JP7141633B2 - 摺動装置 - Google Patents

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Description

本開示は、DLC膜を有する摺動装置に関する。
DLC(Diamond-like carbon)は、硬質薄膜の中でも低摩擦と低摩耗特性を兼ね備えた摺動材料として多くの機械要素へ適用されている。
そして、非特許文献1では、軸受鋼SUJ2からなるボールと、軸受鋼SUJ2からなる基材に種々の形態のDLC膜を形成したディスクを用いた摺動試験の結果から、DLCのトライボロジー特性に及ぼす雰囲気ガスの影響はその構造や組成に依存することが示されている。
水素ガス雰囲気におけるDLC膜の摩擦摩耗、トライボロジスト、2009年(Vol.54)10号、p1-9
本開示は、水素雰囲気下で摩擦係数が低い摺動装置を提供することを目的とする。
本開示の摺動装置は、摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、前記摺動部は、銅合金からなる基部上にDLC膜からなる第1面を有するシートリテーナと、ZrおよびAlの少なくともいずれかを含む酸化物を主成分とするセラミックスからなり、第2面を有するボールとを備えたトラニオン構造であり、前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、該摺動面における雰囲気が水素であり、前記DLC膜が水素を含有している。
また、本開示の摺動装置は、摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、前記摺動部は、銅合金からなる基部上にDLC膜からなる第1面を有するシートリテーナと、ジルコニア質セラミックスからなり、第2面を有するボールとを備えたトラニオン構造であり、前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、該摺動面における雰囲気が水素であり、前記DLC膜が水素を含有していない。
また、本開示の摺動装置は、摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、前記摺動部は、DLC膜からなる第1面を有する第1部材と、炭化珪素質セラミックスからなり、第2面を有する第2部材とを備え、前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、前記DLC膜が水素を含有し、該摺動面における雰囲気が水素であるとともに水分を含有している。
また、本開示の摺動装置は、摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、前記摺動部は、DLC膜からなる第1面を有する第1部材と、窒化珪素質セラミックスからなり、第2面を有する第2部材とを備え、前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、前記DLC膜が水素を含まず、該摺動面における雰囲気が水素であるとともに水分を含有している。
本開示の摺動装置は、水素雰囲気下で摩擦係数が低いため、摺動に要する力が小さくな
り、また、長期間にわたって使用することができるため、部品交換の頻度を下げることができる。
図1は本実施形態の摺動装置の一例を示す、(a)は模式図であり、(b)は(a)におけるAA’線で切断した断面図であり、(c)は(b)におけるB部の拡大図である。 陰極PIG(Penning Ionization Gauge)プラズマCVD装置の概略構成の一例を示す模式図である。 真空アーク蒸発源を用いたイオンプレーティング装置の概略構成の一例を示す模式図である。
本開示に係る摺動装置について図を参照しながら説明する。
本開示の摺動装置は、第1~第4実施形態に分けられ、摺動部と、摺動部を収容する収容部とを備える。摺動部は、DLC膜からなる第1面を有する第1部材と、第2面を有する第2部材とを備える。なお、第2部材は、セラミックスからなる。そして、第1面と前記第2面とが摺動面であり、摺動面における雰囲気が水素である点で共通しており、セラミックスの種類、DLC膜の種類、雰囲気における水分の有無等の組み合わせが相違している。
まず、共通部分について、説明する。図1は、本実施形態の摺動装置の一例を示す、(a)は模式図であり、(b)は(a)におけるAA’線で切断した断面図であり、(c)は(b)におけるB部の拡大図である。
図1に示す摺動装置は、トラニオン構造からなるボール弁1である。ボール弁1は、本体2、本体2の内部空間に収容されるボール4およびシートリテーナ5を備えている。
本体2は、例えば、ステンレス鋼(SUS)からなり、この本体2は、その内部に水素ガスが流れる流路を備え、球状の空間部2aを備えている。そして、この空間部2aには、ボール4が配置され、本体2の上部には上ステム6を挿入するための貫通孔が形成されている。
流路の上流側には流入部8、流路の下流側には流出部9が接続され、外部の配管(図示しない)が接続可能な装着孔8a、9aをそれぞれ備えている。
図1(b)に示すように、ボール4は、その内部に、水素ガスが流れる流路の一部を構成する、貫通した流路4aを備えている。ボール4の上側には上ステム6、ボール4の下側には下ステム(図示しない)がそれぞれ配置されている。そして、ボール4を回転させるためのハンドル11が、上ステム6の上端部に着脱可能に設けられ、ハンドル11を回転させて、ボール4を回転させることでボール弁1の流路が開閉し、弁として機能する。図1(b)の例では、ボール弁1の弁が開いた状態、すなわち流体が流れる状態を示している。
シートリテーナ5は、ボール4側に対向し、ボール4に当接することにより、水素ガスの漏洩を防ぐようにされている。シートリテーナ5の基部5aは、例えば、ベリリウム銅合金などの銅合金からなる。シートリテーナ5の基部5aが銅合金からなる場合、水素脆性に優れる。そして、図1(c)に示すように、シートリテーナ5は、基部5aの表面のうち少なくともボール4に対向する面を覆うようにDLC膜5bを有しており、このDL
C膜5bがボール4と接している。
DLC膜5bは、主に炭化水素または炭素の同素体からなる非晶質の硬質膜であり、高い硬度を有し、潤滑性、熱伝導性、耐摩耗性、表面平滑性および化学的安定性に優れている。
シートリテーナ5は、本開示の第1部材5であり、ボール4は、後述する種類のセラミックスからなる本開示の第2部材4である。そして、シートリテーナ5のDLC膜5bの表面である第1部材5の第1面と、第2部材4であるボール4の表面である第2面とが摺動面となる。このようなボール弁1においては、ボール4を回転させることにより、水素雰囲気下でボール4とシートリテーナ5が摺動し、ボール4とシートリテーナ5が摺動部となる。この摺動部が、本体2に収容されており、本体2が収容部2である。
以下に、本開示の第1~第4実施形態について説明する。
第1実施形態の摺動装置1(ボール弁1)は、摺動部(ボール4およびシートリテーナ5)と、摺動部を収容する収容部2(本体2)とを備える。摺動部は、DLC膜5bからなる第1面を有する第1部材5(シートリテーナ5)と、第2面を有する第2部材4(ボール4)とを備える。ここで第2部材4は、ZrおよびAlの少なくともいずれかを含む酸化物を主成分とするセラミックスからなる。そして、第1面と第2面とが摺動面であり、摺動面における雰囲気が水素であり、DLC膜5bが水素を含有している。なお、本実施形態における摺動面における雰囲気とは、摺動面が曝される雰囲気をいう。
第1実施形態の摺動装置1は、上記構成を満たしていることにより、第1部材5および第2部材4の摺動における摩擦係数が低い。
第1実施形態における第2部材4は、アルミナを主成分とするアルミナ質セラミックスであっても、ジルコニアを主成分とするジルコニア質セラミックスであってもよく、アルミナとジルコニアとを含有し、両者の合計が主成分となるセラミックスであってもよい。
ここで、主成分とは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、60質量%を超える成分のことである。また、アルミナ質セラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値が60質量%以上のセラミックスのことである。ジルコニア質セラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、ZrをZrOに換算した値が60質量%以上のセラミックスのことである。さらに、アルミナとジルコニアとを含有し、両者の合計が主成分となるセラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した値と、ZrをZrOに換算した値との合計が60質量%以上のセラミックスのことである。
そして、雰囲気における水分量が60体積ppm以下であるときには、摩擦係数がより低くなる。さらに、雰囲気が、水分を含まないときには、さらに摩擦係数が低くなる。
第2実施形態の摺動装置1は、摺動部と、摺動部を収容する収容部2とを備える。摺動部は、DLC膜5bからなる第1面を有する第1部材5と、第2面を有する第2部材4とを備える。ここで、第2部材4は、ジルコニア質セラミックスからなる。そして、第1面と第2面とが摺動面であり、摺動面における雰囲気が水素であり、DLC膜5bが水素を含有していない。
第2部材4として、ジルコニア質セラミックスを用いると、DLC膜5bが水素を含有
していない場合であっても、第1部材5および第2部材4の摺動における摩擦係数が低くなる。
また、第2実施形態の摺動装置1において、雰囲気における水分量が60体積ppm未満であるときには、摩擦係数がより低くなる。さらに、雰囲気が、水分を含まないときには、さらに摩擦係数が低くなる。
第3実施形態の摺動装置1における摺動部は、DLC膜5bからなる第1面を有する第1部材5と、第2面を有する第2部材4とを備える。ここで、第2部材4は、炭化珪素質セラミックスからなる。そして、第1面と第2面とが摺動面であり、DLC膜5bが水素を含有し、摺動面における雰囲気が水素であるとともに水分を含有する。詳細理由は不明であるが、第3実施形態の摺動装置1は、上記構成を満たしていることにより、第1部材5および第2部材4の摺動における摩擦係数が低い。
また、第3実施形態の摺動装置1において、雰囲気における水分量が60体積ppm以上であるときには、摩擦係数がより低くなる。
なお、炭化珪素質セラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、SiをSiCに換算した値が60質量%以上のセラミックスのことである。
第4実施形態の摺動装置1における摺動部は、DLC膜5bからなる第1面を有する第1部材と、第2面を有する第2部材とを備える。ここで、第2部材4は、窒化珪素質セラミックスからなる。そして、第1面と第2面とが摺動面であり、DLC膜5bが水素を含まず、摺動面における雰囲気が水素であるとともに水分を含有する。第4実施形態の摺動装置1は、上記構成を満たしていることにより、第1部材5および第2部材4の摺動における摩擦係数が低い。
また、第4実施形態の摺動装置1において、雰囲気における水分量が60体積ppm以上であるときには、摩擦係数がより低くなる。
なお、雰囲気の水分量は、例えば、高純度ガス用微量水分分析器を用いて測定することができる。例えば、キャビティリングダウン分光器、レーザー式水分センサを用いたTiger Optics社製のHALO-HOなどを用いるとよい。
なお、窒化珪素質セラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、SiをSiに換算した値が60質量%以上のセラミックスのことである。
そして、セラミックスを構成する成分は、X線回折装置(XRD)を用いて同定することができる。アルミナ質セラミックスであれば、アルミナの存在が確認され、ジルコニア質セラミックスであれば、ジルコニアの存在が確認される。炭化珪素質セラミックスおよび窒化珪素質セラミックスについても同様である。
また、各成分の含有量は、蛍光X線分析装置(XRF)またはICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析装置(ICP)によって得られた元素の含有量を同定された成分に応じて、酸化物、炭化物または窒化物等に換算すればよい。
また、DLC膜における水素の含有量は、その有無も含めて、水素前方散乱分析法(Hydrogen Forward Scattering Spectrometry:
HFS)を用いて測定すればよい。
本実施形態の摺動装置1の第1部材5に被覆されたDLC膜5bが水素を含有する場合の水素の含有量の一例としては、DLC膜を構成する元素100原子%のうち、20原子%以上40原子%以下である。
次に、本実施形態の摺動装置における、第1部材5へのDLC膜5bの製造方法の一例を、図を用いて説明する。
図2は、陰極PIGプラズマCVD装置の概略構成の一例を示す模式図である。
図2に示すように、陰極PIGプラズマCVD装置は、チャンバー20を備えており、チャンバー20内には、シートリテーナ5の基部5aを保持するためのホルダー22と、電極23、カソード24が配置されている。また、チャンバー20外に、電極23と繋がるバイアス電源(A)25と、カソード24と繋がるバイアス電源(B)26を有している。また、チャンバー20外に、陰極PIGプラズマ源27、コイル28を有している。そして、チャンバー20には、チャンバー20内にガスを導入するためのガス導入口29と、チャンバー20からガスを排出するためのガス排出口30が接続されている。
そして、チャンバー20内にプラズマ31が形成される。なお、カソード26の背後には図示しない磁石が配置されて、スパッタ源となっている。
まず、第1部材であるシートリテーナ5の基部5aをホルダー22に装着してチャンバー20内の所定位置に配置する。次いで、ガス導入口29からアルゴンガスを導入するとともに、陰極PIGプラズマ源27、電極23およびコイル28を用いて、プラズマ31を発生させる。ここで、アルゴンガスの流量は、例えば、30sccm以上50sccm以下である。
そして、プラズマ31中のアルゴンイオンをバイアス電源(A)25にて印加した負のバイアス電圧によりシートリテーナ5の基部5aへ引きつけ、後にシートリテーナ5の基部5aのDLC膜5bが被覆される被覆面をエッチングすることにより被覆面に付着している不純物を除去する。ここで、バイアス電圧は、-600V以上-500V以下である。
その後、シートリテーナ5の基部5aをカソード24に向け、シートリテーナ5の基部5aへの負のバイアス電圧の印加を停止する。その後、ガス導入口29からアセチレン等の炭化水素系ガスを導入し、陰極PIGプラズマ源27により、炭化水素系ガスを分解、反応させることにより、水素を含有するDLC膜5bをシートリテーナ5の基部5aの表面に形成することができ、シートリテーナ5を得ることができる。
次に、水素を含まないDLC膜5bを得る方法の一例を、図を用いて説明する。
図3は、真空アーク蒸発源を用いたイオンプレーティング装置の概略構成の一例を示す模式図である。
イオンプレーティング装置は、チャンバー41を備え、チャンバー41内にはアーク蒸発源42、43およびホルダー44が配置されている。
まず、洗浄液(アセトンまたはイソプロパノール)中でシートリテーナ5の基部5aを超音波洗浄した後、ホルダー44にシートリテーナ5の基部5aを装着する。次に、チャンバー41に設けられた排気口45に接続された真空ポンプ(図示しない)によってチャ
ンバー41内を所定の真空度とした後、不活性ガス(ArまたはHe)を用いたイオンボンバード処理によりシートリテーナ5の基部5aの曲面状の端面から不純物を除去する。
そして、カーボンカソードを装着したアーク蒸発源43に、アーク電源46から一定電流を印加することによって、第1部材5であるシートリテーナ5の基部5aにDLC膜5bを被覆することができる。なお、一定電流を印加している間、チャンバー41の外部に設置されたモーター47を回転駆動させることにより、回転導入部48に挿入された回転軸49を介してホルダー44を回転させる。また、回転導入部48に接続されたバイアス電源50を介してシートリテーナ5の基部5aにバイアス電圧を印加する。
バイアス電圧は、印加開始から所定時間経過するまで500V~1000Vに設定した後、50V~100Vに変更することによって水素を含まないDLC膜5bを得ることができる。
このように、イオンプレーティング法、スパッタリング法等のPVD法では、カソードに固体のカーボンを用いるため、水素を含まないDLC膜5bが形成され、シートリテーナ5を得ることができる。
そして、DLC膜5bを有するシートリテーナ5と、セラミックスからなるボール4とを本体2の内部の所定位置に取り付けることにより、本実施形態の摺動装置1であるボール弁1を得ることができる。
ピン・オン・ディスク摩擦試験機を用いて摩擦試験を行うために、先端部に鏡面加工を施した先端部の半径が4mmのピン形試験片を準備した。ピン形試験片の材質は、ジルコニア質、アルミナ質、炭化珪素質および窒化珪素質セラミックスとした。
円板状試験片は、鏡面加工した円板状の軸受鋼(SUJ2)に、それぞれ水素を含有するDLC膜(表1では、a-C:HDLCと記載する。)および水素を含まないDLC膜(表1では、ta-CDLCと記載する。)のいずれかで被覆した試験片を準備した。
いずれの試験片もアセトンとヘキサンとの体積比が1:1の混合液で10分間超音波洗
浄した後、摩擦試験を行い、摩擦係数を測定し、その値を表1に示した。本実施例の場合、円板状試験片が第1部材に、ピン形試験片が第2部材にそれぞれ該当する。
摩擦試験は、摺動速度0.105m/s、摺動距離は100m、荷重は10Nとして実
施した。摺動面における雰囲気は水素として、雰囲気における水分量が0体積ppmと60体積ppmの2条件になるように制御した。
Figure 0007141633000001
表1に示すように、アルミナ質セラミックスを用い、水素を含まないDLC膜を用いた試料No.7、8では、水分量にかかわらず0.23以上の高い摩擦係数となった。
一方、第1実施形態の実施例である、試料No.1、2、5、6では、0.04以下の低い摩擦係数が得られた。また、同じセラミックスを用いたとき、雰囲気中の水分量が少ない方がより低い摩擦係数が得られた。
また、第2実施形態の実施例である、試料No.3、4でも0.05以下の低い摩擦係数が得られた。また、雰囲気中の水分量が少ない方がより低い摩擦係数が得られた。
セラミックスとして炭化珪素を用いた試料No.9~12のうち、第3実施形態の実施例である試料No.10は、摩擦係数が0.03と低い値を示した。セラミックスとして炭化珪素を用いた場合、第1、第2実施形態の場合と異なり、雰囲気に水分を含有する場合の方が、摩擦係数が低くなった。
セラミックスとして窒化珪素を用いた試料No.13~16のうち、第4実施形態の実施例である試料No.16は、摩擦係数が0.05と低い値を示した。セラミックスとして窒化珪素を用いた場合も、第1、第2実施形態の場合と異なり、雰囲気に水分を含有する場合の方が、摩擦係数が低くなった。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行なってもよい。
シートリテーナを第1部材とし、ボールを第2部材とした例について記載しているが、例えば、ボールを第1部材とし、シートリテーナを第2部材として用いてもよい。また、
ボール弁以外の形態の摺動装置に本開示を適用してもよい。
1 :摺動装置、ボール弁
2 :本体、収容部
4 :第2部材、ボール
5 :第1部材、シートリテーナ
5a:基部
5b:DLC膜
6 :上ステム
8 :流入部
9 :流出部
11:ハンドル
20:チャンバー
22:ホルダー
23:電極
24:カソード
25:バイアス電源(A)
26:バイアス電源(B)
27:陰極PIGプラズマ源
28:コイル
29:ガス導入口
30:ガス排出口
31:プラズマ
41:チャンバー
42、43:アーク蒸発源
44:ホルダー
45:排気口
46:アーク電源
47:モーター
48:回転導入部
49:回転軸
50:バイアス電源

Claims (8)

  1. 摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、
    前記摺動部は、
    銅合金からなる基部上にDLC膜からなる第1面を有するシートリテーナと、
    ZrおよびAlの少なくともいずれかを含む酸化物を主成分とするセラミックスからなり、第2面を有するボールとを備えたトラニオン構造であり
    前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、
    該摺動面における雰囲気が水素であり、
    前記DLC膜が水素を含有している、摺動装置。
  2. 前記雰囲気が、水分を含まない請求項1に記載の摺動装置。
  3. 摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、
    前記摺動部は、
    銅合金からなる基部上にDLC膜からなる第1面を有するシートリテーナと、
    ジルコニア質セラミックスからなり、第2面を有するボールとを備えたトラニオン構造であり
    前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、
    該摺動面における雰囲気が水素であり、
    前記DLC膜が水素を含有していない、摺動装置。
  4. 前記雰囲気の水分量が60体積ppm未満である請求項3に記載の摺動装置。
  5. 摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、
    前記摺動部は、
    DLC膜からなる第1面を有する第1部材と、
    炭化珪素質セラミックスからなり、第2面を有する第2部材とを備え、
    前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、
    前記DLC膜が水素を含有し、
    前記摺動面における雰囲気が水素であるとともに水分を含有している、摺動装置。
  6. 前記雰囲気の水分量が60体積ppm以上である、請求項5に記載の摺動装置。
  7. 摺動部と、該摺動部を収容する収容部とを備え、
    前記摺動部は、
    DLC膜からなる第1面を有する第1部材と、
    窒化珪素質セラミックスからなり、第2面を有する第2部材とを備え、
    前記第1面と前記第2面とが摺動面であり、
    前記DLC膜が水素を含まず、
    該摺動面における雰囲気が水素であるとともに水分を含有している、摺動装置。
  8. 前記雰囲気の水分量が60体積ppm以上である、請求項7に記載の摺動装置。
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