JP7145803B2 - フロントグリル - Google Patents
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Description
しかし、通気の必要がない部位において、凹入箇所の底面側に、例えば無孔の扁平板状体を取り付けると、凹入箇所の深さをかなり深くしない限り、正面視では、奥行きの少ない底の浅い凹入箇所であるように認識され易く、重厚感に欠け見栄えが低下する虞がある。この点で改善の余地がある。
したがって、フロントグリルを正面側から目視した場合に、凹入部の凹入深さの割に、凹入箇所が奥行きのある見栄えの良い構造として認識され易い。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明を適用した作業車の一例であるユーティリティービークルにおいて、走行機体の作業走行時における前進側の進行方向(図1,2における矢印F参照)が「前」、後進側への進行方向(図1,2における矢印B参照)が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての右側に相当する方向(図2における矢印R参照)が「右」、同様に左側に相当する方向(図2における矢印L参照)が「左」である。
図1に示すように、左右一対の操向自在なタイヤ車輪で構成された前輪11と、左右一対のタイヤ車輪で構成された後輪12とを、車体フレーム1の前後に振り分けて配置してある。その前輪11と後輪12の間に、前輪11と後輪12を駆動する原動部4と、運転座席5、操縦操作部6、及びボンネット3を備えた運転部7と、を設けてある。
そして、前記車体フレーム1の後部には、荷台8を車体後部に位置する横向きの水平方向軸芯x1まわりで上下揺動自在に装備してある。これらの車体フレーム1、前輪11と後輪12、原動部4、運転部7、荷台8、を備えたユーティリティビークルによって作業車を構成している。
運転部7においては、左右のメインフレーム10上に運転部フロア70が設けられ、その前部にステアリングホイール60を備えた操縦操作部6が配設され、後部に運転座席5が配設されている。
運転座席5は、着座シート52、及び背当てシート53を備えている。左右のメインフレーム10上に立設された座席支持枠50が備えられている。座席支持枠50の前向き面及び上向き面にわたって遮蔽壁51を備えられている。
そして、遮蔽壁51の上向き面部分の上側に着座シート52が設置され、座席支持枠50の後方側に背当てシート53が固定されている。
原動部4は、運転座席5の後方下部に設けられている。原動部4には、水冷式エンジン40と、トランスミッションケース41とを左右に振り分け配置してある。したがって、これらを前後に並べる場合に比べて原動部4の前後長が短縮される。トランスミッションケース41からの出力は、左右の後輪12、および前輪11に伝達されるように構成されている。
すなわち、図2に示すように、エンジン40およびトランスミッションケース41は、燃料タンク54およびラジエータ2に対して、前後方向でも左右方向でも平面視で位置ずれした状態に配置されていて、原動部4全体の前後方向寸法を短くするように工夫されている。
このエキゾーストマニホールド42は、エンジン本体40A内の各気筒に繋がる複数の排気路(図示せず)を備えた一つの円筒状の集合管部分42aを備えている。円筒状の集合管部分4aは、筒軸線方向を水平方向に沿わせた横向き姿勢で配置され、エンジン本体40Aの上部に隣接した箇所で、エンジン本体40Aの側部から突出した状態に設けられている。
集合管部分42aには、マフラー44へ向けて排気を導出するための排気用導管43が連設されている。
車体フレーム1の前端部にボンネット3が設けられている。
ボンネット3は、図1及び図3に示されるように、車体フレーム1に固定された下部ボンネット3Aと、その下部ボンネット3Aに後端側を支持されて横軸心(図示せず)周りに揺動し、前端側を上方側へ揺動開閉可能に取り付けられた上部ボンネット3Bと、を備えている。
上部ボンネット3Bの左右両脇には、左右一対の前照灯30,30が設けられ、前端部には、フロントグリル31が設けられ、これらは上部ボンネット3Bの揺動作動に伴って一体的に上下揺動可能に取り付けられている。
図4に示すように、フロントグリル31は、多数の縦桟32(桟部材に相当する)と多数の横桟33(桟部材に相当する)が互いに交差する状態に配置されて、正面視で格子状に形成されている。
縦桟32と横桟33の交差箇所には、背面側へ凹入する凹入部34が形成されている。この凹入部34は、通気の必要がない箇所に形成されたものである。つまり、このボンネット3の内部には、エンジン40やラジエータ2などの冷却が必要な装置類が配設されておらず、前輪11のサスペンション機構(図示せず)等が内装されているだけあるため、通気の必要がない。
図4及び図5に示すように、凹入部34の夫々は、正面視で内周面における左右方向での内径が上下方向での内径よりも長く形成された横長扁平状の凹入穴である。各凹入部34は、上下方向及び左右方向に所定間隔を隔てて配設されるとともに、凹入部34の横長扁平部分を対向させて上下方向で列状に並ぶ状態に配設されている。この上下方向で列状に並ぶ状態の凹入部34群が凹入部縦列であり、この凹入部縦列が、左右方向で隣接する箇所に設けられている。
そして、左右方向で互いに隣接する位置にある凹入部縦列同士の間では、一方の凹入部縦列内で特定の高さ位置にある凹入部34の上下方向高さが、他方の前記凹入部縦列内において上下方向で隣り合う位置に備えられた凹入部34同士の中間の高さ位置となるように設けられている。
図5に示すように、凹入部34の内奥側は、底面部分34aによって閉塞されている。そして、底面部分34aは、当然のことながら、縦桟32及び横桟33の前端縁(正面側の端縁に相当する)よりも背面側の内奥部に位置している。
そして、底面部分34aには、底面部分34aの最奥部よりも正面側(前方側)へ向けて突出する小凸部35が形成されている。
したがって、正面側から凹入部34へ入射した光は、内奥部で小凸部35の傾斜面35aに当接して、入射方向とは異なる方向へ拡散される。これによって、正面視では凹入部34の内奥側は、単なる扁平板を設けた場合に比べて、かなり反射光量が少なくなり、奥行きのある形状として認識され易い。
上記の実施形態では、小凸部35として、横長形状の凹入部34の横桟33の長手方向に沿うように横長突条に形成した構造のものを例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、横長形状の凹入部34においても、縦桟32に沿う方向、あるいは、縦桟32及び横桟33に対して傾斜する方向に沿って形成されたものであってもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、小凸部35の形状として、正面側(前方側)ほど細くなる山形の断面形状を有した形状のものを示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小凸部35として、断面が湾曲した突条のものであったり、多数の半球状や球状の突起で構成されたものであったり、全く不規則な凹凸断面形状のものであったりしても良い。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、底面部分34aで閉塞された凹入部34を、エンジン40やラジエータ2などの冷却が必要な装置類が配設されておらず、全く通気の必要がないボンネット3を対象としたフロントグリル31に設けた構造を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ボンネット3内に、エンジン40やラジエータ2、あるいはバッテリなどの、冷却が必要な熱源を備えた場合にも、それほど、冷却風を通過させる必要がない箇所に対して適用することもできる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
34 凹入部
34a 底面部分
35 小凸部
35a 傾斜面
Claims (3)
- 正面視において、互いに交差する多数の桟部材を備え、
前記桟部材同士で囲まれる部位に、背面側へ凹入する多数の凹入部が形成され、
前記凹入部のうち、通気の必要がない箇所に形成された前記凹入部に、前記桟部材の正面側の端縁よりも背面側に位置する底面部分が設けら<れ、
前記底面部分に、前記底面部分の最奥部よりも前記正面側へ向けて突出する小凸部が形成され、
前記凹入部の夫々は、正面視で内周面における左右方向での内径が上下方向での内径よりも長く形成された横長扁平状の凹入穴であり、
前記凹入部同士は、上下方向及び左右方向に所定間隔を隔てて配設されるとともに、前記凹入部の横長扁平部分を対向させて上下方向で列状に並ぶ凹入部縦列が、左右方向で隣接する箇所に設けられ、
左右方向で互いに隣接する位置にある凹入部縦列同士の間では、一方の凹入部縦列内で特定の高さ位置にある凹入部の上下方向高さが、他方の前記凹入部縦列内において上下方向で隣り合う位置に備えられた凹入部同士の中間の高さ位置であるフロントグリル。 - 前記小凸部は、一つの前記凹入部内に複数個が形成されている請求項1記載のフロントグリル。
- 前記小凸部は、正面からの入射光に対して斜めに交差する傾斜面を備えている請求項1又は2記載のフロントグリル。
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