JP2002333524A - ホメオトロピック配向液晶フィルムの屈折率特性制御方法 - Google Patents
ホメオトロピック配向液晶フィルムの屈折率特性制御方法Info
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Abstract
特性を所望の値に制御する方法を提供すること。 【解決手段】 ホメオトロピック配向液晶層を形成しう
る側鎖型液晶ポリマーと、光重合性液晶化合物を含有し
てなるホメオトロピック配向液晶性組成物を、液晶状態
においてホメオトロピック配向させ、その配向状態を維
持した状態で固定化した後、光照射してホメオトロピッ
ク配向液晶フィルムを製造するにあたり、側鎖型液晶ポ
リマーと光重合性液晶化合物の混合比率を変化させるこ
とにより、ホメオトロピック配向液晶フィルムの屈折率
特性を所望の値に制御する方法。
Description
配向液晶フィルムの屈折率特性を所望の値に制御する方
法に関する。ホメオトロピック配向液晶フィルムは単独
でまたは他のフィルムと組み合わせて、位相差フィル
ム、視角補償フィルム、光学補償フィルム、楕円偏光フ
ィルム等の光学フィルムとして使用できる。
液晶相の分子長軸が平均して薄膜(液晶相)を形成する
基板に対して実質的に垂直である場合に生じる。自発的
にホメオトロピック配向する物質は非常に僅かしかな
く、従って、かかる配向を生じさせるためには、一般的
に垂直配向剤が用いられる。垂直配向剤によりホメオト
ロピック配向させることができる液晶化合物としては、
たとえば、ネマチック液晶化合物が知られている。かか
る液晶化合物の配向技術にかかわる概説は、例えば、化
学総説44(表面の改質,日本化学会編,156〜16
3頁)に記載されている。
せるうる垂直配向剤としては各種の有機系または無機系
配向剤が知られているが、慣用されている配向剤の多く
はガラス基板上で有効に作用するようにデザインされて
いる。
たとえば、レシチン、シラン系界面活性剤、n−オクタ
デシルトリエトキシシラン、チタネート系界面活性剤、
ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムハライドまたはクロム錯体などがあ
げられる。これら有機系配向剤は、活性成分が非常に少
量(代表的には1%よりも少ない量)となるように適当
な揮発性溶剤に溶解され、次いで例えばスピンコーティ
ングまたはその他周知の塗工方法によって基板上に塗工
された後、揮発性溶剤を蒸発させることにより、ガラス
基板上に有機配向剤の薄膜として形成される。これら有
機系配向剤は、極性のガラス表面に引き付けられると考
えられる極性末端基とガラス表面に対して垂直に配列す
る無極性の長鎖状アルキル鎖を有することを特徴とする
ものであり、このような表面上において液晶化合物にホ
メオトロピック配向を生じさせる。
ス基板上にSiOX またはIn2 O 3 /SnO2 を垂直
角度で蒸着させたものが知られており、液晶化合物にホ
メオトロピック配向を生じさせる。その他、アルキル側
鎖付ポリイミド膜も液晶ディスプレイなどのホメオトロ
ピック配向膜として用いられている。
れもガラス基板上においてのみ液晶化合物にホメオトロ
ピック配向を与えるものであり、プラスチックフィルム
やプラスチックシート等のポリマー物質からなる基板上
での配向にはあまり有効に作用するものではない。ポリ
マー物質からなる基板の表面は前記慣用されている配向
剤の極性末端基に対する親和性に乏しいものと推測さ
れ、それゆえ、一般的には、ホメオトロピック配向を全
然示さないか、またはほんの僅かに配向を示すに留ま
る。また、アルキル側鎖付ポリイミド膜の形成には高温
での熱処理が必要であるが、ポリイミド配向膜を焼成す
るに耐えることができ、光学用途として使用できる透明
プラスチックフィルムはほんの僅かである。
学的異方特性を有することから、液晶ディスプレイなど
の光学用途、たとえば、視覚補償板や位相差板等の光学
素子への用途への応用が数多く報告されている。一般的
にホメオトロピック性の液晶化合物では、当該化合物を
適当な温度に加熱するか、または等方相からの冷却によ
って複屈折率特性を発現させることができる。当該複屈
折率特性は常光屈折率(面内の屈折率)と異常光屈折率
(厚み方向の屈折率)の差として表される。
屈折率は、液晶性化合物に固有の値であるため、ホメオ
トロピック配向液晶層の屈折率および複屈折率を変化さ
せるには、液晶化合物そのものを変えて各々の液晶化合
物について屈折率および複屈折率を確認しなければなら
なかった。
ピック配向液晶フィルムの屈折率特性(常光屈折率、異
常光屈折率、複屈折率特性)を所望の値に制御する方法
を提供することを目的とする。
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す方法にり
前記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに
至った。
向液晶層を形成しうる側鎖型液晶ポリマーと、光重合性
液晶化合物を含有してなるホメオトロピック配向液晶性
組成物を、液晶状態においてホメオトロピック配向さ
せ、その配向状態を維持した状態で固定化した後、光照
射してホメオトロピック配向液晶フィルムを製造するに
あたり、側鎖型液晶ポリマーと光重合性液晶化合物の混
合比率を変化させることにより、ホメオトロピック配向
液晶フィルムの屈折率特性を所望の値に制御する方法、
に関する。
が、側鎖型液晶ポリマーのほかに含有する光重合性液晶
化合物は、熱処理により液晶状態として、たとえば、ネ
マチック液晶層を発現させて側鎖型液晶ポリマーととも
にホメオトロピック配向させることができ、その後に光
重合性液晶化合物を重合または架橋させることによりホ
メオトロピック配向液晶フィルムを作製することができ
る。かかる液晶性組成物において、側鎖型液晶ポリマー
と光重合性液晶化合物の混合比率を変化さることにより
屈折率特性を変化させることができ、こうした屈折率特
性の変化から側鎖型液晶ポリマーと光重合性液晶化合物
の混合比率を制御して、高性能な光学素子の作製を容易
に行うことができる。
ーが、液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニ
ット(a)と非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノ
マーユニット(b)を含有する側鎖型液晶ポリマーであ
ることが好ましい。
を、垂直配向膜の設けられていない基板上でホメオトロ
ピック配向させることが好ましい。
用いずに、液晶ポリマーのホメオトロピック配向を実現
することができる。当該側鎖型液晶ポリマーは、通常の
側鎖型液晶ポリマーが有する液晶性フラグメント側鎖を
含有するモノマーユニット(a)の他に、アルキル鎖等
を有する非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマー
ユニット(b)を有しており、非液晶性フラグメント側
鎖を含有するモノマーユニット(b)の作用により、垂
直配向膜を用いなくても、たとえば熱処理により液晶状
態としネマチック液晶相を発現させ、ホメオトロピック
配向を示すようになったものと推察する。
ーが、垂直配向膜を使用することなく基板上でホメオト
ロピック配向させることができ、これによりホメオトロ
ピック配向液晶フィルムを製造できることを既に出願し
ている(特願2000−370978)。これら側鎖型
液晶ポリマーは垂直配向膜を使用することなく基板上で
フィルムを形成しているため、液晶フィルムのTgが低
く設計されているが、前記側鎖型液晶ポリマーに光重合
性液晶化合物を加えた前記液晶性組成物は液晶ディスプ
レイに適合しうる耐久性の向上にも寄与する。
配向液晶層を形成しうる液晶ポリマーとしては、たとえ
ば、液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマーユニッ
ト(a)と非液晶性フラグメント側鎖を含有するモノマ
ーユニット(b)を含有する側鎖型液晶ポリマーが用い
られる。
液晶性を有する側鎖を有するものであり、たとえば、一
般式(a):
6の正の整数を、X1 は−CO2 −基または−OCO−
基を、R2 はシアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、
フルオロ基または炭素数1〜6のアルキル基を、bおよ
びcは1または2の整数を示す。)で表されるモノマー
ユニットがあげられる。
鎖を有するものであり、たとえば、一般式(b):
素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のフルオロ
アルキル基、または一般式(c):
のアルキル基を示す。)で表されるモノマーユニットが
あげられる。
ユニット(b)の割合は、特に制限されるものではな
く、モノマーユニットの種類によっても異なるが、モノ
マーユニット(b)の割合が多くなると側鎖型液晶ポリ
マーが液晶モノドメイン配向性を示さなくなるため、
(b)/{(a)十(b)}=0.01〜0.8(モル
比)とするのが好ましい。特に0.1〜0.5とするの
がより好ましい。
は、2千〜10万であるのが好ましい。重量平均分子量
をかかる範囲に調整することにより液晶ポリマーとして
の性能を発揮する。側鎖型液晶ポリマーの重量平均分子
量が過少では配向層の成膜性に乏しくなる傾向があるた
め、重量平均分子量は2.5千以上とするのがより好ま
しい。一方、重量平均分子量が過多では液晶としての配
向性に乏しくなって均一な配向状態を形成しにくくなる
傾向があるため、重量平均分子量は5万以下とするのが
より好ましい。
ーユニット(a)、モノマーユニット(b)に対応する
アクリル系モノマーまたはメタクリル系モノマーを共重
合することにより調製できる。なお、モノマーユニット
(a)、モノマーユニット(b)に対応するモノマーは
公知の方法により合成できる。共重合体の調製は、例え
ばラジカル重合方式、カチオン重合方式、アニオン重合
方式などの通例のアクリル系モノマー等の重合方式に準
じて行うことができる。なお、ラジカル重合方式を適用
する場合、各種の重合開始剤を用いうるが、そのうちア
ゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルなどの分
解温度が高くもなく、かつ低くもない中間的温度で分解
するものが好ましく用いられる。
して、たとえば、アクリロイル基またはメタアクリロイ
ル基等の不飽和二重結合を少なくとも1つ有する液晶性
化合物であり、ネマチック液晶性のものが賞用される。
かかる光重合性液晶化合物としては、前記モノマーユニ
ット(a)となるアクリレートやメタクリレートを例示
できる。光重合性液晶化合物としては、耐久性を向上さ
せるには、光重合性官能基を2つ以上有するものが好ま
しい。このような光重合性液晶化合物として、たとえ
ば、下記化4:
それぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4−
シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−COO
−基、−OCO−基または−O−基を、Bは1,4−フ
ェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4’−
ビフェニレン基または4,4’−ビシクロヘキシレン基
を、gおよびhはそれぞれ独立して2〜6の整数を示
す。)で表される架橋型ネマチック性液晶モノマー等を
例示できる。また、光重合性液晶化合物としては、前記
化4における末端の「H2 C=CR−CO2 −」を、ビ
ニルエーテル基またはエポキシ基に置換した化合物や、
「−(CH2 )g −」および/または「−(CH2 )h
−」を「−(CH2 )3 −C* H(CH3 )−(C
H2)2 −」または「−(CH2 )2 −C*H(CH3 )
−(CH2 )3 −」に置換した化合物を例示できる。
鎖型液晶ポリマーの比率は、特に制限されず、得られる
ホメオトロピック配向液晶フィルムの耐久性等を考慮し
て適宜に決定されるが、通常、光重合性液晶化合物:側
鎖型液晶ポリマー(重量比)=0.1:1〜30:1程
度が好ましく、特に0.5:1〜20:1が好ましく、
さらには1:1〜10:1が好ましい。
始剤を含有する。光重合開始剤は各種のものを特に制限
なく使用できる。光重合開始剤としては、たとえば、チ
バスペシャリフィケミカルズ社製のイルガキュア(Ir
gacure)907,同184、同651、同369
などを例示できる。光重合開始剤の添加量は、光重合液
晶化合物の種類、液晶性組成物の配合比等を考慮して、
液晶性組成物のホメオトロピック配向性を乱さない程度
に加えられる。通常、光重合性液晶化合物100重量部
に対して、0.5〜30重量部程度が好ましい。特に3
〜15重量部が好ましい。
ス基板、金属箔、プラスチックシートまたはプラスチッ
クフィルムのいずれの形状でもよい。基板の厚さは、通
常、10〜1000μm程度である。
変化しないものであれば特に制限はなく、たとえば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、
トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポ
リカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート
等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィ
ルムがあげられる。またポリスチレン、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造
を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合
体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、
ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の
透明ポリマーからなるフィルムもあげられる。さらにイ
ミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルス
ルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリ
マー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルア
ルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニ
ルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリ
オキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記
ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィル
ムなどもあげられる。これらのなかでも水素結合性の高
いプラスチックフィルムが好ましい。
ニウムなどから形成される当該フィルムが挙げられる。
ノア(商品名,日本ゼオン(株)製)、ゼオネックス
(商品名,日本ゼオン(株)製)、アートン(商品名,
JSR(株)製)などのノルボルネン構造を有するポリ
マー物質からなるプラスチックフィルムが光学的にも優
れた特性を有する。これらポリマー物質(プラスチック
フィルム)は光学異方性が非常に小さいため、プラスチ
ックフィルム上に形成された前記液晶性組成物の配向液
晶フィルム層は、当該配向液晶フィルム層を別のプラス
チックフィルムヘ転写することなく、そのままホメオト
ロピック配向位相差フィルムとして液晶ディスプレイの
光学補償用途等の光学フィルムに用いることができる。
また、光学異方性を有するプラスチックフィルムやアル
ミホイルなどの金属フィルム上に形成した前記液晶性組
成物の配向液晶フィルム層に関しては、前記液晶性組成
物を配向液晶フィルム化した後、ノルボルネン構造を有
するフィルムやセルローストリアセテートなどの透明で
光学異方性の小さいプラスチックフィルム上に直接また
は粘着剤もしくは接着剤を介して転写することにより、
光学補償フィルム等の光学フィルムに利用することがで
きる。
は、当該液晶性組成物を溶媒に溶解した溶液を用いる溶
液塗工方法または当該液晶性組成物を溶融して溶融塗工
する方法が挙げられるが、この中でも溶液塗工方法にて
支持基板上に液晶性組成物溶液を塗工する方法が好まし
い。
は、液晶性組成物や基板の種類により異なり一概には言
えないが、通常、クロロホルム、ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロ
ゲン化炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノール
などのフェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳
香族炭化水素類、その他、アセトン、酢酸エチル、te
rt−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、エチレンブリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリ
エチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、
アセトニトリル、ブチロニトリル、二硫化炭素などを用
いることができる。溶液の濃度は、用いる液晶性組成物
の溶解性や最終的に目的とする配向液晶フィルムの膜厚
に依存するため一概には言えないが、通常3〜50重量
%、好ましくは7〜30重量%の範囲である。
オトロピック配向液晶フィルム層の厚みは1〜10μm
程度とするのが好ましい。なお、特にホメオトロピック
配向液晶フィルムの膜厚を精密に制御する必要がある場
合には、膜厚が基板に塗工する段階でほぼ決まるため、
溶液の濃度、塗工膜の膜厚などの制御は特に注意を払う
必要がある。
液晶性組成物溶液を、基板上に塗工する方法としては、
例えばスピンコート法、バーコート法などを採用するこ
とができる。塗工後、溶媒を除去し、基板上に液晶性組
成物層を形成させる。溶媒の除去条件は、特に限定され
ず、溶媒をおおむね除去でき、液晶性組成物層が流動し
たり、流れ落ちたりさえしなければ良い。通常、室温で
の乾燥、乾燥炉ての乾燥、ホットプレート上での加熱な
どを利用して溶媒を除去する。
成物層を液晶状態とし、ホメオトロピック配向させる。
たとえば、液晶性組成物が液晶温度範囲になるように熱
処理を行い、液晶状態においてホメオトロピック配向さ
せる。熱処理方法としては、上記の乾燥方法と同様の方
法で行うことができる。熱処理温度は、使用する液晶性
組成物と支持基板の種類により異なるため一概には言え
ないが、通常60〜300℃、好ましくは70〜200
℃の範囲において行う。また熱処理時間は、熱処理温度
および使用する液晶性組成物や基板の種類によって異な
るため一概には言えないが、通常10秒〜2時間、好ま
しくは20秒〜30分の範囲で選択される。10秒より
短い場合ホメオトロピック配向形成が十分に進行しない
おそれがある。
としては、熱処理後のホメオトロピック配向液晶層を、
熱処理操作における加熱雰囲気中から、室温中に出すこ
とによって行うことができる。また空冷、水冷などの強
制冷却を行ってもよい。前記液晶性組成物のホメオトロ
ピック液晶配向層は、液晶ポリマーのガラス転移温度以
下に冷却することにより配向が固定化される。
液晶配向層に対して、光照射を行い光重合性液晶化合物
を重合または架橋させて光重合性液晶化合物を固定化し
て、耐久性を向上したホメオトロピック配向液晶フィル
ムを得る。光照射は、たとえば、紫外線照射により行
う。紫外線照射条件は、十分に反応を促進するために、
不活性気体雰囲気中とすることが好ましい。通常、約8
0〜160mW/cm2の照度を有する高圧水銀紫外ラ
ンプが代表的に用いられる。メタハライドUVランプや
白熱管などの別種ランプを使用することもできる。な
お、紫外線照射時の液h層表面温度が液晶温度範囲内に
なるように、コールドミラー、水冷その他の冷却処理あ
るいはライン速度を速くするなどして適宜に調整する。
され、配向性を維持したまま固定化することにより、ホ
メオトロピック配向した配向液晶フィルムが得られる。
当該配向液晶層は同一の方向で配向された分子を有す
る。従ってこの配向液晶層の配向ベクトルの凍結または
安定化およびその異方性物性の保存が達成されることは
周知であり、このような薄膜はそれらの光学的性質が確
認され、各種の用途で使用される。前記配向液晶層は一
軸性の正の複屈折率を有する薄膜である。
ク配向液晶層の配向は、当該液晶層の光学位相差を垂直
入射から傾けた角度で測定することによって量化するこ
とができる。ホメオトロピック配向液晶フィルムの場
合、この位相差値は垂直入射について対称的である。光
学位相差の測定には数種の方法を利用することができ、
例えば自動複屈折測定装置(オーク製)および偏光顕微
鏡(オリンパス製)を利用することができる。このホメ
オトロピック配向液晶フィルムはクロスニコル偏光子間
で黒色に見える。
晶フィルムは、基板から剥離して用いてもよいし、剥離
することなく基板上に形成された配向液晶層としてその
まま用いてもよい。
は光学フィルムとして用いられる。例えば、一軸配向し
た位相差フィルムを基材としてホメオトロピック配向液
晶フィルムを作製すると、広視野角の位相差フィルが得
られ、これをSTN型液晶表示装置に適用することによ
り、液晶表示装置の表示特性、特に視野角特性を著しく
向上させることができる。
て説明するが、本発明は実施例に限定されないことはい
うまでもない。
のモル%を示し、便宜的にブロック体で表示している、
重量平均分子量5000)に示される側鎖型液晶ポリマ
ーとネマチック液晶層を示す光重合性液晶化合物(BA
SF社製,PaliocolorLC242)および光
重合開始剤(チバスペシャリフィケミカルズ社製,イル
ガキュア907,側鎖型液晶ポリマーと光重合性液晶化
合物との合計の5重量%)をシクロヘキサノン300重
量部に溶解した溶液を調製した。前記側鎖型液晶ポリマ
ーと光重合性液晶化合物は、表1に示すように、その合
計が100重量部になるように調整した。前記液晶性組
成物溶液を、鉛入りガラス板(屈折率1.74)上に、
スピンコーティングにより塗工した。次いで、130℃
で1分間加熱し、その後室温まで一気に冷却することに
より、前記液晶層をホメオトロピック配向させ、かつ配
向を維持したままガラス化しホメオトロピック配向液晶
層(2μm)を固定化した。さらに、固定化したホメオ
トロピック配向液晶層に紫外線を照射することによりホ
メオトロピック配向液晶フィルムを作製した。
オトロピック配向液晶フィルムの屈折率測定を行った。
屈折率の測定にあたってはAtago製アッベ屈折計1
T型を用い、常光屈折率(フィルムの面内の屈折率)と
異常光屈折率(フィルムの厚み方向の屈折率)を測定し
た。複屈折率は、(異常光屈折率)−(常光屈折率)で
表される。常光屈折率、異常光屈折率、複屈折率の測定
結果を表1に示す。
化合物の混合比率を変化させることにより、常光屈折率
(フィルムの面内の屈折率)を1.700から1. 65
0まで、異常光屈折率(フィルムの厚み方向の屈折率)
を1. 522から1. 535まで、複屈折率を0. 17
8から0. 115まで連続的に制御しうることが認めら
れる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ホメオトロピック配向液晶層を形成しう
る側鎖型液晶ポリマーと、光重合性液晶化合物を含有し
てなるホメオトロピック配向液晶性組成物を、液晶状態
においてホメオトロピック配向させ、その配向状態を維
持した状態で固定化した後、光照射してホメオトロピッ
ク配向液晶フィルムを製造するにあたり、側鎖型液晶ポ
リマーと光重合性液晶化合物の混合比率を変化させるこ
とにより、ホメオトロピック配向液晶フィルムの屈折率
特性を所望の値に制御する方法。 - 【請求項2】 側鎖型液晶ポリマーが、液晶性フラグメ
ント側鎖を含有するモノマーユニット(a)と非液晶性
フラグメント側鎖を含有するモノマーユニット(b)を
含有する側鎖型液晶ポリマーであることを特徴とする請
求項1記載の制御方法。 - 【請求項3】 液晶性組成物を、垂直配向膜の設けられ
ていない基板上でホメオトロピック配向させることを特
徴とする請求項1または2記載の制御方法。
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