JP7153651B2 - 感光性着色樹脂組成物及びその硬化物、カラーフィルタ、並びに表示装置 - Google Patents
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Description
このような着色層の形成方法の一つとして、基板上に、色材と光重合性化合物とを含む感光性着色樹脂組成物を塗布し、紫外線等を照射することにより硬化させる方法などが知られている。
特許文献1には、複数の染料骨格が架橋基によって架橋された2価以上のカチオンと、2価以上のアニオンを含む特定の色材を用いたカラーフィルタ等が開示されている。上記色材は耐熱性に優れており、当該色材を用いたカラーフィルタは高コントラストで、耐溶剤性及び電気信頼性に優れていると記載されている。
近年、生産効率を上げるため、より少ない露光量でパターニングすることが求められているが、本発明者らは、フタロシアニン顔料を用いて青色着色層を形成しようとすると、設計通りの着色層が形成されない場合があるとの知見を得た。
前記色材が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含み、
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下である。
本発明は、基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、前記着色層の少なくとも1つが、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物である、カラーフィルタを提供する。
本発明は、前記本発明に係るカラーフィルタを有する表示装置を提供する。
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表す。
本発明に係る感光性着色樹脂組成物は、色材と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、溶剤とを含有する感光性着色樹脂組成物であって、
前記色材が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含み、
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
カラーフィルタ製造工程におけるポストベーク工程は、230℃や240℃もの高温で加熱されるため、当該高温加熱時に色材が退色し難い点から、従来、色材としては顔料が用いられてきた。更に、近年、生産効率を上げるため、より少ない露光量でパターニングすることが求められているが、本発明者らは、フタロシアニン顔料を用いて青色着色層を形成しようとすると、設計通りの着色層が形成されない場合があるとの知見を得た。これは、青色フタロシアニン顔料は、光開始剤の吸収波長(ラジカル発生波長)である300nm前後を吸収してしまうため、光重合反応が十分に進まず、露光時に着色層内部の硬化不足が発生していると推定される。
それに対して、本発明では、フタロシアニン顔料に、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を、特定の割合で組み合わせて用いることにより、前記キサンテン系色材及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材が300nm前後の波長を吸収し難いことから、ネガ型感光性バインダー成分を組み合わせて青色着色層用の感光性着色樹脂組成物としても、露光時に着色層内部の硬化不足が生じ難く、所望の線幅でパターンを形成し易くなる。
更に、フタロシアニン顔料に、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を、特定の割合で組み合わせて用いることにより、トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を多く配合し過ぎて退色し易くなることを抑制しつつ、透過率を向上でき、カラーフィルタ製造工程における高温加熱(ポストベーク)前後の色度変化や輝度低下を抑制しつつ、高温加熱後に最終的に得られる着色層の輝度を高くすることが出来ると推定される。
以下、このような本発明の感光性着色樹脂組成物の各成分について、順に詳細に説明する。
本発明において、色材は、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含み、前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下であることを特徴とする。
フタロシアニン顔料としては、前記一般式(1)で表される色材と組み合わせて用いられることから、青色フタロシアニン顔料であることが好ましく、比較的輝度に優れる点から、銅フタロシアニン顔料が好ましい。例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6等が挙げられる。中でも、比較的輝度に優れる点から、前記フタロシアニン顔料が、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー15:3、及びC.I.ピグメントブルー15:4よりなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
本発明においては、高温加熱工程前後の色度変化や輝度低下を抑制し、最終的に得られる着色層の輝度を良好にしながら、所望の線幅でパターンを形成可能な感光性着色樹脂組成物とするために、キサンテン系色材を含む。
キサンテン系色材は、キサンテン骨格を有する化合物を含む色材である。
着色層の輝度及びコントラストを良好にする点から、キサンテンを基本骨格として含む、ローダミン系色材であることが好ましい。
キサンテン系色材は、ローダミン系色材の中でも、下記一般式(2)で表される化合物を含むことが好ましい。
当該脂肪族炭化水素基が有してもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、芳香族炭化水素基、カルバモイル基、-CO-O-Raで示される一価の基、-O-CO-Ra’で示される一価の基、-SO2-Ra”で示される一価の基、-Rb-CO-O-Rcで示される一価の基、-Rb’-O-CO-Rc’で示される一価の基、及び-Rb”-SO2-Rc”で示される一価の基等が挙げられる。
置換された脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基等が挙げられ、更に置換基としてハロゲン原子や、酸性基を有していてもよい。
R1~R4における芳香族複素環基とは、特に限定されないが、置換基を有していてもよい炭素数5以上20以下の芳香族複素環基が挙げられ、ヘテロ原子として、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものが好ましい。また、芳香族複素環基として具体的には例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン等が挙げられる。
芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が有してもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、カルバモイル基、-CO-O-Raで示される一価の基、-O-CO-Ra’で示される一価の基、-SO2-Ra”で示される一価の基、-Rb-CO-O-Rcで示される一価の基、-Rb’-O-CO-Rc’で示される一価の基、-Rb”-SO2-Rc”で示される一価の基等が挙げられる。前記Ra、Ra’、Ra”、Rb、Rb’、Rb”、Rc、Rc’及びRc”は、脂肪族炭化水素基を示す。これらの置換基は、耐熱性等に悪影響を及ぼさない点から好適に用いられる。これらの置換基による電子吸引性及び電子供与性を調整することにより、分光特性の調整をすることが可能である。また、ここでの脂肪族炭化水素基は、R1~R4における脂肪族炭化水素基と同様であって良い。
また、R3及びR4の少なくとも1つは、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であることが好ましく、R3及びR4が芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であることが好ましい。中でも、R3及びR4の少なくとも1つは、芳香族炭化水素基であることが好ましく、R3及びR4が芳香族炭化水素基であることが好ましい。当該芳香族炭化水素基としては、炭素数6以上10以下の芳香族炭化水素基であることが好ましく、更にフェニル基であることが、異物の発生が抑制され、輝度が向上した着色層を形成可能な点から好ましい。
また、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基である場合、少なくとも1つは脂肪族炭化水素基で置換されていることが好ましい。
当該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基の水素原子と置換されている脂肪族炭化水素基としては、中でも直鎖脂肪族炭化水素基であることが好ましい。当該脂肪族炭化水素基としては、炭素数1以上10以下であることが好ましく、更に炭素数1以上6以下の直鎖アルキル基であることが好ましい。また、R3及びR4の両方共が、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であり、前記のような脂肪族炭化水素基で置換されていることが好ましい。
また、少なくとも1つの芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基は、1つの芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基当たり、2つ以上の脂肪族炭化水素基で置換されていることが、異物の発生が抑制され、輝度が向上した着色層を形成可能な点から好ましい。
また、R1、R2、R3及びR4に含まれる脂肪族炭化水素基のいずれか1つが、炭素数2以上、更に炭素数3以上の直鎖アルキル基である場合には、分子中の電子密度を調整し易い傾向がある。
R1及びR2の少なくとも1つが直鎖肪族炭化水素基の場合であって、R3及びR4の少なくとも1つが芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であって、当該芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が直鎖アルキル基で置換されている場合には、異物の発生が抑制され易く、輝度が向上した着色層が形成され易い傾向がある。
R6としては、中でも炭素数が1以上5以下の直鎖又は分岐のパーフルオロアルキル基であることが好ましい。
スルホフルオラン化合物とR3及びR4に対応するアミン化合物を溶媒中60℃で還流させ、この反応液を60℃でろ過して不溶解分を除いた後、溶媒の一部を除き、6%塩酸に注ぐ。次いで、大量の水を加えて室温で30分間攪拌した後、ウェットケーキをろ取する。このウェットケーキを水やお湯で洗浄後、乾燥させることにより上記一般式(2)で表される化合物の中間体が得られる。なお、本発明において、R3及びR4の一部の構造が異なり、キサンテン環に対して非対称である一般式(2)で表される化合物を製造する場合には、対応する半分のアミン化合物を、大希釈のスルホフルオラン化合物メタノール溶液に、少量ずつ滴下し、反応後、残る一方のアミン化合物を滴下したり、各アミン化合物の1:1溶液をスルホフルオラン化合物メタノール溶液にゆっくり滴下したりすることにより、高収率で非対称の一般式(2)で表される化合物の中間体を得ることができる。
次いで一般式(2)で表される化合物の中間体を、1-メチル-2-ピロリジノン等の極性溶媒中炭酸カリウム等の塩基存在下で、R1及びR2に対応するハロゲン化物と、80℃で2時間、撹拌して反応させる。反応終了後、反応溶液を室温まで放冷した後、反応溶液を0~10℃の17.5%塩酸に滴下して1時間、撹拌をする。その後、析出物をろ取して、残渣を60℃で24時間、乾燥することにより、一般式(2)で表される化合物の前駆体を得る。
次いで、R5が-L1-N--L2-R6の場合、一般式(2)で表される化合物の前駆体と、トリフルオロメチルスルホンアミドをクロロホルムに溶解させ、トリエチルアミンを滴下し、反応させる。その後、得られた反応溶液を水洗し、次いで有機層を分取する。この有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥させ、カラムクロマトグラフィーにて精製し、減圧濃縮することにより、上記一般式(2)で表される化合物の色材を得ることができる。
なお、L1が-CO-で表される場合は、スルホフルオラン化合物の代わりにフルオラン化合物を用い、以降同様にして上記一般式(2)で表される化合物を得ることができる。
また、耐熱性の点からは、一般式(2)において、m=1、且つn=0であるベタイン構造を有する化合物が好ましい。
また、中でも、m=1、且つn=0であって、R1及びR2は各々独立に置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、R3及びR4は各々独立に置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基であることが、輝度及び耐光性に優れた着色層を形成可能になる点から好ましい。
当該有機アニオンとしては、アニオン性基を置換基として有する有機化合物が挙げられる。また、有機アニオンとして公知の酸性染料を用いてもよい。この場合、レーキ色材は、酸性染料と塩基性染料とがイオン対となって存在する。
これらの有機アニオンを発生するレーキ化剤としては、上記の有機アニオンのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
上記ポリ酸としては、イソポリ酸アニオン(MmOn)c-であってもヘテロポリ酸アニオン(XlMmOn)c-であってもよい。上記イオン式中、Mはポリ原子、Xはヘテロ原子、mはポリ原子の組成比、nは酸素原子の組成比を表す。ポリ原子Mとしては、例えば、Mo、W、V、Ti、Nb等が挙げられる。またヘテロ原子Xとしては、例えば、Si、P、As、S、Fe、Co等が挙げられる。
中でも、耐熱性の点から、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)のうち少なくとも一方を含むポリ酸アニオンであることが好ましく、少なくともタングステンを含むc価のポリ酸アニオンであることがより好ましい。
なお、レーキ色材における染料のカウンターイオン(レーキ化剤)は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、高温加熱工程前後の色度変化や輝度低下を抑制し、最終的に得られる着色層の輝度を良好にしながら、所望の線幅でパターンを形成可能な感光性着色樹脂組成物とするために、トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含む。
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材は、耐熱性及び耐光性に優れ、カラーフィルタの高輝度化を達成する点から、中でも、下記一般式(1)で表される色材、及び下記一般式(3)で表される色材より選択される1種以上であることが好ましく、下記一般式(1)で表される色材であることが、分子会合状態を形成しており、より優れた耐熱性を示す点で好ましい。
a及びcは2以上の整数、b及びdは1以上の整数を表す。eは0又は1であり、eが0のとき結合は存在しない。f及びgは0以上4以下の整数を表し、f+e及びg+eは0以上4以下である。複数あるe、f及びgはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
Aにおいて、少なくともNと直接結合する末端に飽和脂肪族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基は、Nと直接結合する末端の炭素原子がπ結合を有しなければ、直鎖、分岐又は環状のいずれであってもよく、末端以外の炭素原子が不飽和結合を有していてもよく、置換基を有していてもよく、炭素鎖中に、O、S、Nが含まれていてもよい。例えば、カルボニル基、カルボキシ基、オキシカルボニル基、アミド基等が含まれていてもよく、水素原子が更にハロゲン原子等に置換されていてもよい。
また、Aにおいて上記脂肪族炭化水素基を有する芳香族基は、少なくともNと直接結合する末端に飽和脂肪族炭化水素基を有する脂肪族炭化水素基を有する、単環又は多環芳香族基が挙げられ、置換基を有していてもよく、O、S、Nが含まれる複素環であってもよい。
中でも、骨格の堅牢性の点から、Aは、環状の脂肪族炭化水素基又は芳香族基を含むことが好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基としては、中でも、有橋脂環式炭化水素基が、骨格の堅牢性の点から好ましい。有橋脂環式炭化水素基とは、脂肪族環内に橋かけ構造を有し、多環構造を有する多環状脂肪族炭化水素基をいい、例えば、ノルボルナン、ビシクロ[2,2,2]オクタン、アダマンタン等が挙げられる。有橋脂環式炭化水素基の中でも、ノルボルナンが好ましい。また、芳香族基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環を含む基が挙げられ、中でも、ベンゼン環を含む基が好ましい。例えば、Aが2価の有機基の場合、炭素数1~20の直鎖、分岐、又は環状のアルキレン基や、キシリレン基等の炭素数1~20のアルキレン基を2個置換した芳香族基等が挙げられる。
Ri~Rvにおけるアルキル基は、特に限定されない。例えば、炭素数1~20の直鎖又は分岐状アルキル基等が挙げられ、中でも、炭素数が1~8の直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数が1~5の直鎖又は分岐のアルキル基であることが、輝度及び耐熱性の点から、より好ましい。中でも、Ri~Rvにおけるアルキル基がエチル基又はメチル基であることが特に好ましい。アルキル基が有してもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられ、置換されたアルキル基としては、ベンジル基のようなアラルキル基等が挙げられる。
Ri~Rvにおけるアリール基は、特に限定されない。例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アリール基が有してもよい置換基としては、例えばアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。
中でも化学的安定性の点からRi~Rvとしては、各々独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、フェニル基、又は、RiiとRiii、RivとRvが結合してピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環を形成していることが好ましい。
また、Rvi及びRviiにおけるアルコキシ基としては、特に限定されないが、炭素原子数が1以上8以下の直鎖、又は分岐を有するアルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数が1以上4以下のアルコキシ基であることがより好ましい。炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられ、直鎖状であっても分岐を有していてもよい。アルコキシ基が有してもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、アリール基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。
Rvi及びRviiにおけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Rvi及びRviiの置換数、即ち、f及びgはそれぞれ独立に0以上4以下の整数を表し、中でも0以上2以下であることが好ましく、0以上1以下であることがより好ましい。複数あるf及びgはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、Rvi及びRviiは、トリアリールメタン骨格、又は、キサンテン骨格内の共鳴構造を有する芳香環のいずれの部位に置換されていてもよいが、中でも、-NRiiRiii又は-NRivRvで表されるアミノ基の置換位置を基準にメタ位に置換されていることが好ましい。
Ar1は炭素数が6~20の芳香族基であることが好ましく、炭素数が10~14の縮合多環式炭素環を含む芳香族基がより好ましい。中でも、構造が単純で原料が安価である点からフェニレン基やナフチレン基であることがより好ましい。
中でも、耐熱性の点から、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)のうち少なくとも一方を含むポリ酸アニオンであることが好ましく、少なくともタングステンを含むc価のポリ酸アニオンであることがより好ましい。
なお、一般式(1)で表されるレーキ色材としては、例えば、国際公開第2012/144520号パンフレットを参考にして調製することができる。
上記一般式(3)で表される色材は、結晶水を持つ水和物であってもよく、無水物であってもよい。
例えば、特開2015-96947号公報、特開2016-27149号公報、及び特開2017-16099号公報に記載されているトリアリールメタン系染料のカチオンと、前記のような各種ヘテロポリ酸アニオンとのレーキ色材や、特開2015-96947号公報、特開2016-27149号公報、及び特開2017-16099号公報に記載されているトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を用いてもよい。
本発明の感光性着色樹脂組成物における色材は、必須成分として前記フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含むが、本発明の効果を損なわない範囲で、色調を調整するために、更に他の色材を組み合わせて用いてもよい。
他の色材としては公知の顔料、染料、レーキ色材等を、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
他の青色色材としては、例えば、フタロシアニン顔料とは異なる公知の有機青色顔料、前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材とは異なるトリアリールメタン系レーキ色材等が挙げられる。
紫色色材としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、14、15、19、23、29、32、33、36、37、38等の公知の有機紫色顔料が挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物において、前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量は、色材の耐熱性を向上させ、高温加熱工程前後の色度変化や輝度低下を抑制し、最終的に得られる着色層の輝度を良好にしながら、所望の線幅でパターンを形成可能な感光性着色樹脂組成物を得る点から、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下であるが、中でも、輝度とパターン形成の容易さの点から、35質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。また、中でも、高温加熱工程での色変化が小さくなる点から、57質量%以下であることが好ましく、54質量%以下であることが更に好ましい。
感光性着色樹脂組成物中の色材の平均分散粒径は、少なくとも溶剤を含有する分散媒体中に分散している色材粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、色材分散液に用いられている溶剤で、色材分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA-EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分布粒径は、体積平均粒径である。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は酸性基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられるアルカリ現像液に可溶性であるものの中から、適宜選択して使用することができる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂とは、酸価が40mgKOH/g以上であることを目安にすることができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、酸性基、通常カルボキシ基を有する樹脂であり、具体的には、例えば、カルボキシ基を有するアクリル系共重合体及びカルボキシ基を有するスチレン-アクリル系共重合体等のアクリル系樹脂、カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂中に、エチレン性二重結合を導入する方法は、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、アルカリ可溶性樹脂が有するカルボキシ基に、分子内にエポキシ基とエチレン性二重結合とを併せ持つ化合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレート等を付加させ、側鎖にエチレン性二重結合を導入する方法や、水酸基を有する構成単位を共重合体に導入しておいて、分子内にイソシアネート基とエチレン性二重結合とを備えた化合物を付加させ、側鎖にエチレン性二重結合を導入する方法などが挙げられる。
このような炭化水素環としては、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、及びこれらの組み合わせが挙げられ、炭化水素環がアルキル基、カルボニル基、カルボキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
炭化水素環は、1価の基として含まれていても良いし、2価以上の基として含まれていても良い。
上記置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
また、前記カルド構造を含む場合には、着色層の硬化性が向上し、色材の退色を抑制し、耐溶剤性(NMP膨潤抑制)が向上する点から特に好ましい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシ基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。中でも、共重合性やコスト、溶解性、ガラス転移温度などの点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの仕込み量は、良好なパターンが得られる点から、モノマー全量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。一方、現像後のパターン表面の膜荒れ等を抑制する点から、カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの仕込み量は、モノマー全量に対して50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
なお、カルボキシ基含有共重合体の上記重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてショウデックスGPCシステム-21H(Shodex GPC System-21H)により測定することができる。
エポキシ化合物、不飽和基含有モノカルボン酸、及び酸無水物は、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としても、分子内に、前記炭化水素環を有することが好ましく、中でも、カルド構造を含むものが、着色層の硬化性が向上し、色材の退色を抑制し、また着色層の残膜率が高くなる点から好ましい。
カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、それぞれ1種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
なお、本発明において酸価はJIS K 0070:1992に従って測定することができる。
ここで、エチレン性不飽和結合当量とは、上記アルカリ可溶性樹脂におけるエチレン性不飽和結合1モル当りの重量平均分子量のことであり、下記数式(1)で表される。
エチレン性不飽和結合当量(g/mol)=W(g)/M(mol)
(数式(1)中、Wは、アルカリ可溶性樹脂の質量(g)を表し、Mはアルカリ可溶性樹脂W(g)中に含まれるエチレン性二重結合のモル数(mol)を表す。)
感光性着色樹脂組成物において用いられる光重合性化合物は、光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が好適に用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものの中から適宜選択して用いればよい。具体例としては、例えば、特開2013-029832号公報に記載のもの等が挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物において用いられる光開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種開始剤の中から、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光開始剤としては、芳香族ケトン類、ベンゾインエーテル類、ハロメチルオキサジアゾール化合物、α-アミノケトン、ビイミダゾール類、N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、ハロメチル-S-トリアジン系化合物、チオキサントン等を挙げることができる。光開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、4,4’-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2-(o-クロロフェニル)-4,5-フェニルイミダゾール2量体等のビイミダゾール類、2-トリクロロメチル-5-(p-メトキシスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物、2-(4-ブトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス-トリクロロメチル-S-トリアジン等のハロメチル-S-トリアジン系化合物、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-メチル-1-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパノン、1,2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1,1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノベンゾエート、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2-n-ブトキシエチル-4-ジメチルアミノベンゾエート、2-クロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、4-ベンゾイル-メチルジフェニルサルファイド、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、α-ジメトキシ-α-フェニルアセトフェノン、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-(4-モルフォリニル)-1-プロパノンなどが挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物において用いられる光開始剤としては、青色フタロシアニン顔料の吸収波長と重複する波長に吸収波長を有する、すなわち300nm前後に吸収波長を有する開始剤であっても良好な硬化性が得られ、好適に用いることが出来る。
中でも、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(例えばイルガキュア907、BASF社製)、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン(例えばイルガキュア369、BASF社製)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(例えば、ハイキュアABP、川口薬品製)、ジエチルチオキサントンが好ましく用いられる。更に2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オンのようなα-アミノアセトフェノン系光開始剤とジエチルチオキサントンのようなチオキサントン系光開始剤を組み合わせることが感度調整、水染みを抑制し、現像耐性が向上する点から好ましい。
当該オキシムエステル系光開始剤としては、分解物による感光性着色樹脂組成物の汚染や装置の汚染を低減する点から、中でも、芳香環を有するものが好ましく、芳香環を含む縮合環を有するものがより好ましく、ベンゼン環とヘテロ環を含む縮合環を有することがさらに好ましい。
オキシムエステル系光開始剤としては、1,2-オクタジオン-1-[4-(フェニルチオ)-、2-(o-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)、特開2000-80068号公報、特開2001-233842号公報、特表2010-527339、特表2010-527338、特開2013-041153等に記載のオキシムエステル系光開始剤の中から適宜選択できる。市販品として、カルバゾール骨格を有するイルガキュアOXE-01(BASF製)、アデカアークルズNCI-831(ADEKA社製)、TR-PBG-304(常州強力電子新材料社製)、ジフェニルスルフィド骨格を有するアデカアークルズNCI-930(ADEKA社製)、TR-PBG-345、TR-PBG-3057(以上、常州強力電子新材料社製)、フルオレン骨格を有するTR-PBG-365(常州強力電子新材料社製)、SPI-04(三養製)などを用いても良い。特にジフェニルスルフィド骨格又はフルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤を用いることが輝度を向上させる点から好ましい。またカルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光開始剤を用いることは感度の高い点から好ましい。
またオキシムエステル系光開始剤を2種類以上併用することは、感度の異なる2種以上のオキシムエステル化合物を適宜選択して組み合わせることにより、良好な感度を維持しつつ、パターン形成の際の線幅を調整することができ、更に、現像耐性や輝度が向上しやすく、水染み発生抑制効果が高い点で好ましい。特にジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤2種類の併用又は、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤とフルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤を併用することは耐熱性が高くなり、輝度が向上し易い点から好ましい。
また、オキシムエステル系光開始剤に、チオキサントン系光開始剤を組み合わせることが感度調整、水染みを抑制し、現像耐性が向上する点から好ましく、オキシムエステル系光開始剤を2種類以上と、チオキサントン系光開始剤を組み合わせることが輝度、現像耐性が向上し、感度調整をしやすく、水染み発生抑制効果が高く、現像耐性が向上する点で好ましい。
なお、固形分とは、溶剤以外のもの全てであり、液状の光重合性化合物等も含まれる。
本発明に用いられる溶剤としては、感光性着色樹脂組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶剤であればよく、特に限定されない。溶剤は単独もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
溶剤の具体例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、ヒドロキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシプロピオン酸エチル、n-ブチルアセテート、イソブチルアセテート、酪酸イソブチル、酪酸n-ブチル、乳酸エチル、シクロヘキサノールアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、カルビトールアセテートなどのカルビトールアセテート系溶剤;プロピレングリコールジアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート等のジアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ-ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;テトラヒドロフランなどの環状エーテル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N-ヘプタン、N-ヘキサン、N-オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中ではグリコールエーテルアセテート系溶剤、カルビトールアセテート系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、エステル系溶剤が他の成分の溶解性の点で好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、カルビトールアセテート、3-メトキシ-3-メチル-1-ブチルアセテート、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、及び、3-メトキシブチルアセテートよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物において、前記色材は、分散剤により溶剤中に分散させて用いられることが好ましい。本発明において分散剤は、従来公知の分散剤の中から適宜選択して用いることができる。分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子分散剤が好ましい。
3級アミンを有する構成単位は、前記色材と親和性を有する部位である。3級アミンを有する構成単位を含む重合体は、通常、溶剤と親和性を有する部位となる構成単位を含む。3級アミンを有する構成単位を含む重合体としては、中でも、3級アミンを有する構成単位を含むブロック部(以下、Aブロックと記載することがある。)と、溶剤親和性を有するブロック部(以下、Bブロックと記載することがある。)とを有するブロック共重合体であることが、耐熱性に優れ、高輝度となる塗膜を形成可能となる点で好ましい。
中でも、側鎖に3級アミンを有する構成単位であることが好ましく、中でも、主鎖骨格が熱分解し難く、耐熱性が高い点から、下記一般式(I)で表される構成単位であることが、より好ましい。
xは1~18の整数、yは1~5の整数、zは1~18の整数を示す。)
R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
上記R2としては、分散性の点から、炭素数1~8のアルキレン基が好ましく、中でも、R2がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。
また、例えば、前記Bブロックは、国際公開第2016/104493号のBブロックと同様であってよい。
アミン価が上記範囲内であることにより、粘度の経時安定性や耐熱性に優れると共に、アルカリ現像性や、溶剤再溶解性にも優れている。アミン価は、試料1g中に含まれるアミン成分を中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいい、JIS-K7237:1995に定義された方法により測定することができる。当該方法により測定した場合には、分散剤中の有機酸化合物と塩形成しているアミノ基であっても、通常、当該有機酸化合物が解離するため、分散剤として用いられるブロック共重合体そのもののアミン価を測定することができる。
本発明に用いられる分散剤においては、塩形成前のブロック共重合体の酸価は、溶剤再溶解性及び現像密着性をより向上する点、基板密着性及び分散安定性の点からは、0mgKOH/gであることが好ましい。一方で、現像残渣の抑制効果の点からは、1mgKOH/g以上であることが好ましく、2mgKOH/g以上であることがより好ましい。また、塩形成前のブロック共重合体の酸価は、現像密着性、及び溶剤再溶解性が良好になる点から、18mgKOH/g以下であることが好ましく、12mgKOH/g以下であることがより好ましく、8mgKOH/g以下であることがさらにより好ましい。
分散剤のガラス転移温度は、現像密着性の点から中でも32℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましい。一方、精秤が容易など、使用時の操作性の観点から、200℃以下であることが好ましい。
本発明における分散剤のガラス転移温度は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定(DSC)により測定することにより求めることができる。
また、ブロック部及びブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ブロック部はi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。なお、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用することができる。
ここで、重量平均分子量は(Mw)、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。なお、ブロック共重合体の原料となるマクロモノマーや塩型ブロック共重合体、グラフト共重合体についても、上記条件で行う。
中でも、3級アミンを有する構成単位を含む重合体がブロック共重合体であって、前記有機酸化合物がフェニルホスホン酸やフェニルホスフィン酸等の酸性有機リン化合物であることが、色材の分散性及び分散安定性に優れる点から好ましい。このような分散剤に用いられる有機酸化合物の具体例としては、例えば、特開2012-236882号公報等に記載の有機酸化合物が好適なものとして挙げられる。
また、前記ハロゲン化炭化水素としては、臭化アリル、塩化ベンジル等のハロゲン化アリル及びハロゲン化アラルキルの少なくとも1種であることが、色材の分散性及び分散安定性に優れる点から好ましい。
本発明に係る感光性着色樹脂組成物は、更に酸化防止剤を含有することが、耐熱性が向上し、色材の退色が抑制され、輝度が向上する点から好ましい。本発明に係る感光性着色樹脂組成物は、オキシムエステル系光開始剤と組み合わせて酸化防止剤を含むことにより、硬化膜に微小孔を形成する際に硬化性を損なうことなく微小孔内の過度なラジカル連鎖反応を制御できるため、所望の形状の微小孔をより容易に形成することができる。
本発明に用いられる酸化防止剤としては、特に限定されず、従来公知のものの中から適宜選択すればよい。酸化防止剤の具体例としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドラジン系酸化防止剤等が挙げられ、耐熱性の点及び微小孔の形状を良好にする点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることが好ましい。国際公開第2014/021023号に記載されているような潜在性酸化防止剤であっても良い。
本発明の感光性着色樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を含むものであってもよい。添加剤としては、例えば、メルカプト化合物、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
界面活性剤及び可塑剤の具体例としては、例えば、特開2013-029832号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の感光性着色樹脂組成物の製造方法は、色材と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、溶剤と、好ましくは分散剤と、酸化防止剤と、所望により用いられる各種添加成分とを含有し、色材が分散剤により溶剤中に均一に分散されうる方法であることがコントラストを向上する点から好ましく、公知の混合手段を用いて混合することにより、調製することができる。
当該樹脂組成物の調製方法としては、例えば、(1)まず溶剤中に、色材と、分散剤とを添加して色材分散液を調製し、当該分散液に、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分を混合する方法;(2)溶剤中に、色材と、分散剤と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分とを同時に投入し混合する方法;(3)溶剤中に、分散剤と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し、混合したのち、色材を加えて分散する方法;(4)溶剤中に、色材と、分散剤と、アルカリ可溶性樹脂とを添加して色材分散液を調製し、当該分散液に、更にアルカリ可溶性樹脂と、溶剤と、光重合性化合物と、光開始剤と、所望により用いられる各種添加成分を添加し、混合する方法;などを挙げることができる。
なお、前記の例示では、色材を分散させて用いる方法を挙げたが、色材のうち、キサンテン系色材等、溶剤溶解性が高い色材を用いる場合には、色材を溶剤に溶解させて用いても良く、溶剤に色材をその他の成分と共に添加して混合してもよい。
また、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材は、当該色材の2種以上を共分散させて用いても良いし、各色材を分散乃至溶解させた色材分散液又は色材溶液を準備して、混合して用いても良い。
これらの方法の中で、上記(1)及び(4)の方法が、色材の凝集を効果的に防ぎ、均一に分散させ得る点から好ましい。
本発明に係る硬化物は、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物である。
本発明に係る硬化物は、例えば、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させたのち、露光、及び必要に応じて現像することにより得ることができる。塗膜の形成、露光、及び現像の方法としては、例えば、後述する本発明に係るカラーフィルタが備える着色層の形成において用いられる方法と同様の方法とすることができる。
また、本発明に係る硬化物は、高温加熱工程後であっても輝度が良好であり、所望の線幅でパターンが形成されたものであり、カラーフィルタの着色層として好適に用いられる。
本発明に係るカラーフィルタは、基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物である。
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、少なくとも1つが、前記本発明に係る感光性着色樹脂組成物の硬化物、すなわち前記着色樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層である。
着色層は、通常、後述する基板上の遮光部の開口部に形成され、通常3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、感光性着色樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1μm以上5μm以下の範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明の感光性着色樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、ダイコート法などの塗布手段を用いて後述する基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。なかでもスピンコート法、ダイコート法を好ましく用いることができる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能モノマー等の光重合性化合物を光重合反応させて硬化塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。露光量としては、例えば30mJ~80mJが挙げられ、少ない露光量の場合には、例えば30mJ程度が挙げられる。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用する感光性着色樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、感光性着色樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。遮光部は、スパッタリング法、真空蒸着法等によるクロム等の金属薄膜であっても良い。或いは、遮光部は、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた樹脂層であってもよい。遮光性粒子を含有させた樹脂層の場合には、感光性レジストを用いて現像によりパターニングする方法、遮光性粒子を含有するインクジェットインクを用いてパターニングする方法、感光性レジストを熱転写する方法等がある。
基板としては、後述する透明基板やシリコン基板、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、TFT等のトランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm以上1mm以下程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や配向突起、柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
本発明に係る表示装置は、前記本発明に係るカラーフィルタを有することを特徴とする。本発明において表示装置の構成は特に限定されず、従来公知の表示装置の中から適宜選択することができ、例えば、液晶表示装置や、有機発光表示装置などが挙げられる。本発明では、横電界方式の液晶表示装置においても、緑色画素の電気的特性に起因する液晶の配向乱れ、スイッチングの閾値ずれによる焼き付き現象など、様々な表示不良が抑制されることから、液晶表示装置が好適に選択される。
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明に係るカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の表示装置の一例を示す概略図であり、液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明に係る有機発光表示装置は、前述した本発明に係るカラーフィルタと、有機発光体とを有することを特徴とする。
このような本発明の有機発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図3は、本発明の表示装置の他の一例を示す概略図であり、有機発光表示装置の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の有機発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、有機発光体80とを有している。カラーフィルタ10と、有機発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
なお、本発明の有機発光表示装置は、この図3に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
なお、塩形成前のブロック共重合体の酸価は、JIS K 0070:1992に記載の方法に準ずる方法により求めた。
塩形成前のブロック共重合体のアミン価は、JIS K 7237:1995に記載の方法に準ずる方法により求めた。
重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてショウデックスGPCシステム-21H(Shodex GPC System-21H)により測定した。また酸価の測定方法は、JIS K 0070に基づいて測定した。
塩形成前及び塩形成後のブロック共重合体のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に記載の方法に準ずる方法により、示差走査熱量測定(DSC)(SIIナノテクノロジー社製、EXSTAR DSC 7020)を用いて測定した。
重合槽に、PGMEAを150質量部仕込み、窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メタクリル酸(MAA)22質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)64質量部及びパーブチルO(日油株式会社製)6質量部、連鎖移動剤(n-ドデシルメルカプタン)2質量部を1.5時間かけて連続的に滴下した。その後、100℃を保持して反応を続け、上記主鎖形成用混合物の滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p-メトキシフェノール0.1質量部を添加して重合を停止した。
次に、空気を吹き込みながら、エポキシ基含有化合物としてメタクリル酸グリシジル(GMA)14質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.8質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、アルカリ可溶性樹脂A溶液(重量平均分子量(Mw)9,000、酸価90mgKOH/g、固形分40質量%)を得た。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコにTHF250質量部、塩化リチウム0.6質量部を加え、充分に窒素置換を行った。反応フラスコを-60℃まで冷却した後、ブチルリチウム4.9質量部(15質量%ヘキサン溶液)、ジイソプロピルアミン1.1質量部、イソ酪酸メチル1.0質量部をシリンジを用いて注入した。Bブロック用モノマーのメタクリル酸1-エトキシエチル(EEMA)2.2質量部、メタクリル酸2-(トリメチルシリルオキシ)エチル(TMSMA) 29.1質量部、メタクリル酸2-エチルヘキシル(EHMA)12.8質量部、メタクリル酸n-ブチル(BMA)13.7質量部、メタクリル酸ベンジル(BzMA)9.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)17.5質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。30分後、Aブロック用モノマーであるメタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMMA)26.7質量部を20分かけて滴下した。30分間反応させた後、メタノール1.5質量部を加えて反応を停止させた。得られた前駆体ブロック共重合体THF溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、PGMEAで希釈し固形分30質量%溶液とした。水を32.5質量部加え、100℃に昇温し7時間反応させ、EEMA由来の構成単位を脱保護しメタクリル酸(MAA)由来の構成単位とし、TMSMA由来の構成単位を脱保護してメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)由来の構成単位とした。得られたブロック共重合体PGMEA溶液はヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、前記一般式(I)で表される構成単位を含むブロック共重合体1(アミン価 95mgKOH/g、酸価 8mgKOH/g、Tg38℃)を得た。重量平均分子量Mwは7730であった。
冷却管、添加用ロート、窒素用インレット、機械的攪拌機、デジタル温度計を備えた500mL丸底4口セパラブルフラスコにTHF250質量部、塩化リチウム0.75質量部を加え、充分に窒素置換を行った。反応フラスコを-60℃まで冷却した後、ブチルリチウム6.1質量部(15質量%ヘキサン溶液)、ジイソプロピルアミン1.4質量部、イソ酪酸メチル1.2質量部をシリンジを用いて注入した。Bブロック用モノマーのメタクリル酸2-エチルヘキシル(EHMA)9質量部、メタクリル酸n-ブチル(BMA)13.4質量部、メタクリル酸ベンジル(BzMA)7.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)47.5質量部を、添加用ロートを用いて60分かけて滴下した。30分後、Aブロック用モノマーであるメタクリル酸ジメチルアミノエチル(DMMA)22.6質量部を20分かけて滴下した。30分間反応させた後、メタノール1.5質量部を加えて反応を停止させた。ヘキサン中で再沈殿させ、濾過、真空乾燥により精製を行い、前記一般式(I)で表される構成単位を含むブロック共重合体2を得た。(アミン価 95mgKOH/g、酸価 0mgKOH/g)重量平均分子量Mwは7600であった。
得られたブロック共重合体2の50質量部を、PGMEA213質量部に溶解した。そこへ塩化ベンジル3.2質量部を加え、90℃で12時間反応させて、塩型ブロック共重合体2のPGMEA溶液(固形分20%)を得た。
Acid Red 289 5.0gを水500mlに加え、80℃で溶解させ、染料溶液を調製した。ポリ塩化アルミニウム(「商品名:タキバイン#1500」多木化学社製、Al2(OH)5Cl、塩基度83.5質量%、アルミナ分として23.5質量%)3.85gを水200mlに入れ、80℃で攪拌し、ポリ塩化アルミニウム水溶液を調製した。調製したポリ塩化アルミニウム水溶液を、80℃で15分かけて前記染料溶液に滴下し、さらに80℃で1時間攪拌した。生成した沈殿物を濾取し、水で洗浄した。得られたケーキを乾燥してキサンテン(ローダミン酸性染料)系レーキ色材である色材Bを6.30g(収率 96.2%)を得た。
以下の手順により、下記構造式で表される中間体I-1を合成した。
500mlの4つ口フラスコに、下記化学式(4)のスルホフルオラン化合物18.0質量部、メタノール312質量部、2,6-キシリジン 10.8質量部を仕込み、30時間還流させた。この反応液を60℃でろ過して不溶解分を除いた後、反応液が約70mlになるまで減圧下で溶媒を除き、6%塩酸200質量部に注いだ。次いで、水600質量部を加えて室温で30分間攪拌した後、ウェットケーキをろ取した。このウェットケーキを100質量部の水に懸濁させて60℃で2時間攪拌した後、再びろ取して60℃の湯で水洗後、乾燥させることにより、下記化学式の中間体I-1 22.5質量部を得た。
得られた結晶20質量部及びオキシ塩化リン 106質量部をフラスコへ入れ、60℃で2時間撹拌した。得られた反応溶液を室温まで放冷し、氷水1500質量部へ反応液を滴下し、30分撹拌した。得られた結晶を濾別し、水200質量部で洗浄し、乾燥を10時間行った。この結晶 7質量部、トリフルオロメチルスルホンアミド 1.7質量部をクロロホルム 40質量部に溶解させ、トリエチルアミン1.55質量部を滴下して、室温で1時間撹拌した。その後得られた反応溶液に水100質量部を入れて水洗し、次いで有機層を分取した。有機層を硫酸ナトリウムにて乾燥させて精製し、減圧濃縮して下記化学式の色材C 7.2質量部を得た。(収率80%)
(1)K6(P2MoW17O62)の調製
NaWO4・2H2O(和光純薬工業株式会社製)44.0g、Na2MoO4・2H2O(関東化学株式会社製)1.90gを精製水230gに溶解した。この溶液に85%リン酸64.9gを滴下ロート用いて攪拌しながら添加した。得られた溶液を8時間加熱還流した。反応液を室温に冷却し、臭素水を1滴加え、攪拌しながら塩化カリウム45gを添加した。更に1時間攪拌し後、沈殿物を濾別した。得られた固体を90℃で乾燥させることにより、29.4gのK6(P2MoW17O62)を得た。
(2)色材Dの合成
C.I.ベーシックブルー7(BB7)(東京化成株式会社製) 5.30gを精製水350mlに投入し、40℃で攪拌して溶解し、BB7溶液を調製した。これとは別に、上記(1)で調製したK6(P2MoW17O62)10.0gを精製水40mlに溶解した。BB7溶液に、K6(P2MoW17O62)溶液を投入し、そのまま40℃で1時間攪拌した。次いで、内温を80℃に上げ、更に1時間攪拌しレーキ化を行った。冷却後濾過し、300mlの精製水で3回洗浄した。得られた固体を90℃で乾燥させることにより、黒青色固体で平均一次粒径が40nmの、トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材である色材Dを10.4g得た。
(1)中間体1の合成
国際公開第2012/144521号に記載の中間体3及び中間体4の製造方法を参照して、下記化学式(a)で示される中間体1を15.9g(収率70%)得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。
・MS(ESI) (m/z):511(+)、2価
・元素分析値:CHN実測値 (78.13%、7.48%、7.78%);理論値(78.06%、7.75%、7.69%)
中間体1 5.00g(4.58mmol)を水300mlに加え、90℃で溶解させ中間体2溶液とした。次に日本無機化学工業製リンタングステン酸・n水和物 H3[PW12O40]・nH2O(n=30) 10.44g(3.05mmol)を水100mLに入れ、90℃で攪拌し、リンタングステン酸水溶液を調製した。先の中間体1溶液にリンタングステン酸水溶液を90℃で混合し、生成した沈殿物を濾取し、水で洗浄した。得られたケーキを乾燥して、トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材である、下記化学式(b)で表される色材Eを13.25g(収率98%)を得た。
得られた化合物は、下記の分析結果より目的の化合物であることを確認した。(モル比W/Mo=100/0)
・MS(ESI) (m/z):510(+)、2価
・元素分析値:CHN実測値 (41.55%、5.34%、4.32%);理論値(41.66%、5.17%、4.11%)
また、リンタングステン酸のポリ酸構造が色材Eとなった後も保たれていることを31P-NMRにより確認した。
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA57.8質量部、合成例1のアルカリ可溶性樹脂A溶液(固形分40質量%)16.3質量部、合成例3の塩型ブロック共重合体2溶液(固形分20質量%)13.0質量部を入れ攪拌した。
そこへC.I.ピグメントブルー15:6(PB15:6、商品名FASTOGEN BLUE A510 DIC(株)製) 13.0質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部を入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)で1時間振とうし、次いで粒径0.1mmのジルコニアビーズ200部に変更し本解砕としてペイントシェーカーで4時間分散を行い、色材分散液Aを得た。
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA61.3質量部、合成例1のアルカリ可溶性樹脂A溶液(固形分40質量%)11.3質量部、合成例3の塩型ブロック共重合体2溶液(固形分20質量%)22.5質量部を入れ攪拌した。
そこへ、合成例4の色材B 5.0質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部を入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)で1時間振とうし、次いで粒径0.1mmのジルコニアビーズ200部に変更し本解砕としてペイントシェーカーで6時間分散を行い、色材分散液Bを得た。
225mLマヨネーズ瓶中に、PGMEA63.3質量部、合成例1のアルカリ可溶性樹脂A溶液(固形分40質量%)13.0質量部、合成例2のブロック共重合体1溶液(アミン価95mgKOH/g、酸価 8mgKOH/g、固形分45質量%)10.0質量部を入れ攪拌した。そこへフェニルホスホン酸(商品名:PPA、日産化学社製)0.72質量部(ブロック共重合体の3級アミノ基に対して0.6モル当量)を加え、室温で30分攪拌した。
合成例6の色材Dを13.0質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ100質量部を入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)で1時間振とうし、次いで粒径0.1mmのジルコニアビーズ200部に変更し本解砕としてペイントシェーカーで4時間分散を行い、色材分散液Dを得た。
製造例3において、合成例6の色材Dの代わりに、合成例7の色材Eを用いた以外は、製造例3と同様にして、色材分散液Eを得た。
合成例1で得られたアルカリ可溶性樹脂A溶液(固形分40質量%)36.5質量部に対して、光重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(アロニックスM402(東亜合成製))21.9質量部、開始剤としてイルガキュア907(BASF製、α-アミノアセトフェノン系光開始剤)1.1質量部、SPI-04(三養製、フルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)1.3質量部、カヤキュアーDETX-S(日本化薬製、チオキサントン系光開始剤)0.3質量部、酸化防止剤IRGANOX1010(BASF製)0.8質量部、PGMEA38.1質量部を加えて、感光性バインダー成分CR-1を得た。
アルカリ可溶性樹脂溶液(フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液、商品名V259ME、新日鉄住金化学(株)製、固形分55.8%)26.1質量部に対して、光重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(アロニックスM403、東亜合成製)18.2質量部、トリ(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート(ビスコート3PA、大阪有機化学工業製)3.7質量部、開始剤としてイルガキュア907(BASF製、α-アミノアセトフェノン系光開始剤)1.1質量部、SPI-04(三養製、フルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)0.5質量部、TR-PBG-3057(常州強力電子新材料社製、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)0.8質量部、カヤキュアーDETX-S(日本化薬製、チオキサントン系光開始剤)0.3質量部、酸化防止剤IRGANOX1010(BASF製)0.8質量部、PGMEA48.5質量部を加えて、感光性バインダー成分CR-2を得た。
調製例1において、SPI-04(三養製、フルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)の代わりに、OXE-02(BASF製、カルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)に変更した以外は、調製例1と同様にして感光性バインダー成分CR-3を得た。
調製例1において、SPI-04(三養製、フルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)1.3質量部の代わりに、SPI-04(三養製、フルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)0.5質量部、TR-PBG-3057(常州強力電子新材料社製、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤)0.8質量部に変更した以外は、調製例1と同様にして感光性バインダー成分CR-4を得た。
色材分散液A 16.7質量部、色材分散液B 1.3質量部、色材分散液D 7.4質量部、調製例1の感光性バインダー成分CR-1 26.0質量部、界面活性剤メガファックR08MH(DIC製)0.02質量部、PGMEA48.6質量部を混合し、実施例1の感光性着色樹脂組成物を得た。
表1に示した色材比率(固形分質量比)になるように、使用する色材又は色材分散液を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2、比較例1~4の感光性着色樹脂組成物を得た。
なお、色材Cについては、感光性着色樹脂組成物の調製時に固形分のまま添加して、PGMEAに溶解させている。
表2~表5に示した色材比率(質量比)になるように、使用する色材又は色材分散液を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3~7、比較例5~15の感光性着色樹脂組成物を得た。
なお、色材Cについては、感光性着色樹脂組成物の調製時に固形分のまま添加して、PGMEAに溶解させている。
実施例4の感光性バインダー成分CR-1を、調製例2の感光性バインダー成分CR-2に変更した以外は、実施例4と同様にして実施例8の感光性着色樹脂組成物を得た。
表6に示した色材比率(質量比)になるように、使用する色材又は色材分散液を変更した以外は、実施例8と同様にして、実施例9、比較例16~18の感光性着色樹脂組成物を得た。
実施例4の感光性バインダー成分CR-1を、調製例3の感光性バインダー成分CR-3に変更した以外は、実施例4と同様にして実施例10の感光性着色樹脂組成物を得た。
実施例4の感光性バインダー成分CR-1を、調製例4の感光性バインダー成分CR-4に変更した以外は、実施例4と同様にして実施例11の感光性着色樹脂組成物を得た。
<輝度評価、耐熱性評価>
(実施例1~2、比較例1~4)
実施例1~2、比較例1~4の感光性着色樹脂組成物をそれぞれ、厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、ポストベーク後の色度がy=0.093になるようにスピンコーターを用いて塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った。フォトマスクを介さずに超高圧水銀灯を用いて60mJ/cm2の紫外線を照射することによって硬化膜(青色着色膜)を得た。得られた膜を200℃のクリーンオーブンで25分間ポストベークし、輝度をオリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP-SP200」を用いて測定した。その後、得られた膜を、更に210℃のクリーンオーブンで25分間ポストベークし、この着色膜の色度(L0、a0、b0)を測定し、その後、更に210℃のクリーンオーブンで50分間ポストベークし、得られた着色膜の色度(L1、a1、b1)を再び測定し、輝度も測定した。
表に、200℃で25分間ポストベーク後の輝度と、耐熱試験後(200℃で25分間+210℃で25分間+210℃で50分間ポストベーク後)の輝度を示す。
また、下記式により、210℃25分後から75分後にかけての着色膜の色度変化を評価した。結果を表に示す。
ΔEab={(L1-L0)2+(a1-a0)2+(b1-b0)2}1/2
ΔEabが5以下のものをA、ΔEabが5超過10以下のものをB、ΔEabが10超過のものをCとした。ΔEabの値が小さいほど、耐熱性に優れると評価される。
実施例1~2、比較例1~4におけるポストベーク温度を200℃から230℃へ、及び、210℃から240℃へ変更した以外は、実施例1~2、比較例1~4と同様にして、実施例3~11、比較例5~18の輝度、耐熱性を評価した。
実施例及び比較例の着色樹脂組成物を、それぞれ厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて膜厚が3μmになるように塗布した。その後、80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った後、開口幅が90μmである細線パターン(線幅シフト評価用パターン)と開口寸法90μm×300μmの独立細線内の中央に20μm×20μmのクロムマスクを配置したパターン(微小孔評価用パターン)を有するフォトマスクパターンを介して、超高圧水銀灯を用いて30mJ/cm2の紫外線を照射した。その後、着色層が形成されたガラス板を、アルカリ現像液として0.05質量%水酸化カリウム水溶液を用いてシャワー現像し、230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークした。ガラス基板に形成された着色層細線パターンの独立細線のうち、フォトマスクの開口幅が90μmで、設計線幅を95μmとした時の実際に測定した独立細線の幅(線幅)を測定した。また、微小孔の形状について、下記基準で評価した。
下記式により、設計線幅からのずれである線幅シフト値(μm)を算出した。
線幅シフト値(μm)=測定した線幅(μm)-95(μm)
A:線幅シフト値が-2μm以上2μm以下
B:線幅シフト値が-4μm以上-2μm未満
C:線幅シフト値が-4μm未満又は2μm超過
設計線幅からのずれが小さいほど所望の線幅でパターンを形成できると評価される。
[微小孔形状]
A:独立細線パターン内に配置されたクロムマスクの寸法に対して、着色層に形成された微小孔の寸法のズレが絶対値で2%より小さい
B:独立細線パターン内に配置されたクロムマスクの寸法に対して、着色層に形成された微小孔の寸法のズレが絶対値で2%以上6%以下
C:独立細線パターン内に配置されたクロムマスクの寸法に対して、着色層に形成された微小孔の寸法のズレが絶対値で6%より大きく8%以下
D:独立細線パターン内に配置されたクロムマスクの寸法に対して、着色層に形成された微小孔の寸法のズレが絶対値で8%より大きい
なお、寸法のズレは、各辺の寸法のズレの平均値として算出した。
表の結果から、前記色材が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材とを特定の割合で組み合わせた実施例1~11の感光性着色樹脂組成物は、高温加熱工程前後の着色膜の色度変化や輝度低下が抑制されて、耐熱試験後(200℃又は230℃で25分間+210℃又は240℃で25分間+210℃又は240℃で50分間ポストベーク後)の輝度が高いものであり、所望の線幅でパターンを形成可能であることが明らかにされた。
一方、トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、本発明の特定の割合よりも大きい比較例はいずれも、耐熱性が悪く、高温加熱工程前後の着色膜の色度変化が大きくなってしまい、また、実施例と同じ色味に揃えて比較した場合に、耐熱試験後の輝度が低いものであった。また、トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、本発明の特定の割合よりも小さい又は含まれない比較例はいずれも、耐熱性自体は問題なく、着色膜の色度変化に問題はないものの、そもそもポストベーク後の輝度が低いために耐熱試験後の輝度が低いものであり、更に設計線幅からのシフト値が大きく所望の線幅でパターンが得られ難いものであった。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
50 有機保護層
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 有機発光体
100 有機発光表示装置
Claims (8)
- 色材と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、溶剤とを含有する感光性着色樹脂組成物であって、
前記色材が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含み、
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材が、下記一般式(1)で表される色材であり、
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下である、感光性着色樹脂組成物。
a及びcは2以上の整数、b及びdは1以上の整数を表す。eは0又は1であり、eが0のとき結合は存在しない。f及びgは0以上4以下の整数を表し、f+e及びg+eは0以上4以下である。複数あるe、f及びgはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。) - 色材と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、溶剤とを含有する感光性着色樹脂組成物であって、
前記色材が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含み、
前記キサンテン系色材が、キサンテン系染料のレーキ色材であり、
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下である、感光性着色樹脂組成物。 - 色材と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、溶剤とを含有する感光性着色樹脂組成物であって、
前記色材が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含み、
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下であり、
前記光開始剤が、少なくとも2種のオキシムエステル系光開始剤を含む、感光性着色樹脂組成物。 - 色材と、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性化合物と、光開始剤と、溶剤とを含有する感光性着色樹脂組成物であって、
前記色材が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材を含み、
前記トリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の含有量が、フタロシアニン顔料、キサンテン系色材、及びトリアリールメタン系染料とヘテロポリ酸とのレーキ色材の合計含有量に対して30質量%以上60質量%以下であり、
更に、酸化防止剤を含有する、感光性着色樹脂組成物。 - 前記フタロシアニン顔料が、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー15:3、及びC.I.ピグメントブルー15:4よりなる群から選択される1種以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物の硬化物。
- 基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが請求項1~5のいずれか1項に記載の感光性着色樹脂組成物の硬化物である、カラーフィルタ。
- 前記請求項7に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする表示装置。
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