JP4039537B2 - 紙容器用原紙、紙容器用原紙の製造法、紙容器用包材及び紙容器 - Google Patents

紙容器用原紙、紙容器用原紙の製造法、紙容器用包材及び紙容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、紙容器用原紙、紙容器用原紙の製造法、前記原紙を用いた紙容器用包材及び前記包材を用いた紙容器に関する。
より詳細には、連続した紙製包材を長手方向にチューブ状に成形し、チューブ状包材内に果汁、茶、液体乳製品などの被充填物を充填し、チューブ状包材の横断方向に所定間隔毎に横線シールを施しかつ横線シール部に沿って包材を切断して得られたブリック形状の紙製包装容器及び、紙製包材を所定の形状に裁断し、容器縦方向にシールしたブランクスを得、ブランクスの底をシールした後に上部開口から液体製品の被充填物を充填し、上部をシールして得られたゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器並びに、その容器に用いる包材、その包材に用いる原紙、その原紙の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛乳、ジュース又はその他の飲料のための包装容器は、例えば、紙/プラスチック積層の折目線が付けられた包材を長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包材内に被充填物を充填し、チューブ状包材の横断方向に横線シールを施し、先ず、クッション形若しくは枕状の一次形状に成形し、包材が帯状の場合は一定間隔に個々に切断し、折目線に沿って折畳んで最終形状に成形される。その最終形状には、ブリック状(平行6面体)の他、四角を越える多角柱状、6角柱状、8角柱状、10角柱状、4つの3角形の面を持つ四面体形状などがある。
【0003】
更に、ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器では、紙製包材を所定の形状に裁断し、容器縦方向にシールしたブランクスを得、充填機内でブランクスの底をシールした後に上部開口から牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部をシールして得られる。これらの包材には、その表面に包装容器製品の外観デザインが印刷される。
【0004】
紙容器原紙の大部分は、クラフトパルプから作られ、優れた強度と低吸水性が求められる。その種類として、晒紙(FBL)、未晒紙(UBL)、晒と未晒との抄き合わせ紙(DUPLEX)、クレーコート紙及び多層抄き合わせ紙(MB)などがある。一般に、未晒紙、半晒紙、晒紙の順に強度が高くなるが、逆に、外観及び印刷効果が劣ってくる。そのために、表を晒紙に裏を未晒紙にした晒と未晒との抄き合わせ紙はその中間的強度を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パルプから得られた従来の紙容器用原紙では、容器の容量(大きさ)に応じて剛性が必要であり、その結果、原紙はある程度の厚みが必要となり、容器形状に成形するとき包材に折れ線を形成する必要がある。しかしながら、その折れ線を形成した部分でクラック(割れ)などが生じることがあり、そこから内容物の液体が漏れることがある。また、折れ線の溝を深くすることにより、容器の形状を角張ったものとすることができるが、逆に上述のクラックの危険が大きくなり、従来の紙容器では容器形状が丸まったものとならざるを得ない。従って、容器形状が優れ、剛性が高くかつ、内容物の漏れのない安全性の高い紙容器を得ることが必ずしも容易ではない。
【0006】
この発明は、上述の背景に基づきなされたものであり、その目的とするところは、容器形状が優れ、剛性が高くかつ、内容物の漏れのない安全性の高い紙製包装容器並びに、その容器に用いる包材、その包材に用いる原紙、その原紙の製造法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、この発明により解決される。すなわち、この発明の液体用紙容器用原紙は、2枚の剛度3〜12mNの薄紙層の間に積層された剛度0〜2mNの樹脂層からなる積層体であって、積層体が薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有し、折れ目線が積層体に形成され、折れ目線に沿って折畳まれて容器が折れ目線の溝をより深く広くすることができ、折れ目線部分からの割れ発生がなく形成されることを特徴とする。
【0008】
この発明の好ましい紙容器用原紙の態様において、薄紙層の少なくとも1枚は晒紙である。
【0009】
この発明の好ましい紙容器用原紙の態様において、樹脂層は押し出されたポリオレフィンである。
【0010】
この発明の好ましい紙容器用原紙の態様において、樹脂層は押し出されたポリエチレンである。
【0011】
この発明の好ましい紙容器用原紙の態様において、樹脂層は両面に接着剤層を有する樹脂シートである。
【0012】
この発明の好ましい紙容器用原紙の態様において、剛度3〜12mNの薄紙層及び剛度0〜2mNの樹脂層である。
【0013】
この発明による紙容器用原紙の製造法は、2枚の薄紙ロールよりそれぞれ薄紙を繰り出し、2枚の薄紙間に溶融ポリオレフィンを押し出して、2枚の薄紙層の間に積層されたポリオレフィン樹脂層からなる積層体を形成し、該積層体が該薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有していることを特徴とするものである。
【0014】
この発明の好ましい紙容器用原紙の製造法の態様において、樹脂層は押し出されたポリエチレンである。
【0015】
この発明による紙容器用包材は、2枚の剛度3〜12mNの薄紙層の間に積層された剛度0〜2mNの樹脂層からなり、薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有する積層体の原紙と、
上記原紙の外側表面に塗布されたシール性を有する外側樹脂層と、
上記原紙の内側表面に塗布された内側樹脂層とからなり、折れ目線が積層体に形成され、折れ目線に沿って折畳まれて容器が折れ目線の溝をより深く広くすることができ、折れ目線部分からの割れ発生がなく形成されている。
【0016】
この発明の好ましい紙容器用包材の態様において、上記原紙と外側樹脂層との間、若しくは、外側樹脂層の外側表面に印刷インキ層を有する。
【0017】
この発明の好ましい紙容器用包材の態様において、上記原紙と内側樹脂層との間、若しくは、内側樹脂層の内側表面にバリア層を有する。
【0018】
この発明の好ましい紙容器用包材の態様において、バリア層が、アルミ箔、無機酸化物薄膜、エチレンビニルアルコール共重合体層(EVOH層)、ナイロン層から選ばれた少なくとも1つからなる。
【0019】
この発明による紙容器は、2枚の剛度3〜12mNの薄紙層の間に積層された剛度0〜2mNの樹脂層からなり、薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有する積層体の原紙と、上記原紙の外側表面に塗布されたシール性を有する外側樹脂層と、上記原紙の内側表面に塗布された内側樹脂層とからなり、所定の折れ線が形成されている包材を、前記折れ線に沿って折り曲げ、密封して、折れ目線の溝をより深く広くすることができ、折れ目線部分からの割れ発生がなく形成されている。
【0020】
【作用】
上記構成を有するこの発明による紙製包装容器並びに、その容器に用いる包材、その包材に用いる原紙、その原紙の製造法では、以下のように作用・動作する。
この発明による紙製包装容器に用いる包材は、2枚の薄紙層の間に積層された樹脂層からなる積層体を含む。薄紙層及び樹脂層各々が剛度において劣っていても2枚の薄紙層を一定間隔で保持しているので、紙の中空板として前記積層体をみることができる。従って、この積層体が前記の薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有することが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明を如何に実施するかを示す。
この発明よる紙容器用原紙は、2枚の薄紙層の間に積層された樹脂層からなる積層体であって、この積層体が前記の薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有している。
この発明において用いることができる薄紙層としては、通常、クラフトパルプから作られ、優れた強度と低吸水性が求められる。その種類として、晒紙(FBL)、未晒紙(UBL)、晒と未晒との抄き合わせ紙(DUPLEX)、クレーコート紙及び多層抄き合わせ紙(MB)などがあり、本願発明においていずれでもよい。この発明の好ましい態様において、薄紙層の少なくとも1枚は晒紙である。
【0022】
この発明における樹脂層は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂などが一般に用いられ、コストの点からポリオレフィン系樹脂がよい。この樹脂層を形成する方法としては、例えばドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットラミネーション法、押出ラミネーション法及び共押出ラミネーション法などがあり、これらはその特徴に応じて適用される。
この発明の好ましい態様において、樹脂層は押し出されたポリオレフィン、より好ましい態様において、樹脂層は押し出されたポリエチレンである。
【0023】
この発明の別の好ましい態様において、樹脂層は両面に接着剤層を有する樹脂シート、いわゆる両面接着テープである。この樹脂シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンMXD6などのアミド系樹脂などからなる。
【0024】
この発明の好ましい紙容器用原紙の態様において、剛度3〜12mNの薄紙層及び剛度0〜2mNの樹脂層であり、この発明において、薄紙層の剛度は樹脂層
の剛度より強い。
【0025】
この発明による紙容器用原紙の製造法の好ましい態様の一つが、2の薄紙ロールよりそれぞれ薄紙を繰り出し、2枚の薄紙間に溶融ポリオレフィン、好ましくは溶融ポリエチレンを押し出して、2枚の薄紙層に積層されたポリオレフィン(好ましくはポリエチレン)樹脂層からなる積層体を形成する方法である。
【0026】
この発明による紙容器用包材は、上述の原紙と、この原紙の外側表面に塗布されたシール性を有する外側樹脂層と、上記原紙の内側表面に塗布された内側樹脂層とからなることを特徴とするものである。この発明において、上記外側及び内側の樹脂層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、具体的には、従来から最内層に用いられていた低密度ポリエチレン(LDPE)の他に、内容物に対する耐性(耐油性、耐酸性、耐浸透性など)に優れた線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレンやポリエチレンを含む共押出しフィルムなどであり、その他、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンMXD6などのアミド系樹脂などからなる。
【0027】
この発明の好ましい紙容器用包材の態様において、上記原紙と外側樹脂層との間、若しくは、外側樹脂層の外側表面に印刷インキ層を有する。インキは、フレキソ印刷用水性若しくは油性のインキ、グラビア印刷用の油性インキ、オフセット印刷用の硬化性インキなどがあり、好ましい態様において、インキ層が、このインキ層と接着する他層に含まれる成分と一部共通の成分(例えば、イミン系など)を含むこともできる。
【0028】
この発明の好ましい紙容器用包材の態様において、上記原紙と内側樹脂層との間、若しくは、内側樹脂層の内側表面にバリア層を有する。バリア層としては、アルミ箔、無機酸化物薄膜、エチレンビニルアルコール共重合体層(EVOH層)、ナイロン層、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデンコートフィルムから選ばれた少なくとも1つからなる。ここで、バリヤー層としての無機酸化物の蒸着フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の厚さ10〜30μ程度の熱可塑性樹脂フィルムに対して、酸化珪素、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジュウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機酸化物による厚さ100〜5000Å好ましくは200〜1000Å程度の薄膜層を、真空蒸着,スパッタリング,化学蒸着、プラズマ化学蒸着(PCVD)等によって形成したものが利用される。この発明の好ましい紙容器用包材の態様において、バリア層が、アルミ箔、無機酸化物薄膜、エチレンビニルアルコール共重合体層(EVOH層)、ナイロン層から選ばれた少なくとも1つからなる。
【0029】
次いで、この発明よる紙容器用包材の製造法の一例を説明する。
この製造方法は、次の工程を含む。
原紙ロールから紙容器用原紙を引き出し、印刷機へ搬送し、原紙表面に文字と絵柄をオフセット印刷法で印刷し、所定の箇所にストロー若しくはスパウト用の穴を開け、更に最終の紙容器形状形成用の折れ線(クリース)を設ける。印刷を終了した積層体は、再度ロール状に巻き、ラミネーターに送る。ラミネーターにおいて、押し出し機に供給された溶融樹脂がTダイから押し出され、インキ層の外側表面に外側樹脂層が積層され、また、紙原紙の内側には、適当なラミネート加工法でバリア層を積層し、更に、そのバリア層の内側表面に樹脂最内層を製膜する。
【0030】
上記層を形成する方法としては、例えばドライラミネーション法、ウエットラミネーション法、ホットラミネーション法、押出ラミネーション法及び共押出ラミネーション法などがあり、これらはその特徴に応じて適用される。樹脂層や接着層を形成する場合は、コスト面で有利な押出ラミネーション法やサンドイッチ押出ラミネーション法を用いる。上述したように、樹脂層や接着層としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、アイオノマー樹脂などが一般に用いられ、コストの点からポリオレフィン系樹脂がよい。
【0031】
この発明において用いることができるアンカー剤塗布層は、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、アルキルチタネート、ポリウレタンなどのアンカー剤を用いグラビア印刷法、ロールコーターなどにより形成するものである。また、この発明において用いることができる接着剤層は、例えば、押出しラミネート加工法により金属と接着性を有するエチレンメタクリル酸コポリマー(EMAA)やアイオノマー(IO)などの合成樹脂を用いて、これらの製膜層を接着層として積層したものである。
【0032】
この発明による紙容器は、2枚の薄紙層の間に積層された樹脂層からなり、該薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有する積層体の原紙と、上記原紙の外側表面に塗布されたシール性を有する外側樹脂層と、上記原紙の内側表面に塗布された内側樹脂層とからなり、所定の折れ線が形成されている包材を、前記折れ線に沿って折り曲げ、密封して形成されたものである。
この発明の実施する液体食品充填分野では、連続した紙製包材を長手方向にチューブ状に成形し、チューブ状包材内に果汁、茶、液体乳製品などの被充填物を充填し、チューブ状包材の横断方向に所定間隔毎に横線シールを施しかつ横線シール部に沿って包材を切断して得られたブリック形状の紙製包装容器及び、紙製包材を所定の形状に裁断し、容器縦方向にシールしたブランクスを得、ブランクスの底をシールした後に上部開口から液体製品の被充填物を充填し、上部をシールして得られたゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器などである。
【0033】
【実施例】
この発明を以下の実施例により具体的に説明する。
実施例1
坪量70g/m2 剛度5mNの薄紙(王子製紙製UBL)と坪量80g/m2 剛度6mNの薄紙(王子製紙製UBL)とを、剛度約0mNの両面着テープを間に挟んで、ラミネータにより積層して紙容器用原紙を作成した。得られた積層体の原紙は、薄紙層(UBL剛度5m)/樹脂層(剛度約0mN)/ 薄紙層(UBL剛度6mN)の層構成を有し、その剛性は69.5mNであった。
【0034】
ロール状原紙を印刷機へ搬送し、原紙の表面に、文字と絵柄をオフセット印刷法で印刷し、所定の箇所にストロー若しくはスパウト用の穴を開け、更に最終の紙容器形状形成用の折れ線(クリース)を設ける。印刷を終了した積層体は、再度ロール状に巻かれ、ラミネーターに送られる。ラミネーターにおいて、押し出し機に供給された低密度ポリエチレンが高温でTダイから押し出され、インキ層の外側表面に低密度ポリエチレン最外層が積層され、また、紙の内側には、この押出しラミネート加工法で低密度ポリエチレン層によりのアルミニウム箔を積層し、更に、そのアルミニウム箔の内側表面に2層の低密度ポリエチレン最内層を製膜する。得られた包材は、低密度ポリエチレン最内層/低密度ポリエチレン層/アルミニウム箔/低密度ポリエチレン層/薄紙層/樹脂層/薄紙層/インキ層/低密度ポリエチレン最外層の層構成を有する。上述のように、製造された包材は、ロール状に巻かれ、スリータへ送られ、スリット幅、スリット位置が確認され規定の長さに巻き取られ、保管される。
【0035】
得られた包材は、折目線が付けられた包材であり、この包材を長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包材内に被充填物を充填し、チューブ状包材の横断方向に横線シールを施し、先ず、クッション形若しくは枕状の一次形状に成形し、包材が帯状の場合は一定間隔に個々に切断し、折目線に沿って折畳んでブリック状(平行6面体)最終形状に成形される。
【0036】
得られた紙容器は、従来の折れ目線の溝より約20%深くしたのも拘わらず、折れ目線部分で割れ(クラック)がなく、従って、中身内容物の漏れがなかった。しかも、折れ目線の溝が深いことにより、折目線に沿って折畳んで行う容器の最終成形が容易になり、容器形状に優れていた。
【0037】
実施例2
坪量50〜60g/m2 剛度約4mNの薄紙(FBL)と坪量80〜120g/m2 剛度6〜7mNの薄紙(UBLクラフト)とを、坪量8〜10g/m2 剛度約0mNの低密度ポリエチレン(LDPE)を間に挟んで、サンドウッチコーティングにより積層して紙容器用原紙を作成した。得られた積層体は、薄紙層(FBL剛度4m)/LDPE樹脂層(剛度約0mN)/ 薄紙層(UBL剛度6〜7mN)の層構成を有し、その剛性は2枚の薄紙層の剛性の合計より5倍以上を有している。
【0038】
原紙をロール状に巻き、ラミネーターに送る。ラミネーターにおいて、押し出し機に供給された低密度ポリエチレンが高温でTダイから押し出され、外側表面に低密度ポリエチレン最外層が積層され、また、紙の内側には、押出しラミネート加工法で2層の低密度ポリエチレン最内層を製膜する。次いで、印刷機へ搬送し、ポリエチレン層の表面に、文字と絵柄をオフセット印刷法で印刷し、必要に応じて所定の箇所にストロー若しくはスパウト用の穴を開け、更に最終の紙容器形状形成用の折れ線(クリース)を設ける。
【0039】
製造された包材は、所定の寸法に裁断され、ブランクスと呼ばれる包装用紙に加工される。充填機内でブランクスの底をシールした後に上部開口から牛乳、ジュース又はその他の飲料の被充填物を充填し、上部をシールして、ゲーブルトップ状(屋根型)の紙製包装容器が得られる。得られた紙容器は、従来の折れ目線の溝より約10%深くしたのも拘わらず、折れ目線部分で割れ(クラック)がなく、従って、中身内容物の漏れがなかった。しかも、折れ目線の溝が深いことにより、折目線に沿って折畳んで行う容器の最終成形が容易になり、容器形状に優れていた。
【0040】
実施例3
坪量100g/m2剛度約7mNの薄紙(FBL)と坪量80〜120g/m2剛度6〜7mNの薄紙(UBLクラフト)とを、坪量8〜10g/m2剛度約0mNの低密度ポリエチレン(LDPE)を間に挟んで、サンドウッチコーティングにより積層して紙容器用原紙を作成した。得られた積層体は、薄紙層(FBL剛度4m)/LDPE樹脂層(剛度約0mN)/ 薄紙層(UBL剛度6〜7mN)の層構成を有し、その剛性は2枚の薄紙層の剛性の合計より5倍以上を有している。
【0041】
原紙ロールを印刷機へ搬送し、原紙の表面に、文字と絵柄をオフセット印刷法で印刷し、所定の箇所にストロー若しくはスパウト用の穴を開け、更に最終の紙容器形状形成用の折れ線(クリース)を設ける。印刷を終了した積層体は、再度ロール状に巻かれ、ラミネーターに送られる。ラミネーターにおいて、押し出し機に供給された低密度ポリエチレンが高温でTダイから押し出され、インキ層の外側表面に低密度ポリエチレン最外層が積層され、また、紙の内側には、この押出しラミネート加工法で低密度ポリエチレン層によりのアルミニウム箔を積層し、更に、そのアルミニウム箔の内側表面に2層の低密度ポリエチレン最内層を製膜する。得られた包材は、低密度ポリエチレン最内層/低密度ポリエチレン層/アルミニウム箔/低密度ポリエチレン層/薄紙層/樹脂層/薄紙層/インキ層/低密度ポリエチレン最外層の層構成を有する。上述のように、製造された包材は、ロール状に巻かれ、スリータへ送られ、スリット幅、スリット位置が確認され規定の長さに巻き取られ、保管される。
【0042】
得られた包材は、折目線が付けられた包材であり、この包材を長手方向の縦線シールによりチューブ状に成形し、チューブ状に成形された包材内に被充填物を充填し、チューブ状包材の横断方向に横線シールを施し、先ず、クッション形若しくは枕状の一次形状に成形し、包材が帯状の場合は一定間隔に個々に切断し、折目線に沿って折畳んでブリック状(平行6面体)最終形状に成形される。
【0043】
得られた紙容器は、従来の折れ目線の溝より約10%深く、15%広くしたのも拘わらず、折れ目線部分で割れ(クラック)がなく、従って、中身内容物の漏れがなかった。しかも、折れ目線の溝が深いことにより、折目線に沿って折畳んで行う容器の最終成形が容易になり、かつ、容器形状に優れていた。
【0044】
【発明の効果】
上記実施例に実証されるこの発明により、以下の効果を奏する。
(a)従来の折れ目線の溝より深く、及び/又は広くすることができるので、折れ目線部分で正確に設計通りに容器に角、折り目を形成することができるので、容器形状に優れたものを得ることができる。
【0045】
(b)薄紙の剛度の5倍以上の剛度を有する原紙とすることができるので、紙使用量と比較して剛性が高く容器をえることができる。
(c)折れ目線部分からの割れ(クラック)の発生がなく、しかも、薄紙層の間に防水性効果のある樹脂層が介在するので、中身液体食品の内容物の漏れを完全に防止することができ、安全性の高い紙製包装容器を得ることができる。
【0046】
(d)従来の折れ目線の溝より深く、及び/又は広くすることができるので、紙製包装容器の製造で比較的難しい工程である折目線に沿って折畳んで行う容器の最終成形工程を容易に実施することができる。

Claims (12)

  1. 2枚の剛度3〜12mNの薄紙層の間に積層された剛度0〜2mNの樹脂層からなる積層体であって、該積層体が該薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有し、折れ目線が該積層体に形成され、該折れ目線に沿って折畳まれて容器が折れ目線の溝をより深く広くすることができ、該折れ目線部分からの割れ発生がなく形成されることを特徴とする液体用紙容器用原紙。
  2. 薄紙層の少なくとも1枚が晒紙である請求項1による紙容器用原紙。
  3. 樹脂層が押し出されたポリオレフィンである請求項1による紙容器用原紙。
  4. 樹脂層が押し出されたポリエチレンである請求項1による紙容器用原紙。
  5. 樹脂層が両面に接着剤層を有する樹脂シートである請求項1による紙容器用原紙。
  6. 2枚の薄紙ロールよりそれぞれ薄紙を繰り出し、2枚の薄紙間に溶融ポリオレフィンを押し出して、2枚の剛度3〜12mNの薄紙層の間に積層された剛度0〜2mNのポリオレフィン樹脂層からなる積層体を形成し、該積層体が該薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有し、折れ目線が該積層体に形成され、該折れ目線に沿って折畳まれて容器が折れ目線の溝をより深く広くすることができ、該折れ目線部分からの割れ発生がなく形成されていることを特徴とする液体用紙容器用原紙の製造法。
  7. 樹脂層が押し出されたポリエチレンである請求項6による紙容器用原紙の製造法。
  8. 2枚の剛度3〜12mNの薄紙層の間に積層された剛度0〜2mNの樹脂層からなり、該薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有する積層体の原紙と、
    上記原紙の外側表面に塗布されたシール性を有する外側樹脂層と、
    上記原紙の内側表面に塗布された内側樹脂層とからなり、折れ目線が該積層体に形成され、該折れ目線に沿って折畳まれて容器が折れ目線の溝をより深く広くすることができ、該折れ目線部分からの割れ発生がなく形成されている紙容器用包材。
  9. 上記原紙と外側樹脂層との間、若しくは、外側樹脂層の外側表面に印刷インキ層を有する請求項8による紙容器用包材。
  10. 上記原紙と内側樹脂層との間、若しくは、内側樹脂層の内側表面にバリア層を有する請求項8による紙容器用包材。
  11. バリア層が、アルミ箔、無機酸化物薄膜、エチレンビニルアルコール共重合体層(EVOH層)、ナイロン層から選ばれた少なくとも1つからなる請求項10による紙容器用包材。
  12. 2枚の剛度3〜12mNの薄紙層の間に積層された剛度0〜2mNの樹脂層からなり、該薄紙層各々の合計剛度より5倍以上の剛度を有する積層体の原紙と、上記原紙の外側表面に塗布されたシール性を有する外側樹脂層と、上記原紙の内側表面に塗布された内側樹脂層とからなり、所定の折れ線が形成されている包材を、前記折れ線に沿って折り曲げ、密封して、折れ目線の溝をより深く広くすることができ、折れ目線部分からの割れ発生がなく形成された紙容器。
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