JP7147766B2 - 光学フィルム及び画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム及び画像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7147766B2
JP7147766B2 JP2019536756A JP2019536756A JP7147766B2 JP 7147766 B2 JP7147766 B2 JP 7147766B2 JP 2019536756 A JP2019536756 A JP 2019536756A JP 2019536756 A JP2019536756 A JP 2019536756A JP 7147766 B2 JP7147766 B2 JP 7147766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
liquid crystal
positive
plate
retardation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019536756A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019035414A1 (ja
Inventor
諭 江森
剛志 黒田
章伸 牛山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Publication of JPWO2019035414A1 publication Critical patent/JPWO2019035414A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7147766B2 publication Critical patent/JP7147766B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/13363Birefringent elements, e.g. for optical compensation
    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F9/00Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Description

本発明は、Aプレートとして機能する位相差層を備える光学フィルム、この光学フィルムを使用した画像表示装置に関する。
従来、画像表示装置に関して、画像表示パネルのパネル面(視聴者側の面)に円偏光板として機能する光学フィルムである反射防止フィルムを配置し、この反射防止フィルムにより外来光の反射を低減する方法が提案されている。ここでこの反射防止フィルムは、直線偏光板、1/4波長板の積層により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く1/4波長板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルのパネル面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長板により、直線偏光板で遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
この光学フィルムに関して、特許文献1等には、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長位相差層、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相差層を積層して1/4波長板を構成することにより、正の波長分散特性による液晶材料を使用して直線偏光板からの入射光に対して逆分散特性により1/4波長板を機能させる方法が提案されている。なおここで逆分散特性とは、短波長側ほど透過光における位相差が小さい波長分散特性である。
このような光学フィルムに関して、特許文献2には、1/2波長位相差層、1/4波長位相差層、正Cプレートの積層体に関して、斜め方向からの観察時における色味を向上する工夫が提案されている。
ところで特許文献2に開示のように、1/4波長板に液晶分子が垂直配向された正Cプレートを配置すれば、種々の入射角による透過光に対して、所望の位相差を付与することができ、これにより十分に視野角特性を確保して反射防止を図ることができる。
しかしながらこのように構成すると、光学フィルムの構成が多層となることから、製造工程が増加する。そのため、生産性が低下する問題がある。また製造工程が複雑化することにより歩留りが低下しコストが向上する問題がある。さらに製造工程が複雑化することにより、位相差層欠陥の発生も増大して歩留りの低下や光学特性等の品質が劣化する問題がある。
特開平10-68816号公報 特開2014-224837号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、Aプレートとして光学的機能を備えた位相差層を備える光学フィルムに関して、十分な視野角特性を確保した上で、構成、工程を簡略化し、さらに品質を向上することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物による単一層により正Aプレート及び正Cプレートとして光学的機能を備える光学的機能層を形成するとの着想を得、本発明に想到した。
(1)透過光に面内位相差を付与する位相差層を備えた光学フィルムであって、
前記位相差層は、
重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物による単一層で形成されており、
前記単一層の一方の面側から、
前記重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
前記重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
が連続して形成されており、
前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である光学フィルム。
(2)前記正Cプレート層領域の光学的な特性と前記正Aプレート層領域の光学的な特定とが急激に変化する境界又は境界とみなせる領域として定義される光学界面が光学的測定により特定可能である
(1)に記載の光学フィルム。
(3)直線偏光板に前記位相差層が形成された
(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4)直線偏光板に、1/2波長位相差層と、前記位相差層と、が順次形成された
(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(5)(1)に記載の光学フィルムが、画像表示パネルの視聴者側の面であるパネル面側に配置された
画像表示装置。
(6)(3)に記載の光学フィルムが、画像表示パネルの視聴者側の面であるパネル面側に配置された
画像表示装置。
(7)(4)に記載の光学フィルムが、画像表示パネルの視聴者側の面であるパネル面側に配置された
画像表示装置。
(8)透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する光学フィルムの製造方法であって、
重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合することにより、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に、透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する工程を含み、
前記位相差層は、
前記混合物の重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
前記混合物の重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
が連続して形成されている単一層であり、
前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である光学フィルムの製造方法。
(9)光学フィルム用の転写フィルムであって、
液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に、透過光に面内位相差を付与する位相差層と、が形成され、
前記位相差層は、
重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物による単一層で形成されており、
前記単一層の一方の面側から、
前記重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
前記重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
が連続して形成されており、
前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である転写フィルム。
(10)光学フィルム用の転写フィルムの製造方法であって、
重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合することにより、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に、透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する工程を含み、
前記位相差層は、
前記混合物の重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
前記混合物の重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
が連続して形成されている単一層であり、
前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である転写フィルムの製造方法。
本発明によれば、正Aプレートとして光学的機能を備える位相差層が形成された光学フィルムに関して、十分な視野角特性を確保した上で、構成、工程を簡略化し、さらに品質を向上することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 正Aプレート用モノマーと正Cプレート用モノマーとによる位相差層の説明に供する図である。 本発明による位相差層の説明に供する図である。 図3の位相差層における光学界面の説明に供する図である。 転写フィルムの説明に供する図である。 転写フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 配向層22に近い側の液晶分子11Aの配向方向を確認する手法を説明する図である。 空気界面に近い側の液晶分子11Aの配向方向を確認する手法を説明する図である。 図7中に示した矢印Mの方向からの測定状況を例示する図である。 位相差層の進相軸を基準軸に設定して、この基準軸回りに位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果の例を示す図である。 位相差層の進相軸を基準軸に設定して、この基準軸回りに位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果の他の例を示す図である。 光学界面が微小厚みを備える場合の位相差層7を説明する図である。 正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8とが複数層配置されている形態を例示する図である。
〔第1実施形態〕
〔画像表示装置〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す断面図である。この画像表示装置1は、画像表示パネル2のパネル面側(視聴者側の面)に、粘着剤層等を使用して、反射防止フィルムによる光学フィルム3を貼り付けて配置する。これにより画像表示装置1は、この光学フィルム3により十分に反射防止を図るように構成される。
画像表示パネル2は、例えば有機EL素子等による自発光素子による画像表示パネルであるものの、これに代えて、液晶表示パネル等の画像表示パネルを適用してもよい。
〔光学フィルム〕
光学フィルム3は、直線偏光板4と1/4波長板5とが形成されることにより構成される。また光学フィルム3は、直線偏光板4の透過軸に対して1/4波長板5の遅相軸が45度の角度を成すように配置される。これにより光学フィルム3は、円偏光板として機能して外来光の反射を防止する。
〔直線偏光板〕
直線偏光板4は、偏光子を含むものであれば特に限定されるものではなく、偏光子の片側又は両側に偏光板保護フィルムを有するものであってもよい。
偏光子は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)のような親水性ポリマーからなるフィルムを二色性色素であるヨウ素を含有する水溶液に浸漬させて延伸することによりポリビニルアルコールとヨウ素との錯体を形成させた偏光子や、ポリ塩化ビニルのようなプラスチックフィルムを処理してポリエンを配向させたものからなる偏光子等を挙げることができる。
また、ヨウ素の代わり二色性色素として二色性染料を用いる場合は、二色性染料として、アゾ系染料、スチルベン系染料、メチン系染料、シアニン系染料、ピラゾロン系染料、トリフェニルメタン系染料、キノリン系染料、オキサジン系染料、チアジン系染料、アントラキノン系染料等が用いられる。
上述の偏光板保護フィルムは、上述の偏光子を保護することができ、且つ、所望の透明性を有するものであれば特に限定されるものではない。偏光板保護フィルムの材料としては、例えば、アセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等あるいは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、又は紫外線硬化型の樹脂等を挙げることができる。中でも、上述の樹脂材料としてアセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、又はアクリル系樹脂を用いることが好ましい。その中でも特に、アセチルセルロース系樹脂であるトリアセチルセルロース(TAC)が好適である。
〔1/4波長板〕
1/4波長板5は、転写法により後述する転写フィルムから、透過光に1/2波長分の面内位相差を付与する1/2波長位相差層6と、透過光に1/4波長分の面内位相差を付与する1/4波長位相差層7と、を順次、直線偏光板4に貼り付けて配置される。またこれら1/2波長位相差層6と、1/4波長位相差層7と、は、その遅相軸が直線偏光板4の透過軸に対してそれぞれ略15度、略75度の角度を成すように配置され、これにより1/4波長板5は、直線偏光板4の透過光に対して全体として逆分散の波長特性により1/4波長の位相差を付与するように構成される。これにより光学フィルム3は、可視光域の広い波長帯域で十分に反射防止機能を発揮できるように構成される。
なお実用上十分な特性を確保できる場合、1/2波長位相差層6を省略して、1/4波長位相差層7のみ転写するようにしてもよい。
なお転写法とは、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体(転写フィルム)を製造した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
〔1/2波長位相差層〕
1/2波長位相差層6は、重合性棒状液晶材料による1層の塗工層を硬化して作製された液晶材料による1層の位相差層であり、波長550nmにおける面内位相差Re(550)が100nm以上400nm以下であり、好ましくは220nm以上340nm以下であり、より好ましくは240nm以上300nm以下により形成される。
1/2波長位相差層6は、この種の位相差層の形成に使用する各種の重合性棒状液晶材料を広く適用することができる。具体的に、水平方向(配向層の面内方向である)の配向規制力により水平配向する液晶材料であって、分子内に重合性官能基を有する種々の棒状液晶化合物を適用することができる。またこの棒状液晶化合物は、屈折率異方性を有し、配向層の配向規制力により規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。棒状化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す棒状化合物を用いることがより好ましい。
〔1/4波長位相差層〕
1/4波長位相差層7は、重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物による塗工液を塗工して形成された混合物の重合物による単一層の塗工層を硬化して形成された単一層の位相差層であり、波長550nmにおける面内位相差Re(550)が50nm以上200nm以下であり、好ましくは110nm以上170nm以下であり、より好ましくは120nm以上150nm以下により形成される。
この混合物の重合物による単一層は、非積層界面である光学界面が形成されている層ではあるが、その単一層全体は、同一の組成である重合物により形成される層である。
なおこの単一層とは、層同士を別々に積層等することにより形成される層間の積層界面を有さず、層全体が同一の組成である重合物により形成される単一の層であることを意味するものである。単一層は、例えば、計測光を照射して反射光によるラマン強度分布により確認することができる。重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーのそれぞれのラマン吸収ピークが、層の厚み方向全体に検出されれば、モノマーとポリマーは分離されておらず、重合層が混合物と認定することができる。
また1/4波長位相差層7は、重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域9と、重合物が水平配向することによって透過光に1/4波長分の面内位相差を付与する正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域8とを備え、正Cプレート層領域9が1/2波長位相差層6側となる向きにより1/2波長位相差層6と積層される。
これにより光学フィルム3は、この正Cプレート層領域9により十分な視野角特性を確保できるように構成される。
また1/4波長位相差層7は、この正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8との間に、光学特性の不連続界面であって非積層界面である光学界面10が形成される。この光学界面10により正Cプレート層領域と、光学界面と、正Aプレート層領域と、が連続して形成され、且つ正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8とがそれぞれ一定の厚みにより形成される。
このように重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物の重合物による単一層の位相差層により1/4波長板位相差層7を形成することにより、正Cプレート層と、正Aプレート層とを別個に積層して形成した1/4波長位相差層の積層体と比べ、光学フィルム3は、構成、工程を簡略化することができる。また重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性重合性棒状液晶モノマーと、の混合物の重合物による単一層と比べ、位相差層欠陥の発生を十分に防止して、光学特性を向上することができる。
光学界面の存在は、例えば、各波長における入射光に対する正反射の反射率を測定することにより認定することができる。例えば所定の波長以上において、反射率の変動(脈動の振幅)が減少していることにより光学界面の存在を認定することができる。より具体的には、各波長における入射光に対する正反射の反射率の計測結果をフーリエ解析し、2つの光学界面由来ピークを確認することにより、光学界面の存在を確認することができる(下記の実施例参照)。光学界面10は、光学特性の異なる正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8との界面であり、後述する図4(c)により明らかなように、反射光の発生する界面であることにより、厚みは0である。しかしながら液晶材料の組成等によっては、微小厚みを備える場合も考えられる。
上述したように、光学界面10は、正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8との間における光学特性の不連続界面であって非積層界面であると説明したが、誤解のおそれも考えられることから、光学界面10について、より詳しく説明する。光学界面と呼んでいるのは、あくまで便宜上の称呼であり、実際に層構成として観察可能な界面が存在することを意味するものではない。非積層界面であるとの説明は、このことを意味している。そして、この光学界面とは、上述したように、「光学特定の不連続界面」として定義される仮想の界面であり、換言すると、正Cプレート層領域の光学的な特性と正Aプレート層領域の光学的な特定とが急激に変化する境界又は境界とみなせる領域として定義される。なお、「境界とみなせる領域」とは、上述したように、光学界面の厚みは0であるが、液晶材料の組成等によっては、微小厚みを備える場合の、光学界面とみなせる微小厚み領域(厚さの有る領域)のことである。
なお正Aプレート層領域8が1/2波長位相差層6側となる向きで1/4波長位相差層7を配置してもよい。また1/4波長位相差層7に代えて、又は1/4波長位相差層7に加えて、重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物の重合物による単一層により1/2波長位相差層6を形成して、1/2波長位相差層6を正Cプレート層領域、正Aプレート層領域の構造により形成してもよい。
ここで図2(a)に示すように、水平方向に配向規制力を発現する配向層22の上に、重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性重合性棒状液晶モノマーと、の混合物からなる液晶材料による塗工液を塗工して硬化することにより位相差層11を形成した場合、配向層22の近傍では、配向層22の配向規制力により液晶分子11Aが水平配向する。また配向層22から遠ざかるに従って配向層22の配向規制力による影響が小さくなることにより、徐々に液晶分子11Aのチルト角が増大する。そして、位相差層11の表面である空気界面近傍では液晶分子11Aが垂直配向する。これによりAプレート層部分とCプレート層部分との構造による光学的機能を備えた位相差層11を形成することができる。
しかしながらこのようにし重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性重合性棒状液晶モノマーと、の混合物からなる液晶材料を塗工して形成されるAプレートとCプレートとの構造の光学特性を備えた位相差層11は、位相差層欠陥が発生して光学特性が低下する問題がある。
図2(b)は、クロスニコル配置による直線偏光板の間に位相差層11を備えたガラス板を配置して透過光を観察した偏光顕微鏡写真であり、この図2(b)によれば、面内位相差のばらつきによる位相差層欠陥を確認することができる。
なおこの図2(b)の位相差層11は、重合性棒状液晶モノマーに下述の(11)及び(17)の棒状化合物を混合比1:1で混合した混合物を適用し、ホメオロトピック配向性重合性棒状液晶モノマーにRMM28B(メルク社製)を適用した。また重合性棒状液晶モノマーとホメオロトピック配向性重合性棒状液晶モノマーとを質量比1:3.75により混合し、DIC製メガファック(F477)を添加し、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンの1:1の混合溶剤により塗工液を調製した。また光配向層によりガラス板に配向層22を形成した後、乾燥膜厚2.0μmによりこの塗工液をミヤバー#6で塗工、乾燥して塗工層を作製し、紫外線の照射によりこの塗工層を硬化して形成した。
このような位相差層欠陥の発生は、液晶分子11Aの配向が面内方向で不均一化することにより発生するものと考えられる。
しかしながら重合性棒状液晶モノマーとホメオロトピック配向性液晶ポリマーとの混合物による単一層で形成された位相差層(1/4波長位相差層)7では、このような位相差層欠陥の発生を十分に防止することができる。
図3(a)及び(b)は、図2(a)及び(b)との対比により本実施形態の位相差層7の説明に供する図である。
本実施形態の1/4波長位相差層7は、図2(b)との対比により図3(b)に示すように、全面が略均一な明るさにより偏光顕微鏡写真が得られ、これにより位相差層欠陥の発生を十分に防止できることが確認された。なおこの図3(b)は、図2(b)と同一の条件によって撮影された偏光顕微鏡写真である。
この図3(b)の偏光顕微鏡写真では、正Aプレート用モノマーとして下述の(11)及び(17)の棒状化合物を混合比1:1で混合した混合物を、正Cプレート用ポリマーとして下述の(19)及び(29)の棒状化合物をモル比1:1で混合した混合物を適用した。また正Aプレート用モノマーと正Cプレート用ポリマーとを質量比100:1により混合し、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンの1:1の混合溶剤により塗工液を調製した。また光配向層によりガラス板に配向層22を形成した後、乾燥膜厚2.0μmによりこの塗工液をミヤバー#6で塗工、乾燥して塗工層を作製し、紫外線の照射によりこの塗工層を硬化して位相差層を形成した。
この位相差層7は、図3(a)に示すように、光学界面10を境にして、正Cプレート層領域9では、液晶分子が垂直配向し、正Aプレート層領域8では液晶分子が水平配向し、これら正Cプレート層領域9及び正Aプレート層領域8が一定厚みに形成されることにより、このような欠陥の発生を防止できるものと考えられる。
位相差層7が、重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物によって形成されることにより、面内方向における配向の不均一化の発生を防止することができる理由については、必ずしも明らかではない。しかしながら、本来垂直配向するホメオロトピック配向性液晶ポリマーによって、本来水平配向する重合性棒状液晶モノマーから重合される液晶分子が何らかの形で拘束されることにより、液晶分子の配向が適切に制御され、図2の(a)で示すように配向層22から遠ざかるに従って徐々に液晶分子のチルト角が増大するような構成とはならずに、図3の(a)で示すように光学特性の不連続界面である光学界面を境に水平配向から垂直配向へと急激に配向が変化するように位相差層7が形成されるためであると考えられる。
図4は、光学界面10の確認に使用した計測結果を示す特性曲線図であり、入射角5度の入射光に対する正反射の反射率である。図4(a)は、重合性棒状液晶モノマーの重合物のみによる位相差層の計測結果であり、位相差層の空気界面及び基材側界面における反射光の干渉により位相差層の厚みによる反射率の変動(脈動)が観察された。なお位相差層は、塗工液が異なる点を除いて図2(a)について上述した位相差層と同一に、厚み1.6μmにより形成した。
図4(b)は、図2(b)の例による位相差層(重合性棒状液晶モノマーとホメオロトピック配向性液晶モノマーを含む混合物の重合物による単一層)の計測結果である。この図4(b)によれば、短波長側から長波長側で、一様に図4(a)と比べ減少した状態で反射率の変動(脈動)が観察されており、これにより図4(a)の場合と同様に、位相差層が単一の層により形成されていることが確認された。
図4(c)は、図3(b)の位相差層7(重合性棒状液晶モノマーとホメオロトピック配向性液晶ポリマーを含む混合物の重合物による単一層)の計測結果である。この計測結果では、波長による反射率の変動(脈動の振幅)が、波長500nm程度で減少し、これにより位相差層7の内部に光学界面10の存在が確認された。
なおこの計測結果をフーリエ解析したところ、正Cプレート層領域9及び正Aプレート層領域8がそれぞれ厚み0.4μm、1.6μmにより形成されていることが分かった。
なおこの1/4波長位相差層7の厚み方向における成分組成を、スポット径0.8μmにより計測光を照射して反射光によるラマン強度分布により観察したこところ、重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーとに由来するそれぞれのラマン吸収ピークが1/4波長位相差層7の厚み方向全域に亘って存在することが確認された。これにより重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物による単一層を形成することにより、正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域9及び正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域8が混合物により形成されていることが確認された。
上述したように、反射率を測定することにより、光学界面の存在を認定することができるが、液晶材料の組成等によっては、光学界面の存在を認定できないおそれもある。その場合には、光学界面の存在を明示的に認定しなくても、正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8とが適切に構成されていることを認定する別の手法がある。以下、この手法について説明する。
図3に示したように液晶分子11Aが配向しており、その変化が急激に起こっていることを確認すれば、光学界面の存在を認定できない場合であっても、正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8とが適切に構成されていることを認定することができる。
図7は、配向層22に近い側の液晶分子11Aの配向方向を確認する手法を説明する図である。
図8は、空気界面に近い側の液晶分子11Aの配向方向を確認する手法を説明する図である。
液晶分子11Aの配向状態を調べるためには、位相差層7の断面に偏光状態が整えられた赤外光(偏光IR)を微小なスポットで照射し、その反射光を検出(測定)する。これを同じ位置において様々な方向から行ない、特異的な吸収がある方向を特定することにより、液晶分子11Aの配向方向を確認することができる。ここで、位相差層7は、例えば、図7及び図8に示すように、位相差層7の表面に対して斜め方向に切断し、この斜め方向の切断面に対して、偏光IRを照射するとよい。斜め方向に切断するのは、液晶分子11Aに偏光IRが照射される確率を高くし、液晶分子11Aに偏光IRが照射されずに反射光の検出が適切に行なわれなくなることを防ぐためである。また、偏光IRを測定光として用いると、表面だけでなく数μm下(1/4波長位相差層7内)の状況も反映したデータが得られるので、この影響を排除するために、図7及び図8に示すように斜めに切断した先端側(鋭角側)において配光方向を確認することが望ましい。
図9は、図7中に示した矢印Mの方向からの測定状況を例示する図である。
例えば、矢印Mの方向から測定する場合において、矢印Mの方向から偏光IRを照射し、10度刻みで360度全周について測定を行なう。
図10は、位相差層の進相軸を基準軸に設定して、この基準軸回りに位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果の例を示す図である。
図11は、位相差層の進相軸を基準軸に設定して、この基準軸回りに位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果の他の例を示す図である。
本実施形態では、正Cプレート層領域9及び正Aプレート層領域8の双方を備えていることから、図11のように下に凸の特性を示すが、正Aプレート層領域8が占める割合が多い場合には、図10のような上に凸の特性となる。よって、正Aプレート層領域8が占める割合によって、図10のような特定と図11のような特性との間で、特性を示す曲線は徐々に変化する。よって、理論上は、上に凸の特性と下に凸の特性との間で、略フラットな特性曲線を示す場合がある。
なお、図10の実施例1~3及び比較例1と、図11の実施例1~3及び比較例1は、正Aプレート層領域8が占める割合が異なる別のサンプルの測定データである。
また、この位相差値の測定は、例えば、王子計測機器株式会社のKOBRAシリーズ、大塚電子株式会社のRETSシリーズ等を用いて行なうことができる。
本実施形態による位相差層7は、位相差値の計測結果において、従来の構成では得られない特徴的な点がある。
具体的には、位相差層7の進相軸を基準軸に設定して、この基準軸回りに位相差層7への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角は20度以下、より好ましくは10度以下、さらに好ましく作製された場合には5度以下に収まる(図10及び図11中の実施例1~3参照)。
したがって、本実施形態の位相差層7によれば、充分に光学特性の偏りを防止することができ、良好な視野角特性を確保することができる。
これは、本実施形態の位相差層7では、液晶分子11Aの配向に偏りがないことから得られる優れた効果である。
なお、位相差層7の進相軸を基準軸に設定して、この基準軸回りに位相差層7への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果は、位相差層7の遅相軸を含む位相差層の垂直面内で入射角を変化させた位相差値Reの計測結果である。
これに対して、図2(a)に示したような従来の構成では、光学特性の偏りが顕著に現われる。図2(a)に示したような従来の構成は、一般に「ハイブリッド配向液晶材料」と呼ばれている。この従来のハイブリッド配向液晶材料によって構成された位相差層では、垂直配向層近傍では、液晶材料が垂直方向に配向しており、垂直配向層から遠ざかるに従って徐々に液晶材料が揃って水平方向に倒れる(寝る)特性を備える。これにより従来のハイブリッド配向液晶材料によって構成された位相差層は、一見、本実施形態の位相差層7と同様に液晶分子が配向しているようにも思われる。しかし、従来のハイブリッド配向液晶材料によって構成された位相差層では、水平配向した液晶分子の長軸方向に角度を振って面内位相差を計測した場合に、面内位相差が極値を示す角度が、入射角0度の方向から偏った角度となり、面内位相差の特性が一方向に偏った特性となる。
これは、従来のハイブリッド配向液晶材料によって構成された位相差層では、液晶分子11Aの配向が徐々に変化しており、かつ、この徐々に変化する領域(液晶分子11Aが斜めに配向する領域)での液晶分子11Aの配向が同一方向に揃っていることに生じる現象である。
例えば、従来のハイブリッド配向液晶材料によって構成された位相差層では、上述した位相差値が極値を取る入射角が30度以上となり、より大きな角度となる(図10及び図11中の比較例参照)。
よって、従来のハイブリッド配向液晶材料によって構成された位相差層では、良好な視野角特性を確保することが困難である。
また、上述したように、上に凸の特性と下に凸の特性との間で、略フラットな特性曲線を示す場合がある。このような場合には、極値を特定することが難しく、従来のハイブリッド配向液晶材料で構成されている層であるのか、本発明による本実施形態の位相差層7の形態の層であるのか、見分けがつかない場合もある。そのような場合には、位相差層の進相軸を基準軸に設定して、この基準軸回りに位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、-50度と50度の差の絶対値が、20nm以下(極値20度の値)であれば、本実施形態の位相差層7の形態の層であると判別できる。なお、この-50度と50度の差の絶対値が、10nm以下となるように構成されていることが好ましく、1nm以下となるように構成されることが、さらに好ましい。
〔重合性棒状液晶モノマー及びホメオロトピック配向性液晶ポリマー〕
ここで重合性棒状液晶モノマーには、その重合物が水平配向する正Aプレートの位相差層の形成に使用するモノマーを広く適用することができる。具体的に、重合性棒状液晶モノマーとは、重合性棒状液晶モノマーが重合されることにより重合物である液晶材料を形成し、水平方向の配向規制力によりその液晶材料が水平配向することのできるモノマーを意味するものである。また、重合性棒状液晶モノマーは、分子内に重合性官能基を有する種々の棒状液晶化合物を適用することができる。またこの棒状液晶化合物は、屈折率異方性を有し、配向層22の配向規制力により規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。液晶材料として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、液晶材料は、ネマチック相を示す棒状化合物であることがより好ましい。
液晶性化合物としては、特表2010-537954号公報、特表2010-537955号公報、特表2010-522892号公報、特表2010-522893号公報、及び特表2013-509458号公報等の各公開公報、並びに、特許第5892158号、特許第5979136号、特許第5994777号、及び特許第6015655号等の各特許公報に記載されている化合物が例示される。
重合性棒状液晶モノマーには、の具体例としては、例えば、下記式(1)~(17)で表される化合物を例示でき、これらの化合物を単独で又は複数を混合し、重合させて使用することができる。
Figure 0007147766000001
(gは2~5の整数)
Figure 0007147766000002
ホメオロトピック配向性液晶ポリマーとは、垂直方向の(配向層の厚み方向である)配向規制力により垂直配向する液晶材料を意味するものである。尚、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーは重合性を有していても有していなくてもよいが、重合性を有しないポリマーであることが好ましい。ホメオロトピック配向性液晶ポリマーには、垂直配向する正Cプレートの位相差層の形成に使用する各ポリマーを広く適用することができる。
ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーとしては、垂直配向膜を用いなくても、ホメオトロピック配向性を示すことができるものであれば特に限定はされない。
また、前記ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーは、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を発現する液晶ポリマーであり、中でも、規則的に配列させることが容易な点から、ネマチック相を発現する液晶ポリマーであることが好ましい。
なお、液晶ポリマーの配向性は、ガラス基板上にポリマーの膜を形成し、液晶温度で熱処理したとき、液晶状態で液晶性ポリマーがホメオトロピック配向をとるか、否かで判定できる。これらの基板は、酸、アルコール類、洗剤等で表面を清浄にした後用いるが、シリコン処理等の表面処理は行わずに用いる。ポリマーによっては液晶相-等方相転移点近傍の温度で特異的にホメオトロピック配向するものがあるので、通常、熱処理操作は、液晶相-等方相転移温度より15℃以下、好ましくは20℃以下の温度で行う。
ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーとしては、側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位を有する重合体が挙げられる。
液晶性構成単位は、メソゲン基にスペーサーを介して重合性基が結合した液晶性を示す化合物(以下、液晶モノマーという場合がある)から誘導される構成単位である。本明細書においてメソゲンとは、液晶性を発現するような剛直性の高い部位をいい、例えば、2個以上の環構造、好ましくは3個以上の環構造を有し、環構造同士が直接結合により連結しているか、又は、当該環構造が1原子乃至3原子を介して連結している部分構造が挙げられる。側鎖にこのようなメソゲンを有することにより、液晶性構成単位は垂直配向しやすくなる。
環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香環であってもよく、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状の脂肪族炭化水素であってもよい。
また、当該環構造が1原子乃至3原子を介して連結している場合、当該連結部の構造としては、例えば、-O-、-S-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-NR’-C(=O)-、-C(=O)-NR’-、-O-C(=O)-NR’-、-NR’-C(=O)-O-、-NR’-C(=O)-NR’-、-O-NR’-、-NR’-O-、-CH=CH-、-C≡C-、-N=N-等が挙げられる(R’はアルキル基)。当該アルキル基としては、例えば、直鎖、分岐若しくは環状の炭素原子数1以上6以下のアルキル基等が挙げられ、中でも直鎖若しくは分岐の炭素原子数1以上3以下のアルキル基が好ましい。なおここで、前記環構造が1原子乃至3原子を介して連結においては、-「N」R’-「C」(=O)-「O」-の「」内に入れた原子のように、連結部において直列に連なった原子数を数えている。
中でも、メソゲンとしては、前記環構造の連結が棒状になるように、ベンゼンであればパラ位、ナフタレンであれば2,6位で接続された、棒状メソゲンであることが好ましい。
また、側鎖に液晶性を示すメソゲンを含む構成単位は、垂直配向性の点から、当該構成単位の側鎖の末端が極性基であるか、アルキル基、又はアルコキシ基を有することが好ましい。極性基としては、例えば、-F、-Cl、-CN、-OCF、-OCFH、-NCO、-NCS、-NO、-NHC(=O)-R”、-C(=O)-OR”、-OH、-SH、-CHO、-SOH、-NR”(R”は水素原子又は炭化水素基)等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1以上6以下のアルキル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、直鎖状、分岐状又は環状の炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基等が挙げられる。
側鎖型液晶ポリマーにおける液晶性構成単位は、例えば、H.J.Neumann,M.Jarek,andG.P.Hellmann Macromolecules,26,2489-2495,(1993)や、国際公開2004/113469のp.8~10に記載されているような、従来公知の液晶モノマーから誘導される液晶性構成単位を適宜選択して用いればよい。
また、前記ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーを構成する構成単位は、互いに重合可能なエチレン性二重結合含有基を有するモノマーから誘導される構成単位であることが好ましい。このようなエチレン性二重結合含有基を有するモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、(メタ)アクリルアミド、マレイミド、ビニルエーテル、又はビニルエステル等の誘導体が挙げられ、中でも、(メタ)アクリル酸エステル誘導体から誘導される構成単位が、垂直配向性の点から、好ましい。
前記ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーとしては、液晶性構成単位の垂直配向性を向上する点から、中でも、側鎖にメソゲンを含まない構成単位と、側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位とを有する共重合体が好ましい。
この場合、共重合体における側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位の含有割合としては、液晶性構成単位の垂直配向性を向上し、十分な液晶配向性を有する点から、共重合体全体を100モル%としたとき、40モル%以上80モル%以下の範囲内で設定することが好ましく、更に、50モル%以上75モル%以下の範囲内であることが好ましい。
また、側鎖にメソゲンを含まない構成単位の含有割合としては、液晶性構成単位の垂直配向性を向上し、十分な液晶配向性を有する点から、共重合体全体を100モル%としたとき、20モル%以上60モル%以下の範囲内で設定することが好ましく、更に、25モル%以上50モル%以下の範囲内であることが好ましい。
なお、共重合体における各構成単位の含有割合は、H NMR測定による積分値から算出することができる。
前記共重合体としては、中でも、側鎖にメソゲンを含まない構成単位として、下記一般式(I)で表される構成単位を有し、側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位として下記一般式(II)で表される構成単位とを有する共重合体が好ましい。なお、これ以外にも、特許第4174192号に記載の側鎖型液晶ポリマーや、特開2007-217656に記載の液晶性を有する基を有するポリマーなどを用いることもできる。
Figure 0007147766000003
(一般式(I)中、Rは、水素原子又はメチル基を、Rは、-(CH2)-R、又は-(CO)n’-Rで表される基を表す。Rは、置換基を有していてもよいメチル基、置換基を有していてもよい炭素原子数6以上10以下の芳香族炭化水素基、或いは、-OR、-O-C(=O)R、又は-C(=O)-ORを表し、R及びRは各々独立に、置換基を有していてもよい炭素原子数1以上10以下の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素原子数6以上10以下の芳香族炭化水素基、又はこれらの組み合わせを表す。nは2以上22以下の整数であり、n’は1以上6以下の整数である。
一般式(II)中、R11は、水素原子又はメチル基を、R12は、-(CH-、又は-(CO)m’-で表される基を表す。Lは、直接結合、又は、-O-、-S-、-O-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-O-、-NR14-C(=O)-、-C(=O)-NR14-、-O-C(=O)-NR14-、-NR14-C(=O)-O-、-NR14-C(=O)-NR14-、-O-NR14-、若しくは-NR14-O-で表される連結基を、Arは、置換基を有していてもよい炭素原子数6以上10以下の芳香族炭化水素基を表し、複数あるL及びArはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R13は、-F、-Cl、-CN、-OCF、-OCFH、-NCO、-NCS、-NO、-NHC(=O)-R15、-C(=O)-OR15、-OH、-SH、-CHO、-SOH、-NR152、-R16、又は-OR16を、R14及びR15は各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、R16は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。aは2以上4以下の整数、m及びm’は各々独立に2以上10以下の整数である。)
前記一般式(I)において、Rのメチル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。
前記一般式(I)において、R、R及びRの置換基を有していてもよい炭素原子数6以上10以下の芳香族炭化水素基が有する芳香環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、中でもベンゼン環が好ましい。
前記芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等が挙げられ、前記アルキル基としては、炭素数1以上10以下が挙げられ、前記アルコキシ基としては、炭素数1以上10以下のアルコキシ基が挙げられる。
また、前記一般式(I)において、R及びRの置換基を有していてもよい炭素原子数1以上10以下の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよいが、中でも直鎖状であることが好ましい。前記炭素原子数1以上10以下の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基等の直鎖状アルキル基、i-プロピル基、i-ブチル基、t-ブチル基等の分岐状アルキル基、1-プロペニル基、1-ブテニル基等のアルケニル基、エチニル基、2-プロピニル基等のアルキニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基、1-シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基等が挙げられる。上記シクロアルキル基の場合には、例えば、n-プロピルシクロヘキシル基、n-ブチルシクロヘキシル基等のように、直鎖状アルキル基が置換されたシクロアルキル基であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基等の炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、メチル基、エチル基等の炭素原子数1以上6以下のアルキル基等が挙げられる。
前記脂肪族炭化水素基と前記芳香族炭化水素基の組み合わせとしては、前記芳香族炭化水素基に前記脂肪族炭化水素基が置換された構造や、前記脂肪族炭化水素基に前記芳香族炭化水素基が置換された構造等が挙げられる。
前記一般式(I)中のRは、水素原子又はメチル基であり、中でも水素原子であることが好ましい。
また、前記一般式(I)中のRにおいて、nは2以上22以下の整数であり、中でも2以上18以下の整数であることが好ましい。また、n’は、1以上6以下の整数であり、中でも、2以上6以下であることが好ましい。
また、曲げ耐性に優れ、位相差値の面内均一性が高い位相差層を形成しやすくなる点から、前記共重合体の分子中に、前記一般式(I)中のR中の、-(CH-、又は-(CO)n’-で表される連結基の炭素原子数が異なる2種以上の構成単位を含んでいてもよい。
連結基の炭素原子数が異なる2種以上の構成単位を含む場合の、一般式(I)で表される構成単位のR2の組合せとしては、例えば、
(A)-(CHn1-R、及び、-(CHn2-Rを含み、n1とn2が異なる数である組合せ。
(B)-(CO)n1’-R、及び、-(CO)n2’-Rを含み、n1’とn2’が異なる数である組合せ。
(C)-(CHn1-R、及び、-(CO)n2’-R4を含み、n1とn2’とで炭素原子数が異なる数である組合せ。
が挙げられ、上記(A)、(B)、(C)は、更に、別の一般式(I)で表される構成単位を含んでいてもよい。
なおこの場合、複数あるR3及び複数あるR4は、nの数に依存せず独立であり、当該複数あるR3及び複数あるR4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(I)で表される構成単位において、n及びn’の値の組合せは特に限定されないが、曲げ耐性、及び位相差値の面内均一性の点から、アルキレン鎖又はポリエチレンオキシド鎖を構成する炭素原子数の差が3以上となることが好ましく、5以上となることがより好ましい。
具体的には例えば、長さの異なるアルキレン鎖を有する場合、2種以上のnのうち、最大のものをnM、最小のものをnmとしたときに、nMとnmとの差(nM - nm)が3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
また、長さの異なるポリエチレンオキシド鎖を有する場合、2種以上のn’のうち、最大のものをn’M、最小のものをn’mとしたときに、n’Mとn’mとの差(n’M - n’m)が2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。
また、一般式(I)で表される構成単位において、アルキレン鎖又はポリエチレンオキシド鎖の長さが異なる2種以上の構成単位の比率は特に限定されないが、炭素原子数の最も多いアルキレン鎖又はポリエチレンオキシド鎖を有する構成単位と、炭素原子数の最も少ないアルキレン鎖又はポリエチレンオキシド鎖を有する構成単位との比がモル比で1:9~9:1であることが好ましく、2:8~8:2であることがより好ましい。
前記一般式(I)において、Rは、置換基を有していてもよいメチル基、置換基を有していてもよい炭素原子数6以上10以下の芳香族炭化水素基、又は-ORであることが好ましく、中でも、置換基を有していてもよいメチル基又は-ORであることが好ましい。
前記一般式(I)において、R及びRとしては、中でも、炭素原子数2以上10以下の脂肪族炭化水素基が置換された芳香族炭化水素基、炭素原子数2以上10以下のアルコキシ基が置換された芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素原子数1以上10以下の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
液晶が配向する温度範囲を広げられ、また、後述する重合性液晶化合物の析出が抑制されやすい点から、R及びRとしては、炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルキル基が置換された芳香族炭化水素基、又は、炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルコキシ基が置換された芳香族炭化水素基であってもよい。より具体的には、炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基が置換されたフェニレン基、炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基が置換されたナフチレン基、炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基が置換されたビフェニレン基等が挙げられる。
前記炭素原子数2以上10以下の直鎖又は分岐のアルキル基は、前記効果を向上する点から、炭素原子数2以上10以下の直鎖アルキル基であることが好ましく、炭素原子数3以上10以下の直鎖アルキル基であることが更に好ましく、炭素原子数4以上10以下の直鎖アルキル基であることがより更に好ましい。また、前記炭素原子数2以上10以下のアルコキシ基は、炭素原子数2以上10以下の直鎖アルコキシ基であることが好ましく、炭素原子数3以上10以下の直鎖アルコキシ基であることが更に好ましく、炭素原子数4以上10以下の直鎖アルコキシ基であることがより更に好ましい。
一般式(I)で表される構成単位の具体例としては、例えば下記式(18)~(28)もの等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。一般式(II)で表される構成単位としては、垂直配向性に優れる点から、下記式(29)~(31)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、更に、下記一般式(29)、(30)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
Figure 0007147766000004
Figure 0007147766000005
ここで、前記一般式(29)、(30)、(31)で表される構成単位において、R12、及び、R13はそれぞれ、前記一般式(II)のR12、及び、R13と同様である。
本開示において、前記共重合体は、前記一般式(I)で表される構成単位及び前記一般式(II)で表される構成単位の他に、前記一般式(I)で表される構成単位及び前記一般式(II)で表される構成単位のいずれにも該当しない他の構成単位を有していてもよい。前記共重合体に他の構成単位が含まれることにより、例えば溶剤溶解性、耐熱性、反応性等を高めることができる。
これらの他の構成単位は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
前記共重合体における、前記他の構成単位の含有割合としては、共重合体全体を100モル%としたとき、0モル%以上30モル%以下の範囲内であることが好ましく、0モル%以上20モル%以下の範囲内であることがより好ましい。前記他の構成単位の含有割合が多いと、相対的に前記一般式(I)で表される構成単位及び前記一般式(II)で表される構成単位の含有割合が少なくなり、垂直配向性を得ることが困難になる場合がある。
前記ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーは、側鎖にメソゲンを含まない構成単位からなるブロック部と、側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位からなるブロック部を有するブロック共重合体であってもよく、側鎖にメソゲンを含まない構成単位と側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位とが不規則に並ぶランダム共重合体であってもよい。本開示の実施形態においては、後述する重合性棒状液晶化合物の垂直配向を抑制する点及び位相差層を割れにくくする点から、ランダム共重合体であることが好ましい。
前記ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーの質量平均分子量Mwは特に限定されないが、500以上60000以下の範囲内であることが好ましく、1000以上50000以下の範囲内であることがより好ましく、3000以上40000以下の範囲内であることがさらに好ましい。上記範囲内であることにより、重合性液晶組成物の安定性に優れ、位相差層形成時の取り扱い性に優れている。前記ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーの質量平均分子量が大きすぎると、後述する重合性棒状液晶化合物との相溶性が悪くなる場合があり、均一な膜が製造しにくくなる場合がある。
なお、前記質量平均分子量Mwは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定された値である。
前記ホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーの製造方法は特に限定されず、例えば、公知の方法により合成した各構成単位に対応するモノマーを所望の比率で混合し、所望の質量平均分子量となるように重合することにより調製することができる。
また、ブロック共重合体とする場合には、例えば、側鎖にメソゲンを含まない構成単位を誘導するモノマーと、側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位を誘導するモノマーをそれぞれ公知の重合手段により重合した後、得られた各重合体を連結してもよく、また、側鎖にメソゲンを含まない構成単位を誘導するモノマー又は側鎖にメソゲンを含む液晶性構成単位を誘導するモノマーのうち一方を公知の重合手段により重合した後、他方のモノマーを加えて更に重合する方法などが挙げられる。
前記重合手段としては、ビニル基を有する化合物の重合に一般的に用いられる方法を採用することができ、例えば、アニオン重合やリビングラジカル重合などを用いることができる。本実施形態においては、なかでも、「J.Am.Chem.Soc.」105、5706(1983)に開示されているグループトランスファー重合(GTP)のようにリビング的に重合が進行する方法を用いることが好ましい。この方法によると、分子量、分子量分布などを所望の範囲とすることが容易であるので、得られるホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーの特性を均一にすることができる。
本開示においてホメオトロピック配向性側鎖型液晶ポリマーの構造は核磁気共鳴分光法(NMR)と、熱分解型ガスクロマトグラフ質量分析法(Py-GC-MS)、及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI-TOFMS)のうちの少なくとも一方と、を組み合わせて解析することができる。
重合性棒状液晶モノマー及びホメオロトピック配向性液晶ポリマーの混合比は、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーの質量平均分子量Mwによって好ましい最適の比は異なる。例えば、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーの質量平均分子量Mwが5000以上15000以下である場合、重合性棒状液晶モノマー100.0質量部に対し、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーは5.0質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、10.0質量部以上25.0質量部以下であることがより好ましい。ホメオロトピック配向性液晶ポリマーの質量平均分子量Mwが15000超40000以下である場合、重合性棒状液晶モノマー100質量部に対し、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーは0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。一方の混合量が低下すると、正Aプレート層領域、正Cプレート層領域の一方が形成されなくなったり、正Aプレート層領域、正Cプレート層領域を所望の厚みとならず、所望の1/4波長位相差層を形成できなくなることがあるからである。
〔転写フィルム〕
図5は、光学フィルム3の製造に供する転写フィルム20の構成を示す断面図である。転写フィルム20は、透明フィルム材による基材21に配向層22、1/4波長位相差層7を積層して構成される。このように転写フィルム20に1/4波長位相差層7を形成して転写法により転写することにより光学フィルム3の厚みを低減することができる。
ここで基材21は、転写フィルムの製造に供する種々の透明フィルム材を適用することができ、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等を適用することができる。
配向層22は、水平配向規制力を発現可能な種々の構成を適用することができ、例えば光配向層を適用することができる。なお図1の例では、1/4波長位相差層7のみ転写法により転写するように図示されているものの、配向層22を一体に転写するようにしてもよい。
なお基材21に2軸延伸フィルム(例えばPETフィルム)等の水平配向規制力を発現する部材を適用する場合には、配向層22を省略してもよい。
なおこのようにして配向層22により基材21の配向規制力を抑制できることにより、配向層22の膜厚の調整により光学界面10の位置(位相差層7の厚み方向の位置)を種々に調整することができ、1/4波長位相差層7の光学特性を所望の特性に設定することができる。
〔光学フィルムの製造方法〕
光学フィルム3の製造方法は特に制限されるものではない。例えば、重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合することにより、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層の表面に位相差層を形成する工程を含む、光学フィルムの製造方法を挙げることができる。
また位相差層は、後述した転写フィルムの製造方法により製造された転写フィルムを用いることにより、直線偏光板4の表面に積層してもよい。転写フィルムを用いることによりフィルムの表面に積層する方法とは、直線偏光板4の表面に1/2波長位相差層6が形成された転写フィルムと、1/4波長位相差層7が形成された転写フィルム20と、を用いることにより、直線偏光板4に、1/2波長位相差層6と、1/4波長位相差層7と、を順次積層することにより製造することができる。
光学フィルム3は、例えば、1/2波長位相差層6の転写フィルムが、紫外線硬化性樹脂等による接着剤により直線偏光板4に貼り合わされた後、この転写フィルムの基材が剥離され、これにより転写法により1/2波長位相差層6が直線偏光板4に積層される。これにより直線偏光板4と1/2波長位相差層6との積層体が形成される。
その後、転写フィルム20の1/4波長位相差層7が紫外線硬化性樹脂等による接着剤により直線偏光板4と1/2波長位相差層6との積層体に貼り合わされた後、基材21が剥離され、これにより転写法により1/4波長位相差層7が積層される。その後、粘着剤層、セパレータフィルム等が積層(配置)されて所望の大きさに切断されて光学フィルム3が製造される。画像表示装置1では、この光学フィルム3からセパレータフィルムを剥離して粘着剤層を露出させ、この粘着剤層により画像表示パネル2のパネル面に光学フィルム3が配置される。
〔転写フィルムの製造方法〕
転写フィルムの製造方法は、基材に配向層を形成する工程と、配向層の表面に重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合することにより、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層の表面に位相差層を形成する工程を含んでもよい。
図6は、転写フィルム20の製造工程の一例を示すフローチャートである。転写フィルム20においては、配向層形成工程SP2において、基材21に配向層22に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、その後、紫外線を照射し、これにより配向層22が形成される。なお配向層22を省略して基材21の配向規制力により1/4波長位相差層7を形成する場合、配向層形成工程SP2は、省略される。
転写フィルム20の製造工程は、重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合することにより、透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する工程(例えば、液晶材料塗工工程SP3及び硬化工程SP4)を含んでいてもよい。
重合性棒状液晶モノマーと、ホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を所定の混合比により混合した混合物により塗工液を調製し、この塗工液を配向層22の上に塗工して乾燥させる(液晶材料塗工工程SP3)。
続いて無偏光の紫外線の照射しその混合物を重合することにより、1/4波長位相差層7を形成する(硬化工程SP4)。
以上より、本実施形態の光学フィルム3及び画像表示装置1は、以下のような効果を奏する。
(1)本実施形態の光学フィルム3は、透過光に面内位相差を付与する位相差層7を備えた光学フィルムであって、位相差層7は、重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物による単一層で形成された位相差層であり、重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域9と、光学界面と、重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、が連続して形成されていることにより、Aプレートとして機能する位相差層を備える光学フィルムに関して、十分な視野角特性を確保した上で、構成、工程を簡略化し、さらに品質を向上することができる。
(2)また本実施形態の光学フィルム3は、直線偏光板4に位相差層7が形成されていることにより、円偏光板による反射防止フィルムに関して、十分な視野角特性を確保した上で、構成、工程を簡略化し、さらに品質を向上することができる。
(3)また本実施形態の光学フィルム3は、直線偏光板4に、1/2波長位相差層6と、位相差層7と、が順次形成されていることにより、円偏光板による反射防止フィルムに関して、広い波長帯域で十分に反射防止を図るようにして、十分な視野角特性を確保した上で、構成、工程を簡略化し、さらに品質を向上することができる。
(4)本実施形態の画像表示装置は、(1)、(2)、(3)の何れかに記載の光学フィルムを、画像表示パネルの視聴者側の面であるパネル面側に配置されることにより、十分な視野角特性を確保した上で、構成、工程を簡略化し、さらに品質を向上してなる光学フィルムを適用して構成することができる。
(5)本実施形態の光学フィルムの製造方法は、透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する光学フィルムの製造方法であって、重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合し、透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する工程を含むことにより、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に位相差層を、正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、光学界面と、正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、が連続して形成されている単一層とすることができる。
(6)本実施形態の光学フィルム用の転写フィルムは、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に、透過光に面内位相差を付与する位相差層7と、が形成された転写フィルムであって、位相差層7は、重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物による単一層で形成された位相差層であり、重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域9と、光学界面と、重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、が連続して形成されていることにより、Aプレートとして機能する位相差層を備える転写フィルムに関して、十分な視野角特性を確保することのできる光学フィルムを製造することができ、且つ転写フィルムの構成、工程を簡略化し、さらに品質を向上することができる。
(7)本実施形態の光学フィルム用の転写フィルムの製造方法は、重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオロトピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合し、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する工程を含むことにより、位相差層を、正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、光学界面と、正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、が連続して形成されている単一層とすることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
図12は、光学界面が微小厚みを備える場合の位相差層7を説明する図である。
図12に示す例では、光学界面10は、厚さ方向に幅を持っていると認定することができる。光学界面10を境にして、正Cプレート層領域9では、液晶分子が垂直配向し、正Aプレート層領域8では液晶分子が水平配向している。また、光学界面10においては、液晶分子が垂直配向と水平配向との中間の斜め配向の状態にある。ただし、図2(a)に示したような従来のハイブリッド配向液晶材料によって構成された位相差層の場合とは異なり、本実施形態の位相差層7では、光学界面10内における液晶分子11Aの配向方向が一方向に揃ってはおらず、ランダムに様々な方向を向いた液晶分子11Aが混在する形態となる。また、光学界面10は、厚さ方向に幅を持つものの、その幅は、非常に僅かであり、その点において、正Cプレート層領域の光学的な特性と正Aプレート層領域の光学的な特定とが急激に変化する境界とみなせる領域である。
また、図12に示すような光学界面10において、液晶分子が垂直配向と水平配向との中間の斜め配向の状態にあっても、液晶分子11Aの配向方向が一方向に揃ってはおらず、ランダムに様々な方向を向いた液晶分子11Aが混在する形態である。よって、図12に示すような位相差層7であっても、位相差値の計測結果は、図10及び図11中の各実施例として示したような結果となり、充分に光学特性の偏りを防止することができ、良好な視野角特性を確保することができる。
なお、ここでは、図12のような形態において、光学界面10を上述したような幅を持ったものと認定することとして説明を行なった。しかし、図12のような構成であっても、先に説明した反射率の測定によって光学界面が特定できる場合もあり得る。そのような場合には、例えば、図12中に一点鎖線で示した光学界面10Bを光学界面として認定してもよい。
このように、光学界面は、あくまでも正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8との間における光学特性の急激な変化を生じている部位を便宜上認定するものであり、認定の仕方によって、ある程度の違いが生じるものである。
また、上述の実施形態では、正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8とがそれぞれ一層設けられている例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8とが複数層配置されていてもよい。
図13は、正Cプレート層領域9と正Aプレート層領域8とが複数層配置されている形態を例示する図である。
さらに、上述の実施形態では、正Cプレート層領域9が空気界面側に配置されている例を挙げて説明したが、正Aプレート層領域8が空気界面側に配置される構成としてもよい。
また、上述の実施形態では、転写法により光学フィルム3を製造する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、基材と一体に位相差層を直線偏光板に積層して光学フィルムを製造してもよい。
また上述の実施形態では、反射防止に係る光学フィルムに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、水平配向することによってAプレートの光学的機能を備えた位相差層が形成された種々の光学フィルムに広く適用することができる。
1 画像表示装置
2 画像表示パネル
3 光学フィルム
4 直線偏光板
5 1/4波長板
6 1/2波長位相差層
7 1/4波長位相差層(位相差層)
8 正Aプレート領域
9 正Cプレート領域
10 光学界面
11 位相差層
11A 液晶分子
20 転写フィルム
21 基材
22 配向層

Claims (10)

  1. 透過光に面内位相差を付与する位相差層を備えた光学フィルムであって、
    前記位相差層は、
    重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオトロピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物による単一層で形成されており、
    前記単一層の一方の面側からその面とは反対側の他方の面側までにかけて
    前記重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
    前記重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
    前記単一層の膜厚方向において連続して形成されており、
    前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である光学フィルム。
  2. 前記正Cプレート層領域の光学的な特性と前記正Aプレート層領域の光学的な特とが急激に変化する境界又は境界とみなせる領域として定義される光学界面が光学的測定により特定可能である
    請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 直線偏光板に前記位相差層が形成された
    請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
  4. 直線偏光板に、1/2波長位相差層と、前記位相差層と、が順次形成された
    請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
  5. 請求項1に記載の光学フィルムが、画像表示パネルの視聴者側の面であるパネル面側に配置された
    画像表示装置。
  6. 請求項3に記載の光学フィルムが、画像表示パネルの視聴者側の面であるパネル面側に配置された
    画像表示装置。
  7. 請求項4に記載の光学フィルムが、画像表示パネルの視聴者側の面であるパネル面側に配置された
    画像表示装置。
  8. 透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する光学フィルムの製造方法であって、
    重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオトロピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合することにより、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に、透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する工程を含み、
    前記位相差層は、
    前記混合物の重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
    前記混合物の重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
    前記位相差層の膜厚方向において一方の面側からその面とは反対側の他方の面側までにかけて連続して形成されている単一層であり、
    前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である光学フィルムの製造方法。
  9. 光学フィルム用の転写フィルムであって、
    液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に、透過光に面内位相差を付与する位相差層と、が形成され、
    前記位相差層は、
    重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオトロピック配向性液晶ポリマーと、を含む混合物の重合物による単一層で形成されており、
    前記単一層の一方の面側からその面とは反対側の他方の面側までにかけて
    前記重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
    前記重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
    前記単一層の膜厚方向において連続して形成されており、
    前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である転写フィルム。
  10. 光学フィルム用の転写フィルムの製造方法であって、
    重合性棒状液晶モノマーと、重合性を有してもよいホメオトロピック配向性液晶ポリマーと、の混合物を重合することにより、液晶材料に水平配向規制力を発現可能な配向層又は2軸延伸フィルムの表面に、透過光に面内位相差を付与する位相差層を形成する工程を含み、
    前記位相差層は、
    前記混合物の重合物が垂直配向することによって正Cプレートの光学的機能を備えた正Cプレート層領域と、
    前記混合物の重合物が水平配向することによって正Aプレートの光学的機能を備えた正Aプレート層領域と、
    前記位相差層の膜厚方向において一方の面側からその面とは反対側の他方の面側までにかけて連続して形成されている単一層であり、
    前記位相差層の進相軸を基準軸に設定して、前記基準軸回りに前記位相差層への入射角を変化させた位相差値Reの計測結果において、位相差値Reが極値となる入射角が20度以下である転写フィルムの製造方法。
JP2019536756A 2017-08-14 2018-08-09 光学フィルム及び画像表示装置 Active JP7147766B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017156674 2017-08-14
JP2017156674 2017-08-14
PCT/JP2018/029951 WO2019035414A1 (ja) 2017-08-14 2018-08-09 光学フィルム及び画像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019035414A1 JPWO2019035414A1 (ja) 2020-08-06
JP7147766B2 true JP7147766B2 (ja) 2022-10-05

Family

ID=65362433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019536756A Active JP7147766B2 (ja) 2017-08-14 2018-08-09 光学フィルム及び画像表示装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7147766B2 (ja)
TW (1) TWI758527B (ja)
WO (1) WO2019035414A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7256655B2 (ja) * 2019-02-25 2023-04-12 住友化学株式会社 光学積層体、及び、有機el表示装置
WO2022030218A1 (ja) * 2020-08-04 2022-02-10 富士フイルム株式会社 光学異方性層
KR20230045084A (ko) * 2020-09-18 2023-04-04 후지필름 가부시키가이샤 광학 필름, 원편광판, 유기 일렉트로 루미네선스 표시 장치
CN112099125B (zh) * 2020-09-28 2022-05-17 北京瑞波科技术有限公司 一种液晶高分子多方向薄膜的制作方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002333524A (ja) 2001-05-10 2002-11-22 Nitto Denko Corp ホメオトロピック配向液晶フィルムの屈折率特性制御方法
JP2002333642A (ja) 2001-05-08 2002-11-22 Nitto Denko Corp ホメオトロピック配向液晶性組成物、ホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法およびホメオトロピック配向液晶フィルム
JP2003227935A (ja) 2002-02-05 2003-08-15 Nitto Denko Corp 複屈折性フィルム、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置
JP2015127793A (ja) 2013-11-26 2015-07-09 Jnc株式会社 光学異方体および液晶ディスプレイ
WO2018173778A1 (ja) 2017-03-24 2018-09-27 日本ゼオン株式会社 液晶組成物、液晶硬化フィルム及びその製造方法
WO2018173773A1 (ja) 2017-03-24 2018-09-27 日本ゼオン株式会社 液晶硬化フィルム及びその製造方法
JP2018151535A (ja) 2017-03-14 2018-09-27 大日本印刷株式会社 位相差フィルム、転写用積層体、光学部材、光学部材の製造方法、及び、表示装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6885423B2 (en) * 2000-12-06 2005-04-26 Nitto Denko Corporation Method for manufacturing homeotropic alignment liquid crystal film
JP5202889B2 (ja) * 2007-06-29 2013-06-05 日東電工株式会社 積層偏光板およびその製造方法ならびに液晶表示装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002333642A (ja) 2001-05-08 2002-11-22 Nitto Denko Corp ホメオトロピック配向液晶性組成物、ホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法およびホメオトロピック配向液晶フィルム
JP2002333524A (ja) 2001-05-10 2002-11-22 Nitto Denko Corp ホメオトロピック配向液晶フィルムの屈折率特性制御方法
JP2003227935A (ja) 2002-02-05 2003-08-15 Nitto Denko Corp 複屈折性フィルム、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置
JP2015127793A (ja) 2013-11-26 2015-07-09 Jnc株式会社 光学異方体および液晶ディスプレイ
JP2018151535A (ja) 2017-03-14 2018-09-27 大日本印刷株式会社 位相差フィルム、転写用積層体、光学部材、光学部材の製造方法、及び、表示装置
WO2018173778A1 (ja) 2017-03-24 2018-09-27 日本ゼオン株式会社 液晶組成物、液晶硬化フィルム及びその製造方法
WO2018173773A1 (ja) 2017-03-24 2018-09-27 日本ゼオン株式会社 液晶硬化フィルム及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2019035414A1 (ja) 2020-08-06
TW201920999A (zh) 2019-06-01
TWI758527B (zh) 2022-03-21
WO2019035414A1 (ja) 2019-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7147766B2 (ja) 光学フィルム及び画像表示装置
JP5302119B2 (ja) 偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置
JP5723077B1 (ja) 位相差板、楕円偏光板およびそれを用いた表示装置
WO2004063779A1 (ja) 広帯域コレステリック液晶フィルム、その製造方法、円偏光板、直線偏光子、照明装置および液晶表示装置
JP6636253B2 (ja) 位相差フィルムとその製造方法および該位相差フィルムを有する光学部材
TW201539062A (zh) 相位差板、使用相位差板之積層偏光板、及使用相位差板之顯示裝置
JP7469469B2 (ja) 光学要素、画像表示装置、仮想現実表示装置、電子ファインダー、偏光子の製造方法
TW200521501A (en) Optical device, condensing backlight system and liquid crystal display equipment
JPWO2016031946A1 (ja) 輝度向上フィルムおよび液晶表示装置
JP2004226686A (ja) 広帯域1/4波長板原反、広帯域円偏光板原反、光学素子原反及び表示装置
JP2014174468A (ja) 円偏光層、円偏光層の積層体、メガネおよび3d画像鑑賞システム
JP2016224128A (ja) 光学積層体の製造方法、光学積層体、光学異方性積層体、円偏光板、及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
WO2022050319A1 (ja) 液晶回折素子、光学素子、画像表示ユニット、ヘッドマウントディスプレイ、ビームステアリング、および、センサー
CN115989433A (zh) 图像显示单元及头戴式显示器
WO2018198425A1 (ja) ホメオトロピック配向液晶フィルムおよびその製造方法
JP2017067964A (ja) 光学シートとその製造方法、液晶表示装置
CN113874763B (zh) 图像显示装置的制造方法和偏振片转印用层叠体
KR20170012032A (ko) 유기el 표시장치용 원편광소자 및 유기el 표시장치
JP6769921B2 (ja) 液晶配向フィルムの製造方法
JP6907471B2 (ja) 積層体
JPWO2020045626A1 (ja) ウェアラブルディスプレイデバイス
JP2016090866A (ja) 光学フィルムの製造方法ならびにその方法により得られた光学フィルム、該光学フィルムを用いた楕円偏光板および画像表示装置
WO2023199950A1 (ja) 成形方法、光学フィルム、コレステリック液晶層、光学積層体、および、曲面状光学機能性層の作製方法
JP7223166B2 (ja) 光吸収異方性膜の製造方法
WO2023127537A1 (ja) 積層体、光学素子、導光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7147766

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150