JP7145781B2 - 膜材設置方法、及び、屋根構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛直方向に延びる筒状の壁体の上面開口を塞ぐように、可撓性を有する膜材を壁体に設置する方法と、この壁体の上面開口を塞ぐ屋根を構築する方法とに関する。
特許文献1は、鉛直方向に延びる円筒状の壁体と、その上面開口を塞ぐドーム屋根と、からなる貯槽等の構造物を開示している。特許文献1では、ドーム屋根の構築に際して、壁体の上面開口を塞ぐように、可撓性を有する膜材を壁体に設置している。この膜材の設置時には、膜材の中央をクレーンで吊り上げ、この吊り点(例えばクレーンのフック)を構造物の中央まで持っていき、膜材外周部に設けられた引き込みロープを作業員等が壁体の上端部に引き寄せて、膜材外周部を壁体の上端部に固定する(特許文献1の図1参照)。
特許第5419009号公報
しかしながら、前述の構造物の大型化により、壁体の内径が例えば80~100m程度になると、膜材の中央をクレーンで吊り上げたときに、膜材の長さ(上下方向の長さ)が45~55m程度になる。また、膜材をその中央で吊り上げるクレーンについては、壁体外に据え付けられることから、その作業半径として45~55m程度を確保する必要がある。ゆえに、膜材を吊り上げるクレーンとして超大型のクレーンを調達しなければならなかった。
また、前述の構造物の大型化により、膜材の重量も重くなるので、壁体の上端部への膜材外周部の引き込み作業を人力で行うことが難しくなる。それゆえ、当該引き込み作業を行うために、ウインチなどの引き込み機械を新たに導入しなければならなかった。
本発明は、このような実状に鑑み、大型の構造物における膜材の設置時に簡素な施工機械で施工を行うことを目的とする。
そのため本発明に係る膜材設置方法は、鉛直方向に延びる筒状の壁体の上面開口を塞ぐように、可撓性を有する膜材を壁体に設置する方法である。本発明に係る膜材設置方法は、上面に複数の取付治具が設置された膜材を折り畳む膜材折り畳み工程と、折り畳まれた膜材を壁体の上端部の一側まで運搬する膜材運搬工程と、第1線状部材を壁体の上端部の一側と他側とに架け渡す第1線状部材架設工程と、取付治具に第1線状部材を取り付けた状態の、折り畳まれた膜材を、第1線状部材に沿って、壁体の上端部の一側から他側まで展開する膜材展開工程と、展開された膜材の周縁部を壁体の上端部に固定する膜材固定工程と、を含む。
本発明に係る屋根構築方法は、前述の膜材設置方法を用いて、壁体の上面開口を塞ぐ屋根を構築する方法である。本発明に係る屋根構築方法は、膜材固定工程の後に、第1線状部材を残置した状態で、膜材と壁体とで囲まれる空間内の気圧を上昇させる昇圧工程と、この昇圧によって膨らんだ膜材の上面上にコンクリート製の屋根本体を構築する屋根本体構築工程と、を含む。
本発明によれば、前述の膜材運搬工程及び膜材展開工程を含むことにより、前述の超大型のクレーンや引き込み機械を用いることなく、膜材の壁体への設置を行うことができる。ゆえに、大型の構造物における膜材の設置時に簡素な施工機械で施工を行うことができる。
本発明の第1実施形態における廃棄物処分用の構造物の概略構成を示す図 同上実施形態における膜材の設置方法を示すフローチャート 同上実施形態における膜材に設置された取付治具を示す平面図 同上実施形態における取付治具に取り付けられた第2線状部材を示す平面図 同上実施形態における折り畳まれた膜材を示す平面図 同上実施形態における展開された膜材を示す平面図 同上実施形態における膜材の展開方法を示す図 同上実施形態における取付治具を示す図 同上実施形態における取付治具に取り付けられた第1線状部材及び第2線状部材を示す図 同上実施形態における壁体の上端部に膜材及び第2線状部材を固定する方法を示す図 同上実施形態における屋根の構築方法を示す図 本発明の第2実施形態における膜材の設置方法を示すフローチャート 本発明の第3実施形態における膜材の設置方法を示すフローチャート 本発明の第4実施形態における膜材の設置方法を示すフローチャート
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における廃棄物処分用の構造物の概略構成を示す。
尚、本実施形態では、本発明に係る膜材設置方法及び屋根構築方法が適用される構造物の例として、廃棄物処分用の構造物を挙げて以下説明するが、本発明に係る膜材設置方法及び屋根構築方法が適用される構造物は、廃棄物処分用の構造物に限らない。
廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分類され、一般廃棄物は、生ごみ、破砕ごみ、焼却灰などの形状で、地方自治体が準備する一般廃棄物処分場に埋立処分される。一般廃棄物処分場の形態としては、屋根無し(オープン型)、屋根付き(クローズドシステム)に、また平面処分場、深型処分場に分けられる。いずれも、法規上は管理型最終処分場に相当する。
図1に示す廃棄物処分用の構造物1は、クローズドシステム・深型の廃棄物処分場であり、廃棄物を埋立処分するためのものである。本実施形態では、構造物1は、構造物1内の大気中に廃棄物が投棄される気中処分型である。
構造物1の筒状の壁体2は、地面GLから下方に延びるように構築されている。ここで、図1において、地面GL下は、原地盤(施工地盤)G1と盛土G2とによって構成されている。すなわち、壁体2は、その側方が、原地盤G1及び盛土G2によって囲まれている。
尚、図1に示す地面GLは、盛土G2の上面に対応する。図1に示すレベルL1は、原地盤G1の上面(盛土G2の下面)に対応する。図1に示すレベルL2は、原地盤G1の不透水層Pの上面に対応する。ここで、図1には、原地盤G1の地下水位WLが例示されている。
構造物1は、壁体2と、屋根3と、底版コンクリート4と、砕石層5とを含んで構成される。
本実施形態では壁体2は円筒状である。壁体2は、地中(原地盤G1中及び盛土G2中)を鉛直方向に延びている。壁体2は、廃棄物埋立用の空間7を囲む。換言すれば、壁体2は、その内側に、廃棄物が投棄される空間7を有する。
壁体2は、第1壁部11と第2壁部12とリングコンクリート部13とにより構成されている。
第1壁部11は壁体2の下側部分を構成するものであり、鉛直方向に延びる筒状である。本実施形態では、第1壁部11は円筒状である。
第1壁部11は、原地盤G1に埋設されており、第1壁部11の下端部が原地盤G1の不透水層Pに達している。
本実施形態では、第1壁部11は、地中連続壁工法によって構築される鉄筋コンクリート連続壁(RC連壁)からなる。ここで、地中連続壁工法では、原地盤G1にて安定液を用いて掘削した掘削溝に鉄筋籠を挿入し、当該掘削溝にコンクリートを打設することで、原地盤G1中にRC連壁を構築する。
尚、本実施形態では、第1壁部11の構築方法として地中連続壁工法を採用したが、第1壁部11の構築方法はこれに限らない。例えば、第1壁部11の構築方法として、SMW工法(登録商標)やTRD工法(登録商標)などのソイルモルタル連壁工法を採用してしてもよい。
第1壁部11は遮水性を有する。ゆえに第1壁部11は遮水壁として機能し得る。
第2壁部12は第1壁部11の直上に立設されている。第2壁部12は壁体2の上側部分を構成するものであり、鉛直方向に延びる筒状である。本実施形態では、第2壁部12は円筒状である。
第2壁部12は、その周囲が盛土G2によって囲まれている。第2壁部12は、例えば、鉄筋コンクリート製である。第2壁部12は遮水性を有してもよい。
第2壁部12は、その内外を連通する開口部14を有する。開口部14は、第2壁部12を貫通している。盛土G2中には、地上と開口部14とを連通する通路15が形成されている。この通路15は、廃棄物を地上から開口部14まで搬送するための搬送路として利用され得る。通路15は略水平に延びている。
リングコンクリート部13は、壁体2の上端部を構成するものであり、第2壁部12の上端部に連結して周方向に延びる環状である。本実施形態では、リングコンクリート部13は円環状である。リングコンクリート部13は、例えば、プレストレストコンクリート製である。
リングコンクリート部13の上端部には、膜材固定用の埋め込みボルト17(図10参照)と、第1線状部材固定用の治具(図示せず)と、第2線状部材固定用の治具18(図10参照)とが設置されている。
屋根3は、コンクリート製のドーム屋根(ドーム状の屋根)であり、壁体2(詳しくは、リングコンクリート部13)の上面開口を塞ぐように壁体2(詳しくは、リングコンクリート部13)に連結されている。本実施形態では屋根3の構築にエアードーム工法(登録商標)が用いられる。エアードーム工法(登録商標)では、まず、膜材21を設置し、その後、空間7内に送気することで加圧して膜材21を膨らませる。次に、膜材21上にラス金網を敷き、吹付コンクリートを吹き付けてモルタルドームを形成する。次に、モルタルドーム上に鉄筋を配置して、コンクリートの打設及び養生を行うことで、コンクリート製(鉄筋コンクリート製)の屋根本体22を構築する。このようにして、屋根3が構築され得る。尚、本実施形態では、屋根3は、平面視で円形状である。
膜材21の設置方法を含む屋根3の構築方法の詳細については、図2~図11を用いて後述する。
壁体2によって囲まれる空間7については、原地盤G1における壁体2の内側の部分を掘削することで形成される。この掘削土砂は盛土G2に用いられ得る。この掘削によって形成された掘削底面8上には砕石層5が形成され、砕石層5上には底版コンクリート4が構築される。砕石層5は砕石で構成され、底版コンクリート4の下方にて地下水を集水する機能を有する。すなわち、砕石層5は集水層として機能し得る。
尚、底版コンクリート4の上面に底部防水シート(図示せず)を設置してもよい。底部防水シートは例えば樹脂製又はゴム製のシート状部材であり、可撓性を有することが好ましい。底部防水シートは、底版コンクリート4の上面を覆うものである。
図示は省略するが、構造物1は、地下水排出用の揚水管と、汚染水排出用の揚水管とを備えている。
地下水排出用の揚水管は、その下端が底版コンクリート4より下方(例えば砕石層5内)にて開口しており、上端側が地面GL上に至っている。尚、地下水排出用の揚水管内には揚水ポンプと水位計とが設置されており、これらを用いて、底版コンクリート4下の地下水の地上への排水及び水位管理が行われ得る。
汚染水排出用の揚水管は、その下端が空間7内における底版コンクリート4の上面近傍にて開口しており、上端側が地面GL上に至っている。尚、汚染水排出用の揚水管内には揚水ポンプと水位計とが設置されており、これらを用いて、空間7内の汚染水の地上への排水及び水位管理が行われ得る。ここにおいて、汚染水とは、空間7内の廃棄物中に溜まった水のことである。
次に、膜材21の設置方法について、図1に加えて、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態における膜材21の設置方法を示すフローチャートである。
膜材21の設置方法では、まず、ステップS1にて、壁体2から離れた場所(例えば工場)にて、膜材21を一体的に製作する(膜材製作工程)。膜材21は、例えば、ポリエステル繊維からなる織物を塩化ビニルでコーティングしたものである。膜材21は可撓性を有する。本実施形態では、膜材21はドーム状であり、平面視で円形状である。ここで、本明細書において、「ドーム」という用語は、球面、曲面、多面体などの形状を含み得る。
次に、ステップS2では、展開状態の膜材21の上面に複数の取付治具30を設置する(取付治具設置工程)。ここで、図3は、膜材21の上面に設置された複数の取付治具30を示す平面図である。図3に示すように、この取付治具設置工程では、複数の取付治具30が、平面視でマトリクス状に互いに間隔(例えば2m程度の間隔)を空けて膜材21の上面に設置される。尚、説明の便宜上、図3に示すように東西南北を規定して、以下説明する。つまり、複数の取付治具30は、東西南北に互いに間隔を空けて格子状に膜材21の上面に設置されている。
ここで、取付治具30について、図8を用いて説明する。図8(A)~(D)は、取付治具30の第1例~第4例を示す。
図8(A)に示す取付治具31(スイベル)は、取付治具30の第1例に対応するものである。取付治具31は、第1環状部31aと、第2環状部31bと、連結軸部31cとからなる。第1環状部31aには第1線状部材41が挿通される。第2環状部31bには第2線状部材42が挿通される。ここにおいて、取付治具31は、第1線状部材41に対して摺動自在に第1線状部材41に取り付けられ得る。また、取付治具31は、第2線状部材42に対して摺動自在に第2線状部材42に取り付けられ得る。
連結軸部31cは、第1環状部31aの一端部と第2環状部31bの一端部とを連結するものである。第1環状部31aは、連結軸部31cを介して、第2環状部31bに対して回転自在に、第2環状部31bに取り付けられている。ここで、第1環状部31aは、連結軸部31cを回転軸として、第2環状部31bに対して回転自在である。
第2環状部31bの他端部は、ブラケット36(図9参照)を介して、膜材21の上面に固定されている。ここで、図9は、取付治具31に取り付けられた第1線状部材41及び第2線状部材42を示す図であり、膜材21が取付治具31を介して第1線状部材41によって吊り下げ支持されている状態を示している。
図8(B)に示す取付治具32は、取付治具30の第2例に対応するものである。取付治具32は、第1環状部32aと、第2環状部32bとからなる。第1環状部32aには第1線状部材41が挿通される。第2環状部32bには第2線状部材42が挿通される。ここにおいて、取付治具32は、第1線状部材41に対して摺動自在に第1線状部材41に取り付けられ得る。また、取付治具32は、第2線状部材42に対して摺動自在に第2線状部材42に取り付けられ得る。
取付治具32は、第1環状部32aと第2環状部32bとが鎖のように相互に連結されて構成されている。第2環状部32bについても、ブラケット36を介して、膜材21の上面に固定され得る。
図8(C)に示す取付治具33(Eye & Jaw スイベル)は、取付治具30の第3例に対応するものである。取付治具33は、シャックル33aと、環状部33bと、連結軸部33cとからなる。シャックル33aは、U字状のシャックル本体33a1と、ピン33a2とからなる。シャックル33aには第1線状部材41が挿通される。環状部33bには第2線状部材42が挿通される。ここにおいて、取付治具33は、第1線状部材41に対して摺動自在に第1線状部材41に取り付けられ得る。また、取付治具33は、第2線状部材42に対して摺動自在に第2線状部材42に取り付けられ得る。
連結軸部33cは、シャックル33aの一端部(シャックル本体33a1におけるピン33a2と反対側の端部)と環状部33bの一端部とを連結するものである。シャックル33aは、連結軸部33cを介して、環状部33bに対して回転自在に、環状部33bに取り付けられている。ここで、シャックル33aは、連結軸部33cを回転軸として、環状部33bに対して回転自在である。環状部33bの他端部についても、ブラケット36を介して、膜材21の上面に固定され得る。
図8(D)に示す取付治具34(スイベルフック)は、取付治具30の第4例に対応するものである。取付治具34は、フック34aと、環状部34bと、連結軸部34cとからなる。フック34aには第1線状部材41が引っ掛けられる。環状部34bには第2線状部材42が挿通される。ここにおいて、取付治具34は、第1線状部材41に対して摺動自在に第1線状部材41に取り付けられ得る。また、取付治具34は、第2線状部材42に対して摺動自在に第2線状部材42に取り付けられ得る。
連結軸部34cは、フック34aの一端部と環状部34bの一端部とを連結するものである。フック34aは、連結軸部34cを介して、環状部34bに対して回転自在に、環状部34bに取り付けられている。ここで、フック34aは、連結軸部34cを回転軸として、環状部34bに対して回転自在である。環状部34bの他端部についても、ブラケット36を介して、膜材21の上面に固定され得る。
本実施形態では、取付治具30として取付治具31を用いた場合について説明するが、取付治具31の代わりに、取付治具32~34のいずれかを用いてもよいことは言うまででもない。
図2に戻り、ステップS3では、東西方向に延びる複数の第2線状部材42を、互いに南北方向に間隔を空けて平行に並ぶように、膜材21の上面上の取付治具31に取り付ける(第2線状部材取付工程)。具体的には、各取付治具31の第2環状部31bに第2線状部材42を挿通する。図4は、複数の取付治具31に取り付けられた複数の第2線状部材42を示す平面図である。ここで、複数の第2線状部材42の各々の長さは、屋根3の内面の孤長とリングコンクリート部13への定着長との和となるように設定されている。また、第2線状部材42は、第1線状部材41に交差する方向(例えば直交する方向)に延びることが可能である(後述する図5及び図6参照)。尚、第1線状部材41及び第2線状部材42は、例えば麻ロープ、ワイヤロープ、及びPC鋼線のいずれかであり得る。
次に、ステップS4では、膜材21を折り畳む(膜材折り畳み工程)。この膜材折り畳み工程では、膜材21を南北方向に蛇腹折りする。複数の取付治具30が東西南北に互いに2m程度の間隔を空けて格子状に膜材21の上面上に設置されている場合には、この膜材折り畳み工程にて、膜材21の上下方向の長さ(折り返し幅)が約1mとなるように南北方向に蛇腹折りすることで、この蛇腹折りされた膜材21の上側の折り返し部21aに取付治具31が位置し得る(図9参照)。
次に、ステップS5では、南北方向に延びる複数の第1線状部材41を、互いに東西方向に間隔を空けて平行に並ぶように、折り畳まれた膜材21の上側の折り返し部21aの取付治具31に取り付ける(第1線状部材取付工程)。具体的には、各取付治具31の第1環状部31aに第1線状部材41を挿通する。ここで、複数の第1線状部材41の各々の長さは、屋根3の内面の孤長とリングコンクリート部13への定着長との和となるように設定されている。
次に、ステップS6では、第1線状部材41及び第2線状部材42が取付治具31に取り付けられた状態の、折り畳まれた膜材21を、壁体2から離れた場所(例えば工場)から、壁体2の上端部の一側(リングコンクリート部13の上端部の南側)まで運搬する(膜材運搬工程)。この膜材運搬工程の終盤にはクレーンが用いられるが、このクレーンは、超大型のクレーンである必要はない。なぜなら、折り畳まれた膜材21の上下方向の長さ(折り返し幅)が約1mであって非常にコンパクトであり、また、壁体2の上端部の一側までの運搬であれば、クレーンの作業半径も小さくて済むからである。
次に、ステップS7では、複数の第1線状部材41の各々の少なくとも一方の端部(本実施形態では少なくとも北側の端部)を、前述の第1線状部材固定用の治具を介して、壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に固定することで、壁体2の上端部の一側と他側とに(リングコンクリート部13の上端部の南側と北側とに)複数の第1線状部材41を架け渡す(第1線状部材架設工程)。ここで、図5は、この第1線状部材架設工程が完了した後の、折り畳まれた膜材21を示す平面図である。図5に示す一点鎖線は、リングコンクリート部13の内周面13a(すなわち、壁体2の上面開口の輪郭)を示す。この点は図6も同様である。
尚、図5に図示の、折り畳まれた膜材21の下方に、作業員が作業するための作業台(図示せず)を予め設置してもよい。換言すれば、前述の膜材運搬工程(ステップS6)に先立って、当該作業台を壁体2に設置してもよい。
ここで、図5に示す複数の第1線状部材41のうちの多くは、各々の南側の端部から南方に延びる延長部を有している。この延長部は、第1線状部材41の南側の端部に連結される仮設用ロープによって構成され、この仮設用ロープは、前述のステップS5以前に第1線状部材41の南側の端部に連結されることが好ましい。この延長部の南端は、ステップS7にて、例えば前述の作業台に設けられた治具(図示せず)に固定され得る。また、図5に示す複数の第1線状部材41のうち前述の延長部を有しないものについては、その南側の端部が、ステップS7にて、前述の第1線状部材固定用の治具を介して、壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に固定され得る。第1線状部材41が前述の延長部を有することで、壁体2の上端部の一側(リングコンクリート部13の上端部の南側)に膜材21を余裕を持って仮置きすることができる。
次に、ステップS8では、第1線状部材41及び第2線状部材42が取付治具31に取り付けられた状態の、折り畳まれた膜材21を、第1線状部材41に沿って、壁体2の上端部の一側から他側まで(リングコンクリート部13の南側から北側まで)展開する(膜材展開工程)。ここで、図7(A)~(C)は、膜材21の南側から北側への展開方法を示しており、図7(A)→(B)→(C)の順に膜材21の展開が進む(膜材21が広がる)。この膜材21の展開時には、取付治具31は、その第1環状部31aに挿通されている第1線状部材41に沿って南側から北側へ摺動し得る。尚、図7(A)~(C)では、取付治具31及び第2線状部材42の図示を省略している。
この膜材展開工程では、膜材21の北端につながれた仮設ロープ(図示せず)を作業員が壁体2の上端部の他側(リングコンクリート部13の北側)から引っ張ることで、容易に、膜材21を展開することができる(展設することができる)。尚、この仮設ロープの引き込みは、人力に限らず、ウインチなどの引き込み機械を用いてもよい。また、この仮設ロープの引き込みに先立って、膜材21の南端を壁体2の上端部の一側(リングコンクリート部13の南側)に仮固定することが好ましい。
次に、ステップS9では、展開された膜材21の周縁部21bを壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に固定する(膜材固定工程)。また、ステップS9では、複数の第2線状部材42の各々の両端部を壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に固定することで、複数の第2線状部材42を壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に架け渡す(第2線状部材架設工程)。
図10は、壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に膜材21及び第2線状部材42を固定する方法を示す。
リングコンクリート部13に設置されている膜材固定用の埋め込みボルト17は、その上側の露出部分が、下から上に向かって順に、膜材21の周縁部21bの貫通孔、ゴム板24の貫通孔、及び、鋼板25の貫通孔に挿通されており、これらが、当該埋め込みボルト17の上側の露出部分に螺合しているナット26によって上方から締め付けられることで、膜材21の周縁部21bが、リングコンクリート部13に気液密に固定され得る。尚、膜材21の周縁部21bの端部には、固定用ロープ27が縫い込まれており、この固定用ロープ27による膨らみが、膜材21の周縁部21bの空間7側への移動を制限するストッパーとして機能し得る。
複数の第2線状部材42の各々の両端部は、リングコンクリート部13に設置されている第2線状部材固定用の治具18を介して、壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に固定され得る。
尚、ステップS9では、複数の第1線状部材41のうち延長部(仮設用ロープ)を有するものについて、当該延長部が撤去され、第1線状部材41の南側の端部が、前述の第1線状部材固定用の治具を介して、壁体2の上端部(リングコンクリート部13の上端部)に固定され得る。
図6は、ステップS9が完了した後の、展開された膜材21を示す平面図である。図6に示すように、第2線状部材架設工程の完了後において、平面視で、複数の第1線状部材41と複数の第2線状部材42とが格子状に交差し得る。
以上のようにして、壁体2の上面開口を塞ぐように膜材21が壁体2に設置され得る。
次に、前述の膜材21の設置方法に続く屋根3の構築方法について、図11を用いて説明する。
図11(A)及び(B)は、屋根3の構築方法を示す図である。尚、図11(A)及び(B)では、取付治具31及び第2線状部材42の図示を省略している。
この屋根3の構築方法では、前述のステップS9を完了した後、第1線状部材41及び第2線状部材42を残置した状態で、図11(A)に示すように、膜材21と壁体2とで囲まれる空間7内の気圧を上昇させる(昇圧工程)。この昇圧は、空間7内に送気して加圧することで実現され得る。
この昇圧によって膜材21が上に凸となるようにドーム状に膨らむ。このときに、第1線状部材41及び第2線状部材42は、いわゆる補強バンドとして機能して、膜材21の応力を緩和すること、及び、膜材21が過度に膨らむこと抑制すること(換言すれば、膜材21の形状を保持すること)を実現し得る。ゆえに、膜材21を設置する際に吊りロープとして用いられる第1線状部材41及び第2線状部材42を膜材21の補強バンドとして用いることができるので、膜材21の補強バンドを別途設置する必要がない。従って、屋根3の施工の効率化を図ることができる。
次に、膨らんだ膜材21上にラス金網を敷き、吹付コンクリートを吹き付けてモルタルドームを形成する。次に、モルタルドーム上に鉄筋を配置して、コンクリートの打設及び養生を行うことで、コンクリート製(鉄筋コンクリート製)の屋根本体22を構築する(屋根本体構築工程)(図11(B)参照)。
以上のようにして、屋根3の構築が行われ得る。
本実施形態によれば、膜材21の設置方法は、鉛直方向に延びる筒状の壁体2の上面開口を塞ぐように、可撓性を有する膜材21を壁体2に設置する方法である。膜材21の設置方法は、上面に複数の取付治具30(31~34)が設置された膜材21を折り畳む膜材折り畳み工程(ステップS4)と、折り畳まれた膜材21を壁体2の上端部の一側(南側)まで運搬する膜材運搬工程(ステップS6)と、第1線状部材41を壁体2の上端部の一側(南側)と他側(北側)とに架け渡す第1線状部材架設工程(ステップS7)と、取付治具30(31~34)に第1線状部材41を取り付けた状態の、折り畳まれた膜材21を、第1線状部材41に沿って、壁体2の上端部の一側(南側)から他側(北側)まで展開する膜材展開工程(ステップS8)と、展開された膜材21の周縁部21bを壁体2の上端部に固定する膜材固定工程(ステップS9)と、を含む。従って、膜材運搬工程(ステップS6)及び膜材展開工程(ステップS8)にて、前述の超大型のクレーンや引き込み機械を用いることなく、膜材21の壁体2への設置を行うことができる。ゆえに、構造物1が大型であっても、膜材21の設置時に簡素な施工機械で施工を行うことができる。
また本実施形態によれば、膜材21の設置方法では、膜材運搬工程(ステップS6)に先立って、取付治具30(31~34)に第1線状部材41を取り付ける(ステップS5)。これにより、第1線状部材41の取付治具30(31~34)への取り付けを、壁体2から離れた場所(例えば工場)で行うことができるので、当該取り付け作業を現場で行わなくて済み、それゆえ、現場作業の効率化を図ることができる。ここで、当該取り付け作業を、壁体2に近い地面GL上の作業ヤードで行ってもよい。
また本実施形態によれば、膜材折り畳み工程(ステップS4)では、膜材21を蛇腹折りし、この蛇腹折りされた膜材21の上側の折り返し部21aに取付治具30(31~34)が位置する。これにより、取付治具30(31~34)が設置された膜材21をコンパクトに折り畳んで、クレーンなどの揚重装置を用いて簡易に吊り上げて運搬することができる。
また本実施形態によれば、膜材21の設置方法では、平面視で第1線状部材41に交差する方向に延びることが可能な第2線状部材42を取付治具30(31~34)に取り付ける第2線状部材取付工程(ステップS3)と、第2線状部材42の両端部を壁体2の上端部に固定する第2線状部材架設工程(ステップS9)と、を更に含む。第2線状部材取付工程(ステップS3)が、膜材運搬工程(ステップS6)に先立って実施され、第2線状部材架設工程(ステップS9)が、膜材展開工程(ステップS8)の後に実施される。これにより、第2線状部材42の取付治具30(31~34)への取り付けを、壁体2から離れた場所(例えば工場)で行うことができるので、当該取り付け作業を現場で行わなくて済み、それゆえ、現場作業の効率化を図ることができる。ここで、当該取り付け作業を前述の作業ヤードで行ってもよい。
また本実施形態によれば、第2線状部材架設工程(ステップS9)の後において、平面視で、複数の第1線状部材41と複数の第2線状部材42とが格子状に交差している(図6参照)。これにより、膜材21の補強バンドとして機能し得る第1線状部材41及び第2線状部材42を平面視で格子状に配置することができる。
また本実施形態によれば、屋根3の構築方法は、前述の膜材21の設置方法を用いて、壁体2の上面開口を塞ぐ屋根3を構築する方法である。屋根3の構築方法は、膜材固定工程(ステップS9)の後に、第1線状部材41を残置した状態で、膜材21と壁体2とで囲まれる空間7内の気圧を上昇させる昇圧工程(図11(A)参照)と、この昇圧によって膨らんだ膜材21の上面上にコンクリート製の屋根本体22を構築する屋根本体構築工程(図11(B)参照)と、を含む。これにより、膜材21を設置する際に吊りロープとして用いられる第1線状部材41を膜材21の補強バンドとして用いることができる。
また本実施形態によれば、屋根3の構築方法は、前述の膜材21の設置方法を用いて、壁体2の上面開口を塞ぐ屋根3を構築する方法である。屋根3の構築方法は、膜材固定工程(ステップS9)及び第2線状部材架設工程(ステップS9)の後に、第1線状部材41及び第2線状部材42を残置した状態で、膜材21と壁体2とで囲まれる空間7内の気圧を上昇させる昇圧工程(図11(A)参照)と、この昇圧によって膨らんだ膜材21の上面上にコンクリート製の屋根本体22を構築する屋根本体構築工程(図11(B)参照)と、を含む。これにより、膜材21を設置する際に吊りロープとして用いられる第1線状部材41及び第2線状部材42を膜材21の補強バンドとして用いることができる。
また本実施形態によれば、空間7は廃棄物埋立用の空間であり、壁体2は地中を鉛直方向に延びる。このようなクローズドシステム・深型の廃棄物処分場としての役割を持つ構造物1を構築する場合であっても、前述の超大型のクレーンや引き込み機械を用いることなく、膜材21の壁体2への設置を行うことができる。
尚、本実施形態では、取付治具設置工程(ステップS2)と膜材折り畳み工程(ステップS4)との間で第2線状部材取付工程(ステップS3)を実施し、膜材折り畳み工程(ステップS4)と膜材運搬工程(ステップS6)との間で第1線状部材取付工程(ステップS5)を実施しているが、これに代えて、取付治具設置工程(ステップS2)と膜材折り畳み工程(ステップS4)との間で第1線状部材取付工程(ステップS5)を実施し、膜材折り畳み工程(ステップS4)と膜材運搬工程(ステップS6)との間で第2線状部材取付工程(ステップS3)を実施してもよい。つまり、図2の膜材21の設置方法を示すフローチャートにおいて、ステップS3とステップS5とを入れ替えてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について、図12を用いて説明する。
図12は、本実施形態における膜材21の設置方法を示すフローチャートである。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態では、前述の第1線状部材取付工程(ステップS5)と第2線状部材取付工程(ステップS3)とを組み合わせてステップS10とし、このステップS10を、取付治具設置工程(ステップS2)と膜材折り畳み工程(ステップS4)との間で実施する。
特に本実施形態によれば、ステップS10にて第1線状部材41の取付治具30(31~34)への取り付けと、第2線状部材42の取付治具30(31~34)への取り付けとを一括して行うことができるので、当該取り付け作業の効率化を図ることができる。
尚、本実施形態では、取付治具設置工程(ステップS2)と膜材折り畳み工程(ステップS4)との間で第1線状部材取付工程及び第2線状部材取付工程(ステップS10)を実施しているが、これに代えて、膜材折り畳み工程(ステップS4)と膜材運搬工程(ステップS6)との間で第1線状部材取付工程及び第2線状部材取付工程(ステップS10)を実施してもよい。つまり、図12の膜材21の設置方法を示すフローチャートにおいて、ステップS10をステップS4とステップS6との間に移動させてもよい。
次に、本発明の第3実施形態について、図13を用いて説明する。
図13は、本実施形態における膜材21の設置方法を示すフローチャートである。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
前述の第1実施形態では、膜材折り畳み工程(ステップS4)と膜材運搬工程(ステップS6)との間で第1線状部材取付工程(ステップS5)を実施している。
これに対し、本実施形態では、膜材運搬工程(ステップS6)と第1線状部材架設工程(ステップS7)との間で第1線状部材取付工程(ステップS5)を実施している。
つまり、本実施形態では、膜材運搬工程(ステップS6)の後であって、かつ、第1線状部材架設工程(ステップS7)に先立って、取付治具30(31~34)に第1線状部材41を取り付ける(第1線状部材取付工程(ステップS5))。
尚、本実施形態では、第1線状部材取付工程(ステップS5)での作業員の作業のために前述の作業台が壁体2に設置されていることが好ましい。
特に本実施形態によれば、膜材21の設置方法では、膜材運搬工程(ステップS6)の後であって、かつ、第1線状部材架設工程(ステップS7)に先立って、取付治具30(31~34)に第1線状部材41を取り付ける。これにより、第1線状部材41を壁体2の上端部に架設する直前に第1線状部材41を取付治具30(31~34)に取り付けることができる。
尚、本実施形態では、取付治具設置工程(ステップS2)と膜材折り畳み工程(ステップS4)との間で第2線状部材取付工程(ステップS3)を実施しているが、これに代えて、膜材折り畳み工程(ステップS4)と膜材運搬工程(ステップS6)との間で第2線状部材取付工程(ステップS3)を実施してもよい。つまり、図13の膜材21の設置方法を示すフローチャートにおいて、ステップS3をステップS4とステップS6との間に移動させてもよい。
次に、本発明の第4実施形態について、図14を用いて説明する。
図14は、本実施形態における膜材21の設置方法を示すフローチャートである。
前述の第1実施形態と異なる点について説明する。
前述の第1実施形態では、膜材折り畳み工程(ステップS4)と膜材運搬工程(ステップS6)との間で第1線状部材取付工程(ステップS5)を実施している。
これに対し、本実施形態では、第1線状部材架設工程(ステップS7)と膜材展開工程(ステップS8)の間で第1線状部材取付工程(ステップS5)を実施している。
つまり、本実施形態では、第1線状部材架設工程(ステップS7)の後であって、かつ、膜材展開工程(ステップS8)に先立って、取付治具30(33,34)に第1線状部材41を取り付ける(第1線状部材取付工程(ステップS5))。
本実施形態では、取付治具30として、前述の取付治具33,34のいずれか(取付治具30の第3例及び第4例のいずれか)が用いられる。
取付治具30として取付治具33(取付治具30の第3例)が用いられる場合には、第1線状部材取付工程(ステップS5)において、まず、ピン33a2をシャックル本体33a1から取り外し、次に、既に架設された第1線状部材41をU字状のシャックル本体33a1内に挿入し、次に、ピン33a2をシャックル本体33a1に取り付ける。
取付治具30として取付治具34(取付治具30の第4例)が用いられる場合には、第1線状部材取付工程(ステップS5)において、既に架設された第1線状部材41にフック34aを引っ掛ける。
尚、本実施形態では、第1線状部材取付工程(ステップS5)での作業員の作業のために前述の作業台が壁体2に設置されていることが好ましい。
特に本実施形態によれば、膜材21の設置方法では、第1線状部材架設工程(ステップS7)の後であって、かつ、膜材展開工程(ステップS8)に先立って、取付治具30(33,34)に第1線状部材41を取り付ける。これにより、壁体2の上端部に架設された第1線状部材41を取付治具30(33,34)に取り付けることができる。
尚、本実施形態では、取付治具設置工程(ステップS2)と膜材折り畳み工程(ステップS4)との間で第2線状部材取付工程(ステップS3)を実施しているが、これに代えて、膜材折り畳み工程(ステップS4)と膜材運搬工程(ステップS6)との間で第2線状部材取付工程(ステップS3)を実施してもよい。つまり、図14の膜材21の設置方法を示すフローチャートにおいて、ステップS3をステップS4とステップS6との間に移動させてもよい。
前述の第1~第4実施形態では、膜材製作工程(ステップS1)にて膜材21を一体的に製作しているが、これに代えて、膜材製作工程(ステップS1)にて膜材21を複数(例えば2~4つ)の部分に分割して製作しておき、膜材展開工程(ステップS8)に先立って、当該複数の部分を一体化するようにしてもよい。この複数の部分の一体化作業は、例えば、前述の作業ヤード又は作業台上で行われ得る。この場合において、前述の第1~第4実施形態における膜材製作工程(ステップS1)と膜材展開工程(ステップS8)との間の各ステップが、当該複数の部分に適用され得ることは言うまでもない。また、膜材21を複数の部分に分割して製作する際には、膜材21を第1線状部材41の延在方向(例えば南北方向)に複数の部分に分割することが好ましい。換言すれば、膜材21を複数の部分に分割する分割線が、第1線状部材41の延在方向に交差する方向(例えば直交する方向)に延びていることが好ましい。
前述の第1~第4実施形態では、筒状の壁体2、第1壁部11、第2壁部12、及びリングコンクリート部13の断面形状が円形状であるが、これらの断面形状は円形状に限らず、例えば、楕円形状、又は、矩形状などの多角形状であってもよい。また、平面視における屋根3の形状についても、筒状の壁体2、第1壁部11、第2壁部12、及びリングコンクリート部13の断面形状に対応させて、例えば、楕円形状、又は、矩形状などの多角形状としてもよい。
前述の第1~第4実施形態では、屋根3(膜材21及び屋根本体22)の形状をドーム状としたが、当該形状はドーム状に限らず、例えば、いわゆる蒲鉾状であってもよい。この場合において、蒲鉾状におけるアーチ形断面が前述の東西方向の断面であることが好ましい。
前述の第1~第4実施形態では、説明の便宜上、図3~図6に示すように東西南北を規定して説明したが、構造物1の各構成要素と東西南北との関係が図示のものに限らないことは言うまでもない。
前述の第1~第4実施形態では、構造物1は、構造物1内の大気中に廃棄物が投棄される気中処分型であるとして説明したが、この他、構造物1内の水面上に廃棄物が投棄される水面処分型であってもよいことは言うまでもない。
前述の第1~第4実施形態では、壁体2が地中を鉛直方向に延びているが、この他、壁体2が地面GLから立設されてもよい。
前述の第1~第4実施形態では、本発明に係る膜材設置方法及び屋根構築方法が適用される構造物の一例として、廃棄物処分用の構造物を挙げて説明したが、本発明に係る膜材設置方法及び屋根構築方法が適用される構造物は、廃棄物処分用の構造物に限らない。例えば、水や石油などの液体、低温液化ガスや消化ガスなどの気体、紛体、及び、粒状物のいずれかを貯蔵可能な貯蔵タンクなどであってもよい。
図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1…構造物、2…壁体、3…屋根、4…底版コンクリート、5…砕石層、7…空間、8…掘削底面、11…第1壁部、12…第2壁部、13…リングコンクリート部、13a…内周面、14…開口部、15…通路、17…埋め込みボルト、18…治具、21…膜材、21a…折り返し部、21b…周縁部、22…屋根本体、24…ゴム板、25…鋼板、26…ナット、27…固定用ロープ、30~34…取付治具、31a…第1環状部、31b…第2環状部、31c…連結軸部、32a…第1環状部、32b…第2環状部、33a…シャックル、33a1…シャックル本体、33a2…ピン、33b…環状部、33c…連結軸部、34a…フック、34b…環状部、34c…連結軸部、36…ブラケット、41…第1線状部材、42…第2線状部材、G1…原地盤(施工地盤)、G2…盛土、GL…地面、L1,L2…レベル、P…不透水層、WL…地下水位

Claims (10)

  1. 鉛直方向に延びる筒状の壁体の上面開口を塞ぐように、可撓性を有する膜材を前記壁体に設置する方法であって、
    上面に複数の取付治具が設置された前記膜材を折り畳む膜材折り畳み工程と、
    折り畳まれた前記膜材を前記壁体の上端部の一側まで運搬する膜材運搬工程と、
    第1線状部材を前記壁体の上端部の一側と他側とに架け渡す第1線状部材架設工程と、
    前記取付治具に前記第1線状部材を取り付けた状態の、折り畳まれた前記膜材を、前記第1線状部材に沿って、前記壁体の上端部の一側から他側まで展開する膜材展開工程と、
    展開された前記膜材の周縁部を前記壁体の上端部に固定する膜材固定工程と、
    を含む、膜材設置方法。
  2. 前記膜材運搬工程に先立って、前記取付治具に前記第1線状部材を取り付ける、請求項1に記載の膜材設置方法。
  3. 前記膜材運搬工程の後であって、かつ、前記第1線状部材架設工程に先立って、前記取付治具に前記第1線状部材を取り付ける、請求項1に記載の膜材設置方法。
  4. 前記第1線状部材架設工程の後であって、かつ、前記膜材展開工程に先立って、前記取付治具に前記第1線状部材を取り付ける、請求項1に記載の膜材設置方法。
  5. 前記膜材折り畳み工程では、前記膜材を蛇腹折りし、
    この蛇腹折りされた前記膜材の上側の折り返し部に前記取付治具が位置する、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の膜材設置方法。
  6. 平面視で前記第1線状部材に交差する方向に延びることが可能な第2線状部材を前記取付治具に取り付ける第2線状部材取付工程と、
    前記第2線状部材の両端部を前記壁体の上端部に固定する第2線状部材架設工程と、
    を更に含み、
    前記第2線状部材取付工程が、前記膜材運搬工程に先立って実施され、
    前記第2線状部材架設工程が、前記膜材展開工程の後に実施される、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の膜材設置方法。
  7. 前記第2線状部材架設工程の後において、平面視で、複数の前記第1線状部材と複数の前記第2線状部材とが格子状に交差している、請求項6に記載の膜材設置方法。
  8. 請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の膜材設置方法を用いて、前記壁体の上面開口を塞ぐ屋根を構築する方法であって、
    前記膜材固定工程の後に、前記第1線状部材を残置した状態で、前記膜材と前記壁体とで囲まれる空間内の気圧を上昇させる昇圧工程と、
    この昇圧によって膨らんだ前記膜材の上面上にコンクリート製の屋根本体を構築する屋根本体構築工程と、
    を含む、屋根構築方法。
  9. 請求項6又は請求項7に記載の膜材設置方法を用いて、前記壁体の上面開口を塞ぐ屋根を構築する方法であって、
    前記膜材固定工程及び前記第2線状部材架設工程の後に、前記第1線状部材及び前記第2線状部材を残置した状態で、前記膜材と前記壁体とで囲まれる空間内の気圧を上昇させる昇圧工程と、
    この昇圧によって膨らんだ前記膜材の上面上にコンクリート製の屋根本体を構築する屋根本体構築工程と、
    を含む、屋根構築方法。
  10. 前記空間は廃棄物埋立用の空間であり、前記壁体は地中を鉛直方向に延びる、請求項8又は請求項9に記載の屋根構築方法。
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