JP6895294B2 - 色材分散液、色材、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び表示装置 - Google Patents

色材分散液、色材、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、色材分散液、色材、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び表示装置に関する。
カラーフィルタは、通常、透明基板上に赤色、青色、緑色の3色の画素がパターン状に形成されたものである。色再現性を高めるため、近年、前記3色に黄色を加えた4色の画素がパターン状に形成されたカラーフィルタを用いたディスプレイ製品も上市されている。また、赤色画素、緑色画素においては、所望の色度を得るために、黄色色材を混合する場合がある。
このような状況下において、カラーフィルタの更なる高輝度化や高コントラスト化、色再現性の向上といった要望が高まっており、特に、黄色色材を含有した着色画素の高輝度化が求められている。
カラーフィルタにおける画素の形成方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法などが知られている。中でも、分光特性、耐久性、パターン形状及び精度等の観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が最も広範に採用されている。
顔料分散法を用いて形成された画素を有するカラーフィルタにおいては、高輝度化や高コントラスト化を実現するため、顔料の微細化が検討されている。顔料を微細化することにより、顔料粒子によるカラーフィルタを透過する光の散乱が低減されて、高輝度化や高コントラスト化が達成されるものと考えられている。しかしながら、微細化された顔料粒子は、凝集しやすいという問題があった。
また、上市されている黄色顔料として比較的輝度が高いものは、着色力が低く、着色層中に多量の顔料を含有させる必要があるため、着色層の薄膜化が困難になるという問題もあった。
そのため、カラーフィルタの更なる高輝度化の観点からは、一般に透過率の高い染料を用いたカラーフィルタ用着色樹脂組成物が検討されている。しかしながら染料は、顔料に比べて耐熱性や耐光性が悪いため、カラーフィルタ製造工程における高温加熱や光照射の際に、色度が変化し易く、また、着色層の輝度が低下しやすいという問題があった。また、染料を用いた着色樹脂組成物は、乾燥工程で硬化塗膜表面に異物が析出しやすいという問題があり、カラーフィルタ用途として使用するには多くの問題があった。
特許文献1には、黄色着色剤を含有する着色組成物において、色特性や耐熱性等の耐性に優れ、塗膜への異物発生がなく、安定であることを目的として、側鎖にカチオン性基を有する樹脂とキノフタロン系酸性化合物との反応により得られうる造塩化合物を用いることが提案されている。
特開2014−21139号公報
しかしながら、特許文献1に記載される着色剤は、耐熱性が不十分であり、着色層を形成する際のポストベーク後に退色して、輝度が低下するという問題や、安定性が不十分で、塗膜を作製したときに、異物が発生する問題がある。さらに、特許文献1に記載される着色剤は、着色力が低く、着色層中に多量の着色剤を含有させる必要があるため、着色層の薄膜化が困難になるという問題もある。また、現在上市されている黄色のレーキ顔料では、十分な耐熱性及び輝度を実現することが困難であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、耐熱性に優れ、高輝度でより薄膜化された着色層を形成可能な色材分散液、色材及び着色樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、当該着色樹脂組成物を用いて形成された高輝度でより薄膜化された着色層を有するカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを用いた表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る色材分散液は、色材と、分散剤と、溶剤とを含有し、
前記色材が、黄色染料の造塩色材を含有し、
前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料がカチオン性である場合に、カウンターイオンがヘテロポリ酸アニオンであり、黄色染料がアニオン性である場合に、カウンターイオンがポリ金属塩由来のカチオンであり、
前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料が、クマリン骨格、シアニン骨格及びキノフタロン骨格からなる群から選ばれる1種の骨格を含むカラーフィルタ用色材分散液ことを特徴とする。
本発明に係る着色樹脂組成物は、前記本発明に係る色材分散液と、バインダー成分とを含有することを特徴とする。
本発明に係る硬化物は、前記本発明に係る着色樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明に係るカラーフィルタは、基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが前記本発明に係る硬化物であることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記本発明に係るカラーフィルタを有することを特徴とする。
本発明によれば、耐熱性に優れ、高輝度でより薄膜化された着色層を形成可能な色材分散液、色材及び着色樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、当該着色樹脂組成物を用いて形成された高輝度でより薄膜化された着色層を有するカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを用いた表示装置を提供することができる。
図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略図である。 図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の有機発光表示装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明に係る色材分散液、着色樹脂組成物、カラーフィルタ、及び、表示装置について、順に詳細に説明する。
なお、本発明において光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波、さらには放射線が含まれ、放射線には、例えばマイクロ波、電子線が含まれる。具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線のことをいう。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表す。
I.色材分散液
本発明に係る色材分散液は、色材と、分散剤と、溶剤とを含有し、
前記色材が、黄色染料の造塩色材を含有し、
前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料がカチオン性である場合に、カウンターイオンがヘテロポリ酸アニオンであり、黄色染料がアニオン性である場合に、カウンターイオンがポリ金属塩由来のカチオンであることを特徴とする。
また、本発明に係る色材は、黄色染料の造塩色材であり、
前記黄色染料がカチオン性である場合に、カウンターイオンがヘテロポリ酸アニオンであり、前記黄色染料がアニオン性である場合に、カウンターイオンがポリ金属塩由来のカチオンであることを特徴とする。
本発明に係る色材分散液は、前記本発明に係る色材を含有するものであるため、当該色材分散液を用いて調製される着色樹脂組成物により、耐熱性に優れ、高輝度でより薄膜化された着色層を形成することができる。
本発明に係る色材分散液が、上記のような効果を発揮する作用としては、以下のように推定される。
本発明に係る色材分散液は、前記特定の造塩色材が染料骨格を有することにより、色材の透過率が高く、顔料を用いる場合に比べて高輝度な着色層を形成可能であり、更に、前記特定の造塩色材がカウンターイオンにより不溶化されていることにより、色材の耐熱性が向上しているため、ポストベーク等の高温加熱による退色が抑制されたものである。また、本発明に係る色材分散液は、前記特定の造塩色材が、カウンターイオンとしてヘテロポリ酸アニオン又はポリ金属塩由来のカチオンを用いていることにより、耐熱性がより向上し、着色力が向上したものである。前記特定のカウンターイオンと造塩させた状態では、塩の解離や分解が起こり難いため、レーキ化反応が進みやすく、より顔料に近い性質となるため、造塩色材の耐熱性がより向上すると推定される。
また、本発明の色材分散液は、前記特定の造塩色材の着色力が高いことにより、所望の色度を得るための色材の添加量を抑えることができる。その結果、着色層全体の固形分量を減らすことができるため、本発明の色材分散液を用いることにより、輝度が更に高くなり、より薄膜化された着色層を形成することができる。また、着色力がより低い色材を用いる場合に比べ、本発明の色材を用いる場合は、着色層中の色材の含有割合を減らして、バインダー成分の含有割合を増やすことができるため、硬化性に優れ、バインダー成分が感光性である場合には、高精細な細線パターンを形成することができる。
本発明に係る色材分散液は、少なくとも色材と、分散剤と、溶剤とを含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他の成分を含有してもよいものである。
以下、このような本発明に係る色材分散液の各成分について詳細に説明する。
<色材>
本発明に係る色材分散液は、黄色染料の造塩色材を含有する。前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料がカチオン性である場合に、カウンターイオンがヘテロポリ酸アニオンであり、黄色染料がアニオン性である場合に、カウンターイオンがポリ金属塩由来のカチオンである。
本発明における黄色染料とは、染料を水又はアルコール等の有機溶剤に溶解させた染料溶液における可視光領域380nm以上780nm以下の分光透過スペクトルの透過率を、440nmで1%となる染料濃度としたときに、540nmにおける当該染料溶液の透過率が90%以上である染料をいう。なお、分光透過スペクトルは、島津製作所製 分光光度計 UV−2600等の一般的な分光測光装置を用いて測定することができる。
前記黄色染料としては、公知のカチオン性又はアニオン性の黄色染料を用いることができ、特に限定はされない。なお、以下においてカラーインデックス名を記載する場合、カラーインデックス名のうち番号のみが異なるものを列挙するときは、当該番号のみを列挙する場合がある。
前記黄色染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー36、C.I.ベーシックイエロー15、19、24、25、28、29、38、39、49、51、52、53、57、62、773等のアゾ系染料;ソルベントイエロー33、98、157、ディスパースイエロー54、160等のキノリン系染料;C.I.アシッドイエロー3等のキノフタロン系染料;C.I.ベーシックイエロー40、ソルベントイエロー160:1等のクマリン系染料;C.I.ベーシックイエロー11、13、1−エチル−3,3−ジメチル−2−(2−(フェニルアミノ)−ビニル)−3H−インドール−1−イウム−5−スルホネート等のシアニン系染料;C.I.ベーシックイエロー14等のアジン系染料;C.I.ベーシックイエロー2、3、37等のオーラミン系染料;C.I.ベーシックイエロー5、6、7、9等のアクリジン系染料;C.I. ベーシックイエロー1、C.I.アシッドイエロー186、C.I.ダイレクトイエロー7、8、9、14、17、18、22、28、29、30、54、59、165等のチアゾール系染料;C.I.アシッドイエロー1、C.I.ディスパースイエロー42等のニトロ系染料;ディスパースイエロー201等のメチン系染料;等が挙げられる。また、クマリン系染料としては、特開2015−91947号公報に記載のものも挙げられる。
前記黄色染料としては、中でも、アゾ骨格、キノリン骨格、キノフタロン骨格、クマリン骨格及びシアニン骨格からなる群から選ばれる1種の骨格を含むことが、耐熱性を向上する効果が高い点から好ましく、中でも、クマリン骨格、シアニン骨格及びキノフタロン骨格からなる群から選ばれる1種の骨格を含むことが、耐熱性及び輝度の点から好ましく、クマリン骨格を含むことが、輝度と、着色力が高くて薄膜化し易い点からより好ましい。
本発明に用いられるヘテロポリ酸アニオンとしては、例えば、イオン式(Xc−で表されるヘテロポリ酸アニオンが挙げられる。ヘテロポリ酸アニオンは化合物密度が高く、カウンターアニオンとして用いることで造塩色材の着色力を向上することができる。
上記イオン式中、Mはポリ原子、Xはヘテロ原子、mはポリ原子の組成比、nは酸素原子の組成比を表す。ポリ原子Mとしては、例えば、Mo、W、V、Ti、Nb等が挙げられる。またヘテロ原子Xとしては、例えば、Si、P、As、S、Fe、Co等が挙げられる。
中でも、高輝度で耐熱性や耐光性に優れ、化合物密度が高く、着色力を向上する点から、タングステン(W)及びモリブデン(Mo)の少なくとも1種を含むヘテロポリ酸アニオンが好ましく、更にリン(P)を含むヘテロポリ酸であることがより好ましい。好ましいヘテロポリ酸の具体例としては、例えば、リンタングステン酸イオン[PW12403−、[P18626−、ケイタングステン酸イオン[SiW12404−、リンモリブデン酸イオン[PMo12403−、ケイモリブデン酸イオン[SiMo12404−、リンタングストモリブデン酸イオン[PW12−xMo403−(xは1以上11以下の整数)、[P18−yMo626−(yは1以上17以下の整数)、ケイタングストモリブデン酸イオン[SiW12−xMo404−(xは1以上11以下の整数)等が挙げられる。さらに、リンタングストモリブデン酸イオン[PW10Mo403−、[PW11Mo403−、リンタングステン酸イオン[PW12403−、のいずれかであることが耐熱性の点からより好ましく、リンタングステン酸イオン[PW12403−が特に好ましい。
本発明に用いられるポリ金属塩由来のカチオンとしては、例えば、水溶液中で多核縮合イオンを有効成分として安定に含んでいる、多価金属のポリ金属塩に由来するカチオンが挙げられ、前記ポリ金属塩としては、具体的には、ポリ塩化アルミニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ポリ硫酸ケイ酸アルミニウム、及びこれらの水和物等が挙げられ、中でも、輝度及び着色力の点から、ポリ塩化アルミニウム及びオキシ塩化ジルコニウムが好ましく、ポリ塩化アルミニウムがより好ましい。
ポリ塩化アルミニウムとしては、例えば、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
式(1):Aln’(OH)m’Cl(3n’−m’)
(式(1)中、n’は、2以上20以下の整数、m’は、(n’/2)〜(3n’−1)の整数である。)
前記式(1)において、n’は、中でも2以上10以下の整数であることが好ましく、m’は、2n’以上(3n’−1)以下の整数であることが好ましい。なお、n’が奇数の場合には、m’の下限は、上記範囲内で最小の整数となる{(n’+1)/2}である。
前記ポリ塩化アルミニウムの好ましい具体例としては、例えば、Al(OH)Cl、Al(OH)Cl等が挙げられる。
また、ポリ塩化アルミニウムの市販品としては、例えば、多木化学(株)製の商品名 タキバイン#1500、#3000、PX#1000、タンホワイト、浅田化学(株)製の商品名 Paho、(株)理研グリーン製の商品名 ピュラケムWT等が挙げられる。
オキシ塩化ジルコニウムの市販品としては、第一稀元素化学工業(株)製のジルコゾールZC及びジルコゾールZC−20等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる前記カウンターイオンは、着色力を向上し、着色層をより薄膜化できる点から、分子量が7000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましく、更に4000以下がより好ましい。なお、前記カウンターイオンの分子量の下限は、特に限定はされないが、例えば、50以上とすることができる。
中でも、本発明に用いられるポリ金属塩の分子量は、着色力を向上し、着色層をより薄膜化できる点から、1000以下であることが好ましく、500以下であることがより好ましい。
前記黄色染料の造塩色材は、黄色染料にカウンターイオンを導入して塩形成することにより得られ、当該塩形成は、従来公知の方法で行うことができる。
なお、前記黄色染料の造塩色材は、1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
本発明の色材分散液において、色材全体に含まれる、前記黄色染料の造塩色材の含有割合は、所望の色度を達成するために適宜調整され、特に限定はされないが、耐熱性及び輝度の点から、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
(その他の色材)
本発明においては、色材として、前述した黄色染料の造塩色材の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要な色度を達成するために、更にその他の色材を含有していても良い。その他の色材としては、特に限定されず、種々の有機顔料、無機顔料及び分散可能な染料等が挙げられ、中でも、有機顔料及び分散可能な染料が好ましく、有機顔料がより好ましい。
また、前記黄色染料の造塩色材と好ましく併用される色材としては、赤色色材、緑色色材、前記黄色染料の造塩色材とは異なる黄色色材が挙げられる。
前記その他の色材として用いられる有機顔料としては、例えば、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279;C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、61:1、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、133、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、183、185、187、188、191、193、194、199、206、209:1、212、213、214;C.I.ピグメントオレンジ2、5、13、16、17:1、31、34、36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73;C.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58、59。
前記黄色染料の造塩色材と組み合わせる有機顔料としては、中でも、C.I.ピグメントグリーン58、59からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前記分散可能な染料としては、前記本発明に係る黄色染料の造塩色材とは異なる分散可能な染料であって、染料に各種置換基を付与して溶剤に不溶化することにより分散可能となった染料や、溶解度の低い溶剤と組み合わせて用いることにより分散可能となった染料や、溶剤に可溶性の染料をカウンターイオンと塩形成して不溶化(レーキ化)したレーキ色材が挙げられる。このような分散可能な染料と、分散剤とを組み合わせて用いることにより当該染料の分散性や分散安定性を向上することができる。
なお、目安として、10gの溶剤(又は混合溶剤)に対して染料の溶解量が20mg以下であれば、当該溶剤(又は混合溶剤)において、当該染料が分散可能であると判定することができる。
上記分散可能な染料としては、従来公知の染料の中から適宜選択することができ、特に限定はされないが、例えば、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、フタロシアニン染料などを挙げることができる。
本発明の色材分散液が、前記黄色染料の造塩色材以外のその他の色材を含有する場合、当該その他の色材の含有量は、色材全体の70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
<分散剤>
分散剤としては、公知の分散剤の中から適宜選択して用いることができ、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、均一に、微細に分散し得る点から、高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、変性ポリエステル、変性ポリアミド等の高分子分散剤を挙げることができる。具体的には、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類;ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;アミノ基を有するポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体、当該重合体のアミノ基の(部分)酸変性物;水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの変性物;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリシロキサン類;長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類;ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシ基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩類等を挙げることができる。
また、本発明に用いられる分散剤としては、中でも前記色材を好適に分散でき、分散安定性が良好である点から、アミン価を有する分散剤が好ましい。
アミン価を有する分散剤としては、中でも、高分子分散剤が好ましく、主鎖又は側鎖に窒素原子を含む高分子分散剤がより好ましく、アミン又はアンモニウム塩を有する高分子分散剤が更に好ましい。アミン又はアンモニウム塩を有する高分子分散剤を用いる場合、アミン又はアンモニウム塩は、側鎖、又は樹脂末端に存在するものが好ましい。
アミン又はアンモニウム塩を有する高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸の(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類;ポリウレタン類;不飽和ポリアミド類;ポリエチレンイミン誘導体;ポリアリルアミン誘導体等が挙げられる。
本発明において、分散剤として用いられる市販品としては、例えば、EFKA−4046、EFKA−4047、EFKAポリマー10、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー4300、EFKAポリマー4310、EFKAポリマー4320、EFKAポリマー4330(以上、BASFジャパン(株)製)、Disperbyk111、Disperbyk161、Disperbyk165、Disperbyk167、Disperbyk182、Disperbyk2000、Disperbyk2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116(以上、ビックケミー・ジャパン(株)製)、SOLSPERSE24000、SOLSPERSE27000、SOLSPERSE28000(以上、ルーブリゾール社製)、アジスパー(登録商標)PB821、PB822(味の素ファインテクノ(株)製)等が挙げられる。
また、前記色材を分散させるのに用いる分散剤としては、中でも、3級アミンを有する繰り返し単位を含む重合体からなる高分子分散剤が、分散性が良好で優れた輝度を実現でき、また、着色層形成時に異物の発生が抑制され、溶剤への再溶解性に優れ、且つ、耐熱性に優れた着色層を形成可能な点から好ましい。
(3級アミンを有する繰り返し単位を含む重合体)
3級アミンを有する繰り返し単位を含む重合体としては、(a)3級アミンを有する繰り返し単位からなるブロック部と、溶剤親和性を有するブロック部とを有するブロック共重合体や、(b)3級アミンを有する繰り返し単位と、溶剤親和性を有するポリマー鎖を有する繰り返し単位とを含むグラフト共重合体が好適に用いられる。グラフト共重合体において、3級アミンを有する繰り返し単位は、枝部に相当するポリマー鎖中に含まれていても良く、3級アミンを有する繰り返し単位を含むポリマー鎖を有する繰り返し単位と溶剤親和性を有するポリマー鎖を有する繰り返し単位とを含むグラフト共重合体であっても良い。
3級アミンを有する繰り返し単位は、3級アミンを有していれば良く、該3級アミンは、ブロックポリマーの側鎖に含まれていても、主鎖を構成するものであっても良い。
中でも、側鎖に3級アミンを有する繰り返し単位であることが好ましく、中でも、主鎖骨格が熱分解し難く、耐熱性が高い点から、下記一般式(I)で表される構造であることが、より好ましい。
Figure 0006895294
(一般式(I)中、R11は、水素原子又はメチル基、Qは、直接結合又は2価の連結基、R12は、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R15)−CH(R16)−O]−CH(R15)−CH(R16)−又は−[(CH−O]−(CH−で示される2価の有機基、R13及びR14は、それぞれ独立に、置換されていてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表すか、R13及びR14が互いに結合して環状構造を形成する。R15及びR16は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
上記一般式(I)の2価の連結基Qとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、アリーレン基、−CONH−基、−COO−基、炭素数1〜10のエーテル基(−R’−OR”−:R’及びR”は、各々独立にアルキレン基)及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。中でも、得られたポリマーの耐熱性や溶剤として好適に用いられるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に対する溶解性、また比較的安価な材料である点から、Qは、−COO−基又は−CONH−基であることが好ましい。
上記一般式(I)の2価の有機基R12は、炭素数1〜8のアルキレン基、−[CH(R15)−CH(R16)−O]−CH(R15)−CH(R16)−又は−[(CH−O]−(CH−である。上記炭素数1〜8のアルキレン基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。
15及びR16は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基である。
上記R12としては、分散性の点から、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、中でも、R12がメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基であることが更に好ましく、メチレン基及びエチレン基がより好ましい。
13及びR14における、置換されていてもよい鎖状又は環状の炭化水素基は、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基などが挙げられる。
アルキル基の炭素原子数は、1〜18が好ましく、中でも、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
アラルキル基の炭素原子数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
また、アリール基の炭素原子数は、6〜24が好ましく、更に6〜12が好ましい。なお、上記好ましい炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。
また、炭化水素基中の水素原子は、炭素原子数1〜5のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子により置換されていてもよい。
上記一般式(I)のR13、R14が互いに結合して形成する環状構造としては、例えば5〜7員環の含窒素複素環単環又はこれらが2個縮合してなる縮合環が挙げられる。該含窒素複素環は芳香性を有さないものが好ましく、飽和環であればより好ましい。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアルキル基置換アミノ基含有(メタ)アクリレート等、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのアルキル基置換アミノ基含有(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。中でも分散性、及び分散安定性が向上する点でジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドを好ましく用いることができる。
前記3級アミンを有する繰り返し単位を含有するブロック部において、一般式(I)で表される構成単位は、3個以上含まれることが好ましい。中でも、分散性、及び分散安定性を向上する点から、3〜100個含むことが好ましく、3〜50個含むことがより好ましく、更に3〜30個含むことがより好ましい。
前記3級アミンを有する繰り返し単位を含有するブロック部(以下、Aブロックと記載することがある。)と溶剤親和性を有するブロック部(以下、Bブロックと記載することがある。)を有するブロック共重合体における、溶剤親和性を有するブロック部としては、溶剤親和性を良好にし、分散性を向上する点から、前記一般式(I)で表される構成単位を有さず、前記一般式(I)と共重合可能な構成単位を有する溶剤親和性ブロック部を有する。本発明においてブロック共重合体の各ブロックの配置は特に限定されず、例えば、ABブロック共重合体、ABAブロック共重合体、BABブロック共重合体等とすることができる。中でも、分散性に優れる点で、ABブロック共重合体、又はABAブロック共重合体が好ましい。
前記一般式(I)と共重合可能な構成単位としては、色材の分散性及び分散安定性を向上させながら、耐熱性も向上する点から、下記一般式(II)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0006895294
(一般式(II)中、R17は、水素原子又はメチル基、Aは、直接結合又は2価の連結基、R18は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−[CH(R19)−CH(R20)−O]−R21又は−[(CH−O]−R21で示される1価の基である。R19及びR20は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、R21は、水素原子、あるいは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CHO、−CHCHO、又は−CHCOOR22で示される1価の基であり、R22は水素原子又は炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基である。xは1〜18の整数、yは1〜5の整数、zは1〜18の整数を示す。)
上記一般式(II)の2価の連結基Aとしては、前記一般式(I)におけるQと同様のものとすることができ、得られたポリマーの耐熱性や溶剤として好適に用いられるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に対する溶解性、また比較的安価な材料である点から、Aは、−COO−基であることが好ましい。
18において、上記炭素数1〜18のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、ボルニル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、アダマンチル基、低級アルキル基置換アダマンチル基などを挙げることができる。
上記炭素数2〜18のアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
中でも、分散性、基板密着性の点からR18はメチル基、各種ブチル基、各種ヘキシル基、ベンジル基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基が好ましい。
置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6〜24が好ましく、更に6〜12が好ましい。
置換基を有していてもよいアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7〜20が好ましく、更に7〜14が好ましい。
アリール基やアラルキル基等の芳香環の置換基としては、炭素数1〜4の直鎖状、分岐状のアルキル基の他、アルケニル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
また、上記R21で示される1価の基において、有してもよい置換基としては、例えば炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、F、Cl、Brなどのハロゲン原子などを挙げることができる。
上記R21のうちの炭素数1〜18のアルキル基、及び炭素数2〜18のアルケニル基、アラルキル基、アリール基は、前記R18と同様であってよい。
上記R18において、x、y及びzは、前記一般式(I)におけるR12と同様である。
溶剤親和性のブロック部を構成する構成単位の数は、色材分散性が向上する範囲で適宜調整すればよい。中でも、溶剤親和性部位と色材親和性部位が効果的に作用し、色材の分散性を向上する点から、溶剤親和性のブロック部を構成する構成単位の数は、10以上200以下であることが好ましく、10以上100以下であることがより好ましく、更に10以上70以下であることがより好ましい。
溶剤親和性のブロック部は、溶剤親和性部位として機能するように選択されれば良く、溶剤親和性のブロック部を構成する繰り返し単位は1種を含有するものであっても良いし、2種以上の繰り返し単位を含んでいてもよい。
本発明の分散剤として用いられるブロック共重合体において、一般式(I)で表される構成単位のユニット数mと、溶剤親和性のブロック部を構成する他の構成単位のユニット数nの比率m/nとしては、0.01以上1以下の範囲内であることが好ましく、0.05以上0.7以下の範囲内であることが、色材の分散性、分散安定性の点からより好ましい。
また、中でも、本発明において分散剤は、前記一般式(I)で表される構造を含みアミン価が40mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である重合体が、分散性が良好で塗膜形成時に異物を析出せず、輝度及びコントラストを向上する点から好ましい。
アミン価が上記範囲内であることにより、粘度の経時安定性や耐熱性に優れると共に、アルカリ現像性や、溶剤再溶解性にも優れている。本発明において、分散剤のアミン価は、分散性および分散安定性の点から、中でも、アミン価が80mgKOH/g以上であることが好ましく、90mgKOH/g以上であることがより好ましい。一方、溶剤再溶解性の点から、分散剤のアミン価は、110mgKOH/g以下であることが好ましく、105mgKOH/g以下であることがより好ましい。
アミン価は、試料1g中に含まれるアミン成分を中和するのに要する過塩素酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいい、JIS−K7237に定義された方法により測定することができる。当該方法により測定した場合には、分散剤中の有機酸化合物と塩形成しているアミノ基であっても、通常、当該有機酸化合物が解離するため、分散剤として用いられるブロック共重合体そのもののアミン価を測定することができる。
本発明に用いられる分散剤の酸価は、特に限定はされないが、中でも、現像密着性及び溶剤再溶解性が良好になる点から、18mgKOH/g以下であることが好ましく、12mgKOH/g以下であることがより好ましい。一方で、本発明に用いられる分散剤の酸価は、溶剤再溶解性及び現像密着性をより向上する点、基板密着性及び分散安定性の点からは、0mgKOH/gであることが好ましい。酸価が少ないほど塩基性現像液の侵食を受けにくいために、現像密着性が良くなるものと考えられる。一方で、現像残渣の抑制効果の点からは、1mgKOH/g以上であることが好ましく、2mgKOH/g以上であることがより好ましい。
本発明に用いられる分散剤においては、塩形成前のブロック共重合体の酸価が、現像密着性及び溶剤再溶解性が良好になる点から、18mgKOH/g以下であることが好ましく、12mgKOH/g以下であることがより好ましい。また、塩形成前のブロック共重合体の酸価は、溶剤再溶解性及び現像密着性をより向上する点、基板密着性及び分散安定性の点からは、0mgKOH/gであることが好ましい。一方で、現像残渣の抑制効果の点からは、1mgKOH/g以上であることが好ましく、2mgKOH/g以上であることがより好ましい。
色材濃度を高め、分散剤含有量が増加すると、相対的にバインダー量が減少することから、着色樹脂層を現像する場合、が現像時に下地基板から剥離し易くなる。分散剤がカルボキシ基含有モノマー由来の構成単位を含むBブロックを含み、前記特定の酸価を有することにより、現像密着性が向上する。酸価が高すぎると、現像性に優れるものの、極性が高すぎて却って現像時に剥離が生じ易くなると推定される。
本発明において前記分散剤は、前記一般式(I)で表される構造を含みアミン価が40mgKOH/g以上120mgKOH/g以下である重合体であって、且つ、酸価が0mgKOH/g以上18mgKOH/g以下で、ガラス転移温度が30℃以上であることが、色材分散安定性に優れてコントラストを向上し、着色樹脂組成物とした際に、溶剤再溶解性に優れ、更に、高い現像密着性を有する点から好ましい。
前記カルボキシ基含有モノマーとしては、一般式(I)で表される構成単位を誘導するモノマーと共重合可能で、不飽和二重結合とカルボキシ基を含有するモノマーを用いることができる。このようなモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシ基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマーを用いてもよい。中でも、共重合性やコスト、溶解性、ガラス転移温度などの点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
塩形成前のブロック共重合体中、カルボキシ基含有モノマー由来の構成単位の含有割合は、ブロック共重合体の酸価が前記特定の酸価の範囲内になるように適宜設定すればよく、特に限定されないが、ブロック共重合体の全構成単位の合計質量に対して、0.05質量%以上4.5質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以上3.7質量%以下であることがより好ましい。
カルボキシ基含有モノマー由来の構成単位の含有割合が、前記下限値以上であることより、現像残渣の抑制効果が発現され、前記上限値以下であることより現像密着性の悪化や溶剤再溶解性の悪化を防止できる。
なお、カルボキシ基含有モノマー由来の構成単位は、所望の酸価となればよく、1種からなるものであっても良いし、2種以上の構成単位を含んでいてもよい。
前記ブロック共重合体において、前記Aブロックの構成単位のユニット数mと、前記Bブロックの構成単位のユニット数nの比率m/nとしては、0.05以上1.5以下の範囲内であることが好ましく、0.1以上1.0以下の範囲内であることが、色材の分散性、分散安定性の点からより好ましい。
前記ブロック共重合体の重量平均分子量Mwは、特に限定されないが、色材分散性及び分散安定性を良好なものとする点から、1000以上20000以下であることが好ましく、2000以上15000以下であることがより好ましく、更に3000以上12000以下であることがより好ましい。
ここで、重量平均分子量は(Mw)、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。なお、ブロック共重合体の原料となるマクロモノマーや塩型ブロック共重合体、グラフト共重合体についても、上記条件で行う。
上記ブロック共重合体の製造方法は、特に限定されない。公知の方法によってブロック共重合体を製造することができるが、中でもリビング重合法で製造することが好ましい。
このような3級アミンを有する繰り返し単位を含有するブロック部と溶剤親和性を有するブロック部とを有するブロック共重合体の具体例としては、例えば、特許第4911253号公報に記載のブロック共重合体を好適なものとして挙げることができる。
本発明においては、色材の分散性や分散安定性の点から、前記3級アミンを有する繰り返し単位を含む重合体中のアミノ基のうちの少なくとも一部と、有機酸化合物やハロゲン化炭化水素とが塩を形成したものを分散剤として用いても好ましい(以下、このような重合体を、塩型重合体と称することがある)。
中でも、3級アミンを有する繰り返し単位を含む重合体がブロック共重合体であって、前記有機酸化合物がフェニルホスホン酸やフェニルホスフィン酸等の酸性有機リン化合物であることが、色材の分散性及び分散安定性に優れる点から好ましい。このような分散剤に用いられる有機酸化合物の具体例としては、例えば、特開2012−236882号公報等に記載の有機酸化合物が好適なものとして挙げられる。
また、前記ハロゲン化炭化水素としては、臭化アリル、塩化ベンジル等のハロゲン化アリル及びハロゲン化アラルキルの少なくとも1種であることが、色材の分散性及び分散安定性に優れる点から好ましい。
前記分散剤は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。また、色材ごとに異なる分散剤を用いて各々色材分散液を調製する場合は、各々異なる分散剤を使用しても良い。
分散剤を用いる場合の含有量としては、色材を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分全量に対して1質量%〜40質量%で用いることができる。更に、2質量%〜30質量%で配合するのが好ましく、特に3質量%〜25質量%の割合で配合するのが好ましい。上記下限値以上であれば、色材の分散性及び分散安定性に優れ、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の保存安定性により優れている。また、上記上限値以下であれば、現像性が良好なものとなる。特に色材濃度が高い着色層を形成する場合には、分散剤の含有量は、カラーフィルタ用着色樹脂組成物の固形分全量に対して、2質量%〜25質量%、より好ましくは3質量%〜20質量%の割合で配合することが好ましい。
<溶剤>
溶剤は、色材分散液中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な溶剤であればよく、特に限定されない。
溶剤の具体例としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、ヒドロキシプロピオン酸メチル、ヒドロキシプロピオン酸エチル、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、酪酸イソブチル、酪酸n−ブチル、乳酸エチル、シクロヘキサノールアセテートなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などのカルビトールアセテート系溶剤;プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート等のジアセテート類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;テトラヒドロフランなどの環状エーテル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などの有機溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中ではグリコールエーテルアセテート系溶剤、カルビトールアセテート系溶剤、グリコールエーテル系溶剤、エステル系溶剤が他の成分の溶解性の点で好適に用いられる。中でも、本発明に用いる溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、及び、3−メトキシブチルアセテートよりなる群から選択される1種以上であることが、他の成分の溶解性や塗布適性の点から好ましい。
溶剤を含有する色材分散液中の固形分の含有割合は、溶剤を含む色材分散液全体を100質量部としたときに、固形分が0.1質量部以上70質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上50質量部以下質量部であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明に係る色材分散液には、本発明の効果が損なわれない限り、更に必要に応じて、分散補助樹脂、その他の成分を配合してもよい。
分散補助樹脂としては、例えば後述する着色樹脂組成物で例示されるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂の立体障害によって色材粒子同士が接触しにくくなり、分散安定化することやその分散安定化効果によって分散剤を減らす効果がある場合がある。
また、その他の成分としては、例えば、濡れ性向上のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
本発明に係る色材分散液は、後述する着色樹脂組成物を調製するための予備調製物として用いることができる、(組成物中の色材成分質量)/(組成物中の色材成分以外の固形分質量)比の高い色材分散液である。具体的には、上記比は通常1.0以上である。色材分散液と、後述する各成分とを混合することにより、分散性に優れたれ着色樹脂組成物を調製することができる。
<色材分散液の製造方法>
本発明の色材分散液は、前記溶剤中に、少なくとも前記黄色染料の造塩色材と、前記分散剤とを添加し、従来公知の分散処理を行うことにより得ることができる。分散処理を行うための分散機としては、例えば、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0mmである。
色材分散液中の色材の平均分散粒径は、用いる色材の種類によっても異なるが、10〜100nmの範囲内であることが好ましく、15〜60nmの範囲内であることがより好ましい。色材分散液中の色材の平均分散粒径は、少なくとも溶剤を含有する色材分散液中に分散している色材粒子の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。レーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、色材分散液に用いられている溶剤で、色材分散液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
II.着色樹脂組成物
本発明に係る着色樹脂組成物は、前記本発明に係る色材分散液と、バインダー成分とを含有することを特徴とする。
本発明に係る着色樹脂組成物は、前述した本発明に係る色材分散液を含有することにより、耐熱性に優れ、高輝度でより薄膜化された着色層を形成することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、前記本発明に係る色材分散液と、バインダー成分とを少なくとも含有するものであり、本発明の効果を損なわない範囲で、更に他の成分を含有してもよいものである。本発明に係る色材分散液については、前述の通りであるので、以下、本発明の着色樹脂組成物に含まれるバインダー成分と、更に含有してもよい任意添加成分について説明する。
<バインダー成分>
本発明の着色樹脂組成物は、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与するためにバインダー成分を含有する。塗膜に充分な硬度を付与するために、硬化性バインダー成分を含有することが好ましい。硬化性バインダー成分としては、特に限定されず、従来公知のカラーフィルタの着色層を形成するのに用いられる硬化性バインダー成分を適宜用いることができる。
硬化性バインダー成分としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含む光硬化性バインダー成分や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂を含む熱硬化性バインダー成分を含むものを用いることができる。
着色層を形成する際にフォトリソグラフィー工程を用いる場合には、アルカリ現像性を有する感光性バインダー成分が好適に用いられる。なお、感光性バインダー成分に、熱硬化性バインダー成分を更に用いてもよい。
感光性バインダー成分としては、ポジ型感光性バインダー成分とネガ型感光性バインダー成分が挙げられる。ポジ型感光性バインダー成分としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂と、感光性付与成分としてo−キノンジアジド基含有化合物とを含んだ系等が挙げられる。
一方、ネガ型感光性バインダー成分としては、アルカリ可溶性樹脂と、多官能モノマーと、光開始剤を少なくとも含有する系が好適に用いられる。
本発明に係る着色樹脂組成物においては、ネガ型感光性バインダー成分であることが、フォトリソグラフィー法によって既存のプロセスを用いて簡便にパターンを形成できる点から好ましい。
以下、ネガ型感光性バインダー成分を構成する、アルカリ可溶性樹脂と、多官能モノマーと、光開始剤について、具体的に説明する。
(アルカリ可溶性樹脂)
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は酸性基を有するものであり、バインダー樹脂として作用し、かつパターン形成する際に用いられるアルカリ現像液に可溶性であるものの中から、適宜選択して使用することができる。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂とは、酸価が40mgKOH/g以上であることを目安にすることができる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、酸性基、通常カルボキシ基を有する樹脂であり、具体的には、カルボキシ基を有するアクリル系共重合体及びカルボキシ基を有するスチレン−アクリル系共重合体等のアクリル系樹脂、カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシ基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体及びスチレン−アクリル系共重合体等のアクリル系樹脂、並びにエポキシアクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシ基を有する構成単位を有するアクリル系共重合体、及びカルボキシ基を有するスチレン−アクリル系共重合体等のアクリル系樹脂は、例えば、カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマー、及び必要に応じて共重合可能なその他のモノマーを、公知の方法により(共)重合して得られた(共)重合体である。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、前述の分散剤の箇所で説明したカルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーと同様のものを用いることができ、中でも、共重合性やコスト、溶解性、ガラス転移温度などの点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、着色層の密着性が優れる点から、更に炭化水素環を有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂に嵩高い基である、炭化水素環を有することにより硬化時の収縮が抑制され、基板との間の剥離が緩和し、基板密着性が向上する。また、耐溶剤性、特に着色層の膨潤が抑制される。作用については未解明であるが、着色層内に嵩高い炭化水素環が含まれることにより、着色層内における分子の動きが抑制される結果、塗膜の強度が高くなり溶剤による膨潤が抑制されるものと推定される。
このような炭化水素環としては、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素環、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、及びこれらの組み合わせが挙げられ、炭化水素環がアルキル基、カルボニル基、カルボキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
炭化水素環は、1価の基として含まれていても良いし、2価以上の基として含まれていても良い。
炭化水素環として、脂肪族炭化水素環を含む場合には、着色層の耐熱性や密着性が向上すると共に、得られた着色層の輝度が向上する点から好ましい。
また、前記カルド構造を含む場合には、着色層の硬化性が向上し、耐溶剤性(NMP膨潤抑制)が向上する点から特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、2つ以上の環が2以上の原子を共有した構造を有する脂肪族炭化水素環である、架橋環式炭化水素環を有するのも好ましい。
架橋環式炭化水素環の具体例としては、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン、トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デセン、トリシクロペンテン、トリシクロペンタン、トリシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン;これらの基の一部が置換基によって置換された基が挙げられる。
上記置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
架橋環式炭化水素環の炭素数は、他の材料との相溶性やアルカリ現像液に対する溶解性の観点から、下限は5以上が好ましく、7以上が特に好ましい。上限は、12以下が好ましく、10以下が特に好ましい。
カルボキシ基を有する構成単位と、上記炭化水素環とを有するアクリル系共重合体は、前述の“共重合可能なその他のモノマー”として炭化水素環を有するエチレン性不飽和モノマーを用いることにより調製することができる。
炭化水素環を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、スチレンなどが挙げられ、現像後の着色層の断面形状が加熱処理においても維持される効果が大きい点から、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びスチレンから選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂はまた、側鎖にエチレン性二重結合を有することが好ましい。エチレン性二重結合を有する場合には、カラーフィルタ製造時における樹脂組成物の硬化工程において、当該アルカリ可溶性樹脂同士、乃至、当該アルカリ可溶性樹脂と多官能モノマー等が架橋結合を形成し得る。硬化膜の膜強度がより向上して現像耐性が向上し、また、硬化膜の熱収縮が抑制されて基板との密着性に優れるようになる。
アルカリ可溶性樹脂中に、エチレン性二重結合を導入する方法は、従来公知の方法から適宜選択すればよい。例えば、アルカリ可溶性樹脂が有するカルボキシ基に、分子内にエポキシ基とエチレン性二重結合とを併せ持つ化合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレート等を付加させ、側鎖にエチレン性二重結合を導入する方法や、水酸基を有する構成単位を共重合体に導入しておいて、分子内にイソシアネート基とエチレン性二重結合とを備えた化合物を付加させ、側鎖にエチレン性二重結合を導入する方法などが挙げられる。
本発明のアルカリ可溶性樹脂は、更にメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等、エステル基を有する構成単位等の他の構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、着色樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシ基を有する構成単位と、炭化水素環を有する構成単位とを有するアクリル系共重合体及びスチレン−アクリル系共重合体等のアクリル系樹脂であることが好ましく、カルボキシ基を有する構成単位と、炭化水素環を有する構成単位と、エチレン性二重結合を有する構成単位とを有するアクリル系共重合体及びスチレン−アクリル系共重合体等のアクリル系樹脂であることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、各構成単位の仕込み量を適宜調整することにより、所望の性能を有するアルカリ可溶性樹脂とすることができる。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの仕込み量は、良好なパターンが得られる点から、モノマー全量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。一方、現像後のパターン表面の膜荒れ等を抑制する点から、カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの仕込み量は、モノマー全量に対して50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの割合が上記下限値以上であると得られる塗膜のアルカリ現像液に対する溶解性が十分であり、また、カルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの割合が上記上限値以下であると、アルカリ現像液による現像時に、形成されたパターンの基板からの脱落やパターン表面の膜荒れが起こり難い傾向がある。
また、エポキシ基とエチレン性二重結合とを併せ持つ化合物はカルボキシ基含有エチレン性不飽和モノマーの仕込み量に対して、10質量%以上95質量%以下であることが好ましく、15質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
カルボキシ基含有共重合体の好ましい重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1,000〜50,000の範囲であり、さらに好ましくは3,000〜20,000である。1,000未満では硬化後のバインダー機能が著しく低下する場合があり、50,000を超えるとアルカリ現像液による現像時に、パターン形成が困難となる場合がある。
なお、カルボキシ基含有共重合体の上記重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてショウデックスGPCシステム−21H(Shodex GPC System−21H)により測定することができる。
カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、特に限定されるものではないが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物が適している。
エポキシ化合物、不飽和基含有モノカルボン酸、及び酸無水物は、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。カルボキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、それぞれ1種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂は、現像液に用いるアルカリ水溶液に対する現像性(溶解性)の点から、酸価が50mgKOH/g以上のものを選択して用いることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、現像液に用いるアルカリ水溶液に対する現像性(溶解性)の点、及び基板への密着性の点から、酸価が70mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、中でも、80mgKOH/g以上280mgKOH/g以下であることが好ましい。
なお、本発明において酸価はJIS K 0070:1992に従って測定することができる。
アルカリ可溶性樹脂の側鎖にエチレン性不飽和基を有する場合のエチレン性不飽和結合当量は、硬化膜の膜強度が向上して現像耐性が向上し、基板との密着性に優れるといった効果を得る点から、100〜2000の範囲であることが好ましく、特に、140〜1500の範囲であることが好ましい。該エチレン性不飽和結合当量が、2000以下であれば現像耐性や密着性に優れている。また、100以上であれば、前記カルボキシ基を有する構成単位や、炭化水素環を有する構成単位などの他の構成単位の割合を相対的に増やすことができるため、現像性や耐熱性に優れている。
ここで、エチレン性不飽和結合当量とは、上記アルカリ可溶性樹脂におけるエチレン性不飽和結合1モル当りの重量平均分子量のことであり、下記数式(1)で表される。
数式(1)
エチレン性不飽和結合当量(g/mol)=W(g)/M(mol)
(数式(1)中、Wは、アルカリ可溶性樹脂の質量(g)を表し、Mはアルカリ可溶性樹脂W(g)中に含まれるエチレン性二重結合のモル数(mol)を表す。)
上記エチレン性不飽和結合当量は、例えば、JIS K 0070:1992に記載のよう素価の試験方法に準拠して、アルカリ可溶性樹脂1gあたりに含まれるエチレン性二重結合の数を測定することにより算出してもよい。
着色樹脂組成物において用いられるアルカリ可溶性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その含有量としては特に制限はないが、着色樹脂組成物の固形分全量に対してアルカリ可溶性樹脂は好ましくは5質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲内である。アルカリ可溶性樹脂の含有量が上記下限値以上であると、充分なアルカリ現像性が得られやすく、また、アルカリ可溶性樹脂の含有量が上記上限値以下であると、現像時に膜荒れやパターンの欠けを抑制しやすい。
(多官能モノマー)
着色樹脂組成物において用いられる多官能モノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が好適に用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、従来公知のものの中から適宜選択して用いればよい。具体例としては、例えば、特開2013−029832号公報に記載のもの等が挙げられる。
これらの多官能(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の着色樹脂組成物に優れた光硬化性(高感度)が要求される場合には、多官能モノマーが、重合可能な二重結合を3つ(三官能)以上有するものであるものが好ましく、3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートのコハク酸変性物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が好ましい。
着色樹脂組成物において用いられる上記多官能モノマーの含有量は、特に制限はないが、着色樹脂組成物の固形分全量に対して多官能モノマーは好ましくは5質量%以上60質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲内である。多官能モノマーの含有量が上記下限値以上であると十分に光硬化が進み、露光部分が現像時の溶出を抑制でき、また、多官能モノマーの含有量が上記上限値以下であるとアルカリ現像性が十分である。
(光開始剤)
本発明の着色樹脂組成物において用いられる開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種開始剤の中から、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
開始剤としては、芳香族ケトン類、ベンゾインエーテル類、ハロメチルオキサジアゾール化合物、α−アミノケトン、ビイミダゾール類、N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ハロメチル−S−トリアジン系化合物、チオキサントン等を挙げることができる。開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体等のビイミダゾール類、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−S−トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパノン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、4−ベンゾイル−メチルジフェニルサルファイド、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパノンなどが挙げられる。
中でも、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントンが好ましく用いられる。
本発明において、開始剤は、感度を向上させる観点から、中でも、オキシムエステル系光開始剤を含むことが好ましい。当該オキシムエステル系光開始剤としては、分解物による着色樹脂組成物の汚染や装置の汚染を低減する点から、中でも、芳香環を有するものが好ましく、芳香環を含む縮合環を有するものがより好ましく、ベンゼン環とヘテロ環を含む縮合環を有することがさらに好ましい。
オキシムエステル系光開始剤としては、1,2−オクタジオン−1−[4−(フェニルチオ)−、2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特表2010−527339、特表2010−527338、特開2013−041153等に記載のオキシムエステル系光開始剤の中から適宜選択できる。市販品として、カルバゾール骨格を有するイルガキュアOXE−01(BASF製)、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料社製)、ジフェニルスルフィド骨格を有するアデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)、TR−PBG−345、TR−PBG−3057(以上、常州強力電子新材料社製)、フルオレン骨格を有するTR−PBG−365(常州強力電子新材料社製)などを用いても良い。特にジフェニルスルフィド骨格又はフルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤を用いることが輝度の点から好ましい。またカルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光開始剤を用いることが感度の高い点から好ましい。
またオキシムエステル系光開始剤を2種類以上併用することは、輝度、現像耐性が向上しやすく、水染み発生抑制効果が高い点で好ましい。特にジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤2種類の併用又は、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光開始剤とフルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤を併用することは輝度が高く、耐熱性が高い点から好ましい。また、カルバゾール骨格を有するオキシムエステル系光開始剤と、フルオレン骨格を有するオキシムエステル系光開始剤又はジフェニルスルフィドを有するオキシムエステル系光開始剤を併用することは感度、輝度に優れる点で好ましい。
また、オキシムエステル系光開始剤に、3級アミン構造を有する光開始剤を組み合わせて用いることが、水染みを抑制し、また、感度向上の点から、好ましい。3級アミン構造を有する光開始剤は、分子内に酸素クエンチャーである3級アミン構造を有するため、開始剤から発生したラジカルが酸素により失活し難く、感度を向上させることができるからである。上記3級アミン構造を有する光開始剤の市販品としては、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(例えばイルガキュア907、BASF社製)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン(例えばイルガキュア369、BASF社製)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(例えば、ハイキュアABP、川口薬品製)などが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物において用いられる光開始剤の含有量は、上記多官能モノマー100質量部に対して、通常0.01質量部以上100質量部以下程度、好ましくは5質量部以上60質量部以下である。この含有量が上記下限値以上であると十分に光硬化が進み露光部分が現像時に溶出することを抑制し、一方上記上限値以下であると得られる着色層の黄変性が弱くなって輝度が低下することを抑制できる。
また、本発明の着色樹脂組成物において用いられる光開始剤として、オキシムエステル系光開始剤の合計含有量は、着色樹脂組成物の固形分全量に対して、0.1質量%以上12.0質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上8.0質量%以下の範囲内であることが、これらの光開始剤の併用効果を十分に発揮させる点から好ましい。
また、本発明の着色樹脂組成物は、前記バインダー成分が熱硬化性樹脂を含む場合は、必要に応じて更に熱重合開始剤を含有していてもよい。熱重合開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている熱ラジカル重合開始剤及び熱カチオン重合開始剤等の各種熱重合開始剤の中から、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスブチロニトリル(AIBN)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)等の過酸化物等が挙げられる。熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ベンゼンスルホン酸エステル、アルキルスルホニウム塩等が挙げられる。
本発明の着色組成物が熱重合開始剤を含有する場合、着色樹脂組成物の固形分全量に対する各種開始剤の合計含有量は、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
本発明の着色樹脂組成物において用いられるバインダー成分は、これらの合計含有量が、着色樹脂組成物の固形分全量に対して35質量%以上97質量%以下が好ましく、40質量%以上96質量%以下の割合で配合するのがより好ましい。上記下限値以上であれば、硬度や、基板との密着性に優れた着色層を得ることができる。また上記上限値以下であれば、現像性に優れ、熱収縮による微小なシワの発生も抑制される。
<任意添加成分>
着色樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を含むものであってもよい。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤の他、メルカプト化合物、重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
また、界面活性剤及び可塑剤の具体例としては、例えば、特開2013−029832号公報に記載のものが挙げられる。
<着色樹脂組成物における各成分の配合割合>
色材の含有量は、着色樹脂組成物の固形分全量に対して、3質量%以上65質量%以下、より好ましくは4質量%以上60質量%以下の割合で配合することが好ましい。上記下限値以上であれば、着色樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0〜5.0μm)に塗布した際の着色層が充分な色濃度を有する。また、上記上限値以下であれば、保存安定性に優れると共に、充分な硬度や、基板との密着性を有する着色層を得ることができる。特に色材濃度が高い着色層を形成する場合には、色材の含有量は、着色樹脂組成物の固形分全量に対して、15質量%以上65質量%以下、より好ましくは25質量%以上60質量%以下の割合で配合することが好ましい。
また、分散剤の含有量としては、色材を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、着色樹脂組成物の固形分全量に対して1質量%以上40質量%以下用いることができる。更に、着色樹脂組成物の固形分全量に対して2質量%以上30質量%以下の割合で配合するのが好ましく、特に3質量%以上25質量%以下の割合で配合するのが好ましい。上記下限値以上であれば、色材の分散性及び分散安定性に優れ、着色樹脂組成物の保存安定性により優れている。また、上記上限値以下であれば、現像性が良好なものとなる。特に色材濃度が高い着色層を形成する場合には、分散剤の含有量は、着色樹脂組成物の固形分全量に対して、2質量%以上25質量%以下、より好ましくは3質量%以上20質量%以下の割合で配合することが好ましい。なお、分散剤の質量は、塩型ブロック共重合体の場合、塩形成前の前記ブロック共重合体と有機酸化合物等との合計の質量である。
また、溶剤の含有量は、着色層を精度良く形成することができる範囲で適宜設定すればよい。該溶剤を含む着色樹脂組成物の全量に対して、通常、55質量%以上95質量%以下の範囲内であることが好ましく、中でも、65質量%以上88質量%以下の範囲内であることがより好ましい。上記溶剤の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
<着色樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、(1)前記本発明に係る色材分散液に、バインダー成分と、必要に応じて任意添加成分を添加し、公知の混合手段を用いて混合する方法、(2)前記溶剤中に、前記色材と、前記分散剤と、前記バインダー成分と、必要に応じて任意添加成分を同時に投入し、公知の混合手段を用いて混合する方法、(3)前記溶剤中に、前記バインダー成分と、必要に応じて任意添加成分を添加して混合した後、これに、前記本発明に係る色材分散液を加えて混合する方法等を挙げることができる。
III.硬化物
本発明に係る硬化物は、前記本発明に係る着色樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
本発明に係る硬化物は、例えば、前記本発明に係る着色樹脂組成物の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させたのち、露光することにより得ることができる。塗膜の形成及び露光の方法としては、例えば、後述する本発明に係るカラーフィルタが備える着色層の形成において用いられる方法と同様の方法とすることができる。
また、本発明に係る硬化物は、カラーフィルタの着色層として好適に用いられる。
IV.カラーフィルタ
本発明に係るカラーフィルタは、基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが、前記本発明に係る硬化物であることを特徴とする。
このような本発明に係るカラーフィルタについて、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略断面図である。図1によれば、本発明のカラーフィルタ10は、基板1と、遮光部2と、着色層3とを有している。
<着色層>
本発明のカラーフィルタに用いられる着色層は、少なくとも1つが、前記本発明に係る硬化物であり、すなわち、前記本発明に係る着色樹脂組成物の硬化物である。
着色層は、通常、後述する基板上の遮光部の開口部に形成され、通常3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、着色樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
当該着色層は、例えば、下記の方法により形成することができる。
まず、前述した本発明の着色樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、ダイコート法などの塗布手段を用いて後述する基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。なかでもスピンコート法、ダイコート法を好ましく用いることができる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能モノマー等を光重合反応させて硬化塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用する着色樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
次に、現像液を用いて現像処理し、未露光部分を溶解、除去することにより、所望のパターンで塗膜が形成される。現像液としては、通常、水や水溶性溶剤にアルカリを溶解させた溶液が用いられる。このアルカリ溶液には、界面活性剤などを適量添加してもよい。また、現像方法は一般的な方法を採用することができる。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、着色樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
<遮光部>
本発明のカラーフィルタにおける遮光部は、後述する基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルタに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。遮光部は、スパッタリング法、真空蒸着法等によるクロム等の金属薄膜であっても良い。或いは、遮光部は、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた樹脂層であってもよい。遮光性粒子を含有させた樹脂層の場合には、感光性レジストを用いて現像によりパターニングする方法、遮光性粒子を含有するインクジェットインクを用いてパターニングする方法、感光性レジストを熱転写する方法等がある。
遮光部の膜厚としては、金属薄膜の場合は0.2〜0.4μm程度で設定され、黒色顔料をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものである場合は0.5〜2μm程度で設定される。
<基板>
基板としては、後述する透明基板、シリコン基板、及び、透明基板又はシリコン基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、TFT等のトランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
本発明のカラーフィルタにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板、フレキシブルガラス等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルタの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルタは、上記基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
V.表示装置
本発明に係る表示装置は、前記本発明に係るカラーフィルタを有することを特徴とする。本発明において表示装置の構成は特に限定されず、従来公知の表示装置の中から適宜選択することができ、例えば、液晶表示装置や、有機発光表示装置などが挙げられる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置としては、例えば、前述した本発明に係るカラーフィルタと、対向基板と、前記カラーフィルタと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有する液晶表示装置が挙げられる。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルタ10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルタ10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
本発明の液晶表示装置の駆動方式としては、特に限定はなく一般的に液晶表示装置に用いられている駆動方式を採用することができる。このような駆動方式としては、例えば、TN方式、IPS方式、OCB方式、及びMVA方式等を挙げることができる。本発明においてはこれらのいずれの方式であっても好適に用いることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
液晶層の形成方法としては、一般に液晶セルの作製方法として用いられる方法を使用することができ、例えば、真空注入方式や液晶滴下方式等が挙げられる。前記方法によって液晶層を形成後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
[有機発光表示装置]
本発明の有機発光表示装置としては、例えば、前述した本発明に係るカラーフィルタと、有機発光体とを有する有機発光表示装置が挙げられる。
このような本発明の有機発光表示装置について、図を参照しながら説明する。図3は、本発明の有機発光表示装置の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明の有機発光表示装置100は、カラーフィルタ10と、有機発光体80とを有している。カラーフィルタ10と、有機発光体80との間に、有機保護層50や無機酸化膜60を有していても良い。
有機発光体80の積層方法としては、例えば、カラーフィルタ上面へ透明陽極71、正孔注入層72、正孔輸送層73、発光層74、電子注入層75、および陰極76を逐次形成していく方法や、別基板上へ形成した有機発光体80を無機酸化膜60上に貼り合わせる方法などが挙げられる。有機発光体80における、透明陽極71、正孔注入層72、正孔輸送層73、発光層74、電子注入層75、および陰極76、その他の構成は、公知のものを適宜用いることができる。このようにして作製された有機発光表示装置100は、例えば、パッシブ駆動方式の有機ELディスプレイにもアクティブ駆動方式の有機ELディスプレイにも適用可能である。
なお、本発明の有機発光表示装置は、この図3に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルタが用いられた有機発光表示装置として公知の構成とすることができる。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
なお、各実施例及び各比較例で用いた黄色染料の、440nmでの透過率を1%としたときの540nmにおける透過率を表1に示す。前記透過率は、染料をメタノールに溶解させた染料溶液を、440nmでの透過率が1%となるような濃度とし、当該染料溶液における可視光領域380nm以上780nm以下の分光透過スペクトルを測定して求めた。分光透過スペクトルは、島津製作所製 分光光度計 UV−2600を用いて測定した。
(合成例1:クマリン系色材Aの合成)
塩基性(カチオン性)クマリン染料であるBasic Yellow40(シグマアルドリッチ製)5.0質量部を水100質量部およびメタノール(関東化学製)250質量部に加えて溶解させてクマリン染料溶液とした。次に攪拌しながら65℃まで加熱し、リンタングステン酸・n水和物(日本無機化学工業製、リンタングステン酸のみの分子量2880)14.0質量部をメタノール100質量部に溶解させて滴下した後、2時間反応させて得た生成した沈殿物を濾取し、水で洗浄した。得られたウェットケーキを乾燥して、クマリン系色材A 12.2質量部を得た。
(合成例2:クマリン系色材Bの合成)
下記化学構造式で表される酸性(アニオン性)クマリン染料B 5.0質量部を水300質量部に加え、溶解させてクマリン染料溶液とした。一方で、ポリ塩化アルミニウム(多木化学製、商品名タキバイン#1500、分子量174.41)2.1質量部を水200質量部に入れ、80℃で攪拌し、ポリ塩化アルミニウム水溶液を調製した。調製したポリ塩化アルミニウム水溶液を、80℃で15分かけて前記染料溶液に滴下し、さらに2時間攪拌した。生成した沈殿物を濾取し、水で洗浄した。得られたウェットケーキを乾燥して、クマリン系色材B 5.2質量部を得た。
Figure 0006895294
(合成例3:シアニン系色材Aの合成)
合成例1において、カチオン性染料(塩基性染料)として、Basic Yellow40に代えて、Basic Yellow11(シグマアルドリッチ製)を用い、リンタングステン酸・n水和物(日本無機化学工業製)の使用量を表1に示す量に変更した以外は、合成例1と同様にして、シアニン系色材Aを得た。
(合成例4〜7)
合成例2において、アニオンとなる酸性染料、レーキ化剤及びレーキ化剤の使用量を表1に示すように変更したこと以外は、合成例2と同様として、合成例4〜7のシアニン系色材B、キノフタロン系色材A、キノフタロン系色材B、アゾ系色材Aを得た。
なお、合成例4で使用したシアニン染料Bは、下記化学構造式で表される1−エチル−3,3−ジメチル−2−(2−(フェニルアミノ)−ビニル)−3H−インドール−1−イウム−5−スルホネート(和光純薬工業製)である。
Figure 0006895294
また、使用した染料について、合成例5、6で使用したAcid Yellow3は和光純薬工業(株)製であり、合成例7で使用したAcid Yellow36は東京化成工業(株)製である。
使用したレーキ化剤について、合成例4、5、7で使用したポリ塩化アルミニウムは(多木化学製、商品名タキバイン#1500)であり、合成例6で使用したオキシ塩化ジルコニウムは(第一稀元素化学工業製、商品名ジルコゾールZC−20、分子量178.12)である。
(比較合成例1:キノフタロン系色材Cの合成)
(1)キノフタロン染料Cの合成
安息香酸メチル100質量部に、6−スルホ−8−アミノキナルジン60質量部、無水フタル酸38質量部、安息香酸154質量部を加え、120℃に加熱し、水を留去しながら4時間攪拌を行った。次いで、反応混合物にさらに2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物50質量部を加え、180℃に加熱し、水を留去しながら4時間撹拌を行った。室温まで冷却後、反応混合物をエタノール1200質量部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。析出した結晶を濾別した後、さらにエタノールで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、下記化学構造式で表される酸性(アニオン性)キノフタロン染料C 114質量部を得た。
Figure 0006895294
(2)カチオン性樹脂の合成
4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3質量部を仕込み、窒素気流下で75 ℃に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0質量部、n−ブチルメタクリレート28.0質量部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5質量部、およびメチルエチルケトン25.1質量部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が6830である事を確認した後、50℃に冷却した。この溶液に塩化メチル3.2質量部、エタノール22.0質量部を添加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が47質量%の側鎖にカチオン性基を有するカチオン樹脂を得た。
(3)キノフタロン系色材Cの合成
水2000質量部に、前記で得られたカチオン樹脂を51質量部(樹脂成分24質量部)添加し、十分に攪拌混合を行った後、60℃に加熱して樹脂溶液を調製した。一方、90質量部の水に10質量部のキノフタロン染料Cを溶解させた水溶液を調製し、先に調製した樹脂溶液に少しずつ滴下した。滴下終了後、60℃で2時間攪拌して反応を行った。反応の終点は、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物であるキノフタロン系色材Cが得られたものと判断した。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を乾燥機にて水分を除去して乾燥し、34質量部のキノフタロン系色材C得た。
(比較合成例2:ピグメントイエロー115の合成)
合成例5において、ポリ塩化アルミニウムに代えて、塩化バリウム(和光純薬工業(株)製)を用い、使用量を表1に示す量に変更した以外は、合成例5と同様にして、ピグメントイエロー115を得た。
Figure 0006895294
(合成例8:ブロック共重合体Aの合成及びブロック共重合体A溶液の調製)
500mlの4口セパラブルフラスコを減圧して乾燥後、Ar(アルゴン)置換した。Arを流しながら、脱水THF100g、メチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール2.0g、テトラブチルアンモニウム−3−クロロベンゾエート(TBACB)の1Mアセトニトリル溶液0.15ml、メシチレン0.2gを加えた。そこに滴下ロートを用いて、メチルメタクリレート(MMA)36.7gを45分かけて滴下した。反応が進むと発熱するため、氷冷することにより、温度を40℃未満に保った。1時間後、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMMA)13.3gを15分かけて滴下した。1時間反応させた後、メタノール5gを加えて反応を停止させた。溶剤を減圧除去して、ブロック共重合体Aを得た。GPC測定(NMP LiBr10mM)により求めた重量平均分子量は7,600、アミン価は95mgKOH/gであった。
225mLマヨネーズ瓶中に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)79.8質量部、ブロック共重合体A(酸価 0mgKOH/g、アミン価95mgKOH/g)35.92質量部を入れ攪拌し、ブロック共重合体A溶液(固形分:45.0質量%)を得た。
(合成例9:塩型ブロック共重合体A溶液の調製)
合成例8で得られたブロック共重合体A溶液(固形分:45.0質量%)65.2質量部に、PGMEA600.8質量部と、フェニルホスホン酸(商品名:PPA、日産化学社製)1.51質量部とを加え、室温で30分攪拌して塩型ブロック共重合体A溶液を得た。
(合成例10:アルカリ可溶性樹脂Aの合成)
重合槽に、PGMEAを150質量部仕込み、窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メタクリル酸(MAA)21質量部、メタクリル酸メチル(MMA)15質量部、メタクリル酸シクロヘキシル(CHMA)50質量部及びパーブチルO(日油株式会社製)6質量部、連鎖移動剤(n−ドデシルメルカプタン)2質量部を1.5時間かけて連続的に滴下した。その後、100℃を保持して反応を続け、上記主鎖形成用混合物の滴下終了から2時間後に重合禁止剤として、p−メトキシフェノール0.1質量部を添加して重合を停止した。
次に、空気を吹き込みながら、エポキシ基含有化合物としてメタクリル酸グリシジル(GMA)14質量部を添加して、110℃に昇温した後、トリエチルアミン0.8質量部を添加して110℃で15時間付加反応させ、アルカリ可溶性樹脂A(重量平均分子量(Mw)9020、酸価90mgKOH/g、固形分40質量%)を得た。
なお、上記重量平均分子量の測定方法は、ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてショウデックスGPCシステム−21H(Shodex GPC System−21H)により重量平均分子量を測定した。また酸価の測定方法は、JIS K 0070:1992に基づいて測定した。
(製造例1:感光性バインダーAの調製)
合成例10で得られたアルカリ可溶性樹脂A溶液(固形分40質量%)15.7質量部に対して、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(アロニックスM403(東亜合成製))18.8質量部、開始剤としてイルガキュア907(3級アミン構造を有する光開始剤:BASF製)4.2質量部、NCI−930(オキシムエステル系光開始剤:ADEKA製)0.7質量部、PGMEA60.6質量部を加えて、感光性バインダーAを得た。
(実施例1)
(1)色材分散液Y1の調製
分散剤として合成例8で得られたブロック共重合体A溶液(固形分45.0質量%)3.1質量部に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を24.9質量部、合成例10で得られたアルカリ可溶性樹脂A(固形分40質量%)を3.50質量部加え、室温で撹拌後、合成例1で得られたクマリン系色材A 3.50質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ35質量部を入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)で1時間振とうし、次いで粒径0.1mmのジルコニアビーズ70質量部に変更し、本解砕としてペイントシェーカーで6時間分散を行い、色材分散液Y1を得た。
(2)着色樹脂組成物Y1の調製
上記(1)で得られた色材分散液Y1 24.6質量部、製造例1で得られた感光性バインダーA 34.1質量部、界面活性剤メガファックR08MH(DIC製)0.16質量部、PGMEA41.1質量部を混合し、実施例1の着色樹脂組成物Y1を得た。
(3)着色層の形成
上記(2)で得られた着色樹脂組成物Y1を、厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った後、超高圧水銀灯を用いて60mJ/cmの紫外線を照射した。その後、230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークし膜厚が2.0μmとなるように調整した。
(実施例2〜7、比較例1〜6)
(1)色材分散液Y2〜Y7、比較色材分散液YC1〜YC6の調製
クマリン系色材Aに代えて、表2に示す色材を用いた以外は、実施例1の色材分散液Y1と同様にして、色材分散液Y2〜Y7、比較色材分散液YC1〜YC6を得た。
(2)着色樹脂組成物Y2〜Y7、比較着色樹脂組成物YC1〜YC6の調製
色材分散液Y1に代えて、表2に示す色材分散液を用いた以外は、実施例1の着色樹脂組成物Y1と同様にして、着色樹脂組成物Y2〜Y7、比較着色樹脂組成物YC1〜YC6を得た。
(3)着色層Y2〜Y7、着色層YC1〜YC6の形成
実施例1の(3)において、着色樹脂組成物Y1に代えて、表2に示す着色樹脂組成物Y2〜Y7、比較着色樹脂組成物YC1〜YC6を用いた以外は、実施例1の(3)と同様にして、着色層Y2〜Y7、比較着色層YC1〜YC6を得た。
[評価]
<透過率の測定>
実施例1〜7及び比較例1〜6で得られた色材分散液Y1〜Y7及び比較色材分散液Y1C〜YC6を、それぞれ440nmでの透過率が1%となるような濃度にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で希釈し、当該希釈後の色材分散液における可視光領域380nm以上780nm以下の分光透過スペクトルを測定し、当該分光透過スペクトルから540nmでの透過率を求めた。分光透過スペクトルは、島津製作所製 分光光度計 UV−2600を用いて測定した。540nmでの透過率を表2に示す。
<耐熱性評価>
実施例1〜7及び比較例1〜6で着色層を形成する際に、露光後の着色層のL、a、b(L、a、b)、及びポストベーク後の着色層の色度(x、y)、輝度(Y)、L、a、b(L、a、b)を測定した。色度及び輝度は、オリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定した。光源はC光源を用いた。
耐熱性評価として、ポストベーク前後の色差(ΔEab)を下記式より算出し、下記評価基準により評価した。
ΔEab={(L−L+(a−a+(b−b1/2
(評価基準)
A:ΔEabが3以下
B:ΔEabが3超過5以下
C:ΔEabが5超過10以下
D:ΔEabが10超過
なお、前記評価基準において、Bであれば色相変化はほとんど認められず、良好な特性を示し、Aであればなお良い。Cであれば、若干の色相変化は認められるが、カラーフィルタの実用上問題ないレベルである。Dであれば、はっきりとした色相変化が確認でき、カラーフィルタとしては問題のあるレベルである。
比較例11、12では、輝度(Y)を測定することができなかった。
<異物評価>
実施例1〜7及び比較例1〜6で得られた着色層について、オリンパス製、光学顕微鏡「MX61L」を用いて表面観察を行った。倍率は100倍とし、500μm×500μmの領域で、透過にて観測可能な異物粒子の個数を計測し、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
AA:5個未満(きわめて良好)
A:5個以上、10個未満(良好)
B:10個以上20個未満(使用上問題ないレベル)
C:20個以上、100個未満(使用上問題あり)
D:100個以上(使用上問題あり)
ここで、表中各略号は、以下の通りである。
BY40:Basic Yellow40(シグマアルドリッチ製)
AY3:Acid Yellow3(和光純薬工業(株)製)
PY138:C.I.Pigment Yellow138(大日精化工業(株)製)
PY150:C.I.Pigment Yellow150(ランクセス製)
PY115:C.I.Pigment Yellow115(比較合成例2)
リンタングステン酸:日本無機化学工業製、リンタングステン酸・n水和物
ポリ塩化アルミニウム:多木化学製、製品名 タキバイン#1500
オキシ塩化ジルコニウム:第一稀元素化学工業製、製品名 ジルコゾールZC−20
Figure 0006895294
(実施例11)
(1)色材分散液G1の調製
分散剤として合成例9で得られた塩型ブロック共重合体A溶液26.5質量部に、合成例10で得られたアルカリ可溶性樹脂A(固形分40質量%)を3.94質量部加え、室温で撹拌後、緑色色材(DIC社製、製品名 FASTGEN GREEN A350)4.55質量部、粒径2.0mmジルコニアビーズ35質量部を入れ、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)で1時間振とうし、次いで粒径0.1mmのジルコニアビーズ70質量部に変更し、本解砕としてペイントシェーカーで6時間分散を行い、色材分散液G1を得た。
(2)着色樹脂組成物G1の調製
上記(1)で得られた色材分散液G1と、実施例1で得られた色材分散液Y1とを、緑色色材とクマリン系色材Aとの質量比が33:67となるような比率で混合して混合分散液を得た。得られた混合分散液を56.3質量部、製造例1で得られた感光性バインダーA 19.5質量部、界面活性剤メガファックR08MH(DIC製)0.4質量部、PGMEA 23.9質量部を混合し、実施例11の着色樹脂組成物G1を得た。
(3)着色層の形成
上記(2)で得られた着色樹脂組成物G1を、厚み0.7mmのガラス基板(NHテクノグラス(株)製、「NA35」)上に、スピンコーターを用いて塗布した。80℃のホットプレート上で3分間加熱乾燥を行った後、超高圧水銀灯を用いて60mJ/cmの紫外線を照射した。その後、230℃のクリーンオーブンで30分間ポストベークすることにより、着色層を形成した。なお、着色層の膜厚は、色度がx=0.270、y=0.680となるように調整した。
(実施例12〜17、比較例11〜16)
(1)着色樹脂組成物G2〜G7、比較着色樹脂組成物GC1〜GC6の調製
実施例11の(2)において、色材分散液Y1に代えて、表3に示す黄色色材分散液を用い、緑色色材と黄色色材との質量比が表3に示すような質量比となるように、混合分散液を得たこと以外は、実施例11の(2)と同様にして、着色樹脂組成物G2〜G7、比較着色樹脂組成物GC1〜GC6を得た。
(2)着色層の形成
実施例11の(3)において、着色樹脂組成物G1の代わりに、それぞれ上記着色樹脂組成物G2〜G7、比較着色樹脂組成物GC1〜GC6を用いた以外は、実施例11の(3)と同様にして、着色層G2〜G7、比較着色層GC1〜GC6を得た。
実施例11〜17及び比較例11〜16で得られた着色層の輝度(Y)と膜厚を測定した。輝度は、オリンパス(株)社製「顕微分光測定装置OSP−SP200」を用いて測定し、光源はC光源を用いた。膜厚はTencor社製の「P−17 Stylus Profiler」を用いて測定した。
Figure 0006895294
[結果のまとめ]
表2から、本発明に係る黄色染料の造塩色材を含有する実施例1〜7の色材分散液乃至着色樹脂組成物を用いて形成した着色層は、ポストベーク前後での色差が小さく、耐熱性に優れており、異物の発生が抑制されていた。一方で、比較例1、2では、着色層に異物が発生し、色材として用いた黄色染料がポストベーク時に退色したため、耐熱性に劣り、使用可能な着色層を形成することができなかった。比較例3においても、着色層に異物が発生し、耐熱性に劣っていた。
また、表3から、本発明に係る黄色染料の造塩色材を含有する実施例11〜17の色材分散液乃至着色樹脂組成物を用いて形成した着色層は、加熱による輝度の低下が抑制され、高輝度であった。また、実施例11〜17で形成された着色層は、カチオン樹脂を造塩化剤として用いた従来の造塩化合物を用いた比較例13に比べて、輝度が高く、より薄膜化されていた。また、実施例11〜17で形成された着色層は、公知の有機顔料を用いた比較例14、15及び公知のレーキ顔料を用いた比較例16に比べて、輝度が高かった。中でも、クマリン染料の造塩色材を用いた実施例11、12では、輝度がより向上していた。また、実施例15と実施例16との対比からは、カウンターカチオンとして、ポリ塩化アルミニウムを用いた場合は、オキシ塩化ジルコニウムを用いた場合に比べて、着色層がより薄膜化されており、着色力が向上し、更に輝度も向上することが明らかにされた。比較例11、12では、色材として用いた黄色染料がポストベーク時に退色したため、所望の色度が得られず、使用可能な着色層を形成することができなかった。
1 基板
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルタ
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
50 有機保護層
60 無機酸化膜
71 透明陽極
72 正孔注入層
73 正孔輸送層
74 発光層
75 電子注入層
76 陰極
80 有機発光体
100 有機発光表示装置

Claims (7)

  1. 色材と、分散剤と、溶剤とを含有し、
    前記色材が、黄色染料の造塩色材を含有し、
    前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料がカチオン性である場合に、カウンターイオンがヘテロポリ酸アニオンであり、黄色染料がアニオン性である場合に、カウンターイオンがポリ金属塩由来のカチオンであり、
    前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料が、クマリン骨格、シアニン骨格及びキノフタロン骨格からなる群から選ばれる1種の骨格を含むカラーフィルタ用色材分散液。
  2. 前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料が、スルホナト基、第3級窒素、及び第4級窒素カチオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載のカラーフィルタ用色材分散液。
  3. 前記黄色染料の造塩色材において、黄色染料が、クマリン骨格を含む黄色染料であるC.I.ベーシックイエロー40、C.I.ソルベントイエロー160:1及び下記化学構造式で表されるクマリン染料B;シアニン骨格を含む黄色染料であるC.I.ベーシックイエロー11、C.I.ベーシックイエロー13及び下記化学構造式で表されるシアニン染料B;並びに、キノフタロン骨格を含む黄色染料であるC.I.アシッドイエロー3からなる群から選ばれる少なくとも1種の黄色染料である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用色材分散液。
    Figure 0006895294
    Figure 0006895294
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用色材分散液と、バインダー成分とを含有する、カラーフィルタ用着色樹脂組成物。
  5. 前記請求項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物の硬化物。
  6. 基板と、当該基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルタであって、当該着色層の少なくとも1つが前記請求項に記載の硬化物である、カラーフィルタ。
  7. 前記請求項に記載のカラーフィルタを有する、表示装置。
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