JP7152772B2 - 型枠 - Google Patents

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泰志 野中
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本発明は、定盤と側枠とを有し、鉄道用スラブ版等のコンクリート製品を製造するための型枠に関する。
鉄道用スラブ版やコンクリートスラブ等のコンクリート製品を製造する型枠として、本出願人は、定盤に対して側枠を水平方向にスライドさせることによって型組みと型ばらしを行うことができる型枠を提案している(特許文献1等参照)。この型枠は、定盤が、一対の支持板とこの支持板に軸支された複数のローラとを備えたスライドユニットを有しており、側枠には、スライドレールが設けられている。このスライドレールが、定盤のスライドユニットにおける複数のローラにガイドされて水平方向にスライドすることで側枠も水平方向にスライドする。
この型枠を用いてコンクリート製品を製造するには、まず側枠を定盤の周縁に接合させて型組みを行い、内部に形成された成形空間にコンクリートを充填する。そして、充填したコンクリートが硬化した後、作業者が把持部等を掴んで引き出すことで側枠をスライドさせ型ばらしを行う。次に、コンクリート製品の側面への金物の取り付けやジャッキアップ作業等を行い、コンクリート製品を取り出す。そして、側枠の内面や側枠と定盤との接合部分の拭き取り掃除等を行った後、作業者が把持部等を掴んで側枠を押し込むことによってスライドさせて型組みを行い、次のコンクリート製品のコンクリートを成形空間に充填する。
この型枠によれば、ローラの回転によりスライドレールを軽快にスライドさせることができるため、側枠の重量が大きい場合であっても型ばらしや型組みの作業を容易に行うことができる。
特開2000-317626号公報
ここで、前述したように、定盤から側枠が離間した型ばらし状態において、金物の取り付けや側枠の内面の拭き取り掃除等を行う際に、側枠への意図しない接触等により、側枠が定盤側に不用意にスライドして戻ってしまう場合がある。このため、型ばらし状態において作業者が作業する際には、スライドレールの引き出された部分等に戻り防止用ストッパ金具や戻り防止装置等を設けているのが実情であり、さらなる作業性の改善について鋭意検討を重ねた。
本発明は上記事情に鑑み、型ばらしや型組みの作業が容易であると共に、型ばらし状態において戻り防止用ストッパ金具等の別部材を用いずとも側枠の不用意な戻りを防止することができる型枠を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明における型枠は、定盤と側枠とを有し、該側枠を該定盤の周縁に接合させた型組み状態においてコンクリートを充填し、該コンクリートが硬化したら該定盤から該側枠を離した型ばらし状態にしてコンクリート製品を取り出す型枠において、
前記定盤は、台部と、該台部内に配置され一対の支持板に複数のローラが軸支されたスライドユニットとを有するものであり、
前記側枠は、前記台部内に入り込むスライドレールを有し、該スライドレールが前記複数のローラにガイドされてスライドすることによって該側枠も前記型組み状態と前記型ばらし状態とにスライドするものであり、
前記複数のローラは、第1受けローラと、該第1受けローラよりも内側に配置され該第1受けローラとともに前記スライドレールを支持する第2受けローラと、該第2受けローラの上方に配置され該スライドレールの上端部を規制する抑ローラとを有するものであり、
前記スライドレールは、前記上端部における内側部分に凹部が形成されたものであり、
前記側枠が前記型組み状態から前記型ばらし状態にスライドしていくと、前記スライドレールの前記凹部に前記抑ローラが入り込み、該側枠は、前記第1受けローラに支持された部分を支点にして外側が下方に向かって傾く傾斜状態になるものであることを特徴とする。
ここで、本発明における型組み状態とは、前記側枠を前記定盤の周縁に接合させ、該側枠の内面と該定盤の底面とによって前記コンクリート製品の成形空間が画定される状態をいう。また、前記側枠を型組み状態にスライドさせることを型組みを行うと称することがある。本発明における型ばらし状態とは、前記側枠が前記定盤から離間し、前記コンクリート製品を取り出せる状態をいう。また、前記側枠を型組み状態から型ばらし状態にスライドさせることを型ばらしを行うと称することがある。
本発明の型枠によれば、前記スライドレールが前記複数のローラにガイドされてスライドすることによって前記側枠も前記型組み状態と前記型ばらし状態とにスライドするものであるため、型ばらしや型組みの作業が容易となる。また、前記側枠が前記型組み状態から前記型ばらし状態にスライドしていくと、該側枠は、自重により前記スライドレールの前記凹部に前記抑ローラが入り込むとともに、前記第1受けローラに支持された部分を支点にして外側が下方に向かって傾く(倒れた)傾斜状態になる。これにより、前記スライドレールの前記凹部によって前記抑ローラを受けることになり、前記側枠の不用意な戻りを防止することができる。
なお、前記型ばらし状態では前記側枠の重心が前記第1受けローラより外側になり、該側枠を前記型組み状態に戻すには、作業者の押し込む力が必要になるが、前記凹部の分だけ押し込めばよいため作業者の負担は抑えることができる。ここで、前記凹部の深さと長さ(前記スライドレールの延在方向、すなわち前記側枠がスライドする方向の寸法に相当する長さ)は、前記側枠の重量や前記抑ローラの大きさ等から、該側枠の不用意な戻り防止の観点と該側枠を押し込む作業性の観点とのバランスで設定すればよい。また、前記傾斜状態における前記側枠が傾く角度は、2度~5度程度が好ましいが、この角度も、該側枠の不用意な戻り防止の観点と該側枠を押し込む作業性の観点とのバランスを考慮して調整すればよい。
前記側枠を前記型組み状態からスライドさせ前記型ばらし状態で停止させる停止機構は特に限定されるものではなく、適宜のストッパ等を用いることができる。ただし、前記側枠が前記型組み状態から前記型ばらし状態にスライド可能な距離は、300mm程度までに抑える態様が好ましい。これは、前記コンクリート製品への金物取り付け等の作業は、前記側枠の外側から手を伸ばして行うため、その作業性を考慮する必要があるためである。
また、本発明の型枠において、前記スライドレールは、内側部分に、円弧状の外周面を備えたストッパを有するものであり、
前記支持板は、内側部分に、円弧状の係止面と該係止面から内側に向けて拡がるガイド面とを備えた停止部が形成されたものであり、
前記側枠が前記型組み状態から前記型ばらし状態にスライドしていくと、前記凹部に前記抑ローラが入り込んだ後、前記ストッパの前記外周面が前記係止面に係止して該側枠のスライドが停止するものである態様が好ましい。
ここで、前記ストッパは、前記スライドレールの内側部分において両側に突出した円柱状のものであってもよい。
前記側枠のスライドを停止させる停止機構として、前記ストッパと前記停止部とを採用すれば、該ストッパを、円弧状の前記係止面にスムーズに係合させることができ、前記スライドレールの前記傾斜状態も安定させることができる。また、前記停止部は、前記ガイド面を備えているため、円滑に前記ストッパを前記係止面に導くこともできる。さらに、前記凹部に前記抑ローラが入り込んだ後、前記ストッパの前記外周面が前記係止面に係止するため、該凹部に該抑ローラが入り込んだ際に前記側枠のスライドの速度が幾分落ち、前記側枠をソフトに停止させることも可能になる。
さらに、本発明の型枠において、前記第2受けローラは、前記スライドレールの下端部分を挟む一対の鍔を有するものであり、
前記スライドレールは、前記傾斜状態であっても、前記下端部分が、前記一対の鍔間に位置するものであってもよい。すなわち、前記第2受けローラとして、いわゆる鍔付きローラを採用してもよい。
この態様を採用すれば、前記傾斜状態においても、前記スライドレールを安定して支持することができる。なお、前記第1受けローラも、鍔付きローラを採用してもよい。
また、本発明の型枠において、前記抑ローラは、その回転軸が、前記第2受けローラの回転軸よりも外側に位置するものであってもよい。
こうすることで、前記複数のローラが鋭角三角形の位置に配置されることになり、該複数のローラにガイドされる前記スライドレールの姿勢をより安定させることができる。
本発明によれば、型ばらしや型組みの作業が容易であると共に、型ばらし状態において戻り防止用ストッパ金具等の別部材を用いずとも側枠の不用意な戻りを防止することができる型枠を提供することができる。
本発明の型枠の平面図である。 (a)は、図1(a)のA-A線断面図であり、(b)は、図1(b)のC-C線断面図である。 (a)は、図2(a)に示すスライドユニットの平面図であり、(b)は、同図(a)の側面図である。 (a)は、図1(a)の一点鎖線の円で囲んだB部を外側(左側)から見た図であり、(b)は、図2(a)のD矢視図である。 図2(a)に示す型組み状態からスライドする様子を段階的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明は、鉄道用スラブ版やコンクリートスラブ等、各種のコンクリート製品を製造する型枠に適用することができるが、以下では、鉄道用スラブ版を製造する型枠を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の型枠の平面図である。図1(a)では、型組み状態の型枠1を示しており、同図(b)は、型ばらし状態の型枠1を示している。
図1に示すように、型枠1は、定盤2と、平面視における定盤2の上下左右にそれぞれ配置される側枠3とを有するものである。なお、離型用吊具の取付部材や着脱部等を設ける場合もあるが、本実施形態では図面を簡略化するため省略している。図1(a)に示すように、型組み状態においては、定盤2の周縁に側枠3を接合させ、定盤2の底面2aと、側枠の側面3aとで形成された形成空間にコンクリートを充填し硬化させる。なお、本実施形態では、図における左右の側枠3は、内側に半円形に突出した側面3a’を有しており、妻枠と称される場合もある。
詳しくは後述するが、定盤2には、複数のローラを有するスライドユニット5が設けられている(図2等参照)。側枠3は、スライドレール4を有しており、側枠3は、スライドレール4が複数のローラにガイドされてスライドする。これにより、型枠1に充填したコンクリートが硬化した後、図1(b)において矢印で示すように、側枠3を外側にスライドさせて型ばらしを行い、コンクリート製品を取り出すことができる。すなわち、スライドレール4が複数のローラにガイドされてスライドすることによって側枠3も型組み状態と型ばらし状態とにスライドするものである。
図2(a)は、図1(a)のA-A線断面図であり、図2(b)は、図1(b)のC-C線断面図である。なお、図2では、左側が外側になり、右側が内側になる。また、以下の説明では、側枠3がスライドする方向をスライド方向と称し、図2では、左右方向がスライド方向になる。
図2(a)に示すように、定盤2は、形成空間を画定する底面2aを備えた底板21と、底板21を支持する台部22と、台部22内に配置されたスライドユニット5とを有している。本実施形態では、台部22は、紙面と直交する方向に延在した複数のH鋼221によって構成され、スライドユニット5は、外側のH鋼221における開口221aに挿通された状態で配置されている。
図3(a)は、図2(a)に示すスライドユニット5の平面図であり、図3(b)は、同図(a)の側面図である。
図3(a)及び同図(b)に示すように、スライドユニット5は、複数(本実施形態では3つ)の連結部材55によって連結された一対の支持板51,51と、これら一対の支持板51,51に軸支された、第1受けローラ52、第2受けローラ53及び抑ローラ54とを備えている。なお、図3(b)、図2及び図5では、第1受けローラ52等を示すため、図3(a)における下側の支持板51は省略している。
支持板51は、図3(b)に示す側面視では、略逆L字状の板材であり、内側の縁部分には、外側に向かって凹んだ停止部511が形成されている。この停止部511は、最も凹んだ部分に形成された円弧状の係止面511aと、この係止面511aから内側に向けて拡がる一対のガイド面511b,511bとを備えている。
第1受けローラ52は、円柱状のローラ本体521と、このローラ本体521の幅方向両側から突出した一対の鍔522,522を有したいわゆる鍔付きローラであり、回転軸52aによって支持板51の外側部分に回転自在に軸支されている。本実施形態では、第2受けローラ53は、第1受けローラ52と同じローラを採用しており、ローラ本体531と一対の鍔532,532とを有している。また、第2受けローラ53は、第1受けローラ52よりも内側であって、第1受けローラ52の回転軸52aと同じ高さ位置に配置された回転軸53aによって支持板51に回転自在に軸支されている。このため、第1受けローラ52のローラ本体521における上端部分と、第2受けローラ53のローラ本体531における上端部分とは、同じ高さ位置に設定されている。
抑ローラ54は、鍔のないローラであり、第2受けローラ53の上方に回転軸54aによって支持板51に軸支されている。また、図では破線で示す、抑ローラ54における回転軸54aの中心a1は、一点鎖線で示す、第2受けローラ53における回転軸53aの中心a2よりも、僅かに外側に位置している。
図2(a)に示すように、側枠3は、形成空間を画定する側面3aを備えた側壁31と、側壁31の上下の外側にそれぞれ設けられた水平な補強片32,33と、これら補強片32,33の間に適当な間隔で設けられた垂直な補強リブ34と、下側の補強片33にボルトとナットによって固定された接続部材35と、接続部材35の下端部分に固定されたスライドレール4とを有している。スライドレール4は、スライド方向に延在した角柱状の棒材であり、台部22内に入り込んでいる。スライドレール4は、破線の楕円で囲んだE部を拡大して示すように、上端部における内側部分には、深さdが例えば1~3mm程度の凹部41が形成されている。この凹部41は、外側から内側にかけて、傾斜した外側傾斜面411、平面状の平面412、傾斜した内側傾斜面413が記載順に形成されている。
ここで凹部41の形状は特に限定されるものではなく、一点鎖線で示すように、円弧状の凹部41’であってもよいし、傾斜した外側傾斜面411や内側傾斜面413に代えて、二点鎖線で示すように、鉛直状の外側鉛直面411’や内側鉛直面413’としてもよい。さらに、内側傾斜面413を省略し、図では太い破線で示すように、スライドレール4における内側の端部まで連続した平面412’を採用してもよい。
また、スライドレール4は、その内側部分に一対の円柱状のストッパ42,42が設けられている。このストッパ42は、スライド方向と直交する水平方向(図では紙面と直交する方向)に突出し(図1参照)、円弧状の外周面42aを備えたものである。なお、スライドレール4の外側には、側枠3をスライドさせる際に把持するハンドル43が設けられている。
図4(a)は、図1(a)の一点鎖線の円で囲んだB部を外側(左側)から見た図であり、図4(b)は、図2(a)のD矢視図である。なお、図4(a)では、図面を簡略化するため、ハンドル43は省略している。
図4(a)及び同図(b)に示すように、スライドレール4は、その下端部分が、第1受けローラ52の一対の鍔522,522に挟まれた状態で、第1受けローラ52のローラ本体521に支持されている。また、図示は省略するが、スライドレール4は、第2受けローラ53に対しても、その下端部分が一対の鍔532,532に挟まれた状態で、ローラ本体531に支持されている(図3参照)。図3を用いて前述したように、本実施形態では、第1受けローラ52のローラ本体521における上端部分と、第2受けローラ53のローラ本体531における上端部分とは、同じ高さ位置に設定されているため、スライドレール4は、第1受けローラ52と第2受けローラ53とによって水平に支持される。そして、図2(a)に示すように、スライドレール4の上端部は、抑ローラ54によって規制されている。これらの構成により、スライドレール4は、第1受けローラ52、第2受けローラ53及び抑ローラ54にガイドされてスムーズにスライドする。
また、図3(b)を用いて前述したように、抑ローラ54は、回転軸54aが、第2受けローラ53の回転軸53aよりも外側に位置しているため、スライドレール4のスライドをより安定させることができる。なお、図3(b)において一点鎖線で示すように、第2受けローラ53’の位置を内側にすれば、スライドレール4のスライドがさらに安定するが、スライドユニット5が大型化し、台部22(図2参照)内のスペースが減少してしまう。このため、台部22内のスペースとの関係で、第2受けローラ53と抑ローラ54の配置を調整することが好ましい。
ここで、スライドレール4が第1受けローラ52や第2受けローラ53に支持される態様は特に限定されるものではない。具体的には、図4(a)において破線の楕円で囲んで示すように、内側に傾斜面522aを有する鍔522’を備えた第1受けローラ52’と、下端部分に鍔522’に対応した面取部4aを形成したスライドレール4’を採用してもよい。なお、図示は省略するが、第2受けローラ53についても、第1受けローラ52’と同じ構成の第2受けローラ53’を採用してもよい。この態様によれば、スライドレール4’をより安定して支持することができる。
図2(a)に示す型組み状態から側枠3を外側にスライドさせていくと、スライドレール4のストッパ42が支持板51の停止部511に規制されて側枠3のスライドが停止し、同図(b)に示す型ばらし状態になる。図2(b)に示すように、型ばらし状態では、スライドレール4の凹部41に抑ローラ54が入り込み、側枠3は、第1受けローラ52に支持された部分を支点にして外側が下方に向かって傾く傾斜状態になる。側枠3が傾く角度θは、2度~5度程度が好ましい。また、側枠3を図2(a)に示す型組み状態から同図(b)に示す型ばらし状態にスライド可能な距離S(以下の説明ではスライド量Sと称する)は、300mm程度までに抑える態様が好ましい。これは、型枠1内で硬化したコンクリート製品への金物の取り付けやジャッキアップ作業、あるいは、側枠3の側面3a、側枠3の接合部分3b、及び定盤2の接合部分2b等の拭き取り掃除等は、側枠3の外側から手を伸ばして行うため、その作業性を考慮する必要があるためである。なお、側枠3をスライドさせる作業は、一般的に腰の高さでハンドル43を持つ作業となるため、スライド量Sは、450mm程度が限界となる。
次に、図5を用いて側枠3がスライドする様子を詳細に説明する。
図5は、図2(a)に示す型組み状態からスライドする様子を段階的に示す図である。なお、図5では、スライドする様子の説明のため、便宜上スライドレール4とスライドユニット5のみを抜き出し、概念的に示している。すなわち、実際には、図5に示すスライドレール4がスライドすることによって、側枠3もスライドすることになる。
図5(a)に示すように、図2(a)に示す型組み状態からスライドレール4を外側にスライドさせると、スライドレール4は、複数のローラ(第1受けローラ52、第2受けローラ53及び抑ローラ54)にガイドされて略平行にスライドする。このため、仮に側枠3(図2等参照)の重量が大きい場合であっても容易にスライドさせることができる。
スライドレール4を外側にスライドさせていくと、やがて側枠3の重心が第1受けローラ52より外側になる。そして、図5(b)に示すように、スライドレール4の凹部41が抑ローラ54に達すると、凹部41に抑ローラ54が入り込むとともに、スライドレール4は、第1受けローラ52に支持された部分を支点にして外側が下方に向かって傾く傾斜状態になる。このとき、スライドレール4がスライドする速度が幾分落ちる。なお、スライドレール4が傾くときに上下に多少ばたつくことがあるが、本実施形態では、停止部511が、内側に向けて拡がる一対のガイド面511b,511bを有しているため、スライドレール4のストッパ42をスムーズに停止部511に導くことができる。
さらに、スライドレール4が僅かに外側にスライドすると、図5(c)に示すように、スライドレール4のストッパ42における外周面42aが、停止部511の係止面511aに係止してスライドレール4のスライドが停止する。この図5(c)に示す状態が、図2(b)に示す型ばらし状態に相当する。本実施形態では、円柱状のストッパ42と円弧状の係止面511aを採用しているため、ストッパ42の外周面42aが係止面511aにスムーズに係合し、スライドレール4の傾斜状態も安定させることができる。また、前述したように凹部41に抑ローラ54が入り込んだ際にスライドレール4のスライドの速度が幾分落ちるため、スライドレール4をソフトに停止させることも可能になる。さらに、スライドレール4は、傾斜状態であっても、下端部分が、第2受けローラ53における一対の鍔532間に位置している。このため、傾斜状態においても、スライドレール4を安定して支持することができる。
図5(c)に示す型ばらし状態において、金物の取り付け作業や拭き取り掃除等を行う際の側枠3への意図しない接触等により、図5(d)において右向きの矢印で示すように、スライドレール4を内側に戻す力が作用する場合がある。しかしながら、図5(d)に示すように、凹部41に抑ローラ54が入り込んでいるため、スライドレール4の不用意な戻りを防止することができる。さらに、傾斜状体における外側に掛かった側枠3の重量によっても、スライドレール4の不用意な戻りが抑えられる。これにより、戻り防止用ストッパ金具等の別部材が不要になり、作業性を向上させることができる。
なお、図2(b)に示す型ばらし状態から、同図(a)に示す型組み状態に戻すには、側枠3を押し込むことになるが、ハンドル43を持って押し込み、抑ローラ54が凹部41の外側傾斜面411を乗り越えればよいため、作業者の負担も抑えることができる。
ここで、図5(c)に示すスライドレールを傾斜させる角度θは、側枠3の重量やスライド量S(図2(b)参照)等を考慮し、側枠3の不用意な戻り防止と型組み状態に戻す際の作業者の負担等の観点から設定すればよい。例えば、図2(a)に示す凹部41の深さdを変更することで、図5(c)において一点鎖線で示すスライドレール4’にように角度θを調整することができる。なお、スライド量Sが長ければ長いほど側枠3の重量は外側に掛かるため作業性は悪化する。
また、スライドレール4における凹部41とストッパ42、及びスライドユニット5における停止部511の位置関係や、図2(a)に示す凹部41の長さ(スライドレール4の延在方向、すなわちスライド方向の寸法に相当する長さ)Lを変更することで、凹部41に抑ローラ54が入り込んでから、ストッパ42の外周面42aが停止部511の係止面511aに係止してスライドレール4が停止するまでの間隔等を調整することもできる。
以上説明したように、本発明によれば、型ばらしや型組みの作業が容易であると共に、型ばらし状態において戻り防止用ストッパ金具等の別部材を用いずとも側枠の不用意な戻りを防止することができる型枠を提供することができる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、前述した実施形態では、図2(a)に示す型組み状態において抑ローラ54がスライドレール4の上端部分に接触する態様としているが、例えば、型組み状態では抑ローラ54とスライドレール4とが離間しており、図5(a)に示すように、スライドレール4を外側にスライドさせていき、側枠3の重心が第1受けローラ52より外側になってスライドレール4が傾いたときに抑ローラ54と接触する態様としてもよい。また、上記実施形態では、第1受けローラ52と第2受けローラ53に同じローラを採用しているが、例えば、第1受けローラ52に鍔522のないローラを採用する等、異なる構成のローラを採用することもできる。さらに、ストッパ42は円柱状のものに限られず、係止面511aに係止する円弧状の外周面を備えた断面半円形のものであってもよい。
1 型枠
2 定盤
22 台部
3 側枠
4 スライドレール
41 凹部
42 ストッパ
42a 外周面
43 ハンドル
5 スライドユニット
51 支持板
511 停止部
511a 係止面
511b ガイド面
52 第1受けローラ
522 鍔
52a 回転軸
53 第2受けローラ
532 鍔
53a 回転軸
54 抑ローラ
54a 回転軸
S スライド量
θ 角度

Claims (4)

  1. 定盤と側枠とを有し、該側枠を該定盤の周縁に接合させた型組み状態においてコンクリートを充填し、該コンクリートが硬化したら該定盤から該側枠を離した型ばらし状態にしてコンクリート製品を取り出す型枠において、
    前記定盤は、台部と、該台部内に配置され一対の支持板に複数のローラが軸支されたスライドユニットとを有するものであり、
    前記側枠は、前記台部内に入り込むスライドレールを有し、該スライドレールが前記複数のローラにガイドされてスライドすることによって該側枠も前記型組み状態と前記型ばらし状態とにスライドするものであり、
    前記複数のローラは、第1受けローラと、該第1受けローラよりも内側に配置され該第1受けローラとともに前記スライドレールを支持する第2受けローラと、該第2受けローラの上方に配置され該スライドレールの上端部を規制する抑ローラとを有するものであり、
    前記スライドレールは、前記上端部における内側部分に凹部が形成されたものであり、
    前記側枠が前記型組み状態から前記型ばらし状態にスライドしていくと、前記スライドレールの前記凹部に前記抑ローラが入り込み、該側枠は、前記第1受けローラに支持された部分を支点にして外側が下方に向かって傾く傾斜状態になるものであることを特徴とする型枠。
  2. 前記スライドレールは、内側部分に、円弧状の外周面を備えたストッパを有するものであり、
    前記支持板は、内側部分に、円弧状の係止面と該係止面から内側に向けて拡がるガイド面とを備えた停止部が形成されたものであり、
    前記側枠が前記型組み状態から前記型ばらし状態にスライドしていくと、前記凹部に前記抑ローラが入り込んだ後、前記ストッパの前記外周面が前記係止面に係止して該側枠のスライドが停止するものであることを特徴とする請求項1記載の型枠。
  3. 前記第2受けローラは、前記スライドレールの下端部分を挟む一対の鍔を有するものであり、
    前記スライドレールは、前記傾斜状態であっても、前記下端部分が、前記一対の鍔間に位置するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の型枠。
  4. 前記抑ローラは、その回転軸が、前記第2受けローラの回転軸よりも外側に位置するものであることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項記載の型枠。
JP2019025390A 2019-02-15 2019-02-15 型枠 Active JP7152772B2 (ja)

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