JP7144000B2 - 拡底掘削装置 - Google Patents
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Description
図1に示す本実施の形態に係る拡底掘削装置10は、ケーシングCが圧入された縦穴Vであり、杭が立設される縦穴Vの底部B0を拡径するものである。拡底掘削装置10は、クレーン車C1に吊り下げられ、縦穴の底部に配置される。
図2に示すように、拡底掘削装置10は、吊り下げ部20と、グリッパー部30と、掘削アーム部40と、油圧回路50と、円筒状の筐体部11とを備えている。
吊り下げ部20は、クレーン車により吊り下げるためのフック部21と、外部の操作盤からの油圧用ホースまたは後述するバイパス用油圧回路を経由して連結されたスイベルジョイントを収容するスイベル部22とを備えている。
図3に示すように、グリッパー部30は操作盤OP(図1参照)からの指示により伸縮するグリッパー用シリンダ31と、グリッパー用シリンダ31の先端に設けられ、グリッパー用シリンダ31の伸長によりケーシングと接触するグリップ用板32とを備えている。
グリッパー部30は、グリッパー用シリンダ31が縮小した状態では、グリップ用板32の接触面が、筐体部11の外周面に位置する。
グリッパー用シリンダ31は、筐体部11に収容された初期状態からケーシングCの径方向F1(図1,図3参照)に伸長して、地中に埋設されたケーシングCの内周面をグリップ用板32により押圧するための第1油圧シリンダとして機能する。
本実施の形態では、筐体部11の外周面から伸長するグリッパー用シリンダ31が、外周面の4箇所に等間隔で設けられている。
掘削ビット42は、掘削用シリンダ41の先端部に形成されている。掘削ビット42は、下側となるほど突出長さが長くなるように形成されている。
本実施の形態では、ブラシ部43は、基材43aである2枚の直線状の板部材の間に毛材43bの基端部が挟み込まれ、並べられることで形成されている。
第1ブラシ部431は、基材43aから毛材43bが底角部B1に向かって突出するように、毛材43bを外側に拡がるように傾斜させている。
第2ブラシ部432は、基材43aから毛材43bが垂下するように形成されている。
ブラシ部43における毛材43bの配列方向F3は、回転中心に向かうに従って、回転方向F2の後方に向かって傾斜している。
ここで、グリッパー用シリンダ31と掘削用シリンダ41とを伸縮させる油圧回路の構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、操作盤OPからの4本の油圧用ホースHは、拡底掘削装置10に接続されている。なお、図1では、油圧用ホースHを1本のみ図示している。
拡底掘削装置10では、油圧用ホースHは、図3に示すフック部21から水平方向に延びる支持部材23により支持された、図5に示す油圧回路50の接続管T1~T4に接続されている。接続管T1,T2,T4は、スイベルジョイント55(ロータリージョイント)に直接接続されている。接続管T3は、バイパス用油圧回路54を介して、4ポートが一体型のスイベルジョイント55に接続されている。
スイベルジョイント55から、掘削用油圧経路52として、伸長用油圧経路52aと縮小用油圧経路52bとが、掘削用シリンダ41に接続されている。
掘削用油圧経路52の伸長用油圧経路52aにも同様に、オイルの流量を均等に分流して、2本の掘削用シリンダ41を同時作動させるための分集流弁53bが設けられている。
バイパス用油圧回路54は、バイパス用油圧経路54aと、ストップ弁54b,54cと、チェック弁54d,54eとを備えている
バイパス用油圧経路54aは、グリップ用油圧経路51の伸長用油圧経路51aと縮小用油圧経路51bとからの経路を合流させ、掘削用油圧経路52の縮小用油圧経路52bに接続している。
チェック弁54d,54eは、掘削用油圧経路52側からグリップ用油圧経路51側への逆流防止用弁である。チェック弁54dは、グリップ用油圧経路51の伸長用油圧経路51aからの経路と合流位置との間に設けられている。チェック弁54eは、グリップ用油圧経路51の縮小用油圧経路51bからの経路と合流位置との間に設けられている。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る拡底掘削装置10の動作および使用状態を図面に基づいて接続する。
まず、図1に示すように、縦穴が掘削され、この縦穴に図示しない圧入装置により圧入されたケーシングC内に、クレーン車C1によって吊り下げされた状態の拡底掘削装置10を下降させることで、ケーシングCの下端から掘削アーム部40が露出して、縦穴の底部に位置しているものとする。
グリッパー用シリンダ31が伸長することで、図2および図3に示すグリッパー用シリンダ31の先端部に設けられたグリップ用板32が、ケーシングC(図1参照)の内周壁を押圧する。この押圧により、拡底掘削装置10がケーシング内の底部に固定される。
ケーシングを回転させることで、グリッパー部30によりケーシングに固定された拡底掘削装置10全体が回転するため、掘削アーム部40の掘削ビット42が、縦穴の周壁底部を掘削する。
そして、掘削用シリンダ41を深さに応じて伸長させることで、縦穴の底部に、下方に向かうに従って徐々に直径が拡がる切頭円錐状の傾斜面が形成される。
そして、掘削土は、第2ブラシ部432により拡底掘削装置10の下方の中央部に寄せられる。掘削用シリンダ41を縮小させながら拡底掘削装置10を回転させることで、ブラシ部43が回転半径を短くしながら掘削土を中央部に集土するので、掘削土を縦穴の底部中央の土砂溜め穴に落下させることができる。
図3および図4に示す掘削用シリンダ41が縮小することで、掘削アーム部40が引っ込み、グリッパー用シリンダ31が縮小することでグリッパー部30が引っ込む。
そして、図1に示すクレーン車C1により拡底掘削装置10をケーシングCから引き上げ、ケーシングCを縦穴Vから引き抜けば、作業は終了である。
次に、図5に示すバイパス用油圧回路54の動作および使用状態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す拡底掘削装置10が通常動作を行っている場合には、図5に示すグリップ用油圧経路51の伸長用油圧経路51aまたは縮小用油圧経路51bを介してグリッパー用シリンダ31に掛けた油圧は、チェック弁54d,54eを介してストップ弁54bへも掛かる。
しかし、通常動作時は、ストップ弁54bは閉鎖状態であるため、グリッパー用シリンダ31の伸縮動作を、掘削用シリンダ41へ伝達しないようにすることができる。
図1に示す掘削アーム部40が伸長して拡底している状態では、掘削アーム部の先端部が縦穴V上部の周壁位置より拡がっており、掘削アーム部40の回転直径が縦穴V上部の直径より長くなっているため、拡底掘削装置10をクレーン車C1によりそのまま引き上げることができない。
そうすることで、異常時に、掘削用油圧経路52の縮小用油圧経路52bの上流側にオイルが流出することなく、グリップ用油圧経路51側と掘削用油圧経路52側とが連通して、グリップ用油圧経路51の伸長用油圧経路51aから、チェック弁54dおよびストップ弁54bを通じてオイルを掘削用油圧経路52の縮小用油圧経路52bへ流入させることができる。
また、グリップ用油圧経路51の縮小用油圧経路51bから、チェック弁54eおよびストップ弁54bを通じてオイルを掘削用油圧経路52の縮小用油圧経路52bへ流入させることができる。
オイルが掘削用油圧経路52の縮小用油圧経路52bに流入すれば、掘削アーム部40を縮小させ、図3に示す掘削アーム部40の先端位置(掘削ビット42の位置)を縦穴上部の周壁位置より引き込ませることができる。
このように、図5に示す油圧回路50にバイパス用油圧回路54を設けるだけなので、掘削アーム部40を構造的に変更したり、部材の追加をしたりすることなく、バイパス用油圧回路54の追加により、掘削用シリンダ41が引き込めなくなった掘削アーム部40の異常時にも対応することができる。
しかし、グリップ用油圧経路51の伸長用油圧経路51aおよび縮小用油圧経路51bの両方からオイルを流入させるようする方が、グリッパー部30のグリッパー用シリンダ31が伸長してケーシングを押圧した状態であったり、グリッパー用シリンダ31が縮小して、筐体部11に収納された状態であったりしても、掘削アーム部40の掘削用シリンダ41を縮小させることができるため望ましい。
11 筐体部
20 吊り下げ部
21 フック部
22 スイベル部
23 支持部材
30 グリッパー部
31 グリッパー用シリンダ
32 グリップ用板
40 掘削アーム部
41 掘削用シリンダ
41a シリンダ部
41b ピストンロッド部
42 掘削ビット
43 ブラシ部
431 第1ブラシ部
432 第2ブラシ部
43a 基材
43b 毛材
50 油圧回路
51 グリップ用油圧経路
51a 伸長用油圧経路
51b 縮小用油圧経路
52 掘削用油圧経路
52a 伸長用油圧経路
52b 縮小用油圧経路
53a,53b 分集流弁
54 バイパス用油圧回路
54a バイパス用油圧経路
54b,54c ストップ弁
54d,54e チェック弁
55 スイベルジョイント
F1 径方向
F2 回転方向
F3 配列方向
C ケーシング
V 縦穴
B0 底部
B1 底角部
C1 クレーン車
H 油圧用ホース
OP 操作盤
T1~T4 接続管
Claims (5)
- 地中に埋設されたケーシングの内周面を押圧するための第1油圧シリンダを有するグリッパー部と、
前記ケーシングの回転により縦穴の周壁を掘削するために径方向に伸長する第2油圧シリンダを有する掘削アーム部とを備え、
前記掘削アーム部は、前記第2油圧シリンダの先端から突出した掘削ビットと、前記掘削ビットと併設され、前記掘削ビットより径方向の突出長さが長く形成されることで前記縦穴の底角部に接触する第1ブラシ部とを備えた拡底掘削装置。 - 前記第2油圧シリンダの底面に、前記縦穴の底面の掘削土を集土する第2ブラシ部を備えた請求項1記載の拡底掘削装置。
- 前記第2ブラシ部は、前記第1ブラシ部から連続して配置されたものである請求項2記載の拡底掘削装置。
- 前記第1ブラシ部と前記第2ブラシ部とは、回転中心に向かうに従って、回転方向の後方に向かって傾斜する請求項3記載の拡底掘削装置。
- 前記第1ブラシ部と前記第2ブラシ部とは、前記掘削ビットの回転方向の後方側に配置された請求項3または4記載の拡底掘削装置。
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