JP7149277B2 - ハンド機構および把持システム - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施例について図1から図23に基づいて説明する。ここでは、本発明に係るハンド機構および把持システムをロボットアームに適用した場合について説明する。図1は、本実施例に係るロボットアームの概略構成を示す図である。ロボットアーム1は、ハンド機構2、アーム機構3、および台座部4を備えている。アーム機構3の一端にハンド機構2が取り付けられている。また、アーム機構3の他端が台座部4に取り付けられている。ハンド機構2は、アーム機構3に接続されたベース部20と、該ベース部20に設けられた4本の指部21とを備えている。なお、ハンド機構2の詳細な構成については後述する。
アーム機構3は、第1アームリンク部31、第2アームリンク部32、第3アームリンク部33、第4アームリンク部34、第5アームリンク部35、および接続部材36を備えている。そして、ハンド機構2のベース部20が、アーム機構3の第1アームリンク部31の一端側に形成された第1関節部30aに接続されている。第1関節部30aには、第1アームリンク部31に対してハンド機構2を該第1アームリンク部31の軸周りに回転させるためのモータ(図示略)が設けられている。第1アームリンク部31の他端側は、第2関節部30bで第2アームリンク部32の一端側に接続されている。第1アームリンク部31と第2アームリンク部32とはその中心軸が垂直に交わるように接続されている。そして、第2関節部30bには、第2アームリンク部32に対して、第1アームリンク部31を、その他端側を中心に該第2アームリンク部32の軸周りに回転させるためのモータ(図示略)が設けられている。また、第2アームリンク部32の他端側は、第3関節部30cで第3アームリンク部33の一端側に接続されている。第3関節部30cには、第3アームリンク部33に対して第2アームリンク部32を相対的に回転させるためのモータ(図示略)が設けられている。
次に、ハンド機構2の構成について図2から図15に基づいて説明する。図2はハンド機構2の斜視図である。図3はハンド機構2の上面図である。なお、図3において、矢印は、各指部21の回転可動範囲を示している。図2および図3に示すように、ハンド機構2においては、ベース部20に4本の指部21が、ハンド機構2の長手方向(図3において紙面に垂直な方向)の軸を中心とした円周上に、等角度間隔(すなわち90deg間隔)に配置されている。また、4本の指部21は全て同一の構造を有し且つ同一の長さである。ただし、各指部21の動作は、それぞれ独立して制御される。
本実施例では、例えば、図14に示すように、第1指リンク部211における屈曲側壁面215から伸展側壁面216にかけて、シート状に形成された可撓性カバー211aを貼り付けている。その際、可撓性カバー211aの大きさは、4つの感圧センサ700、701、702、703およびその周辺における第1指リンク部211の外壁面を覆うことができる大きさとされている。なお、可撓性カバー211aは、1枚のシートで構成されてもよく、または複数枚のシートをつなぎ合わせて構成されてもよい。要するに、可撓性カバー211aは、4つの感圧センサ700、701、702、703およびその周辺における第1指リンク部211の外壁面を、連続的に覆うことができるように構成されればよい。このように構成される可撓性カバー211aが第1指リンク部211に貼り付けられると、図15Aに示すように、該可撓性カバー211aの内壁面がセンサ素子70bの表面を覆う絶縁皮膜70cに密着する一方で、該可撓性カバー211aの内壁面と上記の不感帯Rとの間に空間が生じることになる。そのため、可撓性カバー211aにおいて上記の不感帯Rを覆う部位(不感帯被覆部)が対象物と接触し、且つ該可撓性カバー211aにおいてセンサ素子70bの表面を覆う部位(センサ素子被覆部)が対象物と接触しない状態が発生した場合に、図15Bに示すように、不感帯被覆部近傍の可撓性カバー211aが撓みつつ、不感帯の両隣に位置する2つのセンサ素子70bのうちの少なくとも一方を押圧することになる。その結果、不感帯被覆部と対象物との接触を、上記した2つのセンサ素子70bのうちの少なくとも一方によって検知することが可能となる。なお、上記した可撓性カバー211aの材料としては、例えば、ポリオレフィン等を用いることができる。また、可撓性カバー211aは、該可撓性カバー211aの外表面の摩擦係数が第1指リンク部211の外壁面や絶縁被膜70cの外表面の摩擦係数より大きくなる部材で形成されてもよい。
次に、台座部4に内蔵された、アーム制御装置42およびハンド制御装置43の構成について図16に基づいて説明する。アーム制御装置42はロボットアーム1のアーム機構3を制御するための制御装置である。ハンド制御装置43はロボットアーム1のハンド機構2を制御するための制御装置である。図16は、アーム制御装置42およびハンド制御装置43に含まれる各機能部を示すブロック図である。
次に、ハンド機構2によって対象物を把持する際の各指部21の機能について説明する。ここで、図17は、ハンド機構2によって把持する対象物10の形状の一例を示す図である。また、図18は、複数の対象物10(10´)が並べられて配置された状態を示す図である。図17および図18に示すように、対象物10は、6つの面(S1~S6)を有する直方体である。ただし、図17に示す対象物10の形状はあくまでも一例であって、ハンド機構2によって把持する対象物の形状は直方体に限られるものではない。
次に、本発明の第2の実施例について図24から図27に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施例と異なる構成について説明し、同様の構成についてはその説明を省略する。
前述した第1の実施例では、各指部21に可撓性カバー211aを取り付ける例について述べたが、各指部21に可撓性カバー211aに加え、該可撓性カバー211aを覆う膜状の保護カバーを取り付けるようにしてもよい。例えば、図28および図29に示すように、各指部21の第1指リンク部211に可撓性カバー211aを貼り付けた後に、第1指リンク部211の外形と略同形の内形を有するとともに、先端部側が閉塞され且つ基端部側が開口した袋状(指サック状)の保護カバー211bを第1指リンク部211に被せることで、複数の感圧センサ70が二層のカバー211a、211bで覆われるようにしてもよい。その際、保護カバー211bは、該保護カバー211bの外面の摩擦係数が第1指リンク部211の外壁面や可撓性カバー211aの外表面の摩擦係数より大きくなる部材であって、且つ可撓性カバー211aより可撓性の低い部材により形成される。このように形成される保護カバー211bが第1指リンク部211に被せられると、ハンド機構2によって対象物を把持する場合における可撓性カバー211aの摩耗を抑制することできる。また、上記のように形成される保護カバー211bが第1指リンク部211に被せられると、ハンド機構2によって対象物を把持する際の摩擦力が高められるため、対象物のより確実な把持を実現することができる。さらに、保護カバー211bは可撓性カバー211aに対して着脱自在であるため、該保護カバー211bが摩耗した際には、その保護カバー211bを新品と交換すればよい。また、上記したように形成される保護カバー211bが可撓性カバー211aに被せられると、感圧センサ70が二層のカバーで覆われることになるため、可撓性カバー211aのみによる一層の場合に比べ、カバーの厚さが大きくなる。そのため、不感帯被覆部が対象物と接触した際に、該対象物から不感帯被覆部へ伝わる圧力が不感帯の両隣のセンサ素子70bの少なくとも一方に伝わりやすくなる。その結果、不感帯被覆部と対象物との接触をより正確に検知することも可能になる。
Claims (6)
- 互いに独立して動作するように制御される3本以上の指部を備え、対象物を把持する際には、前記3本以上の指部のうちの少なくとも1本の指部である第1指部が、該第1指部の先端部側を前記対象物に接触させた上で該対象物の姿勢およびまたは位置を変更する状態変更用指部として機能するとともに、該状態変更用指部として機能する第1指部以外の指部のうちの少なくとも2本の指部が、該状態変更用指部によって姿勢およびまたは位置が変更された状態の該対象物を把持する把持用指部として機能する、ハンド機構であって、
前記第1指部の先端部側において、該第1指部の背部から腹部にかけて配置される2つ以上の感圧センサと、
前記第1指部において、前記2つ以上の感圧センサを覆うための膜状の部材であって、可撓性を有する部材で形成される、可撓性カバーと、
を備える、
ハンド機構。 - 前記可撓性カバーは、先端部側が閉塞し且つ基端部側が開口した袋状に形成され、前記第1指部の先端部側を覆うように該第1指部に被せられる、
請求項1に記載のハンド機構。 - 前記第1指部において前記2つ以上の感圧センサより基端部側に位置する外壁面のうち、該第1指部の腹部側の部位と該第1指部の背部側の部位との少なくとも一方の部位に設けられる第1嵌合部と、
前記可撓性カバーのうち、前記第1指部の前記第1嵌合部に対応する部位に設けられ、前記第1嵌合部と嵌合可能な第2嵌合部と、を更に備え、
前記可撓性カバーが前記第1指部に被せられた状態において、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とが互いに嵌合することで、前記可撓性カバーが位置決めされる、
請求項2に記載のハンド機構。 - 前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の一方は突起を有し、前記第1嵌合部と前記第2嵌合
部の他方は前記突起と嵌合可能な孔を有する、
請求項3に記載のハンド機構。 - 前記可撓性カバーは、前記第1指部の外壁面より摩擦係数の大きな部材で形成される、請求項1から4の何れか1項に記載のハンド機構。
- 互いに独立して動作するように制御される3本以上の指部を備え、それら指部によって対象物を把持するハンド機構と、
前記ハンド機構によって対象物を把持する際に、前記3本以上の指部のうちの少なくとも1本の指部である第1指部の指先部分を、対象物に接触させた上で該対象物の姿勢およびまたは位置を変更する状態変更用指部として機能するように、前記ハンド機構を制御する制御装置と、
を備える把持システムであって、
前記ハンド機構は、
前記第1指部の先端部側において、該第1指部の背部から腹部にかけて配置される、2つ以上の感圧センサと、
前記第1指部において、前記2つ以上の感圧センサを覆うように前記第1の指部の外壁面に貼り付けられるシート状の部材であって、可撓性を有する部材で形成される、可撓性カバーと、
を備え、
前記制御装置は、
前記2つ以上の感圧センサのうち、互いに隣接する2つの感圧センサの少なくとも一方が圧力を検知した場合において、検知された圧力が所定値より小さければ、前記可撓性カバーのうち、前記2つの感圧センサ間の隙間を覆う部位が、対象物と接触している、と判定し、
前記2つ以上の感圧センサのうち、互いに隣接する2つの感圧センサが圧力を検知した場合に、前記可撓性カバーのうち、前記互いに隣接する2つの感圧センサ間の隙間を覆う部位を少なくとも含む領域が、対象物と接触している、と判定し、
前記2つ以上の感圧センサのうち、互いに隣接する2つの感圧センサが圧力を検知した場合に、前記第1指部の先端部分が対象物に接触していると判定する、
把持システム。
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