JP6907471B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルム及びそれを用いた積層体に関し、さらに詳しくは、コレステリック液晶を用いた広帯域の位相差フィルムに関する。
従来、広帯域対応の位相差フィルムとして、直線偏光板と、1/2波長位相差板と、1/4波長位相差板と、ポジティブC(+C)プレートを積層した構成が知られている。しかしながら、この構成では、1/2波長位相差板と1/4波長位相差板と+Cプレートという、最低3種類の位相差フィルムを積層する必要があるため、層構成をより簡略化した構成が検討されている。
例えば、下記の特許文献1には、1/4波長板にディスコティック液晶を用いることで、同時に広帯域化する構成が開示されており、これによれば、直線偏光板と、1/2波長位相差板と、ディスコティック液晶層という、2種類の位相差フィルムを使用して視野角特性を向上することができる。
特開2000―284126号公報
しかしながら、ディスコティック液晶は、使用可能な液晶材料に制限があり汎用的でなく、また、配向制御なども困難である。また製造工程数が多くなり、その結果、欠陥が発生して信頼性を充分に確保することが困難になる。これらにより他の代替手段が必要とされている。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ディスコティック液晶以外の手段を用いて、少ない層構成にて位相差フィルムの視野角特性を充分に確保し、さらに簡易な工程により作製して充分な信頼性を確保できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、コレステリック液晶による反射層の配向を工夫することで、上記の課題が解決可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 基材上にコレステリック液晶層が形成されており、
前記コレステリック液晶層を構成するコレステリック液晶の螺旋軸が前記基材の平面内の一方向と略平行であり、
前記コレステリック液晶の螺旋ピッチPが50nm以上250nm以下である光学フィルム。
(2) 前記コレステリック液晶は、
前記螺旋軸方向の入射光に対する選択反射波長が中心波長100nm以上400nm以下である請求項1に記載の光学フィルム。
(3) 前記基材は、表面に垂直配向膜が形成されており、
前記垂直配向膜の表面には前記平面内の一方向に向かう配向処理が施されている、(1)又は(2)に記載の光学フィルム。
(4) 前記コレステリック液晶層は、
波長550nmにおける面内位相差Reと波長550nmにおける厚み位相差Rthとを用いてNZ=Rth/Re+0.5で表されるNZ係数NZが、−0.3以上+0.3以下である、(1)から(3)のいずれかに記載の光学フィルム。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の光学フィルムと、
前記光学フィルムの螺旋軸方向とは異なる方向が遅相軸方向である第2の光学フィルムと、
直線偏光板と、が少なくともこの順に積層されており、
前記光学フィルムの波長550nmにおける面内位相差Reが100nm以上175nm以下であり、
前記第2の光学フィルムの波長550nmにおける面内位相差Reが200nm以上350nm以下である積層体。
本発明によれば、ディスコティック液晶以外の手段を用いて、少ない層構成にて位相差フィルムの視野角特性を充分に確保することができる。
本発明の光学フィルムを用いた画像表示装置の一実施形態を示す断面図である。 直線偏光板と、1/2波長位相差層(第2の光学フィルム)と、1/4波長位相差層(本発明の光学フィルム)との積層状態を示す概念図である。 1/2波長位相差層(第2の光学フィルム)と、1/4波長位相差層(本発明の光学フィルム)との積層状態を示す概念図である。 (A)は1/2波長位相差層(第2の光学フィルム)を転写するための転写フィルムの断面図であり、(B)は1/4波長位相差層(本発明の光学フィルム)を転写するための転写フィルムの断面図である。 本発明の積層体の製造工程の一例を示すフローチャートである。 本発明の光学フィルムの製造工程の一例を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す断面図である。この画像表示装置1は、画像表示パネル2のパネル面(視聴者側面)に、感圧接着剤等による粘着層4により反射防止フィルム3が貼り付けられて保持される。ここで画像表示パネル2は、自発光素子による画像表示パネルであるものの、液晶表示パネル等、種々の構成を広く適用することができる。
〔反射防止フィルム3〕
反射防止フィルム3は、円偏光板の機能により外光の反射防止を図る反射防止フィルムであり、図示しないセパレータフィルムを剥離して感圧接着剤による粘着層4を露出させた後、この粘着層4により画像表示パネル2のパネル面に貼り付けられて保持される。なお感圧接着剤による粘着層4に代えて例えば紫外線硬化性樹脂等の各種の接着剤、粘着剤により反射防止フィルム3を配置してもよい。
反射防止フィルム3は、画像の視認側(図1の上方から)、直線偏光板5と、1/4波長板6と、が積層されて形成される。直線偏光板5は、透過軸方向と直交する方向の直線偏光成分を吸収するいわゆるシート・ポラライザー型の偏光子であり、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して作製される直線偏光板としての光学的機能を担う光学的機能層が作製され、この光学機能層をTAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により挟持して形成される。
1/4波長板6は、透過光に1/4波長の位相差を付与する層であり、直線偏光板5及び1/4波長板6を通過した外光は円偏光となる。この円偏光の外光は、画像表示パネル2で反射されて偏光面の回転方向が逆転し、その結果、1/4波長板6を透過して直線偏光板5で遮光される。これにより反射防止フィルム3は、円偏光板として機能して反射防止を図る。
1/4波長板6は、透過光に1/2波長の位相差を付与する1/2波長位相差層7と、透過光に1/4波長の位相差を付与する1/4波長位相差層8とを積層して形成される。図2示すように、1/2波長位相差層7は、直線偏光板5の吸収軸方向(矢印により示す)に対して、遅相軸(矢印により示す)が反時計方向に15度の角度を成すように、また1/4波長位相差層8は遅相軸(矢印により示す)が反時計方向に73度の角度を成すように形成される。なお1/2波長位相差層7の遅相軸と直線偏光板5の吸収軸との成す角度は、10度以上25度以下の角度であることが望ましく、好ましくは12度以上23度以下、より好ましくは14度以上20度以下に設定することが望ましい。また同様に、直線偏光板5の吸収軸と1/4波長位相差層8の遅相軸との成す角度は、60度以上90度以下、好ましくは65度以上85度以下、より好ましくは70度以上80度以下に設定することが望ましい。
また、1/4波長位相差層8は、波長550nmにおける面内位相差Reが100nm以上175nm以下により、好ましくは110以上160nmにより、よりこの好ましくは120nm以上150nm以下により形成される。また1/2波長位相差層7は、波長550nmにおける面内位相差Reが200nm以上350nm以下により、好ましくは220nm以上300nm以下により、より好ましくは240nm以上280nm以下により形成される。
これらにより光学フィルム13は、カラー画像の表示に供する広い波長帯域で十分に外来光の反射を抑圧する。
1/4波長位相差層8、1/2波長位相差層7は、それぞれ対応する配向層と共に支持体の上に作製されていわゆる転写フィルムによる光学フィルムが作製された後、順次、転写法により配向層と一体に、又は配向層と分離されて直線偏光板5に積層して配置される。なおこれに代えて、転写法により1/4波長位相差層8、1/2波長位相差層7の積層体を作製した後、直線偏光板5に積層するようにしてもよい。また支持体と一体に、直線偏光板5に積層するようにしてもよい。
なお転写法は、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体(転写フィルム)を作製した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
〔1/2波長位相差層7〕
ここで、本発明の第2の光学フィルムに相当する1/2波長位相差層7には、面内方向で各種の光学異方性を発現して透過光に1/2波長分の面内位相差を付与する各種構成を広く適用することができ、例えば液晶材料、光学異方性を備えた透明フィルム材を適用することができる。液晶材料としては、例えば図3に示すように、Aプレートに適用可能な棒状液晶7Aを適用することができる。
ここでAプレートに適用可能な重合性棒状液晶材料は、水平方向(配向層の面内方向である)の配向規制力により水平配向する液晶材料であって、分子内に重合性官能基を有する種々の棒状液晶化合物を適用することができる。またこの棒状液晶化合物は、屈折率異方性を有し、配向層の配向規制力により規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。棒状化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す棒状化合物を用いることがより好ましい。
本実施形態において用いられる棒状化合物の具体例としては、例えば、下記式(1)〜(17)で表される化合物を例示でき、これらの化合物を単独で又は複数を混合し、重合させて使用することができる。
Figure 0006907471
Figure 0006907471
また1/2波長位相差層7に適用可能な透明フィルム材としては、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用することができる。
〔1/4波長位相差層8〕
ここで1/4波長位相差層8は、螺旋構造を備えた液晶化合物であるコレステリック液晶により形成され、このコレステリック液晶の螺旋構造に係る中心軸である螺旋軸が、1/4波長位相差層8の面内の遅相軸方向と垂直となるように形成される。なおこの螺旋軸に係るコレステリック液晶8Aに係る構成を図3においては、模式的に示す。
またこの螺旋構造に係るピッチである螺旋ピッチPが、可視光の波長に比して充分に短いピッチにより、より具体的には、50nm以上250nm以下により、好ましくは100nm以上200nm以下により、より好ましくは130nm以上170nm以下により形成される。これによりこの実施形態において、1/4波長位相差層8は、ネガティブAプレートとして機能し、反射防止フィルム3にあっては、Cプレートを設けない場合でも充分な視野角特性を確保できるように構成される。
すなわち螺旋構造に係るピッチを可視光の波長に比して充分に短いピッチによりコレステリック液晶層を作製するようにして、この螺旋軸を面内に平行に一定の方向に揃えるようにすると、あたかもディスコティック液晶を使用して中心軸を面内に平行に配置したと同様の光学特性を確保することができ、これによりネガティブAプレートとして機能を発現させることができる。またこのとき螺旋構造に係るピッチを、可視光の波長に比して充分に短いピッチに設定すれば、1/4波長位相差層8における透過光の色味の変化も充分に防止することができる。これらにより反射防止フィルム3では、1/2波長位相差層7と1/4波長位相差層8とを積層して広帯域化して、充分な視野角特性を確保することができる。またこの場合、簡易な工程により作製することができ、その結果、欠陥の発生を充分に防止して信頼性を充分に確保することができる。なお、螺旋軸が基材の平面内の一方向と「略平行」とは、一方向からのズレの絶対値で3度以内であることを意味する。
ここで螺旋軸がコレステリック液晶層の厚み方向に保持されている場合、コレステリック液晶層に入射角0度で入射する入射光は、特定波長において1方の円偏光成分が選択的に反射される。この選択反射に供する中心波長λはn・pにより表される。なおnは液晶(液晶固形成分)の平均屈折率である。これにより1/4波長位相差層8のように、1/4波長位相差層8の面内の遅相軸方向と螺旋軸とが直交するように設定されている場合、この遅相軸方向と平行な面により1/4波長位相差層8をスライスして試験片を作製し、この試験片を使用した試験により選択反射に供する中心波長(螺旋軸方向の入射光に対する選択反射波長の中心波長である)λを計測することにより、螺旋ピッチPを求めることができる。
またこれにより1/4波長位相差層8は、このようにして計測される選択反射の中心波長λが、100nm以上400nm以下により、好ましくは150nm以上230nm以下により、より好ましくは190nm以上230nm以下により形成される。
また1/4波長位相差層8は、このように作製されることにより、波長550nmにおける面内位相差Reと波長550nmにおける厚み位相差Rthとを用いてNZ=Rth/Re+0.5で表されるNZ係数NZが、NZ≒0.0であるように、より具体的にはNZが−0.3以上+0.3以下であるように作製される。これによりこの反射防止フィルム3では、1/4波長位相差層8に正Cプレートを積層したと同様の位相差を透過光に付与することができ、これにより充分な視野角特性を確保することができる。
1/4波長位相差層8の組成物は、ネマチック規則性を有するネマチック液晶と、このネマチック液晶に対して旋回性を有するカイラル剤とを含有する。またこの組成物は、レベリング剤、重合開始剤、添加剤等を含有してもよい。
(ネマチック液晶)
ネマチック液晶は、ネマチック液晶構造を形成し得る液晶材料であれば特に限定されるものではないが、硬化後に光学的に安定した液晶層を確保する点で、分子の片末端又は両末端に重合性の官能基を有する液晶材料が好ましい。両末端に重合性の官能基を有する液晶材料は加熱時の信頼性が良好になる点で優れているが、コーティングして溶媒を蒸発させて硬化(架橋)させる前の液晶相の温度範囲を広げられる点で、片末端に重合性の官能基を有する液晶材料と両末端に重合性の官能基を有する液晶材料の混合材料とすることが量産性を考慮すると好ましい。
このような液晶材料として、例えば、下記の一般式(1)で表わされる化合物のほか、下記の式(2−i)〜(2−xii)で表される化合物を挙げることができる。また、これらの化合物を単独で、もしくは混合して用いることができる。
Figure 0006907471
Figure 0006907471
上記一般式(1)において、R及びRはそれぞれ水素又はメチル基を示すが、液晶相を示す温度範囲の広さからR及びRはともに水素であることが好ましい。Xは水素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、シアノ基、ニトロ基のいずれであっても差し支えないが、塩素又はメチル基であることが好ましい。また、上記一般式(1)において、分子鎖両端の(メタ)アクリロイロキシ基と芳香環とのスペーサーであるアルキレン基の鎖長を示すa及びbは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。a=b=0である場合、安定性に乏しく、加水分解を受けやすい上に、化合物自体の結晶性が高いため、液晶相を示す温度範囲が狭い点で好ましくない。また、a又はbのいずれかが13以上である場合、アイソトロピック転移温度(TI)が低いため、液晶相を示す温度範囲が狭い点で好ましくない。
(カイラル剤)
カイラル剤は、光学活性な部位を有する低分子化合物であり、主として分子量1500以下の化合物である。カイラル剤は主として、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が発現する正の一軸ネマチック規則性に螺旋構造を誘起させる目的で用いられる。この目的が達成される限り、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋構造を誘起できるものであれば、カイラル剤としての低分子化合物の種類は特に限定されない。
なお、このようにして液晶に螺旋構造を誘起させるために用いられるカイラル剤は、少なくとも分子中に何らかのキラリティーを有していることが必要である。従って、ここで用いられるカイラル剤としては、例えば1つあるいは2つ以上の不斉炭素を有する化合物、キラルなアミンやキラルなスルフォキシド等のようにヘテロ原子上に不斉点がある化合物、あるいはクムレンやビナフトール等の軸不斉を持つ光学活性な部位を有する化合物が挙げられる。
しかしながら、選択されたカイラル剤の性質によっては、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料が形成するネマチック規則性の破壊、配向性の低下、あるいはカイラル剤が非重合性の場合には、液晶材料の硬化性の低下や、硬化後のフィルムの信頼性の低下を招くおそれがある。さらに、光学活性な部位を有するカイラル剤の多量な使用は、液晶材料のコストアップを招く。従って、短い螺旋ピッチ長のコレステリック規則性を有する選択反射層を形成する場合には、液晶材料に含有させる光学活性な部位を有するカイラル剤としては、螺旋構造を誘起させる効果の大きなカイラル剤を選択することが好ましく、具体的には下記の一般式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)又は(8)で表されるような、分子内に軸不斉を有する低分子化合物を用いることが好ましい。
Figure 0006907471
Figure 0006907471
上記一般式(3)又は(4)において、Rは水素又はメチル基を示す。Yは下記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、中でも、式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)のいずれか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。c又はdの値が0又は1である場合、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高いため、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間の相溶性が低下し、濃度によっては相分離する可能性がある点で、好ましくない。一方、c又はdの値が13以上である場合、融点(Tm)が低いため、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間の相溶性が低下し、濃度によっては相分離する可能性がある点で、好ましくない。
Figure 0006907471
Figure 0006907471
このようなカイラル剤は、特に重合性を有する必要はない。しかしながら、カイラル剤が重合性を有している場合、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料と重合され、コレステリック規則性が安定的に固定化されるので、熱安定性等の点で好ましい。特に、分子の両末端に重合性の官能基があることが、耐熱性の良好な選択反射層を得る上で好ましい。
螺旋ピッチPの調整は、ネマチック液晶に対するカイラル剤の量で調整することができる。例えば、ネマチック液晶としてBASF社製パリオカラーLC242を用いることができ、これにカイラル剤として、例えばパリオカラーLC756を、ネマチック液晶100質量部に対して5質量部から10質量部加え、これをメチルエチルケトンなどにより固形分10%から40%に溶解し、さらに各溶液に、イルガキュア907などの開始剤を2質量部から10質量部加えて再度溶解させ、これを基材上に塗工後、例えば40℃から120℃のオーブンにて乾燥し、その後にUV硬化により製造することができる。このようにして、螺旋ピッチP=50nmから250nmのコレステリック液晶層を形成することができる。
(レベリング剤)
レベリング剤は、液晶材料のコレステリック構造の形成を促すために用いられる。レベリング剤は、拡散反射層において液晶材料のコレステリック配列を促進できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン系化合物、フッ素系化合物、アクリル系化合物等を挙げることができる。レベリング剤の市販品としては、ビックケミー・ジャパン社製のBYK−361N、AGCセイケミカル社製のS−241等を用いることができる。なお、レベリング剤は、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
レベリング剤の含有量は、液晶材料のコレステリック構造を所望の規則性で形成できる範囲内であれば特に限定されるものではないが、組成物100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.03質量部以上1.0質量部以下であることがより好ましい。0.01質量部未満であると、コレステリック構造を所望の規則性で得られないため、好ましくない。5.0質量部を超えると、コレステリック構造が所望の規則性で得られないために、好ましくない。
(重合開始剤)
重合開始剤は、カイラル剤及びレベリング剤の作用によりコレステリック構造を形成した液晶材料を、当該コレステリック構造を維持したまま架橋し、コレステリック構造が乱されにくくするために用いられる。重合開始剤は、液晶材料の重合反応を促進できるものであれば特に限定されるものではなく、照射するエネルギーの種類に応じて適宜選択すればよい。重合開始剤として、光重合開始剤及び熱重合開始剤等を挙げることができる。また重合開始剤を含有させる場合、重合開始剤の量は、所望の重合反応が生じる程度であれば特に限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
(溶媒)
また、液晶材料、カイラル剤、レベリング剤、重合開始剤を分散させるため、通常、組成物は溶媒に分散されている。溶媒は、上記の成分を分散できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シクロヘキサノン等を挙げることができるが、乾燥速度を向上させるためにトルエン、MEK、MIBK等の溶媒を適宜混合させてもよい。
〔転写フィルム〕
図4(A)及び(B)は、それぞれ1/2波長位相差層7、1/4波長位相差層8の転写に供する光学フィルムである転写フィルム10、20を示す断面図である。転写フィルム10は、透明フィルム材による支持体である基材11に、1/2波長位相差層7に係る配向層12、1/2波長位相差層7が順次積層される。
基材11は、例えばPETフィルム、TACフィルム等による透明フィルム材が適用される。配向層12は、Aプレートに係る位相差層の作成に適用可能な各種の配向層2を広く適用することができる。具体的に、光配向層、ラビング処理による配向層、賦型処理により微細なライン状凹凸形状を作製して形成された配向層等を広く適用することができる。
転写フィルム20は、透明フィルム材による支持体である基材21に、1/4波長位相差層8に係る配向層22、1/4波長位相差層8が順次積層される。
基材21は、例えばPETフィルム、TACフィルム等による透明フィルム材が適用される。配向層22は、コレステリック液晶の螺旋構造を形成することができ、かつこの螺旋軸が基材の面内方向の一方向(遅相軸方法)略平行であるように配向規制力を発現可能な種々の構成を広く適用することができる。
より具体的にこの実施形態では、光配向層により垂直配向層を作製した後、この垂直配向層をラビング処理により配向処理して遅相軸方向に延長する微細なライン状凹凸形状を表面に形成して作製される。光配向層には、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるものの、例えば光2量化型の材料を適用することができる。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。ラビング処理は、水平配向規制力の設定に供するラビングクロスを使用して実行することができるものの、研磨処理により実行してもよい。
〔製造工程〕
図5は、反射防止フィルム3の製造工程を示すフローチャートである。反射防止フィルム3は、第1の転写フィルム製造工程SP2において、1/4波長位相差層8に係る転写フィルム20が作製される。また第2の転写フィルム製造工程SP3において、1/2波長位相差層7に係る転写フィルム10が作製される。
この製造工程は、直線偏光板5と1/2波長位相差層7の積層工程SP4において、紫外線硬化性樹脂等の接着剤層により直線偏光板5と1/2波長位相差層7とが積層されて貼り合わされた後、基材11が剥離される。なおこのとき配向層12を基材11と一体に剥離するようにしてもよい。これによりこの製造工程は、転写法により直線偏光板5と1/2波長位相差層7とを積層する。
続いてこの政治工程は、直線偏光板5、1/2波長位相差層7の積層体と、1/4波長位相差層8との積層工程SP5において、紫外線硬化性樹脂等の接着剤層により直線偏光板5、1/2波長位相差層7の積層体に1/4波長位相差層8は積層されて貼り合わされた後、基材21が剥離される。なおこのとき配向層22を基材21と一体に剥離するようにしてもよい。これによりこの製造工程は、反射防止フィルム3が作製される。
図6は、第1の転写フィルム製造工程(SP2)を詳細に示すフローチャートである。この製造工程は、配向層形成工程SP12の塗工工程SP12−1において、基材21に配向層22の塗工液を塗工した後、乾燥する。また続く硬化工程SP12−2において、無偏光の紫外線の照射により硬化させ、これにより垂直配向層を作製する。この工程は、続くラビング工程NISP12−3において、ラビングクロスを使用してラビング処理し、これにより配向層22を作製する。
この製造工程は、続く液晶層形成工程SP13の塗工工程SP13−1において、1/4波長位相差層8に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、続く硬化工程SP13−2において紫外線の照射により硬化させ、これにより1/4波長位相差層8を作製して転写フィルム20を作製する。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に組み合わせたり、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、円偏光板により反射防止フィルムに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、Aプレートとして機能する各種の光学フィルムに広く適用することができる。
1 画像表示装置
2 画像表示パネル
3 反射防止フィルム
4 粘着剤層
5 直線偏光板
6 1/4波長板
7 1/2波長位相差層(第2の光学フィルム)
7A 棒状液晶
8 1/4波長位相差層(光学フィルム)
8A コレステリック液晶
10、20 転写フィルム
11、21 基材
12、22 配向層

Claims (5)

  1. 基材上にコレステリック液晶層が形成されており、
    前記コレステリック液晶層を構成するコレステリック液晶の螺旋軸が前記基材の平面内の一方向と略平行であり、
    前記コレステリック液晶の螺旋ピッチPが50nm以上250nm以下である光学フィルムと、
    前記コレステリック液晶層を構成する前記コレステリック液晶の螺旋軸方向とは異なる方向が遅相軸方向である第2の光学フィルムと、
    直線偏光板と、が少なくともこの順に積層されており、
    前記光学フィルムの波長550nmにおける面内位相差Reが100nm以上175nm以下であり、
    前記第2の光学フィルムの波長550nmにおける面内位相差Reが200nm以上350nm以下である積層体。
  2. 反射防止フィルムとして用いられる請求項1に記載の積層体。
  3. 前記コレステリック液晶は、
    前記螺旋軸方向の入射光に対する選択反射波長が中心波長100nm以上400nm以下である請求項1又は請求項2に記載の積層体。
  4. 前記基材は、表面に垂直配向膜が形成されており、
    前記垂直配向膜の表面には前記平面内の一方向に向かう配向処理が施されている、請求項1から3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記コレステリック液晶層は、
    波長550nmにおける面内位相差Reと波長550nmにおける厚み位相差Rthとを用いてNZ=Rth/Re+0.5で表されるNZ係数NZが、−0.3以上+0.3以下である、請求項1から4のいずれかに記載の積層体。
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