JP2006039164A - 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置 - Google Patents

光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板、液晶パネル及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コレステリック液晶を用いた位相差フィルムの製造工程において発生する塗工溶液のハジキを防ぎ、良好な光学均一性を有する光学フィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を有する光学フィルムの製造方法において、重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物を溶剤と共に基材上に塗工し、Ti±2.0℃の雰囲気下で放射線照射することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【選択図】 図1



Description

本発明は、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を有する光学フィルムの製造方法に関する。また本発明は、上記製造方法により得られる光学フィルム、及びそれを用いた偏光板、液晶パネル、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、一般に、液晶セルの両面に偏光子が配置されており、従来、上記液晶セルの複屈折を、正面方向及び斜視方向において、光学補償するため、前記液晶セルと偏光子との間に位相差フィルムが配置されている。一般的に位相差フィルムの材料には、熱可塑性高分子フィルムを延伸したものや、液晶性化合物を含む混合溶液を基材上に塗工して配向させた後、硬化したフィルムが用いられる。その中でも、フィルム面内の主屈折率をnx、nyとし、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、屈折率分布がnx≒ny>nzを満足する位相差フィルム、いわゆるネガティブCプレートは、液晶セルの斜視方向の複屈折を光学補償するために、TNモード、VAモード、OCBモード等の各種駆動モードの液晶表示装置に広く採用されている。上記ネガティブCプレートとしては、例えば、コレステリック液晶を基材上に塗工して、螺旋状ねじれ分子構造を有する層を形成し、それを硬化して作製する位相差フィルムが開示されている(特許文献1)。
位相差フィルムは、フィルム面内及び厚み方向で位相差値が均一であることが重要で、これが不均一であると、液晶表示装置に組込んだ際に表示ムラが生じ、問題となる。位相差値は、複屈折率と厚みの積で決定されるが、フィルム面内及び厚み方向で光学的に均一性の高い位相差フィルムを得るためには、上記複屈折率と厚みを適度に調整することが、非常に重要である。
しかしながら、コレステリック液晶の塗工溶液を基材に塗工、乾燥する製造工程においては、基材上で塗工溶液のハジキが発生し、歩留まりが低下することが問題となっていた。この位相差フィルムを偏光板に積層して外観検査を行うと、ハジキ部分では、位相差が小さいために黒色の欠点に見えた。また、このハジキの発生は、厚み方向の位相差の小さい位相差フィルムを作製するために、上記塗工溶液を基材に薄く塗工した場合に、顕著であった。
近年は、液晶モニターや液晶テレビ等の大型化と高機能化が急速に進んでおり、これに用いられる偏光板、位相差フィルム等の各種光学フィルムにおいては、より一層の特性向上と、品質向上が望まれている。
特表2000−533784号公報
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、前記コレステリック液晶を用いた位相差フィルムの製造工程において発生する塗工溶液のハジキを防ぎ、良好な光学均一性を有する光学フィルムの製造方法を提供することである。また、その製造方法によって得られる光学フィルム、上記光学フィルムを用いた偏光板、液晶パネル、液晶表示装置を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、以下に示す光学フィルムの製造方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を有する光学フィルムの製造方法において、重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物を溶剤と共に基材上に塗工し、温度をTi±2.0℃の雰囲下で放射線照射することを特徴とする光学フィルムの製造方法を提供する(ただし、Tiとは、前記重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物の液晶相−等方相転移温度を示す)。
上記記重合性ネマチック液晶性化合物は、下記式(1)で表される液晶モノマーを含むことが好ましい。
また、上記重合性カイラル剤は、下記式(2)で表される重合性カイラル剤を含むことが好ましい。
上記混合溶液中には、前記重合性ネマチック液晶性化合物が、上記混合溶液中の全固形分100重量部に対して、75〜95重量部含まれることが好ましく、上記重合性カイラル剤は、上記混合溶液中の全固形分100重量部に対して、4.5〜25重量部含まれることが好ましい。
また、本発明は、上記放射線が紫外線であることが好ましく、上記紫外線の照射光量が100〜1500mJであることが好ましい。また、上記溶剤はケトン系溶剤であって、その沸点はTi+5℃〜Ti+180℃であることが好ましい。また上記基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
本発明は、上記の製造方法により得られる光学フィルムをも提供する。上記光学フィルムは、上記螺旋状ねじれ分子構造を有する層の選択反射波長が380nm以下であることが好ましく、上記光学フィルムから基材を除いた液晶層の厚みは、2〜20μmであることが好ましい。また、上記光学フィルムの波長590nmにおける光透過率は、80%以上であることが好ましい。
本発明は、上記光学フィルムを用いた偏光板、上記偏光板を含む液晶パネル、液晶表示装置をも提供する。
上記のように、本発明の光学フィルムの製造方法によれば、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を形成することによって、位相差値を変化させずに、フィルムの厚みを光学均一性が得られる範囲に調節することができる。すなわち、螺旋状ねじれ分子構造を有する層のみからなる位相差フィルムに比べて、同じ複屈折率を有する液晶性化合物を用いても、塗工溶液の塗工厚みを若干厚くできるので、厚み方向の位相差の小さい位相差フィルムを作製する場合において顕著であった塗工溶液のハジキを防ぐことができる。これにより、良好な光学均一性を有する光学フィルムを提供することができる。
本発明の製造方法は、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を有する光学フィルムの製造方法において、重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物を溶剤と共に基材上に塗工し、Ti±2.0℃の雰囲気下で放射線照射することを特徴とする。
本発明に用いられる重合性ネマチック液晶性化合物は、少なくとも1つ以上の重合性官能基を有し、これに環状単位等からなるメソゲン基を有するものが挙げられる。上記重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等が挙げられるが、これらのなかでアクリロイル基、メタクリロイル基が好適である。
また前記重合性官能基は、2つ以上有するものが、架橋構造によって耐久性を向上させることができるため好ましく用いられる。メソゲン基となる前記環状単位としては、たとえば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘキサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等が挙げられる。なお、これら環状単位の末端は、たとえば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有していてもよい。
前記メソゲン基は屈曲性を付与するスペーサ部を介して結合していてもよい。スペーサ部としては、ポリメチレン鎖、ポリオキシメチレン鎖等が挙げられる。スペーサ部を形成する構造単位の繰り返し数は、メソゲン部の化学構造により適宜に決定されるがポリメチレン鎖の繰り返し単位は0〜20が好ましい。更に好ましくは2〜12である。また、ポリオキシメチレン鎖の繰り返し単位は0〜10が好ましい。更に好ましくは1〜3である。
前記重合性ネマチック液晶性化合物の好ましい化学構造式としては、特開2003−287623号公報の[0020]に記載されているものが挙げられる。更に好ましくは、下記式(1)に示す構造が挙げられる。
前記重合性ネマチック液晶性化合物の配合量は、前記混合溶液の全固形分100重量部に対し75〜95重量部であることが好ましい。より好ましくは73〜93重量部である。更に好ましくは80〜90重量部である。
本発明に用いられる重合性カイラル剤は、重合性官能基を少なくとも1つ以上有し、かつ分子構造中に不斉炭素原子を持った官能基(光学活性基)を有し、重合性ネマチック液晶性化合物の配向を乱さないものであれば特に制限されない。上記重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等が挙げられるが、これらのなかでアクリロイル基、メタクリロイル基が好適である。上記重合性カイラル剤は、液晶性を有していてもよく液晶性を有しなくてもよいが、コレステリック液晶性を示すものが好ましく用いられる。重合性カイラル剤の好ましい化学構造式としては、下記式(2)に示す構造が挙げられる。
前記重合性カイラル剤は、その添加量により選択反射波長を決定する螺旋ピッチ長が変化することから上記添加量の制御で選択反射波長に基づく色を調節することができる。上記重合性カイラル剤の添加量は、前記混合溶液中の全固形分100重量部に対して、4.5〜25重量部であることが好ましい。より好ましくは4.5〜20重量部である。更に好ましくは4.5〜15重量部である。
本発明に用いられる重合開始剤としては、特に制限されず、光重合開始剤、水溶性アゾ重合開始剤、油溶性アゾ重合開始剤、高分子アゾ重合開始剤、光カチオン開始剤、ラジカル系光重合開始剤などが用いられる。好ましくは、光重合開始剤が用いられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、単一の化合物からなる光重合開始剤であっても良いし、2種類以上の異なる光重合性開始剤を混合したものであっても良い。例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン系化合物等が挙げられる。例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア651、イルガキュア184、ダロキュアー1173、イルガキュア500、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア819、イルガキュア784や、メルク(株)製ダロキュアー953、ダロキュアー1116のほか、日本化薬(株)製カヤキュアーMBP、カヤキュアーCTX、カヤキュアーDITX、カヤキュアーCTX、カヤキュアーDETX、カヤキュアーRTXなどが挙げられる。重合反応性が良好で、光学フィルムの透明性に優れる点で、好ましくは、イルガキュア651、イルガキュア184、ダロキュアー1173、イルガキュア500、イルガキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア819、イルガキュア784が用いられる。
前記光重合開始剤には、重合反応を促進させるために、助剤を添加することもできる。上記助剤としては例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,4’―ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(nブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン系化合物が挙げられる。
前記重合開始剤の添加量には、特に制限はないが、その量は、前記重合性ネマチック液晶性化合物と前記重合性カイラル剤とからなる全化合物100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部である。また、助剤の添加量は、重合開始剤に対して、0.5〜2倍量程度が好ましい。
本発明に用いられる溶剤としては、前記重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物の溶解性に優れ、上記組成物の塗工時において、基材のぬれ性や上記組成物の配向性の低下を起こさないものであれば特に制限はない。
前記溶剤として具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、n−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、メチルセロソルブ、酢酸メチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル等のエステル類、その他、塩化メチレン、二硫化炭素、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなども前記溶剤の例として挙げられるがこれらに限定されない。
前記溶剤として好ましくは、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ジグライム、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフランである。上記の溶剤であれば、実用上悪影響を与えるような基材の侵食をせず、上記組成物を十分に溶解することができる。
前記溶剤の沸点としては、前記重合性ネマチック液晶性化合物と重合性カイラル剤と重合開始剤とを含む組成物の液晶相−等方相転移温度(Ti)よりも高いほうが、良好な光学均一性を有する光学フィルムを製造できるため、好ましい。前記溶剤の沸点の範囲として、更に好ましくはTi+5℃〜Ti+180℃である。特に好ましくはTi+20℃〜Ti+60℃である。このような溶剤として特に好ましくは、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤が用いられる。
前記溶剤は、単独で、又は、前記光学フィルムの平滑性を高めるために、任意の溶剤を2種類以上混合して用いてもよい。前記混合溶液の、全固形分濃度は溶解性、塗工粘度、基材上へのぬれ性、塗布後の厚みなどによって異なるが、平滑性の高い光学フィルムを得るためには、溶剤100重量部に対して固形分を2〜100重量部、更に、4〜50重量部、特に5〜40重量部溶解させたものが好ましい。
また、前記基材に対する前記混合溶液のぬれ性が乏しい場合や、光学フィルムの表面均一性が悪い場合は、それらを改善するために前記混合溶液に種々のレベリング剤を添加することも可能である。レベリング剤の種類としては、シリコーン系、フッ素系、ポリエーテル系、アクリル酸共重合物系、チタネート系等の種々の化合物を用いることができる。これらのレベリング剤の添加量は、特に制限はないが、平滑性を高め、且つ重合性ネマチック液晶性化合物と前記重合性カイラル剤と重合開始剤とを含む組成物の配向を乱さない添加量として好ましくは、固形分100重量部中に0.0001〜0.005重量部である。より好ましくは0.0005〜0.003重量部である。
本発明に用いられる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、シクロ系オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、芳香族ポリイミドやポリイミドアミド等のイミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等からなる高分子フィルム基材などが挙げられる。また、アルミ、鉄、銅等の金属基材、青板ガラス、アルカリガラス、無アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラス、石英ガラス等のガラス基材、セラミックス基材等の各種基材、シリコンウェハー等の各種半導体基材等も挙げることができる。 上記基材として好ましくは、前記溶剤に実用上悪影響を与えるような侵食をせず、均一な前記組成物の配向を誘起できるという理由から、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
前記基材としては、市販の高分子フィルムを用いることもできる。例えば、富士写真フィルム(株)製 製品名「フジタック」や、日本ゼオン(株)製 製品名「ゼオノア」、 JSR(株)製 製品名「アートン」などが挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載の高分子フィルム、たとえば、(A)側鎖に置換及び/又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換及び/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する高分子フィルムなども用いることができる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムが挙げられる。また、上記基材は、表面上に他の被膜、例えばポリイミド膜、ポリアミド膜、ポリビニルアルコール膜等の有機膜(配向膜ともいう)、若しくは酸化珪素の斜め蒸着膜等を設けたものであっても良い。また、上記基材が高分子フィルムである場合には、延伸,収縮等の処理を施して、フィルム面内に異方性を付与したものであっても良い。
本発明に用いられる基材は、必要に応じて配向処理を施してから用いることができる。上記配向処理としては、従来の公知の配向処理法が用いることができる。配向処理法としては例えば、ラビング法、斜方蒸着法、マイクログルーブ法、延伸高分子膜法、LB(ラングミュア・ブロジェット)膜法、転写法、光照射法(光異性化、光重合、光分解等)、剥離法等が挙げられる。特に製造工程の容易さの観点から、ラビング法、光配向法が好ましい。
前記ラビング法に用いられる配向膜としては、特に制限はないが、前記混合溶液のぬれ性に優れ、前記重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物を特定の方向に配向させることができるものが好ましい。具体的に例えば、ポリアミド、ポリイミド、レシチン、シリカ、ポリビニルアルコール、エステル変性ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルの鹸化度を調節したポリマー、シランカップリング剤等を塗布等して形成した配向膜が挙げられる。また、前記基材の表面をそのままラビング法によって配向処理しても良い。
前記光配向法に用いられる配向膜としては、特に制限はないが、例えば、異性化ポリマー、光二量化ポリマー、及び光分解ポリマーが用いられる。これらは、放射線の照射によって、重合性ネマチック液晶性化合物と前記重合性カイラル剤と重合開始剤とを含む組成物の配向を誘起できる。用いられる放射線としては、紫外線、可視光線、赤外線のいずれであってもよい。また、これらの放射線は、偏光であっても無偏光であっても良い。好ましい光配向性材料は、米国特許第6,160,597号明細書のEXAMPLE1に記載されているような光反応性ポリマーが挙げられる。そのような材料を、直線偏光UV光によって配向かつ架橋することができる。
本発明に用いられる混合溶液の基材への塗工方法については、特に限定はなく、従来公知の塗工方法を用いことができる。例えば上記混合溶液をスピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等で薄層展開することができる。上記混合溶液の塗工厚みは、前記混合溶液の全固形分濃度や粘度、コーターの種類等によって選択されるが、良好な光学的均一性を得るために、通常15〜300μmであることが好ましい。更に好ましくは15〜200μmである。特に好ましくは15〜50μmである。厚みが15μm以上であれば、光学均一性に優れたものが作製できる。
前記混合溶液を塗工した基材は、放射線照射前に必要に応じて乾燥処理を行っても良い。上記乾燥処理における温度(乾燥温度ともいう)(Ttと称す)としては、特に制限はないが、前記重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物の結晶相−液晶相転移温度(Tmと称す)以上で、かつ液晶相−等方相転移温度(Tiと称す)未満であることが好ましい。また、基材のガラス転移温度(Tg)以下が好ましい。更に好ましくは、Tm+30℃≦Tt<Tiであり、最も好ましくは、Tm+40℃≦Tt<Tiである。上記の温度範囲であれば、均一性の高い光学フィルムを作製することができる。上記乾燥時間は特に制限されるものではないが、良好な光学均一性を有する光学フィルムを得るためには、例えば1〜20分であり、好ましくは2〜15分、更に好ましくは、2〜10分である。
本発明において、Ti±2.0℃の雰囲気とは放射線照射装置内の大気中の温度を示す。本発明の製造方法では、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を形成するために、放射線照射時における雰囲気の温度(照射温度ともいう)をTi±2.0℃の範囲に保持しながら、放射線照射を行う必要がある。上記照射温度は、前記重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物を、上記組成物の液晶相を呈する温度に加熱することによって、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と、等方的な分子構造を有する層とが相分離した状態を形成するために必要である。また、放射線照射は、上記組成物を重合させて、上記組成物の相分離した状態を固定するために必要である。前記照射温度の範囲として好ましくは、Ti±1.8℃の範囲であり、更に好ましくは、Ti±1.5℃である。最も好ましくは、Ti±1.0℃である。
前記ガラス相−液晶相転移温度(Tm)は、2枚のスライドガラスで挟持した前記重合性ネマチック液晶性化合物と前記重合性カイラル剤と前記重合開始剤を含む組成物を、温度コントローラー(例えばジャパンハイテック(株)製 製品名「LK−600PM」)上に配して、2枚の偏光子をクロスニコル配置にした偏光顕微鏡にて、昇温しながら観察したときに、結晶が溶解する温度である。また、上記液晶相−等方相転移温度(Ti)は、上記Tmから更に温度を上昇させたときに、明視野から暗視野が得られたときの温度である。
前記照射温度を一定に保持する具体的な方法については、特に制限はないが、熱風、マイクロ波もしくは遠赤外線などを利用したヒーター、温度調節用に加熱されたロール、ヒートパイプロール又は金属ベルトなどを用いた公知の加熱方法や温度制御方法を挙げることができる。
前記照射温度は、ばらつきが大きいと、塗工表面の厚みのむらが大きくなり、最終的に得られた位相差フィルムの位相差値のばらつきを招く。従って、光学フィルムのフィルム面内方向の温度ばらつきは、小さければ小さいほど好ましく、より好ましくは面内方向の温度ばらつきを±0.5℃の範囲内とすることが望ましい。
前記放射線の種類は、特に制限はないが、ガンマ線、電子線、可視光、紫外線等が挙げられる。好ましくは、製造が容易であるという理由から、紫外線を用いた放射線照射が用いられる。上記紫外線照射における光源の波長は、用いる光化学反応性化合物が光学吸収を有する波長領域に応じて決定する。一般に、好ましくは190nm〜400nmである。更に好ましくは、250nm〜380nmである。光源は、超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ又はメタルハライドランプが好ましく用いられる。光源から出射された紫外線は非偏光でも偏光であっても良い。
前記放射線照射における光源の位置は、特に制限はなく、前記混合溶液が塗工される側に配置しても良いし、他面の塗工されていない基材側に配置しても良い。また、上記放射線照射における大気中の雰囲気は、特に制限はなく、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等を挙げることができる。
上記紫外線の照射光量は、特に制限はないが、好ましくは、100〜1500mJ である。更に好ましくは、100〜500mJである。上記範囲の照射光量であれば、前記液晶性化合物が十分に硬化し、固定化することができる。
次に本発明の製造方法によって得られる光学フィルムについて説明する。
本発明の製造方法により得られる光学フィルムは、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を有するものである。なお、本発明の光学フィルムから基材を除いた液晶層とは、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を有する層をいう。
図1は本発明による製造方法によって得られる光学フィルムの一例を示す。前記光学フィルムは、例えば図1に示したように、基材上に螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層と螺旋状ねじれ分子構造を有する層との3層からなる相分離構造を形成したものである。
前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層とは、重合性ネマチック液晶性化合物のコレステリック液晶相のプラナー配向状態が固定された層のことをいう。上記コレステリック液晶相のプラナー配向は、光学フィルムをエポキシ樹脂に包埋して、超膜切片法によってサンプリングした試験片を透過型電子顕微鏡(TEM)により断面観察したとき、縞模様として確認できる。縞模様は均一であることが好ましい。コレステリック液晶相の断面写真の例としては、例えば、エヌ・ティー・エス出版「エレクトロニクス材料としての機能性高分子」p.136(2003年版)に記載されている。
前記相分離構造とは、等方性液体相(等方相ともいう)と液晶相との相分離状態をいう。どちらの相が、基材側になるかは特に制限されない。とりうる層の数は、2層以上であれば特に制限はなく、例えば、等方相/液晶相/等方相や、液晶相/等方相/液晶相のように3層構造を成していても良い。層の数として、好ましくは2層〜10層、更に好ましくは、2層〜4層である。特に好ましくは、液晶相/等方性液体相/液晶相のような3層構造である。
一般的にコレステリック液晶相は、螺旋状ねじれ分子構造の周期性により、可視光のブラッグ反射が起こる場合がある。コレステリック液晶相において、上記螺旋状ねじれ分子構造の掌性と同じ向きの円偏光を選択的に反射する現象を選択反射という。また、選択反射が生じる波長を選択反射波長という。
前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層としては、例えば、可視光領域(380nm〜780nm)に選択反射波長を有するものや、紫外光領域(380nmよりも短波長)に選択反射波長を有するものが挙げられる。上記選択反射波長は380nm以下、又は780nm以上のものが、透明性の高い光学フィルムが得られるため好ましい。前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層の選択反射波長として好ましくは、380nm以下であり、より好ましくは、350nm以下であり、更に好ましくは、320nm以下である。
なお、前記螺旋状のねじれ分子構造を有する層の、重合性ネマチック液晶性化合物のねじれる方向は、左巻きであっても、右巻きであっても良い。なお、選択反射波長は、コレステリック液晶相の螺旋ピッチ長とフィルム面内の平均屈折率との積によって一義的に決定される。
前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層の螺旋ピッチ長は、50〜300nmであることが好ましい。より好ましくは、80〜250nmである。特に好ましくは、100〜200nmである。上記螺旋ピッチ長は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって撮影した断面写真より算出することができる。断面写真の白黒1対の層が1ピッチに相当する。一般的にコレステリック液晶相の螺旋ピッチ長は、温度依存性がある場合があるが、本発明においては、特に断りのない限り、23℃における螺旋ピッチ長である。
前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層のフィルム面内の平均屈折率としては、前記重合性ネマチック液晶性化合物の常光屈折率(no)と異常光屈折率(ne)のフィルム面内の平均、すなわち、 平均屈折率:{(ne)2+(no)21/2から求められる。上記重合性ネマチック液晶性化合物の平均屈折率は、好ましくは1.51〜2.00であり、さらに好ましくは、1.52〜1.95である。更に好ましくは1.53〜1.90である。また、常光屈折率(no)と異常光屈折率(ne)との差、すなわち複屈折率は、光学均一性が得られる範囲に設定されることが好ましい。上記複屈折率は、0.05〜0.30であることが好ましく、0.07〜0.20であることがさらに好ましい。
前記光学フィルムから基材を除いた液晶層の好ましい厚みの範囲としては、通常2〜20μmであり、より好ましくは3〜12μm、特に好ましくは4〜8μmである。上記液晶層の厚みが2〜20μmであれば、光学均一性に優れたものが作製できる。
前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層の厚みの合計は、1〜10μm程度が好ましい。更に好ましくは、1〜6μm、最も好ましくは、1〜4μmである。上記螺旋状ねじれ分子構造を有する層の厚みの合計が1〜10μmであれば、光学均一性に優れたものが作製できる。
前記等方的な分子構造を有する層とは、重合性ネマチック液晶性化合物のランダムな状態が固定された層のことをいう。上記等方的な分子構造を有する層は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって、層断面を観察したとき、縞模様が観察されず、不均一な模様として確認できる。
前記等方的な分子構造を有する層の厚みの合計は、1〜10μm程度が好ましい。更に好ましくは、1〜6μm、最も好ましくは、1〜4μmである。上記等方的な分子構造を有する層の厚みの合計が1〜10μmであれば、光学均一性に優れたものが作製できる。
前記等方的な分子構造を有する層の複屈折率として好ましくは、nx を面内の最大屈折率、ny をフィルム面内の最小屈折率、nz をフィルムの厚さ方向の屈折率としたとき、Δnxy=(nx −ny) =0.0005以下、かつΔnxz=(nx −nz) =0.001以下である。位相差値として好ましくは、Re=(nx−ny)×dが5nm以下、かつRth=(nx−nz )×dが10nm以下である。上記、等方的な分子構造を有する層の複屈折率は、螺旋状ねじれ分子構造を有する層を研磨して取り除いたフィルムを測定して算出することができる。また、本発明の光学フィルムの等方的な分子構造を有する層の複屈折率や位相差値を算出する別の方法としては、等方的な分子構造を有する層のみからなるフィルムの位相差値と、螺旋状ねじれ分子構造を有する層のみからなるフィルムの位相差値とから、各単層の複屈折率を算出し、本発明の光学フィルムの透過型電子顕微鏡(TEM)の層断面観察等によって求めた各層の厚みから、間接的に見積もることもできる。
また、通常、コレステリック液晶相は、擬似的な層構造と見なすことができ、液晶分子の配向ベクトルが螺旋ピッチを繰り返し単位として、周期的に変化しているので、螺旋軸(ヘリカル軸)が基材法線方向に対して平行である場合には、厚み方向の屈折率が、フィルム面内の屈折率に比べて小さくなる。
前記光学フィルムは、螺旋状ねじれ分子構造を有する層の螺旋軸(ヘリカル軸)が基材法線方向に対して平行であって、上記光学フィルムの選択反射波長が380nm以下であるものが好ましい。この様な光学フィルムは、選択反射波長が紫外線領域にあるため、可視光領域では透明性が高い。また、厚み方向の屈折率が、フィルム面内の屈折率に比べて小さくなるため、フィルム面内の2つの主屈折率をnx、nyとし、厚み方向の屈折率をnzとした場合、nx≒ny>nzの特性を有する位相差フィルム、いわゆるネガティブCプレートとして用いることができる。上記ネガティブCプレートは、液晶セルと偏光板の間に配置し、斜め方向からの視野角特性を改善するのに好適である。
前記光学フィルムの光透過率は、波長590nmにおいて、80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上であり、更に好ましくは、90%以上である。
前記光学フィルムの好ましい厚みの範囲としては、通常10〜300μmであり、より好ましくは10〜200μm、特に好ましくは10〜100μmである。
前記光学フィルムから基材を除いた液晶層の、前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層の厚みの合計(d1)と、前記等方的な分子構造を有する層の厚みの合計(d2)との比率:d1/d2は、0.25〜4.00であることが好ましく、更に好ましくは、0.35〜2.00であり、最も好ましくは、0.50〜1.00である。
前記光学フィルムから基材を除いた液晶層の好ましい位相差値としては、下記式(3)より計算される波長590nmの光に対するフィルム面内の位相差値:Re(590)が、0nm<Re(590)≦10nmであり、好ましくは、0nm<Re(590)≦5nm、更に好ましくは、0nm<Re(590)≦3nmである。また、下記式(4)より計算される波長590nmの光に対するフィルム厚み方向の位相差値:Rth(590)が、30nm≦Rth(590)≦800nmであり、更に好ましくは、40nm≦Rth(590)≦600nm、特に好ましくは、50nm≦Rth(590)≦400nmである。
Re=(nx−ny)×d …(3)
Rth=(nx−nz)×d …(4)
[ただし、d(nm)はフィルムの厚みを示し、フィルムの遅相軸方向、進相軸方向及び厚さ方向の屈折率をそれぞれnx、ny、nzとする。]
Rthの算出方法は、位相差値、遅相軸の角度(配向角)、屈折率の測定は、例えば、王子計測機器(株)製 商品名「KOBRA21−ADH」〕を用いて求めることができる。フィルム面内の位相差値(Re)、遅相軸を傾斜軸として40度傾斜させて測定した位相差値(R40)、位相差フィルムの厚み(d)及び位相差フィルムの平均屈折率(n0)を用いて、以下の式(5)〜(7)からコンピュータ数値計算によりnx、ny及びnzを求め、次いで式(8)によりRthを計算した。 ここで、φ及びny’はそれぞれ以下の式(9)及び(10)で示される。
Re=(nx−ny)×d …(5)
R40=(nx−ny’)×d/cos(φ) …(6)
(nx+ny+nz)/3=n0 …(7)
Rth=(nx−nz)×d …(8)
φ =sin-1[sin(40°)/n0] …(9)
ny’=ny×nz[ny2×sin2(φ)+nz2×cos2(φ)]1/2 …(10)
前記光学フィルムから基材を除いた液晶層の厚み方向の複屈折率:(nx−nz)の範囲としては、0.010≦(nx−nz)≦0.050が好ましい。更に好ましくは、0.020≦(nx−nz)≦0.040である。特に好ましくは、0.020≦(nx−nz)≦0.030である。上記の範囲であれば、フィルム面内及び厚み方向で光学的に均一性の高い位相差フィルムを得ることができる。
前記光学フィルムから基材を除いた液晶層の波長分散特性としては、下記式(11)で算出されるD(Rth)値が、1.02≦D(Rth)≦1.30の範囲にあるものが好ましく用いられる。
D(Rth)=Rth(480)/Rth(590) …(11)
[ただし、Rth(480)、Rth(590)は、それぞれ波長480nm、590nmの光に対するフィルム厚み方向の位相差値である。]
D(Rth)値の範囲として好ましくは、1.02≦D(Rth)≦1.25であり、更に好ましくは、1.03≦D(Rth)≦1.20である。上記の範囲を外れると、液晶パネルに実装した際の視野角特性が悪化するので好ましくない。
前記光学フィルムから基材を除いた液晶層の光弾性係数は、波長590nmで測定した位相差の光弾性係数の絶対値:C値 (m2/N)として好ましくは、1×10-13≦C≦5×10-10である。さらに好ましくは、1×10-13≦C≦7×10-11である。
なお、通常、光学フィルムは、外力を加えて内部に応力を起こさせると、一時的に光学的異方性を呈し、複屈折を示すようになる。これを光弾性効果という。その指標として用いられる光弾性係数は、絶対値が小さいほうが、光学均一性に優れ、歪による位相差ムラなどが生じにくいため好ましい。上記光弾性係数は、例えば、日本分光株式会社製 分光エリプソメーター 製品名「M−220」を用いて、2cm×10cmの試験片に23℃で応力をかけながら、フィルム面内の位相差値を測定し、位相差値と応力の関数の傾きから算出することができる。
次に本発明の光学フィルムと併用される他の位相差フィルムについて説明する。
本発明の光学フィルムは、粘着剤や接着剤等で、他の位相差フィルムに積層して使用することができる。また、本発明の光学フィルムから液晶層のみを、粘着剤や接着剤等で剥離して、他の位相差フィルムに積層して使用することもできる。上記他の位相差フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、シクロ系オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、芳香族ポリイミドやポリイミドアミド等のイミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等からなる高分子フィルムに複屈折特性を付与したフィルムや、基材上に液晶性化合物を含む混合溶液を塗工して硬化したフィルムが挙げられる。複屈折特性は、該高分子フィルムの製膜時に自発的に発生する場合もあるし、該高分子フィルムを一軸又は二軸に延伸することによって付与することもできる。
前記他の位相差フィルムの複屈折特性は、特に制限はないが、例えば、IPSモード、VAモード及びOCBモードの液晶表示装置に用いる場合は、Re=80〜140nm(Rth/Re=0.9〜1.3)の一軸性位相差フィルム、Re=0〜5nmであってRth=90〜400nmである負の一軸性位相差フィルム、基板法線から光軸が10〜80°に傾斜した一軸性傾斜配向位相差フィルムの他、Re=30〜60nm(Rth/Re=2.0〜6.0)の二軸性位相差フィルム、Re=100〜300nm(Rth/Re=0.2〜0.8)の二軸性位相差フィルムや、ディスコチック液晶分子又は棒状液晶分子が基板法線に対して徐々に傾斜したハイブリッド配向位相差フィルムが好ましく用いられる。上記の一軸性位相差フィルムや二軸性位相差フィルムは、本発明の光学フィルムと併用することで、液晶表示装置のより一層の視野角特性向上が期待できる。また、本発明の位相差フィルムを2枚以上任意の角度で積層したものを用いても良いし、本発明の位相差フィルムを2枚以上積層したものと、他の位相差フィルムを組み合わせたものを用いても良い。
次に本発明の光学フィルムを用いた偏光板について説明する。
本発明の光学フィルムは、接着剤や粘着剤などを用いて偏光子又は偏光板と積層することによって、偏光板を得ることもできる。また、本発明の光学フィルムから液晶層のみを、粘着剤や接着剤等で剥離して、偏光子又は偏光板に積層して使用することもできる。偏光板は、通常、液晶セルの両側に配置される。通常、偏光板は、液晶セルの両側に配置され、2枚の偏光板の吸収軸が互いに略直交するように配置される。偏光板は、通常、偏光子の片側又は両側に透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。偏光子の両面に透明保護フィルムを設ける場合は、表裏の透明保護フィルムは、同じ材料であっても良いし、異なる材料であってもよい。
本発明の前記偏光板は、前記光学フィルムを偏光子又は偏光板の少なくとも片側に配置したものであって、上記光学フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行又は直行であるものが好ましく用いられる。上記光学フィルムの遅相軸と上記偏光子の吸収軸のなす角度は、上記光学フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と平行に配置される場合、0°±2.0°であることが好ましい。より好ましくは、0°±1.0°である。更に好ましくは、0°±0.5°である。また、上記光学フィルムの遅相軸が上記偏光子の吸収軸と垂直に配置される場合、90°±2.0°であることが好ましい。より好ましくは、90°±1.0°である。更に好ましくは、90°±0.5°である。これらの角度範囲から外れる程度が大きくなるほど、偏光板の偏光度が低下し、液晶表示装置に用いた際に、コントラストが低下する。
前記偏光子としては、特に制限されず、各種のものを使用できる。たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片面又は両面に設けられる透明保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、位相差値の安定性などに優れるものが好ましい。上記透明保護フィルムを形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・エチレン・スチレン樹脂、スチレン・マレイミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が挙げられる。また、シクロ系オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂、芳香族ポリイミドやポリイミドアミド等のイミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等からなる高分子フィルムなども前記透明保護フィルムを形成する樹脂の例として挙げられる。また、上記透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載の高分子フィルム、たとえば、(A)側鎖に置換及び/又は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換及び/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が挙げられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物の高分子フィルムが挙げられる。
前記透明保護フィルムとして好ましくは、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂及び、ノルボルネン系樹脂が用いられる。具体的には、富士写真フィルム(株)製 製品名「フジタック」や、日本ゼオン(株)製 製品名「ゼオノア」、JSR(株)製 製品名「アートン」などが挙げられる。
前記透明保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。より好ましくは、5〜200μmである。特に好ましくは、10〜150μmである。上記の範囲であれば、偏光子を機械的に保護し、高温高湿下に曝されても偏光子が収縮せず、安定した光学特性を保つことができる。
前記透明保護フィルムは、フィルム面内の位相差値及び厚み方向の位相差値が液晶表示装置の視野角特性に影響を及ぼす場合があるので、位相差値が最適化されたものを用いることが好ましい。ただし、位相差値の最適化が望まれる透明保護フィルムとは、液晶セルに近い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムであり、液晶セルに遠い側の偏光子の表面に積層される透明保護フィルムは、液晶表示装置の光学特性を変化させることはないので、この限りではない。
例えば、VAモードの液晶表示装置では、透明保護フィルムが厚み方向の位相差値を有する場合は、本発明の製造方法により得られる光学フィルムの実効的な厚み方向の位相差値は、透明保護フィルムの、厚み方向の位相差値の分だけ予め小さい値に設計しておく必要がある。また、透明保護フィルムが面内の位相差値を有する場合は、上記光学フィルムを積層することにより、二軸性の積層位相差フィルムとして用いることができる。
前記透明保護フィルムの位相差値として好ましくは、フィルム面内の位相差値(Re)が0〜10nmであることが好ましい。より好ましくは、0〜5nmである。更に好ましくは、0〜1nmである。厚み方向の位相差値(Rth)は、0nm〜200nmであることが好ましい。より好ましくは、0〜60nmであり、さらに好ましくは0nm〜30nmである。
前記透明保護フィルムの偏光子との積層方法は、特に限定されず、例えばアクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいはホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミンやシュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤から少なくともなる接着剤等を介して行うことができる。これにより湿度や熱の影響で剥がれにくく光透過率や偏光度に優れるものとすることができる。前記接着剤としては、偏光子の原料であるポリビルアルコールとの接着性に優れる点より、ポリビニルアルコール系接着剤を用いることが好ましい。
前記ノルボルネン系樹脂を含む高分子フィルムを透明保護フィルムとして、偏光子と積層する場合の粘着剤としては、透明性に優れ、複屈折などが小さく、薄い層として用いても充分に粘着力を発揮できるものが好ましい。そのような粘着剤としては、例えば、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアネート樹脂溶液を混合するドライラミネート用接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤、例えば、エポキシ樹脂とポリチオールの二液からなるもの、エポキシ樹脂とポリアミドの二液からなるものなどを用いることができ、特に溶剤型接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤が好ましく、透明のものが好ましい。接着剤によっては、適当な接着用下塗り剤を用いることで接着力を向上させることができるものがあり、そのような接着剤を用いる場合は接着用下塗り剤を用いることが好ましい。
上記接着用下塗り剤としては、接着性を向上できる層であれば特に制限はないが、例えば、同一分子内にアミノ基、ビニル基、エポキシ基、メルカプト基、クロル基等の反応性官能基と加水分解性のアルコキシシリル基とを有するシラン系カップリング剤、同一分子内にチタンを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するチタネート系カップリング剤、および同一分子内にアルミニウムを含む加水分解性の親水性基と有機官能性基とを有するアルミネート系カップリング剤等のいわゆるカップリング剤、エポキシ系樹脂、イソシアネート系樹脂、ウレタン系樹脂、エステルウレタン系樹脂等の有機反応性基を有する樹脂を用いることができる。なかでも、工業的に取扱いやすいという観点から、シラン系カップリング剤を含有する層であることが好ましい。
前記偏光板は、液晶セルへの積層を容易にするため、両面又は片面に接着剤層や粘着剤層を設けておくことが好ましい。
前記接着剤又は粘着剤としては特に制限されない。例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度なぬれ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れる点で、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
前記接着剤又は粘着剤にはベースポリマーに応じた架橋剤を含有させることができる。また、粘着剤層には必要に応じて例えば天然物や合成物の樹脂類、ガラス繊維やガラスビーズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤や酸化防止剤などの適宜な添加剤を配合することもできる。また透明微粒子を含有させて光拡散性を示す粘着剤層とすることもできる。
なお、前記の透明微粒子には、例えば平均粒径が0.5〜20μmのシリカや酸化カルシウム、アルミナやチタニア、ジルコニアや酸化錫、酸化インジウムや酸化カドミウム、酸化アンチモン等の導電性のこともある無機系微粒子や、ポリメチルメタクリレートやポリウレタの如き適宜なポリマーからなる架橋又は未架橋の有機系微粒子などの適宜なものを1種又は2種以上用いることができる。
前記接着剤又は粘着剤は、通常、ベースポリマー又はその組成物を溶剤に溶解又は分散させた固形分濃度が10〜50重量%程度の接着剤溶液として用いられる。上記溶剤としては、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤や水等の接着剤の種類に応じたものを適宜に選択して用いることができる。
前記接着剤又は粘着剤は、異なる組成又は種類等のものの積層物として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。上記接着剤又は粘着剤の厚みは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
前記接着剤層又は粘着剤層等の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的に剥離紙又は離型フィルム(セパレータともいう)が仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で接着剤層又は粘着剤層に接触することを防止できる。上記セパレータとしては、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いることができる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理や、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)を施すことができる。上記ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を上記透明保護フィルムの表面に形成することができる。上記反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施される。また、上記スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。上記アンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。また、上記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
次に本発明の光学フィルム又は偏光板と併用して用いられる他の光学部材について説明する。
上記他の光学部材としては、特に限定はないが、例えば、前記ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理や、拡散処理(アンチグレア処理ともいう)を別途光学フィルムとしたものが挙げられる。また、楕円偏光板又は円偏光板に、更に反射板又は半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板又は半透過型偏光板が挙げられる。また、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。また、本発明の光学フィルム又は偏光板を透過型又は半透過型の液晶表示装置に用いる場合には、市販の輝度向上フィルム(偏光選択層を有する偏光分離フィルム、例えば住友3M(株)製のD−BEFなど)と併せて用いることにより、さらに表示特性の高い表示装置を得ることができる。
前記光学フィルムや偏光板等は、液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成することができるが、予め積層しておくほうが、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させることができるため好ましい。
本発明の光学フィルム、偏光板及び液晶パネルは、パーソナルコンピューター、液晶テレビ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)等の液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機EL)、プロジェクター、プロジェクションテレビ、プラズマテレビ等の画像表示装置に用いることができる。上記液晶表示装置の種類には特に制限はなく、透過型、反射型、反射半透過型いずれの形でも使用することができる。上記液晶表示装置に用いられる液晶セルとしては、例えばツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モードや、水平配向(ECB)モード、垂直配向(VA)モード、インプレーンスイッチング(IPS)モード、ベンドネマチック(OCB)モード、強誘電性液晶(SSFLC)モード、反強誘電液晶(AFLC)モードの液晶セルなど種々の液晶セルが挙げられる。このうち、本発明の製造方法により得られる光学フィルムは、特にTNモード、VAモード、OCBモードの液晶表示装置に用いることが好ましい。
前記ツイステッドネマチック(TN)モードの液晶セルとは、2枚の基材の間に正の誘電異方性のネマチック液晶をはさんだものであり、ガラス基材の表面配向処理によって液晶分子配向を90度ねじらせてあるものをいう。具体的には、培風館株式会社「液晶辞典」158ページ(1989年)に記載の液晶セルや、特開昭63−279229公報に記載の液晶セルが挙げられる。
前記垂直配向(VA)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、透明電極間に誘電率異方性が負のネマチック液晶が、電圧無印加時において、垂直配列した液晶セルのことをいう。具体的には、特開昭62−210423公報や、特開平4−153621公報に記載の液晶セルが挙げられる。また、上記VAモードの液晶セルは、特開平11−258605公報に記載されているように、視野角拡大のために、画素内にスリットを設けたものや、表面に突起を形成した基材を用いることによって、マルチドメイン化したMVAモードの液晶セルであっても良い。更に、特開平10−123576公報に記載されているように、液晶中にカイラル剤を添加し、ネマチック液晶電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるVATNモードの液晶セルであっても良い。
前記ベンドネマチック(OCB:Optically Compensated Bend or Optically Compensated Birefringnence)モードの液晶セルとは、電圧制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringnence)効果を利用し、透明電極間に誘電率異方性が正のネマチック液晶が、電圧無印加時において、中央部にねじれ配向が存在するベンド配向した液晶セルのことをいう。上記OCBモードの液晶セルは、「πセル」とも言われる。具体的には、共立出版株式会社「次世代液晶ディスプレイ」(2000年)11ページ〜27ページに記載のものや、特開平7−084254公報に記載のものが挙げられる。
このような種々の液晶セルに、本発明の光学フィルムを用いることにより、コントラストや、色相、視野角特性を改善することができ、しかもその機能を長期間維持することができる。
本発明について、以下の実施例及び比較例を用いてさらに説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。実施例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
(1)液晶相−等方相転移温度の決定:温度コントローラー〔ジャパンハイテック(株)製 製品名「LK−600PM」〕を備えた偏光顕微鏡(オリンパス(株)製 製品名「BX51−P」を用いて求めた。
(2)フィルム断面の観察及び液晶層の厚み測定方法:試料をエポキシ樹脂中に包埋した後、フィルム断面を観察するために、超薄切片法により作製した試験片を透過型電子顕微鏡(TEM)〔日立製作所製H−800(加速電圧100kV)〕にて観察した。
(3)位相差・複屈折率・光透過率測定方法:平行ニコル回転法を原理とする位相差計〔王子計測機器(株)製 商品名「KOBRA21−ADH」〕を用いて、波長590nmの光で測定した。
(4)光学フィルムの厚み測定方法:薄膜用分光光度計〔大塚電子(株)製 商品名「瞬間マルチ測光システム MCPD−2000」〕にて測定した。
(5)紫外線照射方法:波長365nmの光強度が120mW/cm2であるメタルハライドランプを光源とする装置を用いた。
(6)光学均一性の評価:ハジキの有無を目視観察によって行った。
○;光学フィルムにハジキが観察されず、均一であった。
×;光学フィルムにハジキが観察された。
〔実施例1〕
下記式(1)で表される重合性ネマチック液晶性化合物90重量部、下記式(2)で表される重合性カイラル剤10重量部、UV重合開始剤〔チバスペシャリティーケミカルズ社製 商品名「イルガキュア907」〕5重量部からなり、液晶相−等方相転移温度(Ti)が88℃である組成物をシクロペンタノン(沸点131℃)300重量部に溶解して混合溶液を作製した。上記混合溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製 商品名「S−27E」、厚み75μm)上にワイヤーバー(#12)にて塗工した。次いで、上記混合溶液が塗工された上記基材を、基材から上部5cmの距離を測定した温度が88℃である恒温オーブン(温度バラツキは±0.2℃)で4分間乾燥した後、88℃の恒温オーブン内で空気雰囲気下、前記混合溶液が塗工された側から紫外線を300mJ照射して、上記組成物を重合させることにより、硬化したフィルムを作製した。前記光学フィルムから基材と除いた液晶層の特性は表1の通りである。上記の液晶層を透過型電子顕微鏡(TEM)観察すると、螺旋ピッチ長が170nmである螺旋状ねじれ分子構造を有する層(厚み1.0μm)と、等方的な分子構造を有する層(厚み3.1μm)と、螺旋ピッチ長が170nmである螺旋状ねじれ分子構造を有する層(厚み1.0μm)との3層からなる相分離構造が認められた(図2)。
〔実施例2〕
前記混合溶液をワイヤーバー(#9)にて塗工し、上記混合溶液が塗工された基材の乾燥温度及び紫外線の照射温度を88℃に変えて、87℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、前記組成物を重合させることにより、硬化したフィルムを作製した。前記光学フィルムから基材と除いた液晶層の特性は表1の通りである。上記の液晶層を透過型電子顕微鏡(TEM)観察すると、螺旋ピッチ長が170nmである螺旋状ねじれ分子構造を有する層(厚み0.9μm)と、等方的な分子構造を有する層(厚み2.8μm)と、螺旋ピッチ長が170nmである螺旋状ねじれ分子構造を有する層(厚み0.8μm)との3層からなる相分離構造が認められた。
〔実施例3〕
前記混合溶液をワイヤーバー(#10)にて塗工し、上記混合溶液が塗工された基材の乾燥温度及び紫外線の照射温度を88℃に変えて、89℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、前記組成物を重合させることにより、硬化したフィルムを作製した。前記光学フィルムから基材と除いた液晶層の特性は表1の通りである。上記の液晶層を透過型電子顕微鏡(TEM)観察すると、螺旋ピッチ長が170nmである螺旋状ねじれ分子構造を有する層(厚み0.7μm)と、等方的な分子構造を有する層(厚み2.6μm)と、螺旋ピッチ長が170nmである螺旋状ねじれ分子構造を有する層(厚み0.7μm)との3層からなる相分離構造が認められた。
(比較例1)
前記混合溶液をワイヤーバー(#9)にて塗工し、上記混合溶液が塗工された基材の乾燥温度及び紫外線の照射温度を88℃に変えて、80℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、前記組成物を重合させることにより、硬化したフィルムを作製した。前記光学フィルムから基材と除いた液晶層の特性は表1の通りである。上記の液晶層を透過型電子顕微鏡(TEM)観察すると、螺旋ピッチ長が170nmの均一な単層の螺旋状ねじれ分子構造を有する層が認められた(図3)。
(比較例2)
前記混合溶液をワイヤーバー(#9)にて塗工し、上記混合溶液が塗工された基材の乾燥温度及び紫外線の照射温度を88℃に変えて、91℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、前記組成物を重合させることにより、硬化したフィルムを作製した。前記光学フィルムから基材と除いた液晶層の特性は表1の通りである。上記の液晶層を透過型電子顕微鏡(TEM)観察すると、単層の等方的な分子構造を有する層が認められた(図4)。
・dは、光学フィルムから基材を除いた液晶層の厚み
・d1は、螺旋状ねじれ分子構造を有する層の厚みの合計
・d2は、等方的な分子構造を有する層の厚みの合計
・Reは、光学フィルムから基材を除いた液晶層のフィルム面内の位相差値
・Rthは、光学フィルムから基材を除いた液晶層の厚み方向の位相差値
・nx−nzは、光学フィルムから基材を除いた液晶層の厚み方向の複屈折率
表1に示す通り、比較例1では前記組成物の液晶相−等方相転移温度(Ti)より8℃低い温度である80℃で紫外線を照射して配向を固定化したために、螺旋状ねじれ分子構造を有する層のみからなる光学フィルムが得られた。上記光学フィルムは、部分的にハジキのある光学的に不均一なフィルムであった。
比較例2では、前記組成物の液晶相−等方相転移温度(Ti)より3℃高い温度である91℃で紫外線を照射して配向を固定化したために、等方的な分子構造を有する層のみからなる光学フィルムが得られた。上記光学フィルムは、厚み方向の位相差値が非常に小さく、位相差フィルムとしては望ましくなかった。
一方、実施例1〜3では、前記組成物の液晶相−等方相転移温度(Ti)より±2℃以内で紫外線を照射して配向を固定化したために、螺旋状ねじれ分子構造を有する層と、等方的な分子構造を有する層とを含む相分離構造を有する光学フィルムが得られた。その結果、螺旋状ねじれ分子構造を有する層のみからなる光学フィルムを作製する場合と比較して、塗工溶液の塗工厚みを適度に厚くできたため、厚み方向の位相差の小さい位相差フィルムを作製する場合においても、塗工溶液のハジキを防ぐことができ、良好な光学均一性を有する光学フィルムが得られた。
本発明はコレステリック液晶を用いた位相差フィルムの製造工程において発生する塗工溶液のハジキを防ぎ、良好な光学均一性を有する光学フィルムの製造方法を提供することができる。また、その製造方法によって得られる良好な光学均一性を有する光学フィルム、上記光学フィルムを用いた偏光板、液晶パネル、液晶表示装置を提供することができる。
本発明の製造方法により得られる光学フィルムの概念図である。 本発明の製造方法により得られる光学フィルムの断面写真である。 単層の等方的な分子構造を有する層を有する光学フィルムの断面写真である。 単層の螺旋状ねじれ分子構造を有する層を有する光学フィルムの断面写真である。
符号の説明
1 基材
2 螺旋状ねじれ分子構造を有する層
3 等方的な分子構造を有する層
4 螺旋状ねじれ分子構造を有する層

Claims (16)

  1. 螺旋状ねじれ分子構造を有する層と等方的な分子構造を有する層とを含む少なくとも2層以上の相分離構造を有する光学フィルムの製造方法において、重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物を溶剤と共に基材上に塗工し、Ti±2.0℃の雰囲気下で放射線照射することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
    (ただし、Tiとは、前記重合性ネマチック液晶性化合物及び重合性カイラル剤及び重合開始剤を含む組成物の液晶相−等方相転移温度を示す。)
  2. 前記重合性ネマチック液晶性化合物が、下記式(1)で表される液晶モノマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記重合性カイラル剤が、下記式(2)で表される重合性カイラル剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記混合溶液中に、前記重合性ネマチック液晶性化合物が、上記混合溶液中の全固形分100重量部に対して、75〜95重量部含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記混合溶液中に、前記重合性カイラル剤が、上記混合溶液中の全固形分100重量部に対して、4.5〜25重量部含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記溶剤がケトン系溶剤であり、上記ケトン系溶剤の沸点が、Ti+5℃〜Ti+180℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記基材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  8. 前記放射線が紫外線であり、上記紫外線の照射光量が100〜1500mJであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法により得られる光学フィルム。
  10. 前記螺旋状ねじれ分子構造を有する層の選択反射波長が380nm以下である請求項9に記載の光学フィルム。
  11. 前記光学フィルムから基材を除いた液晶層の厚みが、2〜20μmであることを特徴とする請求項9又は10に記載の光学フィルム。
  12. 前記光学フィルムの波長590nmにおける光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の光学フィルムを少なくとも偏光子の片側に配置した偏光板。
  14. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の光学フィルム又は、請求項13に記載の偏光板と液晶セルとを含む液晶パネル。
  15. 前記液晶セルがTNモード、VAモード、又はOCBモードである請求項14に記載の液晶パネル。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の液晶パネルを含む液晶表示装置。






















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