JP7149735B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
実施の形態1に係る給湯システムについて説明する。図1は、実施の形態1に係る給湯システムの全体構成を示す概略図である。給湯装置100は、湯張り給湯端末30と湯張り給湯配管Cにより接続され、一般給湯端末40と一般給湯配管Dにより接続されている。湯張り給湯配管C及び一般給湯配管Dとは三方弁12を介して給湯装置100の給湯配管Aに接続されている。湯張り給湯端末30は浴槽31に接続されている。一般給湯端末40は、例えば、調理場や風呂場等に設置される蛇口又はシャワーヘッド等である。
貯湯タンク10は、略円筒形状であり、ステンレスなどの金属又は樹脂などで構成されている。貯湯タンク10の外側の側面は、断熱材(図示せず)により覆われている。これにより、貯湯タンク10内の高温水を長時間に渡って保温することができる。
ヒートポンプユニット20は、例えば、CO2やHFC(ハイドロフルオロカーボン)などを冷媒に用いたヒートポンプである。ヒートポンプユニット20は、圧縮機、冷媒と水との間の熱交換を行う第1の熱交換器、膨張弁、外気と冷媒との間の熱交換を行う第2の熱交換器、送風機、温度センサ、及び制御基板等から構成される。圧縮機、熱交換器、膨張弁及び第2の熱交換器は、冷媒配管により環状に接続され、冷凍サイクル回路が形成されている。
図2は、実施の形態1に係る給湯装置100の制御ブロック図である。制御装置60は、リモートコントローラ70からの運転指示、湯張り給湯端末30からの要求、一般給湯端末40からの要求、給湯装置100に設置されたセンサ1a~1dや流量センサ2aの検知した値に基づき、ヒートポンプユニット20、混合弁11、三方弁12、沸き上げ用ポンプ21を制御する。
図3~図5は、実施の形態1に係る給湯装置100の貯湯タンク10内の温度分布の説明図である。図3~図5は、縦軸に貯湯タンク10の上下方向の位置を示し、横軸に貯湯タンク10内の上下方向位置における湯水の温度を示している。以下、図3~図5を用いて貯湯タンク10内の中温水利用の効果を説明する。図3は、沸き上げ終了後の貯湯タンク10内の湯水の温度分布を示している。給湯装置100が沸き上げ動作を行う場合、制御装置60は、沸き上げ用ポンプ21を駆動し、貯湯タンク10の下部にある低温水をヒートポンプユニット20に送る。ヒートポンプユニット20に送られた低温水は、高温水となって貯湯タンク10の上部に戻る。従って、図3に示される様に、貯湯タンク10の上部には、高温水が貯湯され、沸き上げ終了後は貯湯タンク10の上部に高温水が分布し、貯湯タンク10の下部に低温水が分布した状態になる。
図6は、実施の形態1に係る給湯装置100における沸き上げ時のヒートポンプユニット20の冷媒の圧力及びエンタルピー変化を示した説明図である。つまり、図6は、ヒートポンプユニット20の冷凍サイクル回路における冷媒のモリエル線図を示している。ヒートポンプユニット20は、圧縮機、第1の熱交換器、膨張弁、及び第2の熱交換器が冷媒配管により環状に接続され冷凍サイクル回路を形成している。貯湯タンク10の下部に接続された沸き上げ用配管Bからヒートポンプユニット20に貯湯タンク10の下部の湯水が供給される。貯湯タンク10からの湯水は、ヒートポンプユニット20内の第1の熱交換器にて冷媒と熱交換を行い高温水に加熱される。
図7は、実施の形態1に係る貯湯タンク10の側面図である。図8は、図7の貯湯タンク10の断面構造の説明図である。図8は、図7のM-Mにおける断面を示している。貯湯タンク10は、上下方向に略筒状体のタンクであり、上端に配置されている上部取り出し口81に接続する上部取り出し配管51と、下端に配置されている下部取り出し口83に接続されている下部取り出し配管53と、を備える。貯湯タンク10の側面には、中部取り出し口82が設けられており、中部取り出し配管52が接続されている。なお、上部取り出し口81、中部取り出し口82、及び下部取り出し口83の位置は、図7に示される形態に限定されるものでは無い。例えば、上部取り出し口81及び下部取り出し口83は、半球状体を呈する貯湯タンク10の鏡板15a、15bのどの部分に設けられていても良い。また、中部取り出し口82も、貯湯タンク10の上下方向の中央部であれば、図示よりも上方又は下方に設けられていても良い。
図9は、図7及び図8に示される真空断熱材90の構造の説明図である。図9(a)は、貯湯タンク10に取り付ける前の状態の真空断熱材90の平面図である。図9(b)は、図9(a)のN―N断面の構造の説明図である。真空断熱材(VIP)の特性について図9を用いて説明する。真空断熱材(Vacuum Insulation Panel:VIP)は、芯材を封入した袋状のシートの内部を真空化して形成される。従来の断熱材としてビーズ法ポリスチレンフォーム(Expanded Poly-Styrene:EPS)があるが、EPSの熱伝導率(W/m・K)が一般的には0.0340~0.040程度であるのに対し、真空断熱材90の熱伝導率は0.002程度であり、真空断熱材90は断熱性能が高い。また、真空断熱材90は薄く形成することができるため、貯湯タンク10の側面に沿わせて設置した際に、貯湯タンク10設置面積を小さくすることができる。これにより給湯装置100は、設置面積を狭くすることにより様々な住宅に適用させやすい。従って、貯湯タンク10の断熱に真空断熱材を用いることにより、貯湯タンク10の設置面積の削減に大きな効果がある。
図7に示されるように、貯湯タンク10の形状は、設置面積を縮小するため、タンク直径よりもタンク高さが大きく形成されている。そのため、長方形の平板状の真空断熱材90を貯湯タンク10の側面に巻き付ける形で設置する場合、真空断熱材90の長辺が貯湯タンク10の上下方向に沿って配置される。貯湯タンク10は、中部取り出し口82が側面に設置されているため、図7のように中部取り出し口82が真空断熱材90の長辺95に挟まれるようになる。真空断熱材90の長辺95は、中部取り出し口82に極力近づけて配置され、貯湯タンク10の軸方向に沿うように配置する。真空断熱材90は、このように配置されることにより、真空断熱材90により覆われる貯湯タンク10の側面の表面積を最大にすることができる。
実施の形態1に係る給湯装置100によれば、貯湯タンク10、10a、10bに中部取り出し口82を設けたため、ヒートポンプユニット20の効率を向上させることができる。また、真空断熱材90、90a、90bを矩形の単純形状に形成したため、貯湯タンク10、10a、10bの側面からの放熱量を最小限にすることができる。また、貯湯タンク10a、10bに中部取り出し口82a、82bを採用することにより、真空断熱材90a、90bにより覆われる貯湯タンク10aの側面の表面積をより大きくすることができるため、放熱量を最小限に抑えながら、中部取り出し口82、82a、82bからの中温水利用により省エネ効果を得ることが出来る。さらに、貯湯タンク10、10a、10bに適用する真空断熱材90を1枚で構成することもでき、この場合、真空断熱材90の周囲長が最小となり、熱橋の発生を最小限に抑えることができるため、保温性能の低下要因を抑制できる。
実施の形態2に係る給湯装置200は、実施の形態1に係る給湯装置100に対し、貯湯タンク10の構成を変更したものである。実施の形態2に係る給湯装置200においては、実施の形態1に対する変更点を中心に説明する。実施の形態2に係る給湯装置200の各部については、各図面において同一の機能を有するものは実施の形態1の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
実施の形態2に係る給湯装置200によれば、ヒートポンプユニット20の効率を向上させつつ、真空断熱材290a、290bより貯湯タンク210、210a側面からの放熱量を最小限にすることができる。また、貯湯タンク210、210aの上下方向の高さ寸法と側面の周囲長によっては、真空断熱材290a、290bにより覆われる面積を実施の形態1よりも大きくすることができる。また、真空断熱材290a、290bは、貯湯タンク210、210aの上下の2箇所に側面の全周にわたって設置されている。そのため、真空断熱材290a、290bに対し並列に貯湯タンク210、210aを補強する負圧リングを設置することも可能である。
実施の形態3に係る給湯装置300は、実施の形態1に係る給湯装置100に対し、貯湯タンク10の構成を変更したものである。実施の形態3に係る給湯装置300においては、実施の形態1に対する変更点を中心に説明する。実施の形態3に係る給湯装置300の各部については、各図面において同一の機能を有するものは実施の形態1及び実施の形態2の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
実施の形態3に係る給湯装置300によれば、中部取り出し口383、383aは、貯湯タンク310、310aの側面以外に設置されるため、真空断熱材390により覆われる貯湯タンク310、310aの側面の面積を最大化することができる。従って、実施の形態1および実施の形態2の効果に加えて、さらに貯湯タンク310、310aの側面からの放熱量をさらに抑制することが可能となる。
Claims (14)
- 加熱された湯水を流入させて内部に貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから取り出した湯水を加熱するヒートポンプと、
前記貯湯タンクの上部から湯水を取り出す上部取り出し口と、
前記貯湯タンクの下部から湯水を取り出す下部取り出し口と、
前記貯湯タンクの上下方向において、前記上部取り出し口と前記下部取り出し口との間に設けられ前記貯湯タンクの中部から湯水を取り出す中部取り出し口と、
前記上部取り出し口、前記下部取り出し口、及び前記中部取り出し口からの湯水を混合する混合弁と、
前記混合弁に接続され混合された湯水が供給される給湯端末と、を備え、
前記中部取り出し口は、
前記貯湯タンクの側面に形成され、上下方向の寸法が水平方向の寸法よりも大きく形成されている、給湯装置。 - 前記貯湯タンクの前記側面を覆う断熱材を備え、
前記断熱材は、
端部が前記中部取り出し口を挟んで対向するように配置され、
前記端部は、
前記貯湯タンクの上下方向にわたって直線状に形成されている、請求項1に記載の給湯装置。 - 前記中部取り出し口は、
複数の開口部から形成されており、
前記複数の開口部は、
前記貯湯タンクの上下方向に並列しており、
前記複数の開口部のそれぞれに接続された中部取り出し配管は、
前記混合弁に接続される前に合流する、請求項1又は2に記載の給湯装置。 - 加熱された湯水を流入させて内部に貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから取り出した湯水を加熱するヒートポンプと、
前記貯湯タンクの上部から湯水を取り出す上部取り出し口と、
前記貯湯タンクの下部から湯水を取り出す下部取り出し口と、
前記貯湯タンクの上下方向において、前記上部取り出し口と前記下部取り出し口との間に設けられ前記貯湯タンクの中部から湯水を取り出す中部取り出し口と、
前記上部取り出し口、前記下部取り出し口、及び前記中部取り出し口からの湯水を混合する混合弁と、
前記混合弁に接続され混合された湯水が供給される給湯端末と、を備え、
前記中部取り出し口は、
前記貯湯タンクの側面に形成され、水平方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きく形成されている、給湯装置。 - 前記貯湯タンクの前記側面を覆う断熱材を備え、
前記断熱材は、
端部が前記中部取り出し口を挟んで対向するように配置され、
前記端部は、
前記貯湯タンクの水平方向にわたって直線状に形成されている、請求項4に記載の給湯装置。 - 前記中部取り出し口は、
複数の開口部に分割されており、
前記複数の開口部は、
前記貯湯タンクの水平方向に並列している、請求項4又は5に記載の給湯装置。 - 加熱された湯水を流入させて内部に貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから取り出した湯水を加熱するヒートポンプと、
前記貯湯タンクの上部から湯水を取り出す上部取り出し口と、
前記貯湯タンクの下部から湯水を取り出す下部取り出し口と、
前記貯湯タンクの上下方向において、前記上部取り出し口と前記下部取り出し口との間に設けられ前記貯湯タンクの中部から湯水を取り出す中部取り出し口と、
前記上部取り出し口、前記下部取り出し口、及び前記中部取り出し口からの湯水を混合する混合弁と、
前記混合弁に接続され混合された湯水が供給される給湯端末と、
前記上部取り出し口に接続している上部取り出し配管と、を備え、
前記中部取り出し口は、
前記貯湯タンクの中心軸に沿った方向から前記貯湯タンクに挿入された中部取り出し配管の先端に形成され、
前記中部取り出し配管は、
前記貯湯タンクの上部から下方に向かって挿入され、前記貯湯タンクの中心軸を挟んで前記上部取り出し配管と反対側に配置されている、給湯装置。 - 加熱された湯水を流入させて内部に貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから取り出した湯水を加熱するヒートポンプと、
前記貯湯タンクの上部から湯水を取り出す上部取り出し口と、
前記貯湯タンクの下部から湯水を取り出す下部取り出し口と、
前記貯湯タンクの上下方向において、前記上部取り出し口と前記下部取り出し口との間に設けられ前記貯湯タンクの中部から湯水を取り出す中部取り出し口と、
前記上部取り出し口、前記下部取り出し口、及び前記中部取り出し口からの湯水を混合する混合弁と、
前記混合弁に接続され混合された湯水が供給される給湯端末と、を備え、
前記中部取り出し口は、
前記貯湯タンクの中心軸に沿った方向から前記貯湯タンクに挿入された中部取り出し配管の先端に形成され、
前記中部取り出し配管は、
前記貯湯タンクの下部から上方に向かって挿入されている、給湯装置。 - 加熱された湯水を流入させて内部に貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから取り出した湯水を加熱するヒートポンプと、
前記貯湯タンクの上部から湯水を取り出す上部取り出し口と、
前記貯湯タンクの下部から湯水を取り出す下部取り出し口と、
前記貯湯タンクの上下方向において、前記上部取り出し口と前記下部取り出し口との間に設けられ前記貯湯タンクの中部から湯水を取り出す中部取り出し口と、
前記上部取り出し口、前記下部取り出し口、及び前記中部取り出し口からの湯水を混合する混合弁と、
前記混合弁に接続され混合された湯水が供給される給湯端末と、を備え、
前記中部取り出し口は、
前記貯湯タンクの下部から上方に向かって前記貯湯タンクに挿入された中部取り出し配管の先端に形成される、給湯装置。 - 前記貯湯タンクの側面を全周にわたって覆う断熱材を備える、請求項7~9の何れか1項に記載の給湯装置。
- 前記断熱材は、
前記貯湯タンクの前記側面の周方向に複数の断熱部材に分割されており、
前記複数の断熱部材は、
それぞれの間に隙間を持って配置されている、請求項10に記載の給湯装置。 - 前記下部取り出し口に接続している下部取り出し配管を備え、
前記中部取り出し配管は、
前記貯湯タンクの中心軸を挟んで前記下部取り出し配管と反対側に配置されている、請求項8又は9に記載の給湯装置。 - 前記ヒートポンプ及び前記混合弁を制御する制御装置と、
前記中部取り出し配管の温度を測定する中部温度センサと、を備え、
前記制御装置は、
前記中部取り出し配管からの湯水を取得するように前記混合弁を開き、所定時間経過後の前記中部温度センサにより測定された温度を前記貯湯タンクの中央部の湯水の温度として、前記上部取り出し口からの湯水及び前記下部取り出し口からの湯水が前記混合弁に流入する湯水の量を制御する、請求項7~12の何れか1項に記載の給湯装置。 - 前記中部取り出し口の断面積は、
前記上部取り出し口の断面積以上である、請求項1~13の何れか1項に記載の給湯装置。
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