JP2004183699A - 温水栓バルブおよびその製造方法 - Google Patents

温水栓バルブおよびその製造方法 Download PDF

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治平 請川
Yoshiharu Uchiumi
慶春 内海
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Abstract

【課題】より高い密着性と高い摺動特性とを有する被膜により摺動面が被覆された弁体を備える温水栓バルブおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の温水栓バルブは、互いに摺動する2枚の弁体1、9の少なくとも一方が、少なくとも摺動面にポア11aを有するアルミナセラミックスからなる基材11と、その基材の摺動面を被覆するダイヤモンド状炭素膜12とを有しており、ダイヤモンド状炭素膜12中における水素含有量が0.5原子%以下であり、ダイヤモンド状炭素膜12の膜厚が0.15μm以上1.5μm以下であり、ダイヤモンド状炭素膜12の表面粗さがRaで0.2μm以下である。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シングルレバー混合栓、切り替えレバー混合栓などをはじめとする水栓、混合水栓などの可動弁体と固定弁体とを有する温水栓バルブおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シングルレバー混合栓や切り替えレバー混合栓のような可動弁体と固定弁体とを有する温水栓バルブは、2枚の円盤状の弁体のうち、1枚の弁体をもう1枚の弁体の上で摺動させることにより、2枚の弁体の間で流体の通路を形成したり閉じたりしていた。
【0003】
2枚の弁体の摺動面は、常にお互いが摺り合わされた状態になるため、ラッピング加工などにより表面粗さをできるだけ小さくして、摺動時に異常な加重が加わって摺動面が損傷を受けないように工夫されていた。
【0004】
しかしながら、弁体を使用していくうちに摺動面が摩耗して、かじりついたり、あるいは水漏れが発生したりするという課題があった。このため、極めて平滑で自己潤滑性に優れたダイヤモンド状炭素膜を摺動面に被覆して、これらの課題をクリアする試みが多く行なわれてきた。
【0005】
たとえば、特開平9−96367号公報には、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、膜中に水素を35atomic%以下含有するダイヤモンド状炭素膜を弁体表面に直接被覆した温水栓バルブが開示されている。
【0006】
また、弁体表面に直接ダイヤモンド状炭素膜を被覆せずに、中間層を介してダイヤモンド状炭素膜を被覆する方法も種々開示されている。たとえば、特開平5−79069号公報には、金属、またはその炭化物、窒化物、炭窒化物から選ばれる少なくとも1種類以上の薄膜を傾斜組成を設けながら介在させて、その上にダイヤモンド状炭素膜を被覆した温水栓バルブが開示されている。
【0007】
特開平9−96368号公報には、弁体表面に中間層として炭化ケイ素のようなシリコン(Si)系非酸化物膜を介して表層にダイヤモンド状炭素膜を被覆することが開示されている。
【0008】
特開平9−292039号公報には、セラミックスの弁体表面に、チタン(Ti)膜、シリコン膜の順序で積層した中間層を介してダイヤモンド状炭素膜を被覆することが開示されている。
【0009】
特開平10−89506号公報には、摺動面にチタン、またはクロム(Cr)からなる中間層を設け、さらにその上にケイ素または炭化ケイ素(SiC)からなる中間層を設けた上にダイヤモンド状炭素膜を被覆した温水栓バルブが開示されている。
【0010】
特開平10−281312号公報には、ケイ素を中間層として、その上にダイヤモンド状炭素膜を被覆した温水栓バルブが開示されている。
さらに、被膜構造以外の要素を付け加えた試みも開示されている。たとえば、特開平9−96368号公報は、弁体の摺動面上に存在するポアの形状および分布状態について開示している。
【0011】
また、特開平9−317912号公報は、弁体表面に中間層として炭化ケイ素のようなシリコン系非酸化物膜を介して表層にダイヤモンド状炭素膜を被覆するとともに、もう一方の弁体の摺動面が炭化ケイ素焼結体からなり、さらにその摺動面に3次元網目構造の開放気孔を持ち、その気孔内にフッ素系オイルおよびシリコン系オイルのうち少なくとも1種からなる潤滑剤が含浸されている温水栓バルブの構造を開示している。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−96367号公報
【0013】
【特許文献2】
特開平5−79069号公報
【0014】
【特許文献3】
特開平9−96368号公報
【0015】
【特許文献4】
特開平9−292039号公報
【0016】
【特許文献5】
特開平10−89506号公報
【0017】
【特許文献6】
特開平10−281312号公報
【0018】
【特許文献7】
特開平9−317912号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報の中で開示されている技術による温水栓バルブは、高温多湿下、温水冷水による急激な温度変化、摺動による大きな荷重が加わるような厳しい使用条件下では、摺動面上の被膜の密着性が低く、長期間使用している中でダイヤモンド状炭素膜が剥離してしまったり、あるいは摺動特性が悪くなり、温水栓のレバーを上下または左右に動かす際に大きな力を必要とするという欠点があった。またこれらの温水栓バルブは、製造コストが高くなり非経済的であるという問題点も有していた。以下そのことを説明する。
【0020】
特開平9−96367号公報で開示された技術では、ダイヤモンド状炭素膜が摺動面を構成するアルミナセラミックスに密着性よく被覆されないため、使用時に容易にダイヤモンド状炭素膜が剥離し、摺動面におけるかじりが発生していた。
【0021】
特開平5−79069号公報で開示された技術では、中間層としての金属膜とダイヤモンド状炭素膜との間の密着性が低いため、使用時に容易にダイヤモンド状炭素膜が剥離し、摺動面におけるかじりが発生していた。
【0022】
特開平9−96368号公報や特開平10−89506号公報で開示された技術では、イオンプレーティングをはじめとするPVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD法、スパッタリング法などの手法を用いて形成された炭化ケイ素膜やケイ素膜を中間層として、アルミナバルブの摺動面に被覆することが開示されているが、繰返し使用する際に、摺動特性が悪くなってレバーを移動させる際に大きな力を必要とした。
【0023】
特開平9−317912号公報に開示された技術では、ダイヤモンド状炭素膜を被覆する弁体とは別の相手側の弁体が炭化ケイ素焼結体で作製されるが、炭化ケイ素焼結体は極めて硬いセラミックスであり、加工性が極めて悪いため、製造コストが高くなる。
【0024】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、より高い密着性と高い摺動特性とを有する被膜により摺動面が被覆された弁体を備える温水栓バルブおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の温水栓バルブは、互いに摺動する2枚の弁体のうち、少なくとも一方の弁体が、少なくとも摺動面にポアを有するアルミナセラミックスと、アルミナセラミックスの摺動面に被覆されたダイヤモンド状炭素膜とを有する温水栓バルブにおいて、ダイヤモンド状炭素膜中における水素含有量が0.5原子%以下であり、ダイヤモンド状炭素膜の膜厚が0.15μm以上1.5μm以下であり、ダイヤモンド状炭素膜の表面粗さがRaで0.2μm以下であることを特徴とするものである。
【0026】
なお、上記の水素含有量が0.5原子%以下という文言は、ダイヤモンド状炭素膜に水素が含まれていない場合も含む。
【0027】
上記の温水栓バルブにおいて好ましくは、ダイヤモンド状炭素膜のヌープ硬度が2000以上5000以下である。
【0028】
上記の温水栓バルブにおいて好ましくは、ダイヤモンド状炭素膜と摺動面との間に設けられた中間層がさらに備えられ、その中間層が、クロム、タングステン(W)、チタン、シリコン、およびチタン、シリコンまたはクロムの炭化物、窒化物、炭窒化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単層または2層以上からなっている。
【0029】
上記の温水栓バルブにおいて好ましくは、ダイヤモンド状炭素膜の表面粗さがRaで0.1μm以下である。
【0030】
本発明の温水栓バルブの製造方法は、上記の温水栓バルブの製造方法であって、ダイヤモンド状炭素膜を、グラファイトを原料として、実質的に水素を含まない雰囲気下でのアークイオンプレーティング法によって形成することを特徴とするものである。
【0031】
上記の温水栓バルブの製造方法において好ましくは、ダイヤモンド状炭素膜が形成された後に、ダイヤモンド状炭素膜にラップ加工が施されてダイヤモンド状炭素膜の表面粗さがRaで0.1μm以下にされる。
【0032】
以下、本発明の作用について説明する。
本発明の温水栓バルブは、互いに摺動する2枚の弁体のうち、少なくとも一方の弁体が、摺動面に多数のポアを有するアルミナセラミックスと、そのアルミナセラミックスの摺動面に被覆されたダイヤモンド状炭素膜とを有しているが、その摺動面は、相手側の弁体とのかじりを防ぐために、ラップ加工などを施して、表面粗さを整える必要がある。この場合、相手側の弁体との摺動をより潤滑に行なうために、摺動面に適当な大きさのポアが適当な割合で存在していることが必要である。このポアに極少量の水が溜まり、それが潤滑剤としての役目を果たすのである。
【0033】
そして、2枚の弁体の摺動特性を向上させるために、少なくとも一方の摺動面の上にダイヤモンド状炭素膜が被覆される。ダイヤモンド状炭素膜は、DLC(Diamond Like Carbon)、硬質炭素膜、非晶質炭素膜とも呼ばれる膜で、硬質ながら相手攻撃性が著しく低いために、高い摺動特性が必要とされる分野で使用されることが多い。
【0034】
一般のダイヤモンド状炭素膜は、水素が数〜数十原子%含まれており、水素が1個の結合手しか持たないため、炭素原子と結合すると、そこで炭素同士の結合の連続性が途切れてしまうことになる。こうした水素と炭素との結合は、炭素膜の硬度低下を招く。
【0035】
上記の一般のダイヤモンド状炭素膜の成膜には、カーボン原子の原料としてメタンやアセチレンのような炭化水素化合物が用いられる。あるいは必要に応じて水素ガスが同時に供給されて、それらのガスを成膜装置内に発生させたプラズマで分解することにより被膜が形成される。
【0036】
このため、これらの原料を用いて成膜した一般のダイヤモンド状炭素膜には、プラズマによって分解した水素原子が含まれている。その割合は、原子数に換算して、そのダイヤモンド状炭素膜中に含まれる炭素原子の原子量の数%から数十%に相当する。
【0037】
一方、本発明によるダイヤモンド状炭素膜は、常温付近で、アーク式イオンプレーティング法を用いて、固体炭素を原料とし、水素ガスを成膜雰囲気に導入しない状態で成膜される。
【0038】
現在工業的に用いられているダイヤモンド状炭素膜の成膜方法は、プラズマCVD法、イオンビーム蒸着法、スパッタリング法などによって行なわれているが、これらの手法では、原料ガスや補助原料ガスに炭化水素、水素元素などが使用されるため、形成された膜中に水素や希ガスが取込まれやすい。
【0039】
一方、アーク式イオンプレーティング法では、固体炭素を原料とするため、被膜形成時に、炭化水素や水素などを含まない炭素膜を形成することが可能である。
【0040】
アーク式イオンプレーティング法によって発生されるプラズマの密度は、通常の方法で発生されるプラズマの密度よりも高いため、基材表面が活性化され、高い密着性を得ることが可能となる。
【0041】
また、基材に対する炭素膜の密着性をより向上させるために、炭素膜をコーティングする前に、基材の上に下地層として中間層が形成されてもよい。この中間層は、クロム、タングステン、チタン、シリコン、および、シリコン、チタンまたはクロムの炭化物、窒化物、炭窒化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の材質よりなる単層、または2層以上よりなっていてもよい。
【0042】
この中間層は、炭素膜と同様にアーク式イオンプレーティング法、スパッタ法などの公知のPVD法を用いて形成されればよく、この中間層の膜厚としては10nm〜0.2μmの範囲が好適である。膜厚が10nmより小さいと、下地層としての役割を果たさず、その上に被覆した炭素膜の密着性は下地層を付与していない場合と比べて向上しない。また炭素膜の密着性を向上させるためには中間層は0.2μmの厚みで十分であり、0.2μmよりも厚く中間層を被覆しても、密着性のさらなる向上には影響することが少なく経済的でない。しかも、中間層が0.2μmを越えると、その上に被覆した炭素膜の表面粗さも悪くなる。
【0043】
こうして成膜されたダイヤモンド状炭素膜は水素成分を殆ど含まず、ダイヤモンド状炭素膜中の水素含有量は0.5原子%以下となる。さらにはダイヤモンド状炭素膜が実質的に炭素原子から形成されることがより好ましい。ここでいう実質的とは、形成した膜中に、水素や希ガス元素などが不可避な混入によって不純物レベルでしか検出されないことを示し、それらの不純物は、膜中にppmオーダの濃度でしか含まれないことを意味している。
【0044】
こうして成膜した本発明のダイヤモンド状炭素膜の密度は、水素を数%から数十%含む上述の一般のダイヤモンド状炭素膜の密度が1.5〜2.5g/cmであるのに対し、2.8g/cm以上3.3g/cm以下となる。
【0045】
また、本発明のダイヤモンド状炭素膜の硬度は、一般のダイヤモンド状炭素膜のヌープ硬度が2000未満であるのに対し、同じヌープ硬度で2000以上5000以下である。ここでいうヌープ硬度とは、シリコンウェハ上に膜厚1.0μm以上2.0μm以下の膜厚で被覆した膜を荷重50g以上100g以下で測定したときの値である。
【0046】
本発明のダイヤモンド状炭素膜の密度が2.8g/cm未満ではヌープ硬度2000以上の十分な硬度が得られず、一方、密度が3.3g/cmを越えると低温での合成が困難となり現実的ではない。また、ダイヤモンド状炭素膜中に含まれる水素量が0.5原子%を越えると、密度が2.8g/cm以上で硬度が2000以上のダイヤモンド状炭素膜を得ることができない。またダイヤモンド状炭素膜が実質的に炭素のみから形成されていると、より硬度の高い膜が得られ、より好ましい。
【0047】
また、本願発明者らは、水中でダイヤモンド状炭素膜の摺動摩耗試験を行なった結果、本発明によるダイヤモンド状炭素膜の摩擦係数が一般のダイヤモンド状炭素膜よりも非常に低くなり、摺動特性に優れることを見出した。
【0048】
すなわち、本願発明者らは、アルミナセラミックス製ディスクの片面をラップ加工した後、その面上に、水素を数十%含む通常のダイヤモンド状炭素膜を被覆した試験片と、本発明による実質的に炭素のみからなるダイヤモンド状炭素膜を被覆した試験片とを準備した。そして、これらの試験片に、アルミナ製のピンを一定の圧力で押し付けてディスクを一定速度で回転させて、その回転中の摩擦係数および試験後のアルミナピンの摩耗量を測定した。その結果、摺動試験を開始した直後は、水素を含む通常のダイヤモンド状炭素膜の摩擦係数は、本発明によるダイヤモンド状炭素膜の摩擦係数よりも小さいが、摺動距離が長くなるにつれて、前者は急激に高くなっていくが、逆に後者は急激に小さくなっていった。そして最終的に、後者、すなわち本発明によるダイヤモンド状炭素膜の摩擦係数は、通常のダイヤモンド状炭素膜に比べて低い摩擦係数を示し、本発明によるダイヤモンド状炭素膜の水中での摺動特性が、通常のダイヤモンド状炭素膜よりも優れていることが判明した。
【0049】
本発明によるダイヤモンド状炭素膜が通常のダイヤモンド状炭素膜よりも、水中での摺動特性が優れている現象に対する理由はまだ明らかではない。しかし、本願発明者らは、本発明によるダイヤモンド状炭素膜の硬度が通常のダイヤモンド状炭素膜の硬度よりも高いため、摺動テストの初期の段階において、相手材をより多く摩滅させ、そのため相手材とダイヤモンド状炭素膜との接触面積が増え、相手材の接触部とダイヤモンド状炭素膜との間に存在する水から構成される膜の厚みが増えるため、摺動距離が増えるに従い摩擦係数が低下したためと推察している。
【0050】
こうして成膜した本発明によるダイヤモンド状炭素膜の膜厚は、0.15〜1.5μmの範囲を満たさなければならない。0.15μm未満だと、成膜されたものが膜状になっていないばかりでなく、密着性も低いためにダイヤモンド状炭素膜は容易に剥離してしまう。また0.15μm未満だと、煮沸特性にも劣り、熱水中に加えておくと、容易に膜が剥離してしまう。また、膜厚が1.5μmを越えると、ダイヤモンド状炭素膜の内部応力が高くなり過ぎて容易に剥離するばかりでなく、本発明の目的とする特性は1.5μm以下で十分に満たすため、それ以上の膜厚を被覆することは非経済的である。
【0051】
また、本発明によるダイヤモンド状炭素膜は、摺動面に被覆された部位のダイヤモンド状炭素膜の表面粗さがRaで0.2μm以下でなければならない。そのために、必要に応じて、上記の手法でダイヤモンド状炭素膜をバルブの摺動面に被覆した後に、ラップ加工によってダイヤモンド状炭素膜の表面粗さがRaで0.2μm以下に調整されてもかまわない。摺動面上に被覆されたダイヤモンド状炭素膜の表面粗さRaが0.2μmより大きいと、相手側の弁体との摺動性が悪くなり、水漏れやレバー駆動時の異常に大きなトルク発生などの原因になる。
【0052】
また、上記の手法でダイヤモンド状炭素膜を弁体の摺動面に被覆した後に、ラップ加工によってダイヤモンド状炭素膜の表面粗さをRaで0.1μm以下に調整することはより好ましい。
【0053】
したがって、本発明によるダイヤモンド状炭素膜を温水栓バルブに適用する場合は、ダイヤモンド状炭素膜を弁体の摺動面に被覆した後にラップ加工を行なってその摺動面の表面粗さをRaで0.1μm以下に調整するか、あるいはダイヤモンド状炭素膜を被覆した弁体を相手方の弁体と共にカートリッジに組込み、摩擦係数が十分に低くなるまでに予め摺動させておけばよい。
【0054】
以上説明してきたように、本発明によれば、高硬度で水素含有量が極めて低い、あるいは実質的に炭素から成立つ、密着性に極めて優れたダイヤモンド状炭素膜をアルミナセラミックスからなる摺動面に被覆することができる。このため、本発明によれば、水素を相当量含有する従来のダイヤモンド状炭素膜を被覆した弁体では得られない極めて高い摺動特性だけでなく、非常に高い密着性を有する温水栓バルブを提供することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【0056】
図1は、本発明の一実施の形態における温水栓バルブの構成を示す部分分解斜視図であり、図2は図1の固定弁1の部分拡大断面図である。
【0057】
図1および図2を参照して、温水栓バルブは、互いに摺動する2枚の弁体として固定弁1と可動弁9とをケース8内に有している。固定弁1はやや厚みのある円盤状の形態を有しており、その平面部には水流入穴2、湯流入穴3および混合水流出用弁穴4が貫通して設けられている。この固定弁1は、上記各穴にそれぞれ対応する開口部5、6および7を有するケース8の底部に配置されている。
【0058】
可動弁9には、偏心させた空洞部10が穿設してあり、この空洞部10の底部には図示しない混合水用弁穴および湯水用弁穴が貫通して設けられている。この可動弁9は固定弁1上に圧接した状態でケース8内に組込まれており、このケース8はさらに前記湯水混合栓内に組込まれている。また上記可動弁9は、図示しない温度調節レバーと連動する構成とされている。上記温度調節レバーを作動させると、そのレバーの動きは可動弁9に伝達され、可動弁9が固定弁1上を摺動して前記各穴の開度を変化させることができる。したがって、適温の湯の流出あるいは給湯の停止を自在に行なうことが可能である。
【0059】
たとえば上記の固定弁1は、図2に示すようにアルミナセラミックスからなる基材11と、その基材11の摺動面上を被覆するダイヤモンド状炭素膜12とを有している。またアルミナセラミックスよりなる基材11には、図3に示すように少なくとも摺動面に複数のポア11aが生じている。なお、図3においては、説明の便宜状、ダイヤモンド状炭素膜の図示は省略されている。
【0060】
このダイヤモンド状炭素膜12の膜厚は0.15μm以上1.5μm以下であり、ダイヤモンド状炭素膜12の表面粗さはRaで0.2μm以下である。
【0061】
また、ダイヤモンド状炭素膜12中における水素含有量は0.5原子%以下であることが好ましく、ダイヤモンド状炭素膜12のヌープ硬度は2000以上5000以下であることが好ましい。また、ダイヤモンド状炭素膜12の表面粗さはRaで0.1μm以下であることがさらに好ましい。
【0062】
また、図4に示すようにダイヤモンド状炭素膜12とアルミナセラミックスよりなる基材11との間に中間層13が存在していてもよい。この中間層13は、クロム、タングステン、チタン、シリコン、およびチタン、シリコンまたはクロムの炭化物、窒化物、炭窒化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単層または2層以上からなっていることが好ましい。
【0063】
また、上記のダイヤモンド状炭素膜12は、グラファイトを原料として、実質的に水素を含まない雰囲気下でのアークイオンプレーティング法によって形成される。以下、その製造工程について具体的に説明する。
【0064】
図5は、アークイオンプレーティング法によってダイヤモンド状炭素膜を形成する様子を示す断面図である。図5を参照して、成膜装置21内に、複数個のターゲット22、23が配置される。複数個のターゲット22、23の一方は、ダイヤモンド状炭素膜形成の原料となるグラファイトであり、他方は、たとえば中間層(下地層)形成用の原料となる金属チタンである。回転可能な基材保持具24上に、固定弁となるアルミナセラミックスよりなる基材11が載置される。この状態で、成膜装置21内が排気口31から真空排気された後、供給口30から成膜装置21内へたとえばアルゴンガスを導入し、基材加熱ヒータ26を用いて基材11を加熱し、バイアス電源29により基材保持具4に電圧を印加しながら、電源27、28を調整して真空アークの放電電流を変えることにより、チタンターゲット上でアーク放電を発生させて、チタンを蒸発・プラズマ化させることにより、基材11の表面上にチタン膜よりなる中間層が成膜される。
【0065】
そして、成膜装置21内を真空排気した後、上記と同様にして、アーク放電によってグラファイトターゲット上でアーク放電を発生させて、グラファイトを蒸発・プラズマ化させることにより、中間層上にダイヤモンド状炭素膜がコーティングされる。このようにアーク式イオンプレーティング法では、固体炭素を原料とするため、被膜形成時に、炭化水素や水素などを含まないダイヤモンド状炭素膜を形成することが可能である。また、アーク式イオンプレーティング法によって発生されるプラズマの密度は、通常の方法で発生されるプラズマの密度よりも高いため、基材表面が活性化され、高い密着性を得ることが可能となる。
【0066】
なお、上記においては中間層を形成する場合について説明したが、中間層の形成は省略されてもよい。
【0067】
また、ダイヤモンド状炭素膜12を形成した後に、ダイヤモンド状炭素膜にラップ加工を施すことによりダイヤモンド状炭素膜12の表面粗さをRaで0.1μm以下にすることが好ましい。
【0068】
なお、上記においては図1の固定弁1について説明したが、可動弁9が上記と同様の構成を有していてもよく、また上記と同様の方法に形成されてもよい。また、固定弁1と可動弁9との双方が上記と同様の構成を有していてもよく、また上記と同様の方法に形成されてもよい。
【0069】
【実施例】
(実施例1)
摺動面が予めラップ加工され、摺動面にポアが多数散在しているアルミナ製セラミックスバルブを成膜装置内にセットし、ダイヤモンド状炭素膜形成の原料としてグラファイトを適用した。また、成膜装置内の別の位置に下地膜形成用の原料として金属チタンのターゲットを設置した。装置内を0.03Paにまで真空排気した後、まず最初にチタンターゲット上でアーク放電を発生させて、チタンを蒸発・プラズマ化させ、バルブの摺動面上にチタン膜を成膜した。その後、同様にして、アーク放電によって炭素原料を蒸発・プラズマ化して、バルブ摺動面上のチタン膜の上に炭素膜を成膜した。チタン膜の成膜時間は一定にし、その上に被覆する炭素膜の成膜時間を変えて、種々の膜厚の炭素膜を形成した。
【0070】
こうして得られたダイヤモンド状炭素膜の膜厚は、各々0.07μm、0.1μm、0.16μm、0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μmであった。下地層のチタン膜の膜厚は、いずれのサンプルも100nmであった。
【0071】
これらの種々の膜厚のサンプルの被膜の密着性、表面粗さRaならびに煮沸特性評価を行なった。煮沸特性評価は、これらのダイヤモンド状炭素膜を被覆したサンプルを、90℃の熱水を加えた保温ポットの中に入れて、そのまま200時間保持した後、被膜表面の様子を光学顕微鏡、ならびに電子走査型顕微鏡を用いて観測することによって実施した。それらの結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
Figure 2004183699
【0073】
表1の結果より、ダイヤモンド状炭素膜の膜厚が0.15μm以上1.5μm以下であり、かつダイヤモンド状炭素膜の表面粗さRaが0.2μm以下のときにダイヤモンド状炭素膜の密着力が大きくなり、煮沸特性も良好となることがわかった。
【0074】
(実施例2)
アルミナ製の板状サンプルの1つの面に、実施例1と同様にしてアーク式イオンプレーティング法によってダイヤモンド状炭素膜を0.5μm被覆した。比較として、別のアルミナ製板状サンプルには、メタンガスを用いた通常のプラズマCVD法で0.5μmのダイヤモンド状炭素膜を被覆した。また、アーク式イオンプレーティング法で被覆したダイヤモンド状炭素膜を被覆した別のサンプルは、予めその摺動面にアルミナ製ボールを500回摺動させた上で試験に供した。さらに、何も被覆していないアルミナ製板状サンプルを用意した。これらのサンプルを用いて、常温の水中で摺動試験を行ない、摩擦係数の変化を調べた。相手材は、直径5mmのアルミナ製ボールを用いた。試験は以下の表2の条件に従った。また、その結果を図6に示す。
【0075】
【表2】
Figure 2004183699
【0076】
図6を参照して、通常のプラズマCVD法によるダイヤモンド状炭素膜の摩擦係数は、試験初期では0.05の値を示し、回転回数とともに徐々に上昇してきた。一方、本発明によるダイヤモンド状炭素膜は、試験初期は0.13という高い値を示したが、回転回数が増えるにつれて急激に摩擦係数が減少し、約500回回転させた時点で通常のプラズマCVD法によるダイヤモンド状炭素膜とほぼ同じ摩擦係数を示し、試験終了時には0.02にまで低下していた。また、コーティングを施していないサンプルの摩擦係数は0.15から0.25の間の値を示した。また、予めアルミナ製ボールを使って摺動させた本発明によるダイヤモンド状炭素膜を被覆したサンプルの摩擦係数は、試験初期から試験終了時まで0.02であった(不図示)。このことから、本発明によるダイヤモンド状炭素膜は、水中での摺動特性に優れていることが判明した。
【0077】
(実施例3)
フォーセットバルブを構成する、アルミナ製の可動弁体の摺動面に、実施例1と同様の製造方法で膜厚1.0μmのダイヤモンド状炭素膜を被覆した。このようにダイヤモンド状炭素膜で摺動面が被覆された可動弁体を2つ用意した。
【0078】
これらの可動弁体のダイヤモンド状炭素膜が被覆された摺動面の表面粗さRaは、接触型表面粗度計で測定した結果、0.18μmであったが、一方の可動弁体に被覆したダイヤモンド状炭素膜をラップ加工した結果、その膜の表面粗さRaは0.06μmになった。
【0079】
また、メタンガスを用いたプラズマCVD法によって同一形状のアルミナ製可動弁体の摺動面に膜厚1.0μmのダイヤモンド状炭素膜を被覆した。この摺動面の表面粗さRaは0.18μmだった。
【0080】
これらの可動弁体の各々を用いて、摺動面に何も被覆していないアルミナ製の固定弁体と共にフォーセットバルブを作製し、各フォーセットバルブをカートリッジに組込んだ。ラップしたダイヤモンド状炭素膜を被覆した可動弁体を組込んだバルブをバルブAとし、ラップしていないダイヤモンド状炭素膜を被覆した可動弁体を組込んだバルブをバルブB、またプラズマCVD法によって作製したダイヤモンド状炭素膜を被覆した可動弁体を組み込んだバルブをバルブCとする。
【0081】
そして、カートリッジ内部の流体経路に85℃の温水を1kg/cmの圧力で注入し、レバーを上下左右に駆動させることによって可動弁体を固定弁体の上で摺動させた。このレバー操作を繰返しながら、レバーに取付けたトルク計測器で、レバーを駆動させる際にレバーに加わるトルクを測定した。
【0082】
その結果、レバー駆動を15万回繰返した時点で、バルブBを組込んだカートリッジのトルクは8Nを示したが、バルブAを組込んだカートリッジのトルクは4Nであった。一方、バルブCを組み込んだカートリッジのトルクはレバー駆動を5万回繰返した時点で6N、10万回繰返した時点で12Nを示し、レバーの動きが極めて重くなった。
【0083】
これらのバルブを分解して、可動弁体ならびに固定弁体の摺動面を観察した結果、ダイヤモンド状炭素膜を被覆した後にラップ加工を施して摺動面の表面粗さRaを0.06μmにしたバルブAは、可動弁体、ならびに固定弁体の摺動面のいずれにも傷は一切見られなかった。それに対し、バルブCでは、可動弁体の摺動面に被覆したダイヤモンド状炭素膜に剥離が観察された。
【0084】
(実施例4)
実施例1と同様に、フォーセットバルブを構成するアルミナ製の可動弁体の摺動面にダイヤモンド状炭素膜を被覆した。その際、成膜中に水素ガスをそれぞれ異なった流量で供給しながら被覆して4種類の水素含有量を有するダイヤモンド状炭素膜を作製した。それらの膜中の水素含有量は、各々8原子%、2原子%、0.2原子%、0.4原子%であった。さらに、水素ガスを導入しない雰囲気でダイヤモンド状炭素膜を被覆したが、この被膜中には実質的に水素を含まずに炭素のみからなることがわかった。これらのダイヤモンド状炭素膜の膜表面をラップ加工して、いずれの膜の表面粗さもRa=0.03μmに調整した。これらの被膜の硬度、密度を評価した結果を表3に示す。
【0085】
これらの被膜をコーティングした可動弁体とコーティングを施していないアルミナ製固定弁体とを用いてフォーセットバルブを作製し、各フォーセットバルブをカートリッジに組込んだ。そして、実施例2と同様にレバーを繰返し駆動させてレバーに加わるトルクを測定した。その結果を表3に併せて示す。
【0086】
【表3】
Figure 2004183699
【0087】
表3の結果より、ダイヤモンド状炭素膜中の水素含有量が0.5原子%以下(水素を含有しない場合を含む)のときに、ヌープ硬度が2000以上となり、密度が2.8g/cm以上となり、摺動試験結果も良好となることがわかった。
【0088】
(実施例5)
実施例1と同様にして下地膜形成用のターゲットを種々変えて、アルミナ製セラミックスバルブの摺動面に、それぞれの下地膜がクロム、タングステン、窒化クロムであるダイヤモンド状炭素膜を形成した。
【0089】
いずれの下地膜も、膜厚は10nm〜0.2μmであり、その上に被覆したダイヤモンド状炭素膜は0.2〜0.6μmであった。また、これらのダイヤモンド状炭素膜のヌープ硬度は、いずれも2100から4800であり、ダイヤモンド状炭素膜に含まれる水素量は、いずれも0.1原子%未満であった。
【0090】
これらの膜の表面粗さを測定した結果、いずれの膜もRaで0.04〜0.06μmであり、密着性は、いずれの膜も100gから130gを示した。
【0091】
これらの膜を被覆したバルブを、実施例1と同様にして煮沸特性評価を行った。比較のために、実施例1と同様にして下地膜にクロムを被覆した上に、ダイヤモンド状炭素膜を0.07μmと2.0μm被覆したバルブを評価に供した。その結果、本発明によるいずれの下地膜を用いたダイヤモンド状炭素膜も、剥離は観察されなかったのに対し、比較サンプルはいずれも剥離が多数観察された。
【0092】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、水素をほとんど含まない、あるいは実質的に含まず、高密度で密着性に優れたダイヤモンド状炭素膜をアルミナの摺動面に被覆して、長時間使用しても優れた摺動特性を維持することが可能な温水栓バルブおよびその製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における温水栓バルブの構成を概略的に示す部分分解斜視図である。
【図2】図1の固定弁の摺動面近傍を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図3】基材にポアが形成された様子を示す概略断面図である。
【図4】ダイヤモンド状炭素膜と基材との間に金属膜を配置した構成を示す概略断面図である。
【図5】アークイオンプレーティング法によってダイヤモンド状炭素膜を形成する様子を示す断面図である。
【図6】水中摺動試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
1 固定弁、2 水流入穴、3 湯流入穴、4 混合水流出用弁穴、5,6,7 開口部、8 ケース、9 可動弁、10 空洞部、11 アルミナセラミックスよりなる基材、11a ポア、12 ダイヤモンド状炭素膜、13 中間層、21 成膜装置、22,23 ターゲット、24 基材保持具、26 基材加熱ヒータ、27 電源、29 バイアス電源、30 供給口、31 排気口。

Claims (6)

  1. 互いに摺動する2枚の弁体のうち、少なくとも一方の弁体が、少なくとも摺動面にポアを有するアルミナセラミックスと、前記アルミナセラミックスの前記摺動面に被覆されたダイヤモンド状炭素膜とを有する温水栓バルブにおいて、前記ダイヤモンド状炭素膜中における水素含有量が0.5原子%以下であり、前記ダイヤモンド状炭素膜の膜厚が0.15μm以上1.5μm以下であり、前記ダイヤモンド状炭素膜の表面粗さがRaで0.2μm以下であることを特徴とする、温水栓バルブ。
  2. 前記ダイヤモンド状炭素膜のヌープ硬度が2000以上5000以下であることを特徴とする、請求項1に記載の温水栓バルブ。
  3. 前記ダイヤモンド状炭素膜と前記摺動面との間に設けられた中間層をさらに備え、
    前記中間層が、クロム、タングステン、チタン、シリコン、およびチタン、シリコンまたはクロムの炭化物、窒化物、炭窒化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む単層または2層以上からなっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の温水栓バルブ。
  4. 前記ダイヤモンド状炭素膜の表面粗さがRaで0.1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の温水栓バルブ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の温水栓バルブの製造方法であって、
    前記ダイヤモンド状炭素膜を、グラファイトを原料として、実質的に水素を含まない雰囲気下でのアークイオンプレーティング法によって形成することを特徴とする、温水栓バルブの製造方法。
  6. 前記ダイヤモンド状炭素膜を形成した後に、前記ダイヤモンド状炭素膜にラップ加工を施して前記ダイヤモンド状炭素膜の表面粗さをRaで0.1μm以下にすることを特徴とする、請求項5に記載の温水栓バルブの製造方法。
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