JP7147364B2 - 建設機械の開閉体シール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建設機械の開閉体シール構造に関する。
従来、建設機械の開閉体(例えば運転室のドア)の周りには、シール性を向上させるために、ウェザーストリップを用いたシール構造が設けられている。例えば、特許文献1には、建設機械用主ウェザーストリップとサブシール部材を備えた構造が開示されている。この構造では、建設機械用主ウェザーストリップは、植え込み型のクリップにより建設機械のドアに固定され、サブシール部材は、両面接着テープにより建設機械のドアに取り付けられている。
特開2009-83570号公報
特許文献1の構造では、建設機械の開閉体(特許文献1ではドア)の奥行き(厚み)が植え込み型のクリップの植え込み深さよりも浅くなっている場合、植え込み型のクリップを開閉体に設けることができない。この場合、両面接着テープなどを用いてウェザーストリップを開閉体に接着することになる。そのため、ウェザーストリップを開閉体に強固に取り付けることが困難であり、ウェザーストリップが開閉体から剥がれてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、開閉体の奥行きに拘わらず、ウェザーストリップを開閉体に強固に取り付けることが可能な建設機械の開閉体シール構造を提供することを目的とする。
第1の発明は、建設機械に設けられた開閉体のシール構造に関する。この建設機械の開閉体シール構造は、上記開閉体の内面の周縁部に沿うように環状に形成されたウェザーストリップと、上記開閉体の内面の周縁部に沿うように配列され、それぞれが該開閉体の内面から突出する複数のクリップとを備えている。上記ウェザーストリップには、該ウェザーストリップの延伸方向に延びる延伸孔と、それぞれが該延伸孔と該ウェザーストリップの外周面とを連通する複数の連通孔とが設けられている。上記ウェザーストリップは、上記複数の連通孔にそれぞれ挿通された上記複数のクリップが上記延伸孔において該ウェザーストリップの延伸方向に折り曲げられた状態となることにより上記開閉体の内面に取り付けられている。
上記の構成では、開閉体の内面から突出するクリップをウェザーストリップの連通孔に挿通させ、ウェザーストリップの延伸孔においてクリップをウェザーストリップの延伸方向に折り曲げることにより、開閉体の奥行き(厚み)に拘わらず、ウェザーストリップを開閉体の内面に強固に取り付けることができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記開閉体の内面の周縁部のコーナー部に配置されたクリップの折り曲げ長さが、該開閉体の内面の周縁部の直線部に配置されたクリップの折り曲げ長さよりも長くなっている。
上記の構成では、開閉体の内面の周縁部のコーナー部に配置されたクリップの折り曲げ長さを、開閉体の内面の周縁部の直線部に配置されたクリップの折り曲げ長さよりも長くすることにより、開閉体の内面の周縁部のコーナー部において、クリップの折り曲げによりウェザーストリップを開閉体側に保持する力を強くすることができる。これにより、ウェザーストリップの位置ずれが生じやすい開閉体の内面の周縁部のコーナー部において、ウェザーストリップを強固に固定することができるので、ウェザーストリップの位置ずれを効果的に抑制することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記複数のクリップのうち少なくとも1つのクリップの折り曲げ方向が、他のクリップの折り曲げ方向の逆方向になっている。
上記の構成では、複数のクリップのうち少なくとも1つのクリップの折り曲げ方向を、他のクリップの折り曲げ方向の逆方向にすることにより、ウェザーストリップが延伸方向に移動しようとしたときに、複数のクリップのうち少なくとも1つのクリップがウェザーストリップの連通孔に引っ掛かるようにすることができる。これにより、ウェザーストリップの延伸方向における移動を規制することができるので、ウェザーストリップの延伸方向における位置ずれを抑制することができる。
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つにおいて、上記複数のクリップが設けられたクリッププレートを備えている。上記開閉体は、該開閉体の内側を構成するインナーパネルと、該開閉体の外側を構成するアウターパネルとを有している。上記インナーパネルには、上記複数のクリップがそれぞれ挿通される複数の挿通孔が設けられている。上記クリッププレートは、上記複数のクリップが上記複数の挿通孔にそれぞれ挿通された状態で、該インナーパネルと上記アウターパネルとの間に配置されている。
上記の構成では、複数のクリップを共通のクリッププレートに設けることにより、複数のクリップの相対的な位置関係を維持することができる。これにより、複数のクリップの相対的な位置関係のずれに起因するウェザーストリップの位置ずれを防止することができる。
第5の発明は、第4の発明において、上記クリッププレートに、複数の予備クリップが設けられている。上記複数の予備クリップは、それぞれが上記クリッププレートに沿う姿勢となる待機状態から該クリッププレートに対して起立した姿勢となる突出状態に折り曲げ可能となっている。
上記の構成では、クリッププレートに予備クリップを設けることにより、予備クリップを用いて開閉体に対するウェザーストリップの取り付けを補助することができる。例えば、任意の予備クリップを待機状態から突出状態に折り曲げ、その予備クリップに対応する挿通孔および連通孔をインナーパネルおよびウェザーストリップにそれぞれ設け、予備クリップをインナーパネルの挿通孔とウェザーストリップの連通孔とに挿通させてウェザーストリップの延伸孔において折り曲げることにより、ウェザーストリップの取り付けを強固にすることができる。
第6の発明は、第1~第5の発明のいずれか1つにおいて、上記開閉体が、上記建設機械の運転室のドアである。
本発明よれば、開閉体の奥行き(厚み)に拘わらず、ウェザーストリップを開閉体の内面に強固に取り付けることができる。
建設機械の構成を例示する概略図である。 ドアの内面側の構成を例示する平面図である。 実施形態1による建設機械の開閉体シール構造を例示する平面図である。 図3のIV-IV線における断面図である。 図3のV-V線における断面図である。 第1クリッププレートの構成を例示する斜視図である。 第2クリッププレートの構成を例示する斜視図である。 ウェザーストリップの取り付け作業の第1工程を例示する断面図である。 ウェザーストリップの取り付け作業の第2工程を例示する断面図である。 ウェザーストリップの取り付け作業の第3工程を例示する断面図である。 クリッププレートが取り付けられたインナーパネルの内面側を例示する斜視図である。 クリッププレートが取り付けられたインナーパネルの外面側を例示する斜視図である。 第3クリッププレートの構成を例示する斜視図である。 実施形態2による建設機械の開閉体シール構造を例示する平面図である。 図12のXIII-XIII線における断面図である。 図12のXIV-XIV線における断面図である。 第4クリッププレートの構成を例示する斜視図である。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1による建設機械10の構成を例示している。この例では、建設機械10は、油圧ショベルを構成している。具体的には、建設機械10は、クローラ式の下部走行体11と、下部走行体11上に旋回自在に搭載された上部旋回体12と、アタッチメント13と、キャブ14(運転室)と、機械室15とを備えている。
アタッチメント13は、上部旋回体12の前部に設置されている。そして、アタッチメント13は、ブーム13aやアーム13bやバケット13cなどにより構成されている。ブーム13aとアーム13bとバケット13cは、油圧制御された油圧シリンダ13dの伸縮に連動して動作し、掘削などの作業を行う。これらの操作は、キャブ14において行われる。
キャブ14は、矩形の箱状に形成された運転室である。キャブ14は、アタッチメント13に隣接して上部旋回体12の前部に設置されている。機械室15は、上部旋回体12の後部に設けられている。機械室15の内部には、エンジンや油圧ポンプなど(図示を省略)が収容されている。機械室15の周囲は、機械室カバー16や前後のバランスを確保するためのカウンタウェイト17で覆われている。また、上部旋回体12には、アッパーフレーム18が設けられており、キャブ14は、アッパーフレーム18上に設置されている。また、キャブ14には、キャブ14に設けられたドア開口部を開閉するドア20が設けられている。
〔建設機械の開閉体シール構造〕
図2に示すように、キャブ14のドア20の内面(室内側の面)の周縁部には、ウェザーストリップ30が取り付けられている。そして、ドア20が閉じられたときに、ドア20の内面の周縁部とキャブ14に設けられたドア開口部の周縁部との間にウェザーストリップ30が挟まれることにより、ドア20とキャブ14のドア開口部との間の隙間がシールされるようになっている。
すなわち、建設機械10には、建設機械10の開口部を開閉する開閉体が設けられている。開閉体の内面の周縁部(開閉体が閉じられたときに建設機械10の開口部の周縁部と対向する部分)には、ウェザーストリップ30が取り付けられている。そして、開閉体が閉じられたときに、開閉体の内面の周縁部と建設機械10の開口部の周縁部との間にウェザーストリップ30が挟まれることにより、開閉体と建設機械10の開口部との間の隙間がシールされるようになっている。なお、以下では、建設機械10に設けられた開閉体の一例であるキャブ14(運転室)のドア20のシール構造を例に挙げて説明する。
図3は、ドア20の下部の内面側の構成を例示している。図3に示すように、この実施形態1による建設機械10の開閉体シール構造は、ウェザーストリップ30と、複数のクリップ40とを備えている。
〔ウェザーストリップ〕
ウェザーストリップ30は、弾性を有している。そして、ウェザーストリップ30は、ドア20の内面の周縁部に沿うように環状に形成されている。また、ウェザーストリップ30には、延伸孔30aと、複数の連通孔30bとが設けられている。
〈延伸孔〉
図3および図4に示すように、延伸孔30aは、ウェザーストリップ30の延伸方向に延びている。この例では、図5に示すように、延伸孔30aの開口断面積は、後述する中空部30cの開口断面積よりも小さくなっている。また、この例では、ウェザーストリップ30には、2つの延伸孔30aが設けられている。
〈連通孔〉
図4および図5に示すように、複数の連通孔30bは、それぞれが延伸孔30aとウェザーストリップ30の外周面とを連通している。なお、連通孔30bは、クリップ40が挿通されるように構成されている。また、複数の連通孔30bは、ウェザーストリップ30の延伸方向に沿うように所定の間隔をおいて配列されている。
〈中空部〉
また、図5に示すように、この例では、ウェザーストリップ30には、中空部30cが設けられている。このように中空部30cを設けることにより、ウェザーストリップ30がドア20の内面の周縁部とキャブ14に設けられたドア開口部の周縁部との間に挟まれたときに、ウェザーストリップ30の外形を容易に変形させることができ、ウェザーストリップ30によるシール性を向上させることができる。
〔クリップ〕
複数のクリップ40は、ドア20の内面の周縁部に沿うように配列され、それぞれがドア20の内面から突出している。また、複数のクリップ40は、それぞれがウェザーストリップ30の連通孔30bに挿通されるように構成されている。そして、複数のクリップ40は、それぞれがウェザーストリップ30の連通孔30bに挿通された状態でウェザーストリップ30の延伸方向に折り曲げることができるように構成されている。この例は、複数のクリップ40の各々は、細長い板状に形成され、その先端部が丸められている。そして、複数のクリップ40は、それぞれの板面が複数のクリップ40の配列方向(ドア20の内面の周縁部に沿う方向)を向くように配置されている。
また、この例では、ドア20は、ドア20の内側を構成するインナーパネル21と、ドア20の外側を構成するアウターパネル22とを有している。また、建設機械10の開閉体シール構造には、複数のクリッププレート25が設けられている。複数のクリッププレート25には、複数のクリップ40が設けられている。また、インナーパネル21には、複数の挿通孔21aが設けられている。複数の挿通孔21aは、インナーパネル21を厚み方向(奥行き方向)に貫通し、複数のクリップ40がそれぞれ挿通されるように構成されている。そして、クリッププレート25は、複数のクリップ40が複数の挿通孔21aにそれぞれ挿通された状態で、インナーパネル21とアウターパネル22との間に配置されている。このような構成により、複数のクリップ40がドア20の内面から突出している。
なお、この例では、複数のクリッププレート25には、ドア20の内面の周縁部のコーナー部に位置する複数のクリップ40が設けられるクリッププレート25(以下「第1クリッププレート201」と記載)と、ドア20の内面の周縁部の直線部に位置する複数のクリップ40が設けられるクリッププレート25(以下「第2クリッププレート202」と記載)とが含まれている。
そして、この例では、10個のクリップ40のうち、ドア20の下部後方のコーナー部に位置する2つの第1クリップ41が1つの第1クリッププレート201に設けられ、ドア20の下部後方寄りの直線部に位置する3つの第2クリップ42が1つの第2クリッププレート202に設けられ、ドア20の下部前方寄りの直線部に位置する3つの第3クリップ43が1つの第2クリッププレート202に設けられ、ドア20の下部前方のコーナー部に位置する2つの第4クリップ44が1つの第1クリッププレート201に設けられている。
また、この例では、ドア20の内面の周縁部のコーナー部に配置されたクリップ40の折り曲げ長さL1(図6参照)は、ドア20の内面の周縁部の直線部に配置されたクリップ40の折り曲げ長さL2(図7参照)よりも長くなっている。具体的には、第1クリップ41および第4クリップ44の折り曲げ長さは、第2クリップ42および第3クリップ43の折り曲げ長さよりも長くなっている。
また、図3においてクリップ40の近傍に描かれている矢印は、そのクリップ40の折り曲げ方向を示している。図3の矢印に示すように、この例では、複数のクリップ40のうち少なくとも1つのクリップ40の折り曲げ方向は、他のクリップ40の折り曲げ方向の逆方向になっている。具体的には、2つの第1クリップ41のうち後側の第1クリップ41の折り曲げ方向と、2つの第4クリップ44のうち前側の第4クリップ44の折り曲げ方向が、他のクリップ40の折り曲げ方向の逆方向になっている。
〔第1クリッププレート〕
図6は、第1クリッププレート201の構成を例示している。図6に示すように、第1クリッププレート201には、ドア20の内面の周縁部のコーナー部に配置される複数のクリップ40(図6の例では2つの第1クリップ41)が設けられている。この例では、第1クリッププレート201の端部にクリップ40の形状に対応する突起部が形成され、その突起部が第1クリッププレート201に対して起立する姿勢に折り曲げられることにより、第1クリッププレート201の端部にクリップ40が形成されている。
〔第2クリッププレート〕
図7は、第2クリッププレート202の構成を例示している。図7に示すように、第2クリッププレート202には、ドア20の内面の周縁部の直線部に配置される複数のクリップ40(図7の例では2つの第2クリップ42)が設けられている。この例では、第2クリッププレート202の端部にクリップ40の形状に対応する突起部が形成され、その突起部が第2クリッププレート202に対して起立する姿勢に折り曲げられることにより、第2クリッププレート202の端部にクリップ40が形成されている。また、第2クリッププレート202の中央部にクリップ40の形状に対応する切り込みが入れられて、その切り込みを入れられた部分が第2クリッププレート202に対して起立する姿勢に折り曲げられることにより、第2クリッププレート202の中央部にクリップ40が形成されている。
〔ウェザーストリップの取り付け〕
ウェザーストリップ30は、複数の連通孔30bにそれぞれ挿通された複数のクリップ40が延伸孔30aにおいてウェザーストリップ30の延伸方向に折り曲げられた状態となることによりドア20の内面に取り付けられている。ここで、図8A,図8B,図8Cを参照して、ウェザーストリップ30の取り付け作業について説明する。
〈第1工程〉
まず、図8Aに示すように、複数のクリップ40をドア20の内面から突出させる。この例では、図9および図10に示すように、クリッププレート25に設けられた複数のクリップ40をインナーパネル21に設けられた複数の挿通孔21aにそれぞれ挿通させてインナーパネル21にクリッププレート25が取り付けることで、複数のクリップ40がドア20の内面から突出する。
〈第2工程〉
次に、図8Bに示すように、ウェザーストリップ30の連通孔30bにクリップ40を挿通させる。これにより、クリップ40をウェザーストリップ30の延伸孔30aに進入させることができる。
〈第3工程〉
次に、図8Cに示すように、ウェザーストリップ30の連通孔30bに挿通されたクリップ40を、ウェザーストリップ30の延伸孔30aにおいてウェザーストリップ30の延伸方向に折り曲げる。例えば、ウェザーストリップの取り付け作業を行う作業員は、クリップ40がウェザーストリップ30の連通孔30bに挿通されてウェザーストリップ30の延伸孔30aに進入している状態で、ウェザーストリップ30とともにクリップ40の先端部をドア20側に押し付けることで、ウェザーストリップ30の延伸孔30aに進入しているクリップ40をウェザーストリップ30の延伸方向に折り曲げる。
〔実施形態1による効果〕
以上のように、ドア20の内面から突出するクリップ40をウェザーストリップ30の連通孔30bに挿通させ、ウェザーストリップ30の延伸孔30aにおいてクリップ40をウェザーストリップ30の延伸方向に折り曲げることにより、ドア20の奥行き(厚み)に拘わらず、ウェザーストリップ30をドア20の内面に強固に取り付けることができる。これにより、ウェザーストリップ30が剥がれないようにすることができ、ウェザーストリップ30によるシール性を向上させることができる。
また、ドア20の内面の周縁部のコーナー部に配置されたクリップ40の折り曲げ長さを、ドア20の内面の周縁部の直線部に配置されたクリップ40の折り曲げ長さよりも長くすることにより、ドア20の内面の周縁部のコーナー部において、クリップ40の折り曲げによりウェザーストリップ30をドア20側に保持する力を強くすることができる。これにより、ウェザーストリップ30の位置ずれが生じやすいドア20の内面の周縁部のコーナー部において、ウェザーストリップ30を強固に固定することができるので、ウェザーストリップ30の位置ずれを効果的に抑制することができる。
また、複数のクリップ40のうち少なくとも1つのクリップ40の折り曲げ方向を、他のクリップ40の折り曲げ方向の逆方向にすることにより、ウェザーストリップ30が延伸方向に移動しようとしたときに、複数のクリップ40のうち少なくとも1つのクリップ40がウェザーストリップ30の連通孔30bに引っ掛かるようにすることができる。これにより、ウェザーストリップ30の延伸方向における移動を規制することができ、ウェザーストリップ30の延伸方向における位置ずれを抑制することができる。
また、複数のクリップ40を共通のクリッププレート25に設けることにより、複数のクリップ40の相対的な位置関係を維持することができる。これにより、複数のクリップ40の相対的な位置関係のずれに起因するウェザーストリップ30の位置ずれを防止することができる。
(実施形態1の変形例)
図11に示すように、クリッププレート25は、複数の予備クリップ50を有していてもよい。図11は、複数のクリップ40と複数の予備クリップ50とを有するクリッププレート25(以下「第3クリッププレート203」と記載)の構成を例示している。
図11に示すように、第3クリッププレート203には、複数(図11の例では6つ)の予備クリップ50が設けられている。複数の予備クリップ50は、それぞれがクリッププレート25に沿う姿勢となる待機状態(図11に示す状態)からクリッププレート25に対して起立した姿勢となる突出状態に折り曲げ可能となっている。
この例では、複数の予備クリップ50は、複数のクリップ40とともにドア20の内面の周縁部に沿うように配列されている。また、突出状態における予備クリップ50の構成は、クリップ40の構成と同様となっている。具体的には、複数の予備クリップ50の各々は、細長い板状に形成され、その先端部が丸められている。そして、複数の予備クリップ50は、それぞれの板面が突出状態において複数のクリップ40の配列方向(ドア20の内面の周縁部に沿う方向)を向くように配置されている。
なお、この例では、第3クリッププレート203に予備クリップ50の形状に対応する切り込みが入れられることにより、待機状態の予備クリップ50が形成されている。
〔実施形態1の変形例による効果〕
以上のように、クリッププレート25に予備クリップ50を設けることにより、予備クリップ50を用いてドア20に対するウェザーストリップ30の取り付けを補助することができる。例えば、任意の予備クリップ50を待機状態から突出状態に折り曲げ、その予備クリップ50に対応する挿通孔21aおよび連通孔30bをインナーパネル21およびウェザーストリップ30にそれぞれ設け、予備クリップ50をインナーパネル21の挿通孔21aとウェザーストリップ30の連通孔30bとに挿通させてウェザーストリップ30の延伸孔30aにおいて折り曲げることにより、ウェザーストリップ30の取り付けを強固にすることができる。
(実施形態2)
図12は、実施形態2による建設機械10の開閉体シール構造の構成を例示している。この建設機械10の開閉体シール構造は、図3に示した実施形態1による建設機械10の開閉体シール構造の構成に加えて、サブウェザーストリップ35と、複数のサブクリップ60とを備えている。なお、以下では、建設機械10に設けられた開閉体の一例であるキャブ14(運転室)のドア20のシール構造を例に挙げて説明する。
〔サブウェザーストリップ〕
サブウェザーストリップ35は、弾性を有している。そして、ウェザーストリップ30と並行してサブウェザーストリップ35は、ドア20の内面の周縁部に沿うように環状に形成されている。なお、サブウェザーストリップ35の構成は、ウェザーストリップ30の構成と同様となっている。サブウェザーストリップ35には、サブ延伸孔35aと、複数のサブ連通孔35bとが設けられている。
〈サブ延伸孔〉
図12および図13に示すように、サブ延伸孔35aは、ウェザーストリップの延伸方向に延びている。この例では、図14に示すように、サブ延伸孔35aの構成は、延伸孔30aの構成と同様となっている。
〈サブ連通孔〉
図13および図14に示すように、複数のサブ連通孔35bは、それぞれがサブ延伸孔35aとサブウェザーストリップ35の外周面とを連通している。なお、サブ連通孔35bは、サブクリップ60が挿通されるように構成されている。また、複数のサブ連通孔35bは、サブウェザーストリップ35の延伸方向に沿うように所定の間隔をおいて配列されている。
〈サブ中空部〉
また、図14に示すように、この例では、サブウェザーストリップ35には、サブ中空部35cが設けられている。このようにサブ中空部35cを設けることにより、サブウェザーストリップ35がドア20の内面の周縁部とキャブ14に設けられたドア開口部の周縁部との間に挟まれたときに、サブウェザーストリップ35の外形を容易に変形させることができ、サブウェザーストリップ35によるシール性を向上させることができる。
〔サブクリップ〕
複数のサブクリップ60は、複数のクリップ40と並行してドア20の内面の周縁部に沿うように配列され、それぞれがドア20の内面から突出している。また、複数のサブクリップ60は、それぞれがサブウェザーストリップ35のサブ連通孔35bに挿通されるように構成されている。そして、複数のサブクリップ60は、それぞれがサブウェザーストリップ35のサブ連通孔35bに挿通された状態でサブウェザーストリップ35の延伸方向に折り曲げることができるように構成されている。この例は、複数のサブクリップ60の各々は、細長い板状に形成され、その先端部が丸められている。そして、複数のサブクリップ60は、それぞれの板面が複数のサブクリップ60の配列方向(ドア20の内面の周縁部に沿う方向)を向くように配置されている。
また、実施形態2では、実施形態1と同様に、ドア20は、ドア20の内側を構成するインナーパネル21と、ドア20の外側を構成するアウターパネル22とを有している。また、実施形態2による建設機械10の開閉体シール構造には、複数のクリッププレート25と、複数のサブクリッププレート26とが設けられている。複数のクリッププレート25には、複数のクリップ40が設けられている。複数のサブクリッププレート26には、複数のサブクリップ60が設けられている。また、インナーパネル21には、複数の挿通孔21aが設けられている。複数の挿通孔21aは、インナーパネル21を厚み方向(奥行き方向)に貫通しており、複数のクリップ40および複数のサブクリップ60がそれぞれ挿通されるように構成されている。そして、クリッププレート25およびサブクリッププレート26は、複数のクリップ40および複数のサブクリップ60が複数の挿通孔21aにそれぞれ挿通された状態で、インナーパネル21とアウターパネル22との間に配置されている。このような構成により、複数のクリップ40および複数のサブクリップ60がドア20の内面から突出している。
また、実施形態2では、複数のサブクリッププレート26には、サブウェザーストリップ35のコーナー部に位置する複数のサブクリップ60が設けられるサブクリッププレート26と、サブウェザーストリップ35の直線部に位置する複数のサブクリップ60が設けられるサブクリッププレート26とが含まれている。なお、サブウェザーストリップ35のコーナー部に位置する複数のサブクリップ60が設けられるサブクリッププレート26の構成は、図6に示した第1クリッププレート201の構成と同様となっており、サブウェザーストリップ35の直線部に位置する複数のサブクリップ60が設けられるサブクリッププレート26の構成は、図7に示した第2クリッププレート202の構成と同様となっている。
そして、実施形態2では、10個のサブクリップ60のうち、ドア20の下部後方のコーナー部に位置する2つの第1サブクリップ61が第1クリッププレート201と同様の構成を有する1つのサブクリッププレート26に設けられ、ドア20の下部後方寄りの直線部に位置する3つの第2サブクリップ62が第2クリッププレート202と同様の構成を有する1つのサブクリッププレート26に設けられ、ドア20の下部前方寄りの直線部に位置する3つの第3サブクリップ63が第2クリッププレート202と同様の構成を有する1つのサブクリッププレート26に設けられ、ドア20の下部前方のコーナー部に位置する2つの第4サブクリップ64が第1クリッププレート201と同様の構成を有する1つのサブクリッププレート26に設けられている。
また、実施形態2では、複数のサブクリップ60のうち少なくとも1つのサブクリップ60は、複数のクリップ40のうち互いに隣り合う2つのクリップ40の間に隣り合うように配置されている。この例では、3つの第2サブクリップ62のうち前側の2つの第2サブクリップ62が、3つの第2クリップ42の間にそれぞれ隣り合うように配置され、3つの第3サブクリップ63が、前側の第2クリップ42および3つの第3クリップ43の間にそれぞれ隣り合うように配置されている。
〔サブウェザーストリップの取り付け作業〕
サブウェザーストリップ35は、複数のサブ連通孔35bにそれぞれ挿通された複数のサブクリップ60がサブ延伸孔35aにおいてサブウェザーストリップ35の延伸方向に折り曲げられた状態となることによりドア20の内面に取り付けられている。なお、サブウェザーストリップ35の取り付け作業は、図8A~図8Cに示したウェザーストリップ30の取り付け作業と同様となっている。
〔実施形態2による効果〕
以上のように、ウェザーストリップ30と並行して延びるサブウェザーストリップ35をドア20の内面に取り付けることにより、ドア20のシール性を向上させることができる。
また、実施形態2による建設機械10の開閉体シール構造では、複数のサブクリップ60のうち少なくとも1つのサブクリップ60は、複数のクリップ40のうち互いに隣り合う2つのクリップ40の間に隣り合うように配置されている。なお、ウェザーストリップ30のシール性は、クリップ40が設けられている箇所よりも、互いに隣り合う2つのクリップ40の間に位置する箇所(すなわちクリップ40が設けられていない箇所)のほうが弱くなっている。したがって、互いに隣り合う2つのクリップ40の間に隣り合うように少なくとも1つのサブクリップ60を配置することにより、ウェザーストリップ30のうちシール性が比較的に弱くなっている部分をサブウェザーストリップ35により効果的に補助することができる。
(実施形態2の変形例)
実施形態2による建設機械10の開閉体シール構造は、複数のクリップ40が設けられたクリッププレート25と複数のサブクリップ60が設けられたサブクリッププレート26に代えて、図15に示したクリッププレート25を備えていてもよい。図15は、複数のクリップ40と複数のサブクリップ60とが設けられたクリッププレート25(以下「第4クリッププレート204」と記載)の構成を例示している。
図15に示すように、第4クリッププレート204には、複数(図15の例では4つ)のクリップ40と複数(図15の例では3つ)のサブクリップ60が設けられている。また、複数のサブクリップ60のうち少なくとも1つのサブクリップ60は、複数のクリップ40のうち互いに隣り合う2つのクリップ40の間に隣り合うように配置されている。図15の例では、3つのサブクリップ60が4つのクリップ40の間にそれぞれ隣り合うように配置されている。
〔実施形態2の変形例による効果〕
以上のように、複数のクリップ40と複数のサブクリップ60を共通のクリッププレート25に設けることにより、これらのクリップ(複数のクリップ40および複数のサブクリップ60)の相対的な位置関係を維持することができる。これにより、これらのクリップの相対的な位置関係のずれに起因するウェザーストリップ30およびサブウェザーストリップ35の位置ずれを防止することができる。
(その他の実施形態)
なお、以上の説明では、複数のクリップ40がクリッププレート25に設けられている場合を例に挙げたが、複数のクリップ40は、ドア20の内面(具体的にはインナーパネルの内面)に直接的に設けられていてもよい。複数のサブクリップ60についても、複数のクリップ40と同様である。
また、以上の説明では、建設機械10の開閉体シール構造がキャブ14(運転室)のドア20に適用される場合を例に挙げて説明したが、これに限らず、建設機械10の開閉体シール構造は、機械室15に収容されている部品(例えば油圧ポンプ)を露出させるために機械室15の側部に設けられた開口部を開閉する開閉カバー(図示を省略)や、機械室15に収容されているエンジンを露出させるために機械室15の上部に設けられた開口部を開閉するボンネット(図示を省略)など、建設機械10のその他の開閉体にも適用可能である。
また、以上の説明では、建設機械10が油圧ショベルである場合を例に挙げたが、建設機械10は、その他の建設機械であってもよい。
また、以上の実施形態および変形例を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
10 建設機械
14 キャブ
20 ドア(開閉体)
21 インナーパネル
22 アウターパネル
25 クリッププレート
26 サブクリッププレート
30 ウェザーストリップ
30a 延伸孔
30b 連通孔
35 サブウェザーストリップ
35a サブ延伸孔
35b サブ連通孔
40 クリップ
50 予備クリップ
60 サブクリップ

Claims (7)

  1. 建設機械に設けられた開閉体のシール構造であって、
    上記開閉体の内面の周縁部に沿うように環状に形成されたウェザーストリップと、
    上記開閉体の内面の周縁部に沿うように配列され、それぞれが該開閉体の内面から突出する複数のクリップとを備え、
    上記ウェザーストリップには、該ウェザーストリップの延伸方向に延びる延伸孔と、それぞれが該延伸孔と該ウェザーストリップの外周面とを連通する複数の連通孔とが設けられており、
    上記ウェザーストリップは、上記複数の連通孔にそれぞれ挿通された上記複数のクリップが上記延伸孔において該ウェザーストリップの延伸方向に折り曲げられた状態となることにより上記開閉体の内面に取り付けられている
    ことを特徴とする建設機械の開閉体シール構造。
  2. 請求項1において、
    上記クリップは、上記クリップが上記ウェザーストリップの連通孔に挿通されて上記ウェザーストリップの延伸孔に進入している状態で、上記ウェザーストリップとともに上記クリップの先端部を上記開閉体側に押し付けることで、上記ウェザーストリップの延伸孔に進入している上記クリップを上記ウェザーストリップの延伸方向に折り曲げることができるように構成される
    ことを特徴とする建設機械の開閉体シール構造。
  3. 請求項1または2において、
    上記開閉体の内面の周縁部のコーナー部に配置されたクリップの折り曲げ長さは、該開閉体の内面の周縁部の直線部に配置されたクリップの折り曲げ長さよりも長くなっている
    ことを特徴とする建設機械の開閉体シール構造。
  4. 請求項1~3のいずれか1項において、
    上記複数のクリップのうち少なくとも1つのクリップの折り曲げ方向は、他のクリップの折り曲げ方向の逆方向になっている
    ことを特徴とする建設機械の開閉体シール構造。
  5. 請求項1~のいずれか1項において、
    上記複数のクリップが設けられたクリッププレートを備え、
    上記開閉体は、該開閉体の内側を構成するインナーパネルと、該開閉体の外側を構成するアウターパネルとを有し、
    上記インナーパネルには、上記複数のクリップがそれぞれ挿通される複数の挿通孔が設けられており、
    上記クリッププレートは、上記複数のクリップが上記複数の挿通孔にそれぞれ挿通された状態で、該インナーパネルと上記アウターパネルとの間に配置されている
    ことを特徴とする建設機械の開閉体シール構造。
  6. 請求項において、
    上記クリッププレートには、複数の予備クリップが設けられており、
    上記複数の予備クリップは、それぞれが上記クリッププレートに沿う姿勢となる待機状態から該クリッププレートに対して起立した姿勢となる突出状態に折り曲げ可能となっている
    ことを特徴とする建設機械の開閉体シール構造。
  7. 請求項1~のいずれか1項において、
    上記開閉体は、上記建設機械の運転室のドアである
    ことを特徴とする建設機械の開閉体シール構造。
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