JP2015112662A - 被覆材及びロボット把持部の被覆構造 - Google Patents

被覆材及びロボット把持部の被覆構造 Download PDF

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Abstract

【課題】把持時に物体を滑って落としたり破損したりすることがなく、把持の安定性に優れ、且つ、耐久性のある帯電防止機能を有する被覆材及びロボット把持部の被覆構造を提供すること。
【解決手段】物体を把持する機能を有する導電性の基材の表面に接して設けられ、弾性体からなる内層12と、内層12の表面に接すると共に物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層11と、基材が装着される装着部13とを備え、内層12は、外層11よりも低硬度の弾性体によって構成され、装着部13の内壁は、内層12のみ、あるいは、内層と外層の両方によって形成されていると共に、内層12と外層11の両方に、導電材料を配合した。
【選択図】図1

Description

本発明は被覆材及びロボット把持部の被覆構造に関し、詳しくは、把持時に物体をすべって落としたり、破損したりすることがなく把持の安定性に優れ、且つ、耐久性のある帯電防止機能を有する被覆材及びロボット把持部の被覆構造に関する。
従来、工場の生産ラインに産業用ロボットが導入され、生産効率の向上に寄与している。産業用ロボットは、一つのラインを流れてくる部品や物品などの物体を把持して、別のラインへ、何回でも正確に移送する機能に優れている。
上記物体を把持するために、産業用ロボットには、エアチャック型や多指型のロボットハンドが用いられている。
ロボットハンドにおいて物体を把持するロボット把持部に金属を用いる場合、硬質で摩擦係数が低いため、把持した物体が滑って脱落したり、あるいは物体を破損させたりするおそれがある。
そこで、従来、金属のロボット把持部を適度な摩擦係数の素材で被覆することで、滑りを抑制している。
例えば、ロボット把持部に軟質な弾性体を被覆することで、把持の際に、物体にかかる力を低減でき、物体の破損を抑制することができる。また、把持の際に物体の形状に沿って弾性体が変形し、接触面積が増加するため、把持の安定性が向上できる(特許文献1)。
把持部を被覆する弾性材としては、ゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどの材質が挙げられる(特許文献2、3)。
特開平8−300289号公報 特許第4918004号公報 特許第4962728号公報
ロボット把持部を被覆する弾性体として挙げられるゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどの材料は、絶縁性であり、静電気を帯び易い。把持部を被覆する弾性体が静電気を帯びると、把持部に埃などのゴミが付着し易くなり、把持対象となる物体へのゴミの付着(コンタミネーション)や、把持能力の低下に繋がるおそれがある。特にコンタミネーションを嫌う環境、例えば食品や電子部品の製造ライン用ロボット用途においては、品質低下につながるおそれがある。
その対策として、スプレーやコーティングによる帯電防止用塗膜を施す方法があるが、薄い被膜のために耐久性が低く、頻繁なメンテナンスが必要となる。
また、適度な摩擦係数を有していた弾性体の表面に塗膜を形成することは、弾性体の摩擦係数が低下し、把持性能が低下する懸念もある。
そこで、本発明は、把持時に物体を滑って落としたり破損したりすることがなく、把持の安定性に優れ、且つ、耐久性のある帯電防止機能を有する被覆材、及び、ロボット把持部の被覆構造を提供することを課題とする。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
1.物体を把持する機能を有する導電性の基材の表面に接して設けられる被覆材であって、
弾性体からなる内層と、
前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層と、
前記基材が装着される装着部とを備え、
前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
前記装着部の内壁は、前記内層のみによって形成されていると共に、
前記内層と前記外層の両方に、導電材料を配合してなることを特徴とする被覆材。
2.物体を把持する機能を有する導電性の基材の表面に接して設けられる被覆材であって、
弾性体からなる内層と、
前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層と、
前記基材が装着される装着部とを備え、
前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
前記装着部の内壁は、前記内層と前記外層の両方によって形成されていると共に、
前記内層と前記外層のうちの少なくとも前記外層に、導電材料を配合してなることを特徴とする被覆材。
3.前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の弾性体の高度は、ショアA硬度40〜90度であることを特徴とする前記1又は2記載の被覆材。
4.前記内層を構成する弾性体が、シリコンゲル又はウレタンゲルであり、前記外層を構成する弾性体が、シリコンゴム又はウレタンゴムであることを特徴とする前記1、2又は3記載の被覆材。
5.前記導電材料は、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子の少なくともいずれか1種であることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の被覆材。
6.前記外層の表面抵抗が、10Ω〜1012Ωであることを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の被覆材。
7.物体を把持する機能を有するロボット把持部の導電性の基材の表面に、弾性体からなる内層と、前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層とを備え、
前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
前記内層と外層のうちの前記内層のみが前記基材と接触しており、
前記内層と前記外層の両方に、導電材料を配合してなることを特徴とするロボット把持部の被覆構造。
8.物体を把持する機能を有するロボット把持部の導電性の基材の表面に、弾性体からなる内層と、前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層とを備え、
前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
前記内層と前記外層の両方が前記基材と接触しており、
前記内層と前記外層のうちの少なくとも前記外層に、導電材料を配合してなることを特徴とするロボット把持部の被覆構造。
9.前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の弾性体の高度は、ショアA硬度40〜90度であることを特徴とする前記7又は8記載のロボット把持部の被覆構造。
10.前記内層を構成する弾性体が、シリコンゲル又はウレタンゲルであり、前記外層を構成する弾性体が、シリコンゴム又はウレタンゴムであることを特徴とする前記7、8又は9記載のロボット把持部の被覆構造。
11.前記導電材料は、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子の少なくともいずれか1種であることを特徴とする前記7〜10のいずれかに記載のロボット把持部の被覆構造。
12.前記外層の表面抵抗が、10Ω〜1012Ωであることを特徴とする前記7〜11のいずれかに記載のロボット把持部の被覆構造。
本発明によれば、把持時に物体をすべって落としたり破損したりすることがなく、把持の安定性に優れ、且つ耐久性のある帯電防止機能を有する被覆材、及び、ロボット把持部の被覆構造を提供することができる。
本発明に係る被覆材の一例を示す縦断面図 図1中の(ii)−(ii)線に沿う断面図 本発明に係る被覆材の他の一例を示す縦断面図 図3中の(iv)−(iv)線に沿う断面図 エアチャック型のロボットハンドのロボット把持部の一例を示す縦断面図 エアチャック型のロボットハンドのロボット把持部の他の一例を示す縦断面図
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の被覆材は、本発明の課題を共通とする各種の被覆材に適用可能であるが、中でもエアチャック型や多指型のロボットハンドにおいて物体を把持するロボット把持部に好ましく適用することができる。
なお、以下で説明する被覆材の外観形状や断面形状は、これが設けられるロボット把持部の形状や把持対象となる物体に応じて異なるものであり、図示する形状に何ら限定されるものではない。
(被覆材の実施形態1)
図1、図2は本発明に係る被覆材の一例を示しており、図1はその縦断面図、図2は図1中の(ii)−(ii)線に沿う断面図である。
本実施形態に示す被覆材1Aは、ロボット把持部の基材(図示せず)の全体を被覆し得るように有底筒状に形成されており、外側から順に外層11と内層12とを有する2層構造となっている。外層11は把持対象の物体を把持する際に、該物体に直接接触する部位であり、内層12の外表面に接して積層されている。
内層12の内側は空洞となっており、この被覆材1Aをロボット把持部に被覆する際に、後述するロボット把持部の導電性の基材が挿入されることによって装着される深溝状の装着部13となっている。
本実施形態に示す装着部13は、基材が挿入される開口部13a以外、内層12のみによって囲まれている。すなわち、この装着部13の内壁(側壁及び底壁)は、内層12のみによって形成される形となっており、この内層12の外表面に接して被覆するように外層11が設けられている。
外層11と内層12は共に弾性体によって構成されるが、本発明において内層12を構成する弾性体は、外層11を構成する弾性体よりも低硬度の軟質な弾性体によって構成される。すなわち、外層11を構成する弾性体の方が、内層12を構成する弾性体よりも一般に架橋密度が大きく、硬度が高いものとなっている。
外層11、内層12に用いられる弾性体は、両者に硬度差を持たせることができれば格別限定されるものではないが、例えばゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどが挙げられる。中でも、外層11にシリコンゴムやウレタンゴム、内層12にシリコンゲルやウレタンゲルを用いることが好ましい。
外層11を構成する弾性体と内層12を構成する弾性体は、同じ系統の材質であってもよいし、それぞれ異なる系統の材質であってもよい。しかし、層間に高い接着性を付与できるため、外層11と内層12は同じ系統の材質であることが好ましい。
このように把持対象の物体に直接触れる側の層(外層11)を、内層12よりも架橋密度の大きい硬質な弾性体にすることで、物体を把持することができる程度の弾性を持つことができる。つまり、外層11に硬質な弾性体を用い、内層12に軟質な弾性体を用いることで、適度な摩擦係数が得られ、滑りを抑制でき、把持の際に物体にかかる力を低減できることによって物体の破損が抑制され、さらに、把持の際に物体の形状に沿って弾性体が変形することで、把持の安定性が向上する。
また、この被覆材1Aでは、ロボット把持部の基材が挿入される装着部13の内壁が、開口部13a以外全て内層12によって形成されているため、被覆材1Aのどの面で物体を把持するようにしても、外層11と内層12との2種類の弾性体による弾性を利用して安定した把持を行うことができる。このため、基材に対して被覆材1Aを装着する際の向きを合せる必要がない。
外層11を構成する弾性体の硬度は、ショアA硬40〜90度であることが好ましい。また、内層12を構成する弾性体の硬度は、外層11よりも低く、ショアA硬度0〜10度であることが好ましい。各層の硬度は、樹脂材料の変更や主剤と硬化剤の混合比を変更することによって調整することができる。
被覆材1A全体の厚み(外層11の厚み+内層12の厚み)は、一般に2〜20mm、好ましくは4〜10mmとされる。各層11、12のそれぞれの厚みはこの範囲内で適宜設定されるが、外層11の厚みは0.1〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.0mmの範囲で設定する。内層12の厚みは0.5〜20.0mm、好ましくは2.0〜20.0mmの範囲で設定する。
外層11及び内層12の厚さについて、外層11の厚さは内層12の厚さより十分に小さく設定することが、物体に内層12の弾性を影響させ易くできるために好ましい。この目的から、外層11の厚さは内層12の厚さの1/4倍以下に設定することがより好ましい。相対的に低硬度で柔軟性の高い内層12の方が外層11よりも厚くなるため、物体に内層12が持つ弾性をさらに影響させ易くすることができるからである。
この被覆材1Aには、外層11と内層12の両方に導電材料が配合される。このように外層11と内層12の両方に導電材料が配合されることで、これら外層11及び内層12に所定の導電性が付与される。従って、この被覆材1Aの装着部13にロボット把持部の導電性の基材を挿入して、被覆材1Aを有するロボット把持部を構成することにより、被覆材1Aの外層11の表面の電荷を、外層11に接している内層12を介して導電性の基材に逃がすことができ、帯電防止を図ることができる。このため、被覆材1Aの表面に、帯電に起因して埃やゴミ等が付着することを抑制できる。
このような帯電防止機能は、帯電防止性を有する塗膜を表面にスプレーやコーティング等によって形成するものとは異なり、外層11及び内層12を構成する弾性体自体が発揮するため、帯電防止機能の耐久性が高く、頻繁なメンテナンスも不要であると共に、把持部弾性体の摩擦係数が低下したり、把持性能が低下したりすることもない。
従って、この被覆材1Aによれば、把持時に物体を滑って落としたり破損したりすることがなく、把持の安定性に優れる効果に加え、耐久性のある帯電防止機能を発揮することができる効果がある。
導電材料は、外層11及び内層12を構成する弾性体材料に添加配合されることで、該弾性体によって形成される外層11及び内層12に導電性を付与し得るものであればよく、格別限定されないが、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子等が挙げられる。導電材料は、これらのいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、外層11と内層12とで異なる導電材料を用いてもよい。
具体的な金属としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
金属酸化物としては、導電性酸化亜鉛、導電性酸化インジウム、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ等が挙げられる。
炭素材料としては、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンが挙げられる。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等の1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
以上の中でも、導電性に優れるという点においてケッチェンブラックを用いることが好ましい。
導電材料は、成形前の弾性体材料に配合される。その配合量は弾性体の弾性性能を損なわない程度に適宜調整されるが、好ましくは、帯電防止効果に優れ、埃やゴミの付着を効果的に抑制できる点で、被覆材1Aとした時の外層11の表面抵抗が好ましくは10Ω〜1012Ω、より好ましくは10Ω〜10Ωとなるように配合される。
外層11及び内層12には、更に目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。
被覆材1Aの外層11及び内層12を製造する方法は、ゲルシートを製造する適宜公知の方法を採用することができ、例えば注型成形、射出成形、圧縮成形、遠心成形等を採用することができる。成形温度は一般に室温〜100℃とされる。
外層11と内層12は、それぞれ別工程で製造した後に両者を積層してもよいし、例えば内層12の一方の面に外層11となる弾性体材料を塗布等することによって順次積層一体化するようにしてもよい。一体成形を行なう場合の成形順序は外層11、内層12のどちらを先にしてもよい。層間の接着は、ゲルシートの材質同士の密着性によってなされる。
なお、被覆材1Aは有底筒状に形成するものに限らず、単なる筒状に形成することで、装着部13が上下に貫通するように形成されていてもよい。
(被覆材の実施形態2)
図3、図4は本発明に係る被覆材の他の一例を示しており、図3はその縦断面図、図4は図3中の(iv)−(iv)線に沿う断面図である。図1、図2と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、それらの説明は図1、図2における説明を援用し、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態に示す被覆材1Bも、ロボット把持部の基材(図示せず)を被覆し得るように有底筒状に形成され、外側から順に外層11と内層12とを有する2層構造となっており、中央に後述するロボット把持部の導電性の基材が挿入される深溝状の装着部13を有する点で被覆材1Aと同一であるが、この被覆材1Bでは、装着部13の内壁が、外層11と内層12の両方によって形成されている形となっている点で、上述した被覆材1Aとは異なっている。
すなわち、この被覆材1Bは、装着部13の内壁のうち、底壁13bと3つの側壁13c、13d、13eが内層12によって構成され、残りの1つの側壁13fが外層11によって構成されている。
この被覆材1Bによれば、装着部13にロボット把持部の導電性を有する基材を挿入すると、装着部13の側壁13fを構成する外層11の一部が基材と接触することになる。このため、外層11の表面の電荷を、この外層11から側壁13fを介して、装着部13に挿入される基材に直接逃がすことができる。従って、この被覆材1Bでは、外層11と内層12のうち、少なくとも外層11に導電材料が配合されればよく、内層12への導電材料の配合は必須ではない。
この被覆材1Bは、外層11と内層12との2層構造となっている部位を利用して把持対象物を把持するようにすれば、把持時に物体を滑って落としたり破損したりすることがなく、把持の安定性に優れる効果が得られる。もちろん、外層11の弾性体自体が帯電防止機能を発揮するため、耐久性のある帯電防止機能を有する被覆材とすることができる等、上述した被覆材1Aと全く同一の効果が得られる。
加えて、この被覆材1Bでは、上述した被覆材1Aに比べ、内層12が形成されない部位を有し、また、必ずしも内層12には導電材料を配合する必要がないため、それだけ材料コストを削減でき、低コストに構成することができる効果がある。
このように少なくとも外層11に導電材料を配合した被覆材1Bは、装着部13に挿入されたロボット把持部の導電性の基材に対して外層11の少なくとも一部が接触できればよいため、本発明の効果を損なわない範囲において、装着部13を構成する内壁のうち、例えば底壁13bのみが外層11によって形成される態様であってもよい。また、装着部13の内壁を構成する内層12のうちの一部に切り欠き部や貫通穴を設け、この切り欠き部や貫通穴を通して外層11の一部が基材と直接接触できるように、装着部13内に外層11の一部が臨んで露出するように構成される態様であってもよい。
なお、この被覆材1Bも有底筒状に形成するものに限らず、単なる筒状に形成することで、装着部13が上下に貫通するように形成されていてもよい。
(ロボット把持部の被覆構造の実施形態1)
次に、本発明に係るロボット把持部の被覆構造の一例を図5に示す。
図5はエアチャック型のロボットハンドのロボット把持部100を示しており、該ロボット把持部100に設けられている一対の基材101、101に、それぞれ上述した被覆材1Aを設けたものである。図中、Xは、ロボット把持部100によって把持された把持対象の物体である。
このロボット把持部100の基材101は、導電性を有するものであり、一般にはステンレス等の金属によって形成されている。
被覆材1Aは、その装着部13に基材101が挿入されることによって、該基材101の表面に取り付けられている。被覆材1Aを基材101の表面に取り付ける方法としては、被覆材1A自体の弾性を利用して密着させる方法でもよいし、接着剤によって接着する方法でもよい。
接着剤は装着部13の内面全面もしくは基材101の表面全面に塗布される必要はなく、その一部に塗布されていればよいため、導電材料が配合された内層12と基材101とが直接接触することが妨げられることはないが、両者の電気的導通を確実に得ることができるようにする観点から、接着剤は導電性接着剤を用いることが好ましい。
このロボット把持部の被覆構造によれば、把持対象の物体と直接接触して把持を行う外層11と、基材101と接触する内層12の両方に導電材料が配合されているため、稼働中に被覆材1Aの表面の電荷を、外層11と接している内層12を通って基材101に逃がすことができる。従って、把持時に物体Xを滑って落としたり破損したりすることがなく、把持の安定性に優れる効果に加え、耐久性のある帯電防止機能を有するロボット把持部の被覆構造とすることができる。
なお、この被覆構造において、被覆材1Aは、別途形成したものを基材101に被せる態様に限らず、基材101の表面に内層12と外層11をそれぞれ構成する弾性体材料を順次塗布等して層形成することによって、直接一体成形するようにしてもよい。
また、この被覆構造において、外層11と内層12は、基材101の側周面のみを被覆しているだけでもよく、必ずしも基材101の先端面には形成されていなくてもよい。
(ロボット把持部の被覆構造の実施形態2)
次に、本発明に係るロボット把持部の被覆構造の他の一例を図6に示す。
図6は、図5同様のエアチャック型のロボットハンドのロボット把持部100に設けられている一対の基材101、101に、それぞれ上述した被覆材1Bを設けたものである。図中、Xは、ロボット把持部100によって把持された把持対象の物体である。
被覆材1Bは、その装着部13に基材101が挿入されることによって、該基材101の表面に取り付けられている。この場合、把持対象の物体を、外層11と内層12との2層構造の部位で把持できるように、一対の基材101、101の対向面に2層構造の部位が配置されるように取り付けられる。被覆材1Bを基材101の表面に取り付ける方法としては、被覆材1B自体の弾性を利用して密着させる方法でもよいし、接着剤によって接着する方法でもよい。
接着剤は装着部13の内面全面もしくは基材101の表面全面に塗布される必要はなく、その一部に塗布されていればよいため、内層12と基材101とが直接接触することが妨げられることはないが、両者の電気的導通を確実に得ることができるようにする観点から、接着剤は導電性接着剤を用いることが好ましい。
このロボット把持部の被覆構造によれば、把持対象の物体と直接接触して把持を行う外層11の一部が基材101と接触する構成であり、この外層11には必ず導電材料が配合されているため、稼働中に被覆材1Bの表面の電荷を、基材101と電気的に導通している外層11から直接基材101に逃がすことができる。従って、把持時に物体を滑って落としたり破損したりすることがなく、把持の安定性に優れる効果に加え、耐久性のある帯電防止機能を有するロボット把持部の被覆構造とすることができる。
なお、この被覆構造においても、被覆材1Bは、別途形成したものを基材101に被せる態様に限らず、基材101の表面に内層12と外層11をそれぞれ構成する弾性体材料を順次塗布等して層形成することによって、直接一体成形するようにしてもよい。
また、この被覆構造においても、外層11と内層12は、基材101の側周面のみを被覆しているだけでもよく、必ずしも基材101の先端面には形成されていなくてもよい。
以上説明した各被覆構造は、いずれもエアチャック型のロボットハンドのロボット把持部に適用した例を示したが、多指型のロボットハンドのロボット把持部にも同様に適用することができる。
1A、1B:被覆材
11:外層
12:内層
13:装着部
13a:開口部
13b:底面
13c〜13f:側面
100:ロボット把持部
101:基材
把持部を被覆する弾性材としては、ゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどの材質が挙げられる(特許文献2、3)。
ロボット把持部を被覆する弾性体として挙げられるゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどの材料は、絶縁性であり、静電気を帯び易い。把持部を被覆する弾性体が静電気を帯びると、把持部に埃などのゴミが付着し易くなり、把持対象となる物体へのゴミの付着(コンタミネーション)や、把持能力の低下に繋がるおそれがある。特にコンタミネーションを嫌う環境、例えば食品や電子部品の製造ライン用ロボット用途においては、品質低下につながるおそれがある。
4.前記内層を構成する弾性体が、シリコンゲル又はウレタンゲルであり、前記外層を構成する弾性体が、シリコンゴム又はウレタンゴムであることを特徴とする前記1、2又は3記載の被覆材。
10.前記内層を構成する弾性体が、シリコンゲル又はウレタンゲルであり、前記外層を構成する弾性体が、シリコンゴム又はウレタンゴムであることを特徴とする前記7、8又は9記載のロボット把持部の被覆構造。
外層11、内層12に用いられる弾性体は、両者に硬度差を持たせることができれば格別限定されるものではないが、例えばゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどが挙げられる。中でも、外層11にシリコンゴムやウレタンゴム、内層12にシリコンゲルやウレタンゲルを用いることが好ましい。
外層11を構成する弾性体の硬度は、ショアA硬40〜90度であることが好ましい。また、内層12を構成する弾性体の硬度は、外層11よりも低く、ショアA硬度0〜10度であることが好ましい。各層の硬度は、樹脂材料の変更や主剤と硬化剤の混合比を変更することによって調整することができる。

Claims (12)

  1. 物体を把持する機能を有する導電性の基材の表面に接して設けられる被覆材であって、
    弾性体からなる内層と、
    前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層と、
    前記基材が装着される装着部とを備え、
    前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
    前記装着部の内壁は、前記内層のみによって形成されていると共に、
    前記内層と前記外層の両方に、導電材料を配合してなることを特徴とする被覆材。
  2. 物体を把持する機能を有する導電性の基材の表面に接して設けられる被覆材であって、
    弾性体からなる内層と、
    前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層と、
    前記基材が装着される装着部とを備え、
    前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
    前記装着部の内壁は、前記内層と前記外層の両方によって形成されていると共に、
    前記内層と前記外層のうちの少なくとも前記外層に、導電材料を配合してなることを特徴とする被覆材。
  3. 前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の弾性体の高度は、ショアA硬度40〜90度であることを特徴とする請求項1又は2記載の被覆材。
  4. 前記内層を構成する弾性体が、シリコンゲル又はウレタンゲルであり、前記外層を構成する弾性体が、シリコンゴム又はウレタンゴムであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の被覆材。
  5. 前記導電材料は、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の被覆材。
  6. 前記外層の表面抵抗が、10Ω〜1012Ωであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の被覆材。
  7. 物体を把持する機能を有するロボット把持部の導電性の基材の表面に、弾性体からなる内層と、前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層とを備え、
    前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
    前記内層と外層のうちの前記内層のみが前記基材と接触しており、
    前記内層と前記外層の両方に、導電材料を配合してなることを特徴とするロボット把持部の被覆構造。
  8. 物体を把持する機能を有するロボット把持部の導電性の基材の表面に、弾性体からなる内層と、前記内層の表面に接すると共に前記物体の把持時に該物体に接触する弾性体からなる外層とを備え、
    前記内層は、前記外層よりも低硬度の弾性体によって構成され、
    前記内層と前記外層の両方が前記基材と接触しており、
    前記内層と前記外層のうちの少なくとも前記外層に、導電材料を配合してなることを特徴とするロボット把持部の被覆構造。
  9. 前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の弾性体の高度は、ショアA硬度40〜90度であることを特徴とする請求項7又は8記載のロボット把持部の被覆構造。
  10. 前記内層を構成する弾性体が、シリコンゲル又はウレタンゲルであり、前記外層を構成する弾性体が、シリコンゴム又はウレタンゴムであることを特徴とする請求項7、8又は9記載のロボット把持部の被覆構造。
  11. 前記導電材料は、金属、金属酸化物、炭素材料、導電性高分子の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のロボット把持部の被覆構造。
  12. 前記外層の表面抵抗が、10Ω〜1012Ωであることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載のロボット把持部の被覆構造。
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