JP7153697B2 - モータ制御装置、および、空気調和機 - Google Patents
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そこで、本発明は、信頼性の高いモータ制御装置、および、このモータ制御装置を用いた空気調和機を提供することを課題とする。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
図1は、本実施形態におけるモータ制御装置1の構成図である。
モータ制御装置1は、直流を平滑化する平滑コンデンサ4と、直流を交流に変換して圧縮機モータ6を駆動するインバータモジュール5と、このインバータモジュール5に流れる電源電流を検出するシャント抵抗Rと、インバータモジュール5を制御する制御器2を備えている。制御器2は、例えばCPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とA/D変換器を備えたマイコンを有している。このマイコンは、ROMに格納された制御プログラムを実行することにより、インパータモジュール5を制御する。このモータ制御装置1は、圧縮機モータ6のUVW相に接続されており、この圧縮機モータ6を回転駆動する。
外付けのブレーキ回路等を追加せずに逆転を抑制する手段として、このようにインバータモジュール5の下アーム52の全相をオンして各相を短絡する手段がある。つまり制御器2は、スイッチング素子54,56,58をオンしている。圧縮機モータ6の逆転によって発生する誘起電圧に応じて、コイルLwからコイルLu,Lvに向けて電流が流れる。
U相の電流Iuと、V相の電流Ivと、W相の電流Iwは、位相が120度ずつずれた正弦波である。
領域#1において、W相の電流Iwは、正の電流である。ここで正の電流とは、インバータモジュール5から圧縮機モータ6に向かって流れる電流をいう。また、U相の電流IuとV相の電流Ivは、負の電流である。負の電流とは、圧縮機モータ6からインバータモジュール5に向かって流れる電流をいう。
ここでは、図3に示した領域#1~#3において、オンデューティが100%未満とした場合の各相モータ電流とシャント電流Ishの関係を示している。
領域#1においてシャント電流Ishは、下アーム52がオフしているときにはU相の電流IuとV相の電流Ivの和であり、下アーム52がオンしているときには0Aとなる。
領域#2においてシャント電流Ishは、下アーム52がオフしているときにはU相の電流Iuと等しく、下アーム52がオンしているときには0Aとなる。
領域3においてシャント電流Ishは、下アーム52がオフしているときにはW相の電流IwとU相の電流Iuの和であり、下アーム52がオンしているときには0Aとなる。
このとき、W相のコイルLwには、インバータモジュール5から電流が流れる。この電流は、U相のコイルLuとスイッチング素子54に流れると共に、V相のコイルLvとスイッチング素子56にも流れ、スイッチング素子58を介して再びW相のコイルLwに戻る。
このときもW相のコイルLwには、インバータモジュール5から電流が流れる。この電流は、U相のコイルLuとスイッチング素子53の還流ダイオードに流れると共に、V相のコイルLvとスイッチング素子55の還流ダイオードにも流れ、平滑コンデンサ4とシャント抵抗Rとスイッチング素子58の還流ダイオードを介して再びW相のコイルLwに還流する。
このように、シャント抵抗Rに電流が流れる期間を設けているので、制御器2は、モータ電流を検出することができる。これにより、ブレーキ制御時の最大電流を制御し、パワーモジュールの信頼性を確保することができる。ブレーキ制御の開始タイミングやデューティ増加率を容易に決定することができる。更に、インバータ停止直後からブレーキを開始し、逆転時間を短くすることができる。
このとき、U相のコイルLuから、インバータモジュール5に向けて電流が流れる。この電流は、スイッチング素子54に流れたのち、スイッチング素子56とコイルLvを介してコイルLuに還流し、更にスイッチング素子58とコイルLwを介してコイルLuに還流する。
このときもU相のコイルLuから、インバータモジュール5に向けて電流が流れる。この電流は、スイッチング素子53の還流ダイオードと平滑コンデンサ4とシャント抵抗Rに流れたのち、スイッチング素子56の還流ダイオードとコイルLvを介してコイルLuに還流し、更にスイッチング素子58の還流ダイオードとコイルLwを介してコイルLuに還流する。
このように、シャント抵抗Rに電流が流れる期間を設けているので、制御器2は、モータ電流を検出することができる。
このとき、V相のコイルLvには、インバータモジュール5から電流が流れる。この電流は、U相のコイルLuとスイッチング素子54に流れると共に、W相のコイルLwとスイッチング素子58にも流れ、スイッチング素子56を介して再びV相のコイルLvに戻る。
このときもV相のコイルLvには、インバータモジュール5から電流が流れる。この電流は、U相のコイルLuとスイッチング素子53の還流ダイオードに流れると共に、W相のコイルLwとスイッチング素子57の還流ダイオードにも流れ、平滑コンデンサ4とシャント抵抗Rとスイッチング素子56の還流ダイオードを介して再びV相のコイルLvに還流する。
このように、シャント抵抗Rに電流が流れる期間を設けているので、制御器2は、モータ電流を検出することができる。
ブレーキ制御開始の後、時間t13が経過するまでは、デューティ制御モードである。デューティ制御モードにおいて、制御器2は、オンデューティをx%(x%は0%以上かつ100%未満)に制限すると共に、検出したシャント電流Ishが所定値を超えたらオンデューティを下げる。そのため、モータ制御装置1は、モータ停止直後からブレーキ制御を開始できる。そして、圧縮機モータ6の最大逆転回転速度を減少させることができる。ここでオンデューティをx%とは、シャント抵抗Rによってモータ電流を検出可能な値に設定されている。
制御器2のマイコンは、ROMに格納されたプログラムを実行することにより、このプレーキ制御を行う。制御器2は、ブレーキ制御を開始すると、上アーム51を全相オフして、下アーム52をPWM制御する(S10)。以下のステップS10~S15は、図6に示したデューティ制御モードに相当する。
ステップS16において、制御器2は、第1の期間に亘って下アーム52の全相をオンする。その後、制御器2は、第2の期間に亘って、所定値のオンデューティで下アーム52をPWM制御し(S17)、第1の期間を線形に増加させる(S18)。これにより、ブレーキトルクを最大化することができる。なお、第1の期間は、図8に示す期間P1aや、図9に示す期間P1c~P1fに相当する。第2の期間は、図8や図9に示す期間P2に相当する。
時間t13以前のデューティ制御モードにおいて、制御器2は、PWMキャリアの1周期毎に少なくとも1回は、シャント電流Ishを検出する。マイコンのA/D変換器やスイッチング素子53~58の特性により、シャント電流Ishを検出のための最小パルス幅が規定される。その結果、オンデューティの最大値が決まってしまう。そこで、時間t13以降の間欠電流検出モードにおいて、制御器2は、PWMキャリアの1周期毎の電流検出を間引き、期間P2のPWMキャリア周期でのみシャント電流Ishを検出し、他の期間P1a,P1bは、オンデューティを100%に設定する。
期間P2(第2の期間)は、制御器2がPWM制御する期間である。このように下アーム52のドライブ信号をオフにすることで、シャント抵抗Rにシャント電流Ishを流し、シャント電流Ishを検出することができる。
なお、間引き数に応じてオンデューティ制御の積分ゲインも増加させる。
このように、時間経過に応じてPWMキャリアの制御周期を長くすることによっても等価的なオンデューティを増加させながらもモータ電流を検出することが可能である。これにより、図6に示す逆転総数を減らすことができる。
図11に示すように、空気調和機7は、室内機71と、室外機72と、リモコンReとを備えている。室内機71と室外機72とは冷媒配管73で接続され、周知の冷媒サイクルによって、室内機71が設置されている室内を空調する。また、室内機71と室外機72とは、通信ケーブル(図示せず)を介して互いに情報を送受信するようになっている。
図12は、空気調和機7の構成を示すブロック図である。
空気調和機7は、圧縮機61、室内熱交換器79、室内膨張弁74、室外熱交換器78、アキュムレータ76を順次連結して冷媒を循環させ冷凍サイクルを形成している。そして、室内を冷房する場合、圧縮機61で圧縮された冷媒は室外熱交換器78で凝縮して液化した後、室内膨張弁74で減圧し、室内熱交換器79で蒸発して圧縮機61に戻る。室内送風機用電動機75は室内機71の熱交換を促進し、室外送風機用電動機77は室外機72の熱交換を促進する。
冷凍サイクルは、圧縮機61の回転速度以外に冷媒流量を調整する室内膨張弁74、あるいは室外膨脹弁(図示せず)の開度、室内送風機用電動機75および室外送風機用電動機77の回転速度、冷房/暖房の運転モードを切り換える四方弁(図示せず)などが制御される。そのための情報として運転モード、温度設定などを行うリモコンReによる操作指令信号、各部の温度(圧縮機61の吐出ガス温度、外気温度、熱交換器温度、蒸発温度、吸込温度、吹出温度、凍結温度、ガス管温度など)および圧力(圧縮機61の吸入圧力、吐出圧力)を検出した信号などが、この空気調和機7の制御部(不図示)に入力される。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
2 制御器
4 平滑コンデンサ
5 インバータモジュール (電力変換回路)
51 上アーム (第1のスイッチング素子群)
52 下アーム (第2のスイッチング素子群)
53~58 スイッチング素子
6 圧縮機モータ
7 空気調和機
71 室内機
72 室外機
73 冷媒配管
74 室内膨張弁 (膨張弁)
75 室内送風機用電動機
76 アキュムレータ (凝縮器)
77 室外送風機用電動機
78 室外熱交換器 (蒸発器)
79 室内熱交換器 (蒸発器)
Re リモコン
R シャント抵抗 (直流電流検出手段)
Claims (2)
- 直流電源の正極に接続される複数のスイッチング素子からなる第1のスイッチング素子群、および前記直流電源の負極に接続される複数のスイッチング素子からなる第2のスイッチング素子群を備え、直流電力を交流電力に変換して電動機を駆動する電力変換回路と、
前記直流電源の正極と負極間に接続されるコンデンサおよび前記直流電源の負極と前記第2のスイッチング素子群との間に接続されるシャント抵抗を備え、前記電力変換回路の直流側に流れる電流を前記シャント抵抗で検出する直流電流検出手段と、
前記電力変換回路を駆動するドライブ信号を出力すると共に、前記電動機の停止時には前記第1または第2のスイッチング素子群のいずれか一方のスイッチング素子群を所定のデューティでスイッチングさせるドライブ信号を出力して、デューティオフ期間に前記シャント抵抗に流れる電流値を検知することにより前記電動機に流れる電流値を検出し、前記直流電流検出手段が検出した電流値が予め定めた設定値を超えたならば前記デューティを減少させるデューティ制御モードを第1所定時間が経過するまで実行し、その後に前記第1または第2のスイッチング素子群のいずれか一方のスイッチング素子群を間欠的にオフにすることで、オフ期間に前記シャント抵抗に流れる電流値を検知することにより前記電動機に流れる電流値を検出する間欠電流検出モードを第2所定時間が経過するまで実行する制御器と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1に記載のモータ制御装置を備えると共に、
前記電動機によって駆動される圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、によってなる冷媒回路を備えることを特徴とする空気調和機。
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