以下に、本発明の実施の形態にかかる熱交換型換気装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100の内部構成の概略を示す模式平面図であり、ダンパ13が閉じた状態を示す模式図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100の内部構成の概略を示す模式平面図であり、ダンパ13が開いた状態を示す模式図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100の運転に関わる機能構成を示す図である。
熱交換型換気装置100は、本体1と制御装置14とリモートコントローラ15とを備える。本体1は、装置の箱体を構成するケーシング1aの内部に全熱交換器4を有する空気調和用の換気装置である、熱交換型換気装置である。本体1は、天井裏に隠蔽された状態で設置される。リモートコントローラ15は、室内に設置されている。
ケーシング1aは、室外側に対応する側面に排気吹出口7と給気吸込口9とが設けられ、室内側に対応する側面に給気吹出口8と排気吸込口10とが設けられている。また、ケーシング1a内には、排気吸込口10と排気吹出口7とを連通させて室内の空気を室外に排気する排気風路である熱交換排気風路1bと、給気吸込口9と給気吹出口8とを連通させて室外の空気を室内に給気する給気風路1cと、が形成されている。熱交換排気風路1bと給気風路1cとは、全経路にわたり互いに独立して設けられている。熱交換型換気装置100では、室外空気が、室内に給気される給気空気とされる。また、室内空気が、室外に排気される排気空気とされる。
熱交換型換気装置100は、給気風路1cおよび熱交換排気風路1bを流れる気流間で全熱交換を行う熱交換器である全熱交換器4を装備している。全熱交換器4は、熱交換排気風路1bを通過する室内空気の気流である排気流と、給気風路1cを通過する外気の気流である給気流との間で、連続的に熱交換を行わせるものである。全熱交換器4は、全熱交換器4の排気流を通す1次側風路と給気流を通す2次側風路とが内部において直角に交差し、1次側風路を流れる気流と2次側風路を流れる気流との間で全熱が交換され、熱交換換気を行うことができる。
また、ケーシング1a内には、熱交換排気風路1bと併設される排気風路であるバイパス排気風路1dが形成されている。バイパス排気風路1dは、全熱交換器4を迂回して排気吸込口10から排気吹出口7に通じる風路であり、全熱交換器4を通さずに排気吹出口7に排気流を排出させるための風路である。排気吸込口10から吸い込んだ室内空気の気流である排気流を熱交換排気風路1bに流して全熱交換器4に通すことにより、給気流と排気流との間で熱交換を伴う熱交換換気を行うことができる。一方、排気吸込口10から吸い込んだ室内空気の気流である排気流をバイパス排気風路1dに流して全熱交換器4に通さないことにより、給気流と排気流との間で熱交換を伴わない普通換気を行うことができる。
ケーシング1a内には、熱交換排気風路1bとバイパス排気風路1dとが分岐する部分に、熱交換排気風路1bとバイパス排気風路1dとを切り替える風路切替ダンパである電動式のダンパ13が設けられている。ダンパ13は、熱交換排気風路1bとバイパス排気風路1dとの分岐点に回転軸を有し、排気吸込口10から吸い込まれた室内空気を全熱交換器4に通すか否かを切り替えて熱交換排気風路1bとバイパス排気風路1dとを切り替える風路切替部を構成している。ダンパ13は、例えば排気風路の内部で回転する板からなり、向きが変化することにより熱交換排気風路1bとバイパス排気風路1dとを切り替えることができる。
図1では、バイパス排気風路1dを閉塞する位置、すなわち全熱交換換気運転を行う熱交換換気位置にダンパ13を配置して、排気風路を熱交換排気風路1bに切り替えた状態を示している。一方、図2に示すように、ダンパ13によりバイパス排気風路1dを開放することで、室内空気を全熱交換器4に通さずに室外へ排気するバイパス換気を行うことができる。これにより、給気流と排気流との間で熱交換を伴わない普通換気を行うことができる。
ケーシング1aは、給気風路1cに設けられ、給気吸込口9から給気吹出口8へ向かう給気流の流れを生成する給気用送風機3を備える。また、ケーシング1aは、熱交換排気風路1bとバイパス排気風路1dとの共通部分における全熱交換器4よりも下流側の位置に設けられ、排気吸込口10から排気吹出口7へ向かう排気流の流れを生成する排気用送風機2を備える。給気用送風機3と排気用送風機2とにより、室内空気を換気する気流を生成する送風部17が構成されている。
給気用送風機3は、給気用送風機3を駆動するための不図示の給気用モーターを内部に備えている。排気用送風機2は、排気用送風機2を駆動するための不図示の排気用モーターを内部に備えている。給気用モーターと排気用モーターとは、後述する制御部20による制御に対応して回転速度が変化する。
ケーシング1aは、給気風路1cに設けられ、給気吹出口8から室内に供給される室外空気である給気空気の温度である給気温度および湿度を測定可能な給気温湿度測定部16を備える。すなわち、給気温湿度測定部16は、後述する温度調整コイル5を通過してケーシング1aから室内に向けて吹き出される給気空気の温度および湿度を測定することができる。給気温湿度測定部16は、温度と湿度を検出することが可能な素子により構成される。なお、給気空気の温度を測定可能な給気温度測定部と、給気空気の湿度を測定可能な給気湿度測定部と、が個別に設けられてもよい。ここで、給気吹出口8から室内に供給される室外空気である給気空気の温度である給気温度は、給気空気の吹出温度と換言できる。
給気風路1cにおける給気用送風機3よりも下流側の位置には、温度調整コイル5が配置されている。温度調整コイル5は、内部に冷媒を通して、給気風路1cにおける給気用送風機3よりも下流側を通過する給気流を加熱または冷却することで給気空気の温度調整を行うことが可能な熱交換器である。
温度調整コイル5は、後述する制御部20によって運転が制御され、ユーザーが設定した目標温度に室内温度が到達するように、給気風路1cにおける全熱交換器4よりも下流側を通過する給気流の温度を調整する。すなわち、温度調整コイル5は、全熱交換器4を通過した後の空気が温度調整コイル5を通過するときに、通過する空気を加熱する暖房運転を行うことが可能である。また、温度調整コイル5は、全熱交換器4を通過した後の空気が温度調整コイル5を通過するときに、通過する空気を冷却する冷房運転を行うことが可能である。温度調整コイル5は、温度調整コイル5を流れる冷媒の流量を調整する絞り装置である電子膨張弁制御装置の開度を変化させることで能力が調整される。
温度調整コイル5は、後述する制御部20の制御によって、サーモオンとサーモオフとの切替が制御される。サーモオンとは、温度調整コイル5内を冷媒が流れており、温度調整コイル5の周囲の空気と冷媒との間で熱交換が行われている状態のことをいう。すなわち、サーモオンとは、温度調整コイル5に冷媒が循環している状態である。サーモオフとは、温度調整コイル5内を冷媒が流れておらず、温度調整コイル5の周囲の空気と冷媒との間で熱交換が行われていない状態のことをいう。すなわち、サーモオフとは、温度調整コイル5に冷媒が循環していない状態である。
また、温度調整コイル5は、加熱能力および冷却能力が多段階に変更可能である。温度調整コイル5の加熱能力および冷却能力は、例えば、最大能力を100%とすると、100%、50%、25%、0%の4段階に制御可能である。ただし、温度調整コイル5の能力の段階数は、4段階よりも多くすることも可能であり、また4段階よりも少なくすることも可能であり、各段階の能力は任意に選択することが可能である。
給気風路1cにおける温度調整コイル5よりも下流側の位置には、温度調整コイル5を通過する給気流を加湿する加湿器6が配置されている。加湿器6は、ケーシング1a内部の給気用送風機3の吹出口から吹き出された給気流を加湿する加湿風路部として機能する。
図3に示すように、制御装置14は、排気用送風機2と給気用送風機3とを有する送風部17と、温度調整コイル5と、ダンパ13との動作を制御して熱交換型換気装置100の換気運転を制御する制御部である制御部20を備える。制御部20は、吹出温度抑制運転を制御する抑制運転制御部21と、タイマー機能を有するタイマー部22と、熱交換型換気装置100の換気運転の制御に関わる各種の情報を記憶する記憶部23と、を備える。また、制御装置14は、リモートコントローラ15および給気温湿度測定部16等の構成部と制御部20との間の入力インターフェースである入力インターフェース18と、温度調整コイル5、送風部17およびダンパ13等の構成部と制御部20との間の出力インターフェースである出力インターフェース19と、を備える。
制御部20は、ケーシング1aの外部においてメンテナンスを行い易い位置に配置され、給気用送風機3と排気用送風機2と温度調整コイル5とダンパ13とを制御して熱交換型換気装置100の換気運転を制御する。すなわち、制御部20は、通信線を介して給気用送風機3および排気用送風機2と通信可能とされており、熱交換型換気装置100の基本動作として、換気運転のオンおよびオフ、給気用送風機3および排気用送風機2の風量を制御する。
熱交換型換気装置100は、例えば、最も風量の少ない弱風量で運転する弱風量運転と、弱風量よりも風量の多い中風量で運転する中風量運転と、中風量よりも風量の多い強風量で運転する強風量運転と、の3段階の風量で運転可能とされている。すなわち、排気用送風機2と給気用送風機3とは、風量が大きい順に、強、中、弱、の3段階に風量を制御可能である。
また、制御部20では、熱交換型換気装置100の基本動作として、温度調整コイル5の動作の制御として、温度調整コイル5のサーモオンとサーモオフとの切替、温度調整コイル5の暖房運転と冷房運転との切替、加熱能力および冷却能力の変更、を制御することができる。温度調整コイル5がサーモオフとされることで、給気流を加熱および冷却しない送風運転が行われる。また、制御部20では、熱交換型換気装置100の基本動作として、加湿器6における加湿のオンおよびオフが制御される。
タイマー部22は、後述するサーモ判定において、サーモオフ許可タイマー値t_offおよびサーモオン許可タイマー値t_onをカウントする。
記憶部23は、熱交換型換気装置100の運転に関わる各種の情報を記憶する。記憶部23は、上限吹出温度Tlim_HIを記憶する上限吹出温度記憶部24と、下限吹出温度Tlim_LOを記憶する下限吹出温度記憶部25とを有する。記憶部23としては、熱交換型換気装置100への通電が断電された場合でも、記憶された情報が消去されないように、不揮発性の記憶装置が使用される。記憶部23は、例えばメモリによって実現される。
上限吹出温度Tlim_HIは、熱交換型換気装置100の換気運転においてケーシング1aから室内に吹き出される給気空気の吹出温度の上限を、室内に居るユーザーが給気空気の吹出温度を快適であると感じる範囲の上限に、規定する温度である。また、上限吹出温度Tlim_HIは、後述するようにケーシング1aから室内に吹き出される給気空気の温度である吹出温度が室内に居るユーザーにとって快適であるか、または不快であるかを判定するための閾値温度として使用される。上限吹出温度Tlim_HIは、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して制御部20に送られ、制御部20の制御によって記憶部23の上限吹出温度記憶部24に設定されて記憶される。上限吹出温度Tlim_HIは、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して任意の値に変更することができる。
下限吹出温度Tlim_LOは、熱交換型換気装置100の換気運転においてケーシング1aから室内に吹き出される給気空気の吹出温度の下限を、室内に居るユーザーが給気空気の吹出温度を快適であると感じる範囲の下限に、規定する温度である。また、下限吹出温度Tlim_LOは、後述するようにケーシング1aから室内に吹き出される給気空気の温度である吹出温度が室内に居るユーザーにとって快適であるか、または不快であるかを判定するための閾値温度として使用される。下限吹出温度Tlim_LOは、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して制御部20に送られ、制御部20の制御によって記憶部23の下限吹出温度記憶部25に設定されて記憶される。下限吹出温度Tlim_LOは、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して任意の値に変更することができる。
そして、下限吹出温度Tlim_LO以上、上限吹出温度Tlim_HI以下の温度範囲は、ユーザーが快適と感じる吹出温度の範囲である。
抑制運転制御部21は、ケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度の下限を規定する下限吹出温度およびケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度の上限を規定する上限吹出温度と、給気温度と、の比較結果に基づいて、吹出温度を抑制するように送風部17と温度調整コイル5とのうち少なくとも1つの動作を制御して換気を行う吹出温度抑制運転の制御を行う。吹出温度抑制運転の詳細については後述する。
リモートコントローラ15は、少なくともユーザーが熱交換型換気装置100の運転の開始と運転の停止に関する操作を行うための端末である。リモートコントローラ15は、熱交換型換気装置100の換気動作等の各種制御についての指令を受け付ける。リモートコントローラ15は、ユーザーから受け付けた各種指令を、制御装置14の制御部20に送信する。すなわち、リモートコントローラ15は、熱交換型換気装置100における、運転のオンと運転のオフとの切替、換気風量の切替、換気モードの切替、運転タイマーの設定などが可能になっている。リモートコントローラ15は、例えばリモートコントローラや、操作用のアプリケーションがインストールされたコンピュータ、タブレット端末またはスマートフォンなどが該当する。
給気温湿度測定部16により測定された給気温度T_saと、リモートコントローラ15より入力された情報とは、入力インターフェース18を介して抑制運転制御部21に送られる。また、抑制運転制御部21から送信される制御信号は、出力インターフェース19を介して、送風部17と、温度調整コイル5と、ダンパ13に送信される。送風部17と温度調整コイル5とダンパ13とは、受信した制御信号に従って、送風部17の出力、温度調整コイル5の出力、またはダンパ13の開閉動作を変更する。送風部17の出力は、給気用送風機3と排気用送風機2との出力である。
つぎに、熱交換型換気装置100における、吹出温度抑制運転について説明する。まず、熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の制御における吹出温度の不快判定について説明する。吹出温度の不快判定は、現在の給気空気の温度である吹出温度が室内に居るユーザーにとって快適であるか、または不快であるかを判定する判定である。
図4は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の制御における吹出温度の不快判定の手順を示すフローチャートである。吹出温度抑制運転では、抑制運転制御部21が、上限吹出温度Tlim_HIまたは下限吹出温度Tlim_LOと、給気温度T_saとを比較することで、現在の給気空気の温度が快適であるか、または不快であるかが判定される。給気温度T_saは、ケーシング1aから吹き出される給気空気の温度、すなわち、ケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度であり、給気温湿度測定部16において測定される温度である。
まず、ステップS110において、給気温湿度測定部16が、予め決められた測定周期で給気温度T_saを測定する。給気温湿度測定部16は、測定された給気温度T_saの情報を抑制運転制御部21に送信する。ステップS110の後、ステップS120に進む。
ステップS120では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。抑制運転制御部21は、制御部20から温度調整コイル5の制御モードの情報を取得し、温度調整コイル5の制御モードの情報に基づいて、現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。ステップS120において運転モードが暖房運転であると判定された場合は、ステップS120においてYesとなり、ステップS130に進む。ステップS120において運転モードが暖房運転ではないと判定された場合は、ステップS120においてNoとなり、ステップS150に進む。
ステップS130では、抑制運転制御部21が、給気温度T_saが上限吹出温度Tlim_HIより高いか否かを判定する。ステップS130において、給気温度T_saが上限吹出温度Tlim_HIより高いと判定された場合は、ステップS130においてYesとなり、ステップS140に進む。
ステップS140では、抑制運転制御部21は、ケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度が不快であると判定する。
ステップS130において給気温度T_saが上限吹出温度Tlim_HI以下であると判定された場合は、ステップS130においてNoとなり、ステップS110に戻る。抑制運転制御部21は、給気温度T_saが上限吹出温度Tlim_HI以下であると判定された場合は、ケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度が不快ではないと判定する。
ステップS150では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが冷房運転であるか否かを判定する。ステップS150において運転モードが冷房運転であると判定された場合は、ステップS150においてYesとなり、ステップS160に進む。ステップS150において運転モードが冷房運転ではないと判定された場合は、ステップS150においてNoとなり、ステップS110に戻る。
ステップS160では、抑制運転制御部21が、給気温度T_saが下限吹出温度Tlim_LOより低いか否かを判定する。ステップS160において、給気温度T_saが下限吹出温度Tlim_LOより低いと判定された場合は、ステップS160においてYesとなり、ステップS140に進む。
ステップS160において給気温度T_saが下限吹出温度Tlim_LO以上であると判定された場合は、ステップS160においてNoとなり、ステップS110に戻る。抑制運転制御部21は、給気温度T_saが下限吹出温度Tlim_LO以上であると判定された場合は、ケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度が不快ではないと判定する。
つぎに、熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の制御におけるサーモ判定について説明する。図5は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の制御におけるサーモ判定の手順を示すフローチャートである。吹出温度抑制運転では、図4のフローチャートに示した手順で判定された吹出温度の快適、または不快の判定結果を用いて温度調整コイル5のサーモオンおよびサーモオフの切替を制御している。
まず、ステップS210において、抑制運転制御部21が、現在、温度調整コイル5がサーモオンであるか否かを判定する。抑制運転制御部21は、制御部20から温度調整コイル5の制御モードの情報を取得し、温度調整コイル5の制御モードの情報に基づいて、温度調整コイル5がサーモオンであるか否かを判定する。ステップS210において温度調整コイル5がサーモオンであると判定された場合は、ステップS210においてYesとなり、ステップS220に進む。ステップS210において温度調整コイル5がサーモオンではないと判定された場合は、ステップS210においてNoとなり、ステップS260に進む。
ステップS220では、図4のフローチャートに示した手順に従って、吹出温度が不快であるか否かを判定する。ステップS220において吹出温度が不快であると判定された場合は、ステップS220においてYesとなり、ステップS230に進む。ステップS220において吹出温度が不快ではないと判定された場合は、ステップS220においてNoとなり、ステップS220に戻る。
ステップS230では、タイマー部22が、サーモオフ許可タイマー値t_offのカウントを実施する。サーモオフ許可タイマー値t_offのカウントは、不快と判定されている時間のカウント、すなわち、給気温度が上限吹出温度Tlim_HIより大である時間または下限吹出温度Tlim_LO未満となる時間のカウントである。サーモ判定において、サーモオフ許可タイマー値t_offのカウント時間が予め決められた第1既定時間以上となった場合に温度調整コイル5をサーモオフにする制御としている。これにより、給気温湿度測定部16で測定される給気温度T_saの測定値の変動に起因した、温度調整コイル5のサーモオンおよびサーモオフの切替がめまぐるしく行われることを防止できる。
第1既定時間は、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5がサーモオン状態であり且つ吹出温度が不快であると判定されている状態において温度調整コイル5をサーモオフに切り替えるか否かを判定するための閾値時間であり、任意の時間に変更することが可能である。第1既定時間の一例は、例えば15分である。ステップS230の後、ステップS240に進む。
ステップS240では、抑制運転制御部21が、サーモオフ許可タイマー値t_offのカウント時間が予め決められた第1既定時間以上であるか否かを判定する。ステップS240においてサーモオフ許可タイマー値t_offのカウント時間が第1既定時間以上であると判定された場合は、ステップS240においてYesとなり、ステップS250に進む。
ステップS240においてサーモオフ許可タイマー値t_offのカウント時間が第1既定時間未満であると判定された場合は、ステップS240においてNoとなり、ステップS220に戻る。
ステップS250では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5をサーモオフさせ、サーモオフ許可タイマー値t_offのカウントをリセットする。
ステップS260では、タイマー部22が、サーモオン許可タイマー値t_onのカウントを開始する。サーモ判定において、サーモオン許可タイマー値t_onのカウント時間が予め決められた第2既定時間以上となった場合に温度調整コイル5をサーモオンさせる制御としている。
第2既定時間は、抑制運転制御部21が、サーモオフの温度調整コイル5をサーモオンに切り替えるか否かを判定するための閾値時間であり、任意の時間に変更することが可能である。第2既定時間の一例は、例えば15分である。ステップS260の後、ステップS270に進む。
ステップS270では、抑制運転制御部21が、サーモオン許可タイマー値t_onのカウント時間が第2既定時間以上であるか否かを判定する。ステップS270においてサーモオン許可タイマー値t_onのカウント時間が第2既定時間以上であると判定された場合は、ステップS270においてYesとなり、ステップS280に進む。
ステップS270においてサーモオン許可タイマー値t_onのカウント時間が第2既定時間未満であると判定された場合は、ステップS270においてNoとなり、ステップS260に戻り、サーモオン許可タイマー値t_onのカウントを継続する。
ステップS280では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5をサーモオンに切り替え、サーモオン許可タイマー値t_onのカウントをリセットする。
上記の処理を行うことにより、温度調整コイル5がサーモオンであるときに、給気温度が上限吹出温度Tlim_HIより大である時間または給気温度が下限吹出温度Tlim_LO未満となる時間が予め決められた既定時間以上経過した場合に、温度調整コイル5をサーモオフにする制御を行うことができる。また、ステップS250において温度調整コイル5をサーモオフにした後に再度ステップS210を実施する場合に、予め決められた第2既定時間以上経過した場合に温度調整コイル5をサーモオンにする制御を行うことができる。これにより、給気温湿度測定部16で測定される給気温度T_saの測定値の変動に起因した、温度調整コイル5のサーモオンおよびサーモオフの切替がめまぐるしく行われること、すなわちサーモオンおよびサーモオフの切替のハンチングを防止して、制御の安定を図ることができる。
つぎに、熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の制御について説明する。図6は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の手順を示すフローチャートである。
まず、ステップS310において、給気温湿度測定部16が、予め決められた測定周期で給気温度T_saを測定する。給気温湿度測定部16は、測定された給気温度T_saの情報を抑制運転制御部21に送信する。ステップS310の後、ステップS320に進む。
ステップS320では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。抑制運転制御部21は、制御部20から温度調整コイル5の制御モードの情報を取得し、温度調整コイル5の制御モードの情報に基づいて、現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。ステップS320において運転モードが暖房運転であると判定された場合は、ステップS320においてYesとなり、ステップS330に進む。ステップS320において運転モードが暖房運転ではないと判定された場合は、ステップS320においてNoとなり、ステップS390に進む。
ステップS330では、抑制運転制御部21が、給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT1」以上であるか否かを判定する。ステップS330において給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT1」以上であると判定された場合は、ステップS330においてYesとなり、ステップS340に進む。ステップS330において給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT1」未満であると判定された場合は、ステップS330においてNoとなり、ステップS370に進む。
ΔT1は、抑制運転制御部21が吹出温度抑制運転を行う際に、抑制運転制御部21が実施可能な複数の吹出温度抑制制御から、実施する吹出温度抑制制御を判定するために、上限吹出温度Tlim_HIまたは下限吹出温度Tlim_LOに対して、上限吹出温度Tlim_HIと下限吹出温度Tlim_LOとの間の温度領域を区切る第1補正値である。
ステップS340では、図4および図5のフローチャートに示した手順に従って吹出温度の不快判定を行い、吹出温度の不快判定結果が不快ではないか否かを判定する。吹出温度の不快判定結果が不快ではない場合は、ステップS340においてYesとなり、ステップS350に進む。吹出温度の不快判定結果が不快である場合は、ステップS340においてNoとなり、ステップS360に進む。
ステップS350では、抑制運転制御部21が、第1の吹出温度抑制制御を実施して、一連の処理を終了する。吹出温度抑制制御は、吹出温度を現在の吹出温度よりも抑制する制御であり、熱交換型換気装置100の運転モードが暖房運転である場合には吹出温度を下げる制御であり、熱交換型換気装置100の運転モードが冷房運転である場合には、吹出温度を上げる制御である。
第1の吹出温度抑制制御では、抑制運転制御部21は、例えば、送風部17の出力を強風量にする、温度調整コイル5の出力を25%にする、ダンパ13を閉状態としてバイパス換気とする、など給気温度T_saを抑制するための制御信号のアクチュエータへの送信を実施する。このように、抑制運転制御部21は、送風部17と温度調整コイル5とダンパ13とのうち少なくとも1つを制御して、給気温度T_saを抑制する制御を行う。制御信号は、換気運転に用いられるアクチュエータである送風部17と温度調整コイル5とダンパ13との各アクチュエータの出力を変更する信号である。
ここで、温度調整コイル5の出力を増加させることにより、温度調整コイル5の加熱量または冷却量が増加する。また、温度調整コイル5の出力を減少させることにより、温度調整コイル5の加熱量または冷却量が減少する。吹出温度抑制運転において給気温度T_saを抑制するためには、温度調整コイル5の暖房運転時には、吹出温度抑制制御を行う直前よりも温度調整コイル5の加熱量を減少させる制御が行われ、温度調整コイル5の冷房運転時には、吹出温度抑制制御を行う直前よりも温度調整コイル5の冷却量を減少させる制御が行われる。
また、吹出温度抑制運転において給気温度T_saを抑制するために、送風部17に対して、吹出温度抑制制御を行う直前よりも送風部17の風量を増減させる制御が行われる。また、吹出温度抑制運転において給気温度T_saを抑制するために、ダンパ13に対して、バイパス排気風路1dを開放する位置と、バイパス排気風路1dを閉塞する位置とのうち、給気温度T_saの抑制に適したいずれかの位置にダンパ13を移動させる制御を行う。
なお、第1の吹出温度抑制制御において、温度調整コイル5の出力、送風部17の出力、ダンパ13の動作が、例えば、第1の吹出温度抑制制御に依らない現在の制御以上の吹出温度抑制効果を実現する制御が存在しない場合は、各アクチュエータの出力を変化させない。
ステップS360では、抑制運転制御部21が、第3の吹出温度抑制制御を実施して、一連の処理を終了する。第3の吹出温度抑制制御は、温度調整コイル5をサーモオフさせる制御である。この場合、ダンパ13を閉状態としてバイパス換気を実施し、送風部17の運転を継続してもよいし、送風部17の出力を停止させてもよい。第3の吹出温度抑制制御は、温度調整コイル5の出力、送風部17の出力、ダンパ13の動作のうち、実施可能な吹出温度抑制制御として吹出温度の抑制に最も効果的なものを選択して実施することが可能である。
ステップS370では、給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT2」以上であるか否かを判定する。ステップS370で、給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT2」以上であると判定された場合は、ステップS370においてYesとなり、ステップS380に進む。
ΔT2は、抑制運転制御部21が吹出温度抑制運転を行う際に、抑制運転制御部21が実施可能な複数の吹出温度抑制制御から、実施する吹出温度抑制制御を判定するために、上限吹出温度Tlim_HIまたは下限吹出温度Tlim_LOに対して、上限吹出温度Tlim_HIと下限吹出温度Tlim_LOとの間の温度領域を区切る第2補正値である。
ステップS330のΔT1とステップS370のΔT2との大小関係は、下記の数式(1)に示される関係であり、ΔT2がΔT1よりも大きい。したがって、「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT1」>「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT2」となる。ΔT1とΔT2との数値は、任意の数値に変更することが可能である。
ステップS370において給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT2」未満であると判定された場合は、ステップS370においてNoとなり、抑制運転制御部21は、現在の吹出温度を抑制させるための吹出温度抑制制御を実施せず、一連の処理を終了する。
ステップS380では、抑制運転制御部21が、第2の吹出温度抑制制御を実施して、一連の処理を終了する。第2の吹出温度抑制制御では、抑制運転制御部21は、例えば、送風部17の出力を中風量にする、温度調整コイル5の出力を50%にする、ダンパ13を閉状態としてバイパス換気とする、など給気温度T_saを抑制するための制御信号のアクチュエータへの送信を実施する。このように、抑制運転制御部21は、送風部17と温度調整コイル5とダンパ13とのうち少なくとも1つを制御して、給気温度T_saを抑制する制御を行う。
なお、第2の吹出温度抑制制御においても、第1の吹出温度抑制制御の場合と同様に、温度調整コイル5の出力、送風部17の出力、ダンパ13の動作が、例えば、第2の吹出温度抑制制御に依らない現在の制御以上の吹出温度抑制効果を実現する制御が存在しない場合は、各アクチュエータの出力を変化させない。
上記のように、本実施の形態1における吹出温度抑制制御の特徴は、上限吹出温度Tlim_HIまたは下限吹出温度Tlim_LOに対して、ΔT1とΔT2とを用いて温度領域を区切ることで、給気温度T_saがどの温度領域に存在するかをセンシングすることで、段階的に吹出温度を抑制させる制御を実施することである。
このため、第1の吹出温度抑制制御による吹出温度抑制効果、第2の吹出温度抑制制御による吹出温度抑制効果、および第3の吹出温度抑制制御による吹出温度抑制効果の大小関係は、抑制効果が大きい方より順に、「第3の吹出温度抑制制御の効果>第1の吹出温度抑制制御の効果>第2の吹出温度抑制制御の効果」となる。
ただし、上記の大小関係は、吹出温度抑制制御が3パターンしか存在しない場合についての関係である。例えばステップS370において、給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT2」未満であると判定された場合は、ステップS370においてNoとなり、さらに給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT3」以上であるかを判定する制御とすることができる。この場合、給気温度T_saが「上限吹出温度Tlim_HI-ΔT3」以上である場合に、給気温度T_saを抑制するための第4の吹出温度抑制制御を実施する制御とすることができる。
図6に示すフローに追加して上記のような第4の吹出温度抑制制御を実施可能であり、吹出温度抑制制御が4パターン存在する場合は、抑制効果が大きい方より順に、「第3の吹出温度抑制制御の効果>第1の吹出温度抑制制御の効果>第2の吹出温度抑制制御の効果>第4の吹出温度抑制制御の効果」となる。
また、吹出温度抑制制御が5パターン、6パターンとさらに増えた場合についても同様に吹出温度抑制制御を実施可能であり、任意の段階数で吹出温度抑制制御を実施することが可能である。
吹出温度抑制制御が3パターンである吹出温度抑制制御において、最も単純な吹出温度抑制制御の決定方法は、例えば、送風部17の出力および温度調整コイル5の出力を以下に示すように数値で扱う方法である。
・送風部17の出力=強:「3」、送風部17の出力=中:「2」、送風部17の出力=弱:「1」
・温度調整コイル5の出力=0%:「3」、温度調整コイル5の出力=25%:「2」、温度調整コイル5の出力=50%:「1」、温度調整コイル5の出力=100%:「0」
この場合、吹出温度抑制制御を以下のように設定することにより、本実施の形態1における吹出温度抑制制御に依らない制御によるアクチュエータ制御に影響されずに、吹出温度抑制制御を実施することも可能である。
・第3の吹出温度抑制制御:送風部17の出力=3、温度調整コイル5の出力=3、ダンパ13の動作=開
・第1の吹出温度抑制制御:送風部17の出力=2、温度調整コイル5の出力=2、ダンパ13の動作=閉
・第2の吹出温度抑制制御:送風部17の出力=1、温度調整コイル5の出力=1、ダンパ13の動作=閉
また、吹出温度抑制制御を以下のように設定することにより、本実施の形態1における吹出温度抑制制御に依らない制御によるアクチュエータ制御に影響されずに、吹出温度抑制制御を実施することも可能である。
・第3の吹出温度抑制制御:送風部17の出力=強、温度調整コイル5の出力=0%、ダンパ13の動作=開
・第1の吹出温度抑制制御:送風部17の出力=現在の値+1、温度調整コイル5の出力=現在値+1、ダンパ13の動作=閉
・第2の吹出温度抑制制御:送風部17の出力=現在の値+1、温度調整コイル5の出力=現在値+1、ダンパ13の動作=閉
上記の吹出温度抑制制御において、ダンパ13を開状態、すなわち換気運転を全熱交換換気運転としているのは、ダンパ13を閉状態とすることによるバイパス換気運転で室外空気の導入により吹出温度を逆に不快としないためである。ダンパ13の開状態は、ダンパ13がバイパス排気風路1dを閉塞する位置にある状態であり、全熱交換換気が行われる場合である。ダンパ13の閉状態は、ダンパ13がバイパス排気風路1dを開放する位置にある状態であり、バイパス換気が行われる場合である。
なお、送風部17の出力、温度調整コイル5の出力、ダンパ13の動作による吹出温度抑制は全てのアクチュエータを用いてもよいし、一部、例えば、温度調整コイル5のみを用いてもよい。
さらに、温度調整コイル5の出力変更の実施後の給気温度T_saを確認してから、送風部17の出力およびダンパ13の動作の変更を判定してもよい。このときのアクチュエータの出力の変更および動作の変更の優先順位は任意に決定することが可能である。
ステップS390では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが冷房運転であるか否かを判定する。ステップS390において運転モードが冷房運転であると判定された場合は、ステップS390においてYesとなり、ステップS400に進む。ステップS390において運転モードが冷房運転ではないと判定された場合は、ステップS390においてNoとなり、ステップS310に戻る。
ステップS400では、抑制運転制御部21が、給気温度T_saが「下限吹出温度Tlim_LO+ΔT1」以下であるか否かを判定する。ステップS400において給気温度T_saが「下限吹出温度Tlim_LO+ΔT1」以下であると判定された場合は、ステップS400においてYesとなり、ステップS340に進む。ステップS400において給気温度T_saが「下限吹出温度Tlim_LO+ΔT1」より大であると判定された場合は、ステップS400においてNoとなり、ステップS410に進む。
ステップS410では、抑制運転制御部21が、給気温度T_saが「下限吹出温度Tlim_LO+ΔT2」以下であるか否かを判定する。ステップS410において給気温度T_saが「下限吹出温度Tlim_LO+ΔT2」以下であると判定された場合は、ステップS410においてYesとなり、ステップS420に進む。
ステップS410において給気温度T_saが「下限吹出温度Tlim_LO+ΔT2」より大であると判定された場合は、ステップS410においてNoとなり、抑制運転制御部21は、現在の吹出温度を抑制させるための吹出温度抑制制御を実施せず、一連の処理を終了する。
ステップS420では、抑制運転制御部21は、上述したステップS380と同様に第2の吹出温度抑制制御を実施して、一連の処理を終了する。
また、抑制運転制御部21は、上記の第1の吹出温度抑制制御、第2の吹出温度抑制制御および第3の吹出温度抑制制御を行う場合に、後述する室内温湿度測定部12により測定される室内温度および室内湿度に基づいて室内の空気環境の露点温度を算出し、ケーシング1aから吹き出される給気空気の給気温度、すなわち給気空気の吹出温度が室内の空気の露点以下とならないように、送風部17と温度調整コイル5とダンパ13とのうち少なくとも1つの動作を制御してもよい。これにより、給気空気の吹出温度に起因したケーシング1a内の結露を防止することができる。
以上の処理を行うことにより、下限吹出温度Tlim_LO以上、上限吹出温度Tlim_HI以下の温度範囲においてΔT1およびΔT2によって区切られた温度区間のどこに、現在の給気温度T_saが存在するかをセンシングすることで、任意に設定可能な吹出温度抑制制御を用いて段階的に吹出温度を抑制することが可能となる。これにより、ケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度が、上限吹出温度Tlim_HIおよび下限吹出温度Tlim_LOを満足しない吹出温度とならないように熱交換型換気装置100の動作を制御することが可能であり、ケーシング1aから吹き出される給気空気の吹出温度の快適性を改善できる。
上述したように、本実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100は、給気空気の吹出温度の測定値が、ユーザーが快適と感じる吹出温度の範囲である下限吹出温度Tlim_LO以上、上限吹出温度Tlim_HI以下の温度範囲内となるように、給気空気の吹出温度の測定値に基づいて制御を行う。すなわち、熱交換型換気装置100は、給気空気の吹出温度が熱交換型換気装置100の室内に居るユーザーに対して不快とならないように、給気空気の吹出温度が下限吹出温度Tlim_LO以上、上限吹出温度Tlim_HI以下の温度範囲内となるように制御して換気運転を行える。
また、抑制運転制御部21は、温度調整コイル5の暖房運転時に上限吹出温度Tlim_HIと給気温度T_saとを比較し、上限吹出温度Tlim_HIに給気温度T_saが近いほど温度調整コイル5の加熱量を少なくし、また、温度調整コイル5の冷房運転時に下限吹出温度Tlim_LOと給気温度T_saとを比較し、下限吹出温度Tlim_LOに給気温度T_saが近いほど温度調整コイル5の冷却量を少なくする。これにより、段階的に給気温度T_saを抑制して、細やかに給気温度T_saを抑制することができる。
また、熱交換型換気装置100は、室内に居るユーザーにとって不快な給気空気の過度の冷却および給気空気の過度の暖房を防止できるため、換気運転の省エネルギーを実現できる。
したがって、本実施の形態1にかかる熱交換型換気装置100によれば、室内に給気される給気空気が室内に居るユーザーにとって快適な状態で換気が可能である、という効果を奏する。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2における熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の手順を示すフローチャートである。本実施の形態2では、吹出温度抑制制御の決定方法を、アクチュエータの出力を用いて数式化することで、上述した実施の形態1の場合よりもリニアに吹出温度抑制制御を実施することを可能とする。
まず、ステップS510において、給気温湿度測定部16が、予め決められた測定周期で給気温度T_saを測定する。給気温湿度測定部16は、測定された給気温度T_saの情報を抑制運転制御部21に送信する。ステップS510の後、ステップS520に進む。
ステップS520では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。ステップS520において運転モードが暖房運転であると判定された場合は、ステップS520においてYesとなり、ステップS530に進む。ステップS520において運転モードが暖房運転ではないと判定された場合は、ステップS520においてNoとなり、ステップS550に進む。
ステップS530では、図4および図5のフローチャートに示した手順に従って吹出温度の不快判定を行い、吹出温度の不快判定結果が不快ではないか否かを判定する。吹出温度の不快判定結果が不快ではない場合は、ステップS530においてYesとなり、ステップS540に進む。吹出温度の不快判定結果が不快である場合は、ステップS530においてNoとなり、ステップS580に進む。
ステップS540では、抑制運転制御部21が、第5の吹出温度抑制制御を実施して、一連の処理を終了する。第5の吹出温度抑制制御におけるアクチュエータの出力であるアクチュエータ出力OutPut5は、給気温度T_saと上限吹出温度Tlim_HIとを用いて、以下の数式(2)により算出される。
上記の数式(2)によって算出されたアクチュエータ出力OutPut5を送風部17の出力および温度調整コイル5の出力のうちのいずれか1つに反映させてもよく、または両方に反映させてもよい。また、ダンパ13の動作については開閉の2パターンであることから、上述した実施の形態1の場合のように、各アクチュエータの出力と任意で組み合わせてもよい。
ステップS580では、抑制運転制御部21が、第7の吹出温度抑制制御を実施して、一連の処理を終了する。第7の吹出温度抑制制御は、温度調整コイル5をサーモオフに切り替える制御である。この場合、ダンパ13を閉状態として送風部17の運転を継続してもよいし、送風部17の出力を停止させてもよい。第7の吹出温度抑制制御は、温度調整コイル5の出力、送風部17の出力、ダンパ13の動作のうち、実施可能な吹出温度抑制制御として吹出温度の抑制に最も効果的なものを選択して実施することが可能である。第7の吹出温度抑制制御は、上述した実施の形態1における第3の吹出温度抑制制御と同一と考えてもよい。
ステップS550では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが冷房運転であるか否かを判定する。ステップS550において運転モードが冷房運転であると判定された場合は、ステップS550においてYesとなり、ステップS560に進む。ステップS550において運転モードが冷房運転ではないと判定された場合は、ステップS550においてNoとなり、ステップS510に戻る。
ステップS560では、図4および図5のフローチャートに示した手順に従って吹出温度の不快判定を行い、吹出温度の不快判定結果が不快ではないか否かを判定する。吹出温度の不快判定結果が不快ではない場合は、ステップS560においてYesとなり、ステップS570に進む。吹出温度の不快判定結果が不快である場合は、ステップS560においてNoとなり、ステップS580に進む。
ステップS570では、第6の吹出温度抑制制御を実施して、一連の処理を終了する。第6の吹出温度抑制制御におけるアクチュエータの出力であるアクチュエータ出力OutPut6は、給気温度T_saと下限吹出温度Tlim_LOとを用いて、以下の数式(3)により算出される。
上記の数式(3)によって算出されたアクチュエータ出力OutPut6を送風部17の出力および温度調整コイル5の出力のうちのいずれか1つに反映させてもよく、または両方に反映させてもよい。また、ダンパ13の動作については開閉の2パターンであることから、上述した実施の形態1の場合のように、各アクチュエータの出力と任意で組み合わせてもよい。
抑制運転制御部21は、上述した制御を行うことにより、上限吹出温度Tlim_HIまたは下限吹出温度Tlim_LOに対する給気温度T_saの割合に基づいて、温度調整コイル5の加熱量または冷却量を複数段階に制御することができ、段階的に給気温度T_saを抑制して、細やかに給気温度T_saを抑制することができる。
上述したように、本実施の形態2では、本実施の形態1の場合と同様に吹出温度抑制運転を行うため、本実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、暖房運転の場合は上限吹出温度Tlim_HIに対する給気温度T_saの相対比率[%]によって、吹出温度抑制制御において各アクチュエータの制御に用いる制御量が決まる。また、冷房運転の場合は、給気温度T_saに対する下限吹出温度Tlim_LOの相対比率[%]によって、吹出温度抑制制御において各アクチュエータの制御に用いる制御量が決まる。このため、本実施の形態2では、実施の形態1と異なり、事前に区画分けのためにΔT1およびΔT2を定める必要がなく、給気空気の吹出温度を抑制することが可能である、という効果を奏する。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3における熱交換型換気装置100の運転に関わる機能構成を示す図である。本実施の形態3における吹出温度抑制運転では、制御部20が室内設定湿度を記憶しており、実施の形態1または実施の形態2において示した吹出温度抑制運転を実施する前に、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を給気空気の湿度に基づいて行う。
室内設定湿度は、室内空気の湿度の目標となる設定値であり、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して制御部20に送られ、制御部20の制御によって記憶部23の室内設定湿度記憶部26に設定されて記憶される。室内設定湿度は、相対湿度の設定湿度である室内設定相対湿度RH_setまたは絶対湿度の設定湿度である室内設定絶対湿度AH_setによって設定することが可能である。室内設定湿度は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して任意の値に変更することができる。また、室内設定湿度は、本実施の形態3にかかる吹出温度抑制運転に依らない熱交換型換気装置100の他の制御で室内設定湿度を用いている場合には、他の制御で設定されている室内設定湿度を流用してもよい。
給気温湿度測定部16により測定された給気温度T_saおよび給気相対湿度RH_saと、リモートコントローラ15より入力された情報とは、入力インターフェース18を介して抑制運転制御部21に送られる。また、抑制運転制御部21から送信される制御信号は、出力インターフェース19を介して、送風部17と、温度調整コイル5と、ダンパ13に送信される。送風部17と温度調整コイル5とダンパ13とは、受信した制御信号に従って、送風部17の出力、温度調整コイル5の出力、またはダンパ13の開閉動作を変更する。
図9は、本発明の実施の形態3における熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の手順を示すフローチャートである。以下において説明する本実施の形態3における熱交換型換気装置100の吹出温度抑制運転の制御では、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を給気空気の湿度に基づいて行った結果に基づいて、吹出温度抑制運転を実施する。吹出温度抑制運転における吹出温度抑制制御は、上述した実施の形態1および実施の形態2のいずれか一方と同一である。
まず、ステップS610において、給気温湿度測定部16が、予め決められた測定周期で給気温度T_saと、給気空気の相対湿度である給気相対湿度RH_saと、を測定する。給気温湿度測定部16は、測定された給気温度T_saの情報と、給気相対湿度RH_saの情報と、を抑制運転制御部21に送信する。また、給気温度T_saと給気相対湿度RH_saとは、本実施の形態3にかかる吹出温度抑制運転に依らない熱交換型換気装置100の他の制御で給気温度T_saと給気相対湿度RH_saとを用いている場合には、他の制御で用いている給気温度T_saと給気相対湿度RH_saとを流用してもよい。ステップS610の後、ステップS620に進む。
ステップS620では、抑制運転制御部21が、給気温度T_saと給気相対湿度RH_saとにより、給気空気の絶対湿度である給気絶対湿度AH_saを算出する。ステップS620の後、ステップS630に進む。なお、給気温湿度測定部16において、直接、絶対湿度を測定可能な場合は、ステップS620を省略してもよい。
給気絶対湿度AH_saは、下記の数式(4)により算出される。
また、上記の数式(4)において、αは以下の数式(5)であらわされる。
ステップS630では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。ステップS630において運転モードが暖房運転であると判定された場合は、ステップS630においてYesとなり、ステップS640に進む。ステップS630において運転モードが暖房運転ではないと判定された場合は、ステップS630においてNoとなり、ステップS680に進む。
ステップS640では、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を給気相対湿度RH_saを用いて判定する相対湿度判定を、実施するか否かを判定する。ステップS640において相対湿度判定を実施すると判定された場合は、ステップS640においてYesとなり、ステップS650に進む。ステップS640において相対湿度判定を実施しないと判定された場合は、ステップS640においてNoとなり、ステップS670に進む。
抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を給気相対湿度RH_saを用いて判定する相対湿度判定を実施するか、または、吹出温度抑制運転の実施の可否を給気絶対湿度AH_saを用いて判定する絶対湿度判定を実施するか、を判定するための判定情報は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して抑制運転制御部21に送られ、抑制運転制御部21に設定されて記憶されている。判定情報は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して任意に変更することができる。
ステップS650では、抑制運転制御部21が、給気相対湿度RH_saが室内設定湿度である室内設定相対湿度RH_set以上であるか否かを判定する。ステップS650において給気相対湿度RH_saが室内設定相対湿度RH_set以上であると判定された場合は、ステップS650においてYesとなり、ステップS660に進む。ステップS650において給気相対湿度RH_saが室内設定相対湿度RH_set未満であると判定された場合は、ステップS650においてNoとなり、ステップS610に戻る。
ステップS660では、熱交換型換気装置100は、吹出温度抑制運転に移行する。すなわち、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の制御を開始する。吹出温度抑制運転および吹出温度抑制制御は、上述した実施の形態1または実施の形態2の場合と同一であり、図6のステップS310または図7のステップS510に進む。
ステップS670では、抑制運転制御部21が、給気絶対湿度AH_saが室内設定湿度である室内設定絶対湿度AH_set以上であるか否かを判定する。ステップS670で、給気絶対湿度AH_saが室内設定絶対湿度AH_set以上であると判定された場合は、ステップS670においてYesとなり、ステップS660に進む。ステップS670において給気絶対湿度AH_saが室内設定絶対湿度AH_set未満であると判定された場合は、ステップS670においてNoとなり、ステップS610に戻る。
温度調整コイル5の現在の運転モードが暖房運転である場合にステップS650およびステップS670で用いる室内設定湿度は、第1室内設定湿度である。
ステップS680では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが冷房運転であるか否かを判定する。ステップS680において運転モードが冷房運転であると判定された場合は、ステップS680においてYesとなり、ステップS690に進む。ステップS680において運転モードが冷房運転ではないと判定された場合は、ステップS680においてNoとなり、ステップS610に戻る。
ステップS690では、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を給気相対湿度RH_saで判定する相対湿度判定を実施するか否かを判定する。ステップS690において相対湿度判定を実施すると判定された場合は、ステップS690においてYesとなり、ステップS700に進む。ステップS690において相対湿度判定を実施しないと判定された場合は、ステップS690においてNoとなり、ステップS710に進む。
ステップS700では、抑制運転制御部21が、給気相対湿度RH_saが室内設定湿度である室内設定相対湿度RH_set以下であるか否かを判定する。ステップS700において給気相対湿度RH_saが室内設定相対湿度RH_set以下であると判定された場合は、ステップS700においてYesとなり、ステップS660に進む。ステップS700において給気相対湿度RH_saが室内設定相対湿度RH_setより大であると判定された場合は、ステップS700においてNoとなり、ステップS610に戻る。
なお、ステップS700における室内設定相対湿度RH_setは、ステップS650における室内設定相対湿度RH_setと異なる値であってもよい。
ステップS710では、抑制運転制御部21が、給気絶対湿度AH_saが室内設定湿度である室内設定絶対湿度AH_set以下であるか否かを判定する。ステップS710において給気絶対湿度AH_saが室内設定絶対湿度AH_set以下であると判定された場合は、ステップS710においてYesとなり、ステップS660に進む。
ステップS710において給気絶対湿度AH_saが室内設定絶対湿度AH_setより大であると判定された場合は、ステップS710においてNoとなり、ステップS610に戻る。
温度調整コイル5の現在の運転モードが冷房運転である場合にステップS700およびステップS710で用いる室内設定湿度は、第2室内設定湿度である。なお、ステップS710における室内設定絶対湿度AH_setは、ステップS670における室内設定絶対湿度AH_setと異なる値であってもよい。
上述したように、実施の形態3では、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を、室内設定湿度である室内設定相対湿度RH_setと給気相対湿度RH_saとを比較することにより、または室内設定湿度である室内設定絶対湿度AH_setと給気絶対湿度AH_saとを比較することにより、判定する。
このような処理を行うことにより、抑制運転制御部21は、熱交換型換気装置100の暖房運転時においては温度調整コイル5を通過した給気空気の湿度である給気湿度が室内設定湿度以上のときのみに、吹出温度抑制運転を実施するように制御することができる。これにより、熱交換型換気装置100では、室内の快適性を維持させるために、室内湿度が良好な状態である場合にのみ給気空気の吹出温度を抑制することができ、給気空気の吹出温度の抑制により室内空気の湿度環境が不快な状態になることがない。
また、抑制運転制御部21は、熱交換型換気装置100の冷房運転時においては、給気湿度が室内設定湿度以下のときのみに、吹出温度抑制運転を実施するように制御することができる。これにより、熱交換型換気装置100では、室内の快適性を維持させるために、室内湿度が良好な状態である場合にのみ給気空気の吹出温度を抑制することができ、給気空気の吹出温度の抑制により室内空気の湿度環境が不快な状態になることがない。
したがって、実施の形態3では、室内空気の湿度環境を考慮して、給気空気の吹出温度を抑制可能であり、吹出温度抑制運転に起因して室内空気の湿度環境が不快な状態になることを抑制できる。
実施の形態4.
図10は、本発明の実施の形態4にかかる熱交換型換気装置110の内部構成の概略を示す模式平面図である。図11は、本発明の実施の形態4における熱交換型換気装置110の運転に関わる機能構成を示す図である。
本実施の形態4にかかる熱交換型換気装置110は、上述した実施の形態1から実施の形態3にかかる熱交換型換気装置100の構成に加えて、室内空気の温度および室内空気の湿度を測定可能な室内温湿度測定部12を備える。室内温湿度測定部12は、熱交換排気風路1bとバイパス排気風路1dとの共通部分における全熱交換器4よりも上流側の位置に設けられる。すなわち、室内温湿度測定部12は、排気風路における全熱交換器4よりも上流側の位置に設けられている。
給気温湿度測定部16により測定された給気温度T_saおよび給気相対湿度RH_saと、室内温湿度測定部12により測定された室内空気の温度である室内温度T_raおよび室内空気の湿度である室内相対湿度RH_raと、リモートコントローラ15より入力された情報とは、入力インターフェース18を介して抑制運転制御部21に送られる。また、抑制運転制御部21から送信される制御信号は、出力インターフェース19を介して、送風部17と、温度調整コイル5と、ダンパ13に送信される。送風部17と温度調整コイル5とダンパ13とは、受信した制御信号に従って、送風部17の出力、温度調整コイル5の出力、またはダンパ13の開閉動作を変更する。
図12は、本発明の実施の形態4にかかる熱交換型換気装置110の吹出温度抑制運転の手順を示すフローチャートである。以下において説明する本実施の形態4では、上述した実施の形態3の場合と同様に、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を湿度に基づいて行った結果に基づいて、吹出温度抑制運転を実施する。吹出温度抑制運転における吹出温度抑制制御は、上述した実施の形態1および実施の形態2のいずれか一方と同一である。
実施の形態3では、抑制運転制御部21は、室内設定湿度と給気湿度とを比較して吹出温度抑制運転の実施の可否を判定した。実施の形態4では、室内設定湿度ではなく、室内温湿度測定部12における測定結果により得られる室内湿度である室内相対湿度RH_raまたは室内絶対湿度AH_raと、給気湿度とを比較することで吹出温度抑制運転の実施の可否を判定する。
まず、ステップS810において、給気温湿度測定部16が、予め決められた測定周期で給気温度T_saと、給気相対湿度RH_saと、を測定する。給気温湿度測定部16は、測定された給気温度T_saの情報と、給気相対湿度RH_saの情報と、を抑制運転制御部21に送信する。ステップS810の後、ステップS820に進む。
ステップS820では、室内温湿度測定部12が、予め決められた測定周期で室内温度T_raと、室内相対湿度RH_raと、を測定する。室内温湿度測定部12は、測定された室内温度T_raの情報と、室内相対湿度RH_raの情報と、を抑制運転制御部21に送信する。ステップS820の後、ステップS830に進む。
ステップS830では、抑制運転制御部21が、給気温度T_saと給気相対湿度RH_saとにより、給気絶対湿度AH_saを算出する。なお、給気温湿度測定部16において、直接、絶対湿度を測定可能な場合は、給気絶対湿度AH_saの算出を省略してもよい。また、抑制運転制御部21が、室内温度T_raと室内相対湿度RH_raとにより、室内絶対湿度AH_raを算出する。なお、室内温湿度測定部12において、直接、室内絶対湿度AH_raを測定可能な場合は、室内絶対湿度AH_raの算出を省略してもよい。ステップS830の後、ステップS840に進む。
給気絶対湿度AH_saは、上記の数式(4)により算出される。室内絶対湿度AH_raは、下記の数式(6)により算出される。
また、上記の数式(6)において、βは以下の数式(7)であらわされる。
ステップS840では、抑制運転制御部21が、熱交換型換気装置110の現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。ステップS840で、運転モードが暖房運転であると判定された場合は、ステップS840においてYesとなり、ステップS850に進む。ステップS840において運転モードが暖房運転ではないと判定された場合は、ステップS840においてNoとなり、ステップS890に進む。
ステップS850では、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を給気相対湿度RH_saと室内相対湿度RH_raとを用いて判定する相対湿度判定を実施するか否かを判定する。ステップS850において相対湿度判定を実施すると判定された場合は、ステップS850においてYesとなり、ステップS860に進む。ステップS850において相対湿度判定を実施しないと判定された場合は、ステップS850においてNoとなり、ステップS880に進む。
ステップS860では、抑制運転制御部21が、給気相対湿度RH_saが室内相対湿度RH_ra以上であるか否かを判定する。ステップS860で、給気相対湿度RH_saが室内相対湿度RH_ra以上であると判定された場合は、ステップS860においてYesとなり、ステップS870に進む。ステップS860において給気相対湿度RH_saが室内相対湿度RH_ra未満であると判定された場合は、ステップS860においてNoとなり、ステップS810に戻る。
ステップS870では、熱交換型換気装置110は、吹出温度抑制運転に移行する。すなわち、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の制御を開始する。吹出温度抑制運転および吹出温度抑制制御は、上述した実施の形態1または実施の形態2の場合と同一であり、図6のステップS310または図7のステップS510に進む。
ステップS880では、抑制運転制御部21が、給気絶対湿度AH_saが室内絶対湿度AH_ra以上であるか否かを判定する。ステップS880において給気絶対湿度AH_saが室内絶対湿度AH_ra以上であると判定された場合は、ステップS880においてYesとなり、ステップS870に進む。ステップS880において給気絶対湿度AH_saが室内絶対湿度AH_ra未満であると判定された場合は、ステップS880においてNoとなり、ステップS810に戻る。
抑制運転制御部21が、相対湿度判定を実施するか、または、吹出温度抑制運転の実施の可否を給気絶対湿度AH_saと室内絶対湿度AH_raとを用いて判定する絶対湿度判定を実施するか、を判定するための判定情報は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して抑制運転制御部21に送られ、抑制運転制御部21に設定されて記憶されている。判定情報は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して任意に変更することができる。
また、給気温湿度測定部16および室内温湿度測定部12の測定結果は、本実施の形態4にかかる吹出温度抑制運転に依らない熱交換型換気装置110の他の制御で給気温湿度測定部16および室内温湿度測定部12の測定結果を用いている場合には、他の制御で用いている測定結果を流用してもよい。
ステップS890では、抑制運転制御部21が、熱交換型換気装置110の現在の運転モードが冷房運転であるか否かを判定する。ステップS890において運転モードが冷房運転であると判定された場合は、ステップS890においてYesとなり、ステップS900に進む。ステップS890において運転モードが冷房運転ではないと判定された場合は、ステップS890においてNoとなり、ステップS810に戻る。
ステップS900では、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を給気相対湿度RH_saと室内相対湿度RH_raとを用いて判定する相対湿度判定を実施するか否かを判定する。ステップS900において相対湿度判定を実施すると判定された場合は、ステップS900においてYesとなり、ステップS910に進む。ステップS900において相対湿度判定を実施しないと判定された場合は、ステップS900においてNoとなり、ステップS920に進む。
ステップS910では、抑制運転制御部21が、給気相対湿度RH_saが室内相対湿度RH_ra以下であるか否かを判定する。ステップS910で、給気相対湿度RH_saが室内相対湿度RH_ra以下であると判定された場合は、ステップS910においてYesとなり、ステップS870に進む。ステップS910において給気相対湿度RH_saが室内相対湿度RH_raより大であると判定された場合は、ステップS910においてNoとなり、ステップS810に戻る。
ステップS920では、抑制運転制御部21が、給気絶対湿度AH_saが室内絶対湿度AH_ra以下であるか否かを判定する。ステップS920で、給気絶対湿度AH_saが室内絶対湿度AH_ra以下であると判定された場合は、ステップS920においてYesとなり、ステップS870に進む。ステップS920で、給気絶対湿度AH_saが室内絶対湿度AH_raより大であると判定された場合は、ステップS920においてNoとなり、ステップS810に戻る。
上述したように、実施の形態4では、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を、室内空気の湿度である室内相対湿度RH_raとケーシング1aから吹き出される給気空気の湿度である給気相対湿度RH_saとを比較することにより、または室内空気の湿度である室内絶対湿度AH_raとケーシング1aから吹き出される給気空気の湿度である給気絶対湿度AH_saとを比較することにより、判定する。
このような処理を行うことにより、抑制運転制御部21は、熱交換型換気装置110の暖房運転時においては給気湿度が室内湿度以上のときのみに、吹出温度抑制運転を実施するように制御することができる。これにより、熱交換型換気装置110では、室内の快適性を維持させるために、室内湿度が良好な状態である場合にのみ給気空気の吹出温度を抑制することができ、給気空気の吹出温度の抑制により室内空気の湿度環境が不快な状態になることがない。
また、抑制運転制御部21は、熱交換型換気装置110の冷房運転時においては、給気湿度が室内湿度以下のときのみに、吹出温度抑制運転を実施するように制御することができる。これにより、熱交換型換気装置110では、室内の快適性を維持させるために、室内湿度が良好な状態である場合にのみ給気空気の吹出温度を抑制することができ、給気空気の吹出温度の抑制により室内空気の湿度環境が不快な状態になることがない。
したがって、実施の形態4では、室内空気の湿度環境を考慮して、給気空気の吹出温度を抑制可能であり、吹出温度抑制運転に起因して室内空気の湿度環境が不快な状態になることを抑制できる。
なお、上述した実施の形態3に示した制御と、実施の形態4に示した制御とを組み合わせて実行することも可能である。
実施の形態5.
図13は、本発明の実施の形態5における熱交換型換気装置110の運転に関わる機能構成を示す図である。本実施の形態5における吹出温度抑制運転では、制御部20が室内設定湿度を記憶しており、実施の形態1または実施の形態2において示した吹出温度抑制運転を実施する前に、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を室内空気の湿度に基づいて行う。本実施の形態5では、室内温湿度測定部12における測定結果により得られる室内湿度である室内相対湿度RH_raまたは室内絶対湿度AH_raと、室内設定湿度とを比較することで吹出温度抑制運転の実施の可否を判定する。
室内設定湿度は、実施の形態3と同様に、室内空気の湿度の目標となる設定値であり、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して制御部20に送られ、制御部20の制御によって記憶部23の室内設定湿度記憶部26に設定されて記憶される。室内設定湿度は、相対湿度の設定湿度である室内設定相対湿度RH_setまたは絶対湿度の設定湿度である室内設定絶対湿度AH_setによって設定することが可能である。室内設定湿度は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して任意の値に変更することができる。また、室内設定湿度は、本実施の形態5にかかる吹出温度抑制運転に依らない熱交換型換気装置110の他の制御で室内設定湿度を用いている場合には、他の制御で設定されている室内設定湿度を流用してもよい。
図14は、本発明の実施の形態5における熱交換型換気装置110の吹出温度抑制運転の手順を示すフローチャートである。以下において説明する本実施の形態5における熱交換型換気装置110の吹出温度抑制運転の制御では、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を室内空気の湿度に基づいて行った結果に基づいて、吹出温度抑制運転を実施する。吹出温度抑制運転における吹出温度抑制制御は、上述した実施の形態1および実施の形態2のいずれか一方と同一である。
まず、ステップS1010において、室内温湿度測定部12が、予め決められた測定周期で室内温度T_raと、室内相対湿度RH_raと、を測定する。室内温湿度測定部12は、測定された室内温度T_raの情報と、室内相対湿度RH_raの情報と、を抑制運転制御部21に送信する。ステップS1010の後、ステップS1020に進む。室内温湿度測定部12の測定結果は、本実施の形態5にかかる吹出温度抑制運転に依らない熱交換型換気装置110の他の制御で室内温湿度測定部12の測定結果を用いている場合には、他の制御で用いている測定結果を流用してもよい。
ステップS1020では、抑制運転制御部21が、室内温度T_raと室内相対湿度RH_raとにより、室内絶対湿度AH_raを算出する。なお、室内温湿度測定部12において、直接、室内絶対湿度AH_raを測定可能な場合は、室内絶対湿度AH_raの算出を省略してもよい。ステップS1020の後、ステップS1030に進む。
室内絶対湿度AH_raは、上記の数式(6)により算出される。
ステップS1030では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが暖房運転であるか否かを判定する。ステップS1030において運転モードが暖房運転であると判定された場合は、ステップS1030においてYesとなり、ステップS1040に進む。ステップS1030において運転モードが暖房運転ではないと判定された場合は、ステップS1030においてNoとなり、ステップS1080に進む。
ステップS1040では、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を室内相対湿度RH_raを用いて判定する相対湿度判定を、実施するか否かを判定する。ステップS1040において相対湿度判定を実施すると判定された場合は、ステップS1040においてYesとなり、ステップS1050に進む。ステップS1040において相対湿度判定を実施しないと判定された場合は、ステップS1040においてNoとなり、ステップS1070に進む。
抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を室内相対湿度RH_raを用いて判定する相対湿度判定を実施するか、または、吹出温度抑制運転の実施の可否を室内絶対湿度AH_raを用いて判定する絶対湿度判定を実施するか、を判定するための判定情報は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して抑制運転制御部21に送られ、抑制運転制御部21に設定されて記憶されている。判定情報は、リモートコントローラ15から入力インターフェース18を介して任意に変更することができる。
ステップS1050では、抑制運転制御部21が、室内相対湿度RH_raが室内設定湿度である室内設定相対湿度RH_set以上であるか否かを判定する。ステップS1050において室内相対湿度RH_raが室内設定相対湿度RH_set以上であると判定された場合は、ステップS1050においてYesとなり、ステップS1060に進む。ステップS1050において室内相対湿度RH_raが室内設定相対湿度RH_set未満であると判定された場合は、ステップS1050においてNoとなり、ステップS1010に戻る。
ステップS1060では、熱交換型換気装置110は、吹出温度抑制運転に移行する。すなわち、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の制御を開始する。吹出温度抑制運転および吹出温度抑制制御は、上述した実施の形態1または実施の形態2の場合と同一であり、図6のステップS310または図7のステップS510に進む。
ステップS1070では、抑制運転制御部21が、室内絶対湿度AH_raが室内設定湿度である室内設定絶対湿度AH_set以上であるか否かを判定する。ステップS1070で、室内絶対湿度AH_raが室内設定絶対湿度AH_set以上であると判定された場合は、ステップS1070においてYesとなり、ステップS1060に進む。ステップS1070において室内絶対湿度AH_raが室内設定絶対湿度AH_set未満であると判定された場合は、ステップS1070においてNoとなり、ステップS1010に戻る。
温度調整コイル5の現在の運転モードが暖房運転である場合にステップS1050およびステップS1070で用いる室内設定湿度は、第3室内設定湿度である。
ステップS1080では、抑制運転制御部21が、温度調整コイル5の現在の運転モードが冷房運転であるか否かを判定する。ステップS1080において運転モードが冷房運転であると判定された場合は、ステップS1080においてYesとなり、ステップS1090に進む。ステップS1080において運転モードが冷房運転ではないと判定された場合は、ステップS1080においてNoとなり、ステップS1010に戻る。
ステップS1090では、抑制運転制御部21が、吹出温度抑制運転の実施の可否を室内相対湿度RH_raで判定する相対湿度判定を実施するか否かを判定する。ステップS1090において相対湿度判定を実施すると判定された場合は、ステップS1090においてYesとなり、ステップS1100に進む。ステップS1090において相対湿度判定を実施しないと判定された場合は、ステップS1090においてNoとなり、ステップS1110に進む。
ステップS1100では、抑制運転制御部21が、室内相対湿度RH_raが室内設定湿度である室内設定相対湿度RH_set以下であるか否かを判定する。ステップS1100において室内相対湿度RH_raが室内設定相対湿度RH_set以下であると判定された場合は、ステップS1100においてYesとなり、ステップS1060に進む。ステップS1100において室内相対湿度RH_raが室内設定相対湿度RH_setより大であると判定された場合は、ステップS1100においてNoとなり、ステップS1010に戻る。
なお、ステップS1100における室内設定相対湿度RH_setは、ステップS1050における室内設定相対湿度RH_setと異なる値であってもよい。
ステップS1110では、抑制運転制御部21が、室内絶対湿度AH_raが室内設定湿度である室内設定絶対湿度AH_set以下であるか否かを判定する。ステップS1110において室内絶対湿度AH_raが室内設定絶対湿度AH_set以下であると判定された場合は、ステップS1110においてYesとなり、ステップS1060に進む。
ステップS1110において室内絶対湿度AH_raが室内設定絶対湿度AH_setより大であると判定された場合は、ステップS1110においてNoとなり、ステップS1010に戻る。
温度調整コイル5の現在の運転モードが冷房運転である場合にステップS1100およびステップS1110で用いる室内設定湿度は、第4室内設定湿度である。なお、ステップS1110における室内設定絶対湿度AH_setは、ステップS1070における室内設定絶対湿度AH_setと異なる値であってもよい。
上述したように、本実施の形態5では、吹出温度抑制運転の実施の可否の判定を、室内設定湿度である室内設定相対湿度RH_setと室内相対湿度RH_raとを比較することにより、または室内設定湿度である室内設定絶対湿度AH_setと室内絶対湿度AH_raとを比較することにより、判定する。
このような処理を行うことにより、抑制運転制御部21は、熱交換型換気装置110の暖房運転時においては室内空気の湿度である室内湿度が室内設定湿度以上のときのみに、吹出温度抑制運転を実施するように制御することができる。これにより、熱交換型換気装置110では、室内の快適性を維持させるために、室内湿度が良好な状態である場合にのみ給気空気の吹出温度を抑制することができ、給気空気の吹出温度の抑制により室内空気の湿度環境が不快な状態になることがない。
また、抑制運転制御部21は、熱交換型換気装置110の冷房運転時においては、室内湿度が室内設定湿度以下のときのみに、吹出温度抑制運転を実施するように制御することができる。これにより、熱交換型換気装置110では、室内の快適性を維持させるために、室内湿度が良好な状態である場合にのみ給気空気の吹出温度を抑制することができ、給気空気の吹出温度の抑制により室内空気の湿度環境が不快な状態になることがない。
したがって、実施の形態5では、室内空気の湿度環境を考慮して、給気空気の吹出温度を抑制可能であり、吹出温度抑制運転に起因して室内空気の湿度環境が不快な状態になることを抑制できる。
なお、上述した実施の形態3に示した制御と、実施の形態4に示した制御と、実施の形態5に示した制御と、を組み合わせて実行することも可能である。
続いて、本発明の実施の形態1にかかる制御部20のハードウェア構成について説明する。制御部20の各部の機能は、処理回路により実現される。これらの処理回路は、専用のハードウェアにより実現されてもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いた制御回路であってもよい。
上記の処理回路が、専用のハードウェアにより実現される場合、これらは、図15に示す処理回路200により実現される。図15は、本発明の実施の形態1にかかる制御部20の機能を実現するための専用のハードウェアを示す図である。処理回路200は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。
上記の処理回路が、CPUを用いた制御回路で実現される場合、この制御回路は例えば図16に示す構成の制御回路201である。図16は、本発明の実施の形態1にかかる制御部20の機能を実現するための制御回路201の構成を示す図である。図16に示すように、制御回路201は、プロセッサ202と、メモリ203とを備える。プロセッサ202は、CPUであり、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)などとも呼ばれる。メモリ203は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)などである。
上記の処理回路が制御回路201により実現される場合、プロセッサ202がメモリ203に記憶された、各構成要素の処理に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ203は、プロセッサ202が実行する各処理における一時メモリとしても使用される。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、実施の形態の技術同士を組み合わせることも可能であるし、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。