JP7151297B2 - 成形用貼り合せシート - Google Patents
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Description
特許文献2には、「紙基材を含む成形用積層体において、該紙基材が密度0.1~0.45g/cm3である低密度紙を少なくとも一層含む積層体であることを特徴とする成形用積層体。」が開示されている。
特許文献3には、「少なくともその中の1層の紙基材の破断伸び率が縦方向及び横方向共に10%以上である1層以上の紙基材層と、積層構成中の少なくとも最外層と最内層が熱可塑性樹脂層からなる容器材料が、P=10kg/cm2~95kg/cm2の折り圧力で折り込まれて成形されたことを特徴とする紙容器。」が開示されている。
折込線および第1の切取線を有する基材シートと、
前記基材シート上に設けられた接着層と、
前記接着層上に設けられ、前記接着層を介して前記第1の切取線と対向して設けられた第2の切取線とを有する表面シートであって、表面シートが、紙、不織布、および合成紙よりなる群から選ばれるいずれか一つを含み、表面シートを外側になるように折り曲げた際の負荷に対して追従して伸びる表面シートと、
を有する成形用貼り合せシート。
<2>に係る発明は、
前記表面シートにおける前記紙の密度が、0.20g/cm3以上0.80g/cm3以下である<1>に記載の成形用貼り合せシート。
<3>に係る発明は、
前記表面シートにおける前記紙の厚みが、40μm以上400μm以下である<1>に記載の成形用貼り合せシート。
<4>に係る発明は、
前記表面シートが紙である場合、1)紙の密度が基材シートの密度よりも低い、2)紙の厚さが基材シートよりも薄い、及び、3)紙の繊維長が基材シートの繊維長よりも長い、からなる条件の少なくとも一つを満足する表面シートを有する<1>から<3>のいずれか1項に記載の成形用貼り合わせシート。
<5>に係る発明は、
前記表面シートにおける前記不織布の密度が、0.20g/cm3以上0.50g/cm3以下である<1>に記載の成形用貼り合せシート。
<6>に係る発明は、
前記表面シートにおける前記不織布の繊維長が、5μm以上である<4>に記載の成形用貼り合せシート。
<7>に係る発明は、
前記表面シートにおける前記合成紙の密度が、0.70g/cm3以上1.30g/cm3以下である<1>に記載の成形用貼り合せシート。
<8>に係る発明は、
前記表面シートにおける前記合成紙が、ポリプロピレンおよびポリエステルのいずれか一方の樹脂を有する<6>に記載の成形用貼り合せシート。
<9>に係る発明は、
前記基材シートが、紙、不織布、および合成紙からなる群のいずれか一つである<1>に記載の成形用貼り合せシート。
<10>に係る発明は
前記基材シートが、紙であり、表面のシートが合成紙および不織布のいずれか一つである<8>に記載の成形用貼り合せシート。
<11>
前記基材シート及び前記表面シートが、それぞれ基層と、前記基層の少なくとも一方の面上に設けられた樹脂層とを有する<1>に記載の成形用貼り合せシート。
<12>
前記接着層の厚さが、前記基材シート及び前記表面シートのそれぞれに設けられた樹脂層の2倍以上である<11>に記載の成形用貼り合せシート。
<13>
前記接着層の厚さが、35μm以上60μm以下であり、前記樹脂層の厚さが、5μm以上30μm以下である<11>又は<12>に記載の成形用貼り合せシート。
<3>に係る発明によれば、表面シート側を外側になるように折り曲げたときに、紙層内での繊維の移動が大きくなると考えられる紙の厚みが400μmを超える場合に比べ、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
<4>に係る発明によれば、表面シート側を外側になるように折り曲げたときに、外側に折られる紙が局部的に伸ばされ、表面シートが折り曲げた際の負荷に対して追従して伸びにくいと考えられる密度が同じであり、厚さが同じであり、繊維長が同じである2枚の紙を基材シートおよび表面シートとして貼り合せた貼り合せシートを折り曲げた場合に比べ、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
<6>に係る発明によれば、表面シート側を外側になるように折り曲げたときに、外側に発生する引張応力と基材シート側に発生する圧縮応力がより均衡に近い状態とならないと考えられる表面シートで構成された場合に比べ、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
<7>に係る発明によれば、表面シート側を外側になるように折り曲げたときに、外側に発生する引張応力と基材シート側に発生する圧縮応力がより均衡しないと考えられる表面シートで構成された場合に比べ、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
<8>に係る発明によれば、表面シート側を外側になるように折り曲げたときに、外側に発生する引張応力と基材シート側に発生する圧縮応力がより均衡に近い状態とならない表面シートで構成された場合に比べ、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
<10>に係る発明によれば、基材シートおよび表面シートが紙である場合に比べ、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
<12>に係る発明によれば、基材シートおよび表面シートが紙単体である場合に比べ、接着層の厚さが、基材シート及び前記表面シートのそれぞれに設けられた樹脂層の2倍以上であっても、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
<13>に係る発明によれば、基材シートおよび表面シートが紙単体である場合に比べ、接着層の厚さが、35μm以上60μm以下であり、樹脂層の厚さが、5μm以上30μm以下であっても、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制される成形用貼り合せシートが提供される。
本実施形態に係る成形用貼り合せシートは、折込線および第1の切取線を有する基材シートと、基材シート上に設けられた接着層と、接着層上に設けられ、接着層を介して第1の切取線と対向して設けられた第2の切取線とを有する表面シートであって、表面シートが、紙、不織布、および合成紙よりなる群から選ばれるいずれか一つを含む。そして、表面シートは、表面シートを外側になるように折り曲げた際の負荷に対して追従して伸びる特性を有する。
そこで、表面のシート(表面シート)の伸び縮みと裏面のシート(基材シート)の伸び縮みとの関係をある程度分断させるために、接着層を介して、表面のシートと裏面のシートとを貼り合わせ、さらに、より折り曲げやすくするために、裏面のシートに折込線を設けた成形用貼り合せシートを検討した。
なお、基材シートも同じように密度を低くしてしまうと、成形させた際に強度が弱くなるので、表面シートの密度と基材シートの密度とに差をもたせ、表面シートの密度を基材シートの密度より低く設定すると、なおよい。
なお、基材シートと表面シートの紙の厚さが同じである場合は、折り曲げた角部の内側で強度が足りなくなるので、表面シートの厚さと基材シートの厚さとに差をもたせ、表面シートの厚さを基材シートの厚さより低く設定すると、なおよい。
基材シートに関しては、繊維長が短い材質を使用しても、切り込みに沿って折り曲げ、折り曲げた箇所は摩擦を受けないため、繊維が立ち上がる懸念はない。
これに対し、表面シートと基材シートが接着層を介して貼り合わされているため、接着層の存在によって、成形体を作製するために、成形用シートから分離するための切取線が設けられても、分離面が毛羽立つことが抑制される。また、切取線での破断が抑制される。
なお、この現象は特に、シート状物を90°以上の角度になるように折り曲げるといったくらい負荷をかけた際に発生しやすく、たいして折り曲げていない状態(90°未満の角度)で表面がこすれて割れてくる場合の割れとは発生のメカニズムが異なる。
また、図3は、箱に適用された場合の一例を示しているが、箱の形状は限定されず、予め定められた形状に適用すればよい。さらに、箱以外にも、例えば、ポップ広告(Point of purchase advertising)などの表示体に適用してもよい。
本実施形態に係る成形用貼り合せシートにおいて、表面シートは、紙、不織布、および合成紙からなる群から選ばれる材料を含む。以下、表面シートに用いる各材料について説明する。
本明細書中において、「紙」とは、繊維の水性分散液を抄造して繊維を膠着させて形成したシート状物を指す。具体的には、例えば、繊維を水に分散させて、脱水・乾燥などの湿式による過程を経て製造したシート状物である。なお、湿式による過程を経て製造したシート状物のうち、例えば、このシート状物を水流交絡により繊維を交絡させたシート状物(いわゆるスパレース不織布)、熱圧着等により、溶着および接着させて繊維を結合したシート状物など、交絡処理、結合処理などの処理によって、繊維を結合させたものは、本明細書中では、不織布に分類する。
また、例えば、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及び、チップを軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に蒸気で加熱し、リファイナーでパルプ化したケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプのパルプ繊維も挙げられる。
パルプ繊維は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。
紙の内部へ、カチオン性樹脂の浸透を抑制するためには、カチオン性樹脂を塗布する前の各紙基材のサイズ度を10秒以上60秒未満とすることがよい。
表面サイズ液の塗工表面処理や、顔料塗工層形成用の塗工液の塗工は、例えば、サイズプレス塗工、シムサイズ塗工、ゲートロール塗工、ロール塗工、バー塗工、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、ブレード塗工、カーテン塗工等の通常使用されている塗工方法によって、塗工すればよい。
また、天然接着剤として、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプンや
それらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等
の一般に知られた接着剤が挙げられる。
これらの接着剤は顔料100質量%あたり、5質量%以上50質量%以下であることがよく、10質量%以上30質量%以下が好ましい。
紙は、例えば、パルプ繊維とその他必要に応じて添加剤を含むパルプスラリーを用い、抄紙機において、ワイヤー部で脱水、プレス部で圧搾及び搾水、及びドライヤー部で乾燥等の過程を経て、ロール状又はシート状の紙基材を得る。また、必要に応じて、カレンダ等の平滑化処理を施してもよい。
本明細書中において、「不織布」とは、紙および編物を除く、繊維を織らずに形成したシート状物を指す。具体的には、例えば、繊維を湿式による過程を経て製造したシート状物、及び、繊維を乾式による過程を経て製造したシート状物であり、これらシート状物を交絡処理、結合処理などの処理によって繊維を結合させたものが含まれる。すなわち、不織布は、湿式または乾式による過程を経て製造したシート状物(紙を除く)を、交絡処理、結合処理、または交絡処理および結合処理によって繊維を結合させることで得られる。
繊維を乾式による過程を経て製造したシート状物は、例えば、カード法、エアレイ法(短繊維(例えば、有機繊維、天然繊維、無機繊維、及び金属繊維のうちの少なくとも一つの短繊維)を製造してからシート化する方法);スパンボンド法、メルトブロー法(樹脂を溶融紡糸した状態からシート化する方法);電界紡糸法(樹脂溶液または溶融状態の樹脂を電界下で紡糸した状態からシート化する方法)などの製造方法で得られたシート状物が挙げられる。そして、湿式または乾式による過程を経て製造したシート状物を交絡処理、結合処理、及びこれらの処理の組み合わせによって繊維を結合することで、表面シートに用いる不織布が得られる。
なお、不織布の繊維長の測定方法としては、光学顕微鏡及びデジタルマイクロスコープを使用した繊維観察による繊維長測定が挙げられる。
本明細書中において、「合成紙」とは、合成樹脂を含む原料を押し出してフィルムとし、このフィルムから形成したシート状物を指す。合成紙には、合成樹脂を原料として得られたフィルム上に、顔料塗工層が設けてシート状物としたものも含まれる。
ここで、本明細書中において、「フィルム」は、「フィルム」と称する場合でも「シート」に包含される。
これらの中でも、折れ割れ性の発生を抑制する点で、ポリオレフィンおよびポリエステルのいずれか一方であることがよく、ポリプロピレンおよびポリエステルのいずれか一方であることがよい。
なお、合成紙を構成する樹脂の測定方法としては、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)などで測定することができる。
本実施形態に係る成形用貼り合せシートは、表面シートと基材シートとの間に接着層が形成されている。つまり、接着層は表面シートと基材シートとを接着剤により貼り合されて形成されているものである。
接着剤としては、特に限定されず、水系接着剤、溶剤系接着剤、エマルジョン系接着剤等の公知の接着剤が挙げられる。中でも、ホットメルト接着剤が好ましい。
樹脂としては、例えば、具体的には、エチレン、プロピレン等のポリオレフィン;天然又は合成のゴム:ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;エポキシ;アクリル;ポリアシド;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン-アクリレート共重合体(EEA);エチレンメタクリル酸メチル共重合体(EMMA);などの樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂やエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。
また、ホットメルト接着剤は、上記の熱可塑性樹脂以外にも、粘着付与剤、ワックスなどを含んでいてもよい。
基材シートは、特に限定されるものはないが、例えば、紙、不織布、及び合成紙からなる群から選ばれたいずれか一つでもよい。これらの中でも、基材シートには、紙を用いることが好ましい。基材シートと表面シートとの組み合わせは、例えば、紙と紙、紙と不織布、紙と合成紙など、いずれの組み合わせでもよい。これらの中でも、表面シートおよび基材シートともに、紙を用いることがよい。
なお、表面シート側を外側になるように折り曲げたときに、基材シートは、圧縮応力を受けるが、基材シートに設けられた折込線で圧縮応力が低減されるようになっている。基材シートが紙、不織布、及び合成紙のいずれか一つであると、表面シートが受ける引張応力と均衡に近い状態となると考えられる。
なお、例えば、基材シートに紙を用い、表面シートに紙を用いる場合、表面シートは、1)紙の密度が基材シートの密度よりも低い、2)紙の厚さが基材シートよりも薄い、及び、3)紙の繊維長が基材シートの繊維長よりも長い、からなる条件の少なくとも一つを満足するものを用いると、表面シートの表面の折り曲げた部分に、折れ割れの発生が抑制されやすくなる。
紙、不織布、及び合成紙を組み合わせて積層してもよい。また、紙、不織布、及び合成紙から選択される少なくとも1種の材料を基層とし、不織布及び合成紙以外の樹脂層を基層上に積層した材料であってもよい。つまり、本実施形態に係る成形用貼り合せシートは、基層と、基層の少なくとも一方の面に設けられた樹脂層とを有する材料を表面シート及び基材シートのいずれにも適用されてもよい。また、樹脂層上には機能層(例えば、画像を形成するためのコート層など)が設けられていてもよい。基層の少なくとも一方の面に設けられた樹脂層を有する材料を、表面シート及び基材シートに用いることで、表面シートを外側になるように折り曲げた際の負荷に対して追従して伸びる表面シートとなる。
本実施形態に係る成形用貼り合せシートは、表面シートおよび基材シートのいずれか一方のシート上に、接着層を設ける第1の工程と、接着層を介して、表面シートと基材シートとを貼り合わせた貼り合せシートを得る第2の工程と、貼り合せシートの基材シート側に、折込線および第1の切取線を設け、表面シートに、接着層を介して第1の切取線と対向して第2の切取線を設ける第3の工程と、を有する。
折込線、並びに、第1の切取線および第2の切取線は、例えば、予め定められた抜き型を用いることによって設けられる。第1の切取線および第2の切取線は、成形用貼り合せシートから、成形体を作製するためのシートとして分離するために設けられるものである。一方、折込線は、成形体を作製するために折り込む部分に設けるものである。
また、折込線の深さは、折込みやすさに応じて、基材シートの表面から接着層までの範囲で設けていてもよい。なお、成形用貼り合せシートの機械的強度などが確保されるのであれば、基材シートの表面から接着層の一部までの深さで設けられていてもよい。
例えば、基材シートに形成された折込線で、基材シートが内側となるように折り曲げたときに、折込線と第1の切取線との間で基材シートが折れ曲がる、基材シートが紙である場合に、折込線と第1の切取線との間で紙層剥離が発生するなどの、折込不良の発生が抑制されるのであれば、折込線は、表面シートの表面から接着層までに達する深さでもよい。また、表面シートの表面から接着層までの間の半分以下の距離であってもよい。折り込みやすさの点で、折込線の深さは、表面シートの表面から接着層までの間の半分以上の距離が好ましい。
一方、折込線は、例えば、上記の折込不良が生じないのであれば、折込線の形状は特に限定されず、連続した線状でもよく、点線、破線、鎖線などの断続的な線状としてもよい。また、折込線は、切り込みにより形成した折込線でもよく、押し込みにより形成した折込線(押し込み筋)でもよい。折込線は、折り込み易さの点で、切り込みにより形成した折込線が好ましい。
まず、電子写真用感光体(像保持体)の表面に電荷を与え帯電させた後、その表面に、得られた画像情報を露光し、露光に対応した静電潜像を形成する。次に、前記感光体表面の静電潜像に現像器から画像形成材料であるトナーを供給することで、静電潜像がトナーによって可視化現像される(トナー画像が形成される)。さらに、形成されたトナー画像を、成形用貼り合せシートの表面シート側の表面に転写し、最後に熱や圧力などによりトナー画像が画像受像層表面に定着されて、成形用貼り合せシートが電子写真方式の画像装置から排出されて、画像が形成された成形用貼り合せシートが得られる。なお、画像は、表面シート側の表面のみでなく、基材シート側の表面にも形成されていてもよい。
なお、成形用貼り合せシートにおいて、表面シート、接着層、および基材シート、並びに、成形用貼り合せシート全体の厚みは、対象となる成形用貼り合せシートを光学顕微鏡で観察して厚みを測定すればよい。
後述の各実施例、各比較例により各記成形用貼り合せシートを作製し、各例で得られた成形用貼り合せを用いて、折れ割れ性の評価を行った。
基材シートとして、富士ゼロックス社の「Ncolor209」209g/m2を準備し、表面シートとして、王子マテリアルの晒クラフト紙「アカシア」60g/m2を準備した。次に、基材シートであるNcolor209の表面に、ホットメルト接着剤(森部商店社製「918A」)を50μmとなるように塗布して接着層を形成し、ホットメルト接着剤を塗布した面の上に、表面シートである上記の晒クラフト紙を重ねて貼り合せ、室温(25℃)になるまで冷却した。次に、基材シートおよび表面シートに、接着層を介して対向して配置するように、第1の切取線及び第2の切取線を形成した。第1の切取線及び第2の切取線は、それぞれ連続した線状の形状となるように、切り込みにより形成した。また、基材シートに形成した第1の切取線とは異なる位置に、連続した線状となるように、切り込みにより折込線を形成した。このようにして、実施例1の成形用貼り合せシートを得た。
表1にしたがって、表面シートとして、表1に示す各表面シートおよび基材シートに変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の成形用貼り合せシートを得た。
各例で得られた成形用貼り合せシートの切取線から、成形体を作製するためのシートを分離した。成形体を作製するためのシートは、基材シートに折込線のみ設けられたものとなる。このシートの折込線に沿って、基材シートが内側となるように、および表面シートが外側となるように、90°となる角度で、手で折り曲げた。また、別途、成形用貼り合せシートの切取線から、成形体を作製するためのシートを分離して、折込線が設けられた他のシートを用意し、折込線に沿って、基材シートが内側となるように、180°となる角度で、手で折り曲げた。そして、90°および180°に折り曲げた部分を光学顕微鏡により200倍で撮影し、撮影した画像を下記の評価基準にしたがって、目視および光学顕微鏡にて折れ割れ性の評価を行った。
・評価基準
A(◎) :目視でも、光学顕微鏡でも、折り割れが全く見られない。
B(○+):目視では折り割れが全くなく、光学顕微鏡ではほとんど折り割れが見られない。
C(○) :目視でも、光学顕微鏡でも、折り割れがほとんどない
D(○-):目視では折り割れがほとんどないが、光学顕微鏡では折り割れがやや見受けられる。
E(△+):目視でも、光学顕微鏡でも、折り割れがやや見受けられる。
F(△-):目視では折り割れがやや見受けられ、光学顕微鏡では、折り割れが見受けられる。
G(×) :目視では折り割れが見受けられ、光学顕微鏡では、折り割れが著しく見受けられる。
クラフト紙:王子マテリアルの晒クラフト紙「アカシア」60g/m2
厚紙1 :富士ゼロックス社の「Ncolor209」209g/m2
厚紙2 :王子エフテックス社の「フワットライト」40g/m2
不織布1:中川製作所社の「IJ不織布」89g/m2
不織布2:王子エフテックス社の「HG42」135g/m2
合成紙1:ユポ・コーポレーション社の「FGS 60」
合成紙2:東洋紡社の「クリスパーK7911」50μm
普通紙 :富士ゼロックス社の「V-Paper」64g/m2
表面シートとして、図4に示すような、紙(Ncolor104(富士ゼロックス社)からなる基層の両面に、樹脂層(厚さ20μm)が設けられ、樹脂層上に画像を形成するためのコート層(トナー受容層)が設けられているシートを準備した。そして、このシートを表面シートおよび基材シートの両方に適用し、接着層(厚さ50μm)を介して、コート層面どうしを貼り合わせた。切込み線は、樹脂層の厚さ方向の全体に設けられるが、切り込み線を設けても、1枚のシートとして画像形成装置内を走行できるように、接着層の厚さ方向の全体には切り込み線を設けないようにした。このようにして、実施例10の成形用貼り合せシートを得た。
Claims (14)
- 折込線および第1の切取線を有する基材シートと、
前記基材シート上に設けられた接着層と、
前記接着層上に設けられ、前記接着層を介して前記第1の切取線と対向して設けられた第2の切取線とを有する表面シートであって、表面シートが、紙を含み、表面シートを外側になるように折り曲げた際の負荷に対して追従して伸びる表面シートと、
を有し、
前記紙の密度が前記基材シートの密度よりも低く、
前記伸びる表面シートは、成形用貼り合せシートを、前記基材シートが内側となるように、及び前記表面シートが外側となるように、90°となる角度で、手で折り曲げたとき、前記表面シートの折り曲げた部分に折れ割れが発生しない表面シートである、成形用貼り合せシート。 - 前記表面シートにおける前記紙の密度が、0.20g/cm3以上0.80g/cm3以下である請求項1に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記表面シートにおける前記紙の厚みが、40μm以上400μm以下である請求項1に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記表面シートが紙である場合、1)紙の厚さが基材シートよりも薄い、及び、2)紙の繊維長が基材シートの繊維長よりも長い、からなる条件の少なくとも一つを満足する表面シートを有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成形用貼り合わせシート。
- 折込線および第1の切取線を有する基材シートと、
前記基材シート上に設けられた接着層と、
前記接着層上に設けられ、前記接着層を介して前記第1の切取線と対向して設けられた第2の切取線とを有する表面シートであって、表面シートが、不織布、および合成紙よりなる群から選ばれるいずれか一つを含み、表面シートを外側になるように折り曲げた際の負荷に対して追従して伸びる表面シートと、
を有し、
前記伸びる表面シートは、成形用貼り合せシートを、前記基材シートが内側となるように、及び前記表面シートが外側となるように、90°となる角度で、手で折り曲げたとき、前記表面シートの折り曲げた部分に折れ割れが発生しない表面シートである、成形用貼り合せシート。 - 前記表面シートにおける前記不織布の密度が、0.20g/cm3以上0.50g/cm3以下である請求項5に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記表面シートにおける前記不織布の繊維長が、5mm以上である請求項6に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記表面シートにおける前記合成紙の密度が、0.70g/cm3以上1.30g/cm3以下である請求項5に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記表面シートにおける前記合成紙が、ポリプロピレンおよびポリエステルのいずれか一方の樹脂を有する請求項8に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記基材シートが、紙、不織布、および合成紙からなる群のいずれか一つである請求項1又は請求項5に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記基材シートが、紙であり、表面のシートが合成紙および不織布のいずれか一つである請求項10に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記基材シート及び前記表面シートが、それぞれ基層と、前記基層の少なくとも一方の面上に設けられた樹脂層とを有する請求項1又は請求項5に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記接着層の厚さが、前記基材シート及び前記表面シートのそれぞれに設けられた樹脂層の2倍以上である請求項12に記載の成形用貼り合せシート。
- 前記接着層の厚さが、35μm以上60μm以下であり、前記樹脂層の厚さが、5μm以上30μm以下である請求項12又は請求項13に記載の成形用貼り合せシート。
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