JP4638181B2 - 摺動部材、ディスクバルブ及びそれを用いた混合栓 - Google Patents

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Description

本発明は、摺動部材、特にシングルレバー混合栓、サーモスタッド混合栓をはじめとする水栓(湯水混合栓など)を構成する可動弁体と固定弁体からなるディスクバルブ及びそれを用いた混合栓に関する。
従来、湯水混合栓などの水栓に使用されるディスクバルブは、2枚の円盤状をした弁体(可動弁体及び固定弁体)を互いに摺接させた状態で相対摺動させることによって、各弁体に形成した流体通路の開閉を行うようになっている。そして、この種のディスクバルブは互いに絶えず摺り合わされた状態で使用されることから、ディスクバルブを構成する弁体は耐摩耗性及び耐食性に優れるセラミックスにより形成したものがあった。
また、上記ディスクバルブは弁体同士の操作力を低減する為に摺接面にグリース等の潤滑剤を介在させて使用されていた。
ところが、潤滑剤を使用したディスクバルブでは弁体同士の摺動により比較的短い期間で摺接面の潤滑剤が流出して無潤滑状態となる為に、摺接面間で引っかかりや異音を生じるとともに徐々にレバーの操作力が上昇して、ついには互いの弁体同士が張り付いて動かなくなるリンキング(凝着)を生じるといった課題があった。しかも、潤滑剤の種類によっては、長期使用中に劣化したり、ゴミ等の付着が発生して摺動特性を悪化させる恐れがあるとともに、吐水時に潤滑剤が流出すると人体に有害となる場合もあった。
そこで、近年、互いに摺動する弁体のうち、少なくともいずれか一方の弁体の摺接面に自己潤滑性を有するとともに、耐摩耗性に優れたダイヤモンド状硬質炭素膜を被着したディスクバルブが提案されている(特許文献1〜4参照)。
ダイヤモンド状硬質炭素膜の持つ優れた自己潤滑作用により、無潤滑状態でもリンキングを生じることなく安定した摺動特性を長期間にわたって維持することができるようになる。
ところで、近年、水栓や湯水混合栓等の内部の水圧が上昇して摺接面間に若干の隙間ができて水漏れを生じる恐れがあるために、弁体の摺接面を平滑面とし、かつ弁体同士の押圧力を高める必要があるのであるが、摺接面を構成するダイヤモンド状硬質炭素膜が剥離するといった恐れがあった。特に、近年、水栓には高いシール性が要求されるようになってきており、双方の弁体を、例えば算術平均粗さ(Ra)0.2μm以下の鏡面同士にしたものが増えている。特に、基体が鏡面状態のものにダイヤモンド状硬質炭素膜を被着しなければならない状況が増えてきている。
そこで、特許文献2のようにダイヤモンド状硬質炭素膜と化学的に結合力の高い中間層を被着して密着強度を高めたり、特許文献3のように中間層を被着した結果、基体表面を荒らすことができて密着力を高めることができる方法などが示されていた。さらに、特許文献4ではWC混合物からなる中間層を介してダイヤモンド状硬質炭素膜を被着する摺動セラミック材が提案されている。
また、特許文献5及び6では、基体の表面をイオン注入することで、炭素原子と注入原子との混合層が形成される摺動部品が紹介されており、ダイヤモンド状硬質炭素膜が上記混合層を形成することで、内部応力を緩和させて密着力を向上させることが示されている。
特開平3−223190号公報 特開平9−292039号公報 特開平6−227882号公報 特開平10−101463号公報 特開平7−90553号公報 特開平5−221691号公報
しかしながら、特許文献2では基体表面にTiやSiの中間層をPVDにて成膜する場合、200〜300℃程度に高温となる為、液相がエッチングされて、基体表面近傍で、液相成分が減少するといったことが起き、その結果、極微量ではあるが、基体表面の面状態が若干粗くなるといった課題があった。
基体がアルミナ質焼結体の場合、液相となるSiOやCaO、NaOなどが選択的に浸食されて基体表面の面粗さを粗くしていた。
これらのエッチングされた面は、ダイヤモンド状硬質炭素膜成膜後の表面状態に影響を与え、表面が凹凸となっていた。具体的には複数の10〜1000nmの平均曲率半径を有する0.1〜0.3μm程度の大きさの球状の突起が形成されていた。
これらの複数の略球状突起は、初期の摺動摩擦において、接触面積を小さくすることで、初期の低摩擦係数を低減させることに貢献するが、長期の使用を考えた場合、上記略球状突起は消滅してしまい、接触面積が大きくなり、レバーの操作トルクが上昇するといった課題があった。特に品質を重視する日本国内市場では、操作トルクが変化したことをクレームとして訴えてくることがあり、操作トルクの変化を小さくすることが課題であった。
また、水栓において、吐水される水にCaやFeなどの金属イオンなどを多く含むような一般水道水を挿通させていると、エッチングによって大きくなったボイドや、略球状突起に金属成分や炭酸カルシウムなどが付着し、互いの弁体を摺動させる際に、その付着物により、本来ダイヤモンド状硬質炭素膜が持つ低摩擦性を損なった摺接面となるといった課題があった。そして、付着物上での摺動も加わることで摩擦抵抗が増加し、これにより弁体同士の微振動が起こり、異音の発生が生じるといった課題があった。
特に、可動弁体よりも固定弁体側の面積が大きく、可動弁体の表面にダイヤモンド状硬質炭素膜を被着している場合、固定弁体の表面にこれらの現象は起きやすく、可動弁体のエッジ部分が車のワイパーのように固定弁体上を動くことになり、可動弁体の可動範囲の端部分に金属成分や炭酸カルシウムなどが付着・堆積しやすいものであった。
すなわち、エネルギー分散型の走査型電子顕微鏡(SEM)のX線マイクロアナリシス(EPMA)により、本発明者らがCaとC(炭素)の面分析を行ったマッピング結果によれば、それぞれの元素による付着物であることが判り、これから炭酸カルシウムが析出したものと推定される。
ところで、特許文献3ではプラズマCVD、イオンプレーティング、プラズマ励起スパッタ法等で基体表面に中間層を被着する際に表面の面粗さを荒らす為、あえてエッチングする効果を狙っており、その結果、得られるダイヤモンド状硬質炭素膜の面は、特許文献2と同様に粗くなるといった課題があった。
また、特許文献4では、基体がアルミナ質焼結体であるものの、高周波スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、又はイオンプレーティングなどのPVD法によって、WCを主成分とする中間層を成膜することで、導通を持たせており、アルミナ質焼結体等の絶縁基体に成膜するにはPVDなどでの中間層の形成が必要であるが、中間層の成膜の際に、基体表面の液相がエッチングされてしまい、特許文献2と同様にダイヤモンド状硬質炭素膜の表面が粗くなるといった課題があった。
そこで、基体の表面がエッチングされることなくダイヤモンド状硬質炭素膜を被着する方法として、低温処理によるイオン注入方法によって基体表面に混合層を設けることが提案されるが、アルミナ質焼結体等の絶縁の基体にイオン注入を行うのは技術的に難しいものであった。
例えば、イオン注入の方法を行っている特許文献4では、基体としてSiウェハを使用しており、また、特許文献5では基体表面上に予め金属、半導体、およびこれらの炭化物のうち少なくとも1種からなる中間膜を形成している為、セラミック焼結体のような絶縁基体にイオン注入を行うものではなかった。
従って、本発明は、セラミック焼結体からなる弁体を形成する基体へのダイヤモンド状硬質炭素膜の密着力を高めたディスクバルブを提供することである。特に、アルミナ質焼結体などの絶縁基体の鏡面品に対して密着性の高い成膜を行った摺動部材、特にディスクバルブ及びそれを用いた混合栓を提供することである。
また、長期使用によっても操作トルクの変化の小さい摺動部材を提供することである。
さらに、摺接面に金属成分や炭酸カルシウムなどが付着するのを低減して、異音の発生をなくし、且つ長期間使用してもスムーズな摺動を維持することができる摺動部材を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の摺動部材は、互いに摺動する一対の弁体の少なくとも一方の弁体の表面にダイヤモンド状硬質炭素膜を被着して摺接面を形成した摺動部材において、一方の弁体の基体が結晶粒子と該結晶粒子の間に充填されるCaおよびSiの少なくとも一方を含む充填成分とを備えたセラミックス焼結体であり、且つ上記基体上面より所定の深さまでの領域に、上記基体を構成する原子と注入原子との混合層を形成し、上記混合層が、上記基体の結晶粒子及び上記充填成分の双方に形成されており、上記基体の表面において、上記CaおよびSiの少なくとも一方が、上記基体内部の組成と比較して±10%以内の範囲であることを特徴とする。
また、上記基体がアルミナ質焼結体であることを特徴とする。
また、上記アルミナ質焼結体が96%以上の純度のアルミナ質焼結体であることを特徴とする。
また、上記混合層の厚みが50〜200nmの範囲であることを特徴とする。
また、上記注入原子が、炭素、Si、Ti、Zr、Hfのいずれか1種以上の元素を含むことを特徴とする。
また、上記摺動部材の摺動面の算術平均粗さが0.2μm以下であることを特徴とする。
また、上記基体において、CaまたはSi成分が、上記基体表面から500nmの深さの範囲で確認した際に、上記基体内部の組成と比較して±10%以内の範囲であることを特徴とする。
また、上記摺動部材を用いたディスクバルブであることを特徴とする。
また、上記ディスクバルブを用いた混合栓であることを特徴とする。さらに、本発明の弁体の製造方法は、互いに摺動する一対の弁体を有する摺動部材の少なくとも一方の弁体の製造方法であって、結晶粒子と該結晶粒子の間に充填されるCaおよびSiの少なくとも一方を含む充填成分とを備えたセラミックス焼結体からなる基体を準備する基体準備工程と、上記基体の表面に注入原子を注入して混合層を形成する混合層形成工程と、上記混合層上にダイヤモンド状硬質炭素膜を成膜する成膜工程と
を有し、上記混合層形成工程において、上記混合層が、上記基体の結晶粒子及び上記充填成分の双方に形成され、上記基体の表面において、CaおよびSiの少なくとも一方が、上記基体内部の組成と比較して±10%以内の範囲である。
以上、記述した通り本発明の摺動部材によれば、互いに摺動する一対の弁体の少なくとも一方の弁体の表面にダイヤモンド状硬質炭素膜を被着して摺接面を形成した摺動部材において、一方の弁体の基体が液相を備えたセラミックス焼結体であり、且つ上記基体上面に、上記基体を構成する原子と注入原子との混合層を形成し、上記混合層が、上記基体の結晶粒子及び液相の双方に形成されていることを特徴とするので、弁体を形成する基体へのダイヤモンド状硬質炭素膜の密着力が高い摺動部材を得ることが可能となる。
また、上記基体がアルミナ質焼結体であることを特徴とするので、硬度が高く、剛性の高い摺接面を得ることができ、さらに安価な摺動部材を得ることが可能となる。
また、上記アルミナ質焼結体が96%以上の純度のアルミナ質焼結体であることを特徴とするので、耐食性が損なわれず、さらにダイヤモンド状硬質炭素膜の成膜時に基体表面がエッチングされることがない。
また、上記混合層の厚みが50〜200nmの範囲であることや、上記注入原子が、炭素、Si、Ti、Zr、Hfのいずれか1種以上の元素を含むことを特徴とするので、ダイヤモンド状硬質炭素膜の密着強度が損なわれず、イオン注入によって成膜された結果、表面の略球状突起を低減させることができ、操作トルクの変化の少ない摺動部材を提供することができ、異物の付着の低減ができる。
さらに、上記摺動部材の摺動面の算術平均粗さが0.2μm以下であるので、平滑な面を有する摺動部材を提供することができる。
またさらに、上記基体において、CaまたはSi成分が、上記基体表面から500nmの深さの範囲で確認した際に、上記基体内部の組成と比較して±10%以下の範囲で一定であることを特徴としているので、基体表面がエッチングされていない摺動部材を提供することができ、本来の基体のボイドのままとすることができ、略球状突起を低減することができる結果、操作トルクの変化の小さい摺動部材を提供することができる。
以下、本発明の摺動部材を実施する為の最良の形態としてディスクバルブを用いて説明する。
図1は本発明のディスクバルブの一実施形態を示すもので、(a)はディスクバルブ全体、(b)は可動弁体、(c)は固定弁体の斜視図をそれぞれ示すものである。
本発明のディスクバルブ1は、互いに摺動する一対の弁体20、30の少なくとも一方の弁体である固定弁体20の表面にダイヤモンド状硬質炭素膜24を被着して摺接面21を形成したものであり、固定弁体20は上下面を貫通する流体通路22及び2つの流体吐出口(例えば湯吐出口と水吐出口)を備えた円盤状をしたもので、図2に示すように、固定弁体20の基体25は液相25bを備えており、且つ基体25上面に、基体25を構成する原子と注入原子との混合層26を形成し、混合層26が、基体25の結晶粒子25a及び液相25bの双方に形成されている。そして、ダイヤモンド状硬質炭素膜24を被着して摺接面21を形成している。
また、他方の弁体である可動弁体30は上下面を貫通する流体通路32を備え、一方の固定弁体20より小さい円盤状で形成してあり、固定弁体20との摺接面31を形成している。
そして、図3のようにこれらの各弁体20、30とを無潤滑状態で互いの摺接面21、31同士を密着させ、レバー(不図示)を動かして、可動弁体30を摺動させることにより、互いの弁体20、30の流体通路22、32の開閉を行い、供給流体の流量調整を行うと共に、流体吐出口の開度調整を行うようになっている。
この時、固定弁体20の摺接面21には自己潤滑性に優れ且つ高硬度を有するダイヤモンド状硬質炭素膜24を被着してあることから、無潤滑状態にも関わらず他方の可動弁体30を大きく摩耗させることなくレバー操作力を低減して滑らかに摺動させることができる。
イオン注入によって低温で混合層26を処理できることから、基体25の表面の液相25bがエッチングされずに、基体25内の粒界と結晶粒子25aの双方に均等に混合層26が形成することができる。その結果、基体25表面近傍で、液相25b成分が減少することもなく、基体25表面の面状態が損なわれることがない。その為、摺接面21の面状態は基体25表面自体の面状態と変わらない面状態を得ることが可能となる。
特に、基体25がアルミナ質焼結体の場合、液相25bとなるSiOやCaO、NaOなどが選択的に浸食されやすいが、本発明によれば、これらの成分がエッチングされていないことが判る。これらの成分がエッチングされているのかどうかを確認するには、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)により分析を行えば確認できる。例えば、アルバック・ファイ社製のADEPT1010を用いて、一次イオン種をO として取り込み元素を陽イオンに絞り、加速電圧3.0kV、電流150nAで分析すればよい。
SIMSで確認すれば、基体25表面でSiOやCaO、NaOがエッチングされていれば、SiやCa、Naの検出成分が内部に行く程上昇し最終的に一定状態で推移することが判る。そして、SIMSでは予めAESやXPSで組成が判っているリファレンスを参考にすれば良い。
そして、基体25がエッチングされていないので、ダイヤモンド状硬質炭素膜24の成膜後の表面状態は液相部25bがエッチングされた為に生じる凹部の少ない、平滑な面になるので、初期の摺動摩擦と後期の摺動摩擦の接触面積が変わることなく、レバーの操作トルクが一定となる。特にエッチングされた基体25の表面にダイヤモンド状硬質炭素膜24を成膜したものでは、表面状態に影響を与え、表面が凹凸となっていた。具体的には複数の10〜1000nmの平均曲率半径を有する0.1〜0.3μm程度の大きさの球状の突起が形成され、これらの複数の略球状突起によって、初期の摺動摩擦において、接触面積を小さくすることができ、初期の低摩擦係数を低減させることができるが、長期使用時に、上記略球状突起は消滅してしまい、接触面積が大きくなり、レバーの操作トルクが上昇していたが、本発明では略球状突起を小さく抑えることが可能となり、その初期状態でレバーの操作トルクを調節するので、長期間使用しても初期と後期でのレバーの操作トルクが変化し難い。
また、水栓において、吐水される水にCaやFeなどの金属イオンなどを多く含むような一般水道水を挿通させても、凹面の少ない平滑な面であるので、金属成分や炭酸カルシウムなどが付着し難く、互いの可動弁体20、30を摺動させても摩擦抵抗は変わらない状態となり、異音の発生が生じることもない。
また、本発明の弁体20,30を形成する基体25、35はアルミナ質焼結体であることを特徴とするものである。さらに、上記アルミナ質焼結体は96%以上の純度のアルミナ質焼結体であることを特徴とするものである。さらに好ましくは99%以上の純度のアルミナ質焼結体であることが良い。
固定弁体20を樹脂で形成したものではダイヤモンド状硬質炭素膜24を被着することができず、また、金属で形成したものではセラミック焼結体に比べ硬度が小さいことから、固定弁体20との押圧力により変形し、その表面に被着するダイヤモンド状硬質炭素膜24を破損させてしまう恐れがあるからである。
これに対し、アルミナ質焼結体は高硬度を有することから可動弁体30との押圧力により変形することがないため、その表面に被着するダイヤモンド状硬質炭素膜24を破損させることがなく、また高い加工精度が得られることから、固定弁体20の表面を滑らかな面に仕上げ、その表面に被着するダイヤモンド状硬質炭素膜24の表面を固定弁体20の表面に倣った平滑かつ平坦な面とすることができる。さらに、価格的にも安価なディスクバルブ1を得ることが可能となる。
そして、96%以上の純度のアルミナ質焼結体とすることで、耐食性が損なわれず、さらにダイヤモンド状硬質炭素膜24の成膜時に液相25bがエッチングされ難い基体25を提供することが可能となる。
また、本発明のディスクバルブ1は、好ましくは、混合層26の厚みが50〜200nmの範囲であることを特徴とするものである。
ところで、混合層26の厚みを50〜200nmの範囲としているのは、50nmよりも小さい厚みであれば、充分にイオン注入がされずに、ダイヤモンド状硬質炭素膜24の密着性が得られず、また、応力緩和層としての機能が得られない。逆に200nmを超えると混合層26による応力緩和が損なわれ、ダイヤモンド状硬質炭素膜24の成膜が充分に行うことができないといった不具合が生じてしまう。従って、混合層26の厚みが50〜200nmの範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは50〜150nmの範囲であることが良い。
ところで、混合層26の境界を判断する方法としては、SIMSを用いて判断すればよく、結晶粒子25aと液相25b成分及び注入原子が全て検出できる範囲を混合層26としている。
図4は本発明に係るディスクバルブ1の一実施例に対して、SIMSにて分析した結果であり、また、図5は従来のディスクバルブの一実施例に対して、SIMSにて分析した結果である。
尚、SIMSにて分析する際のエッチング元素(一次イオン種)はO としている。
図4の結果によれば、基体25中のAl、Ca、Mg、Siの各成分が、基体25表層と内部では変化していないことが判るがこれは、基体25の液相25b成分がエッチングされない為に検出ピークの減少が見られないからである。
それに対し、図5の結果によれば、Al、Mgの各成分は、基体25表面と内部では変化していないが、CaとSi成分に関しては基体25内部に比べ表層では減少していることが判る。これはTiとSiの中間層23を被着するのにPVD法を用いて実施した為、基体25の液相であるCaとSi成分が選択的にエッチングされたことを示している。但し、Siに関しては、Tiの検出ピークに見られるように中間層23の成分でもあるので、Caに比べて顕著に減少が確認できていないことが判る。
ところで、本発明のダイヤモンド状硬質炭素膜24と混合層26との境界部は、検出元素のピークに着目すれば良く、表層から内部にかけて検出ピークを見た場合に、炭素以外の組成の検出ピークが急激に上昇した部分がそれに相当し、また、基体25と混合層26との境界部は、注入原子の検出ピークが確認されなくなった部分がそれに相当する。
例えば図4では、イオン注入元素として用いているCとSiの成分と、ダイヤモンド状硬質炭素膜24の成分となるCに着目すればよく判る。
また、同様に、従来のダイヤモンド状硬質炭素膜24と中間層23との境界部も、検出元素のピークに着目すれば良く、表層から内部にかけて検出ピークを見た場合に、炭素以外の検出ピークが急激に上がった部分がそれに相当する。
また、基体25と中間層23との境界部は、中間層の元素の検出ピークが下がった部分がそれに相当する。
図5では、中間層23となるTiとSiの成分とダイヤモンド状硬質炭素膜24の成分となるCに着目すればよく判る。
そして、エッチングされているのかどうかを判断する方法として、基体25の表面から500nmの深さの範囲までを確認すれば充分に判断でき、基体25の内部の組成と比較して±10%以内の範囲であればエッチングされていないと考えられる。
また、本発明のディスクバルブ1は、注入原子26bが、炭素、Si、Ti、Zr、Hfのいずれか1種以上の元素を含むことを特徴とするものであることが好ましい。
これらの元素を含むことにより、ダイヤモンド状硬質炭素膜24の密着強度が損なわれず、イオン注入によって成膜された結果、表面の略球状突起を低減させることができ、操作トルクの変化の少ないディスクバルブ1を提供することができ、その結果、異物の付着の低減ができ、操作時の異音を低減する効果が得られる。
さらに、本発明のディスクバルブ1の摺接面21、31の算術平均粗さが0.2μm以下であることが好ましい。
各弁体20,30の摺接面21、31は、水漏れ防止するためにその平面度を1μm以下とするとともに、表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.2μm以下としてある。算術平均粗さ(Ra)で0.2μm以下とすれば、シール性を高めることが出来るとともに、ダイヤモンド状硬質炭素膜24によって、摩擦係数を低減させることができるため、スティックスリップ現象や異音の発生を効果的に防止し、長期間にわたって滑らかに摺動させることができる。ここで算術平均粗さ(Ra)は、(株)小坂研究所製のSurfcorder SE−2300等の表面粗さ測定装置を用いて、JIS B0601に準拠して測定すればよい。
特に好ましくは、双方の弁体20、30の摺接面21、31を算術平均粗さ(Ra)で0.12μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下とし、かつその平面度を1μm以下とすることが良い。双方の弁体20、30の摺接面21、31における表面状態が上述した範囲を超えて粗くなると、特に浄水器を組み付けたものにあっては、弁体20、30間に大きな水圧が加わり、水漏れを生じ恐れがあるからである。ここで平面度は、ニコン社製のオプティカルフラット検査測定装置などを用いて、JIS B0621に準拠して測定すればよい。特に、ダイヤモンド状硬質炭素膜24を成膜する可動弁体20の基体25でその表面が上記値の範囲であることが重要で、成膜後もその面粗さを維持することが必要である。
またさらに、本発明のディスクバルブ1は、基体25において、CaまたはSi成分が、基体25表面から500nmの深さの範囲で確認した際に、基体25内部と比較して±10%以内の範囲であることを特徴としているものである。
CaまたはSi成分が減少している場合、基体25中の液相25b成分がエッチングされたことを示す為、液相25b成分が減少していないことを判断する為にも、CaまたはSi成分が減少していないことを確認することが必要で、SIMSによって確認することが可能である。
ところで、ダイヤモンド状硬質炭素膜24は、実質的に炭素からなり、若干の結晶質を含んでいても良いが基本的に非晶質構造をしたもので、規則的な結晶構造を持つダイヤモンド、立方晶窒化硼素(cBN)、六方晶窒化硼素(hBN)とは異なる組成のものである。
このダイヤモンド状硬質炭素膜24をグラファイトやダイヤモンドの同定によく用いられるラマン分光分析装置を使って調べると、ダイヤモンドのピーク位置である1333cm−1と、グラファイトのピーク位置である1550cm−1の近傍にそれぞれピークを有するものである。なお、本発明のディスクバルブに用いるダイヤモンド状硬質炭素膜24は、ピークがダイヤモンドあるいはグラファイトのいずれか一方に偏っていても良く、好ましくはダイヤモンドのピーク位置に偏っている方が良い。
このようなダイヤモンド状硬質炭素膜24は、ビッカース硬度(Hv1.0)が20〜50GPaと非常に硬い硬度を有しているため、可動弁体30との摺動においても殆ど摩耗することがない。
さらに、ダイヤモンド状硬質炭素膜24中に、ジルコニウム、タングステン、チタンのうち少なくとも一種以上の金属と珪素を含有させても構わない。このようにジルコニウム、タングステン、チタンのうち少なくとも一種以上の金属と珪素を含有させることにより、膜内部における残留応力を低減して結合力を高めることができる。その為、可動弁体30との密着力をより強固なものとすることができるとともに、ビッカース硬度(Hv1.0)で55GPa以上の高硬度を持った膜とすることができる。なお、ジルコニウム、タングステン、チタンのうち少なくとも一種以上の金属と珪素を含有させたダイヤモンド状硬質炭素膜24は、これらの成分を含まないダイヤモンド状硬質炭素膜24とは異なり、ラマン分光分析装置における測定では1480cm−1の近傍に一つのピークを有するものである。
なお、固定弁体20にダイヤモンド状硬質炭素膜24を被着する手段としては、ダイヤモンド状硬質炭素膜24の成膜後にイオン注入法によりイオンを注入して混合層26を形成する方法ではなく、基体25表面に炭素原子と注入原子を注入して混合層26を形成した後、CVD法やPVD法等の従来のダイヤモンド状硬質炭素膜24の成膜方法によってダイヤモンド状硬質炭素膜24を形成するか、あるいは、混合層26形成の為のイオン注入と、ダイヤモンド状硬質炭素膜24を同時に形成する方法であれば良い。
そして、RF・高電圧パルス重畳方式プラズマイオン注入成膜(Plasma Based Ion Implantation and Deposition,PBIID)法にて用いて常温から200℃までの低温で混合層26を成膜すればよい。
はじめにアルゴンガスでスパッタクリーニングを行い、次にCHやC6、トルエン等のCとHから構成される混合ガスによるソースガスを用いてイオン注入すればよい。
絶縁の基体25表面にイオン注入を行う方法としては、可動弁体20を、アルミニウム、銅、黄銅、ステンレス等の導通のある金属材料からなる可動弁体20を埋設可能な治具に保持・固定し、上記治具と基体25とを同時に、共通のフィールドとして、パルスプラズマ発生するRFパルスとイオン注入を行う負の高電圧パルスを印加することで、絶縁の基体25にイオン注入が可能となる。
ダイヤモンド状硬質炭素膜24の形成方法としてはイオンプレーティング法または真空蒸着法により行えば、高真空中でイオン注入も同時に行うことが可能となる。
また、ダイヤモンド状硬質炭素膜24を形成する為のソースガスはCHやC6、トルエン等のCとHから構成される混合ガスであればよい。
各弁体20、30を形成するセラミック焼結体としては、アルミナ質焼結体を主成分とするセラミック焼結体により構成するのが好ましい。アルミナ質焼結体は、ヤング率が250〜400GPaで、かつビッカース硬度(Hv1.0)が12GPaより大きな値を有するため、固定弁体30との押圧力を大きくしても摺接面21を変形させることがなく、また、耐薬品性にも優れることから長期間に渡って使用可能なディスクバルブ1を提供することができる。好ましくは純度96%以上のアルミナ質焼結体を用いれば液相25bが少なく、エッチングもされ難くなる。さらに好ましくは99%以上のアルミナ質焼結体を用いるのが良い。
これらのアルミナ質焼結体は特別なものではなく、通常一般的な構造部材として用いられるアルミナ質焼結体であれば良いが、さらに好ましくはボイドが小さいものであれば良い。
以上の本発明の実施形態では、固定弁体20にはダイヤモンド状硬質炭素膜24を被着したディスクバルブ1について説明したが、固定弁体20と可動弁体30の材質を逆にして用いたものであっても同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
以上のように本発明のディスクバルブによれば、弁体20を形成する基体25へのダイヤモンド状硬質炭素膜24の密着力を高めたディスクバルブ1を提供することが可能となる。特に、アルミナ質焼結体などの絶縁の基体25の鏡面品に対して密着性の高い成膜を行ったディスクバルブ1を提供することが可能となる。
また、長期使用によっても操作トルクの変化の小さいディスクバルブ1を提供することが可能となる。
さらに、摺接面21に金属成分や炭酸カルシウムなどが付着するのを低減して、異音の発生をなくし、且つ長期間使用してもスムーズな摺動を維持することができるディスクバルブ1を提供することが可能となる。
次に、本発明の混合栓の一実施形態に関して、図を用いて説明する。
図3は本発明に係る混合栓を示す概略断面図である。
混合100栓は、スパウト40aを旋回自在に備えた本体と、この本体の上端に配置される操作用の操作ハンドル2と、この操作ハンドル2により操作される弁ユニット3とから構成されたものである。
弁ユニット3は、ケース4と、その下端に連結される弁座5と、ケース4の上端側から順に組み込まれた固定押さえ板6、可動弁体30、第2固定弁体20を主な部材として備えたものである。ケース4は中空の円筒体状であり、弁座5は湯流入孔、水流入孔及び混合水流出孔を形成したものである。これらの湯流入孔及び水流入孔には本体40内に配管した給湯管及び給水管(いずれも図示せず)に接続され、混合水流出孔はスパウト40aまでの流路(図示せず)に接続されている。押さえ板6、可動弁体30、固定弁体20はいずれも上述したディスクバルブ1であり、押さえ板6は環状体である。可動弁体30は上面側には後述するアダプタを装着するための凹部を形成するとともに下面側には弁座5の湯流入孔、水流入孔、混合水流出孔の流体通路にそれぞれ連通する凹部流路を形成したものである。固定弁体20は弁座5の湯流入孔、水流入孔及び混合水流出孔の流体通路にそれぞれ連通する流路通路23を開けたものである。なお、押さえ板6及び固定弁体20をケース4に水密状に保持するためのパッキン、ケース4から水が出るのを防止するパッキン、固定弁体20の下面をシールするパッキン、弁座5の下端をシールするパッキンがある。
ケース4の上端には、操作ハンドル2に連接されるレバー10が組み込まれる。このレバー10はケース4の上端に固定される台座11を上下方向に貫通して配置されるとともにピン11aによって中間位置を保持されている。
一方、可動弁体30の凹部にはアダプタ12が固定され、その上面に搭載したピン12aを介してレバー20の下端を可動弁体30に連接している。
以上のように本発明の混合栓100の一実施形態について、図3を用いて説明したが、図3の形状に限定されるものではない。そして、上述のディスクバルブ1を使用した混合栓100であればどのような形態の混合栓100でも、長期使用しても操作トルクの変化の小さい混合栓100を得ることができる。また、摺接面に金属成分や炭酸カルシウムなどが付着するのを低減して、異音の発生をなくし、且つ長期間使用してもスムーズな摺動を維持することができる混合栓100を提供することができる。
以下、本発明の実施例を示す。
本発明のディスクバルブ1と比較するため、比較例として固定弁体20にAl純度が96%のアルミナ質焼結体を用い、その表面にPVD法によってTi膜とSi膜をこの順序で積層した中間層23を介してCVD法によって、ダイヤモンド状硬質炭素膜24を被着したものを準備した。
そして、これらのディスクバルブ1の摺動特性を調べた。
固定弁体20は外径32mm、厚み5mmの略円板状体とした。また、可動弁体30は外径25mm、厚み5mmの略円板状体とした。
そして、双方の弁体20、30の摺接面21、31に研磨加工を施して平坦度を1μm以下、表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で0.2μm以下とした。
このようにして形成した双方の弁体20、30を、互いの摺接面21、31が接するようにケーシングによって軸力294Nの力で押さえつけながら給水栓にセットし、80℃の温水を0.74MPaの圧力で注入した状態のもとで、操作レバーを操作するのに必要なレバー押し付け力(トルク)をプッシュプルゲージで測定し、トルク上昇した摺動回数を測定した。ここで、トルク上昇とは、水栓のレバーを上下する際の荷重が10Nを超えたときをいう。
また、10万回摺動させた際の異音の発生有無を調べた。ここで、異音とは、稼働中の水栓から30cm離れた位置で、正常な聴力を有する者が聞いて、キーキーと鳴くような不快音を確認した音とした。
この結果、本発明のディスクバルブ1を用いたものでは、25万回以上摺動させても異音やトルク上昇がなく、長期間にわたって滑らかな摺動特性を得ることができたが、比較例では12万回目で異音が発生した。
図1(a)(b)(c)は本発明のディスクバルブに係る一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る固定弁体の構造を示す拡大断面図である。 本発明に係る混合栓の一実施例を示す概略断面図である。 本発明に係るディスクバルブ1の一実施例に対して、SIMSにて分析したグラフである。 従来のディスクバルブに対して、SIMSにて分析したグラフである。
符号の説明
1 … ディスクバルブ
2 … 操作ハンドル
3 … 弁ユニット
4 … ケース
5 … 弁座
6 … 押さえ板
10 … レバー
11 … 台座
11a … ピン
12 … アダプタ
12a … ピン
20 … 固定弁体
30 … 可動弁体
21、31 … 摺接面
22、32 … 流体通路
23 … 中間層
24 … ダイヤモンド状硬質炭素膜
25 … 基体
26 … 混合層
40 … 本体
40a … スパウト
100 … 混合栓

Claims (9)

  1. 互いに摺動する一対の弁体の少なくとも一方の弁体の表面にダイヤモンド状硬質炭素膜を被着して摺接面を形成した摺動部材において、一方の弁体の基体が結晶粒子と該結晶粒子の間に充填されるCaおよびSiの少なくとも一方を含む充填成分とを備えたセラミックス焼結体であり、且つ上記基体上面より所定の深さまでの領域に、上記基体を構成する原子と注入原子との混合層を形成し、上記混合層が、上記基体の結晶粒子及び上記充填成分の双方に形成されており、上記基体の表面において、上記CaおよびSiの少なくとも一方が、上記基体内部の組成と比較して±10%以内の範囲であることを特徴とする摺動部材。
  2. 上記基体がアルミナ質焼結体であることを特徴とする請求項1に記載の摺動部材。
  3. 上記アルミナ質焼結体が96%以上の純度のアルミナ質焼結体であることを特徴とする請求項2に記載の摺動部材。
  4. 上記混合層の厚みが50〜200nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の摺動部材。
  5. 上記注入原子が、炭素、Si、Ti、Zr、Hfのいずれか1種以上の元素を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の摺動部材。
  6. 上記摺動部材の摺動面の算術平均粗さが0.2μm以下であることを特徴としている請求項1〜5のいずれかに記載の摺動部材。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の摺動部材を用いたディスクバルブ。
  8. 請求項に記載のディスクバルブを用いた混合栓。
  9. 互いに摺動する一対の弁体を有する摺動部材の少なくとも一方の弁体の製造方法であって、
    結晶粒子と該結晶粒子の間に充填されるCaおよびSiの少なくとも一方を含む充填成分とを備えたセラミックス焼結体からなる基体を準備する基体準備工程と、
    上記基体の表面に注入原子を注入して混合層を形成する混合層形成工程と、
    上記混合層上にダイヤモンド状硬質炭素膜を成膜する成膜工程と
    を有し、
    上記混合層形成工程において、上記混合層が、上記基体の結晶粒子及び上記充填成分の双方に形成され、上記基体の表面において、CaおよびSiの少なくとも一方が、上記基体内部の組成と比較して±10%以内の範囲である弁体の製造方法。
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