JP7144938B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、遊技機では遊技者の注目度を高めるために様々な演出を実行している。例えば下記の特許文献1では、遊技者側から見て液晶表示部の手前側に導光板を設け、導光板にてキャラクタや模様を発光表示する遊技機が記載されている。この遊技機によれば、液晶表示部の表示内容と導光板の表示内容とを重ねて表示することが可能であり、立体感のある演出を実行できる。また、遊技者によっては単なる液晶表示部での演出に比べて導光板での演出を好む傾向があり、導光板を用いた演出を実行可能な遊技機が市場で求められている。
特開2017-29251号公報
ところが、上記従来の遊技機では、導光板の表示内容は固定的に設けられた透過部と反射部との位置関係によって定められるため、発光パターンが限られてしまう。このため、導光板を用いた場合には、立体感はあるとしても複雑な動画演出が実行できていないという実情がある。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、立体感のある動画演出を実行可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明の遊技機は、抽選手段の抽選結果に対応した平面画像及び立体画像を表示可能な画像表示手段を備えており、この画像表示手段が、複数の色相を用いて平面画像を表示すると共に、一の系統の色相を用いた動画によって立体画像を表示する。
本発明の遊技機は、一の系統の色相を用いた立体画像を表示するので、導光板を用いた表示に類似した演出を実行できる。さらに、立体画像を用いた動画表示が可能となっており、導光板を用いた表示に類似した演出を動画にて実行できる。
このように本発明の遊技機は、立体感のある動画演出を導光板演出に似せた状態で実行することで、遊技者の遊技への注目度を高めることができる優れた遊技機である。
パチンコ遊技機の正面図。 液晶表示部の構造を示す説明図。 液晶表示部による立体視の原理を説明する図。 パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図。 映り込み演出を例示する説明図。 イルミネーション動画演出その1を例示する説明図。 イルミネーション動画演出その2を例示する説明図。 イルミ図柄演出を例示する説明図。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、立体表示による演出を実行可能なパチンコ遊技機(遊技機)1に関する例である。この内容について、図1~図8を用いて説明する。
図1のパチンコ遊技機1は、始動入賞部(入賞部)11に玉が入賞したときに大当たり抽選である特図判定を実行し、図柄の変動表示を経て抽選結果に対応する図柄を停止表示させるセブン機である。このパチンコ遊技機1は、特図判定の抽選結果が特図当選であったときに大当たり状態を発生させる。
パチンコ遊技機1は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13を有し、その内側の遊技盤の表面側に略円形状の遊技領域130が形成された遊技機である。遊技領域130の右側下部にはスピーカ131が配置され、遊技領域130の下側には上皿135及び下皿137が遊技者側に張り出すように設けられている。上皿135は、入賞に応じて払い出された賞球の玉や、貸玉等を受け入れて玉を貯留する受け皿である。下皿137は、上皿135の収容限度を超える玉等を受け入れる受け皿である。上皿135の右下には、上皿135の玉を遊技領域130に向けて発射するための操作ハンドル15が立設されている。
開閉扉13は、パチンコ遊技機1に対面して左側に位置するヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、透明窓139の上部両側に配置された装飾ランプ部136と、が設けられている。
遊技領域130は、遊技媒体である玉が流下する領域である。遊技領域130には、図柄を変動表示する表示装置19を中心として、始動入賞部11、スルーゲート14、大入賞部16等が配置されている。遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔138が開口している。始動入賞部11及び大入賞部16は、表示装置19の下側の領域において、始動入賞部11を上にして上下二段で配置されている。スルーゲート14は、遊技者側から見て表示装置19の向かって左側に配置されている。
始動入賞部11は、遊技領域130を流下する玉が入賞可能な入賞部であって、大当たり抽選である特図判定の契機となる入賞部である。始動入賞部11に玉が入賞すると、特図判定の抽選用乱数が抽出され大当たり状態を発生させるか否かの特図判定が実行される。始動入賞部11には、一対の可動羽根を備える電動チューリップ112が設けられている。電動チューリップ112が開放すれば、玉が始動入賞部11に誘導されて入賞率が格段に高くなる。なお、始動入賞部11への玉の入賞に応じた玉の払出数は3個となっている。
大入賞部16は、大当たり状態下で開放状態となるアタッカーとも呼ばれる可変入賞装置である。横長の大入賞部16には、開閉可能な蓋部材が設けられている。大入賞部16は、遊技領域130をなす盤面と略面一をなすように蓋部材が位置したとき、閉鎖状態となる。蓋部材が手前側に回動すると開放状態となる。大入賞部16が開放すると、玉を導くための受け皿として蓋部材が機能し、高い入賞率が実現される。なお、大入賞部16に入賞したときの玉の払出は15個となっている。
スルーゲート14は、玉を通過させるのみで賞球の払い出しが設定されていない役物である。スルーゲート14を玉が通過すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出されて普図判定が実行される。この普図判定は、始動入賞部11の電動チューリップ112を開放させるか否かの抽選であり、普図当選に応じて電動チューリップ112が開放される。普図の当選確率は、通常状態で1/30、確変状態を含め時短状態で1/1に設定されている。なお、電動チューリップ112の開放時間は、遊技状態に応じて相違し、通常状態では0.2秒×1回、時短状態及び確変状態の状態では1.5秒×3回となっている。
図1の表示装置19は、枠199の内側に液晶表示部190が配置された装置である。表示装置19は、図柄変動期間の後、3桁の数字図柄(1~9のいずれか)を停止させて大当たり抽選である特図判定の抽選結果を報知する報知演出のほか、遊技の興趣を高めるための各種の演出画像を表示する。
液晶表示部190の表示画面191の下部には、ランプを模した4個の○印が水平方向に配列された特図保留表示部195が配置されている。特図保留表示部195は、始動入賞部11への玉の入賞を契機とした特図保留(保留情報)の表示部である。特図保留表示部195は、ランプを模した○印の点灯個数により特図保留の保留数(限度数4つ)を表示する。
液晶表示部190の上側に当たる枠199の前面には、普図表示部181及び普図保留表示部182が配置されている。普図表示部181は、上記の普図判定の当否を○か×で表示する表示部である。普図表示部181は、○の点灯により普図判定の当選(普図当選)を表示し、×の点灯によりハズレを表示する。なお、普図の変動時間は通常状態で30秒、時短状態で1秒となっている。普図保留表示部182は、普図保留として記憶(保留)する保留数を表示できるよう、4つのLEDが連設された表示部である。普図保留表示部182は、LEDの点灯個数により普図保留の保留数(限度数4つ)を表示する。
特に本例では、液晶表示部190の表示画面191に、裸眼による立体視を可能にするシート状のレンチキュラーレンズシート192が積層配置されている(図2及び図3)。このレンチキュラーレンズシート192を含む液晶表示部190は、特図判定の抽選結果に対応した平面画像及び立体画像を表示可能な画像表示手段としての機能を実現できる。
ここで、レンチキュラーレンズシート192(図2及び図3)は、上下方向に延在する一定幅Wの畝状の凸部192Tが遊技者側の表面に並列して設けられた透明シートであり、畝状の凸部の湾曲面に入射する観者(遊技者)の視線方向に光学的な屈折を生じさせる。凸部は上下方向の畝状であるので、視線方向の屈折は上下方向にはほとんど発生せず、もっぱら左右方向に生じる。
液晶表示部190の表示画面191は、1/2W幅の上下方向の短冊状領域に区画されている。左右方向に隣り合う各短冊状領域では、立体画像の元となる左像191L及び右像191Rが交互に表示される。この液晶表示部190の表示画面191に積層されたレンチキュラーレンズシート192は、観者となる遊技者の左目の網膜に左像191Lを結像させ、右目の網膜に右像191Rを結像させるレンズ効果を生じさせる。つまり、画像表示手段としての液晶表示部190は、左目用の画像である左像191L及び右目用の画像である右像191Rを表示することで、遊技者が裸眼にて視認可能に立体画像を表示する。
液晶表示部190が表示する左像191Lと右像191Rとの間に視差によるズレを設定すれば、レンチキュラーレンズシート192のレンズ効果により、観者である遊技者に立体画像を視認させることができる。左像191Lと右像191Rとの間の視差によるズレを大きくすれば、観者である遊技者に至近距離の立体画像を視認させることができ、この視差によるズレを小さくしていけば、観者である遊技者が視認する立体画像までの距離を次第に遠くできる。さらに、左像191Lと右像191Rとの間の視差をゼロとして同じ画像とすれば、無限遠となって立体視の効果が無くなるので、観者である遊技者に平面画像を視認させることができる。
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、図4を参照して説明する。パチンコ遊技機1は、主回路20を中心として構成されている。主回路20に対しては、玉の払出を制御する払出制御回路33、玉の打込を制御する発射制御回路34、図柄の変動表示を含む遊技演出を制御する表示制御回路35、入賞玉あるいは通過玉のセンサ312~315、電動チューリップ112(始動入賞部11)を開放させる電チューソレノイド322、大入賞部16を開放させる大入賞ソレノイド324、及び電力供給のための電源回路部328等が電気的に接続されている。
払出制御回路33は、いずれかの入賞部で入賞が発生した旨の主回路20からの指示に応じて払出装置331を制御し、所定数の玉の払出を実行させる。
発射制御回路34は、遊技者の発射操作に応じて玉を遊技領域130に発射する発射手段の一例をなす発射装置341を制御する回路である。発射制御回路34は、操作ハンドル15の操作角度に応じて、発射装置341による玉の打ち出し強さをコントロールする。
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、始動入賞部11への入賞玉を検出する始動入賞部センサ313、スルーゲート14の通過玉を検出するゲート通過部センサ312、大入賞部16への入賞玉を検出する大入賞部センサ314、及び入賞せずにアウト孔138へ流下した玉を検出し計数する玉排出部センサ315等がある。
主回路20は、図4に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)28、記憶素子であるROM(Read Only Memory)29・RAM(Random Access Memory)24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部27、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部26、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)25等を備えている。
RAM24は、CPU28のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶エリアには、各4データ分の特図保留エリア241、及び普図保留エリア243が割り当てられている。特図保留エリア241は、特図判定の抽選結果である特図保留の記憶領域である。普図保留エリア243は、普図判定結果の記憶領域である。
主回路のROM29は、CPU28に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない特図判定用の抽選テーブルや普図判定用の抽選テーブルを記憶している。
特図判定用の抽選テーブルでは、通常状態及び確変状態についてそれぞれ大当たりの当選乱数が規定されている。時短状態については、通常状態について規定された当選乱数が適用される。本例では、通常状態及び時短状態における大当たりの当選確率が1/300、確変状態における大当たりの当選確率が1/60になるように当選乱数が規定されている。なお、大当たり当選のうちの確変大当たりの割合は、大当たり当選時の50%に設定されている。
表示制御回路35は、アンプ/スピーカ131や装飾ランプ部136による音や光の演出を制御する機能のほか、液晶表示部190の表示制御を実行する機能などを備えている。この表示制御回路35は、CPU351、記憶素子であるROM352・RAM353、及び入出力インタフェースをなすI/O354等が設けられて構成されている。表示制御回路35には、液晶表示部190のほか、アンプ/スピーカ131や装飾ランプ部136等が電気的に接続されている。
表示制御回路35のROM352は、CPU351に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図判定の抽選結果を報知するための演出を決定するための図示しない演出抽選テーブルを記憶している。
演出抽選テーブルとしては、特図判定の抽選結果が確変大当たり当選時に適用されるテーブルと、通常大当たり当選時のテーブルと、ハズレ時のテーブルと、がある。スーパーリーチ演出や疑似連演出や予告演出等の特別演出が決定される確率は、ハズレ時<通常大当たり当選時<確変大当たり当選時となっている。
主回路20及び表示制御回路35は、ROM29あるいはROM352から読み出した処理プログラムをCPU28あるいはCPU351に実行させることにより、以下の(1)~(8)の各手段としての機能を実現している。なお、(1)~(6)の各手段は主回路20により実現される手段であり、(7)及び(8)の手段は、表示制御回路35により実現される手段である。
(1)抽選手段:所定の抽選条件が成立した場合に、遊技結果の抽選を実行する手段。抽選手段は、始動入賞部11に玉が入賞したとき、抽選条件が成立したものとして、乱数抽出部26が抽出する抽選用乱数を取得することで大当たり抽選である特図判定(抽選結果の抽選の一例)を実行する。なお、この特図判定では、特図の変動時間が併せて決定される。
(2)記憶手段:抽選手段による抽選結果の一例である抽選用乱数を特図保留として記憶する手段。記憶手段は、所定の上限保留数の一例である4個を限度として、特図保留エリア241に特図保留を記憶する。なお、普図判定結果については、4個を上限として普図保留エリア243に普図保留として記憶する。
(3)読出手段:記憶手段により記憶されている特図保留を1つずつ読み出すと共に、特図保留の読み出しに応じて記憶手段の保留数(特図保留の記憶数)を減少させる手段。読出手段は、特図保留を読み出す際、記憶時点が古いものから順番に読み出す。なお、普図保留エリア243の普図保留についても同様に読み出される。
(4)当否判定手段:読出手段が読み出した特図保留の当否(大当たり当選か否か)を判定する手段。
(5)特典付与手段:抽選手段の抽選結果が特典の付与に対応していた場合に、特典を遊技者に付与する手段。特典付与手段は、抽選手段による大当たり抽選の抽選結果が大当たり当選のとき、大当たり状態という特典を遊技者に付与する。なお、抽選結果である大当たりの報知は、画像表示手段としての液晶表示部190による表示等により実行される。
(6)大当たり状態発生手段:大当たり当選を契機として大当たり状態を発生させる手段。画像表示手段としての液晶表示部190による「777」や「888」など、揃いの3ケタの数字図柄の停止表示に続いて、大当たり状態を発生させる。なお、奇数の揃いの数字図柄の組合せが、大当たり状態の終了後に有利な確変状態が発生する確変大当たりの報知図柄となっており、偶数の揃いの数字図柄の組合せが、通常大当たりの報知図柄となっている。
(7)演出抽選手段:特図判定の抽選結果を報知するための演出を決定するための演出抽選を実行する手段。この演出抽選手段は、主回路20から入力される特図判定の抽選結果(当否及び特図の変動時間)に応じて適用する演出抽選テーブルを切り換えて演出抽選を実行する。
(8)表示制御手段:複数の色相を用いて液晶表示部190(画像表示手段)に平面画像を表示させると共に、一の系統の色相を用いた動画によって液晶表示部190に立体画像を表示させる表示制御を実行する手段。表示制御手段としての表示制御回路35は、液晶表示部190の表示画面191に表示する左像191Lと右像191Rとの間の視差によるズレを調節することで、立体視の効果を生じさせる。
次に、以上のように構成された本例のパチンコ遊技機1の基本動作を概説する。このパチンコ遊技機1は、操作ハンドル15が右回転方向に操作されたとき、その操作角度に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、スルーゲート14などが配置された遊技領域130を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域130の最下部に設けられたアウト孔138から回収される。
主回路20は、スルーゲート14を通過する玉を検出したとき、乱数発生部27が発生する乱数の中から普図判定の抽選用乱数を抽出する抽選処理を実行する。主回路20は、この抽選用乱数を普図判定用の抽選テーブルと照合することにより、普図判定の結果を決定する。このとき、主回路20は遊技状態を参照し、普図表示部181を変動表示させる時間である普図の変動時間を併せて決定する。普図の変動時間としては、遊技状態が通常状態であれば30秒に決定され、時短状態であれば1秒に決定される。普図判定の結果が当選のときには、普図表示部181の○×が交互に点灯する変動表示の後、○が点灯状態となる。ハズレのときには、変動表示の後、×が点灯状態となる。主回路20は、普図判定に当選したとき、始動入賞部11の電動チューリップ112を開放させる。
主回路20は、始動入賞部11に入賞した玉を検出すると大当たり抽選の抽選用乱数の抽出を実行し、特図保留として特図保留エリア241に記憶する。ただし、特図保留エリア241の保留数が上限個数の4個である場合には、抽選用乱数は特図保留エリア241に記憶されることなくそのまま消去される。
大当たり状態が発生中ではないとき、主回路20は、図柄変動の停止中に特図保留エリア241の特図保留を記憶されたタイミングが古いものから順番に1つずつ読み出す。そして、読み出した特図保留の抽選用乱数を大当たり抽選用の抽選テーブルと照合して大当たり抽選の当否、及び特図の変動時間を決定する。
主回路20は、特図判定の抽選結果(大当たり抽選の当否、及び特図の変動時間)を表示制御回路35に入力する。特図判定の抽選結果を入力された表示制御回路35は、上記の演出抽選テーブルによる演出抽選を実行する。この演出抽選では、スーパーリーチ演出や、疑似連演出や、予告演出などの特別演出を含め、特図判定の抽選結果を報知するための演出の方法や内容が決定される。なお、特別演出の演出例については後で詳しく説明する。
表示制御回路35は、演出抽選の抽選結果に応じて液晶表示部190(表示装置19)による報知演出を開始させる。表示制御回路35は、大当たり当選の場合、中央の図柄を残して両側に同じ数字の図柄を停止表示するリーチ演出を含む図柄の変動表示の後、同じ数字の図柄の組合せである大当たり図柄を液晶表示部190の表示画面191に停止表示させる。なお、確変大当たり当選の場合には、奇数の同じ数字の図柄の組合せを停止表示させ、通常大当たり当選の場合には、偶数の同じ数字の図柄の組合せを停止表示させる。表示制御回路35は、例えば青系統の背景をバックにして赤色の数字図柄を配置するなど、複数の色相を用いた平面画像により図柄変動の演出を実行する。
一方、ハズレの場合には、揃いの図柄ではないハズレ図柄を液晶表示部190の表示画面191に停止表示させる。なお、ハズレの場合でもスーパーリーチ演出等の特別演出を含む演出が実行される場合が設定されている。特別演出が実行されるか否かは、上記の演出抽選の抽選結果によって決定される。
主回路20は、液晶表示部190による大当たり図柄の停止表示による大当たり当選の報知の後、大当たり状態を発生させる。大当たり状態では、30秒経過するか10個入賞するまで大入賞部16を開放するラウンド処理が15回繰返し実行される。なお、1回の大当たり状態が発生したときの出玉(差玉=払出玉-打込玉)の期待数は約1500個となっている。
主回路20は、通常大当たり状態の終了後には、始動入賞部(電チュー)11が開放される電動サポート有りの時短状態を、図柄変動50回転に渡って発生させる。また、確変大当たり状態の終了後には確変状態を発生させる。この確変状態は、時短状態を伴って発生し、新たな大当たり状態の発生に応じて終了する。
次に、表示制御手段としての表示制御回路35が、立体表示可能な画像表示手段である液晶表示部190を制御して実現する演出の内容について説明する。以下、特別演出である(1)映り込み演出、(2)イルミネーション動画演出、(3)その他の演出、について説明する。
(1)映り込み演出
映り込み演出は、図5のように、遊技者の背後の遊技機を液晶表示部190の表示画面191に映り込むように見せる演出である。映り込み演出では、映り込んだ背後の遊技機によって大当たり当選の当選期待度が示唆される。この映り込み演出は、液晶表示部190による図柄の変動表示が一旦、中断されて開始される。
映り込み演出が開始されると、まず、通常の変動表示画面が同図(a)の演出画面に切り換わる。この演出画面は、中央に遊技者自身を模した画像であるシルエット411が黒く映り込むと共に、背後の遊技機の表示装置周辺を模擬する表示装置像412が左右に映り込む画面である。
図5(a)において左右に映り込む表示装置像412は、実際に通路を挟んで向かい合っている遊技機の表示装置ではなく、遊技者自身が遊技する遊技機(自台という。)と同じ機種の遊技機の表示装置を模擬している。左右に表示装置像412が映り込む映り込み演出が開始されると、自台による図柄の変動表示演出が自身の黒い半透明のシルエット411により隠蔽される一方、左右に映り込んだ表示装置像412によって図柄の変動表示演出が実行される。左右の表示装置像412については、レンチキュラーレンズシート192を備える液晶表示部190により立体画像として、自身の黒いシルエット411の平面画像に対して、奥行方向における奥側(遠い側)に表示される。このように図5の映り込み演出では、液晶表示部190により奥行感のある立体画像が表示される。なお、立体画像である表示装置像412以外の平面画像は、例えば、黒のシルエット411の背景の下側が青、上側が赤となっており、下側の青から上側の赤へ移り変わるグラデーションが形成される等、複数の色相を用いて表示される。
映り込み演出では、図5(b)のように、映り込んだ左右の表示装置像412において、3ケタの演出用の数字図柄のうちの変動表示中の中央の図柄を残して両側に同じ数字図柄が停止表示してリーチ状態に移行する。その後、左右の表示装置像412が大当たり図柄、あるいはハズレ図柄を停止表示すると映り込み演出が終了し、中断状態の自台の図柄の変動表示が再開される。大当たり当選であれば、自台の図柄変動演出により大当たり図柄が停止表示されて大当たり当選が報知される。ハズレであれば、ハズレ図柄が停止表示されてハズレが報知される。
映り込み演出による左右の表示装置像412が大当たり図柄を停止表示するか、ハズレ図柄を停止表示するかは、上記の演出抽選により映り込み演出の実行が決定された際に、同時に決定されている。映り込み演出により大当たり図柄が停止表示されるか、ハズレ図柄が停止表示されるか、を決定する際の振り分けの割合は、大当たり抽選である特図判定の当否によって差が設けられている。特図判定での当選(大当たり当選)の場合、映り込み演出による大当たり図柄の停止表示が決定される確率の方が、ハズレ図柄の停止表示が決定される確率よりも高くなっている。一方、ハズレの場合には、映り込み演出によるハズレ図柄の停止表示が決定される確率の方が、大当たり図柄の停止表示が決定される確率よりも高くなっている。したがって、上記の映り込み演出は、大当たり当選の当選期待度を示唆する演出となり得る。映り込み演出で大当たり図柄が停止表示されれば、その後、自台の図柄変動演出により大当たり図柄が停止表示されて、大当たりとなる期待度、すなわち大当たり当選の当選期待度が高いということになる。
なお、映り込み演出において、背後に映り込む機種を複数機種から選択可能としても良い。また、遊技機の画像データを取り込んで背後に映り込む遊技機として表示できるように構成しても良い。図5に例示した映り込み演出で発生する演出は、自台が実行される演出と共通になっているが、背後に映り込む遊技機で次に説明するイルミネーション動画演出を実行しても良い。自台の図柄の変動表示に自身の黒いシルエット411を重ねて表示する際、図柄の変動表示が透けて見えるようにしても良い。
(2)イルミネーション動画演出
イルミネーション動画演出は、線画が彫られた透明なアクリル板などの導光板の側端面から光を入射して線画を光らせるという導光板演出を、液晶表示部190により実現した演出である。特に本例では、動画表示が可能な液晶表示部190を活用して、従来の導光板演出とは異なり、動画を含む多彩な表示演出を可能としている。このイルミネーション動画演出は、上記の演出抽選により決定されたとき、例えば、図柄の変動表示中やリーチ状態の発生に伴って開始される。イルミネーション動画演出の例として、図6及び図7の演出を例示して説明する。
図6の熊が吠えるイルミネーション動画演出は、導光板演出を模擬する演出である。このイルミネーション動画演出では、黒色の塗り潰しにより平面表示された背景をバックにして、例えば黄色などの同一系統の色相を用いて陰影をつけた熊が奥行方向における手前側(近い側)に位置する立体画像42として表示される。立体表示色については、所謂マンセルカラーシステムに基づいて色相を区別し、色相環を赤、黄、緑、青、及び紫に分けて、同じ色相に含まれる色を採用すると良い。例えば、黄色と同一系統の色相には、黄赤(イエローオレンジ)や黄緑が含まれる。
このイルミネーション動画演出では、表示制御手段としての演出制御回路35が表示制御として、立体画像42を点滅した状態で液晶表示部(画像表示手段)190に表示させる。図6のイルミネーション動画演出の場合には、まず同図(a)のように咆哮する熊の立体画像42が奥行方向における手前側で点滅表示された後、点滅表示を継続しながら同図(b)のように遊技者に向かって熊が飛びかかって来るような立体的な演出が実行される。
一方、図7の文字によるイルミネーション動画演出は、黒色の塗り潰しにより平面表示された背景をバックにして、例えば赤色単色で奥行方向における手前側に立体表示された文字画像43を点滅表示し、同図(a)→(b)のように、その文字画像43を点滅させながら右から左に移動表示する演出である。このイルミネーション動画演出では、表示制御手段としての演出制御回路35が表示制御として、線画の線内を単一の色で塗り潰した立体画像を液晶表示部(画像表示手段)190に表示させる。つまり、図7のイルミネーション動画演出では、文字を線画にて描写した状態で、線内を同じ色で塗り潰した文字画像43が表示される。
(3)その他の演出
(3-1)チャンス図柄演出
チャンス図柄演出は、図柄の変動表示演出により所定のチャンス図柄が停止した場合に発生する演出である。このチャンス図柄演出では、例えばパチンコホールの入り口のシーンからスタートし、ホール内の通路を通って遊技島に向かい遊技中の遊技機と同じ機種を選択して遊技をスタートするという一連のムービー画像が表示される。入口のシーンや、ホール内の通路や、遊技島に向かうシーンなどが、全て立体表示によりリアリティ高く表示される。
(3-2)イルミ図柄演出
イルミ図柄演出は、1回の図柄変動の中で複数回の図柄変動が実行されるように見せかける疑似連演出の一種である。このイルミ演出では、図8のように、平面表示による背景をバックにして、導光板によるイルミネーション表示を模した立体表示のイルミ図柄45が手前側に表示される。
イルミ図柄演出では、例えば青系統の背景をバックにして赤色の数字図柄を変動表示させる等、複数の色相による平面画像による図柄変動演出によってハズレ図柄(例えば図柄「7」「8」「8」の組合せ)が疑似的に停止表示された後(図8(a))、数字図柄を頭に載せたようなキャラクタの立体画像であるイルミ図柄45が液晶表示部190の上端から次々に登場する(同図(b))。このイルミ図柄45の一群が画面中央で停止することで、元のハズレ図柄の組合せの中央の図柄が立体表示されたイルミ図柄45で置き換わり、チャンス図柄450の組合せに変化する(同図(c))。なお、図8(c)のチャンス図柄450の例は、中央の図柄がイルミ図柄45に置換されて左の図柄と同じ数字図柄「7」となり、右の図柄が1コマずれの数字図柄「8」のままの図柄の組合せである。イルミ図柄45への置換により図8(c)に例示するチャンス図柄に変化すれば、1コマずれの右の図柄の変動表示が再開されて疑似連演出となる(同図(d))。
一方、イルミ図柄45の一群が画面中央で停止せず、ハズレ図柄(図8(a))がチャンス図柄450(同図(c))に変化しなかった場合には、疑似連演出に移行しない。この場合には、図8(a)のハズレ図柄のまま図柄の変動表示が終了してハズレとなる。
(3-3)二重画面演出
二重画面演出は、図柄の変動表示演出の実行中に、画面にひび割れが生じて次第にそのひび割れが拡大していくように見せる画像表示を行い、画面の裏側(奥行方向における奥側)に立体表示のキャラクタが見えてくるように見せる演出である。この二重画面演出では、青系統の画面に黄色の亀裂を生じさせる等、複数の色相による平面画像により画面のひび割れが画像表示される。ひび割れが拡大して表側の画面が欠け落ちる割合は演出毎に異なっている。画面全体のうち欠け落ちる割合が90%以上となる演出が、大当たり当選の前兆を表す予告演出となっている。
(3-4)呼込み演出
呼込み演出は、図柄の変動表示演出の実行中に、右から左に向けて手を振る平面画像(平面的な動画像)を表示することにより、大きな手が現れて呼び込むような動作を実行する演出である。手を振る平面画像は、例えば赤色の背景をバックにして肌色の手が表示される等、複数の色相を用いて表示される。この呼込み演出による手の動作に応じて特定のキャラクタの立体画像が画面内に現れる演出が、リーチ演出の前兆演出となっている。なお、呼び込む手を立体表示することも良い。
(3-5)湧出し演出
湧出し演出は、図柄の変動表示演出の実行中に、突然トンネルの出口の平面画像が現れて、立体表示されたキャラクタの一群がトンネルの奥から手前側に走ってくる演出である。立体表示されたキャラクタがトンネルの奥側にある状態から手前側にある状態の立体画像に変化していき、これによりトンネルの出口から湧き出すように走り出て来れば、大当たり当選の前兆となる。
以上のように構成されたパチンコ遊技機1は、抽選手段の抽選結果に対応した平面画像及び立体画像を表示可能な画像表示手段を備える遊技機である。このパチンコ遊技機1は、一の系統の色相を用いた動画によって立体画像を表示するので、導光板を用いた表示に類似した演出を実行できる。さらに、このパチンコ遊技機1は、立体画像を用いた動画表示が可能であり、導光板を用いた表示に類似した演出を動画にて実行できる。
このように本例のパチンコ遊技機1は、立体感のある複雑な動画演出を導光板演出に似せた状態で実行することで、遊技者の遊技への注目度を高めることができる優れた遊技機である。
例えば導光板を利用して演出を実行する場合、表示内容に限りがあるので迫力を増すために点滅にて演出を実行することがある。これに対して、本例のパチンコ遊技機1は、図6に例示の熊が吠えるイルミネーション動画演出のように、立体画像を点滅した状態で表示させる演出を実行可能である。このような演出を実行すれば、導光板による演出に一層類似した演出を実現可能である。
また例えば導光板を用いる場合、光の透過及び反射による表示を実行するので、単一色で塗りつぶした画像にて演出を実行することになる。本例のパチンコ遊技機1によれば、図7に例示の文字によるイルミネーション動画演出のように、線画の線内を単一の色で塗り潰した立体画像を表示することで、導光板演出に類似した演出を実行できる。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例ではパチンコ遊技機について例示したが、その他の遊技機に適用しても良い。例えば、玉が封入してあり、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、メダルを消費して抽選を行うことでゲームが進行するスロットマシンや、得点を消費して抽選を行うことでゲームが進行するクレジット式スロットマシン等が考えられる。スロットマシンの場合、遊技者によるレバー操作があった場合に抽選条件が成立したものとして、ボーナスゲーム等の特別遊技状態の発生抽選を実行し、リールにて停止した図柄の組合せによって抽選結果を報知する構成等が考えられる。つまり、抽選方法や抽選結果に応じて付与する特典は適宜変更することが可能である。
本例では、立体画像の表示方法としてレンチキュラーレンズシートを使用したものを例示したが、立体画像の表示方法を変更しても良い。例えば視差バリアを用いて左目用の画像と右目用の画像とを表示する構成や、遊技者に偏光グラスを装着させて左目用の画像が右目では見えないようにすると共に、右目用の画像が左目では見えないようにする構成が考えられる。
また本例では、平面表示を実行する場合、左目用の表示領域と右目用の表示領域とで同じ画像を表示する構成にしたが、レンズ効果の度合いを制御可能なレンチキュラーレンズを採用して平面表示を実現しても良い。このようなレンチキュラーレンズとしては、例えば電圧を印加することで凸部が平らに近づくように変形するレンチキュラーレンズ等がある。電圧を印加してレンチキュラーレンズの凸部を平らに変形させれば、左目用の表示領域及び右目用の表示領域がいずれも両目で視認できるようになる。この場合に、左目用の表示領域と右目用の表示領域との区別をなくして、画面全域に通常の平面画像を表示させれば通常の平面表示に切り換え可能である。
本例では、図6及び図7に例示したイルミネーション動画演出において、同じ系統の色相を用いて陰影をつけた動画、及び単一の色(同一色)のみを用いた動画を表示する構成を例示している。イルミネーション動画演出においては、同じ系統の色相を用いて陰影をつけた動画、及び単一の色(同一色)のみを用いた動画のうち、いずれか一方のみを用いて演出を実行するようにしても良い。さらに、図6及び図7のイルミネーション動画演出において、立体画像を点滅した状態で表示する構成を例示したが、点滅していない状態で表示する構成を採用しても良い。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
1 パチンコ遊技機(遊技機)
11 始動入賞部(入賞部)
130 遊技領域
15 操作ハンドル
16 大入賞部
19 表示装置
190 液晶表示部(画像表示手段)
191 表示画面
192 レンチキュラーレンズシート
20 主回路(抽選手段、記憶手段、読出手段、当否判定手段、特典付与手段、大当たり状態発生手段)
341 発射装置(発射手段)
35 表示制御回路(演出抽選手段、表示制御手段)

Claims (4)

  1. 所定の抽選条件が成立した場合に、遊技結果の抽選を実行する抽選手段と、
    当該抽選手段の抽選結果が特典の付与に対応していた場合に、当該特典を遊技者に付与する特典付与手段と、
    前記抽選手段の抽選結果に対応した平面画像及び立体画像を表示可能な画像表示手段と、
    前記平面画像を複数の色相を用いて前記画像表示手段に表示させると共に、前記立体画像を一の系統の色相を用いた動画によって前記画像表示手段に表示させる表示制御を実行する表示制御手段と、を備え、
    前記画像表示手段は、前記表示制御手段による表示制御によって平面画像及び立体画像を同時に表示可能であると共に、平面画像と同時に表示された立体画像による表示内容によって前記抽選結果が大当たり当選である期待度を報知する演出を実行可能であって、平面画像と同時に表示された立体画像により図柄を変動表示し、立体画像にて停止表示された図柄の組み合わせに応じて大当たり当選の期待度を報知する演出を実行可能であり、
    さらに前記画像表示手段は、遊技者のシルエットの平面画像と共に、遊技者の背後の遊技機の映り込みを模した遊技機の立体画像を表示すると共に、当該遊技機の立体画像中で図柄を変動表示可能なように構成され、
    当該立体画像に係る遊技機は、複数機種の中から選択可能であるか、あるいは取り込んだ画像データに係る遊技機であることを特徴とする遊技機。
  2. 前記表示制御手段は、前記表示制御として、前記立体画像を点滅した状態で前記画像表示手段に表示させることを特徴とする請求項に記載の遊技機。
  3. 前記表示制御手段は、前記表示制御として、線画の線内を単一の色で塗り潰した前記立体画像を前記画像表示手段に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記画像表示手段は、左目用の画像及び右目用の画像を表示することで、遊技者が裸眼にて視認可能に前記立体画像を表示することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の遊技機。
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