JP5086773B2 - 走行車両のキャビン構造の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、後輪フェンダの湾曲面に沿って斜めに配設するフレーム部材を、二次元曲げ加工により容易に成形することができる走行車両のキャビン構造の製造方法を実現することを目的とする。
(構成)
本発明の第1特徴は、走行車両のキャビン構造の製造方法を次のようにすることにある。
走行車体の後部に運転部を覆うキャビンを備え、前記キャビンを、キャビンフレームと、前記キャビンフレームの両側部に開閉可能に装備された右及び左のドアとを備えて構成してある走行車両のキャビン構造において、
前後に湾曲した形状に成形された右及び左の後輪フェンダの上面側に、前記キャビンフレームの右及び左のフレーム部材を、前記右及び左のフレーム部材の後端部間の幅が、前記右及び左のフレーム部材の前端部間の幅より狭くなるように、前記右及び左の後輪フェンダの湾曲面に沿って斜めに配設する走行車両のキャビン構造の製造方法であって、
前記後輪フェンダは、その後端部を前記キャビンフレームの後縦フレームの下端部に固定し、且つ、その前端部を前記キャビンフレームのデッキ板に固定してあり、
その後輪フェンダは、側面視において、後端部上面側を前記デッキ板のデッキ面と平行とし、前記湾曲面を前記デッキ面と平行な部分の前端部から前方下方に湾曲させて形成してあり、
前記フレーム部材において、前記後輪フェンダの湾曲面に沿って斜めに配設する湾曲部分を、平面視で機体外側に湾曲した形状に成形してあり、
そのフレーム部材の湾曲部分を成形する際に用いる治具は、前記後輪フェンダの湾曲面における配設箇所に前記湾曲部分を配設した場合に平面視にてそのフレーム部材の湾曲部分を含む仮想平面と前記後輪フェンダの湾曲面の前後方向に延びる前後平面とによって形成される角度に応じて設定された所定角度だけ、円弧状の成形基準面に対して傾斜させた接当面を備えてあり、
角パイプにて構成された前記フレーム部材の1つの面をフレーム基準面とし、そのフレーム部材の前記フレーム基準面を前記治具の前記接当面に接当させて、前記フレーム部材を前記治具の前記成形基準面に沿って円弧状に曲げ加工して、前記フレーム部材の前記湾曲部分を成形し、
その曲げ加工された前記フレーム部材を、そのフレーム基準面を前記後輪フェンダにおける前記デッキ面と平行な部分の上面及び前記後輪フェンダにおける湾曲面に接当させる状態で、前記後輪フェンダの上面側に取り付ける。
図1に基づいて走行車両の一例であるトラクタの全体構成について説明する。図1は、トラクタの全体側面図を示す。図1に示すように、このトラクタは、左右一対の操向操作及び駆動自在な前輪1と、左右一対の駆動自在な後輪2とを走行車体3に備えた四輪駆動仕様に構成されている。走行車体3の前部に、エンジン4等が内装されたボンネット部5を備え、走行車体3の後部に、ステアリングハンドル6、運転座席7等が内装されたキャビン8を備える。
図2〜図6に基づいてキャビンフレーム20の詳細構造について説明する。図2は、キャビンフレーム20の全体斜視図を示す。図3及び図4は、キャビンフレーム20の全体左側面図及び横断平面図をそれぞれ示し、図5及び図6は、キャビンフレーム20の全体正面図及び全体背面図をそれぞれ示す。
図7〜図9に基づいてフレーム部材50の詳細構造及び成形方法について説明する。図7は、左のフレーム部材50の部品図であり、図7(a)が左のフレーム部材50を機体内側から見た図であり、図7(b)が図7(a)のフレーム部材50を紙面右側から見た図(フレーム部材50を湾曲成形する方向から見た図)である。図8は、左のフレーム部材50の成形状況を説明するための概略断面図(正面図)である。図9は、仮想平面Xを説明する概略図であり、図9(a)がフレーム部材50付近の概略正面図であり(図5参照)、図9(b)がフレーム部材50を傾斜させて湾曲成形する場合における傾斜角αを説明する概略図である。なお、図7〜図9においては、左のフレーム部材50について説明するが、右のフレーム部材50についても左右の勝手が異なる以外の他の構成は同様である。
前述の[発明を実施するための最良の形態]においては、フレーム部材50を平面視で湾曲した形状に、後輪フェンダ30の湾曲面30Aに沿って斜めに配設した例を示したが、本発明の参考形態として、フレーム部材50を後輪フェンダ30の湾曲面30Aに沿って斜めに配設するのであれば、フレーム部材50の平面視での形状は異なる形状であってもよく、例えばフレーム部材50を平面視で直線状や屈曲した形状に配設してもよい。具体的には、例えば図10(a)に示すように、フレーム部材50を後輪フェンダ30の上面側に平面視で直線状に配設してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]及び[発明の実施の第1別形態]においては、左右の前縦フレーム31及び左右の後縦フレーム36を備えて、4柱式のキャビンフレーム20を構成し、この4柱式のキャビンフレーム20にフレーム部材50を適用した例を示したが、2柱式、6柱式又は8柱式等異なる構造のキャビンフレーム20においても同様に適用できる。
えて、左右の中縦フレーム61を備えて、6柱式のキャビンフレーム20を構成し、左右の前縦フレーム31と左右の中縦フレーム61とに亘るフレームの一部として、平面視で湾曲した形状のフレーム部材50を設け、左右の中縦フレーム61と左右の後縦フレーム36とに亘って平面視で前後方向に沿った直線状の通常のフレーム62を設けてもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]及び[発明の実施の第2別形態]においては、角パイプ材を曲率半径R1,R2で湾曲成形することで、フレーム部材50を構成した例を示したが、フレーム部材50を円弧状に曲げ加工する曲率半径として異なるものを採用してもよく、例えば単一の曲率半径でフレーム部材50を円弧状に曲げ加工してもよく、3以上の曲率半径でフレーム部材50を円弧状に曲げ加工してもよい。また、曲率半径に限らず、楕円曲線等における所定の曲率で円弧状に曲げ加工してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]及び[発明の実施の第3別形態]においては、フレーム部材50を断面形状が正方形の角パイプ材で構成した例を示したが、異なる断面形状の角パイプ材を採用してもよく、例えば断面形状が長方形状の角パイプ材を採用してもよい。
前述の[発明を実施するための最良の形態]、[発明の実施の第1別形態]、[発明の実施の第2別形態]、[発明の実施の第3別形態]及び[発明の実施の第4別形態]においては、走行車両の一例としてトラクタを例に示したが、異なる走行車両においても同様に適用できる。
8 キャビン
17 ドア
20 キャビンフレーム
28 デッキ板
28A デッキ面
30 後輪フェンダ
30A 湾曲面
36 後縦フレーム
50 フレーム部材
52,53 湾曲部分
60 治具
60A 接当面
W1 フレーム部材の後端部間の幅
W2 フレーム部材の前端部間の幅
X 仮想平面
Y 前後平面
Claims (1)
- 走行車体の後部に運転部を覆うキャビンを備え、前記キャビンを、キャビンフレームと、前記キャビンフレームの両側部に開閉可能に装備された右及び左のドアとを備えて構成してある走行車両のキャビン構造において、
前後に湾曲した形状に成形された右及び左の後輪フェンダの上面側に、前記キャビンフレームの右及び左のフレーム部材を、前記右及び左のフレーム部材の後端部間の幅が、前記右及び左のフレーム部材の前端部間の幅より狭くなるように、前記右及び左の後輪フェンダの湾曲面に沿って斜めに配設する走行車両のキャビン構造の製造方法であって、
前記後輪フェンダは、その後端部を前記キャビンフレームの後縦フレームの下端部に固定し、且つ、その前端部を前記キャビンフレームのデッキ板に固定してあり、
その後輪フェンダは、側面視において、後端部上面側を前記デッキ板のデッキ面と平行とし、前記湾曲面を前記デッキ面と平行な部分の前端部から前方下方に湾曲させて形成してあり、
前記フレーム部材において、前記後輪フェンダの湾曲面に沿って斜めに配設する湾曲部分を、平面視で機体外側に湾曲した形状に成形してあり、
そのフレーム部材の湾曲部分を成形する際に用いる治具は、前記後輪フェンダの湾曲面における配設箇所に前記湾曲部分を配設した場合に平面視にてそのフレーム部材の湾曲部分を含む仮想平面と前記後輪フェンダの湾曲面の前後方向に延びる前後平面とによって形成される角度に応じて設定された所定角度だけ、円弧状の成形基準面に対して傾斜させた接当面を備えてあり、
角パイプにて構成された前記フレーム部材の1つの面をフレーム基準面とし、そのフレーム部材の前記フレーム基準面を前記治具の前記接当面に接当させて、前記フレーム部材を前記治具の前記成形基準面に沿って円弧状に曲げ加工して、前記フレーム部材の前記湾曲部分を成形し、
その曲げ加工された前記フレーム部材を、そのフレーム基準面を前記後輪フェンダにおける前記デッキ面と平行な部分の上面及び前記後輪フェンダにおける湾曲面に接当させる状態で、前記後輪フェンダの上面側に取り付ける走行車両のキャビン構造の製造方法。
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JP2007278994A JP5086773B2 (ja) | 2007-10-26 | 2007-10-26 | 走行車両のキャビン構造の製造方法 |
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