JP2000296511A - コンクリートユニット製造用枠型 - Google Patents

コンクリートユニット製造用枠型

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JP2000296511A JP11249264A JP24926499A JP2000296511A JP 2000296511 A JP2000296511 A JP 2000296511A JP 11249264 A JP11249264 A JP 11249264A JP 24926499 A JP24926499 A JP 24926499A JP 2000296511 A JP2000296511 A JP 2000296511A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一つの型枠で各種の寸法モジュールに対応す
ることができるようにする。 【解決手段】 箱型のコンクリート構造体9製造用とし
て使用される基本外型30と、この基本外型30の内壁
面との間に所定の隙間を形成した状態で基本外型30に
内装される基本内型40とからなり、枠型ベース2上に
配設された基本内型40の外壁面と外型の内壁面との間
に形成されるキャビティ8に生コンクリートを供給する
ことによってコンクリート構造体9を形成させるコンク
リートユニット製造用枠型1であり、上記基本外型30
および上記基本内型40は、いずれもライナー7を用い
て平面形状が拡張可能に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に居住空間を
備えた、例えば地下室構造体等の住宅建設用に適したコ
ンクリートユニットを製造するための枠型に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、法規制の緩和が転機となって土地
の有効利用を図るべく木造建築においても3階建てや地
下室設置が盛んに行われるようになってきた。従来、地
下室は、敷地に縦穴を掘設して鉄筋を配筋し、枠を施工
したのち生コンクリートを枠内に流し込む、いわゆるコ
ンクリートの現地打ちが主流であったが、近年、地下室
の容量分を賄う鉄筋コンクリート製の箱体である、いわ
ゆるプレキャストコンクリートユニットを工場で大量生
産し、このコンクリートユニットを建築現場に運び込
み、予め掘設された縦穴に吊り降ろすことによって地下
室を形成するようにしたユニット工法が、例えば出願人
が先に出願した特開平10−212731号公報等によ
って提案されている。
【0003】かかるユニット工法によれば、従来の現地
打ち施工に比べて全体的に建設費を廉価に抑えることが
できる上、工期も大幅に短縮され、今後の住宅建設にお
ける地下室施工の主流をなすものとして脚光を浴びてい
る。また、コンクリートユニットを1階部分の建屋とし
て利用すれば、その上に2階建ての建築を行うことによ
り容易に3階建の建物にすることができる。
【0004】このようなコンクリートユニットは、その
外壁面に沿った内面を有する外枠型と、この外枠型に内
装される、コンクリートユニットの内壁面に沿った外面
を有する内枠型とからなる枠型によって製造される。具
体的には、外枠型が上部開放状態で基礎盤上に配置さ
れ、引き続き外枠型内に配筋施工が行われ、ついで外枠
型内に内枠型が装着され、これら枠型間に形成された、
配筋が施されているキャビティ内に生コンクリートが流
し込まれることによってコンクリートユニットが製造さ
れるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なプレキャストコンクリートユニットは、地下室あるい
は建屋の1階部分として用いられるのがメインである
が、通常、その上に構築される木造建築の基礎として利
用される。従って、コンクリートユニットは、それより
上階の木造建築の寸法モジュール(寸法規格)に従って
寸法設定される必要がある。しかしながら、木造建築の
寸法モジュールは、例えば京間と関東間とで単位寸法の
値が異なっており、いずれを採用するかで基礎の寸法が
違ったものになる。また、建築工法についても、在来工
法である軸組工法、方形の木枠を組み合わせるツーバイ
フォー工法、あるいは壁体を組み合わせる壁工法など種
々のものがあり、これらの工法によっても基礎寸法が異
なってくる。
【0006】従って、コンクリートユニットを製造する
ための枠型は、木造建築が京間であるか関東間である
か、いずれの工法で建設されるかによってその寸法が相
違し、それらのいずれにも対応させるために、多種類の
枠型を予め用意しておかなければならず、そのために広
大な敷地が必要になるとともに、型枠費用が嵩むという
問題点を有していた。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであり、一つの型枠で各種の寸法モジ
ュールに対応することが可能であり、これによって型枠
用の敷地を最小限に抑えた上で、型枠コストを安価に
し、コンクリートユニットの製造コストの低減化に寄与
することができるコンクリートユニット製造用枠型を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
建物用のコンクリートユニットを製造するために使用さ
れるコンクリートユニット製造用枠型であって、内壁面
がコンクリートユニットの外面形状に沿うように形成さ
れた外型と、この外型の内壁面との間に所定の隙間を形
成した状態で外型に内装される内型と、これら外型およ
び内型を載置する枠型ベースとが備えられ、上記枠型ベ
ース上に外型と内型とを載置した状態で上記隙間によっ
て形成されたキャビティに生コンクリートを供給するこ
とによってコンクリートユニットを形成するように構成
され、上記外型および内型は、いずれも平面形状が拡張
可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0009】この発明によれば、外型および内型の平面
形状を拡張可能に構成したため、コンクリートユニット
を木造建築の基礎として利用するに際し、その木造建築
の寸法モジュールおよび建築工法に合わせて外型および
内型の平面寸法を調節することが可能であり、これによ
って木造建築の寸法モジュールに適合したコンクリート
ユニットを製造することができる。
【0010】従って、従来のように、予め全ての寸法モ
ジュールの枠型を設けておく必要がなくなり、その分枠
型敷設用の敷地を最小限に設定することが可能になると
ともに、枠型コストの削減が実現し、ひいてはコンクリ
ートユニットの製造コストの低減化に寄与する。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記外型は、枠型ベース上で移動可能に配
設される複数の単位外型部材を有し、各単位外型部材
は、支持台と、この支持台に立設された外壁とからな
り、上記内型は、枠型ベース上の中央部に配設される4
体の単位内型部材によって構成され、各単位内型部材
は、矩形状のプラットフォームと、このプラットフォー
ムの直交する辺部に配設される鈎形内壁とからなり、配
設された上記外壁側縁間の隙間および上記内壁側縁間の
隙間を埋める各種の寸法を備えた所定個数のライナーが
設けられていることを特徴とするものである。
【0012】この発明によれば、複数の単位外型部材を
枠型ベース上で移動させることにより、各単位外型部材
を、それぞれの外壁の側縁間に隙間を存在させながら平
面視で所望の矩形状になるように配置することで外枠の
基体が形成される。また、外枠基体の内側の枠体ベース
上にプラットフォームを介して4体の各単位内型部材
を、それぞれの鈎形内壁の両側縁部を対向させ、かつ、
側縁間の隙間寸法および外壁との間の距離を調節しなが
ら配置することにより、枠体ベース上に内枠の基体が形
成される。ついで、外枠基体の外壁間および内枠基体の
内壁間に形成されている隙間にライナーを嵌め込むこと
によって型枠が完成する。
【0013】このように、外枠用に複数の単位外型部材
と、内枠用に複数の単位内型部材とを採用するととも
に、各単位部材間の隙間を埋めるライナーを採用するこ
とにより、建築物の寸法モジュールに合わせて任意に、
かつ、容易に枠型の寸法を変更することが可能になる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、上記枠型ベース上には互いに直交するよう
にレールが敷設され、上記単位外型部材は、上記レール
に案内されて移動し得るように構成されていることを特
徴とするものである。
【0015】この発明によれば、各単位外型部材をレー
ルに沿って移動させることにより、外型の単位外型部材
によって形成されている部分を容易に拡縮さすることが
できる。そして、単位外型部材はレールに案内されつつ
進行方向に交差する方向への移動が規制された状態で移
動されるため、拡縮操作時の単位外型部材の位置決めが
容易に行われる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項2または3
記載の発明において、上記鈎形内壁は、上記キャビティ
に沿うキャビティ形成位置と、キャビティから離間した
型抜き位置との間で位置変更する可動内壁を有し、上記
プラットホームには上記可動内壁に位置変更を行わせる
内壁変形手段が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0017】この発明によれば、可動内壁をキャビティ
形成位置に位置設定することにより、鈎形内壁と単位外
型部材との間にコンクリートユニット形成用のキャビテ
ィが形成される一方、可動内壁を型抜き位置に位置設定
することにより、可動内壁はコンクリートユニットの表
面から離間した状態になる。従って、キャビティからの
コンクリートユニットの型抜きを行うに際し、可動内壁
をキャビティ形成位置から型抜き位置に位置変更させる
ことにより、型抜きが容易に行い得るようになる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変更
が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上記
プラットフォームに立設された支柱と、この支柱に固定
され、かつ、駆動モータの駆動で孔心回りに回転するナ
ット部材の内装された駆動機構と、一端部が上記ナット
部材に螺着され、他端部が上記可動内壁に連結されたス
クリュー軸とを備えて形成されていることを特徴とする
ものである。
【0019】この発明によれば、駆動モータの駆動でナ
ット部材を孔心回りに正逆回転させることにより、ナッ
ト部材に螺着されたスクリュー軸がナット部材から出没
し、この出没によって可動内壁は弾性変形しながらキャ
ビティ形成位置と型抜き位置との間で位置変更する。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項4記載の発
明において、上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変更
が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上記
プラットフォームに立設された支柱と、上下方向に延び
るクランクシャフト回りに共回り可能に上記支柱に支持
されたクランクと、上記クランクシャフトに突設された
操作レバーと、上記クランクと可動内壁との間に架橋さ
れた連結部材とを備えて形成され、上記操作レバーは、
外部から可動内壁を貫通して単位内型部材内に挿入され
た操作ロッドの押圧操作によって可動内壁がキャビティ
形成位置から型抜き位置に位置変更するように突設位置
が設定されていることを特徴とするものである。
【0021】この発明によれば、操作ロッドの押圧操作
で単位内型部材内の操作レバーをクランクシャフト回り
に回動させることにより、クランクが共回りしてこのク
ランクに連結されている連結部材が支柱の方向に引き寄
せられ、これによって連結部材に他端が連結された可動
内壁が弾性変形しながらキャビティ形成位置から型抜き
位置に位置変更させられる。操作ロッドによる押圧操作
を停止すると、可動内壁は自身の弾性力で元のキャビテ
ィ形成位置に復帰する。
【0022】このように、内壁変形手段は、操作ロッド
による押圧操作のみで動作するようになっているため、
構造が簡単であり、しかも電力等のエネルギーを用いる
ことなく可動内壁の位置変更が行われ、設備コストおよ
び運転コストの低減化が実現する。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項4乃至6の
いずれかに記載の発明において、上記可動内壁は、上記
プラットフォームから独立して設けられていることを特
徴とするものである。
【0024】この発明によれば、内壁変更手段の操作で
可動内壁を動かした場合、可動内壁がプラットフォーム
から独立していることにより、独立していない場合に比
較して可動内壁の移動量を大きくすることが可能にな
り、その分型抜き操作が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る枠型の基本
形態である基本枠型10の一実施形態を示す分解斜視図
であり、図2はその組立て斜視図である。なお、図1お
よび図2において、X−X方向を横方向、Y−Y方向を
縦方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、
−Y方向を前方、+Y方向を後方という(図5および図
11〜図14においても同様)。また、図3は、基本枠
型10の平面図である。
【0026】本発明の枠型1は、図1および図2に示す
基本枠型10と、後述するライナー7(図11および図
13)とからなる基本構成を有している。基本枠型10
は、図1および図2に示すように、敷地に施工された平
面視で方形の枠型ベース2と、この枠型ベース2の周縁
部分に配設される8体の単位外型部材3と、枠型ベース
2の単位外型部材3が配設される位置より内側に配設さ
れる4体の単位内型部材4と、この単位内型部材4と上
記枠型ベース2との間に介設される4枚のプラットフォ
ーム5と、プラットフォーム5の各辺部に配設される4
本の段差型6とからなっている。本実施形態において
は、単位内型部材4とプラットフォーム5とは一体に形
成されている。
【0027】上記単位外型部材3、単位内型部材4およ
びプラットフォーム5は、それぞれ内部に枠体や縦桟、
横桟さらには筋交等からなるフレームを有し、かかるフ
レームを取り囲むように鉄皮が張設されることによって
主要部分が薄い直方体状に形成されている。
【0028】そして、図1に示す4体の単位内型部材4
を、枠型ベース2の中央部に各側端縁を当接させるよう
にして寄せ合うことにより図2に示すように基本内型4
0が形成されるとともに、図1に示す8体の単位外型部
材3の2体ずつを基本内型40の各辺部に離間状態で配
設することによって基本外型30が形成され、最後に4
本の段差型6のそれぞれを単位外型部材3と単位内型部
材4との間の隙間(キャビティ8)にそれぞれ装着する
ことにより、図2に示すように、基本枠型10が得られ
るようにしている。
【0029】かかる基本枠型10のキャビティ8には、
予め鉄筋が配筋されており(例えば、基本内型40が形
成された時点で配筋され、その後、基本外型30が形成
される)、この配筋済みのキャビティ8に生コンクリー
トを流し込むことによってプレキャストコンクリート構
造体9(コンクリートユニット)を形成させるようにし
ている。
【0030】図4は、基本枠型10によって製造された
コンクリート構造体9の一実施形態を示す斜視図であ
り、(イ)は分解斜視図、(ロ)は組立て斜視図であ
る。図4に示すように、コンクリート構造体9は、有底
の下部構造体91と、この下部構造体91に積み重ねら
れる角筒状の上部構造体92とからなっている。
【0031】これら上下の構造体91,92は、同一の
基本枠型10によって製造される。すなわち、下部構造
体91は、基本枠型10に生コンクリートを流し込むこ
とによって上下が逆転した状態で製造される一方、上部
構造体92は、上下が逆転されない状態で製造される。
そしてコンクリート構造体9を構築するときには、図4
の(イ)に示すように、下部構造体91が逆転から基に
戻され、この下部構造体91の上に上部構造体92が積
み重ねられることによって、図4の(ロ)に示すような
コンクリート構造体9が形成される。
【0032】下部構造体91には、鉄筋を配筋して形成
された篭型配筋体93が内装されているとともに、上部
構造体92には筒型配筋体94が内装され、これによっ
てコンクリート構造体9が構造的に丈夫になるようにし
ている。また、下部構造体91の上縁部には環状に段差
縁部91aが形成されている一方、上部構造体92の下
縁部には下部構造体91の段差縁部91aに対応した段
差縁部92aが形成され、これらの段差縁部91a,9
2aが互いに嵌め合わされることによって上下の構造体
91,92の横ずれが確実に防止されるようになってい
る。
【0033】本実施形態においては、基本枠型10は、
いわゆる関東間の4畳半のコンクリートブロックを形成
するのに対応した寸法に設定されている。具体的には、
コンクリート構造体9の平面寸法が、壁内の幅方向の中
心線位置を基準にして平面視で2700mm平方にな
り、同階高さ寸法が2570mmになるとともに、壁厚
が150mm、床厚および天井厚が180mmになるよ
うに、上記単位外型部材3、単位内型部材4、プラット
フォーム5および段差型6がそれぞれ寸法設定されてい
る。
【0034】また、本実施形態においては、基本枠型1
0は、コンクリート構造体9を上下に二分したそれぞれ
(下部構造体91および上部構造体92)を製造し得る
ように高さ寸法が設定されている。従って、基本枠型1
0でまず下部構造体91および上部構造体92のいずれ
かを製造し、引き続き他方を製造することによって上下
一対のペアーになった下部および上部構造体91,92
が形成される。これらペアーの構造体91,92は、建
築現場でまず下部構造体91が施工され、引き続き施工
済みの下部構造体91上に上部構造体92が積み重ねら
れることによってコンクリート構造体9とされる。
【0035】なお、枠型ベース2は、基本枠型10をベ
ースにして京間やその他の寸法モジュールのコンクリー
ト構造体9に対応し得るように、基本外型30の平面寸
法より相当大きい平面寸法に設定されている。
【0036】図5は、枠型ベース2の一実施形態を示す
斜視図である。枠型ベース2は、敷地面より所定寸法嵩
上げされた鉄筋コンクリート製の基礎台であり、平面視
で正方形状に形成されているとともに、上面が水平面に
なっている。かかる枠型ベース2は、横方向および縦方
向の中心線によって十字に仕切られ、右後方の第1区分
域21、左後方の第2区分域22、左前方の第3区分域
23、および右前方の第4区分域24とに区分されてい
る。そして、各区分域に単位外型部材3、単位内型部材
4およびプラットフォーム5が配されることにより枠型
1が形成されることになる。
【0037】かかる枠型ベース2の表面には、横方向に
複線状態で各一対のレール25が敷設されているととも
に、縦方向にも複線状態で各一対のレール25が敷設さ
れている。これらのレール25は、単位外型部材3を移
動させるためのものであり、単位外型部材3のレール2
5に沿った移動で基本外型30の容量を変更し得るよう
になっている。
【0038】図6は、単位外型部材3の一実施形態を示
す斜視図である。図6では、2体の単位外型部材3を対
向配置させた状態を示している。この図に示すように、
単位外型部材3は、支持台車31と、この支持台車31
に立設された外壁32とからなっている。支持台車31
の両側部にはそれぞれ一対の車輪33が設けられてい
る。両側部の車輪間の外寸法は、上記各一対のレール2
5(図5)間の走行面の外寸法より僅かに小さく寸法設
定され、各一対の車輪33をレール25の走行面に嵌め
込むことによって、図2に示すように、単位外型部材3
が走行自在に枠型ベース2に装着されるようになってい
る。
【0039】かかる支持台車31は、内装された図略の
ブレーキ機構を有しているとともに、上面にはブレーキ
機構を操作するためのブレーキレバー34が突設され、
このブレーキレバー34の操作で車輪33の回転を阻止
して単位外型部材3が設定位置で移動するのを規制し得
るようになっている。
【0040】上記外壁32は、支持台車31の先端縁部
に立設されている。かかる外壁32は、支持台車31上
に斜めに平行に立設された一対の筋交い35によって補
強され、これによって立直姿勢が維持されるようになっ
ている。
【0041】図7は、単位内型部材4の一実施形態を示
す斜視図である。また、図8は、単位内型部材4の平面
視の断面図であり、(イ)は、可動内壁がキャビティ形
成位置に位置設定された状態、(ロ)は、可動内壁が型
抜き位置に位置設定された状態をそれぞれ示している。
【0042】これらの図に示すように、本実施形態にお
いては、単位内型部材4として第1単位内型部材4aと
第2単位内型部材4bとが採用されている。第1単位内
型部材4aは、枠型ベース2の第1区分域21および第
3区分域23に配設されるものであり、プラットフォー
ム5の直交する辺部に段差型6を載置するための直角に
折れ曲がった段差型載置部51を残して立設される、平
面視で鈎形の鈎形内壁41と、この鈎形内壁41の上縁
部に固定された、鈎形内壁41の内側部分のプラットフ
ォーム5に対向する天板42とからなっている。
【0043】第2単位内型部材4bは、枠型ベース2の
第2区分域22と第4区分域24とに配設されるもので
あり、第1単位内型部材4aと同様の設置位置に設けら
れた鈎形内壁410と、同天板42と、鈎形内壁410
の一部を変形させる内壁変形手段43とを備えて構成さ
れている。
【0044】鈎形内壁410は、両側部に設けられた固
定内壁411と、これら固定内壁411間に介設された
平面視で直角状の可動内壁412とからなっている。こ
の可動内壁412は、一側部の外面側が一方の固定内壁
411に薄い鉄板からなる鉄皮413によって連結され
ている一方、他側部が自由端となって他方の固定内壁4
11の端縁に対向され、これによって鉄皮413の曲折
点P回りに回動し得るようになっている。
【0045】かかる可動内壁412は、内壁変形手段4
3を操作することによって、外壁面が固定内壁411の
外壁面と面一になったキャビティ形成位置(図8の
(イ))と、外壁面が固定内壁411の外壁面に対して
内側に凹んだ型抜き位置(図8の(ロ))との間で位置
変更し得るようになっている。上記鉄皮413は、この
位置変更に際して曲折点Pで弾性変形し得るように厚さ
寸法が設定されている。
【0046】このように可動内壁412を位置変更させ
るのは、型抜き操作を行うに際し、コンクリート構造体
と可動内壁412との間に隙間をつくり、これによって
コンクリート構造体の型抜きを容易に行い得るようにす
るためである。
【0047】上記内壁変形手段43は、プラットフォー
ム5の略中央位置に立設された固定支柱44と、この固
定支柱44に付設されたスクリュー機構45とからなっ
ている。スクリュー機構45は、可動内壁412の自由
端側の内側に固定支柱44に向かって突設されたスクリ
ュー軸45aと、このスクリュー軸45aに対応して固
定支柱44に取り付けられた駆動機構45bとからなっ
ている。
【0048】上記駆動機構45bには、スクリュー軸4
5aに噛合する図略のナット部材と、このナット部材を
孔心回りに回転させる図略の駆動モータとが内装されて
いる。駆動モータには、系外の商用電源46からの電力
がスイッチ手段47およびリード線48を介して駆動モ
ータに供給されるようになっている。
【0049】そして、可動内壁412がキャビティ形成
位置に位置設定された状態で、スイッチ手段47に所定
のオン操作を加えることにより、商用電源46から駆動
モータに電力が供給され、これによるナット部材の回転
でスクリュー軸45aが駆動機構45b内に引き入れら
れることにより可動内壁412が曲折点P回りに反時計
方向に回動し、図8の(ロ)に示すように、型抜き位置
に位置変更するようになっている。
【0050】逆に型抜き位置に位置設定された可動内壁
412(図8の(ロ))を、元のキャビティ形成位置
(図8の(イ))に戻すには、スイッチ手段47を逆操
作すればよい。そうすれば、駆動機構45bの駆動モー
タの逆駆動によってナット部材が逆回転し、これによっ
てスクリュー軸45aが駆動機構45bから押し出さ
れ、可動内壁412が曲折点P回りに時計方向に回動し
て元のキャビティ形成位置に戻ることになる。
【0051】図1および図3に示す上記段差型6は、基
本内型40が形成された状態でプラットフォーム5の段
差型載置部51に載置されるものであり、コンクリート
構造体の開口縁部に形成された段差縁部91a,92a
(図4)に対応するように2段に形成されている。かか
る段差型6は、本実施形態においては、硬質のウレタン
フォーム等の発泡性合成樹脂によって軽量に形成され、
これによって段差型6の取り扱いが容易になるようにし
ている。
【0052】なお、段差型6は、発泡性合成樹脂製であ
ることに限定されるものではなく、木製であってもよい
し、金属製やコンクリート製であってもよい。但し、段
差型が金属製やコンクリート製の場合は、軽量化のため
に内部を空洞にしておくことが好ましい。
【0053】このような段差型6は、基本内型40の段
差型載置部51に載置され、かつ、単位外型部材3の移
動で基本枠型10(図2)が形成されることにより、キ
ャビティ8の底部に基本内型40を取り囲むように装着
された状態になる。
【0054】なお、段差型6は、下部構造体91用のも
のと上部構造体92のものとで段差の形成位置が逆にな
っている。図1に示すものは下部構造体91用の段差型
6であり、単位内型部材4側が高段位に、単位外型部材
3側が低段位になっているのに対し、上部構造体92用
の段差型は、単位内型部材4側が低段位に、単位外型部
材3側が高段位になっている。従って、製造された下部
および上部構造体は、それぞれの段差縁部が嵌め合わさ
れ得るようになり、これによって上下の構造体が一体化
されたコンクリート構造体は構造的に頑丈になる。
【0055】このような基本枠型10は、下部構造体9
1および上部構造体92の双方の製造に用いられる。図
9は、下部構造体91の製造手順を示す説明図であり、
(イ)は篭型配筋体が吊り降ろされる直前の状態、
(ロ)はキャビティ8に生コンクリートが注入された状
態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状態をそれぞれ
示している。
【0056】下部構造体91の製造に際しては、まず、
第1単位内型部材4aが、プラットフォーム5の段差型
載置部51を外側に向けた状態で枠型ベース2上の第1
区分域21および第3区分域23にクレーン等の作業機
械によって吊り降ろされるとともに、第2区分域22お
よび第4区分域24に第2単位内型部材4bが同様に吊
り降ろされ、平面視で方形になるようにそれぞれの側縁
部が当接されることによって、まず図2に示すように、
枠型ベース2上に基本内型40が形成される。
【0057】ついで、プラットフォーム5の各段差型載
置部51に4本の段差型6を配設した後、基本内型40
の周りに配筋処理が施される。この配筋処理は、現場で
棒鋼に溶接処理を施して施工することもあるが、本実施
形態においては、図9の(イ)に示すように、予め篭型
に形成された篭型配筋体93を吊り降ろして基本内型4
0に被せることにより多くの人手を介さず効率的に配筋
処理が施されるようにしている。
【0058】その後、各区分域21〜24のレール25
上に載置された単位外型部材3をそれぞれ基本内型40
に向けて移動させることにより、8体の支持台車31の
前端縁が段差型載置部51に当接し、これによって図9
の(ロ)に示すように、基本内型40の周りに基本外型
30が形成され、この基本外型30と上記基本内型40
とで基本枠型10が形成される。
【0059】そして、基本枠型10が形成された状態で
は、基本内型40の外壁面と基本外型30の内壁面との
間に生コンクリートを流し込むためのキャビティ8が形
成されており、このキャビティ8内に生コンクリートを
流し込んで所定の養生期間が経過するとキャビティ8内
に下部構造体91が形成される。なお、下部構造体91
の場合には、構造体の底板を形成させるために、基本内
型40の天板42上にも所定厚みで生コンクリートが打
設される。
【0060】ついで、キャビティ8内に下部構造体91
が形成された後、単位外型部材3がレール25上を後退
されるとともに、第2単位内型部材4b(図7)のスク
リュー機構45が駆動され、これによるスクリュー軸4
5aの駆動機構45bへの没入によってキャビティ形成
位置に位置していた可動内壁412が内側に引かれて型
抜き位置に位置設定される。これらの操作で下部構造体
91の離型が容易になる。
【0061】この状態で下部構造体91は、図9の
(ハ)に示すように、クレーン等の作業機械で吊り上げ
られて離型が行われ、引き続き作業機械の駆動で出荷位
置に向けて運び出される。
【0062】図10は、上部構造体92の製造手順を示
す説明図であり、(イ)は筒型配筋体が吊り降ろされる
直前の状態、(ロ)はキャビティ8に生コンクリートが
注入された状態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状
態をそれぞれ示している。
【0063】上部構造体92についても、基本的には下
部構造体91と同様に製造されるが、図10の(イ)に
示すように、段差型として下部構造体91の段差型6と
段差の高低が逆に設定されたものが採用されるととも
に、配筋体として篭型配筋体93に代えて底のない筒型
配筋体94が採用されている点が下部構造体91の場合
と相違している。従って、基本枠型10が形成された後
に生コンクリートは、図10の(ロ)に示すように、キ
ャビティ8にのみ流し込まれ、天板42上に供給される
ことはない。
【0064】そして、得られた上部構造体92は、図1
0の(ハ)に示すように、クレーン等の作業機械で吊り
上げられて出荷位置まで運ばれる。
【0065】以上、基本枠型10について詳細に説明し
たが、本発明の枠型1は、このような基本枠型10をベ
ースとして種々の内容積を有するコンクリート構造体9
を製造し得るものである。そのために、枠型1が基本枠
型10より大きくなったときに、単位外型部材3間およ
び単位内型部材4間の隙間を埋めるためのライナー7が
採用される。
【0066】図11は、ライナーの第1実施形態を示す
斜視図であり、図12は、第1実施形態のライナーを用
いて形成された横拡張枠型を示す斜視図である。また、
図13は、ライナーの第2実施形態を示す斜視図であ
り、図14は、第2実施形態のライナーを用いて形成さ
れた縦横拡張枠型を示す斜視図である。さらに、図15
は、各種の枠型1を示す平面図であり、(イ)は基本枠
型10、(ロ)は第1実施形態のライナー7aが適用さ
れた横拡張枠型10a、(ハ)は第2実施形態のライナ
ー7bが適用された縦横拡張枠型10bをそれぞれ示し
ている。
【0067】なお、図15では、単位外型部材3および
単位内型部材4を点描で示すとともに、ライナー7を黒
塗りで示し、これらの位置関係を容易に認識し得るよう
にしている。また、キャビティ8内の底部に装着される
段差型6の図示を省略している。
【0068】まず、第1実施形態のライナー7aは、基
本枠型10を拡張して6畳間用のものである横拡張枠型
10aを形成させるときに使用されるものであり、図1
1に示すように、枠型ベース2の中央位置に配設される
中央部ライナー71と、この中央部ライナー71から左
右にそれぞれ単位内型部材4の横寸法の2/3だけ離間
した位置に配設される横方向一対の側部ライナー72と
からなっている。
【0069】上記中央部ライナー71は、縦方向一対の
中央部垂直壁71aと、この中央部垂直壁71aの頂部
間に架橋された中央部架橋板71bとからなっている。
中央部架橋板71bの長さ寸法は、中央部垂直壁71a
間の外寸法が天板42の一辺の2倍になるように寸法設
定されているとともに、中央部垂直壁71aの高さ寸法
は、中央部ライナー71を枠型ベース2上に載置した状
態で中央部架橋板71bの上面が単位内型部材4の天板
42の上面と面一になるように寸法設定されている。上
記面一の寸法設定は、下部構造体91を製造するに際
し、下部構造体91の底板を形成させるためである。ま
た、中央部垂直壁71aの幅寸法(横方向の寸法)は、
単位内型部材4の一辺の長さ寸法の2/3に設定されて
いる。
【0070】上記側部ライナー72は、縦方向一対の側
部垂直壁72aと、この側部垂直壁72aの頂部間に架
橋された側部架橋板72bとからなっている。側部架橋
板72bには、長手方向の略全長に亘って切り欠かれる
ことにより形成した切欠き部72cが設けられていると
ともに、この切欠き部72cに開閉板72dが嵌め込ま
れている。この開閉板72dは、切欠き部72cに蝶番
回りに回動自在に嵌め込まれ、図11に実線で示すよう
に、切欠き部72cに嵌まり込んで切欠き部72cを閉
止する閉止姿勢と、図11に二点鎖線で示すように、切
欠き部72cを開放した開放姿勢との間で姿勢変更し得
るようになっている。かかる開閉板72dが設けられる
のは、後述する横拡張枠型10a(図12)が形成され
た状態で、開閉板72dを開放姿勢に設定し、開放され
た切欠き部72cから配筋体93,94をキャビティ8
内に装入するためである。
【0071】かかる側部架橋板72bの長さ寸法は、側
部垂直壁72a間の内寸法が枠型ベース2上に縦方向で
キャビティ8を形成するように配設された単位外型部材
3の外壁32間の内寸法と等しくなるように寸法設定さ
れているとともに、側部垂直壁72aの高さ寸法は、中
央部ライナー71の高さ寸法より高く寸法設定されてい
る。また、側部垂直壁72aの幅寸法(横方向の寸法)
は、側部ライナー72を装着した状態(図15の
(ロ))で縦方向に延びる鈎形内壁41と縦方向に延び
る外壁32との間にキャビティ8が形成され得る寸法に
設定されている。
【0072】かかるライナー7aは以下のようにして枠
型ベース2上に配設される。すなわち、まず図15の
(イ)に示す基本枠型10を起点として、横方向で互い
に対向した2対の単位外型部材3をレール25に沿って
離間方向に移動させるとともに、横方向で互いに対向し
た2対の単位内型部材4を同一距離ずつ離間させた状態
で吊り降ろす。この状態で、図15の(ロ)に示すよう
に、互いに直交して隣接した単位外型部材3間の隅部の
隙間が側部垂直壁72aで埋めるられるように側部ライ
ナー72を配設するとともに、左右の単位内型部材4の
鈎形内壁41間の隙間が中央部垂直壁71aで埋められ
るように中央部ライナー71を配設する。
【0073】こうすることで単位外型部材3、単位内型
部材4およびライナー7aによって図12に示すような
横拡張枠型10aが形成される。ついで、開閉板72d
を開放姿勢に設定して切欠き部72cを開放し、この状
態でキャビティ8に篭型配筋体93(図4参照)が装着
される。なお、側部架橋板72bに開閉板72dが設け
られていない側部ライナーを使用する場合には、側部ラ
イナー72を配設する前にキャビティ8に篭型配筋体9
3が装着される。
【0074】その後キャビティ8に生コンクリートを流
し込むことによって6畳間に対応した下部構造体91が
形成され、同様に筒型配筋体94の装着されたキャビテ
ィ8に生コンクリートを流し込むことによって上部構造
体92が形成される。
【0075】つぎに第2実施形態のライナー7bについ
て図13を基に説明する。第2実施形態のライナー7b
は、基本枠型10(図15の(イ)参照)を拡張して8
畳間用のものである縦横拡張枠型10bを形成させると
きに使用されるものであり、枠型ベース2の中央位置に
配設される中央部ライナー73と、この中央部ライナー
73から左右にそれぞれ所定距離だけ離間した位置に配
設される横方向一対の側部ライナー74とからなってい
る。
【0076】上記中央部ライナー73は、縦方向および
左右方向に各一対の中央部垂直壁73aと、この中央部
垂直壁73aの頂部間に架橋された平面視で十字形状の
中央部架橋板73bとからなっている。中央部架橋板7
3bの縦寸法および横寸法は、中央部垂直壁73a間の
外寸法が天板42の一辺の7/3倍になるように寸法設
定されているとともに、中央部垂直壁73aの高さ寸法
は、第1実施形態の中央部垂直壁71aの高さ寸法と同
一に設定されている。
【0077】上記側部ライナー74は、縦方向一対の第
1側部垂直壁74aと、この第1側部垂直壁74aの頂
部間に架橋された側部架橋板74bと、上記第1側部垂
直壁74aの横方向の外方側に縦方向に延設された上下
方向に延びる第2側部垂直壁74cとからなっている。
側部架橋板74bには、横拡張枠型10aに設けられた
開閉板72dと同様の開閉板74dが設けられている。
【0078】側部架橋板74bの長さ寸法は、第1側部
垂直壁74a間の内寸法が枠型ベース2上に縦方向でキ
ャビティ8を形成するように配設された単位外型部材3
の外壁32間の内寸法と等しくなるように寸法設定され
ているとともに、第1および第2側部垂直壁74a,7
4cの高さ寸法は、中央部ライナー73の高さ寸法より
高く寸法設定されている。また、第1側部垂直壁74a
の幅寸法(横方向の寸法)および第2側部垂直壁74c
の幅寸法(縦方向の寸法)は、側部ライナー74が配設
された状態で、側部ライナー74と鈎形内壁41との間
にキャビティ8が形成され得る寸法に設定されている。
【0079】かかるライナー7bは以下のようにして枠
型ベース2上に配設される。すなわち、まず図15の
(イ)に示す基本枠型10を起点として、横方向および
縦方向で互いに対向した各2対の単位外型部材3をレー
ル25に沿って離間方向に移動させるとともに、横方向
および縦方向で互いに対向した2対の単位内型部材4を
同一距離ずつ離間させた状態で吊り降ろす。ついで、図
15の(ハ)に示すように、互いに直交して隣接した単
位外型部材3間の隅部の隙間が第1および第2側部垂直
壁74a,74cで埋めるられるように側部ライナー7
4を配設するとともに、単位内型部材4の鈎形内壁41
間の隙間が中央部垂直壁73aで埋められるように中央
部ライナー73を配設することによってライナー7bが
縦横拡張枠型10bの一翼を担うように枠型ベース2上
に配設されるのである。
【0080】こうすることで単位外型部材3、単位内型
部材4およびライナー7bによって、図14に示すよう
に、横拡張枠型10aが形成される。かかる横拡張枠型
10aのキャビティ8には予め篭型配筋体93(図4参
照)が装着されており、この篭型配筋体93が装着され
たキャビティ8に生コンクリートを流し込むことによっ
て8畳間に対応した下部構造体91が形成され、同筒型
配筋体94の装着されたキャビティ8に生コンクリート
を流し込むことによって上部構造体92が形成される。
【0081】本発明は以上上述したように、箱型のコン
クリートユニット製造用として使用される基本外型30
と、この基本外型30の内壁面との間に所定の隙間を形
成した状態で基本外型30に内装される基本内型40と
で基本枠型10を形成し、枠型ベース上に配設された基
本内型40の外壁面と外型の内壁面との間に形成される
キャビティ8に生コンクリートを供給することによって
コンクリートユニットを形成させるコンクリート構造体
製造用の枠型1であり、上記基本外型30および上記基
本内型40を平面形状が拡縮可能に構成したため、コン
クリート構造体9を木造建築の基礎として利用するに際
し、その木造建築の寸法モジュールおよび建築工法に合
わせて基本外型30および基本内型40の平面寸法を調
節し、これによって木造建築の寸法モジュールに適合し
たコンクリート構造体9を製造することができる。
【0082】従って、従来のように、予め全ての寸法モ
ジュールの枠型を設けておく必要がなくなり、その分枠
型敷設用の敷地を最小限に設定することが可能になると
ともに、枠型コストを削減することができる。
【0083】また、基本外型30の構成要素として枠型
ベース2上で移動可能に配設される複数の単位外型部材
3を設け、この単位外型部材3を支持台車31と、この
支持台車31に立設された外壁32とから構成するとと
もに、基本内型40を枠型ベース2上の中央部に配設さ
れる4体の単位内型部材4によって構成し、各単位内型
部材4を矩形状のプラットフォーム5と、このプラット
フォーム5の直交する辺部に配設される鈎形内壁41と
から構成し、配設された上記外壁32間の隙間および上
記鈎形内壁41間の隙間を埋める手段としての各種の寸
法を備えた所定個数のライナー7を予め用意したため、
複数の単位外型部材3を枠型ベース2上で移動させるこ
とにより、各単位外型部材3を、それぞれの外壁32の
側縁間に隙間を存在させながら平面視で所望の矩形状に
なるように配置することで外枠の基体を形成することが
できる。また、外枠基体の内側の枠体ベース上にプラッ
トフォーム5が配置された状態で、このプラットフォー
ム5上に4体の各単位内型部材4を、それぞれの鈎形内
壁41の両側縁部を対向させた状態で、かつ、側縁間の
隙間寸法および外壁32との間の距離を調節しながら配
置することにより、プラットフォーム5上に内枠の基体
が形成することができる。ついで、外枠基体の外壁32
間および内枠基体の内壁間に形成されている隙間にライ
ナー7を嵌め込むことによって型枠が完成する。
【0084】このように、外枠用に複数の単位外型部材
3と、内枠用に複数の単位内型部材4とを採用するとと
もに、各単位部材間の隙間を埋めるライナー7を採用す
ることにより、建築物の寸法モジュールに合わせて任意
に、かつ、容易に枠型の寸法を変更することが可能にな
る。
【0085】図16および図17は、内壁変形手段の他
の実施形態を示す斜視図であり、図16は、可動内壁が
キャビティ形成位置に位置設定された状態、図17は、
可動内壁が型抜き位置に位置設定された状態をそれぞれ
示している。なお、この実施形態においては、第2単位
内型部材4bの鈎形内壁420は、弾性変形しながら容
易に湾曲させ得るように厚み寸法が設定された鉄板のみ
が採用されている。
【0086】この鉄板が略中央部で直角に折り曲げられ
た状態でプラットフォーム5と天板42との間に介設さ
れることによって鈎形内壁420が形成されている。か
かる鈎形内壁420に形成された可動内壁430は、プ
ラットフォーム5の一隅部に沿うように直角に折り曲げ
られて形成した可動内壁本体431とこの可動内壁本体
431の下端縁部から内側に向かって直角に折り曲げら
れて形成した補強用の折曲げ縁部432とからなってい
る。
【0087】可動内壁本体431の図16における右方
位置には、上下方向に延びた折曲げ溝433が凹設され
ているとともに、折曲げ縁部432の上記折曲げ溝43
3に対応した位置には基端側(図16の右方)から先端
側に向かって開いた平面視でV字形状の切欠き434が
設けられ、この切欠き434と上記折曲げ溝433の存
在で可動内壁430は曲折点P回りに容易に回動し得る
ようになっている。そして、折曲げ溝433の図16に
おける右方側の鈎形内壁420は、その下縁の折曲げ縁
部432がボルトBによってプラットフォーム5に固定
され、これによって単位内壁部材4bのプラットフォー
ム5に対する装着状態が安定するようになされている。
【0088】また、折曲げ縁部432の適所には、曲折
点Pを中心とした曲率半径を有する円弧状のガイド長孔
435が穿設されているとともに、ピン436がこのガ
イド長孔435を通してプラットフォーム5に固定さ
れ、これによって可動内壁430は、ピン436がガイ
ド長孔435内で相対移動し得る範囲内で曲折点P回り
に回動し得るようになっている。
【0089】そして、第2実施形態の内壁変形手段43
aは、上記のような第2単位内型部材4bに設けられて
いる。すなわち、内壁変形手段43aは、プラットフォ
ーム5の略中央位置に立設された固定支柱440と、こ
の固定支柱440の可動内壁本体431先端側に対向す
る側面に固定された支柱側ブラケット441と、この支
柱側ブラケット441に対向して可動内壁本体431に
固定された壁側ブラケット442と、支柱側ブラケット
441に支持されたクランク部材450と、このクラン
ク部材450と上記壁側ブラケット442との間に介設
された連結部材460とを備えて構成されている。
【0090】上記支柱側ブラケット441および壁側ブ
ラケット442は、側面視でコ字形状に形成され、互い
に対向配置されている。クランク部材450は、支柱側
ブラケット441のコ字形状の隙間に介設されている。
かかるクランク部材450は、上下一対のクランクシャ
フト451と、クランクシャフト451間に介設された
クランク452とからなり、上下のクランクシャフト4
51が支柱側ブラケット441に穿設された装着孔に嵌
挿されることによってクランク452がクランクシャフ
ト451回りに共回り可能になっている。
【0091】また、下方のクランクシャフト451は、
支柱側ブラケット441を貫通して下方に向けて突出さ
れ、この下方に突出した部分に上記折曲げ溝433の方
向に向けて操作レバー453が突設されている。この操
作レバー453は、クランク部材450を回動操作する
ものであり、先端部に方形のキャッチプレート454が
付設されている。そして、このキャッチプレート454
を第2単位内型部材4bの外方から後述する操作ロッド
470で押圧操作することによりクランク部材450が
軸心回りに時計方向に回動するようになっている。
【0092】上記連結部材460は、壁側ブラケット4
42に垂直軸443回りに回動自在に支持された第1ね
じ軸461と、上記クランク452回りに回動自在に軸
支された第2ねじ軸462と、これら両ねじ軸461.
461を連結するターンバックル463とからなってい
る。
【0093】第1ねじ軸461には順ねじが螺設されて
いる一方、第2ねじ軸462には逆ねじが螺設されてい
る。そして上記ターンバックル463は両端部にこれら
順ねじおよび逆ねじに対応した雌ねじがそれぞれ同心で
螺設され、各雌ねじに上記順ねじおよび逆ねじを螺着す
ることによって第1ねじ軸461と第2ねじ軸462と
がターンバックル463を介して互いに連結されてい
る。
【0094】従って、ターンバックル463を軸心回り
に正逆回動することにで第1および第2ねじ軸461,
462間の距離を離接させることが可能になり、これに
よって連結部材460の長さ寸法を適宜調節し得るよう
になっている。
【0095】また、本実施形態においては、可動内壁本
体431の下部の上記キャッチプレート454に対向し
た位置には、内壁側操作孔437が穿設されているとと
もに、段差型載置部51に載置された段差型6には、上
記内壁側操作孔437に対応した段差型側操作孔52が
穿設されている。さらに、単位外型部材3の外壁32に
は、上記段差型側操作孔52に対応した位置に外壁側操
作孔321が穿設されている。そして、これらの操作孔
437,52,321に外壁32の外側から操作ロッド
470を差し通すことによって上記キャッチプレート4
54を操作し得るようになっている。
【0096】この実施形態の内壁変形手段43aによれ
ば、普段は、図16に示すように、可動内壁430はそ
の外面がキャビティ8に沿ったキャビティ形成位置に位
置設定されており、この状態でキャビティ8に生コンク
リートが流し込まれることによってコンクリート構造体
9が形成されるようになっている。
【0097】そして、キャビティ8内に形成されたコン
クリート構造体9を枠型1から型抜きするときは、ま
ず、単位外型部材3が後退(図17の左方に向けて移
動)されて外壁32がコンクリート構造体9の外面から
離間させられる。
【0098】その後、操作孔(内壁側操作孔437、段
差型側操作孔52および外壁側操作孔321)に操作ロ
ッド470が挿入され、その先端がキャッチプレート4
54に当接される。この状態で操作ロッド470を押圧
操作することにより、キャッチプレート454が押され
て操作レバー453がクランクシャフト451回りに時
計方向に共回りする。
【0099】そして、これによるクランクシャフト45
1の自軸心回りの回動でクランク452も時計方向に回
動して連結部材460が可動内壁本体431を固定支柱
440の方向に引っ張るため、可動内壁430は、折曲
げ溝433によって形成された曲折点P回りに弾性変形
しながら反時計方向に回動し、図17に示すように、可
動内壁本体431がコンクリート構造体9の内壁面から
離間した型抜き位置に位置設定された状態になる。この
状態でコンクリート構造体9が型抜きされる。型抜き
後、操作ロッド470を操作孔437,52,321か
ら引き抜くことにより、弾性変形していた可動内壁43
0は、弾性力によって元のキャビティ設定位置に復元さ
れる。
【0100】以上のように、この実施形態の内壁変形手
段43aによれば、鈎形内壁420内に設けられた内壁
変形手段43aを、操作孔を通して操作ロッド470で
操作することにより、キャビティ形成位置に位置設定さ
れている可動内壁430を、電力等のエネルギーを使用
することなく、マニュアル操作で型抜き位置に位置変更
させることができ、設備コストおよび運転コストの軽減
化を図る上で有効である。
【0101】図19は、図7に示す単位内型部材の第1
変形形態を示す一部切欠き斜視図であり、(イ)は分解
斜視図、(ロ)は組立て斜視図、(ハ)は(ロ)の平面
視の断面図である。まず図19の(イ)に示すように、
第1変形形態においては、単位内壁部材4の内の第2単
位内壁部材40bは、プラットフォーム5と一体の内壁
本体401と、この内壁本体401に着脱自在に装着さ
れる可動内壁402とからなっている。
【0102】上記内壁本体401は、図7に示す一方の
固定内壁411(図7の左方側の固定内壁411)と、
この固定内壁411の頂部に一体に固定された天板42
とからなっている。これに対し、可動内壁402は、天
板42およびプラットフォーム5から独立して形成さ
れ、図7に示す他方(右側)の固定内壁411に対応し
た平板可動壁403と、この平板可動壁403に対して
曲折可能に連結された、図7に示す可動内壁412に対
応する曲折可動壁404とからなっている。
【0103】そして、このような可動内壁402の図1
9の(イ)に示す左端縁部を、固定内壁411の図19
に示す右端縁部に当接させるとともに、平板可動壁40
3をプラットフォーム5の縁部に沿うように天板42と
プラットフォーム5との間に差し入れることによって、
図19の(ロ)に示すように、可動内壁402が内壁本
体401に装着されるようにしている。
【0104】なお、プラットフォーム5の中心位置に
は、先の実施形態と同様に固定支柱44が立設されてい
るとともに、この固定支柱44にはスクリュー軸45a
と駆動機構45bとからなるスクリュー機構45が設け
られている。そして、スクリュー軸45aの先端部に
は、軸径より大径の係止球45cが固定されている一
方、上記曲折可動壁404の上記係止球45cに対応し
た内面側の鉄板には嵌挿孔405が穿設されている。こ
の嵌挿孔405の径寸法は係止球45cの径寸法より僅
かに大きく寸法設定され、これによって可動内壁402
を内壁本体401に装着した状態で、係止球45cが嵌
挿孔405を通って曲折可動壁404内に入り込むよう
になっている。
【0105】そして、係止球45cが嵌挿孔405内に
嵌まり込んだ状態で、半円状の抜け止め溝を有する一対
の係止板406がねじ止めで曲折可動壁404の内壁面
に固定されることにより、図19の(ロ)に示すよう
に、スクリュー軸45aの先端部が曲折可動壁404に
接続されるようになっている。
【0106】このような第1変形形態の第2単位内壁部
材40bによれば、駆動機構45bの駆動によるスクリ
ュー軸45aの回転で曲折可動壁404が内方に向かっ
て引き寄せられると、図19の(ハ)に示すように、曲
折点P回りに折れ曲がるとともに、平板可動壁403も
内方に向かって摺動され、これによって可動内壁402
が全体的に金型形成位置から内側に摺動して枠型内のコ
ンクリートから離間して型抜き位置に位置設定されるた
め、型抜き処理がより容易に行われる。
【0107】図20は、図7に示す単位内型部材の第2
変形形態を示す平面視の断面図であり、(イ)は可動内
壁が金型形成位置に位置設定された状態、(ロ)は可動
内壁が型抜き位置に位置設定された状態をそれぞれ示し
ている。第2変形形態においては、可動内壁480は、
3つのプラットフォーム5に亘るように設けられている
一方、固定内壁411は、3つのプラットフォーム5で
あって、可動内壁480が装着されない部分にそれぞれ
分離状態で固定されている。
【0108】具体的には、対角位置にあるプラットフォ
ーム5の一方の外側縁部に曲折固定内壁411aが設け
られているとともに、このプラットフォーム5に隣接し
た両側のプラットフォーム5には上記曲折固定内壁41
1aに当接するように短尺固定内壁411bが設けられ
ている。一方、上記可動内壁480は、曲折固定内壁4
11aの対角位置で鉄皮413の弾性変形により曲折可
能に接続された、対角線に対して左右対称の一対のL字
状可動内壁481によって形成されている。
【0109】各L字状可動内壁481は、曲折点Pから
隣接したプラットフォーム5の縁部に沿うように長尺辺
部482が形成されているとともに、この長尺辺部48
2の先端部から直角に折れ曲がって形成された短尺辺部
483を有しており、この短尺辺部483の端縁が上記
短尺固定内壁411bの端縁に当接するように寸法設定
されている。上記一対の長尺辺部482,482は、そ
れぞれの端縁で一体に結合されている。
【0110】そして、かかる可動内壁480は、各プラ
ットフォーム5に対して分離可能に形成され、各プラッ
トフォーム5が枠型ベース(図5)上に配設された状態
で、これらのプラットフォーム5上に配置されるように
なっている。
【0111】また、曲折固定内壁411aが設けられた
プラットフォーム5の両側に隣接するプラットフォーム
5には、上記同様の固定支柱44がそれぞれ立設されて
いるとともに、これらの固定支柱44に上記同様の内壁
変形手段43が設けられている。
【0112】第2変形形態の可動内壁480によれば、
図20の(イ)に示す状態で内壁変形手段43の駆動機
構45bの駆動によるスクリュー軸45aの回転で可動
内壁480の各短尺辺部483をプラットフォーム5の
内側に引き込むことにより、各長尺辺部482,482
が一体に結合された角部のQ点に矢印で示すように各長
尺辺部482,482に対して45°で内側に向かう力
が作用し(図20の(ロ))、これによって各L字状可
動内壁481(長尺辺部482および短尺辺部483の
双方)がそれぞれの曲折点P回りに内側に向かって回動
するとともに、各長尺辺部482,482も内側に向か
って摺動し、図20の(ロ)に示すように、可動内壁4
80が全体的にプラットフォーム5の内側に向かって入
り込んだ状態になる。
【0113】従って、キャビティ内に生コンクリートを
流し込んだ後、それが固まってコンクリート構造体が形
成された状態でスクリュー機構45を駆動することによ
り内型の外側壁面のほとんど(すなわち可動内壁48
0)がキャビティ内のコンクリートから離間した状態に
なるため、コンクリート構造体の型抜きがより容易に行
われる。
【0114】図21は、図16に示す可動内壁の変形形
態を示す斜視図である。この変形形態においては、折曲
げ溝433より右方の鈎形内壁420の折曲げ縁部43
2がプラットフォーム5に対してボルト止めされておら
ず、従って、単位内壁部材4bは、プラットフォーム5
に対して自由に移動可能になっている。
【0115】この変形形態によれば、図19および図2
0に示す変形形態と同様に、キャビティ内に生コンクリ
ートを流し込んだ後、それが固まってコンクリート構造
体が形成された状態で操作ロッド470によりキャッチ
プレート454を押圧操作することにより単位内壁部材
4bが全体的にキャビティ内のコンクリート構造体から
離間した状態になるため、コンクリート構造体の型抜き
をより容易に行うことが可能になる。
【0116】図22は、単位外型部材の他の実施形態を
示す斜視図であり、図23は、図22に示す単位外型部
材によって外型が形成された状態を示す斜視図である。
この実施形態においては、図22に示すように、単位外
型部材の一部に、上記側部ライナー72(図11および
図12)に代わるスペーサー36が設けられている。こ
のスペーサー36は、単位外型部材3aの外壁32の横
向一側縁に上下方向に延びるように突設されている。こ
のようなスペーサー36の幅寸法は、上記側部ライナー
72の側部垂直壁72aの幅寸法と同一に寸法設定され
ている。
【0117】このような単位外型部材3aを用いれば、
例えば、6畳間用の枠型を形成するに際し、図23に示
すように、側部ライナー72を用いることなく外枠型を
設けることが可能になり、その分枠型の据付け作業が簡
単になるとともに、側部架橋板72bが存在しない分型
抜き操作が容易になる。
【0118】なお、このスペーサー36付きの単位外型
部材3aは、6畳間用に限らず、8畳間用の外枠型にも
適用可能であることはいうまでもない。
【0119】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0120】(1)上記の実施形態においては、枠型1
として関東間の4畳半を対象とした基本枠型10、同6
畳間を対象とした横拡張枠型10aおよび同8畳間を対
象とした縦横拡張枠型10bについて説明したが、本発
明は、枠型1が関東間を対象としたものであることに限
定されるものではなく、他の寸法モジュール(例えば京
間)を基準にして枠型を順次拡張するように構成しても
よい。
【0121】(2)上記の実施形態においては、基本枠
型10を基準とし、この基本枠型10に所定のライナー
7を継足すことで6畳間用の横拡張枠型10aおよび8
畳間用の縦横拡張枠型10bに寸法変更限し得るように
しているが、本発明は、基本枠型10からの拡張タイプ
が6畳間用および8畳間用の2種類に限定されるもので
はなく、適切なライナー7を採用することにより7畳半
用や10畳間用にも拡張することができる。また、基本
枠型10として最も狭い関東間を基準にしているため、
適切なライナー7を採用することで、地域や建築手法に
よって異なる他の寸法モジュールに対応させることも可
能になる。
【0122】(3)上記の実施形態においては、単位外
型部材3は、枠型ベース2上に敷設されたレール25上
を移動可能に構成されているが、本発明は、単位外型部
材3がレール25上を走行可能であることに限定される
ものではなく、単位内型部材4と同様に、枠型ベース2
上に吊り降ろすことによって外型を形成させるようにし
てもよい。
【0123】(4)上記の実施形態においては、コンク
リート構造体9の内の上部構造体92は、角筒状に形成
されているが、上部構造体92が角筒状であることに限
定されるものではなく、下部構造体91と同様に有底に
形成し、得られた底板を天井壁として利用するようにし
てもよい。この場合、天井壁あるいは側壁に開口部を設
け、この開口部を室内への出入口にすればよい。
【0124】(5)上記の実施形態においては、4畳半
用の枠型1を基本枠型10とし、これにライナー7を併
用することで6畳間用および8畳間用の拡張枠型10
a,10b形成させるようにしているが、単位外型部材
3を枠型ベース2上で適切に移動させることにより、3
畳間用または4畳間用の外型を形成することも可能であ
る。但しこの場合、内型については専用のものを用意す
る必要がある。
【0125】(6)上記の実施形態では、基本枠型10
において、4体の単位内型部材4の内、対角位置に配設
されるもののみが可動内壁412を有する第2単位内型
部材4bとされているが、本発明は、対角位置にのみ可
動内壁412を設けることに限定されるものではなく、
基本枠型10の三方の隅部、あるいは四方の隅部に可動
内壁412を配置するようにしてもよい。図18に、全
ての単位内型部材4を第2単位内型部材4bとした場合
について例示した。こうすることにより型抜きを行うに
際し、図18の(イ)に示す状態で4基全ての内壁変形
手段43を駆動して可動内壁412を内側に向けて湾曲
させることにより、図18の(ロ)に示すように、基本
枠型10の四隅がキャビティ8内の構造体91,92の
壁面から離れるため、型抜きがより容易になる。
【0126】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、コンクリ
ートユニット製造用枠型において、外型および内型の双
方の平面形状を拡張可能に構成したため、コンクリート
ユニットを木造建築の基礎として利用するに際し、その
木造建築の寸法モジュールおよび建築工法に合わせて外
型および内型の平面寸法を調節することが可能であり、
これによって木造建築の寸法モジュールに適合したコン
クリートユニットを製造することができる。
【0127】従って、従来のように、予め全ての寸法モ
ジュールに対応した多種類の枠型を設けておく必要がな
くなり、その分枠型敷設用の敷地を最小限に設定するこ
とが可能になるとともに、枠型コストの削減を図ること
ができ、その結果コンクリートユニットの製造コストの
低減化に寄与することができる。
【0128】請求項2記載の発明によれば、複数の単位
外型部材を枠型ベース上で移動させることにより、各単
位外型部材を、それぞれの外壁の側縁間に隙間を存在さ
せながら平面視で所望の矩形状になるように配置するこ
とで外枠の基体を形成することができる。また、外枠基
体の内側の枠体ベース上にプラットフォームを介して4
体の単位内型部材を、それぞれの鈎形内壁の両側縁部を
対向させ、かつ、側縁間の隙間寸法および外壁との間の
距離を調節しながら配置することにより、枠体ベース上
に内枠の基体を形成することができる。ついで、外枠基
体の外壁間および内枠基体の内壁間に形成されている隙
間にライナーを嵌め込むことによって型枠を完成させる
ことができる。
【0129】このように、外枠用に複数の単位外型部材
と、内枠用に複数の単位内型部材とを採用するととも
に、各単位部材間の隙間を埋めるライナーを採用するこ
とにより、建築物の寸法モジュールに合わせて任意に、
かつ、容易に枠型の寸法を変更することが可能になる。
【0130】請求項3記載の発明によれば、枠型ベース
上には互いに直交するようにレールを敷設し、単位外型
部材は、レールに案内されて移動し得るように構成した
ため、各単位外型部材をレールに沿って移動させること
により、外型の単位外型部材によって形成されている部
分を容易に拡縮さすることができる。そして、単位外型
部材はレールに案内されつつ進行方向に交差する方向へ
の移動が規制された状態で移動されるため、拡縮操作時
の単位外型部材の位置決めを容易に行うことができる。
【0131】請求項4記載の発明によれば、可動内壁を
キャビティ形成位置に位置設定することにより、鈎形内
壁と単位外型部材との間にコンクリートユニット形成用
のキャビティが形成される一方、可動内壁を型抜き位置
に位置設定することにより、可動内壁をコンクリートユ
ニットの表面から離間した状態にすることができる。従
って、キャビティからのコンクリートユニットの型抜き
を行うに際し、可動内壁をキャビティ形成位置から型抜
き位置に位置変更させることによって型抜きを容易に行
うことができる。
【0132】請求項5記載の発明によれば、駆動モータ
の駆動でナット部材を孔心回りに正逆回転させることに
より、ナット部材に螺着されたスクリュー軸がナット部
材から出没し、この出没によって可動内壁をキャビティ
形成位置と型抜き位置との間で位置変更させることがで
きる。
【0133】請求項6記載の発明によれば、操作ロッド
の押圧操作で単位内型部材内の操作レバーをクランクシ
ャフト回りに回動させることにより、クランクが共回り
してこのクランクに連結されている連結部材が支柱の方
向に引き寄せられ、これによって連結部材に他端が連結
された可動内壁をキャビティ形成位置から型抜き位置に
位置変更させることができる。
【0134】このように、内壁変形手段は、操作ロッド
による押圧操作のみで動作するようになっているため、
構造が簡単であり、しかも電力等のエネルギーを用いる
ことなく可動内壁の位置変更が行われ、設備コストおよ
び運転コストの低減化を実現することができる。
【0135】請求項7記載の発明によれば、可動内壁を
プラットフォームから独立して設けたため、内壁変更手
段の操作で可動内壁を動かした場合、可動内壁がプラッ
トフォームから独立していることにより、独立していな
い場合に比較して可動内壁の移動量を大きくすることが
可能になり、その分型抜き操作を容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る枠型(基本枠型)の一実施形態を
示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す基本型枠の組立て斜視図である。
【図3】図2に示す基本枠型の平面図である。
【図4】基本枠型によって製造されたコンクリート構造
体の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は分解斜視
図、(ロ)は組立て斜視図である。
【図5】枠型ベースの一実施形態を示す斜視図である。
【図6】単位外型部材の一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図7】単位内型部材の一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図8】単位内型部材の平面視の断面図であり、(イ)
は、可動内壁がキャビティ形成位置に位置設定された状
態、(ロ)は、可動内壁が型抜き位置に位置設定された
状態をそれぞれ示している。
【図9】下部構造体の製造手順を示す説明図であり、
(イ)は篭型配筋体が吊り降ろされる直前の状態、
(ロ)はキャビティに生コンクリートが注入された状
態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状態をそれぞれ
示している。
【図10】上部構造体の製造手順を示す説明図であり、
(イ)は筒型配筋体が吊り降ろされる直前の状態、
(ロ)はキャビティに生コンクリートが注入された状
態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状態をそれぞれ
示している。
【図11】ライナーの第1実施形態を示す斜視図であ
る。
【図12】第1実施形態のライナーを用いて形成された
横拡張枠型を示す斜視図である。
【図13】ライナーの第2実施形態を示す斜視図であ
る。
【図14】第2実施形態のライナーを用いて形成された
縦横拡張枠型を示す斜視図である。
【図15】各種の枠型を示す平面図であり、(イ)は基
本枠型、(ロ)は第1実施形態のライナーが適用された
横拡張枠型、(ハ)は第2実施形態のライナーが適用さ
れた縦横拡張枠型をそれぞれ示している。
【図16】内壁変形手段の他の実施形態を示す斜視図で
あり、可動内壁がキャビティ形成位置に位置設定された
状態を示している。
【図17】図16に示す内壁変形手段において、可動内
壁が型抜き位置に位置設定された状態を示す斜視図であ
る。
【図18】(イ)および(ロ)は、すべての単位内型部
材を第2単位内型部材とした場合を例示する平面視の断
面図である。
【図19】図7に示す単位内型部材の第1変形形態を示
す一部切欠き斜視図であり、(イ)は分解斜視図、
(ロ)は組立て斜視図、(ハ)は(ロ)の平面視の断面
図である。
【図20】図7に示す単位内型部材の第1変形形態を示
す一部切欠き斜視図であり、(イ)は分解斜視図、
(ロ)は組立て斜視図、(ハ)は(ロ)の平面視の断面
図である。
【図21】図16に示す可動内壁の変形形態を示す斜視
図である。
【図22】単位外型部材の他の実施形態を示す斜視図で
ある。
【図23】図22に示す単位外型部材によって外型が形
成された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 枠型 10 基本枠型 10a 横拡張枠型 10b 縦横拡張枠型 2 枠型ベース 21 第1区分域 22 第2区分域 23 第3区分域 24 第4区分域 25 レール 3 単位外型部材 30 基本外型 31 支持台車 32 外壁 33 車輪 34 ブレーキレバー 35 筋交い 4 単位内型部材 4a 第1単位内型部材 4b,40b 第2単位内型部材 40 基本内型 41 鈎形内壁 401 内壁本体 402 可動内壁 410 鈎形内壁 411 固定内壁 411a 曲折固定内壁 411b 短尺固定内壁 412 可動内壁 413 鉄皮 42 天板 420 鈎形内壁 43,43a 内壁変形手段 430 可動内壁 431 可動内壁本体 432 折曲げ縁部 433 折曲げ溝 434 切欠き 435 ガイド長孔 436 ピン 437 内壁側操作孔 44 固定支柱 440 固定支柱 441 支柱側ブラケット 442 壁側ブラケット 443 垂直軸 45 スクリュー機構 45a スクリュー軸 45b 駆動機構 450 クランク部材 451 クランクシャフト 452 クランク 453 操作レバー 454 キャッチプレート 46 商用電源 47 スイッチ手段 470 操作ロッド 48 リード線 480 可動内壁 481 L字状可動内壁 482 長尺辺部 483 短尺辺部 5 プラットフォーム 51 段差型載置部 6 段差型 7,7a,7b ライナー 71 中央部ライナー 71a 中央部垂直壁 71b 中央部架橋板 72 側部ライナー 72a 側部垂直壁 72b 側部架橋板 72d 開閉板 73 中央部ライナー 73a 中央部垂直壁 73b 中央部架橋板 74 側部ライナー 74a 第1側部垂直壁 74b 側部架橋板 74c 第2側部垂直壁 74d 開閉板 8 キャビティ 9 コンクリート構造体 91 下部構造体 91a 段差縁部 92 上部構造体 92a 段差縁部 93 篭型配筋体 94 筒型配筋体 P 曲折点
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月12日(2000.6.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 コンクリートユニット製造用枠型
【特許請求の範囲】
【請求項】 上記枠型ベース上には互いに直交するよ
うにレールが敷設され、上記単位外型部材は、上記レー
ルに案内されて移動し得るように構成されていることを
特徴とする請求項記載のコンクリートユニット製造用
枠型。
【請求項】 上記鈎形内壁は、上記キャビティに沿う
キャビティ形成位置と、キャビティから離間した型抜き
位置との間で位置変更する可動内壁を有し、上記プラッ
トホームには上記可動内壁に位置変更を行わせる内壁変
形手段が設けられていることを特徴とする請求項2記
のコンクリートユニット製造用枠型。
【請求項】 上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変
更が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上
記プラットフォームに立設された支柱と、この支柱に固
定され、かつ、駆動モータの駆動で孔心回りに回転する
ナット部材の内装された駆動機構と、一端部が上記ナッ
ト部材に螺着され、他端部が上記可動内壁に連結された
スクリュー軸とを備えて形成されていることを特徴とす
る請求項記載のコンクリートユニット製造用枠型。
【請求項】 上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変
更が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上
記プラットフォームに立設された支柱と、上下方向に延
びるクランクシャフト回りに共回り可能に上記支柱に支
持されたクランクと、上記クランクシャフトに突設され
た操作レバーと、上記クランクと可動内壁との間に架橋
された連結部材とを備えて形成され、上記操作レバー
は、外部から可動内壁を貫通して単位内型部材内に挿入
された操作ロッドの押圧操作によって可動内壁がキャビ
ティ形成位置から型抜き位置に位置変更するように突設
位置が設定されていることを特徴とする請求項記載の
コンクリートユニット製造用枠型。
【請求項】 上記可動内壁は、上記プラットフォーム
から独立して設けられていることを特徴とする請求項
乃至のいずれかに記載のコンクリートユニット製造用
枠型。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に居住空間を
備えた、例えば地下室構造体等の住宅建設用に適したコ
ンクリートユニットを製造するための枠型に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、法規制の緩和が転機となって土地
の有効利用を図るべく木造建築においても3階建てや地
下室設置が盛んに行われるようになってきた。従来、地
下室は、敷地に縦穴を掘設して鉄筋を配筋し、枠を施工
したのち生コンクリートを枠内に流し込む、いわゆるコ
ンクリートの現地打ちが主流であったが、近年、地下室
の容量分を賄う鉄筋コンクリート製の箱体である、いわ
ゆるプレキャストコンクリートユニットを工場で大量生
産し、このコンクリートユニットを建築現場に運び込
み、予め掘設された縦穴に吊り降ろすことによって地下
室を形成するようにしたユニット工法が、例えば出願人
が先に出願した特開平10−212731号公報等によ
って提案されている。
【0003】かかるユニット工法によれば、従来の現地
打ち施工に比べて全体的に建設費を廉価に抑えることが
できる上、工期も大幅に短縮され、今後の住宅建設にお
ける地下室施工の主流をなすものとして脚光を浴びてい
る。また、コンクリートユニットを1階部分の建屋とし
て利用すれば、その上に2階建ての建築を行うことによ
り容易に3階建の建物にすることができる。
【0004】このようなコンクリートユニットは、その
外壁面に沿った内面を有する外枠型と、この外枠型に内
装される、コンクリートユニットの内壁面に沿った外面
を有する内枠型とからなる枠型によって製造される。具
体的には、外枠型が上部開放状態で基礎盤上に配置さ
れ、引き続き外枠型内に配筋施工が行われ、ついで外枠
型内に内枠型が装着され、これら枠型間に形成された、
配筋が施されているキャビティ内に生コンクリートが流
し込まれることによってコンクリートユニットが製造さ
れるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なプレキャストコンクリートユニットは、地下室あるい
は建屋の1階部分として用いられるのがメインである
が、通常、その上に構築される木造建築の基礎として利
用される。従って、コンクリートユニットは、それより
上階の木造建築の寸法モジュール(寸法規格)に従って
寸法設定される必要がある。しかしながら、木造建築の
寸法モジュールは、例えば京間と関東間とで単位寸法の
値が異なっており、いずれを採用するかで基礎の寸法が
違ったものになる。また、建築工法についても、在来工
法である軸組工法、方形の木枠を組み合わせるツーバイ
フォー工法、あるいは壁体を組み合わせる壁工法など種
々のものがあり、これらの工法によっても基礎寸法が異
なってくる。
【0006】従って、コンクリートユニットを製造する
ための枠型は、木造建築が京間であるか関東間である
か、いずれの工法で建設されるかによってその寸法が相
違し、それらのいずれにも対応させるために、多種類の
枠型を予め用意しておかなければならず、そのために広
大な敷地が必要になるとともに、型枠費用が嵩むという
問題点を有していた。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであり、一つの型枠で各種の寸法モジ
ュールに対応することが可能であり、これによって型枠
用の敷地を最小限に抑えた上で、型枠コストを安価に
し、コンクリートユニットの製造コストの低減化に寄与
することができるコンクリートユニット製造用枠型を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
建物用のコンクリートユニットを製造するために使用さ
れるコンクリートユニット製造用枠型であって、内壁面
がコンクリートユニットの外面形状に沿うように形成さ
れた外型と、この外型の内壁面との間に所定の隙間を形
成した状態で外型に内装される内型と、これら外型およ
び内型を載置する枠型ベースとが備えられ、上記枠型ベ
ース上に外型と内型とを載置した状態で上記隙間によっ
て形成されたキャビティに生コンクリートを供給するこ
とによってコンクリートユニットを形成するように構成
され、上記外型および内型は、いずれも平面形状が拡張
可能に構成され、上記外型は、枠型ベース上で移動可能
に配設される複数の単位外型部材を有し、各単位外型部
材は、支持台と、この支持台に立設された外壁とからな
り、上記内型は、枠型ベース上の中央部に配設される4
体の単位内型部材によって構成され、各単位内型部材
は、矩形状のプラットフォームと、このプラットフォー
ムの直交する辺部に配設される鈎形内壁とからなり、配
設された上記外壁側縁間の隙間および上記内壁側縁間の
隙間を埋める各種の寸法を備えた所定個数のライナーが
設けられていることを特徴とするものである。
【0009】この発明によれば、外型および内型の平面
形状を拡張可能に構成したため、コンクリートユニット
を木造建築の基礎として利用するに際し、その木造建築
の寸法モジュールおよび建築工法に合わせて外型および
内型の平面寸法を調節することが可能であり、これによ
って木造建築の寸法モジュールに適合したコンクリート
ユニットを製造することができる。
【0010】従って、従来のように、予め全ての寸法モ
ジュールの枠型を設けておく必要がなくなり、その分枠
型敷設用の敷地を最小限に設定することが可能になると
ともに、枠型コストの削減が実現し、ひいてはコンクリ
ートユニットの製造コストの低減化に寄与する。
【0011】そして、複数の単位外型部材を枠型ベース
上で移動させることにより、各単位外型部材を、それぞ
れの外壁の側縁間に隙間を存在させながら平面視で所望
の矩形状になるように配置することで外枠の基体が形成
される。また、外枠基体の内側の枠体ベース上にプラッ
トフォームを介して4体の各単位内型部材を、それぞれ
の鈎形内壁の両側縁部を対向させ、かつ、側縁間の隙間
寸法および外壁との間の距離を調節しながら配置するこ
とにより、枠体ベース上に内枠の基体が形成される。つ
いで、外枠基体の外壁間および内枠基体の内壁間に形成
されている隙間にライナーを嵌め込むことによって型枠
が完成する。
【0012】このように、外枠用に複数の単位外型部材
と、内枠用に複数の単位内型部材とを採用するととも
に、各単位部材間の隙間を埋めるライナーを採用するこ
とにより、建築物の寸法モジュールに合わせて任意に、
かつ、容易に枠型の寸法を変更することが可能になる。
【0013】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、上記枠型ベース上には互いに直交するよう
にレールが敷設され、上記単位外型部材は、上記レール
に案内されて移動し得るように構成されていることを特
徴とするものである。
【0014】この発明によれば、各単位外型部材をレー
ルに沿って移動させることにより、外型の単位外型部材
によって形成されている部分を容易に拡縮さすることが
できる。そして、単位外型部材はレールに案内されつつ
進行方向に交差する方向への移動が規制された状態で移
動されるため、拡縮操作時の単位外型部材の位置決めが
容易に行われる。
【0015】請求項記載の発明は、請求項2記載の発
明において、上記鈎形内壁は、上記キャビティに沿うキ
ャビティ形成位置と、キャビティから離間した型抜き位
置との間で位置変更する可動内壁を有し、上記プラット
ホームには上記可動内壁に位置変更を行わせる内壁変形
手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】この発明によれば、可動内壁をキャビティ
形成位置に位置設定することにより、鈎形内壁と単位外
型部材との間にコンクリートユニット形成用のキャビテ
ィが形成される一方、可動内壁を型抜き位置に位置設定
することにより、可動内壁はコンクリートユニットの表
面から離間した状態になる。従って、キャビティからの
コンクリートユニットの型抜きを行うに際し、可動内壁
をキャビティ形成位置から型抜き位置に位置変更させる
ことにより、型抜きが容易に行い得るようになる。
【0017】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変更
が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上記
プラットフォームに立設された支柱と、この支柱に固定
され、かつ、駆動モータの駆動で孔心回りに回転するナ
ット部材の内装された駆動機構と、一端部が上記ナット
部材に螺着され、他端部が上記可動内壁に連結されたス
クリュー軸とを備えて形成されていることを特徴とする
ものである。
【0018】この発明によれば、駆動モータの駆動でナ
ット部材を孔心回りに正逆回転させることにより、ナッ
ト部材に螺着されたスクリュー軸がナット部材から出没
し、この出没によって可動内壁は弾性変形しながらキャ
ビティ形成位置と型抜き位置との間で位置変更する。
【0019】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変更
が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上記
プラットフォームに立設された支柱と、上下方向に延び
るクランクシャフト回りに共回り可能に上記支柱に支持
されたクランクと、上記クランクシャフトに突設された
操作レバーと、上記クランクと可動内壁との間に架橋さ
れた連結部材とを備えて形成され、上記操作レバーは、
外部から可動内壁を貫通して単位内型部材内に挿入され
た操作ロッドの押圧操作によって可動内壁がキャビティ
形成位置から型抜き位置に位置変更するように突設位置
が設定されていることを特徴とするものである。
【0020】この発明によれば、操作ロッドの押圧操作
で単位内型部材内の操作レバーをクランクシャフト回り
に回動させることにより、クランクが共回りしてこのク
ランクに連結されている連結部材が支柱の方向に引き寄
せられ、これによって連結部材に他端が連結された可動
内壁が弾性変形しながらキャビティ形成位置から型抜き
位置に位置変更させられる。操作ロッドによる押圧操作
を停止すると、可動内壁は自身の弾性力で元のキャビテ
ィ形成位置に復帰する。
【0021】このように、内壁変形手段は、操作ロッド
による押圧操作のみで動作するようになっているため、
構造が簡単であり、しかも電力等のエネルギーを用いる
ことなく可動内壁の位置変更が行われ、設備コストおよ
び運転コストの低減化が実現する。
【0022】請求項記載の発明は、請求項乃至
いずれかに記載の発明において、上記可動内壁は、上記
プラットフォームから独立して設けられていることを特
徴とするものである。
【0023】この発明によれば、内壁変更手段の操作で
可動内壁を動かした場合、可動内壁がプラットフォーム
から独立していることにより、独立していない場合に比
較して可動内壁の移動量を大きくすることが可能にな
り、その分型抜き操作が容易になる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る枠型の基本
形態である基本枠型10の一実施形態を示す分解斜視図
であり、図2はその組立て斜視図である。なお、図1お
よび図2において、X−X方向を横方向、Y−Y方向を
縦方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、
−Y方向を前方、+Y方向を後方という(図5および図
11〜図14においても同様)。また、図3は、基本枠
型10の平面図である。
【0025】本発明の枠型1は、図1および図2に示す
基本枠型10と、後述するライナー7(図11および図
13)とからなる基本構成を有している。基本枠型10
は、図1および図2に示すように、敷地に施工された平
面視で方形の枠型ベース2と、この枠型ベース2の周縁
部分に配設される8体の単位外型部材3と、枠型ベース
2の単位外型部材3が配設される位置より内側に配設さ
れる4体の単位内型部材4と、この単位内型部材4と上
記枠型ベース2との間に介設される4枚のプラットフォ
ーム5と、プラットフォーム5の各辺部に配設される4
本の段差型6とからなっている。本実施形態において
は、単位内型部材4とプラットフォーム5とは一体に形
成されている。
【0026】上記単位外型部材3、単位内型部材4およ
びプラットフォーム5は、それぞれ内部に枠体や縦桟、
横桟さらには筋交等からなるフレームを有し、かかるフ
レームを取り囲むように鉄皮が張設されることによって
主要部分が薄い直方体状に形成されている。
【0027】そして、図1に示す4体の単位内型部材4
を、枠型ベース2の中央部に各側端縁を当接させるよう
にして寄せ合うことにより図2に示すように基本内型4
0が形成されるとともに、図1に示す8体の単位外型部
材3の2体ずつを基本内型40の各辺部に離間状態で配
設することによって基本外型30が形成され、最後に4
本の段差型6のそれぞれを単位外型部材3と単位内型部
材4との間の隙間(キャビティ8)にそれぞれ装着する
ことにより、図2に示すように、基本枠型10が得られ
るようにしている。
【0028】かかる基本枠型10のキャビティ8には、
予め鉄筋が配筋されており(例えば、基本内型40が形
成された時点で配筋され、その後、基本外型30が形成
される)、この配筋済みのキャビティ8に生コンクリー
トを流し込むことによってプレキャストコンクリート構
造体9(コンクリートユニット)を形成させるようにし
ている。
【0029】図4は、基本枠型10によって製造された
コンクリート構造体9の一実施形態を示す斜視図であ
り、(イ)は分解斜視図、(ロ)は組立て斜視図であ
る。図4に示すように、コンクリート構造体9は、有底
の下部構造体91と、この下部構造体91に積み重ねら
れる角筒状の上部構造体92とからなっている。
【0030】これら上下の構造体91,92は、同一の
基本枠型10によって製造される。すなわち、下部構造
体91は、基本枠型10に生コンクリートを流し込むこ
とによって上下が逆転した状態で製造される一方、上部
構造体92は、上下が逆転されない状態で製造される。
そしてコンクリート構造体9を構築するときには、図4
の(イ)に示すように、下部構造体91が逆転から基に
戻され、この下部構造体91の上に上部構造体92が積
み重ねられることによって、図4の(ロ)に示すような
コンクリート構造体9が形成される。
【0031】下部構造体91には、鉄筋を配筋して形成
された篭型配筋体93が内装されているとともに、上部
構造体92には筒型配筋体94が内装され、これによっ
てコンクリート構造体9が構造的に丈夫になるようにし
ている。また、下部構造体91の上縁部には環状に段差
縁部91aが形成されている一方、上部構造体92の下
縁部には下部構造体91の段差縁部91aに対応した段
差縁部92aが形成され、これらの段差縁部91a,9
2aが互いに嵌め合わされることによって上下の構造体
91,92の横ずれが確実に防止されるようになってい
る。
【0032】本実施形態においては、基本枠型10は、
いわゆる関東間の4畳半のコンクリートブロックを形成
するのに対応した寸法に設定されている。具体的には、
コンクリート構造体9の平面寸法が、壁内の幅方向の中
心線位置を基準にして平面視で2700mm平方にな
り、同階高さ寸法が2570mmになるとともに、壁厚
が150mm、床厚および天井厚が180mmになるよ
うに、上記単位外型部材3、単位内型部材4、プラット
フォーム5および段差型6がそれぞれ寸法設定されてい
る。
【0033】また、本実施形態においては、基本枠型1
0は、コンクリート構造体9を上下に二分したそれぞれ
(下部構造体91および上部構造体92)を製造し得る
ように高さ寸法が設定されている。従って、基本枠型1
0でまず下部構造体91および上部構造体92のいずれ
かを製造し、引き続き他方を製造することによって上下
一対のペアーになった下部および上部構造体91,92
が形成される。これらペアーの構造体91,92は、建
築現場でまず下部構造体91が施工され、引き続き施工
済みの下部構造体91上に上部構造体92が積み重ねら
れることによってコンクリート構造体9とされる。
【0034】なお、枠型ベース2は、基本枠型10をベ
ースにして京間やその他の寸法モジュールのコンクリー
ト構造体9に対応し得るように、基本外型30の平面寸
法より相当大きい平面寸法に設定されている。
【0035】図5は、枠型ベース2の一実施形態を示す
斜視図である。枠型ベース2は、敷地面より所定寸法嵩
上げされた鉄筋コンクリート製の基礎台であり、平面視
で正方形状に形成されているとともに、上面が水平面に
なっている。かかる枠型ベース2は、横方向および縦方
向の中心線によって十字に仕切られ、右後方の第1区分
域21、左後方の第2区分域22、左前方の第3区分域
23、および右前方の第4区分域24とに区分されてい
る。そして、各区分域に単位外型部材3、単位内型部材
4およびプラットフォーム5が配されることにより枠型
1が形成されることになる。
【0036】かかる枠型ベース2の表面には、横方向に
複線状態で各一対のレール25が敷設されているととも
に、縦方向にも複線状態で各一対のレール25が敷設さ
れている。これらのレール25は、単位外型部材3を移
動させるためのものであり、単位外型部材3のレール2
5に沿った移動で基本外型30の容量を変更し得るよう
になっている。
【0037】図6は、単位外型部材3の一実施形態を示
す斜視図である。図6では、2体の単位外型部材3を対
向配置させた状態を示している。この図に示すように、
単位外型部材3は、支持台車31と、この支持台車31
に立設された外壁32とからなっている。支持台車31
の両側部にはそれぞれ一対の車輪33が設けられてい
る。両側部の車輪間の外寸法は、上記各一対のレール2
5(図5)間の走行面の外寸法より僅かに小さく寸法設
定され、各一対の車輪33をレール25の走行面に嵌め
込むことによって、図2に示すように、単位外型部材3
が走行自在に枠型ベース2に装着されるようになってい
る。
【0038】かかる支持台車31は、内装された図略の
ブレーキ機構を有しているとともに、上面にはブレーキ
機構を操作するためのブレーキレバー34が突設され、
このブレーキレバー34の操作で車輪33の回転を阻止
して単位外型部材3が設定位置で移動するのを規制し得
るようになっている。
【0039】上記外壁32は、支持台車31の先端縁部
に立設されている。かかる外壁32は、支持台車31上
に斜めに平行に立設された一対の筋交い35によって補
強され、これによって立直姿勢が維持されるようになっ
ている。
【0040】図7は、単位内型部材4の一実施形態を示
す斜視図である。また、図8は、単位内型部材4の平面
視の断面図であり、(イ)は、可動内壁がキャビティ形
成位置に位置設定された状態、(ロ)は、可動内壁が型
抜き位置に位置設定された状態をそれぞれ示している。
【0041】これらの図に示すように、本実施形態にお
いては、単位内型部材4として第1単位内型部材4aと
第2単位内型部材4bとが採用されている。第1単位内
型部材4aは、枠型ベース2の第1区分域21および第
3区分域23に配設されるものであり、プラットフォー
ム5の直交する辺部に段差型6を載置するための直角に
折れ曲がった段差型載置部51を残して立設される、平
面視で鈎形の鈎形内壁41と、この鈎形内壁41の上縁
部に固定された、鈎形内壁41の内側部分のプラットフ
ォーム5に対向する天板42とからなっている。
【0042】第2単位内型部材4bは、枠型ベース2の
第2区分域22と第4区分域24とに配設されるもので
あり、第1単位内型部材4aと同様の設置位置に設けら
れた鈎形内壁410と、同天板42と、鈎形内壁410
の一部を変形させる内壁変形手段43とを備えて構成さ
れている。
【0043】鈎形内壁410は、両側部に設けられた固
定内壁411と、これら固定内壁411間に介設された
平面視で直角状の可動内壁412とからなっている。こ
の可動内壁412は、一側部の外面側が一方の固定内壁
411に薄い鉄板からなる鉄皮413によって連結され
ている一方、他側部が自由端となって他方の固定内壁4
11の端縁に対向され、これによって鉄皮413の曲折
点P回りに回動し得るようになっている。
【0044】かかる可動内壁412は、内壁変形手段4
3を操作することによって、外壁面が固定内壁411の
外壁面と面一になったキャビティ形成位置(図8の
(イ))と、外壁面が固定内壁411の外壁面に対して
内側に凹んだ型抜き位置(図8の(ロ))との間で位置
変更し得るようになっている。上記鉄皮413は、この
位置変更に際して曲折点Pで弾性変形し得るように厚さ
寸法が設定されている。
【0045】このように可動内壁412を位置変更させ
るのは、型抜き操作を行うに際し、コンクリート構造体
と可動内壁412との間に隙間をつくり、これによって
コンクリート構造体の型抜きを容易に行い得るようにす
るためである。
【0046】上記内壁変形手段43は、プラットフォー
ム5の略中央位置に立設された固定支柱44と、この固
定支柱44に付設されたスクリュー機構45とからなっ
ている。スクリュー機構45は、可動内壁412の自由
端側の内側に固定支柱44に向かって突設されたスクリ
ュー軸45aと、このスクリュー軸45aに対応して固
定支柱44に取り付けられた駆動機構45bとからなっ
ている。
【0047】上記駆動機構45bには、スクリュー軸4
5aに噛合する図略のナット部材と、このナット部材を
孔心回りに回転させる図略の駆動モータとが内装されて
いる。駆動モータには、系外の商用電源46からの電力
がスイッチ手段47およびリード線48を介して駆動モ
ータに供給されるようになっている。
【0048】そして、可動内壁412がキャビティ形成
位置に位置設定された状態で、スイッチ手段47に所定
のオン操作を加えることにより、商用電源46から駆動
モータに電力が供給され、これによるナット部材の回転
でスクリュー軸45aが駆動機構45b内に引き入れら
れることにより可動内壁412が曲折点P回りに反時計
方向に回動し、図8の(ロ)に示すように、型抜き位置
に位置変更するようになっている。
【0049】逆に型抜き位置に位置設定された可動内壁
412(図8の(ロ))を、元のキャビティ形成位置
(図8の(イ))に戻すには、スイッチ手段47を逆操
作すればよい。そうすれば、駆動機構45bの駆動モー
タの逆駆動によってナット部材が逆回転し、これによっ
てスクリュー軸45aが駆動機構45bから押し出さ
れ、可動内壁412が曲折点P回りに時計方向に回動し
て元のキャビティ形成位置に戻ることになる。
【0050】図1および図3に示す上記段差型6は、基
本内型40が形成された状態でプラットフォーム5の段
差型載置部51に載置されるものであり、コンクリート
構造体の開口縁部に形成された段差縁部91a,92a
(図4)に対応するように2段に形成されている。かか
る段差型6は、本実施形態においては、硬質のウレタン
フォーム等の発泡性合成樹脂によって軽量に形成され、
これによって段差型6の取り扱いが容易になるようにし
ている。
【0051】なお、段差型6は、発泡性合成樹脂製であ
ることに限定されるものではなく、木製であってもよい
し、金属製やコンクリート製であってもよい。但し、段
差型が金属製やコンクリート製の場合は、軽量化のため
に内部を空洞にしておくことが好ましい。
【0052】このような段差型6は、基本内型40の段
差型載置部51に載置され、かつ、単位外型部材3の移
動で基本枠型10(図2)が形成されることにより、キ
ャビティ8の底部に基本内型40を取り囲むように装着
された状態になる。
【0053】なお、段差型6は、下部構造体91用のも
のと上部構造体92のものとで段差の形成位置が逆にな
っている。図1に示すものは下部構造体91用の段差型
6であり、単位内型部材4側が高段位に、単位外型部材
3側が低段位になっているのに対し、上部構造体92用
の段差型は、単位内型部材4側が低段位に、単位外型部
材3側が高段位になっている。従って、製造された下部
および上部構造体は、それぞれの段差縁部が嵌め合わさ
れ得るようになり、これによって上下の構造体が一体化
されたコンクリート構造体は構造的に頑丈になる。
【0054】このような基本枠型10は、下部構造体9
1および上部構造体92の双方の製造に用いられる。図
9は、下部構造体91の製造手順を示す説明図であり、
(イ)は篭型配筋体が吊り降ろされる直前の状態、
(ロ)はキャビティ8に生コンクリートが注入された状
態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状態をそれぞれ
示している。
【0055】下部構造体91の製造に際しては、まず、
第1単位内型部材4aが、プラットフォーム5の段差型
載置部51を外側に向けた状態で枠型ベース2上の第1
区分域21および第3区分域23にクレーン等の作業機
械によって吊り降ろされるとともに、第2区分域22お
よび第4区分域24に第2単位内型部材4bが同様に吊
り降ろされ、平面視で方形になるようにそれぞれの側縁
部が当接されることによって、まず図2に示すように、
枠型ベース2上に基本内型40が形成される。
【0056】ついで、プラットフォーム5の各段差型載
置部51に4本の段差型6を配設した後、基本内型40
の周りに配筋処理が施される。この配筋処理は、現場で
棒鋼に溶接処理を施して施工することもあるが、本実施
形態においては、図9の(イ)に示すように、予め篭型
に形成された篭型配筋体93を吊り降ろして基本内型4
0に被せることにより多くの人手を介さず効率的に配筋
処理が施されるようにしている。
【0057】その後、各区分域21〜24のレール25
上に載置された単位外型部材3をそれぞれ基本内型40
に向けて移動させることにより、8体の支持台車31の
前端縁が段差型載置部51に当接し、これによって図9
の(ロ)に示すように、基本内型40の周りに基本外型
30が形成され、この基本外型30と上記基本内型40
とで基本枠型10が形成される。
【0058】そして、基本枠型10が形成された状態で
は、基本内型40の外壁面と基本外型30の内壁面との
間に生コンクリートを流し込むためのキャビティ8が形
成されており、このキャビティ8内に生コンクリートを
流し込んで所定の養生期間が経過するとキャビティ8内
に下部構造体91が形成される。なお、下部構造体91
の場合には、構造体の底板を形成させるために、基本内
型40の天板42上にも所定厚みで生コンクリートが打
設される。
【0059】ついで、キャビティ8内に下部構造体91
が形成された後、単位外型部材3がレール25上を後退
されるとともに、第2単位内型部材4b(図7)のスク
リュー機構45が駆動され、これによるスクリュー軸4
5aの駆動機構45bへの没入によってキャビティ形成
位置に位置していた可動内壁412が内側に引かれて型
抜き位置に位置設定される。これらの操作で下部構造体
91の離型が容易になる。
【0060】この状態で下部構造体91は、図9の
(ハ)に示すように、クレーン等の作業機械で吊り上げ
られて離型が行われ、引き続き作業機械の駆動で出荷位
置に向けて運び出される。
【0061】図10は、上部構造体92の製造手順を示
す説明図であり、(イ)は筒型配筋体が吊り降ろされる
直前の状態、(ロ)はキャビティ8に生コンクリートが
注入された状態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状
態をそれぞれ示している。
【0062】上部構造体92についても、基本的には下
部構造体91と同様に製造されるが、図10の(イ)に
示すように、段差型として下部構造体91の段差型6と
段差の高低が逆に設定されたものが採用されるととも
に、配筋体として篭型配筋体93に代えて底のない筒型
配筋体94が採用されている点が下部構造体91の場合
と相違している。従って、基本枠型10が形成された後
に生コンクリートは、図10の(ロ)に示すように、キ
ャビティ8にのみ流し込まれ、天板42上に供給される
ことはない。
【0063】そして、得られた上部構造体92は、図1
0の(ハ)に示すように、クレーン等の作業機械で吊り
上げられて出荷位置まで運ばれる。
【0064】以上、基本枠型10について詳細に説明し
たが、本発明の枠型1は、このような基本枠型10をベ
ースとして種々の内容積を有するコンクリート構造体9
を製造し得るものである。そのために、枠型1が基本枠
型10より大きくなったときに、単位外型部材3間およ
び単位内型部材4間の隙間を埋めるためのライナー7が
採用される。
【0065】図11は、ライナーの第1実施形態を示す
斜視図であり、図12は、第1実施形態のライナーを用
いて形成された横拡張枠型を示す斜視図である。また、
図13は、ライナーの第2実施形態を示す斜視図であ
り、図14は、第2実施形態のライナーを用いて形成さ
れた縦横拡張枠型を示す斜視図である。さらに、図15
は、各種の枠型1を示す平面図であり、(イ)は基本枠
型10、(ロ)は第1実施形態のライナー7aが適用さ
れた横拡張枠型10a、(ハ)は第2実施形態のライナ
ー7bが適用された縦横拡張枠型10bをそれぞれ示し
ている。
【0066】なお、図15では、単位外型部材3および
単位内型部材4を点描で示すとともに、ライナー7を黒
塗りで示し、これらの位置関係を容易に認識し得るよう
にしている。また、キャビティ8内の底部に装着される
段差型6の図示を省略している。
【0067】まず、第1実施形態のライナー7aは、基
本枠型10を拡張して6畳間用のものである横拡張枠型
10aを形成させるときに使用されるものであり、図1
1に示すように、枠型ベース2の中央位置に配設される
中央部ライナー71と、この中央部ライナー71から左
右にそれぞれ単位内型部材4の横寸法の2/3だけ離間
した位置に配設される横方向一対の側部ライナー72と
からなっている。
【0068】上記中央部ライナー71は、縦方向一対の
中央部垂直壁71aと、この中央部垂直壁71aの頂部
間に架橋された中央部架橋板71bとからなっている。
中央部架橋板71bの長さ寸法は、中央部垂直壁71a
間の外寸法が天板42の一辺の2倍になるように寸法設
定されているとともに、中央部垂直壁71aの高さ寸法
は、中央部ライナー71を枠型ベース2上に載置した状
態で中央部架橋板71bの上面が単位内型部材4の天板
42の上面と面一になるように寸法設定されている。上
記面一の寸法設定は、下部構造体91を製造するに際
し、下部構造体91の底板を形成させるためである。ま
た、中央部垂直壁71aの幅寸法(横方向の寸法)は、
単位内型部材4の一辺の長さ寸法の2/3に設定されて
いる。
【0069】上記側部ライナー72は、縦方向一対の側
部垂直壁72aと、この側部垂直壁72aの頂部間に架
橋された側部架橋板72bとからなっている。側部架橋
板72bには、長手方向の略全長に亘って切り欠かれる
ことにより形成した切欠き部72cが設けられていると
ともに、この切欠き部72cに開閉板72dが嵌め込ま
れている。この開閉板72dは、切欠き部72cに蝶番
回りに回動自在に嵌め込まれ、図11に実線で示すよう
に、切欠き部72cに嵌まり込んで切欠き部72cを閉
止する閉止姿勢と、図11に二点鎖線で示すように、切
欠き部72cを開放した開放姿勢との間で姿勢変更し得
るようになっている。かかる開閉板72dが設けられる
のは、後述する横拡張枠型10a(図12)が形成され
た状態で、開閉板72dを開放姿勢に設定し、開放され
た切欠き部72cから配筋体93,94をキャビティ8
内に装入するためである。
【0070】かかる側部架橋板72bの長さ寸法は、側
部垂直壁72a間の内寸法が枠型ベース2上に縦方向で
キャビティ8を形成するように配設された単位外型部材
3の外壁32間の内寸法と等しくなるように寸法設定さ
れているとともに、側部垂直壁72aの高さ寸法は、中
央部ライナー71の高さ寸法より高く寸法設定されてい
る。また、側部垂直壁72aの幅寸法(横方向の寸法)
は、側部ライナー72を装着した状態(図15の
(ロ))で縦方向に延びる鈎形内壁41と縦方向に延び
る外壁32との間にキャビティ8が形成され得る寸法に
設定されている。
【0071】かかるライナー7aは以下のようにして枠
型ベース2上に配設される。すなわち、まず図15の
(イ)に示す基本枠型10を起点として、横方向で互い
に対向した2対の単位外型部材3をレール25に沿って
離間方向に移動させるとともに、横方向で互いに対向し
た2対の単位内型部材4を同一距離ずつ離間させた状態
で吊り降ろす。この状態で、図15の(ロ)に示すよう
に、互いに直交して隣接した単位外型部材3間の隅部の
隙間が側部垂直壁72aで埋めるられるように側部ライ
ナー72を配設するとともに、左右の単位内型部材4の
鈎形内壁41間の隙間が中央部垂直壁71aで埋められ
るように中央部ライナー71を配設する。
【0072】こうすることで単位外型部材3、単位内型
部材4およびライナー7aによって図12に示すような
横拡張枠型10aが形成される。ついで、開閉板72d
を開放姿勢に設定して切欠き部72cを開放し、この状
態でキャビティ8に篭型配筋体93(図4参照)が装着
される。なお、側部架橋板72bに開閉板72dが設け
られていない側部ライナーを使用する場合には、側部ラ
イナー72を配設する前にキャビティ8に篭型配筋体9
3が装着される。
【0073】その後キャビティ8に生コンクリートを流
し込むことによって6畳間に対応した下部構造体91が
形成され、同様に筒型配筋体94の装着されたキャビテ
ィ8に生コンクリートを流し込むことによって上部構造
体92が形成される。
【0074】つぎに第2実施形態のライナー7bについ
て図13を基に説明する。第2実施形態のライナー7b
は、基本枠型10(図15の(イ)参照)を拡張して8
畳間用のものである縦横拡張枠型10bを形成させると
きに使用されるものであり、枠型ベース2の中央位置に
配設される中央部ライナー73と、この中央部ライナー
73から左右にそれぞれ所定距離だけ離間した位置に配
設される横方向一対の側部ライナー74とからなってい
る。
【0075】上記中央部ライナー73は、縦方向および
左右方向に各一対の中央部垂直壁73aと、この中央部
垂直壁73aの頂部間に架橋された平面視で十字形状の
中央部架橋板73bとからなっている。中央部架橋板7
3bの縦寸法および横寸法は、中央部垂直壁73a間の
外寸法が天板42の一辺の7/3倍になるように寸法設
定されているとともに、中央部垂直壁73aの高さ寸法
は、第1実施形態の中央部垂直壁71aの高さ寸法と同
一に設定されている。
【0076】上記側部ライナー74は、縦方向一対の第
1側部垂直壁74aと、この第1側部垂直壁74aの頂
部間に架橋された側部架橋板74bと、上記第1側部垂
直壁74aの横方向の外方側に縦方向に延設された上下
方向に延びる第2側部垂直壁74cとからなっている。
側部架橋板74bには、横拡張枠型10aに設けられた
開閉板72dと同様の開閉板74dが設けられている。
【0077】側部架橋板74bの長さ寸法は、第1側部
垂直壁74a間の内寸法が枠型ベース2上に縦方向でキ
ャビティ8を形成するように配設された単位外型部材3
の外壁32間の内寸法と等しくなるように寸法設定され
ているとともに、第1および第2側部垂直壁74a,7
4cの高さ寸法は、中央部ライナー73の高さ寸法より
高く寸法設定されている。また、第1側部垂直壁74a
の幅寸法(横方向の寸法)および第2側部垂直壁74c
の幅寸法(縦方向の寸法)は、側部ライナー74が配設
された状態で、側部ライナー74と鈎形内壁41との間
にキャビティ8が形成され得る寸法に設定されている。
【0078】かかるライナー7bは以下のようにして枠
型ベース2上に配設される。すなわち、まず図15の
(イ)に示す基本枠型10を起点として、横方向および
縦方向で互いに対向した各2対の単位外型部材3をレー
ル25に沿って離間方向に移動させるとともに、横方向
および縦方向で互いに対向した2対の単位内型部材4を
同一距離ずつ離間させた状態で吊り降ろす。ついで、図
15の(ハ)に示すように、互いに直交して隣接した単
位外型部材3間の隅部の隙間が第1および第2側部垂直
壁74a,74cで埋めるられるように側部ライナー7
4を配設するとともに、単位内型部材4の鈎形内壁41
間の隙間が中央部垂直壁73aで埋められるように中央
部ライナー73を配設することによってライナー7bが
縦横拡張枠型10bの一翼を担うように枠型ベース2上
に配設されるのである。
【0079】こうすることで単位外型部材3、単位内型
部材4およびライナー7bによって、図14に示すよう
に、横拡張枠型10aが形成される。かかる横拡張枠型
10aのキャビティ8には予め篭型配筋体93(図4参
照)が装着されており、この篭型配筋体93が装着され
たキャビティ8に生コンクリートを流し込むことによっ
て8畳間に対応した下部構造体91が形成され、同筒型
配筋体94の装着されたキャビティ8に生コンクリート
を流し込むことによって上部構造体92が形成される。
【0080】本発明は以上上述したように、箱型のコン
クリートユニット製造用として使用される基本外型30
と、この基本外型30の内壁面との間に所定の隙間を形
成した状態で基本外型30に内装される基本内型40と
で基本枠型10を形成し、枠型ベース上に配設された基
本内型40の外壁面と外型の内壁面との間に形成される
キャビティ8に生コンクリートを供給することによって
コンクリートユニットを形成させるコンクリート構造体
製造用の枠型1であり、上記基本外型30および上記基
本内型40を平面形状が拡縮可能に構成したため、コン
クリート構造体9を木造建築の基礎として利用するに際
し、その木造建築の寸法モジュールおよび建築工法に合
わせて基本外型30および基本内型40の平面寸法を調
節し、これによって木造建築の寸法モジュールに適合し
たコンクリート構造体9を製造することができる。
【0081】従って、従来のように、予め全ての寸法モ
ジュールの枠型を設けておく必要がなくなり、その分枠
型敷設用の敷地を最小限に設定することが可能になると
ともに、枠型コストを削減することができる。
【0082】また、基本外型30の構成要素として枠型
ベース2上で移動可能に配設される複数の単位外型部材
3を設け、この単位外型部材3を支持台車31と、この
支持台車31に立設された外壁32とから構成するとと
もに、基本内型40を枠型ベース2上の中央部に配設さ
れる4体の単位内型部材4によって構成し、各単位内型
部材4を矩形状のプラットフォーム5と、このプラット
フォーム5の直交する辺部に配設される鈎形内壁41と
から構成し、配設された上記外壁32間の隙間および上
記鈎形内壁41間の隙間を埋める手段としての各種の寸
法を備えた所定個数のライナー7を予め用意したため、
複数の単位外型部材3を枠型ベース2上で移動させるこ
とにより、各単位外型部材3を、それぞれの外壁32の
側縁間に隙間を存在させながら平面視で所望の矩形状に
なるように配置することで外枠の基体を形成することが
できる。また、外枠基体の内側の枠体ベース上にプラッ
トフォーム5が配置された状態で、このプラットフォー
ム5上に4体の各単位内型部材4を、それぞれの鈎形内
壁41の両側縁部を対向させた状態で、かつ、側縁間の
隙間寸法および外壁32との間の距離を調節しながら配
置することにより、プラットフォーム5上に内枠の基体
が形成することができる。ついで、外枠基体の外壁32
間および内枠基体の内壁間に形成されている隙間にライ
ナー7を嵌め込むことによって型枠が完成する。
【0083】このように、外枠用に複数の単位外型部材
3と、内枠用に複数の単位内型部材4とを採用するとと
もに、各単位部材間の隙間を埋めるライナー7を採用す
ることにより、建築物の寸法モジュールに合わせて任意
に、かつ、容易に枠型の寸法を変更することが可能にな
る。
【0084】図16および図17は、内壁変形手段の他
の実施形態を示す斜視図であり、図16は、可動内壁が
キャビティ形成位置に位置設定された状態、図17は、
可動内壁が型抜き位置に位置設定された状態をそれぞれ
示している。なお、この実施形態においては、第2単位
内型部材4bの鈎形内壁420は、弾性変形しながら容
易に湾曲させ得るように厚み寸法が設定された鉄板のみ
が採用されている。
【0085】この鉄板が略中央部で直角に折り曲げられ
た状態でプラットフォーム5と天板42との間に介設さ
れることによって鈎形内壁420が形成されている。か
かる鈎形内壁420に形成された可動内壁430は、プ
ラットフォーム5の一隅部に沿うように直角に折り曲げ
られて形成した可動内壁本体431とこの可動内壁本体
431の下端縁部から内側に向かって直角に折り曲げら
れて形成した補強用の折曲げ縁部432とからなってい
る。
【0086】可動内壁本体431の図16における右方
位置には、上下方向に延びた折曲げ溝433が凹設され
ているとともに、折曲げ縁部432の上記折曲げ溝43
3に対応した位置には基端側(図16の右方)から先端
側に向かって開いた平面視でV字形状の切欠き434が
設けられ、この切欠き434と上記折曲げ溝433の存
在で可動内壁430は曲折点P回りに容易に回動し得る
ようになっている。そして、折曲げ溝433の図16に
おける右方側の鈎形内壁420は、その下縁の折曲げ縁
部432がボルトBによってプラットフォーム5に固定
され、これによって単位内壁部材4bのプラットフォー
ム5に対する装着状態が安定するようになされている。
【0087】また、折曲げ縁部432の適所には、曲折
点Pを中心とした曲率半径を有する円弧状のガイド長孔
435が穿設されているとともに、ピン436がこのガ
イド長孔435を通してプラットフォーム5に固定さ
れ、これによって可動内壁430は、ピン436がガイ
ド長孔435内で相対移動し得る範囲内で曲折点P回り
に回動し得るようになっている。
【0088】そして、第2実施形態の内壁変形手段43
aは、上記のような第2単位内型部材4bに設けられて
いる。すなわち、内壁変形手段43aは、プラットフォ
ーム5の略中央位置に立設された固定支柱440と、こ
の固定支柱440の可動内壁本体431先端側に対向す
る側面に固定された支柱側ブラケット441と、この支
柱側ブラケット441に対向して可動内壁本体431に
固定された壁側ブラケット442と、支柱側ブラケット
441に支持されたクランク部材450と、このクラン
ク部材450と上記壁側ブラケット442との間に介設
された連結部材460とを備えて構成されている。
【0089】上記支柱側ブラケット441および壁側ブ
ラケット442は、側面視でコ字形状に形成され、互い
に対向配置されている。クランク部材450は、支柱側
ブラケット441のコ字形状の隙間に介設されている。
かかるクランク部材450は、上下一対のクランクシャ
フト451と、クランクシャフト451間に介設された
クランク452とからなり、上下のクランクシャフト4
51が支柱側ブラケット441に穿設された装着孔に嵌
挿されることによってクランク452がクランクシャフ
ト451回りに共回り可能になっている。
【0090】また、下方のクランクシャフト451は、
支柱側ブラケット441を貫通して下方に向けて突出さ
れ、この下方に突出した部分に上記折曲げ溝433の方
向に向けて操作レバー453が突設されている。この操
作レバー453は、クランク部材450を回動操作する
ものであり、先端部に方形のキャッチプレート454が
付設されている。そして、このキャッチプレート454
を第2単位内型部材4bの外方から後述する操作ロッド
470で押圧操作することによりクランク部材450が
軸心回りに時計方向に回動するようになっている。
【0091】上記連結部材460は、壁側ブラケット4
42に垂直軸443回りに回動自在に支持された第1ね
じ軸461と、上記クランク452回りに回動自在に軸
支された第2ねじ軸462と、これら両ねじ軸461.
461を連結するターンバックル463とからなってい
る。
【0092】第1ねじ軸461には順ねじが螺設されて
いる一方、第2ねじ軸462には逆ねじが螺設されてい
る。そして上記ターンバックル463は両端部にこれら
順ねじおよび逆ねじに対応した雌ねじがそれぞれ同心で
螺設され、各雌ねじに上記順ねじおよび逆ねじを螺着す
ることによって第1ねじ軸461と第2ねじ軸462と
がターンバックル463を介して互いに連結されてい
る。
【0093】従って、ターンバックル463を軸心回り
に正逆回動することにで第1および第2ねじ軸461,
462間の距離を離接させることが可能になり、これに
よって連結部材460の長さ寸法を適宜調節し得るよう
になっている。
【0094】また、本実施形態においては、可動内壁本
体431の下部の上記キャッチプレート454に対向し
た位置には、内壁側操作孔437が穿設されているとと
もに、段差型載置部51に載置された段差型6には、上
記内壁側操作孔437に対応した段差型側操作孔52が
穿設されている。さらに、単位外型部材3の外壁32に
は、上記段差型側操作孔52に対応した位置に外壁側操
作孔321が穿設されている。そして、これらの操作孔
437,52,321に外壁32の外側から操作ロッド
470を差し通すことによって上記キャッチプレート4
54を操作し得るようになっている。
【0095】この実施形態の内壁変形手段43aによれ
ば、普段は、図16に示すように、可動内壁430はそ
の外面がキャビティ8に沿ったキャビティ形成位置に位
置設定されており、この状態でキャビティ8に生コンク
リートが流し込まれることによってコンクリート構造体
9が形成されるようになっている。
【0096】そして、キャビティ8内に形成されたコン
クリート構造体9を枠型1から型抜きするときは、ま
ず、単位外型部材3が後退(図17の左方に向けて移
動)されて外壁32がコンクリート構造体9の外面から
離間させられる。
【0097】その後、操作孔(内壁側操作孔437、段
差型側操作孔52および外壁側操作孔321)に操作ロ
ッド470が挿入され、その先端がキャッチプレート4
54に当接される。この状態で操作ロッド470を押圧
操作することにより、キャッチプレート454が押され
て操作レバー453がクランクシャフト451回りに時
計方向に共回りする。
【0098】そして、これによるクランクシャフト45
1の自軸心回りの回動でクランク452も時計方向に回
動して連結部材460が可動内壁本体431を固定支柱
440の方向に引っ張るため、可動内壁430は、折曲
げ溝433によって形成された曲折点P回りに弾性変形
しながら反時計方向に回動し、図17に示すように、可
動内壁本体431がコンクリート構造体9の内壁面から
離間した型抜き位置に位置設定された状態になる。この
状態でコンクリート構造体9が型抜きされる。型抜き
後、操作ロッド470を操作孔437,52,321か
ら引き抜くことにより、弾性変形していた可動内壁43
0は、弾性力によって元のキャビティ設定位置に復元さ
れる。
【0099】以上のように、この実施形態の内壁変形手
段43aによれば、鈎形内壁420内に設けられた内壁
変形手段43aを、操作孔を通して操作ロッド470で
操作することにより、キャビティ形成位置に位置設定さ
れている可動内壁430を、電力等のエネルギーを使用
することなく、マニュアル操作で型抜き位置に位置変更
させることができ、設備コストおよび運転コストの軽減
化を図る上で有効である。
【0100】図19は、図7に示す単位内型部材の第1
変形形態を示す一部切欠き斜視図であり、(イ)は分解
斜視図、(ロ)は組立て斜視図、(ハ)は(ロ)の平面
視の断面図である。まず図19の(イ)に示すように、
第1変形形態においては、単位内壁部材4の内の第2単
位内壁部材40bは、プラットフォーム5と一体の内壁
本体401と、この内壁本体401に着脱自在に装着さ
れる可動内壁402とからなっている。
【0101】上記内壁本体401は、図7に示す一方の
固定内壁411(図7の左方側の固定内壁411)と、
この固定内壁411の頂部に一体に固定された天板42
とからなっている。これに対し、可動内壁402は、天
板42およびプラットフォーム5から独立して形成さ
れ、図7に示す他方(右側)の固定内壁411に対応し
た平板可動壁403と、この平板可動壁403に対して
曲折可能に連結された、図7に示す可動内壁412に対
応する曲折可動壁404とからなっている。
【0102】そして、このような可動内壁402の図1
9の(イ)に示す左端縁部を、固定内壁411の図19
に示す右端縁部に当接させるとともに、平板可動壁40
3をプラットフォーム5の縁部に沿うように天板42と
プラットフォーム5との間に差し入れることによって、
図19の(ロ)に示すように、可動内壁402が内壁本
体401に装着されるようにしている。
【0103】なお、プラットフォーム5の中心位置に
は、先の実施形態と同様に固定支柱44が立設されてい
るとともに、この固定支柱44にはスクリュー軸45a
と駆動機構45bとからなるスクリュー機構45が設け
られている。そして、スクリュー軸45aの先端部に
は、軸径より大径の係止球45cが固定されている一
方、上記曲折可動壁404の上記係止球45cに対応し
た内面側の鉄板には嵌挿孔405が穿設されている。こ
の嵌挿孔405の径寸法は係止球45cの径寸法より僅
かに大きく寸法設定され、これによって可動内壁402
を内壁本体401に装着した状態で、係止球45cが嵌
挿孔405を通って曲折可動壁404内に入り込むよう
になっている。
【0104】そして、係止球45cが嵌挿孔405内に
嵌まり込んだ状態で、半円状の抜け止め溝を有する一対
の係止板406がねじ止めで曲折可動壁404の内壁面
に固定されることにより、図19の(ロ)に示すよう
に、スクリュー軸45aの先端部が曲折可動壁404に
接続されるようになっている。
【0105】このような第1変形形態の第2単位内壁部
材40bによれば、駆動機構45bの駆動によるスクリ
ュー軸45aの回転で曲折可動壁404が内方に向かっ
て引き寄せられると、図19の(ハ)に示すように、曲
折点P回りに折れ曲がるとともに、平板可動壁403も
内方に向かって摺動され、これによって可動内壁402
が全体的に金型形成位置から内側に摺動して枠型内のコ
ンクリートから離間して型抜き位置に位置設定されるた
め、型抜き処理がより容易に行われる。
【0106】図20は、図7に示す単位内型部材の第2
変形形態を示す平面視の断面図であり、(イ)は可動内
壁が金型形成位置に位置設定された状態、(ロ)は可動
内壁が型抜き位置に位置設定された状態をそれぞれ示し
ている。第2変形形態においては、可動内壁480は、
3つのプラットフォーム5に亘るように設けられている
一方、固定内壁411は、3つのプラットフォーム5で
あって、可動内壁480が装着されない部分にそれぞれ
分離状態で固定されている。
【0107】具体的には、対角位置にあるプラットフォ
ーム5の一方の外側縁部に曲折固定内壁411aが設け
られているとともに、このプラットフォーム5に隣接し
た両側のプラットフォーム5には上記曲折固定内壁41
1aに当接するように短尺固定内壁411bが設けられ
ている。一方、上記可動内壁480は、曲折固定内壁4
11aの対角位置で鉄皮413の弾性変形により曲折可
能に接続された、対角線に対して左右対称の一対のL字
状可動内壁481によって形成されている。
【0108】各L字状可動内壁481は、曲折点Pから
隣接したプラットフォーム5の縁部に沿うように長尺辺
部482が形成されているとともに、この長尺辺部48
2の先端部から直角に折れ曲がって形成された短尺辺部
483を有しており、この短尺辺部483の端縁が上記
短尺固定内壁411bの端縁に当接するように寸法設定
されている。上記一対の長尺辺部482,482は、そ
れぞれの端縁で一体に結合されている。
【0109】そして、かかる可動内壁480は、各プラ
ットフォーム5に対して分離可能に形成され、各プラッ
トフォーム5が枠型ベース(図5)上に配設された状態
で、これらのプラットフォーム5上に配置されるように
なっている。
【0110】また、曲折固定内壁411aが設けられた
プラットフォーム5の両側に隣接するプラットフォーム
5には、上記同様の固定支柱44がそれぞれ立設されて
いるとともに、これらの固定支柱44に上記同様の内壁
変形手段43が設けられている。
【0111】第2変形形態の可動内壁480によれば、
図20の(イ)に示す状態で内壁変形手段43の駆動機
構45bの駆動によるスクリュー軸45aの回転で可動
内壁480の各短尺辺部483をプラットフォーム5の
内側に引き込むことにより、各長尺辺部482,482
が一体に結合された角部のQ点に矢印で示すように各長
尺辺部482,482に対して45°で内側に向かう力
が作用し(図20の(ロ))、これによって各L字状可
動内壁481(長尺辺部482および短尺辺部483の
双方)がそれぞれの曲折点P回りに内側に向かって回動
するとともに、各長尺辺部482,482も内側に向か
って摺動し、図20の(ロ)に示すように、可動内壁4
80が全体的にプラットフォーム5の内側に向かって入
り込んだ状態になる。
【0112】従って、キャビティ内に生コンクリートを
流し込んだ後、それが固まってコンクリート構造体が形
成された状態でスクリュー機構45を駆動することによ
り内型の外側壁面のほとんど(すなわち可動内壁48
0)がキャビティ内のコンクリートから離間した状態に
なるため、コンクリート構造体の型抜きがより容易に行
われる。
【0113】図21は、図16に示す可動内壁の変形形
態を示す斜視図である。この変形形態においては、折曲
げ溝433より右方の鈎形内壁420の折曲げ縁部43
2がプラットフォーム5に対してボルト止めされておら
ず、従って、単位内壁部材4bは、プラットフォーム5
に対して自由に移動可能になっている。
【0114】この変形形態によれば、図19および図2
0に示す変形形態と同様に、キャビティ内に生コンクリ
ートを流し込んだ後、それが固まってコンクリート構造
体が形成された状態で操作ロッド470によりキャッチ
プレート454を押圧操作することにより単位内壁部材
4bが全体的にキャビティ内のコンクリート構造体から
離間した状態になるため、コンクリート構造体の型抜き
をより容易に行うことが可能になる。
【0115】図22は、単位外型部材の他の実施形態を
示す斜視図であり、図23は、図22に示す単位外型部
材によって外型が形成された状態を示す斜視図である。
この実施形態においては、図22に示すように、単位外
型部材の一部に、上記側部ライナー72(図11および
図12)に代わるスペーサー36が設けられている。こ
のスペーサー36は、単位外型部材3aの外壁32の横
向一側縁に上下方向に延びるように突設されている。こ
のようなスペーサー36の幅寸法は、上記側部ライナー
72の側部垂直壁72aの幅寸法と同一に寸法設定され
ている。
【0116】このような単位外型部材3aを用いれば、
例えば、6畳間用の枠型を形成するに際し、図23に示
すように、側部ライナー72を用いることなく外枠型を
設けることが可能になり、その分枠型の据付け作業が簡
単になるとともに、側部架橋板72bが存在しない分型
抜き操作が容易になる。
【0117】なお、このスペーサー36付きの単位外型
部材3aは、6畳間用に限らず、8畳間用の外枠型にも
適用可能であることはいうまでもない。
【0118】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0119】(1)上記の実施形態においては、枠型1
として関東間の4畳半を対象とした基本枠型10、同6
畳間を対象とした横拡張枠型10aおよび同8畳間を対
象とした縦横拡張枠型10bについて説明したが、本発
明は、枠型1が関東間を対象としたものであることに限
定されるものではなく、他の寸法モジュール(例えば京
間)を基準にして枠型を順次拡張するように構成しても
よい。
【0120】(2)上記の実施形態においては、基本枠
型10を基準とし、この基本枠型10に所定のライナー
7を継足すことで6畳間用の横拡張枠型10aおよび8
畳間用の縦横拡張枠型10bに寸法変更限し得るように
しているが、本発明は、基本枠型10からの拡張タイプ
が6畳間用および8畳間用の2種類に限定されるもので
はなく、適切なライナー7を採用することにより7畳半
用や10畳間用にも拡張することができる。また、基本
枠型10として最も狭い関東間を基準にしているため、
適切なライナー7を採用することで、地域や建築手法に
よって異なる他の寸法モジュールに対応させることも可
能になる。
【0121】(3)上記の実施形態においては、単位外
型部材3は、枠型ベース2上に敷設されたレール25上
を移動可能に構成されているが、本発明は、単位外型部
材3がレール25上を走行可能であることに限定される
ものではなく、単位内型部材4と同様に、枠型ベース2
上に吊り降ろすことによって外型を形成させるようにし
てもよい。
【0122】(4)上記の実施形態においては、コンク
リート構造体9の内の上部構造体92は、角筒状に形成
されているが、上部構造体92が角筒状であることに限
定されるものではなく、下部構造体91と同様に有底に
形成し、得られた底板を天井壁として利用するようにし
てもよい。この場合、天井壁あるいは側壁に開口部を設
け、この開口部を室内への出入口にすればよい。
【0123】(5)上記の実施形態においては、4畳半
用の枠型1を基本枠型10とし、これにライナー7を併
用することで6畳間用および8畳間用の拡張枠型10
a,10b形成させるようにしているが、単位外型部材
3を枠型ベース2上で適切に移動させることにより、3
畳間用または4畳間用の外型を形成することも可能であ
る。但しこの場合、内型については専用のものを用意す
る必要がある。
【0124】(6)上記の実施形態では、基本枠型10
において、4体の単位内型部材4の内、対角位置に配設
されるもののみが可動内壁412を有する第2単位内型
部材4bとされているが、本発明は、対角位置にのみ可
動内壁412を設けることに限定されるものではなく、
基本枠型10の三方の隅部、あるいは四方の隅部に可動
内壁412を配置するようにしてもよい。図18に、全
ての単位内型部材4を第2単位内型部材4bとした場合
について例示した。こうすることにより型抜きを行うに
際し、図18の(イ)に示す状態で4基全ての内壁変形
手段43を駆動して可動内壁412を内側に向けて湾曲
させることにより、図18の(ロ)に示すように、基本
枠型10の四隅がキャビティ8内の構造体91,92の
壁面から離れるため、型抜きがより容易になる。
【0125】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、コンクリ
ートユニット製造用枠型において、外型および内型の双
方の平面形状を拡張可能に構成したため、コンクリート
ユニットを木造建築の基礎として利用するに際し、その
木造建築の寸法モジュールおよび建築工法に合わせて外
型および内型の平面寸法を調節することが可能であり、
これによって木造建築の寸法モジュールに適合したコン
クリートユニットを製造することができる。
【0126】従って、従来のように、予め全ての寸法モ
ジュールに対応した多種類の枠型を設けておく必要がな
くなり、その分枠型敷設用の敷地を最小限に設定するこ
とが可能になるとともに、枠型コストの削減を図ること
ができ、その結果コンクリートユニットの製造コストの
低減化に寄与することができる。
【0127】そして、複数の単位外型部材を枠型ベース
上で移動させることにより、各単位外型部材を、それぞ
れの外壁の側縁間に隙間を存在させながら平面視で所望
の矩形状になるように配置することで外枠の基体を形成
することができる。また、外枠基体の内側の枠体ベース
上にプラットフォームを介して4体の単位内型部材を、
それぞれの鈎形内壁の両側縁部を対向させ、かつ、側縁
間の隙間寸法および外壁との間の距離を調節しながら配
置することにより、枠体ベース上に内枠の基体を形成す
ることができる。ついで、外枠基体の外壁間および内枠
基体の内壁間に形成されている隙間にライナーを嵌め込
むことによって型枠を完成させることができる。
【0128】このように、外枠用に複数の単位外型部材
と、内枠用に複数の単位内型部材とを採用するととも
に、各単位部材間の隙間を埋めるライナーを採用するこ
とにより、建築物の寸法モジュールに合わせて任意に、
かつ、容易に枠型の寸法を変更することが可能になる。
【0129】請求項記載の発明によれば、枠型ベース
上には互いに直交するようにレールを敷設し、単位外型
部材は、レールに案内されて移動し得るように構成した
ため、各単位外型部材をレールに沿って移動させること
により、外型の単位外型部材によって形成されている部
分を容易に拡縮さすることができる。そして、単位外型
部材はレールに案内されつつ進行方向に交差する方向へ
の移動が規制された状態で移動されるため、拡縮操作時
の単位外型部材の位置決めを容易に行うことができる。
【0130】請求項記載の発明によれば、可動内壁を
キャビティ形成位置に位置設定することにより、鈎形内
壁と単位外型部材との間にコンクリートユニット形成用
のキャビティが形成される一方、可動内壁を型抜き位置
に位置設定することにより、可動内壁をコンクリートユ
ニットの表面から離間した状態にすることができる。従
って、キャビティからのコンクリートユニットの型抜き
を行うに際し、可動内壁をキャビティ形成位置から型抜
き位置に位置変更させることによって型抜きを容易に行
うことができる。
【0131】請求項記載の発明によれば、駆動モータ
の駆動でナット部材を孔心回りに正逆回転させることに
より、ナット部材に螺着されたスクリュー軸がナット部
材から出没し、この出没によって可動内壁をキャビティ
形成位置と型抜き位置との間で位置変更させることがで
きる。
【0132】請求項記載の発明によれば、操作ロッド
の押圧操作で単位内型部材内の操作レバーをクランクシ
ャフト回りに回動させることにより、クランクが共回り
してこのクランクに連結されている連結部材が支柱の方
向に引き寄せられ、これによって連結部材に他端が連結
された可動内壁をキャビティ形成位置から型抜き位置に
位置変更させることができる。
【0133】このように、内壁変形手段は、操作ロッド
による押圧操作のみで動作するようになっているため、
構造が簡単であり、しかも電力等のエネルギーを用いる
ことなく可動内壁の位置変更が行われ、設備コストおよ
び運転コストの低減化を実現することができる。
【0134】請求項記載の発明によれば、可動内壁を
プラットフォームから独立して設けたため、内壁変更手
段の操作で可動内壁を動かした場合、可動内壁がプラッ
トフォームから独立していることにより、独立していな
い場合に比較して可動内壁の移動量を大きくすることが
可能になり、その分型抜き操作を容易に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る枠型(基本枠型)の一実施形態を
示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す基本型枠の組立て斜視図である。
【図3】図2に示す基本枠型の平面図である。
【図4】基本枠型によって製造されたコンクリート構造
体の一実施形態を示す斜視図であり、(イ)は分解斜視
図、(ロ)は組立て斜視図である。
【図5】枠型ベースの一実施形態を示す斜視図である。
【図6】単位外型部材の一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図7】単位内型部材の一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図8】単位内型部材の平面視の断面図であり、(イ)
は、可動内壁がキャビティ形成位置に位置設定された状
態、(ロ)は、可動内壁が型抜き位置に位置設定された
状態をそれぞれ示している。
【図9】下部構造体の製造手順を示す説明図であり、
(イ)は篭型配筋体が吊り降ろされる直前の状態、
(ロ)はキャビティに生コンクリートが注入された状
態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状態をそれぞれ
示している。
【図10】上部構造体の製造手順を示す説明図であり、
(イ)は筒型配筋体が吊り降ろされる直前の状態、
(ロ)はキャビティに生コンクリートが注入された状
態、(ハ)は離型処理が行われた直後の状態をそれぞれ
示している。
【図11】ライナーの第1実施形態を示す斜視図であ
る。
【図12】第1実施形態のライナーを用いて形成された
横拡張枠型を示す斜視図である。
【図13】ライナーの第2実施形態を示す斜視図であ
る。
【図14】第2実施形態のライナーを用いて形成された
縦横拡張枠型を示す斜視図である。
【図15】各種の枠型を示す平面図であり、(イ)は基
本枠型、(ロ)は第1実施形態のライナーが適用された
横拡張枠型、(ハ)は第2実施形態のライナーが適用さ
れた縦横拡張枠型をそれぞれ示している。
【図16】内壁変形手段の他の実施形態を示す斜視図で
あり、可動内壁がキャビティ形成位置に位置設定された
状態を示している。
【図17】図16に示す内壁変形手段において、可動内
壁が型抜き位置に位置設定された状態を示す斜視図であ
る。
【図18】(イ)および(ロ)は、すべての単位内型部
材を第2単位内型部材とした場合を例示する平面視の断
面図である。
【図19】図7に示す単位内型部材の第1変形形態を示
す一部切欠き斜視図であり、(イ)は分解斜視図、
(ロ)は組立て斜視図、(ハ)は(ロ)の平面視の断面
図である。
【図20】図7に示す単位内型部材の第1変形形態を示
す一部切欠き斜視図であり、(イ)は分解斜視図、
(ロ)は組立て斜視図、(ハ)は(ロ)の平面視の断面
図である。
【図21】図16に示す可動内壁の変形形態を示す斜視
図である。
【図22】単位外型部材の他の実施形態を示す斜視図で
ある。
【図23】図22に示す単位外型部材によって外型が形
成された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】 1 枠型 10 基本枠型 10a 横拡張枠型 10b 縦横拡張枠型 2 枠型ベース 21 第1区分域 22 第2区分域 23 第3区分域 24 第4区分域 25 レール 3 単位外型部材 30 基本外型 31 支持台車 32 外壁 33 車輪 34 ブレーキレバー 35 筋交い 4 単位内型部材 4a 第1単位内型部材 4b,40b 第2単位内型部材 40 基本内型 41 鈎形内壁 401 内壁本体 402 可動内壁 410 鈎形内壁 411 固定内壁 411a 曲折固定内壁 411b 短尺固定内壁 412 可動内壁 413 鉄皮 42 天板 420 鈎形内壁 43,43a 内壁変形手段 430 可動内壁 431 可動内壁本体 432 折曲げ縁部 433 折曲げ溝 434 切欠き 435 ガイド長孔 436 ピン 437 内壁側操作孔 44 固定支柱 440 固定支柱 441 支柱側ブラケット 442 壁側ブラケット 443 垂直軸 45 スクリュー機構 45a スクリュー軸 45b 駆動機構 450 クランク部材 451 クランクシャフト 452 クランク 453 操作レバー 454 キャッチプレート 46 商用電源 47 スイッチ手段 470 操作ロッド 48 リード線 480 可動内壁 481 L字状可動内壁 482 長尺辺部 483 短尺辺部 5 プラットフォーム 51 段差型載置部 6 段差型 7,7a,7b ライナー 71 中央部ライナー 71a 中央部垂直壁 71b 中央部架橋板 72 側部ライナー 72a 側部垂直壁 72b 側部架橋板 72d 開閉板 73 中央部ライナー 73a 中央部垂直壁 73b 中央部架橋板 74 側部ライナー 74a 第1側部垂直壁 74b 側部架橋板 74c 第2側部垂直壁 74d 開閉板 8 キャビティ 9 コンクリート構造体 91 下部構造体 91a 段差縁部 92 上部構造体 92a 段差縁部 93 篭型配筋体 94 筒型配筋体 P 曲折点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G053 AA02 BA06 BB01 BB07 BB09 BC07 BD02 BE04 EA02 EA41 EB02 EB05 4G058 FA04 FA23 FA26 FA31 FA37 FA53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物用のコンクリートユニットを製造す
    るために使用されるコンクリートユニット製造用枠型で
    あって、内壁面がコンクリートユニットの外面形状に沿
    うように形成された外型と、この外型の内壁面との間に
    所定の隙間を形成した状態で外型に内装される内型と、
    これら外型および内型を載置する枠型ベースとが備えら
    れ、上記枠型ベース上に外型と内型とを載置した状態で
    上記隙間によって形成されたキャビティに生コンクリー
    トを供給することによってコンクリートユニットを形成
    するように構成され、上記外型および内型は、いずれも
    平面形状が拡張可能に構成されていることを特徴とする
    コンクリートユニット製造用枠型。
  2. 【請求項2】 上記外型は、枠型ベース上で移動可能に
    配設される複数の単位外型部材を有し、各単位外型部材
    は、支持台と、この支持台に立設された外壁とからな
    り、上記内型は、枠型ベース上の中央部に配設される4
    体の単位内型部材によって構成され、各単位内型部材
    は、矩形状のプラットフォームと、このプラットフォー
    ムの直交する辺部に配設される鈎形内壁とからなり、配
    設された上記外壁側縁間の隙間および上記内壁側縁間の
    隙間を埋める各種の寸法を備えた所定個数のライナーが
    設けられていることを特徴とする請求項1記載のコンク
    リートユニット製造用枠型。
  3. 【請求項3】 上記枠型ベース上には互いに直交するよ
    うにレールが敷設され、上記単位外型部材は、上記レー
    ルに案内されて移動し得るように構成されていることを
    特徴とする請求項2記載のコンクリートユニット製造用
    枠型。
  4. 【請求項4】 上記鈎形内壁は、上記キャビティに沿う
    キャビティ形成位置と、キャビティから離間した型抜き
    位置との間で位置変更する可動内壁を有し、上記プラッ
    トホームには上記可動内壁に位置変更を行わせる内壁変
    形手段が設けられていることを特徴とする請求項2また
    は3記載のコンクリートユニット製造用枠型。
  5. 【請求項5】 上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変
    更が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上
    記プラットフォームに立設された支柱と、この支柱に固
    定され、かつ、駆動モータの駆動で孔心回りに回転する
    ナット部材の内装された駆動機構と、一端部が上記ナッ
    ト部材に螺着され、他端部が上記可動内壁に連結された
    スクリュー軸とを備えて形成されていることを特徴とす
    る請求項4記載のコンクリートユニット製造用枠型。
  6. 【請求項6】 上記可動内壁は、弾性変形で上記位置変
    更が行われるように構成され、上記内壁変形手段は、上
    記プラットフォームに立設された支柱と、上下方向に延
    びるクランクシャフト回りに共回り可能に上記支柱に支
    持されたクランクと、上記クランクシャフトに突設され
    た操作レバーと、上記クランクと可動内壁との間に架橋
    された連結部材とを備えて形成され、上記操作レバー
    は、外部から可動内壁を貫通して単位内型部材内に挿入
    された操作ロッドの押圧操作によって可動内壁がキャビ
    ティ形成位置から型抜き位置に位置変更するように突設
    位置が設定されていることを特徴とする請求項4記載の
    コンクリートユニット製造用枠型。
  7. 【請求項7】 上記可動内壁は、上記プラットフォーム
    から独立して設けられていることを特徴とする請求項4
    乃至6のいずれかに記載のコンクリートユニット製造用
    枠型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110370431A (zh) * 2019-09-02 2019-10-25 中电建(洛阳)装配式建筑科技有限公司 一种混凝土环形互锁式立柱组合基础预制构件浇筑模具
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