JP7151260B2 - A/d変換回路 - Google Patents

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Description

本発明は、パルス信号を遅延して出力する遅延ユニットを複数個直列接続してなるパルス遅延回路を用いて、アナログ入力信号を数値データに変換するA/D変換回路に関する。
A/D変換回路は、その構成を簡単化しながら高分解能のデジタル値を取得できるように開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載のA/D変換装置は、各種ゲート回路からなる複数の遅延ユニットを直列接続してなるパルス遅延回路を備える。このA/D変換装置は、A/D変換対象となるアナログ入力信号をパルス遅延回路の電源電圧として供給すると同時に、伝送用のパルス信号(スタートパルス)を入力するように構成されている。
そしてパルス遅延回路は、各遅延ユニットの前記電源電圧に依存する遅延時間に対応した速度でパルス信号を遅延させることになり、そのパルス信号が伝達する間、所定のサンプリング時間内にパルス信号が通過した遅延ユニットの個数をカウントすることでアナログ入力信号を数値データに変換している。このA/D変換装置は、1つのパルス遅延回路と、複数のパルス位置数値化部と、サンプリングクロック発生回路とを用いて構成され、クロックエッジシフト(CKES)型のA/D変換回路と称されている。
ところで、特許文献1におけるサンプリングクロック発生回路は、Pチャネルトランジスタとnチャネルトランジスタを用いたインバータを2段縦続接続して構成されている(特許文献1の図17)。これらのインバータは、そのスイッチングレベル(閾値電圧)を互いに異なるように構成することで遅延時間を互いに異なるように設定している。これらのインバータを、一般的な平面型のMOSFET(Planar-TypeFET)を用いて構成するときには、各インバータ毎に異なるサイズ(ゲート長L、ゲート幅W)に設定する。
特開2004-007385号公報(図4、図17、「0185」-「0187」段落) 特開平5-259907号公報
近年、CMOS製造プロセスの設計ルールが急速に微細化されており、例えば所謂立体型トランジスタを用いることが検討されている。設計ルールが微細化されると、この種の原理を用いたA/D変換回路は、前述の遅延ユニット(インバータ)の遅延時間を大幅に減少させることができる。このため、遅延ユニットの個数も増加させることができ、この結果、微細化の恩恵を受けて性能良く構成できる。
より性能を上げるためには、パルス位置数値化部の個数を増加させることが考えられるが、この場合、サンプリングクロック発生回路による隣り合うサンプリングクロックのクロックエッジの時間間隔が短くなり、サンプリングクロックが多数必要になる。
しかしながら、前述のような微細化設計ルールを用いてトランジスタを構成すると設計に制約を生じる。例えばトランジスタとしてFinFETを用いると、このトランジスタのゲート幅は概ね一定となり、トランジスタのゲート幅を連続的に変更できない。トランジスタのゲート幅を連続的に変更できないため、特にサンプリングクロック発生回路を構成しにくくなる。なお、平面型のトランジスタを用いたとしても微細化が進めば同様の課題を生じてしまう。
本発明の目的は、設計ルールの微細化が進んだとしても多数のサンプリングクロックを発生させるクロック発生回路を容易に構成できるようにしたA/D変換回路を提供することにある。
請求項1記載の発明は、パルス信号を正転又は反転遅延して出力する遅延ユニットを複数個直列接続してなるパルス遅延回路を用いて、アナログ入力信号を数値データに変換するA/D変換回路を対象としている。複数のパルス位置数値化部は、パルス遅延回路が遅延ユニットを通じてパルス信号を伝送するときに当該パルス信号の位置を互いに異なるタイミングにて数値化するように構成されている。クロック発生回路は、少なくとも一段以上の複数接続されたインバータを備え、入力されるクロック基準信号に基づいて複数の互いに異なるタイミングのクロックエッジを有する複数のサンプリングクロックを出力する。
複数のインバータは、1又は複数のnチャネルトランジスタ、及び、1又は複数のpチャネルトランジスタを備え、nチャネルトランジスタのゲート共通並列接続個数と、pチャネルトランジスタのゲート共通並列接続個数との個数比率が互いに異なるように構成されている。
すると、複数のパルス位置数値化部のラッチ回路は、パルス遅延回路のパルス信号をサンプリングクロックのクロックエッジによりそれぞれ互いに異なるタイミングにてラッチすることができ、当該互いに異なるタイミングにてパルス信号の位置を数値化できる。このため処理部が、複数のパルス位置数値化部による数値化結果に基づいてA/D変換に係る数値データを出力することでA/D変換処理を実行できるようになる。
この場合、インバータのnチャネルトランジスタ及びpチャネルトランジスタの個数比率が調整されることにより、互いに異なるタイミングのクロックエッジを発生させることができるようになるため、たとえ設計ルールの微細化が進んだとしても多数のサンプリングクロックを発生させるクロック発生回路を容易に構成できる。複数のインバータは、nチャネルトランジスタ及びpチャネルトランジスタの最大個数を同一の個数にして構成されている。
第1実施形態に係るA/D変換回路の電気的構成図 インバータの電気的構成図(その1) クロック発生回路の電気的構成図 パルス位置数値化部の電気的構成図 インバータの電気的構成図(その2) インバータの電気的構成図(その3) インバータの電気的構成図(その4) インバータの電気的構成図(その5) インバータの電気的構成図(その6) インバータの電気的構成図(その7) インバータの電気的構成図(その8) インバータの電気的構成図(その9) インバータの電気的構成図(その10) FinFET構造を模式的に示す斜視図 遅延したパルス信号とサンプリングクロックのクロックエッジの時間的関係を示す説明図 第2実施形態に係るA/D変換回路の電気的構成図 クロック発生回路の電気的構成図 遅延したパルス信号とサンプリングクロックのクロックエッジの時間的関係を示す図 第3実施形態に係るナノワイヤFET構造を模式的に示す斜視図 カーボンナノチューブFET構造を模式的に示す斜視図 トンネルFET構造を模式的に示す斜視図 平面型MOSFET構造を模式的に示す斜視図
以下、A/D変換装置の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態において実質的に同一又は類似部分には同一符号又は類似符号(例えば一及び十の位に同一符号を付すと共に百の位に他の符号)を付して必要に応じて説明を省略し、各実施形態では特徴部分を中心に説明する。
(第1実施形態)
図1から図15は、第1実施形態の説明図を示している。図1は、時間A/D(TAD:Time Analog to Digital Converter)方式のA/D変換回路1を概略的に示す。このA/D変換回路1は、例えば自動車の電子制御ユニット(以下、ECU)に搭載されたマイクロコンピュータやECUとのデジタル通信機能を有するセンサ製品などの半導体集積回路装置の内部にCMOS製造プロセスを用いて構成される。このA/D変換回路1は、センサ等から出力されたアナログ入力信号Vinを入力し、このアナログ入力信号Vinをデジタル値となる数値データDTに変換して出力する。
A/D変換回路1は、リング状パルス遅延回路(以下、単にパルス遅延回路と称す)2と、クロック発生回路3と、複数のパルス位置数値化部(L&E/S: Latch-&-Encoder and Subtractor)41…48と、処理部としての加算器5とを備える。
<パルス遅延回路2の構成説明>
パルス遅延回路2は、パルス信号PAを反転遅延して出力する遅延ユニットDU(G1~G15)を複数個直列接続して例えばリング状に構成される。遅延ユニットDUは、それぞれパルス信号PAを所定の遅延時間Tdだけそれぞれ遅延させて出力するゲート回路G1~G15により構成されている。このため、以下の説明では、1又は複数の遅延ユニットを「DU」と表記したり、または「G1」…「G15」と表記することにする。パルス遅延回路2は、各遅延ユニットDU(G1~G15)の出力をパルス位置数値化部41…48に出力するように構成されている。
各ゲート回路G1~G15には、A/D変換の対象となるアナログ入力信号Vinが電源電圧(駆動電圧)として入力され、各ゲート回路G1~G15がこのアナログ入力信号Vinに応じて信号出力する。各ゲート回路G1~G15は、アナログ入力信号Vinによりその遅延時間Tdが変化するゲート回路であればどのようなものでも用いることができるが、図1に示すように、NANDゲートG1、NOTゲートG2~G15を組み合わせて遅延ユニットDUを構成することが望ましい。
図1に示すパルス遅延回路2は、初段のNANDゲートG1とその後段の偶数個のNOTゲートG2~G15とを用いて構成される。偶数個のNOTゲートG2~G15は縦続接続されており、NANDゲートG1はパルス信号PAを入力すると共に、最後段のNOTゲートG15の出力を入力して構成されている。これにより、パルス信号PAがパルス遅延回路2に入力されると、パルス遅延回路2は、このパルス信号PAを伝送し、そして周回させる。
NOTゲートG2~G15は、その回路構成をより簡単化し遅延時間Tdを極力短縮して時間分解能を高めるため、例えば図2に示すようなCMOSインバータ6を用いて構成することが望ましい。CMOSインバータ6は、例えば図2に示すように、アナログ入力信号Vinの供給ノードとグランドノードとの間にpチャネルトランジスタMpのソースドレイン間とnチャネルトランジスタMnのドレインソース間とを直列接続すると共に、当該pチャネルトランジスタMpのゲートとnチャネルトランジスタMnのゲートとが共通接続して構成される。pチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnのゲート共通接続ノードは入力端子Inとなり、nチャネルトランジスタMn及びpチャネルトランジスタMpの共通接続ドレインノードは出力端子Outとなる。
NOTゲートG2~G15が、このようなCMOSインバータ6により構成されていれば、これらのNOTゲートG2~G15をそれぞれ2個のトランジスタにより構成できるようになる。NOTゲートG2~G15が、1段のCMOSインバータ6により構成されているときには、パルス遅延回路2に入力されるパルス信号PAをLレベルからHレベルに切替えると、奇数段目ではHレベルからLレベルに切り替わると共に、偶数段目ではLレベルからHレベルに切り替わる。NOTゲートG2~G15が1段のCMOSインバータ6により構成されている場合には、遅延時間Tdを短くでき、より高速にA/D変換結果を得られる。
<クロック発生回路3の構成>
図3はクロック発生回路3の電気的構成図を示している。図3に示すように、クロック発生回路3は、インバータM1~M4を複数段(例えば4段)に備えると共に、さらにインバータM4の後段に接続されたバッファB1~Bmを通じて複数のサンプリングクロックCK1~CKmを出力する。この図3の構成では、インバータM1を1段目、インバータM2を2段目、インバータM3を3段目、インバータM4を4段目としている。なお、本実施形態ではm=8の形態を示している。
これらの複数段のインバータM1~M4にはアナログ入力信号Vinが電源電圧(駆動電圧)として与えられており、パルス遅延回路2のパルス信号PAの遅延時間Tdに合わせて、サンプリングクロックCK1~CK8の遅延時間を調整するように構成されている。このときクロック発生回路3は、基準として入力されるクロック基準信号CKsに基づいて複数のサンプリングクロックCK1~CK8を生成する。このクロック基準信号CKsは、出力P1に同期して生成される基準信号である。
複数のインバータM3は、その入力端子Inが同一ノードに複数接続されている(Inv1~Inv8参照)。このため、以下の説明では、必要に応じて、このインバータM3について「M3(Inv1~Inv8)」、「Inv1~Inv8」と表記して説明する。この図3に示す例では、1段目、2段目にそれぞれ1つのインバータM1、M2が縦続接続されており、その2段目のインバータM2の出力端子Outが3段目の複数のインバータM3(Inv1~Inv8)の入力端子Inに接続されている。
1段目のインバータM1は、クロック基準信号CKsを入力してパルスを伝達し2段目のインバータM2に出力する。2段目のインバータM2もまたパルスを伝達し3段目の複数のインバータM3(Inv1~Inv8)に出力する。この2段目のインバータM2による出力をクロック基準信号CKsaとする。3段目の複数のインバータM3(Inv1~Inv8)は、クロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを相対的に変化させる。
これらの3段目の複数のインバータM3(Inv1~Inv8)の後段の4段目には、それぞれさらに複数のインバータM4がそれぞれ接続されている。これらの4段目のインバータM4の後段には、パルス位置数値化部41…48のラッチ回路12を駆動するため、バッファB1~B8が接続されている。
1段目、2段目、4段目のインバータM1、M2、M4は、図2に示すpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnを組み合わせてなるCMOSインバータ6を用いて構成されている。例えば、1段目、4段目のインバータM1、M4は、遅延時間TdのCMOSインバータ6を用いて構成され、2段目のインバータM2は、その2倍の駆動能力を備えるように構成され、遅延ユニットDUのゲート回路G2~G15の遅延時間Tdに比較して例えば1/2の立上り/立下り時間の遅延時間Td/2の特性を備える。
また3段目の複数のインバータM3(Inv1~Inv8)は、互いに異なる構成となっている。これらの3段目の複数のインバータM3(Inv1~Inv8)は、図2のCMOSインバータ6の構成を用いても良いが、その他にも図5~図13のインバータ106…906の構成を用いても良い。
図5~図13に示すインバータ106…906は、図2に示すCMOSインバータ6の構成を基本構成とし、pチャネルトランジスタMpのゲート共通並列接続個数、及び、nチャネルトランジスタMnのゲート共通並列接続個数の何れかが異なる構成となっている。このため以下では、3段目のインバータInv1~Inv8の構成を、必要に応じてpチャネルトランジスタMpとnチャネルトランジスタMnのゲート共通並列接続個数を用いて表記する。
図2に示すCMOSインバータ6は、pチャネルトランジスタMpが1個、nチャネルトランジスタMnが1個であるため、(p、n)=(1、1)と表記できる。同様に、図5から図13に示すCMOSインバータ106…906は、それぞれ、図5→(p、n)=(3、1)、図6→(p、n)=(3、2)、図7→(p、n)=(4、2)、図8→(p、n)=(5、2)、図9→(p、n)=(1、2)、図10→(p、n)=(1、3)、図11→(p、n)=(2、3)、図12→(p、n)=(2、4)、図13→(p、n)=(2、5)と表記できる。
このような図5~図13に示すインバータ106…906は、微細化されたプロセスを用いて構成することで、従来より用いられている平面型(Planar-type)のCMOSインバータに比較してより集積度を増すことができる。このプロセスを用いて構成可能なトランジスタ構造としては、図14に斜視図を示すFinFET構造7がある。
このFinFET構造7は、シリコン基板8の表面に必要な不純物(例えばp型、n型)をドーピングした後、ある一方向の並行線状に素子分離溝を形成し、素子分離溝内に酸化物9を堆積して素子分離すると共にフィン10を構成し、このフィン10及び酸化物9の上からシリコン等の導電物を堆積することでゲート構造11を構成する。このFinFET構造7は、例えば7nm程度の設計ルールにより形成される。このFinFET構造7は、素子分離領域により分離されたフィン10をソース/ドレインとして備える。
この図14に示すように、フィン10は複数離間して一方向に並設され、ゲート構造11がこれらの複数のフィン10を覆うように構成されている。このため、ゲート構造11が複数のフィン10を覆う複数個のトランジスタMp(又はMn)を容易に構成できる。このようなFinFET構造7を採用することで単位体積当たりのトランジスタMp、Mnのゲート共通並列接続個数を多くできる。ドーピングする不純物が変更されることで、pチャネルトランジスタMp、nチャネルトランジスタMnを作り分けることができる。したがって、このようなFinFET構造7を用いることで図5~図13に示すインバータ106…906を容易に構成できる。
次に、3段目の各インバータM3(Inv1~Inv8)におけるnチャネルトランジスタMnの個数、pチャネルトランジスタMpの個数の設定方法について説明する。
nチャネルトランジスタMnにおける電子移動度はpチャネルトランジスタMpにおける正孔移動度より大きい。このため、nチャネルトランジスタMnはpチャネルトランジスタMpより高速動作する。したがってpチャネルトランジスタMpのゲート共通並列接続個数をnチャネルトランジスタMnのゲート共通接続個数に比較して多くすることで、クロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを長くできる。また逆にpチャネルトランジスタMpのゲート共通並列接続個数をnチャネルトランジスタMnのゲート共通並列接続個数に比較して少なくすることでクロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを短くできる。
言い換えれば、インバータM3(Inv1~Inv8)を構成するnチャネルトランジスタMnの個数が1であり、pチャネルトランジスタMpの個数が2以上となっていれば、クロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを大きくできる。またnチャネルトランジスタMnの個数を1以上とすれば、設計の自由度を増すことができる。
またさらに言い換えれば、インバータM3(Inv1~Inv8)を構成するnチャネルトランジスタMnの個数が2以上であり、pチャネルトランジスタMpの個数が1となっていれば、クロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを小さくできる。またpチャネルトランジスタMpの個数を1以上とすれば、設計の自由度を増すことができる。
さらに言い換えると、各インバータM3(Inv1~Inv8)は、これらのpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの個数をそれぞれ変化させることで当該インバータM3(Inv1~Inv8)のスイッチングレベル(閾値電圧)を変更できる。
例えば図15に示すように、サンプリングクロックCK1のクロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを最短にするためには、インバータInv1におけるpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnのゲート共通接続個数の個数比率p/nを最小とすることが望ましい。また図15に示すように、サンプリングクロックCK8のクロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを最長にするためには、インバータInv8におけるpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnのゲート共通接続個数の個数比率p/nを最大とすることが望ましい。そして、これらの間のインバータInv2~Inv7の個数比率p/nをインバータInv2からインバータInv7にかけて徐々に大きくすると良い。
各インバータInv1~Inv8におけるpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnのゲート共通接続個数の組合せ例を挙げると、以下の(A1)のように設定することが望ましい。
(A1)組合せ例A1
インバータInv1:(p、n)=(1、5)(個数比率p/n=0.2)
インバータInv2:(p、n)=(2、5)(個数比率p/n=0.4)
インバータInv3:(p、n)=(3、5)(個数比率p/n=0.6)
インバータInv4:(p、n)=(4、5)(個数比率p/n=0.8)
インバータInv5:(p、n)=(5、5)(個数比率p/n=1.0)
インバータInv6:(p、n)=(5、4)(個数比率p/n=1.25)
インバータInv7:(p、n)=(5、3)(個数比率p/n=1.66…)
インバータInv8:(p、n)=(5、2)(個数比率p/n=2.5)
また、個数比率p/nが合致していれば、立上り遅延時間差ΔTが概ね同一となる。このため、例えば、インバータInv5のpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの各個数=5を減らすことで、以下の(A2)のように設定しても良い。
(A2)組合せ例A2
インバータInv1:(p、n)=(1、5)(個数比率p/n=0.2)
インバータInv2:(p、n)=(2、5)(個数比率p/n=0.4)
インバータInv3:(p、n)=(3、5)(個数比率p/n=0.6)
インバータInv4:(p、n)=(4、5)(個数比率p/n=0.8)
インバータInv5:(p、n)=(1、1)(個数比率p/n=1.0)
インバータInv6:(p、n)=(5、4)(個数比率p/n=1.25)
インバータInv7:(p、n)=(5、3)(個数比率p/n=1.66…)
インバータInv8:(p、n)=(5、2)(個数比率p/n=2.5)
(A1)の例では、インバータInv5~Inv8におけるpチャネルトランジスタMpの個数、インバータInv1~Inv5におけるnチャネルトランジスタMnの個数、をそれぞれ最大個数である同一個数=5に揃えることができるため、プロセスに起因した特性ばらつきを抑制できる。すなわち、各インバータInv1~Inv8は、pチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの何れかの個数を同一の最大個数=5にしているため、プロセスに起因した特性ばらつきを抑制できる。
他方(A2)に示したように、インバータInv5は、nチャネルトランジスタMnの個数とpチャネルトランジスタMpの個数は、その一方の個数を他方の個数により割り切った条件を満たす個数となっているため、(A1)と概ね同等の特性としながら、(A1)の例に比較してインバータInv5のpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの個数をそれぞれ少なくできる。この結果、構成サイズを削減できる。このため、設計事情に合わせて、前述のインバータInv1~Inv8を構成するpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの個数の組合せを選択すると良い。
またその他、下記の(A3)のように、nチャネルトランジスタMnの個数を合わせて設定しても良い。
(A3)組合せ例A3
インバータInv1:(p、n)=(1、8)(個数比率p/n=1/8)
インバータInv2:(p、n)=(2、8)(個数比率p/n=1/4)
インバータInv3:(p、n)=(3、8)(個数比率p/n=3/8)
インバータInv4:(p、n)=(4、8)(個数比率p/n=1/2)
インバータInv5:(p、n)=(5、8)(個数比率p/n=5/8)
インバータInv6:(p、n)=(6、8)(個数比率p/n=3/4)
インバータInv7:(p、n)=(7、8)(個数比率p/n=7/8)
インバータInv8:(p、n)=(8、8)(個数比率p/n=1)
また、個数比率p/nが一致していれば遅延時間も概ね同一となるため、インバータInv8:(p、n)=(1、1)としても良いし、インバータInv2:(p、n)=(1、4)、インバータInv4:(p、n)=(1、2)、インバータInv6:(p、n)=(3、4)のように個数を設定しても良い。
また以下の(A4)の例のように、pチャネルトランジスタMpの個数を合わせて設定しても良い。
(A4)組合せ例A4
インバータInv1:(p、n)=(8、8)(個数比率p/n=1)
インバータInv2:(p、n)=(8、7)(個数比率p/n=8/7)
インバータInv3:(p、n)=(8、6)(個数比率p/n=4/3)
インバータInv4:(p、n)=(8、5)(個数比率p/n=8/5)
インバータInv5:(p、n)=(8、4)(個数比率p/n=2)
インバータInv6:(p、n)=(8、3)(個数比率p/n=8/3)
インバータInv7:(p、n)=(8、2)(個数比率p/n=4)
インバータInv8:(p、n)=(8、1)(個数比率p/n=8)
また、個数比率p/nが一致していれば遅延時間も概ね同一となるため、インバータInv1:(p、n)=(1、1)としても良いし、インバータInv3:(p、n)=(4、3)、インバータInv5:(p、n)=(2、1)、インバータInv7:(p、n)=(4、1)としても良い。
各インバータInv1~Inv8の間において、nチャネルトランジスタMnのゲート共通並列接続個数とpチャネルトランジスタMpのゲート共通並列接続個数との個数比率p/nが互いに異なるように構成されていれば、どのように個数を設定しても良い。各インバータInv1~Inv8のpチャネルトランジスタMpとnチャネルトランジスタMnの個数比率p/nが、(A1)~(A4)のように順に大きくなるように設定されていると、インバータInv1~Inv8のクロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを順に大きくできる。
クロック発生回路3が、複数のパルス位置数値化部41…48に出力するサンプリングクロックCK1~CK8の周期Tsは、遅延ユニットDU(G1~G15)の各遅延時間Tdに比較して十分長い所定時間に設定されている。
このとき図15に示すように、各サンプリングクロックCK1~CK8は、その隣り合うクロックエッジの時間差Δtが、遅延時間Tdを1/8(=1/m)した一定時間となるように、各インバータInv1~Inv8のpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの個数が設定されていることが望ましい。このクロック発生回路3は所定の時間差Δtを単位として、位相シフトされたサンプリングクロックCK1~CK8を発生できる。
パルス遅延回路2の各遅延ユニットDUの立上り/立下りの時間は、図15に示すように各サンプリングクロックCK1~CK8の立上り/立下りの時間より長くなる。これは、クロック発生回路3の最後段におけるドライバ用のバッファB1~B8の駆動能力が、パルス遅延回路2を構成するゲート回路G2~G15の駆動能力より高いためである。
またパルス遅延回路2の遅延ユニットDUの接続段数は、各パルス位置数値化部41…48が入力するサンプリングクロックCK1~CK8の周期Tsに同期して所定回数の数値化動作を実行できるように、サンプリングクロックCK1~CK8の周期Tsに比較して十分に長い時間だけパルス信号PAを伝送可能な段数に設定されている。
<パルス位置数値化部41…48の構成>
図1に参照図面を戻して全体構成説明を続ける。複数のパルス位置数値化部41…48は、サンプリングクロックCK1~CK8の立上り(又は立下り)のクロックエッジのタイミングに同期して、そのサンプリングクロックCK1~CK8の一周期内にパルス遅延回路2の内部にてパルス信号PAが通過した遅延ユニットDCの個数を検出し、その検出結果を表す数値データDTAを出力する。
特に、複数のパルス位置数値化部41…48は、数値化したパルス信号PAの位置の前回値と今回値との偏差に基づいて、各サンプリングクロックCK1~CK8の一周期内にパルス遅延回路2の内部にてパルス信号PAが通過した遅延ユニットDUの個数を算出することで数値データDT(DT1~DTm)を生成出力する。
図4は、各パルス位置数値化部41…48の内部の電気的構成を概略的に示す。各パルス位置数値化部41…48は、ラッチ回路12と、パルスセレクタ13と、エンコーダ14と、ラッチ回路15と、減算器16とを備えており、互いに同一構成である。
ラッチ回路12は、それぞれ対応したサンプリングクロックCK1~CK8のクロックエッジのタイミングに同期して、パルス遅延回路2の各遅延ユニットDUの出力のH/Lレベルをラッチする。パルスセレクタ13は、ラッチ回路12によりラッチされた各遅延ユニットDUの出力に基づいて、遅延ユニットDUの出力が、HレベルからLレベル、または、LレベルからHレベル、に変化する位置を検出する。これにより、パルスセレクタ13は、パルス遅延回路2を周回するパルス信号PAの到達位置を検出できる。パルス位置数値化部41…48のパルスセレクタ13は、パルス遅延回路2内で隣接する遅延ユニットDUの出力が同レベルとなるタイミング(位置)をパルス信号PAの到達位置として検出する。
エンコーダ14は、パルスセレクタ13による検出結果を数値データDTに変換するように構成され、これによりパルス遅延回路2の内部のパルス信号PAの到達位置を数値化する。ラッチ回路15は、エンコーダ14から出力されるデータをラッチすることで前回値として格納する。減算器16は、エンコーダ14から出力されるデータの現在値から、ラッチ回路15に格納されたデータの前回値を減算し、この減算データを数値データDT(DT1~DT8)として出力する。
加算器5は、複数のパルス位置数値化部41…48により出力されるm個の数値化結果である数値データDT1~DTmを加算することで「n+logm」ビットの数値データDTAを生成する。加算器5に代えて各種の処理部を設けても良く、この処理部は、複数のパルス位置数値化部41…48の数値化結果に基づいて数値データDTAを出力するようになっていれば良い。
このように構成されたA/D変換回路1は、各遅延ユニットDUの遅延時間Tdがアナログ入力信号Vinの信号電圧レベルの大きさに応じて変化する。アナログ入力信号Vinの信号電圧レベルが高いほど、各遅延ユニットDUを構成するトランジスタMp、Mnのオン抵抗が低下するため、遅延時間Tdが短くなる。逆に、アナログ入力信号Vinの信号電圧レベルが低いほど、各遅延ユニットDUを構成するトランジスタMp、Mnのオン抵抗が高くなるため、遅延時間Tdが長くなる。したがって、アナログ入力信号Vinの信号電圧レベルの大きさに応じて、複数のパルス位置数値化部41…48が数値化する数値データDT(DT1~DT8)も変化することになり、アナログ入力信号Vinに対応した数値データDT1~DT8を加算した数値データDTAをA/D変換データとして取得できる。
各パルス位置数値化部41…48は、それぞれ入力するサンプリングクロックCK1~CKmのクロックエッジのタイミングに応じて動作する。図15は、各遅延ユニットDUの出力P1~P15の一部である出力P1~P4、クロック基準信号CKsa、各サンプリングクロックCK1~CK8のクロックエッジの一部を示している。
パルス位置数値化部41…48のラッチ回路12は、サンプリングクロックCK1~CK8のクロックエッジのタイミングにてラッチする。このためラッチ回路12が、細分化されたサンプリングクロックCK1~CKmのクロックエッジのタイミングにてラッチすることでH/Lレベルの何れかのレベルを検出し、パルスセレクタ13が、このラッチ回路12の出力について、HからLレベル、LからHレベルに変化する位置を検出することで、パルス信号PAの到達タイミング(到達位置)を検出できる。
この結果、各パルス位置数値化部41…48から出力される数値データDT1~DT8は、各サンプリングクロックCK1~CK8に同期すると共に、互いに異なるタイミングにて更新される。そして加算器5は、これらの数値データDT1~DT8を入力して加算するため、A/D変換データDTAは、各サンプリングクロックCK1~CK8の一周期の時間Tsの中で各パルス位置数値化部41…48により取得された数値データDT1~DT8を平均化した値に対応して得られることになる。この数値データDTAの分解能は、パルス位置数値化部41…48から得られる数値データDT1~DT8の分解能に比較して高分解能になり、しかも、加算されるビット数m(この場合8)に応じて高分解能になる。
本実施形態によれば、クロック発生回路3がインバータInv1~Inv8を備えているが、これらのインバータInv1~Inv8は、nチャネルトランジスタMn及びpチャネルトランジスタMpをCMOSインバータ6…906として備え、nチャネルトランジスタMnのゲート共通並列接続個数と、pチャネルトランジスタMpのゲート共通並列接続個数との個数比率p/nが互いに異なるように構成されている。この結果、たとえ設計ルールが微細化されたとしてもクロック発生回路3を容易に構成できる。
また、インバータInv1~Inv8のpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnがFinFET構造7を用いて構成されている。このため立体型トランジスタを用いて構成できる。
(第2実施形態)
図16から図18は、第2実施形態の説明図を示している。第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下では異なる部分を説明する。図16は図1に代わるA/D変換回路201の電気的構成図を示している。
図16に示すように、A/D変換回路201は、パルス遅延回路2と、クロック発生回路203と、複数のパルス位置数値化部41…416と、処理部としての加算器5とを備える。パルス遅延回路2は、第1実施形態の構成と同様であるため説明を省略する。
図17に示すように、クロック発生回路203は、インバータM1~M4を複数段(例えば4段)に備えると共に、さらにその後段のバッファB1~Bmを通じて複数のサンプリングクロックCK1~CKmを出力する。ここで、インバータM1を1段目、インバータM2を2段目、インバータM3を3段目、インバータM4を4段目として示している。なお本実施形態ではm=16の形態を示している。これらの複数段のインバータM1~M4にはアナログ入力信号Vinが電源電圧(駆動電圧)として与えられており、パルス遅延回路2のパルス信号PAの遅延時間Tdに合わせてサンプリングクロックCK1~CK16のクロックエッジの遅延時間を調整するように構成されている。このとき、クロック発生回路203は、基準として入力されるクロック基準信号CKsに基づいて複数のサンプリングクロックCK1~CK16を生成する。このクロック基準信号CKsは、出力P1に同期して生成される基準信号である。
複数のインバータM3は、その入力端子Inが同一ノードに複数接続されている(Inv1~Inv16参照)。このため、以下の説明では、必要に応じて、このインバータM3について「M3(Inv1~Inv16)」、「Inv1~Inv16」と表記して説明する。この図17に示す例では、1段目、2段目にそれぞれ1つのインバータM1、M2が縦続接続されており、その2段目のインバータM2の出力端子Outが3段目の複数のインバータM3(Inv1~Inv16)の入力端子Inに接続されている。
次に、3段目の各インバータM3(Inv1~Inv16)を構成するpチャネルトランジスタMpとnチャネルトランジスタMnの各個数の設定方法について説明する。このとき、各インバータInv1~Inv16におけるpチャネルトランジスタMpとnチャネルトランジスタMnのゲート共通接続個数の組合せ例を挙げると、以下の(B1)のように設定することが望ましい。
(B1)組合せ例B1
インバータInv1:(p、n)=(1、9)(個数比率p/n=1/9)
インバータInv2:(p、n)=(2、9)(個数比率p/n=2/9)
インバータInv3:(p、n)=(3、9)(個数比率p/n=3/9)
インバータInv4:(p、n)=(4、9)(個数比率p/n=4/9)
インバータInv5:(p、n)=(5、9)(個数比率p/n=5/9)
インバータInv6:(p、n)=(6、9)(個数比率p/n=2/3)
インバータInv7:(p、n)=(7、9)(個数比率p/n=7/9)
インバータInv8:(p、n)=(8、9)(個数比率p/n=8/9)
インバータInv9:(p、n)=(9、9)(個数比率p/n=1.0)
インバータInv10:(p、n)=(9、8)(個数比率p/n=9/8)
インバータInv11:(p、n)=(9、7)(個数比率p/n=9/7)
インバータInv12:(p、n)=(9、6)(個数比率p/n=3/2)
インバータInv13:(p、n)=(9、5)(個数比率p/n=9/5)
インバータInv14:(p、n)=(9、4)(個数比率p/n=9/4)
インバータInv15:(p、n)=(9、3)(個数比率p/n=3.0)
インバータInv16:(p、n)=(9、2)(個数比率p/n=9/2)
また、個数比率p/nが合致していれば、立上り遅延時間差ΔTが概ね同一となる。このため、例えば、インバータInv9のpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの各個数=9を減らすことで、以下の(B2)のように設定しても良い。
(B2)組合せ例B2
インバータInv1:(p、n)=(1、9)(個数比率p/n=1/9)
インバータInv2:(p、n)=(2、9)(個数比率p/n=2/9)
インバータInv3:(p、n)=(3、9)(個数比率p/n=3/9)
インバータInv4:(p、n)=(4、9)(個数比率p/n=4/9)
インバータInv5:(p、n)=(5、9)(個数比率p/n=5/9)
インバータInv6:(p、n)=(6、9)(個数比率p/n=2/3)
インバータInv7:(p、n)=(7、9)(個数比率p/n=7/9)
インバータInv8:(p、n)=(8、9)(個数比率p/n=8/9)
インバータInv9:(p、n)=(1、1)(個数比率p/n=1.0)
インバータInv10:(p、n)=(9、8)(個数比率p/n=9/8)
インバータInv11:(p、n)=(9、7)(個数比率p/n=9/7)
インバータInv12:(p、n)=(9、6)(個数比率p/n=3/2)
インバータInv13:(p、n)=(9、5)(個数比率p/n=9/5)
インバータInv14:(p、n)=(9、4)(個数比率p/n=9/4)
インバータInv15:(p、n)=(9、3)(個数比率p/n=3.0)
インバータInv16:(p、n)=(9、2)(個数比率p/n=9/2)
(B1)の例では、インバータInv9~Inv16におけるpチャネルトランジスタMpの個数、インバータInv1~Inv9におけるnチャネルトランジスタMnの個数、をそれぞれ最大個数である同一個数=9に揃えることができるため、プロセスに起因した特性ばらつきを抑制できる。すなわち、各インバータInv1~Inv16は、pチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの何れかの個数を同一の最大個数=9にしているため、プロセスに起因した特性ばらつきを抑制できる。
他方(B2)に示したように、インバータInv9におけるnチャネルトランジスタMnの個数とpチャネルトランジスタMpの個数は、その一方の個数を他方の個数により割り切った条件を満たす個数となっている。このため、(B1)と同等の特性としながらインバータInv9のpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの個数をそれぞれ少なくできる。この結果、構成サイズを削減できる。このため、設計事情に合わせて、前述のインバータInv1~Inv16を構成するpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの個数の組合せを選択すると良い。
また、その他、下記の(B3)のように、nチャネルトランジスタMnの個数を合わせて設定しても良い。
(B3)組合せ例B3
インバータInv1:(p、n)=(1、16)(個数比率p/n=1/16)
インバータInv2:(p、n)=(2、16)(個数比率p/n=1/8)
インバータInv3:(p、n)=(3、16)(個数比率p/n=3/16)
インバータInv4:(p、n)=(4、16)(個数比率p/n=1/4)
インバータInv5:(p、n)=(5、16)(個数比率p/n=5/16)
インバータInv6:(p、n)=(6、16)(個数比率p/n=3/8)
インバータInv7:(p、n)=(7、16)(個数比率p/n=7/16)
インバータInv8:(p、n)=(8、16)(個数比率p/n=1/2)
インバータInv9:(p、n)=(9、16)(個数比率p/n=9/16)
インバータInv10:(p、n)=(10、16)(個数比率p/n=5/8)
インバータInv11:(p、n)=(11、16)(個数比率p/n=11/16)
インバータInv12:(p、n)=(12、16)(個数比率p/n=3/4)
インバータInv13:(p、n)=(13、16)(個数比率p/n=13/16)
インバータInv14:(p、n)=(14、16)(個数比率p/n=7/8)
インバータInv15:(p、n)=(15、16)(個数比率p/n=15/16)
インバータInv16:(p、n)=(16、16)(個数比率p/n=1)
また、個数比率p/nが一致していればインバータM3の遅延時間も概ね同一となるため、インバータInv16:(p、n)=(1、1)の個数としても良いし、インバータInv2:(p、n)=(1、8)、インバータInv4:(p、n)=(1、4)、インバータInv6:(p、n)=(3、8)、インバータInv8:(p、n)=(1、2)、インバータInv10:(p、n)=(5、8)、インバータInv12:(p、n)=(1、4)、インバータInv14:(p、n)=(7、8)のように個数を設定しても良い。
また以下の(B4)の例のように、pチャネルトランジスタMpの個数を合わせて設定しても良い。
(B4)組合せ例B4
インバータInv1:(p、n)=(16、16)(個数比率p/n=1)
インバータInv2:(p、n)=(16、15)(個数比率p/n=16/15)
インバータInv3:(p、n)=(16、14)(個数比率p/n=8/7)
インバータInv4:(p、n)=(16、13)(個数比率p/n=16/13)
インバータInv5:(p、n)=(16、12)(個数比率p/n=4/3)
インバータInv6:(p、n)=(16、11)(個数比率p/n=16/11)
インバータInv7:(p、n)=(16、10)(個数比率p/n=8/5)
インバータInv8:(p、n)=(16、9)(個数比率p/n=16/9)
インバータInv9:(p、n)=(16、8)(個数比率p/n=2)
インバータInv10:(p、n)=(16、7)(個数比率p/n=16/7)
インバータInv11:(p、n)=(16、6)(個数比率p/n=8/3)
インバータInv12:(p、n)=(16、5)(個数比率p/n=16/5)
インバータInv13:(p、n)=(16、4)(個数比率p/n=4)
インバータInv14:(p、n)=(16、3)(個数比率p/n=16/3)
インバータInv15:(p、n)=(16、2)(個数比率p/n=8)
インバータInv16:(p、n)=(16、1)(個数比率p/n=16)
また、個数比率p/nが一致していれば遅延時間も概ね同一となるため、インバータInv1:(p、n)=(1、1)としても良いし、インバータInv3:(p、n)=(8、7)、インバータInv5:(p、n)=(4、3)、インバータInv7:(p、n)=(8、5)、インバータInv9:(p、n)=(2、1)、インバータInv11:(p、n)=(8、3)、インバータInv13:(p、n)、=(4、1)、インバータInv15:(p、n)=(8、1)としても良い。
このように、各インバータInv1~Inv16の間において、nチャネルトランジスタMnのゲート共通並列接続個数とpチャネルトランジスタMpのゲート共通並列接続個数との個数比率p/nが互いに異なるように構成されていれば、どのように個数を設定しても良い。各インバータInv1~Inv16のpチャネルトランジスタMpとnチャネルトランジスタMnの個数比率p/nが、(B1)~(B4)のように順に大きくなるように設定されていると、インバータInv1~Inv16のクロックエッジの立上り遅延時間差ΔTを順に大きくできる。
このとき図18に示すように、各サンプリングクロックCK1~CK16は、その隣り合うクロックエッジの時間差Δtが、遅延時間Tdを1/16(=1/m)した一定時間となるように、各インバータInv1~Inv16のpチャネルトランジスタMp及びnチャネルトランジスタMnの個数が設定されていることが望ましい。
クロック発生回路203のその他の構成は、第1実施形態のクロック発生回路3と同様であるため説明を省略する。また、図16に示したパルス位置数値化部41…416の構成も第1実施形態のパルス位置数値化部41…48の構成と同様であるため説明を省略する。
このときm=16となるため、パルス位置数値化部41…416のラッチ回路12は、第1実施形態の構成に比較して、遅延時間Tdをさらに短く分割したサンプリングクロックCK1~CK16のクロックエッジのタイミングにてラッチできるようになる。ビット数mが16になるため、第1実施形態に比較してさらに高分解能にできる。
(第3実施形態)
図19から図22は、第3実施形態の説明図を示している。第3実施形態では、FinFET構造7に代わるトランジスタ構造を説明する。図19は、ナノワイヤFET構造307a、307b及びこのナノワイヤFET構造307a、307bを用いたインバータ1006を示している。
この図19に示すように、シリコン基板21の上には絶縁膜(図示せず)を挟んで一対の下部配線層22、23がレイヤL1に離間して構成されている。一方の下部配線層22の上方にはビア24を通じてレイヤL3に配線層25が構成されている。この配線層25はグランド電位に接地される。他方の下部配線層23の上方にはビア26を通じてレイヤL3に配線層27が構成されている。この配線層27はアナログ入力信号Vinが印加される層である。これらの一対の下部配線層22、23の上には、それぞれナノワイヤFET構造307a、307bが例えば縦方向に構成されている。
下部配線層22の上方にはレイヤL3に上部配線層28が構成されており、この上部配線層28と下部配線層22との間のレイヤL2に中間ゲート層29を備えている。この図19に示すナノワイヤFET構造307aは、上部配線層28と一方の下部配線層22との間に中間ゲート層29を貫通するナノワイヤチャネル30を備えている。
また上部配線層28は下部配線層23の直上方に構成されており、この上部配線層28と下部配線層23との間のレイヤL2に中間ゲート層31を備えている。また、ナノワイヤFET構造307bは、上部配線層28と他方の下部配線層23との間に中間ゲート層31を貫通するナノワイヤチャネル32を備えている。また中間ゲート層29及び31はレイヤL2において連結部33にて結合されており、この連結部33の上にはビア34を通じて上部配線層35がレイヤL3に構成されている。
レイヤL3の上部配線層28は、インバータ1006の出力端子Voutに対応する層である。レイヤL3の上部配線層35は、インバータ1006のゲート電圧を入力する入力端子Inに対応する層である。これにより、ナノワイヤFET構造307a、307bが構成されている。このようなナノワイヤFET構造307a、307bを用いたインバータ1006を、前述実施形態で説明したインバータ6…906に代えて用いることができる。
また図20は、FinFET構造7に代わるカーボンナノチューブFET構造507を模式的に示している。このカーボンナノチューブFET構造507は、カーボンナノチューブ507aをチャネル50として利用した電界効果トランジスタである。カーボンナノチューブ507aは、炭素原子(C)を網目のように結ぶことで筒状に構成されている。カーボンナノチューブ507aの一部を覆うようにゲート電極51が構成されており、このゲート電極51の両脇に離間してソース/ドレイン電極52、53が構成されている。このようなカーボンナノチューブFET構造507は、例えば他の配線層(図示せず)を用いてゲート電極51の電位を共通にして複数接続することで、トランジスタMp、Mnのゲート共通並列接続個数を変化させることができる。しかもインバータ6…906は、このカーボンナノチューブFET構造507を図示しない配線層を用いて接続することで構成できる。
図21はトンネルFET構造607を模式的に示す。このトンネルFET構造607は、トンネル効果を利用した電界効果トランジスタである。トンネルFET構造607は、シリコン基板21の下に絶縁膜(図示せず)を介してソース電極層61を備える。
また、シリコン基板21の上部から上方に向けてチャネル62が上部配線層63まで延設されている。上部配線層63はドレイン電極として用いられる。またチャネル62の側部を覆うと共にシリコン基板21の上の一部を覆うようにゲート電極64が構成されている。ゲート電極64とシリコン基板21との間には絶縁膜65が構成されている。図21に示すように、このようなトンネルFET構造607は、そのゲート電極64の電位を共通にした構造を複数並設でき、トランジスタMp、Mnのゲート共通並列接続個数を変化させることができる。しかもインバータ6…906は、トンネルFET構造607を用いて図示しない配線層を用いて接続することで構成できる。
また図22は平面型トランジスタ構造707を模式的な斜視図により示している。この平面型トランジスタ構造707は、シリコン基板21の上にゲート絶縁膜(図示せず)を介してゲート電極51が構成されており、このゲート電極51の両脇のシリコン基板21の表層にソース/ドレイン72、73が構成されたMOSFETである。このような平面型トランジスタ構造707は、図示しない配線層を用いてゲート電極71の電位を共通にして複数個並設することができる。これにより、トランジスタMp、Mnのゲート共通並列接続個数を変化させることができる。しかもインバータ6…906は、平面型トランジスタ構造707を図示しない配線層を用いて接続することで構成できる。
たとえ設計ルールの微細化が進んだとしても、各種の構造307a、307b、507、607、707を用いることで前述実施形態のクロック発生回路3、203を構成でき、この結果、多数のサンプリングクロックCK1~CKmを発生させることができる。
(他の実施形態)
前述実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形又は拡張が可能である。
上述では、ゲート回路G2~G15は1段のインバータ6により構成した例を示しているが、インバータ6を2段に縦続接続したCMOSインバータを用いても良い。すなわち「パルス遅延回路2」としては、パルス信号PAを正転遅延して出力する遅延ユニットDUを複数個直列接続して構成されていても良い。この場合、1段のCMOSインバータ6を用いた構成に比較して、A/D変換結果のばらつきを抑制できる。
インバータM3は、サンプリングクロックCK1~CK8、CK1~CK16のクロックエッジの発生タイミングを互いに異ならせる複数のインバータInv1~Inv8、Inv1~Inv16を一段だけで構成した形態を示したが、二段以上で構成しても良い。少なくとも一段以上構成すると良い。
クロック発生回路3、203のサンプリングクロックCK1~CKmの数を8個、16個とし、インバータM3(Inv1~Inv8、Inv1~Inv16)の個数を8個、16個とした形態を示したが、これらは8個、16個に限定されるものではなく、これらの個数は任意に設定できる。
パルス遅延回路2は、NANDゲートG1及びNOTゲートG2~G15からなる遅延ユニットDUをリング状に接続した形態を示したが、これに限定されるものではなく、遅延ユニットDUを直列接続して構成されていれば良く、リング状に接続していなくても良い。
前述した複数の実施形態の構成、機能を組み合わせても良い。前述実施形態の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も実施形態と見做すことが可能である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も実施形態と見做すことが可能である。
本開示は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
図面中、2はパルス遅延回路、3、203はクロック発生回路、5は加算部(処理部)、41…48、41…416はパルス位置数値化部、CK1~CK8、CK1~CK16はサンプリングクロック、DUは遅延ユニット、7はFinFET構造、307a、307bはナノワイヤFET構造、507はカーボンナノチューブFET構造、607はトンネルFET構造、707は平面型トランジスタ構造、Mpはpチャネルトランジスタ、Mnはnチャネルトランジスタを示す。

Claims (9)

  1. パルス信号を正転又は反転遅延して出力する遅延ユニット(DU)を複数個直列接続してなるパルス遅延回路(2)を用いて、アナログ入力信号(Vin)を数値データ(DTA)に変換するA/D変換回路(1)であって、
    前記パルス遅延回路が前記遅延ユニットを通じて前記パルス信号を伝送するときに当該パルス信号の位置を互いに異なるタイミングにて数値化する複数のパルス位置数値化部(41…48;41…416)と、
    少なくとも一段以上の複数接続されたインバータを備え、入力されるクロック基準信号に基づいて複数の互いに異なるタイミングのクロックエッジを有する複数のサンプリングクロック(CK1~CK8;CK1~CK16)を出力するクロック発生回路(3;203)と、
    前記複数のパルス位置数値化部による数値化結果に基づいてA/D変換に係る前記数値データを出力する処理部(5)と、を備え、
    前記複数の前記インバータは、1又は複数のnチャネルトランジスタ(Mn)及び1又は複数のpチャネルトランジスタ(Mp)を備え、前記nチャネルトランジスタのゲート共通並列接続個数と、前記pチャネルトランジスタのゲート共通並列接続個数との個数比率が互いに異なるように構成され、
    前記複数のパルス位置数値化部は、前記パルス遅延回路の前記パルス信号を前記サンプリングクロックの前記クロックエッジによりそれぞれ前記互いに異なるタイミングにてラッチするラッチ回路(21)を備え、当該互いに異なるタイミングにて前記パルス信号の位置を数値化し、
    前記複数の前記インバータは、前記nチャネルトランジスタ及び前記pチャネルトランジスタの最大個数を同一の個数にして構成されているA/D変換回路。
  2. 前記nチャネルトランジスタの前記個数が1以上であり、前記pチャネルトランジスタの前記個数は2以上である請求項1記載のA/D変換回路。
  3. 前記nチャネルトランジスタの前記個数が2以上であり、前記pチャネルトランジスタの前記個数は1以上である請求項1記載のA/D変換回路。
  4. 前記nチャネルトランジスタの個数と前記pチャネルトランジスタの個数は、一方の前記個数を他方の前記個数により割り切った条件を満たす前記個数とされている請求項1から3の何れか一項に記載のA/D変換回路。
  5. 前記nチャネルトランジスタ及び前記pチャネルトランジスタは、FinFET構造(7)を用いて構成されている請求項1から4の何れか一項に記載のA/D変換回路。
  6. 前記nチャネルトランジスタ及び前記pチャネルトランジスタは、ナノワイヤFET構造(307a、307b)を用いて構成されている請求項1から4の何れか一項に記載のA/D変換回路。
  7. 前記nチャネルトランジスタ及び前記pチャネルトランジスタは、トンネルFET構造(607)を用いて構成されている請求項1から4の何れか一項に記載のA/D変換回路。
  8. 前記nチャネルトランジスタ及び前記pチャネルトランジスタは、カーボンナノチューブFET構造(507)を用いて構成されている請求項1から4の何れか一項に記載のA/D変換回路。
  9. 前記nチャネルトランジスタ及び前記pチャネルトランジスタは、平面型トランジスタ構造(707)を用いて構成されている請求項1から4の何れか一項に記載のA/D変換回路。
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