JP7153999B2 - 水性組成物 - Google Patents
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Description
(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上を含有する水性組成物であって、該水性組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容してなる水性組成物。
[2]
前記増粘成分が、デキストラン、シクロデキストリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アルギン酸、ジェランガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、チロキサポール及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記油分が、ゴマ油、ヒマシ油、ミツロウ、精製ラノリン、ワセリン及び流動パラフィンからなる群より選択される1種以上であり、
前記アミンが、アスパラギン酸、アルギニン、アミノ酢酸、アミノエチルスルホン酸、モノエタノールアミン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ミノキシジル及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記ビタミンが、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、パンテノール、ピリドキシン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記抗炎症成分が、プラノプロフェン、グリチルリチン酸及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記抗ヒスタミン成分が、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェンヒドラミン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記抗アレルギー成分が、トラニラスト、クロモグリク酸及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記無機塩が、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛及び硫酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上であり、
前記抗酸化成分が、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記防腐成分が、ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン、アルキルジアミノエチルグリシン、ネオスチグミン、ソルビン酸、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、スルファメトキサゾール、オキシキノリン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上である、[1]に記載の水性組成物。
[3]
容器を形成する樹脂がポリエチレンを更に含有する、[1]又は[2]に記載の水性組成物。
[4]
(B)緩衝剤を更に含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の水性組成物。
[5]
水性組成物の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、0.00001~11w/v%である、[1]~[4]のいずれかに記載の水性組成物。
[6]
(A)成分の総含有量1質量部に対して、(B)成分の総含有量が、0.0001~1000質量部である、[1]~[5]のいずれかに記載の水性組成物。
[7]
水性組成物のpHが、4.0~9.5である、[1]~[6]のいずれかに記載の水性組成物。
[8]
水性組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満、又は20w/v%以上50w/v%未満である、[1]~[7]のいずれかに記載の水性組成物。
[9]
環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器の波長400~700nmの可視光領域における光透過率の最大値が、50%以上である、[1]~[8]のいずれかに記載の水性組成物。
[10]
1滴あたりの滴下量が1~99μLである、[1]~[9]のいずれかに記載の水性組成物。
[11]
使用回数が少数回又は単回である、[1]~[10]のいずれかに記載の水性組成物。
[12]
眼科組成物である、[1]~[11]のいずれかに記載の水性組成物。
[13]
水性組成物に、(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上を配合することを含む、該水性組成物に環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れ抑制作用を付与する方法。
[14]
環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる水性組成物に、(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該水性組成物ににおいの変化抑制作用を付与する方法。
本実施形態に係る水性組成物は、(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上(単に「(A)成分」とも表記する。)を含有する。
本実施形態に係る水性組成物は、更に(B)緩衝剤(単に「(B)成分」とも表記する。)を含有することが好ましい。水性組成物が(B)成分を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。また、水性組成物が(B)成分を更に含有することで、(A)成分を含有する水性組成物が環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容された場合であっても、芳香性を保持し、或いは臭気を改善する等、においの変化を抑制する効果を奏する。緩衝剤としては、無機緩衝剤及び有機緩衝剤を含み、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
充血除去剤:エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸フェニレフリン、dl-塩酸メチルエフェドリン等。
収斂剤:例えば、亜鉛華等。
局所麻酔剤:例えば、リドカイン、プロカイン等。
その他:レバミピド等。
代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等。
安定化剤:ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン等。
陰イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等。
両性界面活性剤:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等。
本実施形態に係る水性組成物は、該水性組成物と接する部分の一部又は全部が環状オレフィン類を含有する樹脂(単に「環状オレフィン類含有樹脂」とも表記する。)で形成された容器に収容して提供される。
本実施形態に係る水性組成物は、環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れが抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、水性組成物に、(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上を配合することを含む、該水性組成物に環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れ抑制作用を付与する方法が提供される。また、本発明の別の実施形態として、水性組成物に、(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上を配合することを含む、該水性組成物に環状オレフィン類を含有する樹脂に対する濡れを抑制する方法が提供される。
本実施形態に係る、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる水性組成物は、(B)成分を更に含有すると、芳香性が保持されており、又は臭気が抑制されている等、においの変化が抑制されている。したがって、本発明の一実施形態として、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる水性組成物に、(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該水性組成物ににおいの変化抑制作用を付与する方法が提供される。また、本発明の別の実施形態として、環状オレフィン類を含有する樹脂で形成された容器に収容されてなる水性組成物に、(A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上、及び(B)緩衝剤を配合することを含む、該水性組成物のにおいの変化を抑制する方法が提供される。
接触角計DM-501(協和界面科学株式会社製)を用いて、同接触角計の拡張/収縮法の測定手順に従い、各試験液の動的接触角(前進角)を測定した。動的接触角(前進角)は、固体と液体の界面が運動する際の接触角である。
表1及び2に示す各試験例の試験液を常法により調製した(残部は精製水)。表1及び2における各成分の単位はw/v%である。
[式1]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の動的接触角)-1}×100
なお、対応する処方液とは、各試験液の処方から(A)成分を除いた処方である(残部は精製水)。対応する処方液とは、試験液1-35については試験液1-34、試験液1-37~1-42については試験液1-36である。
表3~7に示す各試験例の試験液を常法により調製した。塩酸又は水酸化ナトリウムを使用して、試験液2-36及び2-44はpH7.5、試験液2-37はpH7、試験液2-39及び2-43はpH7.2、試験液2-40はpH5.5、試験液2-41はpH5.2、試験液2-42はpH6.8、試験液2-60はpH8.5に調整した。成分は表1及び表2に示すものと同じ原料を使用した。試験液2-5、2-10、2-58は、5mL容量のガラス製アンプル管に5mLずつ充填し、60℃で1週間静置する熱処理を行った。表3~7における各成分の単位はw/v%である。
[式2]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液のCOCに接触した動的接触角)-1}×100
なお、対応する処方液とは、各試験液の処方から(A)成分を除いた処方であり、試験液2-13については試験液2-12、試験液2-17~2-22については試験液2-16、試験液2-52~2-53については試験液2-51である。試験液2-5、2-10、2-58に対応する処方液は、同じ熱処理を行った。
表8~11に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表8~11における各成分の単位はw/v%である。
[式3]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の動的接触角)-1}×100
表12に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表12における各成分の単位はw/v%である。さらに横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))である。次に、恒温槽にて静置する熱処理を行った。熱処理は、60℃、240分間とした。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「芳香性」について、100mmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の芳香に相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式4-1]により、熱処理後の試験例4-2の芳香保持率を算出した。その後、下記[式4-2]により、熱処理後の試験液4-3~4-6の芳香保持率を算出した。算出した結果は、表12に示す。
[式4-1]芳香性の保持率(%)={(熱処理後の試験例4-2のVAS値/熱処理後の試験例4-1のVAS値)-1}×100
[式4-2]芳香性の保持率(%)={(熱処理後の各試験例のVAS値/熱処理後の試験例4-2のVAS値)-1}×100
表13に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表13における各成分の単位はw/v%である。さらに横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))である。次に、恒温槽にて60℃、240分間静置する熱処理を行った。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理前後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「臭気」について、100mmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の臭気に相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式5]により、熱処理後の臭いの改善率を算出した。算出した結果は、表13に示す。
[式5]臭いの改善率(%)={1-(熱処理後の試験例のVAS値/熱処理前の試験例のVAS値)}×100
表14に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表14における各成分の単位はw/v%である。さらに横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))である。次に、恒温槽にて60℃、11日間静置する熱処理を行った。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「臭気」について、100mmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の臭気に相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式6-1]により、熱処理後の試験例6-2の臭いの改善率を算出した。その後、下記[式6-2]により、熱処理後の試験例6-3~6-6の芳香保持率を算出した。算出した結果は、表14に示す。
[式6-1]臭いの改善率(%)={1-(熱処理後の試験例6-2のVAS値/熱処理後の試験例6-1のVAS値)}×100
[式6-2]臭いの改善率(%)={1-(熱処理後の試験例のVAS値/熱処理後の試験例6-2のVAS値)}×100
表16及び17に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表16及び17における各成分の単位はw/v%である。また、容器材質として、表15に示す環状オレフィンコポリマー(COC;TOPAS8007(ポリプラスチックス社製))を含有する樹脂(容器材質A)、及びCOCと低密度ポリエチレン(LDPE)又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含有する樹脂(容器材質B、C、D及びE)を用いた。表15において、容器材質に含まれる各構成成分の単位はw/w%である。
[式7]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の容器材質に接触した動的接触角)-1}×100
なお、対応する処方液とは、各試験液の処方から(A)成分を除いた処方であり、試験液とその対応する処方液の動的接触角を求めるに際しては、同じ容器材質を使用した。なお、試験液7-5、7-6及び7-16の対応する試験液については試験液7-4である。
表18及び19に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表18及び19における各成分の単位はw/v%である。また、容器材質は、試験例7の表15に示す容器材質を用いた。
[式8]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の容器材質Bに接触した動的接触角)-1}×100
なお、対応する処方液とは、各試験液の処方から(B)成分を除き、塩酸及び水酸化ナトリウム適量によりpHを調整した処方である(残部は精製水)。対応する処方液の動的接触角を求めるに際しては容器材質Bを使用した。
表20に示す各試験例の試験液を常法により調製した。表20における各成分の単位はw/v%である。また、容器材質は、試験例7の表15に示す容器材質を用いた。
[式9]動的接触角の変化率(%)={(試験例の試験液の動的接触角/対応する処方液の容器材質Aに接触した動的接触角)-1}×100
なお、対応する処方液とは、試験液9-1の処方から(A)成分を除き、塩酸及び水酸化ナトリウム適量によりpHを調整した処方である(残部は精製水)。対応する処方液の動的接触角を求めるに際しては容器材質Aを使用した。
表21に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表21における各成分の単位はw/v%である。さらに横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、試験例7の表15に示す容器材質を用いた。次に、恒温槽にて静置する熱処理を行った。熱処理は、60℃、240分間とした。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「芳香性」について、100mmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の芳香に相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式10]により、熱処理後の試験例10-1の芳香保持率を算出した。算出した結果は、表21に示す。
[式10]芳香性の保持率(%)={(熱処理後の試験例10-1のVAS値/熱処理後の試験例4-3のVAS値)-1}×100
表22に示す各試験例の試験液を常法により調製し、5mL容量のガラス製アンプル管に1mLずつ充填した。表22における各成分の単位はw/v%である。さらに横2mm、縦20mm、厚さ0.2mmの容器材質片を1個ずつ浸漬させ、速やかに密封した。容器材質は、試験例7の表15に示す容器材質を用いた。次に、恒温槽にて60℃、240分間静置する熱処理を行った。その後、においに敏感な被験者4名の腕に、熱処理前後の各試験液20μLを滴下し、指で直径約2cmの円状に広げてにおいを嗅ぎ、VAS(Visual Analog Scale)法により評価した。すなわち、「臭気」について、100mmの直線の両端において、「全く感じない」を0mm、「とても感じる」を100mmとし、各試験液の臭気に相当する直線上の一点を被験者に示させた。0mmの点からの距離(mm)を測定して、4名の平均値を算出し、試験液のVAS値とした。次いで、下記[式11]により、熱処理後の臭いの改善率を算出した。算出した結果は、表22に示す。
[式11]臭いの改善率(%)={1-(熱処理後の試験例のVAS値/熱処理前の試験例のVAS値)}×100
Claims (6)
- (A)増粘成分、油分、アミン、ビタミン、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分、無機塩、抗酸化成分、及び防腐成分からなる群より選択される1種以上を含有する水性組成物であって、該水性組成物と接する部分の一部又は全部がノルボルネンとエチレンとを共重合させたポリマー並びに低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含有する樹脂(ただし、非晶性シクロオレフィンコポリマー65~92質量%と、非晶性シクロオレフィンポリマー8~35質量%とからなるシクロオレフィン系樹脂混合物100質量部と、低密度ポリエチレン7~30質量部とを含有する樹脂を除く)で形成された容器に収容してなり、前記低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は前記直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の含有量が、前記樹脂の総量を基準として2~45質量%である水性組成物(ただし、以下の一般式(1)
[式中、Xはハロゲン原子を示す。]で表される化合物若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する水性組成物、タンパク質を含有する水性組成物、及び
(i)密度1000kg/m3以上でかつガラス転移温度が30℃以上200℃以下の非吸着性を有する樹脂を含み、かつ水性組成物に接する内表面に設けられる第1樹脂層と、
(ii)密度1000kg/m3以上でかつガラス転移温度が30℃以上200℃以下であり、かつ酸素ガス透過度が3.0cm3・20μm/m2・day・atm以下である樹脂を含む第2樹脂層、或いは金属箔もしくは金属を樹脂フィルムに蒸着してなる金属蒸着フィルム又は無機化合物をポリエステルフィルム又はナイロンフィルムに蒸着してなる透明蒸着フィルムからなる酸素ガスバリア層と、
(iii)ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂又はエチレンビニルアルコール共重合体系樹脂からなり、かつ外表面に設けられる表面保護層と、を有し、第2樹脂層又は第2樹脂層もしくは酸素ガスバリア層より内表面側に設けられる樹脂層が、酸素吸収性を有する物質を5%以上50%未満の範囲で含有する容器に収容してなる水性組成物を除く)。 - 前記増粘成分が、デキストラン、シクロデキストリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アルギン酸、ジェランガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、チロキサポール及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記油分が、ゴマ油、ヒマシ油、ミツロウ、精製ラノリン、ワセリン及び流動パラフィンからなる群より選択される1種以上であり、
前記アミンが、アスパラギン酸、アルギニン、アミノ酢酸、アミノエチルスルホン酸、ポリリジン、モノエタノールアミン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、ミノキシジル及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記ビタミンが、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、パンテノール、ピリドキシン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記抗炎症成分が、プラノプロフェン、グリチルリチン酸及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記抗ヒスタミン成分が、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェンヒドラミン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記抗アレルギー成分が、トラニラスト、クロモグリク酸及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記無機塩が、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛及び硫酸マグネシウムからなる群より選択される1種以上であり、
前記抗酸化成分が、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上であり、
前記防腐成分が、ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン、アルキルジアミノエチルグリシン、ネオスチグミン、ソルビン酸、クロロブタノール、フェニルエチルアルコール、スルファメトキサゾール、オキシキノリン及びこれらの塩からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の水性組成物。 - (B)緩衝剤を更に含有する、請求項1又は2に記載の水性組成物。
- 水性組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水性組成物。
- ノルボルネンとエチレンとを共重合させたポリマー並びに低密度ポリエチレン(LDPE)及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含有する樹脂で形成された容器の波長400~700nmの可視光領域における光透過率の最大値が、50%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水性組成物。
- 眼科組成物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の水性組成物。
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