止させまたは減速さ
せ、検出値ΔP5が設定値ΔP5a以上であれば、駆動
信号または増速信号を駆動手段239に出力し、気密排
出手段129による排出動作を開始させまたは増速させ
る。
【0053】設定手段235によって冷却装置FBQの
冷却室138の流動層および分散板140による圧力損
失の設定値ΔP9aが入力されると、制御手段159は
圧力損失検出手段502によって検出された圧力損失の
検出値ΔP9と比較して、この検出値ΔP9が設定値Δ
P9a未満であれば、停止信号または減速信号を駆動手
段244に出力して気密排出手段153による排出動作
を停止させまたは減速させ、検出値ΔP9が設定値ΔP
9a以上であれば、駆動信号または増速信号を駆動手段
244に出力して気密排出手段153による排出動作を
開始させまたは増速させる。
【0054】図5は、制御装置234の制御動作を説明
するためのフローチャートである。まず、制御動作が開
始され、ブロア143および誘引ファン99が駆動され
て、バーナ43が燃焼を開始し、予熱/仮焼炉PC、焼
成炉KF、熱交換器HRおよび冷却装置FBQには流動
層が形成されずにガスだけが移動している状態で焼成装
置41を立上げる。焼成炉KF内のガスは、ダクト12
5から捕集サイクロンC0を経て、ダクト127から予
熱/仮焼炉PCの風箱61内に導かれる。
【0055】このようにして予熱/仮焼炉PCの風箱6
1内に導かれたガスは、最下段の分散板64の透孔67
を通過して上昇し、次に中段の分散板63の透孔66を
通過して上昇し、さらに最上段の分散板62の透孔65
を通過して上昇する。こうして予熱/仮焼炉PCの最上
段の予熱/仮焼室58に導かれたガスは、ダクト87を
経て最上段のサイクロンC1に導かれ、ダクト98から
誘引ファン99によって大気へ放散される。このような
状態では、気密排出手段47は制御手段48によって排
出状態とされ、気密排出手段82は制御手段103によ
って排出状態とされ、気密排出手段85は制御手段10
4によって排出状態とされ、気密排出手段92は一定速
度で排出状態とされ、気密排出手段129は制御手段1
32によって排出停止状態とされ、気密排出手段152
は制御手段159によって排出停止状態とされる。
【0056】ブロア143から冷却装置FBQに供給さ
れた空気は、ダクト148,149,150を経て最下
段のサイクロンC2に導かれ、このサイクロンC2から
ダクト123によって焼成炉KFの風箱122に導かれ
る。
【0057】このような状態で、ステップb1で、予熱
/仮焼炉PCの原料投入シュート90から原料の投入を
開始すると、その原料はダクト87内を上昇するガスに
よって最上段のサイクロンC1に導かれ、この最上段の
サイクロンC1で捕集された原料は、シュート91から
排出動作状態にある気密排出手段92を経て、シュート
93から予熱/仮焼炉PCの最上段の予熱/仮焼室58
内へ供給され、分散板62上で流動化される。このよう
にして最上段の分散板62上で流動層を形成する原料の
一部は、シュート81から排出動作中である気密排出手
段82を経てシュート83から中段の予熱/仮焼室59
内に導かれ、分散板63上で流動化される。この分散板
63上で一定量の流動層が形成されると、その一部の原
料がシュート84から排出動作中の気密排出手段85を
経てシュート86から最下段の予熱/仮焼室60に導か
れ、最下段の分散板64上で流動層を形成する。最下段
の流動層を形成する原料は、シュート112に導かれ、
さらに排出状態にある気密排出手段47を経てシュート
113から焼成炉KFに導かれる。このようにして原料
投入シュート90から原料を投入し続けながら、焼成炉
KFの分散板44上に所定量の原料が溜まって流動層が
形成される。
【0058】ステップb2で、圧力損失検出手段46,
101,102,131によって検出された検出値ΔP
1,ΔP3,ΔP4,ΔP5のうちいずれか、たとえば
圧力損失検出手段131によって検出された焼成炉KF
内の流動層および分散板44による圧力損失の検出値Δ
P5が設定値ΔP5aに達すると、ステップa3で制御
手段132は気密排出手段129に排出動作を開始さ
せ、分散板44上に所定の層厚の流動層を形成しながら
余剰の原料をシュート128、気密排出手段129およ
びシュート130を経て冷却装置FBQに供給する。こ
のようにして冷却装置FBQ内の各分散板146,14
7上に流動層が形成され、ブロア143から各風箱14
1,142内に供給された空気と熱交換した高温のガス
が、ダクト148,149,150から最下段のサイク
ロンC2およびダクト123を経て、焼成炉KFに導か
れる。また、残余の圧力損失検出手段46,101,1
02による検出値ΔP1,ΔP3,ΔP4が対応する設
定値ΔP1a,ΔP3a,ΔP4aに達すると、対応す
る気密排出手段47,82,85の排出動作を開始す
る。
【0059】ステップb4で冷却装置FBQの差圧ΔP
9が設定値に達したら、ステップb5で気密排出手段1
53の排出を開始し、冷却装置FBQの差圧が一定にな
るよう排出量を制御する。
【0060】こうして焼成炉KFに導かれるガスの温度
が上昇して、ダクト125、捕集サイクロンC0および
ダクト127から予熱/仮焼炉PCに高温のガスが導か
れる。このようにして予熱/仮焼炉PCおよび焼成炉K
F内の各流動層による圧力損失が設定値を下まわらない
ように原料の排出量が制御されながら、予熱/仮焼炉P
Cへのガスの温度が上昇し、約700〜800℃に達す
る。
【0061】このようにして冷却装置FBQから導かれ
るガスを焼成炉KFへ供給し、この焼成炉KFで発生し
た高温のガスを予熱/仮焼炉PCに導いて投入された原
料を予熱および/または仮焼するようにしたので、無駄
な熱の消費を防ぐことができ、熱損失量を少なくするこ
とができる。しかも前記予熱/仮焼炉PCは多段流動層
炉であるため、熱回収効率が高く、これによってもまた
熱効率を向上することができる。またこの予熱/仮焼炉
PCによって投入された原料を予熱および/または仮焼
するので、原料にサイクロンを用いた場合のように遠心
力が作用せず、これによって予熱/仮焼炉PC内の原料
の温度が再炭酸化反応温度以上になってもコーチングの
発生を防ぐことできる。
【0062】前記焼成炉KFによって焼成された製品
は、シュート128、気密排出手段129およびシュー
ト130を介して冷却装置FBQに導かれるとともに、
焼成炉KFのフリーボードに浮遊する微粉製品は、ダク
ト125から捕集サイクロンC0に導かれる。この捕集
サイクロンC0で捕集された微粉製品は、シュート12
6によって前記シュート130に導かれ、冷却装置FB
Qに供給される。冷却装置FBQに供給された製品は、
前記ブロア130から管路144,145によって導か
れた空気と熱交換して冷却され、微粉製品はダクト14
8,149,150を経て最下段のサイクロンC2で捕
集され、また流動層を形成する粉粒体はシュート152
に導かれ、前記最下段のサイクロンC2からシュート1
51を介して導かれた微粉製品と合流し、制御手段15
9による気密排出手段153の排出動作によって、シュ
ート154から系外のたとえば搬出コンベア上へ排出さ
れる。
【0063】以上のように本実施の形態によれば、粉粒
状原料を予熱および/または仮焼するにあたって、予熱
/仮焼炉PCの分散板の下方から1100℃以上の高温
ガスが供給される。この高温ガスは、たとえば前記粉粒
状原料を焼成する焼成炉からのガスであって、その熱的
性質として、粉粒状原料は石灰石CaCO3 である場合
には、800℃以上の温度下で、 CaCO3→CaO+CO2−42.9kcal のように脱炭酸反応し、炭酸ガスCO2を発生する。
【0064】また粉粒状原料がドロマイトである場合に
は、600℃以上の温度下では、 CaCO3・MgCO3→CaCO3+MgO+CO2 のように反応して炭酸ガスCO2 を発生する。
【0065】したがって粉粒状原料として石灰石および
ドロマイトのいずれを用いた場合にも、焼成炉からのガ
スには炭酸ガスが含まれ、このようなガスを予熱に用い
ると、粉粒状原料は約600℃以上で再炭酸化反応を生
じ、再炭酸化したCaCO3(石灰石)の付着性が高く
なり、前述した従来技術ではサスペンションプレヒータ
などのサイクロン内で遠心力を受けて壁内面に付着し、
成長してコーチングを発生するが、本発明では、分散板
上に流動層を形成するので、付着性が高くなった石灰石
またはドロマイトの微粉が付着してコーチングを発生す
ることが防がれる。このような流動層を形成するため
に、分散板を備える流動層炉が用いられ、この流動層炉
には、1100℃の高温ガスが前記分散板の下方から供
給され、分散板上で粉粒状原料を流動化して充分に熱交
換し、高い熱回収効率で予熱/仮焼することができる。
【0066】また本実施の形態によれば、前記予熱/仮
焼炉PCには、前記焼成炉KFからガスが導かれ、各分
散板65〜67上に投入された原料を流動化して予熱し
またはさらに仮焼する。このような焼成炉KF内のCa
Oが飛散して仮焼炉PCに行き600℃以上のガスによ
って再炭酸化されて付着力が高くなっても、各分散板6
5〜67上で流動化されているため、炉壁などに付着す
るおそれはなく、コーチングを生じない。このようにし
てコーチングの発生を防ぎ、熱交換効率を向上して、粉
粒状原料を焼成することができる。
【0067】さらに本実施の形態によれば、予熱/仮焼
炉PCにおける少なくとも最下段の流動層による圧力損
失ΔP1を圧力損失検出手段46によって検出される。
制御手段48は、圧力損失検出手段46による圧力損失
ΔP1が予め定める値になるように、気密排出手段47
による原料の流量を制御する。気密排出手段47による
原料の流量は、たとえば投入量Rに等しくなるように選
ばれ、このような投入量Rに等しい気密排出手段47か
らの原料の流量となるように、制御手段48による流量
が設定される。
【0068】図6は、本発明の実施の他の形態の粉粒状
原料の焼成装置41を示す系統図である。本形態の焼成
装置41は、上述の形態の焼成装置40と類似の構成を
有しており、対応する部分には同一の参照符号を付す。
また請求項3の記載に対応する構成には、第1、第2、
…を付して説明する。焼成装置41は、石灰石CaCO
3またはドロマイトCaMg(CO32から成る、たと
えば5〜6mm以下の粉粒状原料を複数(本実施形態で
は3)の分散板62,63,64上に投入して予熱およ
び/または仮焼する流動層形予熱/仮焼炉PCと、バー
ナ43を備え、予熱および/または仮焼、すなわち予熱
され、または仮焼され、もしくは予熱された後に仮焼さ
れた原料を分散板44上に投入して焼成する流動層形焼
成炉KFと、焼成炉KFからの製品を空気によって冷却
するいわゆる流動層クーラと呼ばれる冷却装置FBQ
と、予熱/仮焼炉PCからの予熱され、またはさらに仮
焼された原料を分岐して、その原料の分岐した一部分を
焼成炉KFに導く分岐手段45と、予熱/仮焼炉PCか
らの予熱され、またはさらに仮焼された原料の前記分岐
手段45によって分岐された残余が投入され、この投入
された原料によって、冷却装置FBQからの導かれるガ
スが加熱され、この加熱されたガスを焼成炉KFに導
き、原料を予熱/仮焼炉PCに戻す流動層形熱交換器H
Rとを含む。
【0069】上記焼成装置41はさらに、予熱/仮焼炉
PCにおける最下段の流動層の圧力損失ΔP1を検出す
る第1圧力損失検出手段46と、分岐手段45から原料
を焼成炉KFに気密に排出する第1気密排出手段47
と、第1圧力損失検出手段46の出力に応答し、第1圧
力損失検出手段46によって検出される圧力損失ΔP1
が予め定める値になるように、第1気密排出手段47に
よる原料の流量を制御する第1制御手段48と、熱交換
器HRにおける最下段の流動層の圧力損失ΔP2を検出
する第2圧力損失検出手段49と、熱交換器HRから原
料を予熱/仮焼炉PCに気密に排出する第2気密排出手
段50と、第2圧力損失検出手段49の出力に応答し、
第2圧力損失検出手段49によって検出される圧力損失
ΔP2が予め定める値になるように、第2気密排出手段
50による原料の流量を制御する第2制御手段51とを
含む。第1気密手段47は、図2を参照して、前述した
ような構成を有し、第2気密排出手段50は、ロータリ
フィーダ214と、ロータリフィーダ214を回転駆動
するモータ215とを有する。モータ215は、第2制
御手段51によって動作が制御され、前述の流量が制御
される。
【0070】前記予熱/仮焼炉PCは、直円筒状(角形
でもよい)の円筒部54と、円筒部54の下端部に連な
る逆円錐台状の円錐台部55と、円筒部54の上端開口
部を塞ぐ上蓋部56とを有する炉体57と、炉体57内
の空間を3つの予熱/仮焼室58,59,60と風箱6
1とに仕切る3つの分散板62,63,64とを有す
る。各分散板62〜64には、その厚み方向に挿通する
複数の透孔65〜67がそれぞれ形成され、これらの透
孔65〜67を下から上へ通過して噴射するガスによっ
て、各分散板62〜64上の原料が流動化されながらガ
スと熱交換して顕熱を回収し、約800℃に予熱され
て、前記焼成炉KFおよび熱交換器HRにそれぞれ導か
れる。
【0071】最下段の分散板64上で流動層を形成する
原料は、シュート68、前記分岐手段45、シュート6
9、第3気密排出手段70およびシュート71を介して
前記熱交換器HRの上段の分散板72上に投入され、こ
の分散板72に形成される透孔73を介して下から上へ
噴出するガスによって流動化される。このような流動層
へのシュート71からの原料の投入位置は、流動層の界
面よりも上方近傍に設けられる。第3気密排出手段50
は、ロータリフィーダ550と、ロータリフィーダ55
0を回転駆動するモータ551とを有する。モータ55
1は、温度検出手段552による予熱/仮焼炉PCの最
下段の予熱/仮焼室60の検出温度に基づいて、第8制
御手段134によって動作が制御され、原料の流量が制
御される。
【0072】このような上段の分散板72上で流動層を
形成する原料は、シュート74、第4気密排出手段75
およびシュート76を介して下段の分散板77上にその
流動層の界面よりも上方から投入される。この分散板7
7にもまた、複数の透孔78が形成され、この透孔78
を下から上へ噴出するガスによって前記原料が流動化さ
れる。
【0073】前記予熱/仮焼炉PCにおいて、最上段の
分散板62上で流動層を形成する原料は、シュート8
1、第5気密排出手段82およびシュート83によって
上下方向中段の流動層にその界面よりも上方から投入さ
れる。この中段の分散板63上で流動層を形成する原料
は、シュート84、第6気密排出手段85およびシュー
ト86によって最下段の分散板64上にその流動層の界
面よりも上方から投入される。上蓋部56には、その中
央に大略的に逆L字状に屈曲したダクト87が設けられ
る。このダクト87は、前記上蓋部56の上面に垂直な
鉛直方向に立上る立上り部分88と、立上り部分88の
上端からほぼ直角に屈曲して水平に延びる水平部分89
とを有し、立上り部分88には前記粉粒状原料が投入さ
れる原料投入シュート90が設けられる。水平部分89
は、最上段のサイクロンC1に接続され、このサイクロ
ンC1によって捕集された原料は、シュート91、第7
気密排出手段92およびシュート93を経て、最上段の
分散板62上にその流動層の界面よりも上方から投入さ
れる。
【0074】熱交換器HRの下段の分散板77上に流動
層を形成する原料は、シュート94、前記第2気密排出
手段50およびシュート95を介して輸送手段96によ
って上方に搬送され、シュート97から予熱/仮焼炉P
Cの最下段の分散板上にその流動層の界面よりも上方か
ら投入される。前記輸送手段96は、バケットコンベア
によって実現される。
【0075】このような予熱/仮焼炉PCには、各分散
板およびその上方の流動層を挟む上下方向両側のフリー
ボードの空間で分散板を含む流動層の圧力損失を検出す
るために、第3および第4圧力損失検出手段101,1
02と前述の第1圧力損失検出手段46とが設けられ
る。第3および第4圧力損失検出手段101,102の
出力は第3,第4制御手段103,104にそれぞれ入
力され、また前記第1圧力損失検出手段46の出力は前
記第1制御手段48に入力される。
【0076】前記第5および第6気密排出手段82,8
5は、ロータリフィーダ105,106と、各ロータリ
フィーダ105,106をそれぞれ駆動するモータ10
7,108とを有する。各モータ107,108は、第
3および第4制御手段103,104からの制御信号に
よって制御され、各ロータリフィーダ105,106に
よって原料の流量を調整することができる。また第7気
密排出手段92は、ロータリフィーダ109と、このロ
ータリフィーダ109を操業中に一定の回転速度で駆動
するモータ110とを有する。前記第1制御手段48
は、第1圧力損失検出手段46によって検出された圧力
損失が一定となるように前記第1気密排出手段47によ
る流量を制御する。この第1気密排出手段47は、前記
分岐手段45によって焼成炉KF側に分岐した一部の原
料が供給されるシュート112と、第1気密排出手段4
7によって前記一定の流量で排出される原料を焼成炉K
Fの流動層44上に形成される流動層の界面の上方に導
くシュート113との間に介在される。
【0077】焼成炉KFは、直円筒状(角形でもよい)
の円筒部117と、円筒部117の下端部に連なる逆円
錐台状の円錐台部118と、円筒部117の上端部を塞
ぐ上蓋部119とを有する。これらの円筒部117、円
錐台部118および上蓋部119によって、前記予熱/
仮焼炉PCの炉体57と同様なキャスタブル耐火物から
成る炉体120が構成される。このような炉体120内
の空間は、前記分散板44によって円筒部117内の焼
成室121と、前記円錐台部118内の風箱122とに
仕切られ、この風箱122には熱交換器HRからダクト
123を介して約450〜600℃のガスが導かれ、分
散板44に形成される複数の透孔124を介して噴出
し、原料を流動化する。この分散板44の透孔124か
ら噴出したガスはまた、バーナ43の燃料を燃焼するた
めの燃焼用空気として用いられ、これによってバーナ4
3の燃焼負荷が軽減されて、燃料を節約することができ
る。
【0078】焼成炉KFの炉体120の上部には、ダク
ト125を介して捕集サイクロンC0が接続され、この
捕集サイクロンC0によって捕集された原料はシュート
126に導かれ、ガスはダクト127によって予熱/仮
焼炉PCの風箱61内へ導かれる。このようにして焼成
炉KFからダクト125、捕集サイクロンC0およびダ
クト127を介して予熱/仮焼炉PCの風箱61に導か
れるガスの温度は、約1100℃である。
【0079】焼成炉KFの分散板44上で流動層を形成
する原料は、ダクト128、第8気密排出手段129お
よびダクト130を経て冷却装置FBQに導かれる。前
記焼成炉KF内では、原料と石灰石CaCO3の粉粒体
は、 CaCO3 →CaO+CO2 のように脱炭酸反応して、生石灰CaOと炭酸ガスCO
2とが生成される。また予熱/仮焼炉PC内では、焼成
後の粉粒状原料が約600〜800℃のガスと接触し
て、そのガス中の炭酸ガスCO2と再炭酸化反応、 C2O+CO2 →CaCO3 を生じて付着性が強くなるけれども、予熱/仮焼炉PC
内ではサイクロンのように原料の粉粒体に遠心力が作用
しないため、原料が炉壁の内面に付着して成長するコー
チングが発生しない。そのため予熱/仮焼炉PCによっ
て原料を高温のガスと接触させて連続して安定に予熱お
よび/または仮焼することができる。
【0080】前記焼成炉KFにおいて、風箱122から
分散板44の透孔124を介して焼成室121側へ噴出
するガスの圧力損失は、風箱122と焼成室121の流
動層の界面よりも上方のフリーボードの空間との間の差
圧によって圧力損失を求める第5圧力損失検出手段13
1によって検出され、この第5圧力損失検出手段131
によって検出された分散板44を含む流動層による圧力
損失に基づいて、第5制御手段132は第8気密排出手
段129による排出量が、前記圧力損失が一定となるよ
うに、すなわち分散板44上に一定の層厚の流動層が形
成されるように排出量を制御する。第8気密排出手段1
29からシュート130に排出された原料は、前記捕集
サイクロンC0からシュート126を介して排出される
原料と合流し、冷却装置FBQに導かれる。
【0081】冷却装置FBQは、キャスタブル耐火物か
ら成る炉体135内に、隔壁136によって仕切られた
2つの冷却室137,138を有し、各冷却室137,
138は分散板139,140によって風箱141,1
42と仕切られる。各冷却室137,138は、隔壁1
36の各分散板139,140付近に形成される連絡通
路136aによって連通され、製品が通過できるように
構成されている。各風箱141,142には、ブロア1
43から管路144,145によって冷却用ガスとして
空気が導かれ、この空気は各分散板139,140にそ
れぞれ形成される複数の透孔146,147を経て上方
の空間に噴出し、原料を流動化して冷却する。各冷却室
137,138内で原料との接触によって熱回収して温
度が上昇した空気は、ダクト148,149およびダク
ト150を介して最下段のサイクロンC2に導かれ、こ
のガス中の微粉末の原料が捕集されてシュート500に
排出され、第10気密排出手段501を介してシュート
151に導かれる。この第10気密排出手段501は、
ロータリフィーダ530と、このロータリフィーダ53
0を操業中に一定の回転速度で回転駆動するモータ53
1とを有する。また一方の冷却室137から他方の冷却
室138に移動して分散板140上で流動層を形成する
原料は、シュート152から前記シュート151に合流
して第9気密排出手段153によって排出シュート15
4に排出され、図示しない搬送コンベアによって次工程
へ搬出される。
【0082】第9気密排出手段153は、冷却装置FB
Q内の冷却室137,138と大気との差圧が大きいた
め、2つのロータリフィーダ155,156と、各ロー
タリフィーダ155,156を駆動する2つのモータ1
57,158とを備える。また冷却装置FBQには、風
箱142から分散板140の透孔147を介して冷却室
138へ噴出するガスの圧力損失を、風箱142と冷却
室138の流動層の界面よりも上方のフリーボードの空
間との間の差圧によって圧力損失を求める第7圧力損失
検出手段502が設けられる。各モータ157,158
は、第7制御手段159によって、第7圧力損失検出手
段502によって検出される圧力損失に基づいて、予め
定める流量で製品を排出することができるように制御さ
れる。このように2つのロータリフィーダ55,56を
連接することによって、シール性を高め、冷却装置FB
Qから大気へのガスの放散が防がれる。
【0083】前記最下段のサイクロンC2のガスは、ダ
クト163によって熱交換器HRに導かれる。この熱交
換器HRは、直円筒状(角形でもよい)の円筒部164
と、円筒部164の下端部に連なる逆円錐台状の円錐台
部165と、円筒部164の上端部を塞ぐ上蓋部166
とを有するキャスタブル耐火物から成る炉体162を備
える。円筒部164内には、前述の上下2段の分散板7
2,77がそれぞれ設けられ、これらの分散板72,7
7によって2つの熱交換室167,168と風箱169
とが形成される。上段の分散板72とその上方に形成さ
れる流動層とによる圧力損失は、第6圧力損失検出手段
170によって検出され、その出力は第6制御手段17
1に入力される。第6制御手段171は、前記第4気密
排出手段75のモータ172を前記圧力損失が一定とな
るように制御し、このモータ172によって駆動される
ロータリフィーダ173の流量を制御する。
【0084】図7は、分岐手段45の具体的構成を示す
拡大断面図である。前記分岐手段45は、本実施の形態
では、バタフライ弁によって実現され、たとえば耐熱性
金属製または耐火物で内張りされた逆Y字状のケーシン
グ181と、水平軸線182まわりに矢符A1,A2方
向に回動する駆動軸183と、駆動軸183に固定さ
れ、偏平な板状の金属板から成る切換部材184と、前
記駆動軸183に連結されるブレーキ付モータ(図示せ
ず)および2つのリミットスイッチ(図示せず)を内蔵
し、切換部材184が仮想線184a,184bで示さ
れる切換位置で停止するように駆動軸183を回動する
駆動手段185とを有する。
【0085】前記ケーシング181は、予熱/仮焼炉P
C側のシュート68にフランジ接合によって接続される
流入部186と、焼成炉KF側のシュート112にフラ
ンジ接合によって接続される第1排出部187と、熱交
換器HR側のシュート69にフランジ接合によって接続
される第2排出部188とを有する。第1および第2排
出部187,188の相互に近接する周壁部分189,
190が鋭角に交差する出隅部191には、前記駆動軸
183が水平軸線182まわりに回動自在に支持されて
おり、この駆動軸183には前記切換部材184の基端
部が固定される。切換部材184の遊端部は、駆動軸1
83が駆動手段185によって矢符A1方向に回動し、
前記一方のリミットスイッチによって停止したとき、流
入部185の第1排出部187に連なる内壁面192に
押付けられた状態で支持され、また駆動軸183が駆動
手段185によって矢符A2方向に回動して前記他方の
リミットスイッチによって停止したときには、流入部1
86の第2排出部188に連なる内壁面193に押付け
られた状態で支持される。
【0086】このようにして切換動作する切換部材18
4が矢符A1方向に回動して仮想線184aで示される
第1閉鎖位置に配置された状態では、予熱/仮焼炉PC
からシュート68を介して流入部186に導かれた原料
が、第2排出部188を経て熱交換器HR側のシュート
69に導かれる。また切換部材184が矢符A2方向に
回動して仮想線184bで示される第2閉鎖位置に配置
された状態では、前記流入部186に導かれた原料は、
第1排出部187を経て焼成炉KF側のシュート112
に導かれる。
【0087】このように構成される分岐手段45によっ
て、前述したように、焼成炉KF側のシュート112に
導かれる原料の流量をQ1とし、熱交換器HR側のシュ
ート69に導かれる原料の流量をQ2としたとき、その
流量比η=Q1/Q2を調整するには、前記駆動手段1
85による切換部材184の第1および第2閉鎖位置1
84a,184bに配置されている時間配分、すなわち
作動タイミングを制御することによって、調整すること
ができる。このような流量比ηは、前述したように、焼
成炉KFに導かれる予熱/仮焼炉PCからの原料の流量
をQ1が、原料投入シュート90から投入される原料の
投入量Rと等しくなり、かつ予熱/仮焼炉PCおよび熱
交換器HR間の循環量RCが一定となるように、設定す
ることができる。
【0088】第1および第8気密排出手段47,129
は、図2を参照して前述した気密排出手段47と同様に
構成され、それぞれ同様に動作され、同様の効果を得る
ことができる。
【0089】前記第2〜第7気密排出手段50,70,
75,82,85,92ならびに第9および第10気密
排出手段153,501は、図3を参照して前述した気
密排出手段50と同様に構成され、それぞれ同様に動作
し、同様の効果を得ることができる。
【0090】図8は、焼成装置41に備えられる第1〜
第6、第8および第9気密排出手段47,50,70,
75,82,85,129,152を制御するための制
御装置234aの電気的構成を示すブロック図である。
制御装置234aは、設定手段235と、第1〜第7圧
力損失検出手段46,49,101,102,131,
170,502と、第1〜第8制御手段48,51,1
03,104,132,171,134,159と、駆
動手段236〜241,243,244とを含む。
【0091】この制御装置234aは、たとえばパーソ
ナルコンピュータによって実現され、設定手段235は
そのパーソナルコンピュータのキーボードによって実現
される。この設定手段235によって予熱/仮焼炉PC
を最下段の流動層および分散板64による圧力損失の設
定値ΔP1aが入力されると、第1制御手段48は設定
値ΔP1aと第1圧力損失検出手段46による圧力損失
の検出値ΔP1とを比較し、検出値ΔP1が設定値ΔP
1a未満であれば停止信号を駆動手段236に出力して
気密排出手段47による原料の排出を停止させ、また検
出値ΔP1が設定値ΔP1a以上であるときには駆動信
号を駆動手段236に出力して第1気密排出手段47を
排出動作させる。
【0092】設定手段235によって、熱交換器HRの
下段の流動層および分散板77による圧力損失の設定値
ΔP2aを入力すると、第2制御手段51は第2圧力損
失検出手段49によって検出された圧力損失の検出値Δ
P2とを比較し、この検出値ΔP2が設定値ΔP2a未
満であれば、停止または減速信号を駆動手段237に出
力して、第2気密排出手段50による原料の排出量を減
少または停止させ、検出値ΔP2が設定値ΔP2a以上
であれば増速信号または駆動信号を出力して、第2気密
排出手段50による排出動作を開始させまたは増速させ
る。
【0093】さらに設定手段235によって、予熱/仮
焼炉PCの最終段の流動層および分散板62による圧力
損失の設定値ΔP3aが入力されると、第3制御手段1
03は第3圧力損失検出手段101によって検出された
圧力損失の検出値ΔP3と比較し、この検出値ΔP3が
設定値ΔP3a未満であれば停止信号または減速信号を
駆動手段238へ出力して第5気密排出手段82による
排出動作を停止させまたは減速させ、検出値ΔP3が設
定値ΔP3a以上であれば、駆動信号または増速信号を
駆動手段238に出力して第5気密排出手段82による
排出動作を開始させまたは増速させる。
【0094】設定手段235によって、予熱/仮焼炉P
Cの中段の流動層および分散板63による圧力損失の設
定値ΔP4aを入力すると、制御手段104は第4圧力
損失検出手段102によって検出された圧力損失の検出
値ΔP4とを比較し、この検出値ΔP4が設定値ΔP4
a未満であれば停止信号または減速信号を駆動手段23
9に出力し、第6気密排出手段85による排出動作を停
止させ、または減速させ、検出値ΔP4が設定値ΔP4
a以上であれば、駆動信号または増速信号を駆動手段2
39に出力し、第6気密排出手段85による排出動作を
開始させまたは増速させる。
【0095】設定手段235によって、焼成炉KFの流
動層より分散板44による圧力損失の設定値ΔP5aを
入力すると、第5制御手段132は第5圧力損失検出手
段131によって検出された圧力損失の検出値ΔP5と
比較し、この検出値ΔP5が設定値ΔP5a未満であれ
ば、停止信号または減速信号を駆動手段240に出力し
て第8気密排出手段129による排出動作を停止させま
たは減速させ、検出値ΔP5が設定値ΔP5a以上であ
れば、駆動信号または増速信号を駆動手段239に出力
し、第8気密排出手段129による排出動作を開始また
は増速させる。
【0096】設定手段235によって熱交換器HRの上
段の流動層および分散板72による圧力損失の設定値Δ
P6aが入力されると、第6制御手段171は第6圧力
損失検出手段170によって検出された圧力損失の検出
値ΔP6と比較して、この検出値ΔP6が設定値ΔP6
a未満であれば、停止信号または減速信号を駆動手段1
4に出力して第4気密排出手段75による排出動作を停
止させまたは減速させ、検出値ΔP6が設定値ΔP6a
以上であれば、駆動信号または増速信号を駆動手段14
1に出力して第4気密排出手段75による排出動作を開
始させまたは増速させる。
【0097】設定手段235によって、冷却装置FBQ
の冷却室138の流動層および分散板40による圧力損
失の設定値ΔP9aを入力すると、第7制御手段159
は第7圧力損失検出手段502によって検出された圧力
損失の検出値ΔP9とを比較し、この検出値ΔP9が設
定値ΔP9a未満であれば、停止または減速信号を駆動
手段244に出力して、第9気密排出手段153による
原料の排出量を減少または停止させ、検出値ΔP9が設
定値ΔP9a以上であれば増速信号または駆動信号を出
力して、第9気密排出手段153による排出動作を開始
させまたは増速させる。
【0098】さらに設定手段235によって、予熱/仮
焼炉PCの最終段の予熱/仮焼室60の温度の設定値T
aが入力されると、第8制御手段138は温度検出手段
552によって検出された温度の検出値Tと比較し、こ
の検出値Tが設定値Ta未満であれば停止信号または減
速信号を駆動手段243へ出力して第3気密排出手段7
0による排出動作を停止させまたは減速させ、検出値T
が設定値Ta以上であれば、駆動信号または増速信号を
駆動手段243に出力して第3気密排出手段70による
排出動作を開始させまたは増速させる。
【0099】また、予熱/仮焼炉PCの温度に代えて、
熱交換器HRの温度を温度検出手段552によって検出
し、この検出値に基づいて、同様に第3気密排出手段7
0を動作するように制御してもよい。
【0100】図9は、制御装置234の制御動作を説明
するためのフローチャートである。まず、制御動作が開
始され、ブロア143および誘引ファン99が駆動され
て、バーナ43が燃焼を開始し、予熱/仮焼炉PC、焼
成炉KF、熱交換器HRおよび冷却装置FBQには流動
層が形成されずにガスだけが移動している状態で焼成装
置41を立上げる。このとき、分岐手段47の切換部材
184は、図7の仮想線184bで示されるように、熱
交換器HR側の第2排出部188を閉じ、この焼成炉K
F内のガスは、ダクト125から捕集サイクロンC0を
経て、ダクト127から予熱/仮焼炉PCの風箱61内
に導かれる。
【0101】このようにして予熱/仮焼炉PCの風箱6
1内に導かれたガスは、最下段の分散板64の透孔67
を通過して上昇し、次に中段の分散板63の透孔66を
通過して上昇し、さらに最上段の分散板62の透孔65
を通過して上昇する。こうして予熱/仮焼炉PCの最上
段の予熱/仮焼室58に導かれたガスは、ダクト87を
経て最上段のサイクロンC1に導かれ、ダクト98から
誘引ファン99によって大気へ放散される。このような
状態では、第1気密排出手段47は第1制御手段48に
よって排出状態とされ、第2気密排出手段50は第2制
御手段51によって排出停止状態とされ、第3気密排出
手段70は第8制御手段134によって排出停止状態と
され、第4気密排出手段75は第6制御手段171によ
って排出状態とされ、第5気密排出手段82は第3制御
手段103によって排出状態とされ、第6気密排出手段
85は第4制御手段104によって排出状態とされ、第
7気密排出手段92は排出状態とされ、第8気密排出手
段129は第5制御手段132によって排出停止状態と
され、第9気密排出手段152は第9制御手段159に
よって排出停止状態とされる。
【0102】ブロア143から冷却装置FBQに供給さ
れた空気は、ダクト148,149,150を経て最下
段のサイクロンC2に導かれ、このサイクロンC2から
ダクト163を経て熱交換器HRの風箱169に供給さ
れる。風箱169に供給された空気は下段の分散板77
の透孔78を通過して上昇し、さらに上段の分散板72
の透孔73を通過して上昇し、ダクト123によって焼
成炉KFの風箱122に導かれる。
【0103】このような状態で、ステップa1で、予熱
/仮焼炉PCの原料投入シュート90から原料の投入を
開始すると、その原料はダクト87内を上昇するガスに
よって最上段のサイクロンC1に導かれ、この最上段の
サイクロンC1で捕集された原料は、シュート91から
排出動作状態にある第7気密排出手段92を経て、シュ
ート93から予熱/仮焼炉PCの最上段の予熱/仮焼室
58内へ供給され、分散板62上で流動化される。この
ようにして最上段の分散板62上で流動層を形成する原
料の一部は、シュート81から排出動作中である第5気
密排出手段82を経てシュート83から中段の予熱/仮
焼室59内に導かれ、分散板63上で流動化される。こ
の分散板63上で一定量の流動層が形成されると、その
一部の原料がシュート84から排出動作中の第6気密排
出手段85を経てシュート86から最下段の予熱/仮焼
室60に導かれ、最下段の分散板64上で流動層を形成
する。最下段の流動層を形成する原料の一部は、シュー
ト68から分岐手段45によって焼成炉KF側のシュー
ト112に導かれ、さらに排出状態にある第1気密排出
手段47を経てシュート113から焼成炉KFに導かれ
る。このようにして原料投入シュート90から原料を投
入し続けながら、焼成炉KFの分散板44上に所定量の
原料が溜まって流動層が形成される。
【0104】ステップa2で、第1、第3、第4および
第5圧力損失検出手段46,101,102,131に
よって検出された検出値ΔP1,ΔP3,ΔP4,ΔP
5のうちいずれか、たとえば圧力損失検出手段131に
よって検出された焼成炉KF内の流動層および分散板4
4による圧力損失の検出値ΔP5が設定値ΔP5aに達
すると、ステップa3で第5制御手段132は第8気密
排出手段129に排出動作を開始させ、分散板44上に
所定の層厚の流動層を形成しながら余剰の原料をシュー
ト128、第8気密排出手段129およびシュート13
0を経て冷却装置FBQに供給する。このようにして冷
却装置FBQ内の各分散板146,147上に流動層が
形成され、ブロア143から各風箱141,142内に
供給された空気と熱交換した高温のガスが、ダクト14
8,149,150から最下段のサイクロンC2および
ダクト163を経て、熱交換器HRに導かれる。また、
残余の圧力損失検出手段46,101,102による検
出値ΔP1,ΔP3,ΔP4が対応する設定値ΔP1
a,ΔP3a,ΔP4aに達すると、対応する気密排出
手段47,82,85の排出動作を開始する。
【0105】ステップa4で冷却装置FBQの圧力損失
の検出値ΔP9が設定値ΔP9aに達したら、ステップ
a5で第9気密排出手段153の排出を開始し、冷却装
置FBQの圧力損失が一定になるよう排出量を制御す
る。
【0106】こうして熱交換器HR内のガスは徐々に昇
温し、この熱交換器HRから焼成炉KFに導かれるガス
の温度が上昇して、ダクト125、捕集サイクロンC0
およびダクト127から予熱/仮焼炉PCに高温のガス
が導かれる。このようにして予熱/仮焼炉PCおよび焼
成炉KF内の各流動層による圧力損失が設定値を下まわ
らないように原料の排出量が制御されながら、予熱/仮
焼炉PCへのガスの温度が上昇し、約700〜800℃
に達する。ステップa6で分岐手段45の切換部材18
4は、図3の仮想線184bから矢符A1方向に傾動さ
せて仮想線184aに示される位置へ配置し、焼成炉K
F側の第1排出部187を閉じ、予熱/仮焼炉PCから
の原料を熱交換器HRに導く。このとき第3気密排出手
段70はすでに排出動作しているため、所定の流量で原
料を熱交換器HRの上段の熱交換室167に供給するこ
とができる。
【0107】こうして上段の分散板72上には流動層が
形成され、ステップa7でこの流動層と分散板72とに
よる圧力損失は第6圧力損失検出手段170によって検
出される。この第6圧力損失検出手段170によって検
出された圧力損失の検出値ΔP6がその設定値ΔP6a
以上にならない限り、第4気密排出手段75は第6制御
手段171からの駆動信号によって排出動作しており、
上段の流動層を形成する原料の一部がシュート74、第
4気密排出手段75およびシュート76を経て下段の熱
交換室168内に導かれる。この下段の分散板77上に
形成される流動層および前記分散板77による圧力損失
は、第2圧力損失検出手段49によって検出される。そ
の検出値ΔP2が設定値ΔP2未満であれば、第2制御
手段51は第2気密排出手段50を停止させたままに維
持し、検出値ΔP2が設定値ΔP2a以上になったと
き、ステップa8で第2気密排出手段50が排出動作を
開始し、下段の流動層を形成する原料の一部がシュート
94、第2気密排出手段50およびシュート95に導か
れ、このシュート95に導かれた原料は輸送手段96に
よって上方へ輸送され、シュート97から予熱/仮焼炉
PCの最下段の予熱/仮焼室60内へ供給される。
【0108】このようにして予熱/仮焼炉PCと熱交換
器HRとの間を原料を循環させ、冷却装置FBQから導
かれるガスと熱交換させて高温のガスを焼成炉KFの風
箱へ燃焼用空気として供給する。したがって前述したよ
うにバーナ43の燃焼負荷が軽減され、燃料を節約する
ことができる。
【0109】このようにして予熱/仮焼炉PCおよび熱
交換器HR間で原料を循環させながら冷却装置FBQか
ら導かれるガスを加熱して焼成炉KFへ供給し、この焼
成炉KFで発生した高温のガスを予熱/仮焼炉PCに導
いて投入された原料を予熱しまたは仮焼するようにした
ので、無駄な熱の消費を防ぐことができ、熱損失量を少
なくすることができる。しかも前記予熱/仮焼炉PCは
多段流動層炉であるため、熱回収効率が高く、これによ
ってもまた熱効率を向上することができる。またこの予
熱/仮焼炉PCによって投入された原料を予熱しまたは
仮焼するので、原料にサイクロンを用いた場合のように
遠心力が作用せず、これによって予熱/仮焼炉PC内の
原料の温度が再炭酸化反応温度以上になってもコーチン
グの発生を防ぐことできる。
【0110】前記焼成炉KFによって焼成された原料す
なわち製品は、シュート128、第8気密排出手段12
9およびシュート130を介して冷却装置FBQに導か
れるとともに、焼成炉KFのフリーボードに浮遊する微
粉製品は、ダクト125から捕集サイクロンC0に導か
れる。この捕集サイクロンC0で捕集された微粉製品
は、シュート126によって前記シュート130に導か
れ、冷却装置FBQに供給される。冷却装置FBQに供
給された製品は、前記ブロア130から管路144,1
45によって導かれた空気と熱交換して冷却され、微粉
はダクト148,149,150を経て最下段のサイク
ロンC2で捕集され、また流動層を形成する粉粒体はシ
ュート152に導かれ、前記最下段のサイクロンC2か
らシュート151を介して導かれた微粉製品と合流し、
第7制御手段159による第9気密排出手段153の排
出動作によって、シュート154から系外のたとえば搬
出コンベア上へ排出される。
【0111】以上のように本実施の形態によれば、粉粒
状原料を予熱および/または仮焼するにあたって、予熱
/仮焼炉PCの分散板の下方から1100℃以上の高温
ガスが供給される。この高温ガスは、たとえば前記粉粒
状原料を焼成する焼成炉からのガスであって、その熱的
性質として、粉粒状原料は石灰石CaCO3 である場合
には、800℃以上の温度下で、 CaCO3→CaO+CO2−42.9kcal のように脱炭酸反応し、炭酸ガスCO2を発生する。
【0112】また粉粒状原料がドロマイトである場合に
は、600℃以上の温度下では、 CaCO3・MgCO3→CaCO3+MgO+CO2 のように反応して炭酸ガスCO2 を発生する。
【0113】したがって粉粒状原料として石灰石および
ドロマイトのいずれを用いた場合にも、焼成炉からのガ
スには炭酸ガスが含まれ、このようなガスを予熱に用い
ると、粉粒状原料は約600℃以上で再炭酸化反応を生
じ、再炭酸化したCaCO3(石灰石)の付着性が高く
なり、前述した従来技術ではサスペンションプレヒータ
などのサイクロン内で遠心力を受けて壁内面に付着し、
成長してコーチングを発生するが、本発明では、分散板
上に流動層を形成するので、付着性が高くなった石灰石
またはドロマイトの微粉が付着してコーチングを発生す
ることが防がれる。このような流動層を形成するため
に、分散板を備える流動層炉が用いられ、この流動層炉
には、1100℃の高温ガスが前記分散板の下方から供
給され、分散板上で粉粒状原料を流動化して充分に熱交
換し、高い熱回収効率で予熱/仮焼することができる。
【0114】また本実施の形態によれば、焼成炉KFに
は、熱交換器HRからのガスが導かれ、このガスによっ
て前記焼成炉KFに備えられるバーナが燃焼し、分岐手
段によって予熱/仮焼炉PCからの原料の一部分が導か
れ、この原料は流動化されながら焼成される。熱交換器
HRには、前記分岐手段45によって予熱/仮焼炉PC
からの原料の残余の部分が投入されるとともに、冷却装
置FBQからガスが導かれ、このガスと原料とが熱交換
し、この熱交換によって原料から熱回収して昇温したガ
スは、上記のように焼成炉KFに導かれる。このように
して焼成炉KFには熱交換器HRからの温度の高いガス
が供給されるので、バーナの熱負荷が低減され、燃焼量
を節約することができる。前記予熱/仮焼炉PCには、
前記焼成炉KFからガスが導かれ、各分散板65〜67
上に投入された原料を流動化して予熱しまたはさらに仮
焼する。このような焼成炉KF内のCaOが飛散して仮
焼炉PCに行き600℃以上のガスによって再炭酸化さ
れて付着力が高くなっても、各分散板65〜67上で流
動化されているため、炉壁などに付着するおそれはな
く、コーチングを生じない。このようにしてコーチング
の発生を防ぎ、熱交換効率を向上して、粉粒状原料を焼
成することができる。
【0115】さらに本実施の形態によれば、予熱/仮焼
炉PCにおける少なくとも最下段の流動層による圧力損
失ΔP1を第1圧力損失検出手段46によって検出し、
また熱交換器HRにおける少なくとも下段の流動層によ
る圧力損失ΔP2が第2圧力損失検出手段49によって
検出される。第1制御手段48は、第1圧力損失検出手
段46による圧力損失ΔP1が予め定める値になるよう
に、第1気密排出手段47による原料の流量を制御し、
また第2制御手段51は、第2圧力損失検出手段49に
よる圧力損失ΔP2が予め定める値になるように、第2
気密排出手段50による原料の流量を制御する。前記第
1気密排出手段47による原料の流量は、たとえば投入
量Rに等しくなるように選ばれ、このような投入量Rに
等しい第1気密排出手段47からの原料の流量となるよ
うに、第1制御手段48による流量が設定される。また
第2気密排出手段50による原料の流量は、熱交換器H
Rおよび予熱/仮焼炉PC間の原料の循環量Rcが一定
となるように定められ、これによって熱交換器HRから
焼成炉KFに導かれるガスの温度が一定に保たれ、焼成
炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれるガスの温度を安
定させ、原料の投入量Rの変化に追従して、予熱/仮焼
炉PCにおける原料の予熱温度または仮焼温度を一定に
保つことができる。また、投入量Rと無関係に循環量R
Cを第3気密排出装置70で制御でき、循環量RCを増
加すれば、熱交換器HRでの回収熱が増加し、予熱/仮
焼炉PCの温度が低下するので熱消費が低減できる。し
たがって熱交換器HRまたは予熱/仮焼炉PCの温度を
設定値になるように循環量RCを制御することが好まし
い。
【0116】図10は、本発明の実施の他の形態の粉粒
状原料の焼成装置41aを示す系統図である。なお、図
1〜図9に示される各焼成装置40,44と対応する部
分には同一の参照符を付す。本実施の形態の焼成装置4
1aは、予熱/仮焼炉PCの最上段の予熱/仮焼室のガ
スをダクト246によってサイクロンC3に導き、この
サイクロンC3によって捕集されたガス中の微粉はシュ
ート247によって焼成炉KFに導き、微粉が除去され
たガスだけをダクト248によって最上段のサイクロン
C1に導き、このダクト148に原料投入シュート90
を設けて粉粒状原料を投入するように構成される。
【0117】このような構成によって、最上段のサイク
ロンC1からダクト98および誘引ファン99によって
排出されるガス中の微粉を少なくすることができるの
で、誘引ファン99から排出されるガス中の微粉を除去
するための除塵器の構成を簡略化することができる。
【0118】図11は、本発明の実施のさらに他の形態
の粉粒状原料の焼成装置41bを示す系統図である。な
お、図1〜図10に示される各焼成装置40,41,4
1aと対応する部分には同一の参照符を付す。本実施の
形態の焼成装置41bは、輸送手段96によって熱交換
器HRからの原料を予熱/仮焼炉PCに導くための構成
において、輸送手段96をさらに上方に延長して、シュ
ート249から予熱/仮焼炉PCの中段の予熱/仮焼室
59に投入している。これによって熱交換器HRにおい
て冷却装置FBQからのガスと熱交換して顕熱を回収さ
れた温度の低下した原料を中段の流動層と最下段の流動
層とに滞留させて充分に加熱することができ、熱回収効
率を向上することができる。
【0119】図12は、本発明の実施のさらに他の形態
の粉粒状原料の焼成装置41cを示す系統図である。な
お、図1〜図11に示される各焼成装置40,41,4
1a,41bと対応する部分には同一の参照符を付す。
本実施の形態の焼成装置41cでは、捕集サイクロンか
ら予熱/仮焼炉PCにガスを導くダクト127から分岐
する分岐ダクト250を設けて、前記ダクト227内の
ガスの一部を輸送手段96に供給する。この輸送手段9
6は気流輸送手段によって実現され、この気流輸送手段
中で原料を浮遊して輸送するように構成される。具体的
には、前記輸送手段96は、空気輸送管によって実現さ
れ、輸送中における原料の放熱による温度低下を防ぐこ
とができる。分岐ダクト250には、輸送手段96に供
給するガスの流量を調整するために、流量調整弁258
が介在される。このような流量調整弁258の開閉制御
は、たとえば第2気密排出手段50と連動させ、この第
2気密排出手段50が排出動作を開始したときには流量
調整弁258を開放して輸送手段96に高温のガスを供
給し、第2供給排出手段50の排出動作が停止されたと
きには、流量調整弁258を閉鎖して輸送手段96への
ガスの供給を開始するようにしてもよく、あるいは第3
気密排出手段70の動作に連動して開閉動作させるよう
にしてもよい。
【0120】図13は、本発明の実施のさらに他の形態
の粉粒状原料の焼成装置41dを示す系統図である。な
お、図1〜図12に示される各焼成装置40,41,4
1a〜41cと対応する部分には同一の参照符を付す。
本実施の形態の焼成装置41dでは、最下段のサイクロ
ンC2からのガスを輸送手段96にダクト252によっ
て導き、このダクト252には流量調整弁253が介在
される。本実施の形態においても、前記輸送手段96は
気流輸送手段によって実現され、さらに具体的には空気
輸送管によって実現される。ダクト252は、最下段の
サイクロンC2から熱交換器HRの風箱169にガスを
導くダクト163から分岐して設けられ、このダクト1
63内のガスの一部を輸送手段96に導くことができ
る。このような構成によってもまた、輸送手段96によ
る原料の輸送中の温度低下を防ぎ、熱消費を低減するこ
とができる。
【0121】以上のように図2〜図13の本実施の形態
によれば、熱交換器HRにおいて、予熱/仮焼炉PCか
らの原料によって冷却装置FBQから導かれるガスが加
熱され、この加熱によって温度が低下した原料は、第2
気密排出手段50および気流輸送手段96を介して前記
予熱/仮焼炉PCに戻される。前記気密排出手段50に
よって、熱交換器HRから予熱/仮焼炉PCに原料だけ
が導かれ、ガスを遮断することができる。こうして熱交
換器HRと予熱/仮焼炉PCとの間で原料だけを循環さ
せ、熱交換器HRにおいて熱媒体として用いることがで
きる。前記気流輸送手段96は気密排出手段50によっ
て導かれた原料をガスによって浮遊して輸送し、前記予
熱/仮焼炉PCに供給する。このガスは、焼成炉KFか
ら予熱/仮焼炉PCに導かれるガスの一部分を分岐して
用いられ、これによって気流輸送中に原料が加熱され、
予熱/仮焼炉PCの炉内の温度低下が防がれる。
【0122】また図13の本実施の形態によれば、熱交
換器HRにおいて、予熱/仮焼炉PCからの原料によっ
て冷却装置FBQから導かれるガスが加熱され、この加
熱によって温度が低下した原料は、気密排出手段50お
よび気流輸送手段96を介して前記予熱/仮焼炉PCに
戻される。前記気密排出手段96によって、熱交換器H
Rから予熱/仮焼炉PCに原料だけが導かれ、ガスを遮
断することができる。こうして熱交換器HRと予熱/仮
焼炉PCとの間で原料だけを循環させ、熱交換器HRに
おいて熱媒体として用いることができる。前記気流輸送
手段96は気密排出手段50によって導かれた原料をガ
スによって浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼炉PCに供
給する。このガスは、冷却装置FBQから熱交換器HR
に導かれるガスの一部分を分岐して用いられ、これによ
って気流輸送中に原料が冷却され、予熱/仮焼炉PCの
炉内の温度低下し、それに伴って排ガス温度も低下する
ので、熱消費が低減できる。
【0123】また図12の本実施の形態によれば、熱交
換器HRにおいて、予熱/仮焼炉PCからの原料によっ
て冷却装置FBQから導かれるガスが加熱され、この加
熱によって温度が低下した原料は、気密排出手段50お
よび気流輸送手段96を介して前記予熱/仮焼炉PCに
戻される。前記気密排出手段50によって、熱交換器H
Rから予熱/仮焼炉PCに原料だけが導かれ、ガスを遮
断することができる。こうして熱交換器HRと予熱/仮
焼炉PCとの間で原料だけを循環させ、熱交換器HRに
おいて熱媒体として用いることができる。前記気流輸送
手段96は気密排出手段50によって導かれた原料をガ
スによって浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼炉PCに供
給する。このガスは、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PC
に導かれるガスの一部分を分岐して用いられ、これによ
って気流輸送中に原料が加熱され、予熱/仮焼炉PCの
炉内の温度低下が防がれるので、熱交換器HRの温度が
上昇し、熱消費が低減する。
【0124】さらに以上の本実施の各形態によれば、分
岐手段45によって予熱/仮焼炉PCから焼成炉KFに
導かれる原料の流量と、前記予熱/仮焼炉PCから熱交
換器HRに導かれる原料の流量との比が可変であるの
で、予熱/仮焼炉PCおよび熱交換器HR間の原料の循
環量を一定に維持して熱交換器HRから焼成炉KFに導
かれるガスの温度を一定に保ち、かつ予熱/仮焼炉PC
から焼成炉KFに導かれる原料の流量を投入量と等しく
して、コーチングを発生させずに連続運転が可能となり
焼成物の生産量を安定させることができる。
【0125】さらに以上の本実施の各形態によれば、分
岐手段45と熱交換器HRとの間にロータリフィーダに
よって実現される第3気密排出手段70が介在されるの
で、予熱/仮焼炉PCから原料だけを熱交換器HRに導
き、ガスの流入を遮断することができ、これによって前
記分岐手段45が予熱/仮焼炉PCからの原料を熱交換
器HRに導くたびに予熱/仮焼炉PC内で原料を流動化
するための圧力が低減してしまうという不具合が防が
れ、予熱/仮焼炉PC内で希望する層厚または圧力損失
で原料を流動化して、投入された原料を安定して予熱
し、あるいはさらに仮焼することができる。
【0126】さらに以上の本実施の各形態によれば、冷
却装置FBQでは、前記焼成炉KFから導かれた原料を
空気によって冷却し、この原料から熱回収した高温の空
気は熱交換器HRに導かれる。このような熱交換器HR
には、前記予熱/仮焼炉PCから予熱され、またはさら
に仮焼された原料が導かれ、前記冷却装置FBQから導
かれたガスと熱交換して前記ガスが昇温され、この昇温
されたガスは焼成炉KFに導かれて前記バーナ43の燃
焼用空気として用いられるとともに、原料を流動化する
ためのガスとして用いられる。このようにして焼成炉K
Fには熱交換器HRから高温ガスが供給されるので、前
記バーナ43の熱負荷が軽減され、バーナの燃焼量を節
約して、熱効率を向上することができる。
【0127】以上の図2〜図13に示される各実施の形
態の焼成装置41,41a〜41dでは、第1〜第6圧
力損失検出手段46,49,101,102,131,
170は流動層および分散板による圧力損失を検出する
ように構成されたけれども、本発明の実施のさらに他の
形態として、図14に示されるように、分散板の上面近
傍と流動層の界面よりも上方のフリーボード部における
圧力損失をそれぞれ検出するようにしてもよい。このよ
うに流動層だけによる圧力損失を検出する場合には、分
散板による圧力損失量が除外されるので、長期の使用に
よって分散板の透孔に付着物が付着して通気量が変化し
ても、流動層だけによる圧力損失に基づいて各排出手段
による排出量を制御することができ、各排出手段の排出
量に分散板の影響が及ばず、誤動作を防ぐことができ
る。
【0128】上述の形態において、流動層差圧は原料の 滞留時間=滞留量(kg)/原料投入量(kg/h) 滞留量=流動層面積(m2)×流動層差圧(kg/m2) の関係で、粒径に対応した必要滞留時間に応じて設定す
る。これを一定に保てば、投入量Rと排出量はバランス
している。なお、流動層への投入位置を界面より少し上
にするのはシュート詰まりなくスムーズに投入するため
である。また予熱/仮焼炉PCから熱交換器HRへの媒
体供給量、すなわち原料の循環量は、他の流動差圧がす
べて一定で任意に調整できる。循環量が多くなれば熱交
換器HRでの熱回収が増加し、予熱/仮焼炉PCの温度
ひいては排ガス温度が低下する。循環量は熱交換器HR
から焼成炉KFに回収する温度または予熱/仮焼炉PC
の温度が設定値になるよう制御する。
【0129】サイクロンC1,C2下の気密排出手段9
2,501は、流量制御不要で、気密のために設置して
いるので一定回転でよい。その他の気密排出手段は、す
べて流量制御が必要で、Lバルブ、ロータリフィーダど
ちらでもよく、Lバルブはロータリフィーダより高温に
耐え得る。したがって、たとえば予熱/仮焼炉PCから
熱交換器HRへの気密排出手段70はロータリフィーダ
に代えてLバルブでもよい。また、分岐手段43の切換
え部材184がなくても、各気密排出手段47,70は
それぞれ独立して流量制御できるので、流動比η=Q1
/Q2(またはR/RC)は任意に調整できる。
【0130】以上の本発明の実施の各形態では、3段の
多段流動層炉を構成する予熱/仮焼炉PCを用いるよう
にしたけれども、本発明の実施のさらに他の形態として
単一段の流動層炉によって実現される予熱/仮焼炉PC
を用いるようにしてもよく、あるいは4段以上の流動層
炉によって実現される予熱/仮焼炉PCを用いるように
してもよい。
【0131】また以上の実施の各形態では、2段の流動
層炉によって実現される熱交換器HRを用いるようにし
たけれども、本発明の実施のさらに他の形態として、単
一段の流動層炉によって実現される熱交換器HRであっ
てもよく、あるいは3段以上の流動層炉によって実現さ
れる熱交換器HRを用いるようにしてもよい。
【0132】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、粉粒状
原料を予熱および/または仮焼するにあたって、焼成炉
KFからサイクロンC0によって微粉焼成物を除去した
排ガスが流動層予熱/仮焼炉PCに導かれるので、コー
チングを発生することが防がれ、粉粒状原料を流動化し
て充分に熱交換し、高い熱回収効率で予熱/仮焼するこ
とができる。また、予熱/仮焼炉PCの流動層の圧力損
失が予め定める値となるように制御されるので予熱/仮
焼炉PC内の温度の上昇を防ぎ、コーチングの発生を防
止することができる。
【0133】請求項2記載の本発明によれば、焼成炉K
Fには、流動層形熱交換器HRからのガスが導かれ、こ
のガスによって前記焼成炉KFに備えられるバーナが燃
焼し、分岐手段によって流動層形予熱/仮焼炉PCから
の原料の一部分が導かれ、この原料は流動化されながら
焼成される。熱交換器HRには、前記分岐手段によって
予熱/仮焼炉PCからの原料の残余の部分が投入される
とともに、冷却装置FBQからガスが導かれ、このガス
と原料とが熱交換し、この熱交換によって原料から熱回
収して昇温したガスは、上記のように焼成炉KFに導か
れる。
【0134】このようにして焼成炉KFには熱交換器H
Rからの温度の高いガスが供給されるので、バーナの熱
負荷が低減され、燃焼量を節約することができる。前記
予熱/仮焼炉PCには、前記焼成炉KFからガスが導か
れ、分散板上に投入された原料を流動化して予熱しまた
は仮焼する。焼成炉KF内の微粉が予熱/仮焼炉PCに
行き、仮焼炉PCからのガスによって再炭酸化されて付
着力が高くなっても、分散板上で流動化されているた
め、炉壁などに付着するおそれはなく、コーチングを生
じない。このようにしてコーチングの発生を防ぎ、熱回
収効率を向上して、粉粒状原料を焼成することができ
る。
【0135】請求項3記載の本発明によれば、予熱/仮
焼炉PCにおける流動層による圧力損失は第1圧力損失
検出手段によって検出し、また熱交換器HRにおける流
動層による圧力損失が第2圧力損失検出手段によって検
出される。第1制御手段は、第1圧力損失検出手段によ
る圧力損失が予め定める値になるように、第1気密排出
手段による原料の流量を制御し、また第2制御手段は、
第2圧力損失検出手段による圧力損失が予め定める値に
なるように、第2気密排出手段による原料の流量を制御
する。前記第1気密排出手段による原料の流量は、たと
えば投入量に等しくなるように選ばれ、このような投入
量に等しい第1気密排出手段からの原料の流量となるよ
うに、第1制御手段による制御量が設定される。
【0136】また第2気密排出手段による原料の流量
は、予熱/仮焼炉PCまたは熱交換器HRの温度を設定
し、熱交換器および予熱/仮焼炉PC間の原料の循環量
が一定となるように調整される。これによって熱交換器
HRから焼成炉KFに導かれるガスの温度が一定に保た
れ、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれるガスの
温度を安定させ、原料の投入量の変化に追従して、予熱
/仮焼炉PCにおける原料の予熱温度または仮焼温度を
一定に保つことができる。
【0137】請求項4記載の本発明によれば、流動層形
熱交換器HRにおいて、流動層形予熱/仮焼炉PCから
の原料によって冷却装置FBQから導かれるガスが加熱
され、この加熱によって温度が低下した原料は、気密排
出手段および気流輸送手段を介して前記予熱/仮焼炉P
Cに戻される。前記気密排出手段によって、熱交換器H
Rから予熱/仮焼炉PCに原料だけが導かれ、ガスを遮
断することができる。こうして熱交換器HRと予熱/仮
焼炉PCとの間で原料だけを循環させ、熱交換器HRに
おいて熱媒体として用いることができる。前記気流輸送
手段は気密排出手段によって導かれた原料をガスによっ
て浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼炉PCに供給する。
このガスは、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれ
るガスの一部分を分岐して用いられ、これによって気流
輸送中に原料が加熱され、予熱/仮焼炉PCの炉内の温
度低下が防がれるとともに、原料による熱回収効率が向
上される。
【0138】請求項5記載の本発明によれば、流動層形
熱交換器HRにおいて、流動層形予熱/仮焼炉PCから
の原料によって冷却装置FBQから導かれるガスが加熱
され、この加熱によって温度が低下した原料は、気密排
出手段および気流輸送手段を介して前記予熱/仮焼炉P
Cに戻される。前記気密排出手段によって、熱交換器H
Rから予熱/仮焼炉PCに原料だけが導かれ、ガスを遮
断することができる。こうして熱交換器HRと予熱/仮
焼炉PCとの間で原料だけを循環させ、熱交換器HRに
おいて熱媒体として用いることができる。前記気流輸送
手段は気密排出手段によって導かれた原料をガスによっ
て浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼炉PCに供給する。
このガスは、冷却装置FBQから熱交換器HRに導かれ
るガスの一部分を分岐して用いられ、これによって気流
輸送中に原料が冷却され、予熱/仮焼炉PCの炉内の温
度が低下し、それに伴って排ガス温度が低下する。
【0139】請求項6記載の本発明によれば、流動層形
熱交換器HRにおいて、流動層形予熱/仮焼炉PCから
の原料によって冷却装置FBQから導かれるガスが加熱
され、この加熱によって温度が低下した原料は、気密排
出手段および気流輸送手段を介して前記予熱/仮焼炉P
Cに戻される。前記気密排出手段によって、熱交換器H
Rから予熱/仮焼炉PCに原料だけが導かれ、ガスを遮
断することができる。こうして熱交換器HRと予熱/仮
焼炉PCとの間で原料だけを循環させ、熱交換器HRに
おいて熱媒体として用いることができる。前記気流輸送
手段は気密排出手段によって導かれた原料をガスによっ
て浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼炉PCに供給する。
このガスは、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導かれ
るガスの一部分を分岐して用いられ、これによって気流
輸送中に原料が加熱され、予熱/仮焼炉PCの炉内の温
度低下が防がれるとともに、原料による熱回収効率が向
上する。
【0140】請求項7記載の本発明によれば、流動層形
熱交換器HRにおいて、流動層形予熱/仮焼炉PCから
の原料によって冷却装置FBQから導かれるガスが加熱
され、この加熱によって温度が低下した原料は、気密排
出手段および気流輸送手段を介して前記予熱/仮焼炉P
Cに戻される。前記気密排出手段によって、熱交換器H
Rから予熱/仮焼炉PCに原料だけが導かれ、ガスを遮
断することができる。こうして熱交換器HRと予熱/仮
焼炉PCとの間で原料だけを循環させ、熱交換器HRに
おいて熱媒体として用いることができる。前記気流輸送
手段は気密排出手段によって導かれた原料をガスによっ
て浮遊して輸送し、前記予熱/仮焼炉PCに供給する。
このガスは、冷却装置FBQから熱交換器HRに導かれ
るガスの一部分を分岐して用いられ、これによって気流
輸送中に原料が冷却され、予熱/仮焼炉PCの炉内の温
度が低下し、排ガス温度も低下する。
【0141】請求項8記載の本発明によれば、焼成炉K
Fから予熱/仮焼炉PCに導かれるガスを捕集装置C0
に導いてそのガス中に含まれる微粉が捕集されるので、
予熱/仮焼炉PC内の炉壁および分散板などにコーチン
グが発生することをより確実に防ぐことができる。また
この捕集装置C0で捕集した微粉は冷却装置FBQに供
給されるので、原料が無駄にならず、経済的である。ま
た、微粉の顕熱も回収するので、より熱消費を低減でき
る。
【0142】請求項9記載の本発明によれば、分岐手段
によって予熱/仮焼炉PCから焼成炉KFに導かれる原
料の流量と、前記予熱/仮焼炉PCから熱交換器HRに
導かれる原料の流量との比が可変であるので、予熱/仮
焼炉PCおよび熱交換器HR間の原料の循環量を一定に
維持して、熱交換器HRから焼成炉KFに導かれるガス
の温度を一定に保ち、かつ予熱/仮焼炉PCから焼成炉
KFに導かれる原料の流量を投入量と等しくして、コー
チングを発生させずに連続運転が可能となり、焼成物を
安定して生成することができる。
【0143】請求項10記載の本発明によれば、分岐手
段と熱交換器HRとの間にロータリフィーダによって実
現される第3気密排出手段が介在されるので、予熱/仮
焼炉PCから原料だけを熱交換器HRに導き、ガスの流
入を遮断することができる。これによって前記分岐手段
が予熱/仮焼炉PCからの原料を熱交換器HRに導くた
びに予熱/仮焼炉PC内で原料を流動化するためのガス
圧力が低減してしまうという不具合が防がれ、予熱/仮
焼炉PC内で希望する層厚または圧力損失で原料を流動
化して、投入された原料を安定して予熱し、あるいは仮
焼することができる。
【0144】請求項11記載の本発明によれば、予熱/
仮焼炉PCには焼成炉KFから高温のガスが導かれ、こ
のガスによって分散板上に投入された粉粒状原料が流動
化されながら予熱され、あるいはさらに仮焼される。予
熱/仮焼炉PCで予熱されまたは仮焼された原料は焼成
炉KFに導かれ、バーナの燃焼による高温ガスによって
焼成されて、冷却装置FBQに導かれる。この冷却装置
FBQでは、前記焼成炉KFから導かれた原料を空気に
よって冷却し、この原料から熱回収した高温の空気は熱
交換器HRに導かれる。このような熱交換器HRには、
前記予熱/仮焼炉PCから予熱され、またはさらに仮焼
された原料が導かれ、前記冷却装置FBQから導かれた
ガスと熱交換して前記ガスが昇温され、この昇温された
ガスは焼成炉KFに導かれて前記バーナの燃焼用空気と
して用いられるとともに、原料を流動化するためのガス
として用いられる。このようにして焼成炉KFには熱交
換器HRから高温ガスが供給されるので、前記バーナの
熱負荷が軽減され、バーナの燃焼量を節約して、熱効率
を向上することができる。
【0145】前記予熱/仮焼炉PCと熱交換器HRとの
間には、分岐手段が設けられる。この分岐手段は、予熱
/仮焼炉PCからの原料の一部分を分岐して焼成炉KF
に導き、前記予熱/仮焼炉PCからの原料の残部を前記
熱交換器HRに導き、この原料の残部は前述したように
熱交換器HRにおいて熱媒体として用いられ、冷却装置
FBQからのガスを加熱する。前記分岐手段によって焼
成炉KFに導かれる原料の一部分は、たとえば原料の投
入量に等しくなるようにその流量が設定され、前記予熱
/仮焼炉PC、焼成炉KFおよび熱交換器HRのいずれ
か1箇所であるいは複数箇所で原料が滞留してしまうこ
とを防ぎ、焼成物の生成量の変動、および熱回収効率の
低下が防がれる。
【0146】前記予熱/仮焼炉炉PCの流動層の圧力損
失は、第1圧力損失検出手段によって検出され、熱交換
器HRにおける流動層の圧力損失は第2圧力損失検出手
段によって検出される。また分岐手段によって分岐され
た原料の一部分は、第1気密排出手段によって焼成炉K
Fに気密に排出され、この第1気密排出手段は前記第1
圧力損失検出手段による圧力損失が予め定める値になる
ように第1気密排出手段による原料の流量が第1制御手
段によって制御される。さらに熱交換器HRからの原料
は、第2気密排出手段によって予熱/仮焼炉PCに気密
に排出される。この第2気密排出手段は、前記第2圧力
損失検出手段による圧力損失が予め定める値となるよう
に第2気密排出手段による原料の流量が第2制御手段に
よって制御される。前記分岐手段と熱交換器HRとの間
には第3気密排出手段が介在される。
【0147】運転を開始するにあたっては、まず前記予
熱/仮焼炉PCに原料を投入し、この予熱/仮焼炉PC
からの原料を分岐手段によって焼成炉KFに導く。この
とき、焼成炉KFに導かれる原料の流量は、熱交換器H
R側に比べて大きくなるように設定され、第1制御手段
によって第1気密排出手段による原料の流量が、第1圧
力損失検出手段によって検出される圧力損失が前記予め
定める値になるように制御する。このようにして第1圧
力損失検出手段による予熱/仮焼炉PCの流動層の圧力
損失が予め定める値に達したときには、前記分岐手段に
よって熱交換器HR側に供給する原料の流量の割合を前
記焼成炉KF側に供給する原料の流量よりも大きくし
て、予め定める分岐比率に達する。熱交換器HR側への
割合を大きくし、第1および第2圧力損失検出手段によ
る圧力損失がともに予め定める値になった後、前記第3
気密排出手段による原料の流量の制御を開始し、この第
3気密排出手段による原料の流量が予め定める値になる
ように排出量を調整し、このようにしてコーチングを生
じることなしに焼成物の生成量を一定に保ち、原料とガ
スとの熱回収率を向上して、安定した操業を行うことが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の微粒状原料の焼成装置
40を示す系統図である。
【図2】気密排出手段47の具体的構成を示す拡大断面
図であり、図2(1)はLバルブ196にノズル部材1
97を設けた気密排出手段47aを示し、図2(2)は
Lバルブ196に前記ノズル部材196に代えて押圧棒
197を設けた気密排出手段47bを示す。
【図3】気密排出手段50の具体的構成を示す拡大断面
図である。
【図4】焼成装置40に備えられる気密排出手段47,
82,85,129,153を制御するための制御装置
234の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】制御装置234の制御動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図6】本発明の実施の他の形態の粉粒状原料の焼成装
置41を示す系統図である。
【図7】分岐手段45の具体的構成を示す拡大断面図で
ある。
【図8】焼成装置41に備えられる第1〜第6、第8お
よび第9気密排出手段47,50,70,75,82,
85,129,152を制御するための制御装置234
aの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】制御装置234aの制御動作を説明するための
フローチャートである。
【図10】本発明の実施の他の形態の粉粒状原料の焼成
装置41aを示す系統図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態の粉粒状原料
の焼成装置41bを示す系統図である。
【図12】本発明の実施のさらに他の形態の粉粒状原料
の焼成装置41cを示す系統図である。
【図13】本発明の実施のさらに他の形態の粉粒状原料
の焼成装置41dを示す系統図である。
【図14】本発明の実施のさらに他の形態の粉粒状原料
の焼成装置41eを示す系統図である。
【図15】典型的な従来技術の粉粒状原料の焼成装置1
を示す系統図である。
【符号の説明】
40,41,41a〜41e 焼成装置 44,62〜64,72,77,139,140 分散
板 45 分岐手段 46,49,101,102,131,170,502
圧力損失検出手段 47,50,70,75,82,85,92,129,
153,501 気密排出手段 48,51,103,104,132,134,15
9,171 制御手段 96 輸送手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 2/10 B01J 6/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独または複数段の流動層の分散板上に
    粉粒状原料を投入して予熱および/または仮焼する流動
    層形予熱/仮焼炉PCと、バーナを備え、予熱および/
    または仮焼された原料を焼成する流動層形焼成炉KF
    と、焼成炉KFで焼成された焼成物を空気によって冷却
    する冷却装置FBQとを備える粉粒状原料の焼成装置に
    おいて、 焼成炉KFの排ガスは微粉焼成物を捕集するサイクロン
    C0を経て、前記流動層形予熱/仮焼炉PCに導入さ
    れ、 予熱/仮焼炉PCにおける流動層の圧力損失を検出する
    圧力損失検出手段と、 予熱/仮焼炉PCから予熱および/または仮焼された原
    料を排出し、前記焼成炉KFに気密に排出する気密排出
    手段と、 圧力損失検出手段の出力に応答し、圧力損失検出手段に
    よって検出される圧力損失が予め定める値になるよう
    に、気密排出手段による原料の流量を制御する制御手段
    とを含むことを特徴とする粉粒状原料の焼成装置。
  2. 【請求項2】 粉粒状原料を分散板上に投入して予熱お
    よび/または仮焼する流動層形予熱および/または仮焼
    炉PCと、 バーナを備え、予熱および/または仮焼された原料を焼
    成する流動層形焼成炉KFと、 焼成炉KFからの焼成物を空気によって冷却する冷却装
    置FBQと、 予熱/仮焼炉PCからの予熱および/または仮焼された
    原料を分岐して、その原料の分岐した一部分を焼成炉K
    Fに導く分岐手段と、 予熱/仮焼炉PCからの予熱および/または仮焼された
    原料の分岐手段によって分岐された残余が投入され、こ
    の投入された原料によって、冷却装置FBQから導かれ
    るガスが加熱され、この加熱されたガスを焼成炉KFに
    導き、原料を予熱/仮焼炉PCに戻す流動層形熱交換器
    HRとを含むことを特徴とする粉粒状原料の焼成装置。
  3. 【請求項3】 予熱/仮焼炉PCにおける流動層の圧力
    損失を検出する第1圧力損失検出手段と、 分岐手段から原料を焼成炉KFに気密に排出する第1気
    密排出手段と、 第1圧力損失検出手段の出力に応答し、第1圧力損失検
    出手段によって検出される圧力損失が予め定める値にな
    るように、第1気密排出手段による原料の流量を制御す
    る第1制御手段と、 熱交換器HRにおける流動層の圧力損失を検出する第2
    圧力損失検出手段と、熱交換器HRから原料を予熱/仮
    焼炉PCに気密に排出する第2気密排出手段と、 第2圧力損失検出手段の出力に応答し、第2圧力損失検
    出手段によって検出される圧力損失が予め定める値にな
    るように、第2気密排出手段による原料の流量を制御す
    る第2制御手段とを含むことを特徴とする請求項2記載
    の粉粒状原料の焼成装置。
  4. 【請求項4】 熱交換器HRからの原料を、気密排出手
    段および気流輸送手段をこの順序で介して予熱/仮焼炉
    PCに戻し、 気流輸送手段は、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導
    かれるガスの一部分を分岐して用い、原料を浮遊して輸
    送することを特徴とする請求項2記載の粉粒状原料の焼
    成装置。
  5. 【請求項5】 熱交換器HRからの原料を、気密排出手
    段および気流輸送手段をこの順序で介して予熱/仮焼炉
    PCに戻し、 気流輸送手段は、冷却装置FBQから熱交換器HRに導
    かれるガスの一部分を分岐して用い、原料を浮遊して輸
    送することを特徴とする請求項2記載の粉粒状原料の焼
    成装置。
  6. 【請求項6】 第2気密排出手段と予熱/仮焼炉PCと
    の間に原料の気流輸送手段を介在し、 気流輸送手段は、焼成炉KFから予熱/仮焼炉PCに導
    かれるガスの一部分を分岐して用い、原料を浮遊して輸
    送することを特徴とする請求項3記載の粉粒状原料の焼
    成装置。
  7. 【請求項7】 第2気密排出手段と予熱/仮焼炉PCと
    の間に原料の気流輸送手段を介在し、 気流輸送手段は、冷却装置FBQから熱交換器HRに導
    かれるガスの一部分を分岐して用い、原料を浮遊して輸
    送することを特徴とする請求項3記載の粉粒状原料の焼
    成装置。
  8. 【請求項8】 焼成炉KFからのガスを予熱/仮焼炉P
    Cに導くガス経路に、微粉を捕集する捕集装置C0を介
    在し、その捕集した微粉を冷却装置FBQに供給するこ
    とを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の粉粒状
    原料の焼成装置。
  9. 【請求項9】 分岐手段は、 焼成炉KFと熱交換器HRとに、予熱/仮焼炉PCから
    の原料を分岐する各流路の流量比を可変とすることを特
    徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の粉粒状原料の
    焼成装置。
  10. 【請求項10】 分岐手段から原料を熱交換器HRに気
    密に排出する第3気密排出手段が設けられ、 この第3気密排出手段は、ハウジング内で羽根車を駆動
    手段によって回転し、分岐手段と流動層形熱交換器HR
    とを気密にするロータリフィーダであることを特徴とす
    る請求項3記載の粉粒状原料の焼成装置。
  11. 【請求項11】 粉粒状原料の焼成装置を準備し、 この焼成装置は、 原料を分散板上に投入して予熱および/または仮焼する
    流動層形予熱/仮焼炉PCと、 バーナを備え、予熱および/または仮焼された原料を焼
    成する流動層形焼成炉KFと、 焼成炉KFからの原料を空気によって冷却する冷却装置
    FBQと、 予熱/仮焼炉PCからの予熱および/または仮焼された
    原料を分岐して、その原料の分岐した一部分を焼成炉K
    Fに導く分岐手段と、 予熱/仮焼炉PCからの予熱および/または仮焼された
    原料の分岐手段によって分岐された残余が投入され、こ
    の投入された原料によって、冷却装置FBQから導かれ
    るガスが加熱され、この加熱されたガスを焼成炉KFに
    導き、原料を予熱/仮焼炉PCに戻す流動層形熱交換器
    HRと、 予熱/仮焼炉PCにおける流動層の圧力損失を検出する
    第1圧力損失検出手段と、 分岐手段から原料を焼成炉KFに気密に排出する第1気
    密排出手段と、 第1圧力損失検出手段の出力に応答し、第1圧力損失検
    出手段によって検出される圧力損失が予め定める値にな
    るように、第1気密排出手段による原料の流量を制御す
    る第1制御手段と、 熱交換器HRにおける流動層の圧力損失を検出する第2
    圧力損失検出手段と、 熱交換器HRから原料を予熱/仮焼炉PCに気密に排出
    する第2気密排出手段と、 第2圧力損失検出手段の出力に応答し、第2圧力損失検
    出手段によって検出される圧力損失が予め定める値にな
    るように、第2気密排出手段による原料の流量を制御す
    る第2制御手段と、 分岐手段と熱交換器HRとの間に介在される第3気密排
    出手段とを含み、 先ず、予熱/仮焼炉PCから原料を投入してゆき、予熱
    /仮焼炉PCからの原料を、分岐手段によって、熱交換
    器側HRに比べて焼成炉KFに大きい流量で供給し、第
    1圧力損失検出手段によって検出される圧力損失が予め
    定める値になるように、第1気密排出手段による原料の
    流量を制御し、 次に、分岐手段によって熱交換器HR側に供給する原料
    の流量の割合を大きくして予め定める分岐比率にまでも
    たらし、 第1および第2圧力損失検出手段によって検出される圧
    力損失が、予め定める値になった後、第3気密排出手段
    による原料の流量を予め定める値に制御することを特徴
    とする粉粒状原料の焼成装置の運転方法。
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