JP2002122305A - 循環流動層焼却炉の運転方法 - Google Patents

循環流動層焼却炉の運転方法

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JP2002122305A
JP2002122305A JP2000314583A JP2000314583A JP2002122305A JP 2002122305 A JP2002122305 A JP 2002122305A JP 2000314583 A JP2000314583 A JP 2000314583A JP 2000314583 A JP2000314583 A JP 2000314583A JP 2002122305 A JP2002122305 A JP 2002122305A
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air
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fluidized
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JP2000314583A
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English (en)
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Tsuneki Yamauchi
恒樹 山内
Hiroki Honda
裕姫 本多
Yoshihito Shimizu
義仁 清水
Masatomo Henmi
眞知 逸見
Toshikazu Hotta
俊和 堀田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砂循環量を容易に適正値に保つことが可能な
流動層焼却炉の運転方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 コントロール部30は、炉床部圧力P1
と炉頂部圧力P2をそれぞれ圧力検出器30a、30b
によって検出し、両者の圧力差ΔP=(P1−P2)が
所定規制ゾーンに入るように制御する。この制御は、コ
ンベヤ49の駆動源であるモータ49aを制御して砂戻
し量を操作する方法、ダンパ20b、21bを開度制
御してシールポット空気量を操作する方法、ダンパ1
8b、19bを開度制御して一次空気18と二次空気1
9との配分比率を操作する方法、又はダンパ22b、
23b、24bの何れかを選択的に開くか若しくは開度
制御して二次空気19の供給高さや各高さの量を操作す
る方法、のいずれか1つ又は複数の組合せにより、流動
砂10dの循環量を調整することで、行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水汚泥、都市ご
み、産業廃棄物等の固形炭素質系を焼却する循環流動層
焼却炉の運転方法に係り、特に下水汚泥のように高水分
廃棄物の循環流動層焼却炉の運転方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、下水汚泥、都市ごみ又は産業
廃棄物等の処理には、流動層焼却炉が広く用いられてい
る。この流動層焼却炉は瞬時に廃棄物を乾燥、焼却でき
ることが最大の特徴である。また、炉床部が定常的に高
温に保持されており、かつ十分に蓄熱されているため、
廃棄物の供給の瞬時変動に対して不安定にならない等の
利点により、廃棄物の中でも、特に高含水率の下水汚泥
に適している。
【0003】かかる流動層焼却炉は、都市ごみや脱水汚
泥等の焼却炉に多く見られる気泡流動層炉と、石炭焚き
発電ボイラや一部廃棄物との混焼用焼却炉に見られる循
環流動層炉とに分類される。前者の気泡流動層炉の構造
は、概説すると、炉底に砂等の流動媒体を充填してその
下方から高圧空気の吹込みにより流動状態にして該流動
媒体中に投入した廃棄物を瞬時に乾燥、焼却するもので
あり、これにより、流動媒体を高温に維持して連続瞬時
焼却を可能にしている。また、流動媒体の持つ熱容量が
非常に大きいため、停止時の放熱が少なく、間欠運転に
も適するという特徴を有しており、さらに該流動媒体の
熱伝達率が大きいため、汚泥の乾燥能力も高い。
【0004】しかしながら、近年の汚泥性状の変化によ
り、汚泥中の揮発分が炉内上部のフリーボードで活発な
燃焼を起こすという問題が生じており、炉内温度の均一
化や排ガス量の低下等の目的から、上記気泡流動層炉で
はなく、吹込み空気の速度を上げることにより流動媒体
が炉内を循環する上記循環流動層炉が多用される傾向に
ある。かかる循環流動層炉は、炉底から吹き込む一次空
気の速度を流動媒体の終末速度(流動媒体が飛散し始め
る速度)以上とし、投入された汚泥と該流動媒体とを激
しく混合しながら飛散させ、該飛散した流動媒体や汚泥
等を二次空気の吹込みによりフリーボードへ同伴して該
フリーボードで完全燃焼させ、該流動媒体を循環利用す
るものである。この作用により、流動媒体は高温化した
フリーボードの余熱を吸収して昇温し、高温化した流動
媒体が炉底へ還流することから、循環流動層炉を用いる
と、汚泥等の高含水率の廃棄物でも効率良く乾燥・焼却
することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような循環流動層
炉の砂循環量を適正値に保てない場合、例えば、流動媒
体保有量が少ない場合は炉底温度の低下による運転停止
につながり、流動媒体保有量が多い場合は送風機動力の
浪費につながることから、従来の下水汚泥循環流動層炉
においては、炉頂と炉床の温度差から運転制御して、砂
循環量を適正値に保っていた。
【0006】しかしながら、温度差のみ制御では、気泡
流動領域における温度低下やフリーボード部での温度上
昇に対応できず、運転の不安定や機器の損傷といった問
題が生じていた。また、排ガスの未燃分の処理もコスト
等との関係で問題となっていた。本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたものであり、砂循環量を容易に適正値
に保ち、効率良く乾燥・燃焼が可能な流動層焼却炉の運
転方法を提供することを目的とする。また、本発明の別
の目的は、排ガス処理にも配慮した流動層焼却炉の運転
方法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するためになされたものであり、下水汚泥の循環流
動層炉の運転制御において、炉頂と炉床との圧力差及び
/又は炉頂と炉床の温度を用いている。
【0008】炉床部圧力P1と炉頂部圧力P2との差を
一定にすべく、炉内保有砂量を増減することにより砂循
環量を制御する方法である。この方法によると、砂循環
量を常に適当な量に保つことが可能になり、温度変動及
びランニングコストの少ない運転が可能になる。
【0009】砂循環量の制御は、砂戻し量操作、シール
ポット空気量操作、一次空気と二次空気との配分比率の
操作又は二次空気の供給高さの変更操作のいずれか1つ
又は複数の組み合わせにより行うことができる。
【0010】本発明は、気泡流動領域の温度T1を65
0℃以上に、フリーボード部温度T2を950℃以下に
すべく、炉内保有砂量を増減することにより、砂循環量
を制御する方法である。この方法によると、助燃料の着
火点に近い650℃にするため、助燃料の点火及び燃焼
がスムーズに行われる。また、フリーボード部温度を9
50℃以下にすることで、クリンカやNOx生成を抑制
しながら、N2Oの抑制、及び完全燃焼を達成すること
ができる。
【0011】炉床部圧力P1と炉頂部圧力P2との差を
一定に、かつ、気泡流動領域の温度T1を650℃以上
に、フリーボード部温度T2を950℃以下にすべく、
炉内保有砂量を増減することにより砂循環量を制御する
方法である。この方法によると、砂循環量を常に適当な
量に保つことが可能になり、温度変動及びランニングコ
ストの少ない運転が可能になる。さらに、助燃料の着火
点に近い650℃にするため、助燃料の点火及び燃焼が
スムーズに行われる。また、フリーボード部温度を95
0℃以下にすることで、クリンカやNOx生成を抑制し
ながら、N2Oの抑制、及び完全燃焼を達成することが
できる。なお、助燃料の操作は温度の絶対値に影響を与
え、砂循環量の操作は上記温度差や圧力差に影響を与え
る。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る循環流動層焼
却炉の運転方法の実施の形態について図面に基づいて説
明する。
【0013】図1に示すように、本実施形態に係る流動
層焼却炉11は、底部に配した流動ガス分散器18cを
介して一次空気18を流動媒体である珪砂等の流動砂1
0dを内蔵する流動床に吹込んで気泡流動化させる気泡
流動領域10と、該気泡流動領域10の流動砂層面12
aの気泡の破裂に伴って流動砂10dが飛び出し吹上げ
られるスプラッシュ領域12bに、高低差を以って3段
に配設された二次空気投入口22a、23a、24aの
なかからコントロール部30により選択された1又は複
数の二次空気投入口より、二次空気の導入経路22、2
3、24のいずれかを経由して二次空気を導入し、前記
流動砂10dをその上方側のフリーボード13に同伴搬
送させる同伴流動部12と、該選択された二次空気の導
入経路22、23、24のいずれかによりスプラッシュ
領域12bに飛び出した前記流動砂10dをその上方の
フリーボード13を介して炉外に同伴輸送するととも
に、排ガスと流動砂等の分離を行うサイクロン等の分離
器14とシールポット部15及びダクト15cを介して
前記気泡流動領域10に還流させる還流部と、前記一次
空気18と二次空気19との総量規制するブロワ17a
と、一次空気18と二次空気19との比率制御をするダ
ンパ18b、19bからなる制御系25aと、前記シー
ルポット部15に流動空気を送るブロワ17bと、制御
系25bよりなるガス供給系17と、前記ダンパ19b
より供給された二次空気をコントロール部30の作動に
より二次空気投入口22a、23a、24aのいずれか
を選択して二次空気19を導入するようにしたダンパ2
2b、23b、24bからなる導入位置選択手段と、助
燃料供給系26と、前記気泡流動領域10の下部の不燃
物及び流動媒体排出口42に設けたバッファータンクを
含む流動媒体抜き出し装置43よりなる内部循環部とを
備えた構成である。
【0014】前記ガス供給系17は、ダンパ18b、1
9bの開度制御により一次空気18及び二次空気19の
比率制御を行いながら夫々一次空気側の投入口18aと
ともに二次空気側の投入口22a、23a、24aへ二
次空気を選択的に導入する。
【0015】上記一次空気18と二次空気19の総量
は、ダンパ18b、19bの開度制御により廃棄物の性
状及び投入量に対応して一義的に決定される。そして前
記ダンパ18bにより比率制御された一次空気18は、
投入口18aよりガス分散器18cを介して塔内下方に
吹込まれ、気泡流動領域10に内蔵した流動砂10dを
流動化開始速度で流動化を開始させ、スプラッシュ領域
12bを形成させるとともに、流動砂層面12aを形成
する。
【0016】即ち、ダンパ18bの開度制御により前記
一次空気18の空塔速度を上昇させ、気泡開始速度以上
にすると気泡流動領域10には気泡が発生し、発生した
気泡により層内は撹乱され不均一流動状態の気泡流動層
を形成する。さらに空塔速度を増加させると気泡流動領
域10の流動砂層面12aより流動砂10dは飛び出さ
せられ、上部にスプラッシュ領域12bを形成する。こ
の場合、上記一次空気18はガス供給系17のダンパ1
8bの開度制御により一次空気の比率割合を増減させ、
気泡流動領域10の温度制御及びフリーボード13の懸
濁濃度(ライザ差圧)の制御をするようにしてある。
【0017】上記スプラッシュ領域12bは、前記した
ように上下に高低差を以て配設した二次空気の投入口2
2a、23a、24aを持ち、下部の流動砂層面12a
に対し不連続な密度空間を形成している。なお、前記流
動砂層面12aより上方の適当箇所には被焼却物(廃棄
物)投入口16が設けられている。更に前記サイクロン
からなる分離器14の上部には排ガス出口14aが設け
られ同伴輸送された流動砂10dを分離したあとの排ガ
ス35を外部へ放出するようにしてある。
【0018】スプラッシュ領域12bには、高低差を持
たせて開口部を形成した二次空気投入口22a、23
a、24aとダンパ22b、23b、24bとを設け、
ダンパ19bを介して比率制御された二次空気19をダ
ンパ22b、23b、24bの開度制御により適宜選択
投入するようにし、該選択投入は後記するように炉床部
と炉頂部の炉内圧力P1、P2をそれぞれ検出し、コン
トロール部30を介して適正圧力差を維持して、フリー
ボード13の懸濁濃度と循環量とが適正になるようにし
てある。上記二次空気19の各投入口22a、23a、
24aを持つスプラッシュ領域12bと上部のフリーボ
ード13で同伴流動部12を形成する。
【0019】上記構成により、スプラッシュ領域12b
で気泡の破裂により気泡より離脱して浮遊状態にある流
動媒体である流動砂10dは、所定比率割合に制御され
た二次空気19をスプラッシュ領域12bに高低差を以
って形成され上段の二次空気の導入経路22及び中段の
二次空気の導入経路23及び下段の二次空気の導入経路
24の内選択された1又は複数の経路に導入し、一次空
気18とともにフリーボード13内に輸送され、後段に
設けたサイクロン等の分離器14に至り、その頂部の排
ガス出口14aより前記したように排ガス35を排出さ
せるとともに、分離器14で分離された流動砂10dは
下部のシールポット部15の貯留領域15aに貯留され
る。
【0020】上記シールポット部15は、ブロワ17b
より供給される流動化用空気20、21により貯留領域
15aに貯留し、ニューマチック領域15bで貯留した
流動砂10dをダクト15cを介して、気泡流動領域1
0に還流するようにしてある。
【0021】一次空気18と二次空気19の和は一定に
して流動砂10dの循環量を一定にし、又シールポット
部15の前記流動化空気20、21の送気量は一定にし
て流動砂10dの気泡流動領域10への還流量が一定に
なるように通常は制御しているが、一次空気18と二次
空気19の和及びシールポット部15の流動化空気2
0、21の送気量をコントロール部30により増減制御
が可能なようにも構成してある。なお、図にはシールポ
ット部15へ送気するブロワ17bを別途設ける構成に
してあるが、基本的にはブロワ17aより分岐して送気
する。
【0022】助燃料供給系26は、高水分の汚泥等の廃
棄物を流動層内で燃焼させるために起きる、砂層温度の
低下を防ぐようにするためのもので、助燃料(重油や都
市ガス等)を使用して砂層温度を維持しているが、助燃
料をコントロール部30により増減制御できるように構
成している。
【0023】前記流動媒体抜き出し装置43は、図2に
示すように、気泡流動領域10の下部排出口42に設け
た、スクリューコンベヤ46と篩振動器等の砂分級器4
7とバッファータンク(貯溜槽)48とコンベヤ49と
投入口31とコントロール部30とからなり、流動層内
に粒子の内部循環部を形成している。
【0024】上記流動媒体抜き出し装置43において、
灰抜き出しのため行う、スクリューコンベヤ46により
焼却灰等の不燃物とともに流動媒体を抜き出したあと、
振動篩等よりなる砂分級器47を介して不燃物等を除去
した流動媒体をバッファータンク48に一時保留する。
次いで、炉床部圧力P1と炉頂部圧力P2との圧力差が
基準設定値を超過した場合は、コントロール部30とモ
ータ49aを介してコンベヤ49の稼働速度を加減し
て、フリーボード13にバッファータンク48に貯留し
てある流動媒体である砂10dを投入口31より、圧力
差の超過分に比例する砂供給量をコントロール部30に
より設定供給するようにしてある。
【0025】その結果、フリーボード13の粒子のホー
ルドアップ量は増加ないし減少するとともに、懸濁濃度
も増減させフリーボード13の前記過大な圧力変動に対
応し、被焼却物の燃焼性状に起因する負荷の変動に幅広
く対応できるようにしてある。なお、流動媒体の抜き出
し量は、灰等の不燃物除去のため常時稼働するスクリュ
ーコンベヤ46を介して行われるため、一定である。
【0026】そして、上記のように予めバッファータン
ク48に貯留してある砂10dを炉内へ供給すること
は、その供給により当該炉の初期充填量は供給分だけ増
加させたことになり、これにより砂の循環量は増加させ
たことになり、フリーボードの熱容量は増大し負荷の対
応力を本来的にアップすることになる。
【0027】コントロール部30は、炉床部圧力P1と
炉頂部圧力P2をそれぞれ圧力検出器30a、30bに
よって検出し、両者の圧力差ΔP=(P1−P2)が所
定規制ゾーンに入るように制御する。すなわち、コン
ベヤ49の駆動源であるモータ49aを制御して砂戻し
量を操作する方法、ダンパ20b、21bを開度制御
してシールポット空気量を操作する方法、ダンパ18
b、19bを開度制御して一次空気18と二次空気19
との配分比率を操作する方法、又はダンパ22b、2
3b、24bの何れかを選択的に開くか若しくは開度制
御して二次空気19の供給高さや各高さの量を操作する
方法、のいずれか1つ又は複数の組合せにより、流動砂
10dの循環量を調整する。圧力差制御には、上記のほ
かに、助燃料供給系26の供給量を調整することや、ブ
ロワ17a、17bによる総空気量を調整することで
も、行うことができる。なお、各圧力の値は例えばP1
が300乃至600mmAq、P2が100mmAqで
あるが、制御すべき圧力値は炉の高さ等の諸条件により
変動するもので装置固有のものであることから、圧力差
ΔPも装置ごとに異なる。
【0028】上述の砂戻し量を操作する方法やシールポ
ット空気量を操作する方法では、図3に示すように、炉
内懸濁密度はシールポット空気量の変化に追随し、炉内
砂投入により、懸濁密度(ライザ差圧)は増加する。
【0029】上述の一次空気18と二次空気19との配
分比率を操作する方法では、図4に示すように、一次空
気18の割合を増やすと、流動砂10dの循環量が増え
て炉軸方向温度分布が均一になるように作用し、減らす
と循環量が減って下側の温度が下がり炉内温度の軸方向
の温度差が大きくなるので、ダンパ18bとダンパ19
bの開度制御による一次空気18と二次空気19との比
率制御割合により、気泡流動領域10、スプラッシュ領
域12b、フリーボード13内における流動砂10dの
ホールドアップ量と懸濁濃度を設定し、炉床部圧力と炉
頂部圧力の制御を行う。例えば、懸濁濃度の上限及び下
限より一次空気と二次空気の比率を例えば1対2乃至2
対1のように設定する。
【0030】また、上述の二次空気の供給高さ等を操作
する方法では、一次空気により気泡流動化された流動砂
10dの密度が濃い領域(下方側)に二次空気を導入す
ると循環量が増え、薄い領域(上方側)に導入すると循
環量が減るので、下水汚泥等の被焼却物の燃料性状等に
対応して所定比率割合に制御された二次空気19を、高
低差を以て形成された上段、中段、下段の導入経路2
2、23、24のいずれの経路に選択すべきかを決定す
る。基本的には真ん中の中段の導入経路23を選択す
る。
【0031】また、コントロール部30は、気泡流動領
域10の温度T1とフリーボード13の温度T2をそれ
ぞれ温度検出器30c、30dによって検出し、温度T
1が650℃以上で、温度T2が950℃以下となるよ
うに制御する。
【0032】助燃料の着火点は650℃程度であること
を考慮し、温度T1が650℃以上となるように制御す
る。また、図5に示すように、亜酸化窒素(N2O)は
温度が高くなる程減るが、あまり高くなりすぎると燃費
が悪くなり、またクリンカができ易くなり、さらにNO
xが高くなるという傾向があることを考慮すると、温度
T2が950℃以下となるように制御する。このように
制御することで、助燃料の点火及び燃焼がスムーズに行
われ、また、フリーボード部温度を950℃以下にする
ことで、クリンカやNOx生成を抑制しながら、N2
の抑制、及び完全燃焼を達成することができる。
【0033】なお、本実施形態では、炉床部圧力P1と
炉頂部圧力P2との圧力差制御と、温度T1及び温度T
2の各温度制御とを併用しているが、いずれか一方のみ
の制御も可能である。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る循環流動層焼却炉の運転方
法は、流動層下方より一次空気を吹き込みながら流動媒
体の気泡流動化を図るとともに、該気泡流動領域の流動
砂層面の気泡の破裂に伴って流動媒体の粒子が吹き上げ
られるスプラッシュ領域に二次空気を導入し、該二次空
気により前記吹き上げ粒子をフリーボードを介して炉外
に同伴輸送し、同伴輸送した粒子を分離器により捕集し
た後に外部循環部を介して前記気泡流動領域へ還流させ
るようにした循環流動層焼却炉の運転方法において、炉
頂と炉床との圧力差が所定範囲内になるように制御する
ものであり、砂循環量と関連ある圧力差に着目した制御
を行うので、砂循環量を容易に一定に保つことができ
る。
【0035】上記炉頂と炉床との圧力差の制御は、流動
層下部の不燃物取出口より同伴排出されバッファータン
クに一時貯留された流動媒体を炉内に戻す量を操作する
方法、上記外部循環部の分離器の下方に、上記分離器に
より捕集した粒子を一時貯留させた後にダクトを介して
上記気泡流動領域に還流させるシールポット部への空気
量を操作する方法、上記一次空気と上記二次空気との配
分比率を操作する方法、又は上記二次空気の導入位置の
高さを操作する方法のいずれか1つ又はその組合せによ
り行うように構成すると、状況に応じた制御を行うこと
ができ、より確実な制御を行うことができる。
【0036】また、本発明は、流動層下方より一次空気
を吹き込みながら流動媒体の気泡流動化を図るととも
に、該気泡流動領域の流動砂層面の気泡の破裂に伴って
流動媒体の粒子が吹き上げられるスプラッシュ領域に二
次空気を導入し、該二次空気により前記吹き上げ粒子を
フリーボードを介して炉外に同伴輸送し、同伴輸送した
粒子を分離器により捕集した後に外部循環部を介して前
記気泡流動領域へ還流させるようにした循環流動層焼却
炉の運転方法において、上記フリーボードの温度を95
0℃以下に制御することを特徴とするので、クリンカや
NOx生成を抑制しながら、N2Oの抑制、及び完全燃
焼を達成することができ、排ガス処理のためのコストを
削減することができる。
【0037】上記循環流動層焼却炉は、砂層温度を所定
温度に保持するための助燃料供給系を備えたものであ
り、上記気泡流動領域の温度を650℃以上に制御する
ようにすると、助燃料の点火と燃焼をスムーズに行うこ
とができ、燃料の浪費と爆発の危険性を回避することが
できる。
【0038】上記循環流動層焼却炉は、砂層温度を所定
温度に保持するための助燃料供給系を備えたものであ
り、上記フリーボードの温度を950℃以下に制御し、
上記気泡流動領域の温度を650℃以上に制御するよう
にすると、クリンカやNOx生成を抑制しながら、N2
Oの抑制、及び完全燃焼を達成することができるととも
に、助燃料の点火と燃焼をスムーズに行うことができ、
燃料の浪費と爆発の危険性を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る循環流動層焼却炉の
運転方法を実施する装置の全体概略構成を示す模式図で
ある。
【図2】図1の流動媒体抜き出し装置の概略の構成を示
す模式図である。
【図3】シールポット空気量変化に対するフリーボード
懸濁密度変化を示すグラフで、縦軸は懸濁密度、シール
ポット空気量、横軸は時間である。
【図4】一次空気と二次空気との配分と炉内軸方向温度
分布を示すグラフで、縦軸は分散板上高さ(m)、横軸
は温度(℃)である。
【図5】炉頂温度とN2O濃度との関係を示したグラフ
で、縦軸は炉出口濃度、横軸は炉頂温度(℃)である。
【符号の説明】
10 気泡流動領域 10c ダクト 10d 流動砂 11 流動層焼却炉 12 同伴流動部 12a 流動砂層面 12b スプラッシュ領域 13 フリーボード 14 分離器 14a 排ガス出口 15 シールポット部 15a 貯留領域 15c ダクト 16 被焼却物投入口 17 ガス供給系 17a、17b ブロワ 18 一次空気 18a 一次空気投入口 18b、19b、20b、21b、22b、23b、2
4b ダンパ 18c ガス分散器 19 二次空気 20、21 流動用空気 22、23、24 導入径路 22a、23a、24a 二次空気投入口 25a 制御系 26 助燃料供給系 30 コントロール部 30a、30b 圧力検出器 30c、30d 温度検出器 31 投入口 35 排ガス 42 流動媒体排出口 43 流動媒体抜き出し装置 46 スクリューコンベヤ 47 砂分級器 48 バッファータンク 49 コンベヤ 49a モータ P1 炉床部圧力 P2 炉頂部圧力 T1 気泡流動領域の温度 T2 フリーボードの温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/50 ZAB F23G 5/50 ZABM ZABK F23C 11/02 311 (72)発明者 清水 義仁 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 逸見 眞知 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 堀田 俊和 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 3K062 AA11 AB01 AC01 AC02 BA02 BB02 CB03 DA08 DA12 DB06 DB07 DB08 DB13 DB30 3K064 AA08 AA18 AA20 AB03 AC02 AC06 AC12 AC13 AD04 AD08 AE02 AE04 BA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層下方より一次空気を吹き込みなが
    ら流動媒体の気泡流動化を図るとともに、該気泡流動領
    域の流動砂層面の気泡の破裂に伴って流動媒体の粒子が
    吹き上げられるスプラッシュ領域に二次空気を導入し、
    該二次空気により前記吹き上げ粒子をフリーボードを介
    して炉外に同伴輸送し、同伴輸送した粒子を分離器によ
    り捕集した後に外部循環部を介して前記気泡流動領域へ
    還流させるようにした循環流動層焼却炉の運転方法にお
    いて、炉頂と炉床との圧力差が所定範囲内になるように
    制御して、砂循環量を一定に保つことを特徴とする循環
    流動層焼却炉の運転方法。
  2. 【請求項2】 上記炉頂と炉床との圧力差の制御は、流
    動層下部の不燃物取出口より同伴排出されバッファータ
    ンクに一時貯留された流動媒体を炉内に戻す量を操作す
    る方法、上記外部循環部の分離器の下方に、上記分離器
    により捕集した粒子を一時貯留させた後にダクトを介し
    て上記気泡流動領域に還流させるシールポット部への空
    気量を操作する方法、上記一次空気と上記二次空気との
    配分比率を操作する方法、又は上記二次空気の導入位置
    の高さを操作する方法のいずれか1つ又はその組合せに
    より行うことを特徴とする請求項1に記載の循環流動層
    焼却炉の運転方法。
  3. 【請求項3】 流動層下方より一次空気を吹き込みなが
    ら流動媒体の気泡流動化を図るとともに、該気泡流動領
    域の流動砂層面の気泡の破裂に伴って流動媒体の粒子が
    吹き上げられるスプラッシュ領域に二次空気を導入し、
    該二次空気により前記吹き上げ粒子をフリーボードを介
    して炉外に同伴輸送し、同伴輸送した粒子を分離器によ
    り捕集した後に外部循環部を介して前記気泡流動領域へ
    還流させるようにした循環流動層焼却炉の運転方法にお
    いて、上記フリーボードの温度を950℃以下に制御す
    ることを特徴とする循環流動層焼却炉の運転方法。
  4. 【請求項4】 上記循環流動層焼却炉は、砂層温度を所
    定温度に保持するための助燃料供給系を備えたものであ
    り、上記気泡流動領域の温度を650℃以上に制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の循環流動層焼却炉の
    運転方法。
  5. 【請求項5】 上記循環流動層焼却炉は、砂層温度を所
    定温度に保持するための助燃料供給系を備えたものであ
    り、上記フリーボードの温度を950℃以下に制御し、
    上記気泡流動領域の温度を650℃以上に制御すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の循環流動層焼却炉
    の運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013050292A (ja) * 2011-08-04 2013-03-14 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 流動層処理システム及び流動層燃焼排ガスのn2o除去方法
JP2017226591A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 住友金属鉱山株式会社 酸化ニッケルの製造方法、流動焙焼炉
JP2018200150A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 国立研究開発法人産業技術総合研究所 有機性廃棄物の燃焼炉及び該燃焼炉を用いた有機性廃棄物の処理システム
JP2020046082A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 国立研究開発法人産業技術総合研究所 加圧循環流動炉システムの運転方法

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