JP7142982B2 - 表面処理装置及びその方法 - Google Patents
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Description
表裏関係にある第1主面及び第2主面を被処理面とするワークの周縁を囲って保持する治具と、
表面処理槽と、
前記表面処理槽の上部から供給され、前記表面処理槽の下部から排出される処理液を循環させる処理液循環部と、
を有し、
前記表面処理槽は、
前記ワークを垂直状態で保持する前記治具を着脱自在に支持する支持部と、
前記ワークの前記第1主面及び前記第2主面とそれぞれ対向する第1壁部及び第2壁部と、
を含み、
前記ワークの前記第1主面と前記第1壁部との間に、前記処理液が流れる第1流路が形成され、前記ワークの前記第2主面と前記第2壁部との間に、前記処理液が流れる第2流路が形成され、
前記処理液循環部は、前記第1流路に沿って前記処理液の第1液流を形成する第1循環部と、前記第2流路に沿って前記処理液の第2液流を形成する第2循環部と、を含む表面処理装置に関する。
表裏関係にある第1主面及び第2主面を被処理面とするワークの周縁を囲って保持する平板状の治具を、表面処理槽に設けられた支持部に支持させて、前記表面処理槽内に設けられた第1壁部と第2壁部との間で前記ワークを垂直に支持する工程と、
前記ワークの前記第1主面と前記第1壁部との間に配置される第1流路に沿って上から下に向かう処理液の第1液流を形成するように、前記表面処理槽の内外で前記処理液を第1循環部により循環させ、前記ワークの前記第2主面と前記第2壁部との間に配置される第2流路に沿って上から下に向かう前記処理液の第2液流を形成するように、前記表面処理槽の内外で前記処理液を第2循環部により循環させて、前記ワークの前記第1主面及び前記第2主面を表面処理する工程と、
を有する表面処理方法に関する。
図1は、本実施形態に係る表面処理装置例えば電解メッキ装置の概略図である。電解メッキ装置1は、ワークWを保持する平板状の治具10と、表面処理槽100と、表面処理槽100に処理液2であるメッキ液を循環させる処理液循環部200と、を有する。ワークWは、表裏の関係にある第1主面(例えば表面)WF及び第2主面(例えば裏面)WBを被処理面とする。
ワークWは例えば矩形の回路基板であり、電解メッキ装置1により例えば銅メッキされる。ただし、メッキの種類は問わない。回路基板Wは、表面WF及び/又は裏面WBにビアホールを有することができ、表面WF及び裏面WBに貫通するスルーホールを有することができる。この場合、ビアホール及びスルーホールの内壁もメッキされる。また、ワークWは、表面WF及び裏面WBでの各メッキ面積が大きく異なっても良く、例えば表面WFの95%がメッキ面積であるのに対して、裏面WBのわずか5%がメッキ面積であっても良い。
ワークWを保持する治具10を、治具10の正面図である図2と、治具10の背面図である図3を用いて説明する。治具10へのワークWの着脱は、例えば自動機により行うことができる。治具10は、例えば絶縁材から成る例えば平板で形成される治具本体12を有する。治具本体12は、矩形ワークWの面積よりもわずかに大きい面積の矩形の穴14を有する。ワークWは、穴14に配置されて、ワークWの周縁が治具10で囲まれる。治具10は、矩形の穴14の周囲4辺に沿って、図2に示す電極15A~15D及び図3に示す電極15E~15Hを有する。これら電極15A~15Hは互いに絶縁される。各電15A~15Hには、複数のクランパー20が保持される。クランパー20は、ワークWをその表裏から挟んでクランプする。クランパー20は、ワークWの上縁部をクランプするクランパー21と、図2に示すワークWの左側縁部をクランプするクランパー22と、ワークWの下縁部をクランプするクランパー23と、図2に示すワークWの右側縁部をクランプするクランパー24とを含むことができる。ここで、クランパー21は、ワークWの表面WFと接触するクランプ片31(図2)と、ワークWの裏面WBと接触するクランプ片41(図3)とを含む。本実施形態では、クランプ片31とクランプ片41とは電気的に絶縁される。同様に、クランパー22は電気的に絶縁されたクランプ片32、42を含み、クランパー23は電気的に絶縁されたクランプ片33、43を含み、クランパー24は電気的に絶縁されたクランプ片34、44を含む。また、クランプ片31は電極15Aと、クランプ片32は電極15Bと、クランプ片33は電極15Cと、クランプ片34は電極15Dと、クランプ片41は電極15Eと、クランプ片42は電極15Fと、クランプ片43は電極15Gと、クランプ片44は電極15Hと、それぞれ導通している。こうして、クランプ片31~34及び41~44は互いに絶縁されることにより、ワークWの表裏で異なり、かつ、表裏の各々4辺から異なる電流を流すことができる。
図1において、表面処理槽100は、ワークWを垂直状態で保持する治具10を着脱自在に支持する支持部110、120を有する。下部支持部110は、治具10の下端部が挿入されるスリットを有する。上部支持部120も、治具10の上端部が挿入されるスリットを有する。治具10は、表面処理槽100の上方から降下されて、図4に示すように、支持部110、120により垂直状態で保持される。上部支持部120は、治具10の端子群35A,35B,45A,45Bと接触する端子群(図示せず)を有する。それにより、治具10が上方より降下されて上部支持部120に支持されることで、治具10の端子群35A,35B,45A,45Bを、表面処理槽100の外部にある整流器に接続することができる。ここで、治具10は、図2及び図3に示す底辺13A及び両側辺13B,13Cを有する。支持部は、下部及び上部支持部110、120に支持される治具10の底辺13A及び両側辺13B,13Cを囲む隔壁130をさらに有することができる(図1及び図4参照)。それにより、支持部110、120及び隔壁130と、その支持部に支持される治具10と、治具10に保持されるワークWとにより、表面処理槽100が図4に示すように第1槽101及び第2槽102に区画される。なお、第1槽101及び第2槽102は、必ずしも液密にシールされる必要はないが、シールされても良い。また、支持部110、120及び隔壁130等が治具本体12の周縁を挟み込み駆動されることで、治具本体12の周囲も液密シールすることができる。
次に、処理液循環部200について図1を参照して説明する。図1において、処理液循環部200は、第1流路FP1に沿って表面処理槽100の上部から下部に向かう処理液2の第1液流LF1を形成する第1循環部210と、第2流路F2に沿って表面処理槽100の上部から下部に向かう処理液2の第2液流LF2を形成する第2循環部220と、を含む。第1液流LF1及び第2液流LF2は上から下に流れるので、不純物が滞留することがない。よって、特にライン&スペースの小さい導電パターンをメッキしても、不純物が付着して導電パターン同士がショートする不良をなくすことができる。第1循環部210は第1液流LF1の単位時間当たりの流量が可変であり、第2循環部220は第2液流LF2の単位時間当たりの流量が可変とすることができる。それにより、ワークWの表面WF及び裏面WBをそれぞれ処理する処理条件を、独立して設定できる。
次に、図1に示す表面処理装置1により実施される表面処理方法について、図6~図11を参照して説明する。
図6は、治具10を表面処理槽100に設定する前の運転開始モードを示している。先ず、図1の遮断バルブSVF,SVBを全閉した状態で、ポンプPをオンする。このとき、図1の第1循環部210では第1供給流SFF1が、第2循環部220では第1供給流SFB1が、それぞれ選択されるようにバルブ制御される。これにより、空状態の表面処理槽100内に処理液2を充満させる。
図7は、通常運転モード1を示している。運転開始モードに設定後に、図1の遮断バルブSVF,SVBが全開される。その後、治具10を表面処理槽100に設定する。表面処理槽100の第1槽101及び第2槽102にそれぞれ供給される処理液2の流量Q1/sは、表面処理槽100の排液口103、104の各々からの処理液2の流量Q11/sと、オーバーフロー槽180からの排液の流量Q12/sとの和である(Q1/s=Q11/s+Q12/s)。
図7において、図1の遮断バルブSVF,SVBが全閉され、オーバーフロー槽180から調整タンクCTに排液される低流量Q2/s(Q2/s≪Q1/s)が、第1及び第2循環部210、220から第1及び第2槽101、102に供給される。このとき、図1の第1循環部210では第2供給流SFF2が、第2循環部220では第2供給流SFB2が、それぞれ選択されるようにバルブ制御される。通常運転モード2では、表面処理槽100の第1槽101及び第2槽102での処理液2の液位L0は共に等しく、かつ、第1槽101の第1液流LF1と第2槽102の第2液流LF2の流量は共にQ2/sと等しい。通常運転モード2は、通常運転モード1と比較して、単位時間あたりに流れる流量が低流量である点は相違するが、ワークWの表面WF及び裏面WBで、処理面に接する処理液2の流量と圧力とに関する処理条件を等しく設定することができる。
図8は、スルーホール処理モード1を示している。スルーホール処理モード1では、第1槽101での処理液2の液位L0と流量Q1/sは、通常運転モード1と同じである。つまり、図1の第1循環部210では第1供給流SFF1が選択されるようにバルブ制御される。一方、第2槽102での処理液2の流量Q3/sは、通常運転モード1の流量Q1/sよりも小さい(Q3/s<Q1/s)。つまり、第2循環部220では第2供給流SFB2が選択されるようにバルブ制御される。
図9は、スルーホール処理モード2を示している。スルーホール処理モード2では、第1槽101での処理液2の液位L0と流量Q1/sは、通常運転モード1と同じである。つまり、図1の第1循環部210では第1供給流SFF1が選択されるようにバルブ制御される。一方、第2循環部220では、治具10を表面処理槽100に装着すると同時又はその後に、第2供給流SFB2が選択されるようにバルブ制御される。つまり、第2循環部220では、ポンプPから圧送される処理液2のうちの少量の流量Q4/s(Q4/s≪Q1/s)が表面処理槽100に供給される。
図10は、スルーホール処理モード3を示している。スルーホール処理モード3では、第1槽101での処理液2の液位L0と流量Q1/sは、通常運転モード1と同じである。つまり、図1の第1循環部210では第1供給流SFF1が選択されるようにバルブ制御される。一方、第2循環部220では、遮断バルブSVBは全開され、第3供給流SFB3が選択されるようにバルブ制御される。つまり、第2循環部220では、ポンプPから圧送される処理液2は全て三方弁TCVB2を介して調整タンクCTに戻され、表面処理槽100には供給されない。
図11は、クリーニングまたは運転停止モードを示している。このモードでは、図1の遮断バルブSVF,SVBが全開される。さらに、図1の第1循環部210では第3供給流SFF3が、第2循環部220では第3供給流SFB3が、それぞれ選択されるようにバルブ制御される。それにより、第1及び第2循環部210、220では、ポンプPから圧送される処理液2は全て三方弁TCVF2、TCVB2を介して調整タンクCTに戻され、表面処理槽100には供給されない。こうして、表面処理槽100に供給される処理液2を遮断することができ、運転停止モードまたはクリーニングモードに設定することができる。
上述のモードのうち、運転開始モード、クリーニングまたは運転停止モードを除く各モードでは、図5(A)~図5(C)に示す複数の整流器とワークWとの間に流れる電流を制御することができる。特に、本実施形態では、ワークWの表面WFと裏面WBとの各々で電流値を独立に設定でき、加えて、ワークWの表面WFと裏面WBとの各面を分割した領域で電流値を独立に設定できる。それにより、例えば表面WFの95%がメッキ面積であるのに対して、裏面WBのわずか5%がメッキ面積であっても、メッキ面積やメッキ箇所に応じて電流を調整することができる。
Claims (9)
- 表裏関係にある第1主面及び第2主面を被処理面とするワークの周縁を囲って保持する治具と、
表面処理槽と、
前記表面処理槽の上部から供給され、前記表面処理槽の下部から排出される処理液を循環させる処理液循環部と、
を有し、
前記表面処理槽は、
前記ワークを垂直状態で保持する前記治具を着脱自在に支持する支持部と、
前記ワークの前記第1主面及び前記第2主面とそれぞれ対向する第1壁部及び第2壁部と、
を含み、
前記ワークの前記第1主面と前記第1壁部との間に、前記処理液が流れる第1流路が形成され、前記ワークの前記第2主面と前記第2壁部との間に、前記処理液が流れる第2流路が形成され、
前記処理液循環部は、前記第1流路に沿って前記処理液の第1液流を形成し、かつ、前記第1液流の単位時間当たりの流量が可変である第1循環部と、前記第2流路に沿って前記処理液の第2液流を形成し、かつ、前記第2液流の単位時間当たりの流量が可変である第2循環部と、を含む表面処理装置において、
前記支持部と、前記支持部に支持される前記治具と、前記治具に保持される前記ワークとにより、前記表面処理槽が第1槽及び第2槽に区画され、
前記表面処理装置は、
前記第1槽内で第1オーバーフロー液位を超えてオーバーフローした前記処理液を、前記処理液循環部に戻す第1オーバーフロー槽と、
前記第2槽内で第2オーバーフロー液位を超えてオーバーフローした前記処理液を、前記処理液循環部に戻す第2オーバーフロー槽と、
をさらに有し、
前記第1循環部は、前記第1槽が前記第1オーバーフロー液位となるように、前記第1液流の前記流量を調整し、前記第2循環部は、前記第2槽が前記第2オーバーフロー液位より低い液位となるように、前記第2液流の前記流量を調整する、表面処理装置。 - 請求項1において、
前記処理液循環部は、
前記表面処理槽から排出される前記処理液の成分及び温度を調整する調整タンクと、
前記調整タンク内の前記処理液を圧送するポンプと、
を含み、
前記調整タンクは、
前記第1槽から排出される前記処理液の成分及び温度を調整する第1調整タンクと、
前記第2槽から排出される前記処理液の成分及び温度を調整する第2調整タンクと、
を含み、
前記ポンプは、
前記第1調整タンク内の前記処理液を圧送する第1ポンプと、
前記第2調整タンク内の前記処理液を圧送する第2ポンプと、
を含む表面処理装置。 - 請求項1において、
前記処理液循環部は、
前記表面処理槽から排出される前記処理液の成分及び温度を調整する調整タンクと、
前記調整タンク内の前記処理液を圧送するポンプと、
を含み、
前記調整タンク及び前記ポンプは、前記第1循環部及び前記第2循環部で共用される表面処理装置。 - 請求項2または3において、
前記第1循環部及び前記第2循環部の各々は、
前記表面処理槽の前記下部から排出される前記処理液の単位時間当たりの流量を可変する排液流量制御バルブと、
前記表面処理槽の前記上部から供給される前記処理液の単位時間当たりの流量を可変する給液流量制御バルブと、
前記ポンプで圧送される前記処理液の一部を前記調整タンクに戻す一部戻しバルブと、を含む表面処理装置。 - 請求項2乃至4のいずれか一項において、
前記第1循環部及び前記第2循環部の各々は、
前記表面処理槽の前記下部からの前記処理液の排出を遮断する遮断バルブと、
前記ポンプで圧送される前記処理液の全てを前記調整タンクに戻す全量戻しバルブと、を含む表面処理装置。 - 請求項1乃至5のいずれか一項において、
少なくとも一つの整流器をさらに含み、
前記第1壁部は、前記ワークの前記第1主面と対向する第1陽極を保持し、
前記第2壁部は、前記ワークの前記第2主面と対向する第2陽極を保持し、
前記少なくとも一つの整流器は、前記第1陽極及前記第2陽極に接続され、かつ、前記治具を介して前記ワークを陰極に設定する表面処理装置。 - 請求項6において、
前記治具は、前記ワークの前記第1主面と導通する第1導通部と、前記ワークの前記第2主面と導通する第2導通部と、を含み、
前記少なくとも一つの整流器は、前記治具の前記第1導通部と前記第1陽極とに接続される第1整流器と、前記治具の前記第2導通部と前記第2陽極とに接続される第2整流器と、を含む表面処理装置。 - 請求項6において、
前記治具は、
前記ワークの前記第1主面の第1分割領域と導通する第1導通部と、
前記ワークの前記第1主面の第2分割領域と導通する第2導通部と、
前記ワークの前記第2主面の第1分割領域と導通する第3導通部と、
前記ワークの前記第2主面の第2分割領域と導通する第4導通部と、
を含み、
前記少なくとも一つの整流器は、第1~第4整流器を含み、
前記第1整流器は、前記ワークの前記第1主面の前記第1分割領域と対向する前記第1陽極の第1分割領域と、前記治具の前記第1導通部とに接続され、
前記第2整流器は、前記ワークの前記第1主面の前記第2分割領域と対向する前記第1陽極の第2分割領域と、前記治具の前記第2導通部とに接続され、
前記第3整流器は、前記ワークの前記第2主面の前記第1分割領域と対向する前記第2陽極の第1分割領域と、前記治具の前記第3導通部とに接続され、
前記第4整流器は、前記ワークの前記第2主面の前記第2分割領域と対向する前記第2陽極の第2分割領域と、前記治具の前記第4導通部とに接続される表面処理装置。 - 表裏関係にある第1主面及び第2主面を被処理面とするワークの周縁を囲って保持する平板状の治具を、表面処理槽に設けられた支持部に支持させて、前記表面処理槽内に設けられた第1壁部と第2壁部との間で前記ワークを垂直に支持する工程と、
前記ワークの前記第1主面と前記第1壁部との間に配置される第1流路に沿って上から下に向かう、単位時間当たりの流量が可変である処理液の第1液流を形成するように、前記表面処理槽の内外で前記処理液を第1循環部により循環させ、前記ワークの前記第2主面と前記第2壁部との間に配置される第2流路に沿って上から下に向かう、単位時間当たりの流量が可変である前記処理液の第2液流を形成するように、前記表面処理槽の内外で前記処理液を第2循環部により循環させて、前記ワークの前記第1主面及び前記第2主面を表面処理する工程と、
を有する表面処理方法において、
前記支持部と、前記支持部に支持される前記治具と、前記治具に保持される前記ワークとにより、前記表面処理槽が第1槽及び第2槽に区画され、
前記第1槽内で第1オーバーフロー液位を超えてオーバーフローする前記処理液が流入される第1オーバーフロー槽と、前記第2槽内で第2オーバーフロー液位を超えてオーバーフローする前記処理液が流入される第2オーバーフロー槽と、を用意し、
前記第1循環部は、前記第1槽が前記第1オーバーフロー液位となるように、前記第1液流の前記流量を調整し、前記第2循環部は、前記第2槽が前記第2オーバーフロー液位より低い液位となるように、前記第2液流の前記流量を調整する、表面処理方法。
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