JP7154147B2 - 印刷配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
一つは、レーザービアを施す部分の銅箔を除去し開口部を形成して絶縁層を露出させ、そこにレーザー加工によりホールを穿設するウインドウ工法である。
他の一つは、銅箔の表面をCZ処理や黒化処理などを用いて粗化し、レーザー加工時の反射を防止する処理を行い、銅箔に直接レーザー加工を行なう銅ダイレクト工法がある(特許文献1)。
すなわち、ウインドウ工法はレーザー加工予定部周囲の銅箔を除去し開口させることにより開口部周囲の銅箔との境に段差が生じることで回路幅の変動が生じる。
また、銅箔を除去することにより銅箔のアンカー効果が無くなり、樹脂表面に対するめっきのみの密着力によるため、めっきの密着力が低下する。
さらにレーザー加工後の加工部樹脂除去に用いる樹脂粗化による樹脂部の過剰粗化によりショート不良が生じる。
また、銅箔粗化処理のバラツキにより加工側銅面の粗化状態にバラツキが生じる。その結果銅箔がレーザー加工によるホールの内側に鍔状に突き出る。
銅箔がホールの内側に突き出ると、電解めっき液が穴内に循環しにくくなり、ビアフィルドめっきのホールへの充填性が悪くなる。
それに加えて、ホール形成予定箇所の周囲の金属箔をそのまま残すので、層間接続ビア導体(めっき金属)の金属箔を介した絶縁層への密着強度は、上記銅ダイレクト工法と同程度のものが得られるので、接続信頼性の高い層間接続ビアを構築することができる。
さらに、レーザー加工する段階で、ホール形成予定箇所の周囲の感光性樹脂は除去されているから、レーザー加工後にホール周囲に感光性樹脂の炭化物等が残存、固着することはなく、その後の電解めっき中に異物が混入することが防がれ、接続信頼性の高い層間接続ビアを構築することができる。
また、上記銅ダイレクト工法で用いる金属箔粗化処理工程を適用しないので、粗化処理液の消費はなく、同薬液の処理が不要となる。
本開示の実施形態の印刷配線板の製造方法について図面を参照して説明する。
図1に示すように基板10に絶縁層11が積層されている。さらに絶縁層11の上面に銅箔12が積層されている。絶縁層11の下層には、本製造方法で形成する層間接続ビアの接続先である下層導体13が形成されている。
なお、本開示における上下の区別は、基板10側を下と定めたものである。また、基板10の両面に同様の工程を施し、同様の構造を構築する過程を図示するが、基板10に片面にのみ実施してもよい。基板10の表裏において同様のものは同符号を付す。基板10の表裏において工程を必ずしも同時に進めることを意味するものではない。下層導体13やこれに連続する導体の構成、基板10の構成は任意である。基板10は、図示するものより多層に構成されたものであってもよい。
次に、感光性樹脂層14を、フォトリソグラフィ技術を用いて露光、現像することで図3に示すようにホール形成予定箇所のみに感光性樹脂層14aを残す。ホール径としては、例えば、50μmから150μmであり、感光性樹脂層14aもそれと同じ径に形成する。
次に、残した感光性樹脂層14aに加工用レーザー光を照射することで、図4に示すように銅箔12から絶縁層11に亘り貫通するホール15をレーザー加工して下層導体13を露出させる。この時、加工用レーザー光は、感光性樹脂層14aの周囲で銅箔12に反射し、感光性樹脂層14aにその加工エネルギーは集中するから、感光性樹脂層14aの直下の銅箔12及び絶縁層11を、感光性樹脂層14aのパターンに沿って精度よく穿孔できる。感光性樹脂層14aは昇華して消失する。
次に、電解銅フィルドめっき16を、図6に示すようにホール15を含めて施す。
次に、フォトリソグラフィ技術を用いて銅箔12及び銅めっき16からなる絶縁層11の上層導体層を選択的にエッチングして、絶縁層11の上面に任意の回路パターン、すなわち、絶縁層11の上層導体を形成する。例えば図7に示すように構成される。図7においてホール15の上部開口周囲に銅箔12aが残り、ホール15内及び銅箔12a上に銅めっき16aが残り、絶縁層11の上面の他の部分にも回路設計に応じて銅箔12b及びその上の銅めっき16bが残る。
以上により、絶縁層11の上層導体と下層導体13とを接続する層間接続ビアを形成する。
以上の製造工程を経て構成された印刷配線板1につき、図7及び図8を参照して説明する。
図8(a)に絶縁層11及びその上層の拡大図を、図8(b)にさらに図8(a)中のA部の拡大図を示す。
印刷配線板1は、絶縁層11と、絶縁層11の上面に積層された銅箔12aと、絶縁層11と銅箔12aとを貫通するホール15に設けられた銅めっき16aを接続導体とする層間接続ビアと、を含む。
すなわち、絶縁層11の銅箔12aに接する側の上部開口11bの輪郭と、銅箔12aの開口12cの輪郭とが一致している構造を備える。平面図を示すと図8(c)の通りである。
次に、本実施形態の印刷配線板及びその製造方法につき、比較例と比較した作用効果につき、説明する。まず、図面を参照して比較例1,2につき説明する。上記実施形態と共通の符号部分は同様のものである。
比較例1は、上記ウインドウ工法によるものでは、図9から図14に工程図を、図15に要部拡大を示す。
比較例1にあっては、図1に示した構造に対し、図9に示すように銅箔12上に、ドライフィルム21をラミネートする。次に、ドライフィルム21を露光、現像して、エッチングすることにより図10に示すように銅箔12を開口する。次に、図11に示すようにドライフィルム21を剥離し、レーザー加工により絶縁層11にホール22を穿孔して下層導体13を露出させる。次に、図12に示すように、ホール22の内面23及び周囲上面24に露出する、絶縁層11を構成する樹脂を粗化処理する。次に、図13に示すように電解銅フィルドめっき25を、ホール22を含めて施す。次に、図14に示すように銅箔12及び銅めっき25からなる導体層を選択的にエッチングして、絶縁層11の上面に任意の回路パターンを形成する。
比較例2は、上記銅ダイレクト工法によるものでは、図16から図20に工程図を、図21に要部拡大を示す。図21(a)に絶縁層11及びその上層の拡大図を、図21(b)にさらに図21(a)中のB部の拡大図を、図21(c)に図21(b)中のZ方向に見た平面図を示す。
比較例2にあっては、図1に示した構造に対し、図16に示すように銅箔12の表面31にCZ処理や黒化処理などにより粗化処理を施す。次に、図17に示すようにレーザー加工により銅箔12及び絶縁層11にホール32を穿孔して下層導体13を露出させる。次に、図18に示すように、ホール32の内面33に露出する、絶縁層11を構成する樹脂を粗化処理する。次に、図19に示すように電解銅フィルドめっき34を、ホール32を含めて施す。次に、図20に示すように銅箔12及び銅めっき34からなる導体層を選択的にエッチングして、絶縁層11の上面に任意の回路パターンを形成する。
図16に示した工程において、銅箔12の粗化処理のバラツキにより加工側銅面31の粗化状態にバラツキが生じる。その結果、銅箔12dがレーザー加工によるホール32の内側に鍔状に突き出る。絶縁層11の銅箔12dに接する側の上部開口35の輪郭に対して、銅箔12dの開口36の輪郭が内側に配置される。
銅箔12dがホールの内側に突き出ることで、図19に示した工程で電解めっき液がホール32内に循環しにくくなり、銅めっき34aのホール32への充填性が悪くなる。
図21に示したように比較例2にあってはホール32の内側に銅箔12dが突き出て、そのエッジの形状精度も低下する。
これに対し本実施形態の印刷配線板1によれば、図8に示したようにホール15の内側への銅箔12aの突き出しがなく、そのエッジも絶縁層11の上部開口11bと一致して精度よく形成される。したがって、層間接続ビア導体(銅めっき16a)が金属箔部分でくびれることはなく精度よく形成される。
これに対し本実施形態の印刷配線板1によれば、銅めっき16aの銅箔12aを介した絶縁層11への密着強度は、比較例2の銅ダイレクト工法と同程度のものが得られる。
以上のように本実施形態の印刷配線板1によれば、層間接続ビア導体(銅めっき16a)が銅箔12a部分でくびれることはなく精度よく形成され、銅めっき16aのランド部の密着強度も高く、層間接続ビアの接続信頼性に優れる。
本実施形態の印刷配線板の製造方法によれば、フォトリソグラフィ技術により露光、現像することでホール形成予定箇所のみに精度よく感光性樹脂層14aを残すことができ、残した感光性樹脂層14aに加工用レーザー光を照射することで穿孔加工を行うので、加工精度が向上しホール15の内側への銅箔12aの突き出しを発生させない。そのため、その後の銅めっき16のホール15への充填が良好になる。また、層間接続ビア導体(銅めっき16a)が銅箔12a部分でくびれることはなく精度よく形成される。
それに加えて、図4に示したようにホール形成予定箇所の周囲の銅箔12をそのまま残すので、層間接続ビア導体(銅めっき16a)の銅箔12aを介した絶縁層11への密着強度は、上記銅ダイレクト工法と同程度のものが得られるので、接続信頼性の高い層間接続ビアを構築することができる。
また本実施形態の印刷配線板の製造方法によれば、比較例2の銅ダイレクト工法で用いる銅箔粗化処理工程を適用しないので、粗化処理液の消費はなく、同薬液の処理が不要となる。
これに対し本実施形態によれば、絶縁層11上の銅箔12及び銅めっき16からなる導体層は、同一の銅エッチング工程でエッチングされるため、段差部は生じず、回路幅の変動が生じない。
また、比較例1の製造方法にあっては、レーザー加工後の加工部樹脂除去に用いる樹脂粗化による樹脂部(24)の過剰粗化によりショート不良が生じる。
これに対し本実施形態によれば、図5に示した樹脂粗化処理において絶縁層11の上面は銅箔12で覆われており、樹脂部の過剰粗化は抑えられ、樹脂部の過剰粗化によるショート不良を阻止できる。
10 基板
11 絶縁層
12 銅箔
13 下層導体
14 感光性樹脂層
15 ホール
16 銅めっき
Claims (3)
- 絶縁層の上面に積層された金属箔上に、加工用レーザー光の反射を防止する感光性樹脂層を形成し、
前記感光性樹脂層を露光、現像することでホール形成予定箇所のみに感光性樹脂層を残し、
残した感光性樹脂層に加工用レーザー光を照射することで前記金属箔から前記絶縁層に亘り貫通するホールを加工することによって下層導体を露出させ、
前記ホールに電解めっきを施すことにより前記絶縁層の上層導体と前記下層導体とを接続する層間接続ビアを形成する印刷配線板の製造方法。 - 前記感光性樹脂層を、ドライフィルムのラミネートにより形成する請求項1に記載の印刷配線板の製造方法。
- 電解めっきが電解銅フィルドめっきである請求項1又は請求項2に記載の印刷配線板の製造方法。
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