JP7141548B1 - 異物検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無人搬送車の車輪への異物の付着の有無を安価に且つ精度良く検知可能な異物検知方法を提供する。【解決手段】異物検知方法は、無人搬送車の複数の車輪のうち一の車輪に異物が付着した場合に生じる当該一の車輪の負荷トルクと他の車輪の負荷トルクとの大小関係の変化を反映する所定差分トルクを検出する差分トルク検出工程(ステップSA3)と、差分トルク検出工程にて検出された前記所定差分トルクを基に、前記一の車輪に対する異物の付着の有無を検知する異物検知工程(ステップSA4~SA6)とを含む。【選択図】図5

Description

本発明は、無人搬送車の車輪への異物の付着の有無を検知する異物検知方法に関する。
従来より、無人搬送車の車輪への異物の付着の有無を検知するための異物検知方法の一例として、特開2007-301660号公報(下記特許文献1)に開示された方法が知られている。
この異物検知方法では、先ず、無人搬送車の筐体を固定機構により床面に固定した状態で車輪をモータにより回転させて、当該モータが発生するトルクとモータの回転角速度とを検出し、検出したトルクと回転角速度とを基にモータの軸回りの慣性モーメントを算出する。そして、算出した慣性モーメントと、予め記憶しておいた車輪に異物が付着していない場合のモータの軸回りの慣性モーメントとを比較して、該慣性モーメントの算出値が記憶値よりも大きい場合には車輪に異物が付着していると判断するようにしている(特許文献1の段落[0062]及び[0130]参照)。
特開2007-301660号公報
しかしながら、特許文献1に示す異物検知方法では、慣性モーメントを求めるために、無人搬送車の筐体を床面に固定する必要があり、そのための固定機構(引用文献1では伸縮自在な脚)を筐体に別途設ける必要がある。このため、無人搬送車の構成が複雑化してコスト増加を招くという問題がある。
そこで、上述の固定機構を設けずに異物を検知する方法として、例えば、走行中の各車輪の車軸回りの負荷トルクをトルクセンサ等により検出し、検出した負荷トルクと、予め記憶しておいた車輪に異物が付着していない場合の負荷トルクとの大小関係を比較することで異物の付着の有無を判断することが考えられる。
しかし、走行中の各車輪の負荷トルクは、無人搬送車の積載物の重量や、路面の状態(材質、面粗さ、湿度などの状態)、及び、車輪表面の摩耗状態など、様々な要因により変化するため、単に、走行中の負荷トルクと予め記憶しておいた異物の付着がない場合の負荷トルクとの比較を行うだけでは、車輪への異物の付着の有無を精度良く検知することができないという問題がある。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであって、無人搬送車の車輪への異物の付着の有無を安価に且つ精度良く検知可能な異物検知方法を提供することを、その目的とする。
前記課題を解決するための本発明の一局面は、
無人搬送車の車輪への異物の付着の有無を検知する異物検知方法であって、
前記無人搬送車は前記車輪を複数有しており、
前記複数の車輪のうち一の車輪に異物が付着した場合に生じる当該一の車輪の負荷トルクと、少なくとも1つの他の車輪の負荷トルクとの大小関係の変化を反映する所定差分トルクを検出する差分トルク検出工程と、
前記差分トルク検出工程にて検出された前記所定差分トルクを基に、前記一の車輪に対する異物の付着の有無を検知する異物検知工程とを含む異物検知方法に係る。
この異物検知方法によれば、異物検知対象である一の車輪の負荷トルクと少なくとも1つの他の車輪の負荷トルクとの大小関係の変化を反映する所定差分トルクが差分トルク検出工程にて検出され、差分トルク検出工程にて検出された差分トルクに基づいて前記一の車輪への異物の付着の有無が異物検知工程にて検知される。前記所定差分トルクは、車輪への異物の付着に起因する負荷トルクの大小関係を反映する差分トルクであって、異物検知用のパラメータとして機能する。所定差分トルクの具体例として、後述するように、一の車輪の負荷トルクと他の車輪の負荷トルクとの差分値や、一の車輪の負荷トルクと車輪1個当たりの平均負荷トルクとの差分値が挙げられる。
ここで、異物検知用のパラメータとして差分トルクを採用せずに、検知対象である一の車輪に作用する負荷トルクの変化に基づいて当該車輪への異物の付着の有無を検知することが考えられる。しかし、車輪の負荷トルクは、無人搬送車の積載重量、路面の状態、及び車輪表面の摩耗度など、様々な不定要因の影響を受けて変化する。このため、単に一の車輪に作用する負荷トルクの変化に着目した場合、当該変化が車輪への異物の付着に起因するものであるか、又は、前記不定要因に起因するものであるかを区別することができず、車輪への異物の付着の有無を精度良く検知することができないという問題がある。これに対して発明者等は、(i)前記不定要因による車輪の負荷トルクの変化は、一の車輪と他の車輪との間で略同じになること、及び(ii)一の車輪と他の車輪とに同時に異物が付着するケースは極めて希であることに着目して、一の車輪の負荷トルクと、少なくとも1つの他の車輪の負荷トルクの大小関係を反映する所定差分トルクを異物検知用のパラメータとして採用するようにした。これによれば、一の車輪と少なくとも1つの他の車輪との間で前記不定要因に起因する負荷トルクの変化量は同じになるため、所定差分トルクには、結局、前記不定要因による負荷トルクの変化は反映されず一の車輪への異物の付着による負荷トルクの変化のみが反映されることとなる。したがって、本発明によれば、前記不定要因に左右されることなく一の車輪への異物の付着の有無を精度良く検知することができる。また、各車輪の負荷トルクは、例えばトルクセンサや各車輪を駆動する駆動モータの駆動電流を基に検出することができるので無人搬送車の構成が複雑化することもない。よって、車輪への異物付着の有無を簡単な構成で安価に検出することができる。
前記所定差分トルクは、前記一の車輪に作用する負荷トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪に作用する負荷トルクとの差分値である差分負荷トルクであり、前記異物検知工程では、前記所定差分トルクの絶対値が予め設定した閾値以上であり且つ前記一の車輪に作用する負荷トルクが当該少なくとも1つの他の車輪に作用する負荷トルクよりも大きい異常トルク状態にあるか否かを判定し、該異常トルク状態にあると判定した場合に、前記一の車輪に対する異物の付着が有ると検知することが好ましい。
この方法によれば、一の車輪に異物が付着して当該一の車輪に作用する負荷トルクが少なくとも1つの他の車輪に作用する負荷トルクよりも大きくなった場合において、一の車輪に作用する負荷トルクと少なくとも1つの他の車輪に作用する負荷トルクとの差分値である差分負荷トルク(所定差分トルク)の絶対値が閾値以上であるときには、異物検知工程において一の車輪が異常トルク状態にあると判定され、そのことをもって当該一の車輪への異物の付着が有ると検知される。このように、差分負荷トルク(所定差分トルク)の絶対値が閾以上である場合のみ異物の付着有りと検知するようにしたことで、一の車輪の負荷トルクが増加した場合であってもその増加量が小さい場合には、前記差分トルクの絶対値が閾値未満になるので、異物検知工程にて異物の付着有りとの検知がなされることはない。したがって、軽微な回転不良に起因する車輪の負荷トルクの微少な増加が生じたことをもって車輪への異物の付着が有ると誤検知されるのを防止することができる。
前記所定差分トルクは、前記一の車輪に作用する負荷トルクと、前記複数の車輪における車輪1個当たりの平均負荷トルクとの差分値である差分負荷トルクであり、前記異物検知工程では、前記所定差分トルクの絶対値が予め設定した閾値以上であり且つ前記一の車輪に作用する負荷トルクが前記平均負荷トルクよりも大きい異常トルク状態にあるか否かを判定し、該異常トルク状態にあると判定した場合に、前記一の車輪に対する前記異物の付着が有ると検知することが好ましい。
この方法によれば、一の車輪に異物が付着して当該一の車輪に作用する負荷トルクが車輪1個当たりの平均負荷トルクよりも大きくなった場合において、一の車輪に作用する負荷トルクと、複数の車輪における車輪1個当たりの平均負荷トルクとの差分値である差分負荷トルク(所定差分トルク)の絶対値が閾値以上であるときには、異物検知工程において、一の車輪が異常トルク状態にあると判定され、そのことをもって一の車輪への異物の付着が有ると検知される。このように、異物検知用のパラメータである所定差分トルクとして、一の車輪の負荷トルクと車輪1個当たりの平均負荷トルクとの差分値である差分負荷トルクを採用し、且つその絶対値が閾値以上であるか否かを基に異物の付着の有無を判定するようにしたことで、特定の車輪の負荷トルクが何らかの理由により異常に高い値又は低い値になった場合でもその影響を極力排除して、車輪への異物付着の有無を精度良く検知することができる。
前記異物検知工程では、前記異常トルク状態が一定の周期で発生するか否かを判定し、該異常トルク状態が一定の周期で発生すると判定した場合に、前記一の車輪に対する異物の付着が有ると検知することが好ましい。
この方法によれば、異物検知工程において一の車輪の異常トルク状態が一定の周期で発生しているか否かが判定され、一定の周期で発生していると判定された場合には、そのことをもって当該一の車輪への異物の付着が有ると検知される。したがって、一の車輪に異物が付着した場合に生じる当該車輪の負荷トルクの周期的な変化を捕えて異物の付着の有無を精度良く検知することができる。
無人搬送車が直進走行中であるか否かを判定する直進判定工程をさらに備え、前記差分トルク検出工程及び前記異物検知工程は、前記直進判定工程にて前記無人搬送車が直進走行中であると判定された場合に実行されることが好ましい。
この方法によれば、直進判定工程にて無人搬送車が直進走行中であるか否かが判定され、無人搬送車が直進走行中であると判定された場合には、前記差分トルク検出工程及び前記異物検知工程が実行される。換言すると、前記差分トルク検出工程及び前記異物検知工程は無人搬送車が直進走行している最中にのみ実行される。したがって、無人搬送車の旋回走行時に生じる左右の車輪の負荷トルクの差が、異物検知用のパラメータである前記所定差分トルクの検出値に影響を及ぼすのを防止することができる。延いては、異物検知工程における異物の付着の有無の検知精度を向上させることができる。
前記無人搬送車は、直進走行及び旋回走行可能に構成され、前記複数の車輪は、左側車輪群と右側車輪群とで構成され、前記差分トルク検出工程では、前記無人搬送車の直進走行中においては、前記左側車輪群及び前記右側車輪群とからなる全ての車輪を対象として前記所定差分トルクの検出処理を実行する一方、前記無人搬送車の旋回走行中においては、各車輪群ごとに前記所定差分トルクの検出処理を実行することが好ましい。
この方法によれば、無人搬送車の直進走行中においては、差分トルク検出工程にて、前記左側車輪群及び前記右側車輪群とからなる全ての車輪を対象として前記所定差分トルクの検出処理が実行される一方、無人搬送車の旋回走行中においては、左側車輪群及び右側車輪群ごとに前記所定差分トルクの検出処理が実行される。したがって、無人搬送車の旋回走行中においては、左右方向の同じ側に位置する車輪群を対象として所定差分トルクが検出されるので、旋回走行時に左右の車輪の駆動トルクの差が、異物検知用のパラメータである前記所定差分トルクの検出値に影響を及ぼすのを防止することができる。延いては、異物検知工程における異物の付着の有無の検知精度を向上させることができる。
前記一の車輪及び前記少なくとも1つの他の車輪は、それぞれ、駆動モータにより回転駆動される駆動車輪であり、前記差分トルク検出工程は、前記一の車輪を駆動する駆動モータの駆動トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクとを検出し、検出した前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクとの差分値が前記差分負荷トルクに等しいものとして、当該差分値を前記所定差分トルクとして検出するものであり、前記異物検知工程では、前記異常トルク状態にあるか否かの判定に際して、前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクが、少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクよりも大きい場合に、当該一の車輪の負荷トルクが、少なくとも1つの他の車輪の負荷トルクよりも大きいと判断することが好ましい。
前記一の車輪及び前記少なくとも1つの他の車輪は、それぞれ、駆動モータにより回転駆動される駆動車輪であり、前記差分トルク検出工程は、前記一の車輪を駆動する駆動モータの駆動トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクとを検出し、検出した前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクと、前記駆動モータ1個当たりの平均駆動トルクとの差分値が前記差分負荷トルクに等しいものとして、当該差分値を前記所定差分トルクとして検出するものであり、前記異物検知工程では、前記異常トルク状態にあるか否かの判定に際して、前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクが、前記駆動モータ1個当たりの平均駆動トルクよりも大きい場合に、当該一の車輪の負荷トルクが前記車輪1個当たりの平均負荷トルクよりも大きいと判断するようにしてもよい。
これらの方法によれば、各車輪を駆動する駆動モータの駆動トルクを基に、差分トルク検出工程における所定差分トルク(差分負荷トルク)の検出処理を実行することができるので、各車輪の負荷トルクを検出するための専用のセンサを設ける必要がない。よって、車輪への異物付着の有無を安価に検知することができる。
本発明の異物検知方法によれば、一の車輪に異物が付着した場合に生じる当該一の車輪の負荷トルクと少なくとも1つの他の車輪の負荷トルクとの大小関係の変化を反映する所定差分トルクを検出し、検出した差分トルクを基に前記一の車輪への異物の付着の有無を検知するようにしたことで、当該車輪への異物の付着の有無を安価に且つ精度良く検出することができる。
実施形態1に係る異物検知方法により車輪への異物の付着の有無が検知される無人搬送車を示す車幅方向の左側から見た概略側面図である。 無人搬送車を示す概略平面図である。 無人搬送車の制御システムの構成を示すブロック図である。 車輪への異物付着の有無を検知する際に使用する所定差分トルクを示す表である。 実施形態1に係る異物検知方法を実現するための制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態2を示す図5相当図である。 実施形態2を示す図4相当図である。 他の実施形態に係る異物検知方法が適用される無人搬送車の旋回走行中の状態を示す平面図である。 他の実施形態に係る無人搬送車の旋回走行中における所定差分トルクの一例を示す表である。 他の実施形態に係る無人搬送車の旋回走行中における所定差分トルクの他の例を示す表である。 別の他の実施形態を示す図2相当図である。
《実施形態1》
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る異物検知方法によって車輪への異物の付着の有無が検知される無人搬送車10を示している。
この無人搬送車10は、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術に基づいて移動経路の決定と周辺環境地図の生成とを同時に行いながら無軌道で走行する。尚、無人搬送車10は、無軌道走行する車両に限ったものではなく、例えば床面に設置された反射板やマグネットをセンサにより検出しながら有軌道で走行する車両であってもよい。
無人搬送車10は、車両前後方向に長い直方体状の搬送車本体11を有している。搬送車本体11の前側面には距離センサ15及び警報装置16が取付けられている。距離センサ15は、他の障害物との距離を測定するためのセンサであって、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)装置により構成される。警報装置16は、後述するように、車輪12に異物が付着したことを周囲に報知するための装置であって本例では音声スピーカにより構成されている。搬送車本体11の下端部の四隅にはそれぞれ車輪12が取付けられている。各車輪12は、それぞれの車軸回りの慣性モーメントが互いに等しくなるように形成されている。そして、各車輪12は、それぞれの車軸に連結された駆動モータ13によって独立に回転駆動される。また、各車輪12は、鉛直に延びる操舵軸(図示省略)を有していて、該操舵軸に連結された操舵モータ14によって鉛直軸回りに操舵可能に構成されている。無人搬送車10は、後述する車載制御装置20による制御の下、操舵モータ14により各車輪12の操舵角を変更することで直進及び旋回が可能になっている。
ここで、4つの車輪12は、左前車輪12a、右前車輪12b、左後車輪12c及び右後車輪12dからなり、4つの駆動モータ13は、左前駆動モータ13a、右前駆動モータ13b、左後駆動モータ13c及び右後駆動モータ13dからなるが、以下の説明においてこれらを特に区別する必要がない場合には、添字a~dを適宜省略して単に車輪12、駆動モータ13と称するものとする。
図3は、無人搬送車10を制御する制御システム100の概略構成図である。この制御システム100は、前記車載制御装置20と、工場内に設置されて該車載制御装置20との間で無線通信可能な上位制御装置30とを含んでいる。車載制御装置20及び上位制御装置30はそれぞれ、CPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピュータにより構成されている。
上位制御装置30は、無人搬送車10の距離センサ15により検出された周辺障害物までの距離データを車載制御装置20を介して無線通信により受信する。そして、上位制御装置30は、受信した距離データを基に、周辺環境地図を生成するとともに、無人搬送車10を目的地まで走行させるための目標移動経路を算出して、算出した目標移動経路の情報を車載制御装置20に送信する。
車載制御装置20は、上位制御装置30より受信した移動経路情報を基に無人搬送車10を目的地点まで走行させる。また、車載制御装置20は、この無人搬送車10の走行制御に際して、各車輪12への異物の付着の有無を検知する異物検知制御を実行する。この異物検知制御では、後述するように、各車輪12の車軸回りの負荷トルクに関連する所定差分トルクを基に異物の付着の有無を検知する。ここで、異物の付着が有る状態とは、各車輪12の表面に異物が付着する状態のみでなく、各車輪12の回転部分に異物が噛み込んでいる状態等も含む。
図3に示すように、車載制御装置20は、機能部として、走行制御部21と直進判定部22と差分トルク検出部23と異物検知部24とを有している。これら各機能部は、コンピュータプログラムによって実現される。
走行制御部21は、上位制御装置30にて算出された目標移動経路に沿って無人搬送車10が走行するように各操舵モータ14及び各駆動モータ13を制御する。
直進判定部22は、上位制御装置30より受信した目標移動経路の情報と、現時点における各操舵モータ14の操舵角とを基に、無人搬送車10が直進走行中(本例では前側又は後側への直進走行中)の状態にあるか否かを判定する。
差分トルク検出部23は、直進判定部22にて無人搬送車10が直進走行中であると判定された場合に、車輪12への異物の付着の有無を反映する所定差分トルクを検出する。本例では、前記所定差分トルクは、異物検知対象となる一の車輪12の車軸回りの負荷トルクと他の3つの車輪12の車軸回りの負荷トルクとの差分値である差分負荷トルクであって異物検知用パラメータとして機能する。
本例では、差分トルク検出部23は、所定差分トルクとしての差分負荷トルクを算出する際に、各駆動モータ13の駆動トルクを利用する。具体的には、差分トルク検出部23は、直進判定部22にて無人搬送車10が直進走行中であると判定された場合には、先ず、各車輪12の駆動モータ13の駆動電流を取得し、取得した駆動電流を基に各駆動モータ13の駆動トルクを算出する。そして、差分トルク検出部23は、一の車輪12の駆動モータ13の駆動トルクと、他の3つの車輪12の駆動モータ13の駆動トルクとの差分値を前記差分負荷トルクDT1~DT3として算出し、算出した差分負荷トルクDT1~DT3を前記所定差分トルクとして検出する。
図4は、異物検知対象である各車輪12a~12dごとに差分トルク検出部23により検出される所定差分トルク(つまり差分負荷トルクDT1~D3)を示すである。表中の符号Ta,Tb,Tc,及びTdは、それぞれ、左前駆動モータ13aの駆動トルク、右前駆動モータ13bの駆動トルク、左後駆動モータ13cの駆動トルク、及び右後駆動モータ13dの駆動トルクを示している。
この表に示すように、例えば異物検知対象が左前車輪12aである場合には、差分トルク検出部23は、当該車輪12aを駆動する左前駆動モータ13aの駆動トルクTaと、他の3つの車輪12b~12dを駆動する右前駆動モータ13b、左後駆動モータ13c及び右後駆動モータ13dの駆動トルクTb,Tc,Tdとの差分負荷トルクDT1,DT2,DT3(DT1=Ta-Tb、DT2=Ta-Tc、及びDT3=Ta-Td)を所定差分トルクとして検出する。尚、異物検知対象が右前車輪12b、左後車輪12c、又は右後車輪12dである場合の所定差分トルクについては、図4の表に示す通りであるため詳細な説明を省略する。
異物検知部24は、異物検知対象である各車輪12a~12dのそれぞれについて、差分トルク検出部23により検出した差分負荷トルクDT1~DT3(所定差分トルク)を基に異物検知処理(後述する図5のステップSA4及びSA5の処理)を実行する。そして、異物検知部24は、車輪12a~12dに異物の付着が有ると検知した場合には、その旨を示す検知信号を警報装置16に出力する。
警報装置16は、本例では音声スピーカにより構成されていて、4つの車輪12a~12dのうちいずれの車輪に異物が付着しているかを音声出力によって周囲に報知する。尚、異物が付着している車輪12a~12dを特定せずに単に異物の付着が有る旨を報知するようにしてもよい。また、警報装置16は、音声スピーカに限ったものではなく、例えば、警報音のみを発生するスピーカや、異物が付着している旨を視覚的に周囲に報知する警報ランプ、又は、文字表示によって周囲に報知するディスプレイ装置であってもよい。
次に、図5のフローチャートを参照して、無人搬送車10の走行中に車載制御装置20により実行される異物検知制御の具体例を説明する。
この異物検知制御の最初の処理では、先ず、直進判定部22にて無人搬送車10が直進走行中であるか否かを判定し(ステップSA1)、直進走行中でないと判定した場合にはリターンする一方、直進走行中であると判定した場合には(ステップSA1でYES)、差分トルク検出部23にて各車輪12の駆動モータ13の駆動電流をそれぞれのモータドライバより取得し、取得した駆動電流を基に各駆動モータ13の駆動トルクを算出する(ステップSA2)。そして、差分トルク検出部23では、一の車輪12の駆動モータ13の駆動トルクと、他の3つの車輪12の駆動モータ13の駆動トルクとの差分値を、該一の車輪12と他の3つの車輪12との差分負荷トルクDT1~DT3として算出し、算出した差分負荷トルクDT1~DT3を所定差分トルクとして検出する(ステップSA3)。
差分トルク検出部23による差分負荷トルクDT1~DT3の算出後は、異物検知部24において、先ず、異物検知対象である一の車輪12の負荷トルクが他の3つの車輪12の負荷トルクよりも大きいか否かを判定する(ステップSA4)。この判定は、ステップSA2で取得した各駆動モータ13の駆動トルクを基に行う。具体的には、前記一の車輪12の駆動モータ13の駆動トルクが、他の3つの車輪12の駆動モータ13の駆動トルクよりも大きい場合には、当該一の車輪12の負荷トルクが他の3つの車輪12の負荷トルクよりも大きいと判定する一方、一の車輪12の駆動モータ13の駆動トルクが、他の3つの車輪12の駆動モータ13の駆動トルク以下である場合には、当該一の車輪12の負荷トルクが他の3つの車輪12の負荷トルク以下であると判定する。
そして、異物検知部24において、前記一の車輪12負荷トルクが、他の3つの車輪12の負荷トルクよりも大きいと判定された場合には(ステップSA4でYES)、ステップSA3にて算出された差分負荷トルクDT1~DT3の絶対値が全て、予め設定した閾値以上であるか否かを判定する(ステップSA5)。そして、異物検知部24では、各差分負荷トルクDT1~DT3の絶対値が全て前記閾値以上であると判定した場合には(ステップSA5でYES)、前記一の車輪12への異物の付着が有る旨の検知信号を警報装置16に出力し(ステップSA6)、警報装置16では、当該検知信号を基に該一の車輪12に異物が付着している旨及びその車輪12の位置を周囲に報知する(ステップSA7)。
一方、異物検知部24において、3つの差分負荷トルクDT1~DT3のうち少なくとも1つが閾値未満であると判定された場合には(ステップSA5でNO)、一の車輪12への異物の付着が無いものとしてステップSA1に戻る。そうして前記ステップSA1~SA7の処理が、異物検知対象である4つの車輪12a~12dのそれぞれに対して繰り返し実行される。
以上のように構成された無人搬送車10において、例えば左前車輪12aに異物が付着した場合には、当該左前車輪12aの車軸回りの負荷トルクが増加して他の3つの車輪12b~12cの車軸回りの負荷トルクよりも大きくなり、且つ、その差分値である差分負荷トルクDT1~DT3の絶対値は予め設定した閾値以上となる。この結果、ステップSA4及びS5の処理でYESと判定され、これにより、異物検知部24より警報装置16に向けて、左前車輪12aに異物が付着している旨の検知信号が出力され(ステップSA6)、警報装置16ではこの検知信号を受けて、左前車輪12aに異物が付着している旨の音声出力を実行する(ステップSA7)。これにより、周囲の作業者は、左前車輪12aに異物が付着していることを認識して当該異物を除去するなどの対策を講じることができる。よって、左前車輪12aに付着した異物が床面に擦り付けられて異音が発生したり床面に傷が生じたりするのを防止することができる。
一方、左前車輪12aに異物が付着していない場合には、当該左前車輪12aの車軸回りの負荷トルクは増加しないので、ステップSA4の処理でNOと判定され、この結果、警報装置16が作動することなく異物検知制御の最初の処理であるステップSA1に戻る。また、左前車輪12aへの異物の付着が無い状態で軽微な回転不良によって負荷トルクが僅かに増加した場合には、ステップSA4の処理でYESと判定されるものの、左前車輪12aと他の3つの車輪12b~12dとの差分負荷トルクDT1~DT3の絶対値は前記閾値未満となるので、ステップSA5の処理でNOと判定され(つまり異物の付着無しと判定され)、この結果、警報装置16が作動することなく異物検知制御の最初の処理であるステップSA1に戻る。尚、ここでは、左前車輪12aに異物が付着した場合の動作を説明したが、他の車輪12b~12dに異物が付着した場合にも同様の処理が実行されて警報装置16による警報動作が行われる。
以上説明したように、本実施形態の車載制御装置20により実行される異物検知方法は、前記4つの車輪12のうち一の車輪12に異物が付着した場合に生じる当該一の車輪12の負荷トルクと、他の3つの車輪12の負荷トルクとの大小関係の変化を反映する差分負荷トルクDT1~DT3(所定差分トルクに相当)を検出するステップSA3(差分トルク検出工程に相当)と、ステップSA3にて検出された差分負荷トルクDT1~DT3を基に、前記一の車輪12に対する異物の付着の有無を検知するステップSA4~ステップSA6(異物検知工程に相当)とを備えている。
これによれば、異物検知対象である一の車輪12に異物が付着した場合には当該一の車輪12の負荷トルクと他の3つの車輪12の負荷トルクとの大小関係が変化することを利用して、当該大小関係の変化を反映する差分負荷トルクDT1~DT3を基に、各車輪12への異物の付着の有無を精度良く検出することができる。また、異物検知用のパラメータとして差分負荷トルクDT1~DT3を採用するようにしたことで、単に異物検知対象である一の車輪12の負荷トルクの変化に基づいて異物検知を行う場合に比べて、無人搬送車10の積載重量、路面状態、及び車輪表面の摩耗度などの様々な不定要因の影響を極力受けずに各車輪12への異物付着の有無を高精度で検知することができる。
また、本実施形態の異物検知方法では、異物検知対象である一の車輪12について、他の3つの車輪12との間で生じる差分負荷トルクDT1~DT3の絶対値が閾値以上であり、且つ、一の車輪12の負荷トルクが、他の3つの車輪12の負荷トルクよりも大きい状態(以下、異常トルク状態という)にあるか否かを判定し(ステップSA4及びステップSA5)、当該異常トルク状態にあると判定した場合に(ステップSA5でYES)、一の車輪12への異物の付着が有ると検知するようにしている(ステップSA6)。
これによれば、一の車輪12の負荷トルクが増加した場合であってもその増加量が小さい場合には、前記各差分負荷トルクDT1~DT3の絶対値が閾値未満となり、ステップSA5の処理でNOと判定される(つまり異物の付着無しと判断される)。したがって、軽微な回転不良に起因する車輪12の負荷トルクの微少な増加が生じたことをもって当該車輪12への異物の付着が有ると誤検知されるのを防止することができる。
また、本実施形態の異物検知方法は、無人搬送車10が直進走行中であるか否かを判定するステップSA1(直進判定工程に相当)をさらに備え、当該ステップSA1にて無人搬送車10が直進走行中であると判定された場合のみ、上述した各差分負荷トルクDT1~DT3の検出処理(ステップSA2及びS3)及び各差分負荷トルクDT1~DT3に基づく異物検知処理(ステップSA4~SA6)を実行するようにしている。
これによれば、無人搬送車10の旋回走行時に生じる左右の車輪12の負荷トルクの差が、異物検知用のパラメータである差分負荷トルクDT1~DT3の値に影響を及ぼすのを防止することができる。延いては、差分負荷トルクDT1~DT3に基づく各車輪12への異物付着の有無の検知精度を向上させることができる。
《実施形態2》
図6は実施形態2を示している。この実施形態では、車載制御装置20により実行される異物検知制御の内容が前記実施形態1とは異なっている。尚、以下の実施形態において、実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
具体的には、ステップSB1~SB7のうち、ステップSB3及びSB4の処理が実施形態1とは異なっており、以下では主にこの2つのステップにおける処理内容を説明し、他のステップSB1,SB2,SB5~SB7については、実施形態1のステップSA1,SA2,SA5~SA7と同様であるため詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態のステップSB3では、差分トルク検出部23は、差分異物検知対象となる一の車輪12の負荷トルクと、全車輪12における車輪1個当たりの平均負荷トルクとの差分値である差分負荷トルクDT0を所定差分トルクとして検出する。本例では、この差分負荷トルクDT0を算出する際に、ステップSB2で取得した各駆動モータ13の駆動トルクを利用する。具体的には、差分トルク検出部23は、各駆動モータ13の駆動トルクTa~Tdと、全駆動モータ13におけるモータ1個当たりの平均駆動トルク(4つの駆動モータ13の駆動トルクの合計値を4で割った値)との差分値を算出し、算出した該差分値を前記差分負荷トルクDT0として算出する。
図7は、異物検知対象である各車輪12a~12dごとに差分トルク検出部23により検出される所定差分トルクを示す表である。表中の符号Taveは、4つの駆動モータ13のモータ1個当たりの平均駆動トルクであり、符号Ta~Tdは、上述したように各駆動モータ13a~13dの駆動トルクである。この表に示すように、例えば異物検知対象が左前車輪12aである場合には、差分トルク検出部23は、当該車輪12aを駆動する左前駆動モータ13aの駆動トルクTaと、平均駆動トルクTaveとの差分負荷トルクDT0(=Ta-Tave)を所定差分トルクとして検出する。尚、異物検知対象が右前車輪12b、左後車輪12c、又は右後車輪12dである場合の所定差分トルクについては、図7の表に示す通りであるための詳細な説明を省略する。
ステップSB4では、異物検知部24において、一の車輪12の負荷トルクが、全車輪12における車輪1個当たりの平均負荷トルクよりも大きいか否かを判定する。この判定はステップSB2で取得した各駆動モータ13の駆動トルクを基に行う。具体的には、異物検知部24は、前記一の車輪12の駆動モータ13の駆動トルクが、全駆動モータ13におけるモータ1個当たりの平均駆動トルクTaveよりも大きい場合には、当該一の車輪12の負荷トルクが前記車輪1個当たりの平均負荷トルクよりも大きいと判定する一方、前記一の車輪12の駆動モータ13の駆動トルクが、モータ1個当たりの平均駆動トルクTave以下である場合には、当該一の車輪12の負荷トルクが前記車輪1個当たりの平均負荷トルク以下であると判定する。
このように本実施形態によれば、異物検知用のパラメータである所定差分トルクは、一の車輪12の負荷トルクと、全車輪12における車輪1個当たりの平均負荷トルクとの差分負荷トルクDT0とされている。したがって、特定の車輪12の負荷トルクが何らかの理由により異常に高い値又は低い値になった場合でもその影響を極力受けることなく一の車輪12への異物の付着の有無を検知することができる。
《他の実施形態》
前記各実施形態では、無人搬送車10の直進走行中においてのみ差分トルク検出処理及び所定差分トルクに基づく異物検知処理を実行するようにしているが、これに限ったものではなく、無人搬送車10の旋回走行中においてもこれらの処理を実行するようにしてもよい。この場合、図8に示すように、無人搬送車10の4つの車輪12a~12dを、左前車輪12a及び左後車輪12cからなる左側車輪群WLと、右前車輪12b及び右後車輪12dからなる右側車輪群WRとに分けて、無人搬送車10の旋回走行中は、各車輪群WL,WRごとに差分トルク検出部23による所定差分トルクの検出処理を実行することが好ましい。図9は、実施形態1の差分トルク検出処理を左側車輪群WL及び右側車輪群WRごとに実行した例を示し、図10は、実施形態2の差分トルク検出処理を左側車輪群WL及び右側車輪群WRごとに実行した例を示している。このように、無人搬送車10の旋回走行中においては、左右方向(車幅方向)の同じ側に位置する各車輪群WL,WRごとに、差分トルク検出部23により所定差分トルクの検出処理を実行することで、旋回走行時の左右の車輪12の駆動トルクの差が、異物検知用のパラメータである所定差分トルクの検出値に影響を及ぼすのを防止し、延いては、各車輪12の異物検知精度を向上させることができる。尚、無人搬送車10の直進走行中においては、前記各実施形態と同様に左側車輪群WL及び右側車輪群WRとからなる全ての車輪12を対象として前記所定差分トルクの検出処理を実行すればよい。
また、前記各実施形態では、一の車輪12の駆動モータ13の駆動トルクが、他の3の車輪12の駆動トルクよりも大きく、且つ、所定差分トルクの絶対値が予め設定した閾値以上となる異常トルク状態が発生すると(ステップSA5でYESと判定されると)、そのことをもって一の車輪12への異物付着が有ると検知するようにしているが、これに限ったものではなく、異物検知部24において、当該異常トルク状態が一定の周期で発生しているか否かを判定して、該異常トルク状態が一定の周期で発生していると判定した場合に、前記一の車輪12に対する異物の付着が有ると検知するようにしてもよい。
これによれば、車輪12に異物が付着した場合に生じる前記所定差分トルクの周期的な変化を捕えて各車輪12への異物の付着の有無を精度良く検知することができる。また、例えば車輪12が床面の凹部に嵌まり込んだまま回転不能なった場合には、異常トルク状態が発生するが、車輪12への異物付着が生じた場合のように異常トルク状態が周期的に発生することはない。したがって、このような凹部への車輪12の嵌り込み状態と、車輪12への異物付着が生じている状態とを区別して検知することができる。
前記各実施形態では、各車輪12の駆動モータ13の駆動トルクを基に、各車輪12の差分負荷トルクDT0~DT3の検出処理(ステップSA3及びSB3の処理)や、負荷トルクの大小関係の判定処理(SA4及びSB4の処理)を実行するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、各車輪12の車軸にトルクセンサを取付けて、各トルクセンサにより各車輪12の車軸回りの負荷トルクを直接検出するようにしてもよい。
前記各実施形態では、無人搬送車10の全車輪12が駆動モータ13に連結された駆動車輪とされているが、これに限ったものではなく、図11に示すように、一部の車輪12のみを駆動車輪12e,12fとし、他の車輪12を従動車輪12gとしてもよい。図10の例では、駆動車輪12e,12fは、無人搬送車10の前後方向の中央部に車幅方向に間隔を開けて配置されている。左側の駆動車輪12eには、左側駆動モータ13eが連結され、右側の駆動車輪12fには右側駆動モータ13fが連結されている。そして、無人搬送車10は、左右の駆動モータ13e,13fの回転数を異ならせることにより左右に旋回可能になっている。従動車輪12gは、無人搬送車10の前端部及び後端部にそれぞれ2つずつ配置されていて、無人搬送車10の移動にしたがって従動回転する。この無人搬送車10では、異物の付着を検知可能な車輪は左側の駆動車輪12eと右側の駆動車輪12fとの2つであり、前記各実施形態と同様に、左側駆動モータ13eの駆動トルクと、右側駆動モータ13fの駆動トルクとの差分値を基に各車輪12e,12fへの異物の付着の有無を検知することができる。
尚、図10の無人搬送車10において、例えば、各従動車輪12gの車軸に負荷トルクを検出するためのトルクセンサを取付けて、各トルクセンサにより検出された負荷トルクを基に、各従動車輪12gと他の車輪12との差分負荷トルクを所定差分トルクとして検出し、検出した所定差分トルクを基に当該従動車輪12gへの異物の付着の有無を検知するようにしてもよい。
前記実施形態1では、異物検知対象である一の車輪12と他の3つの車輪12との間の差分負荷トルクDT1~DT3を所定差分トルクとして検出するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば、一の車輪12と、他の1つ又は2つの車輪12との間の差分負荷トルクを所定差分トルクとして検出するようにしてもよい。すなわち、所定差分トルクは、一の車輪12に異物が付着した場合に生じる当該一の車輪12の負荷トルクと、少なくとも1つの他の車輪12の負荷トルクとの大小関係の変化を反映する差分トルクであれば如何なるものであってもよい。
尚、上述した実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
10 無人搬送車
12 車輪
12a 左前車輪(駆動車輪)
12b 右前車輪(駆動車輪)
12c 左後車輪(駆動車輪)
12d 右後車輪(駆動車輪)
12e 左側の駆動車輪
12f 右側の駆動車輪
13 駆動モータ
13a 左前駆動モータ(駆動モータ)
13b 右前駆動モータ(駆動モータ)
13c 左後駆動モータ(駆動モータ)
13d 右後駆動モータ(駆動モータ)
DT0 差分負荷トルク(所定差分トルク)
DT1 差分負荷トルク(所定差分トルク)
DT2 差分負荷トルク(所定差分トルク)
DT3 差分負荷トルク(所定差分トルク)
Ta 駆動トルク
Tb 駆動トルク
Tc 駆動トルク
Td 駆動トルク
Tave 平均駆動トルク
WL 左側車輪群
WR 右側車輪群

Claims (8)

  1. 無人搬送車の車輪への異物の付着の有無を検知する異物検知方法であって、
    前記無人搬送車は前記車輪を複数有しており、
    前記複数の車輪のうち一の車輪に異物が付着した場合に生じる当該一の車輪の負荷トルクと、少なくとも1つの他の車輪の負荷トルクとの大小関係の変化を反映する所定差分トルクを検出する差分トルク検出工程と、
    前記差分トルク検出工程にて検出された前記所定差分トルクを基に、前記一の車輪に対する異物の付着の有無を検知する異物検知工程とを含むことを特徴とする異物検知方法。
  2. 前記所定差分トルクは、前記一の車輪に作用する負荷トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪に作用する負荷トルクとの差分値である差分負荷トルクであり、
    前記異物検知工程では、前記所定差分トルクの絶対値が予め設定した閾値以上であり且つ前記一の車輪に作用する負荷トルクが当該少なくとも1つの他の車輪に作用する負荷トルクよりも大きい異常トルク状態にあるか否かを判定し、該異常トルク状態にあると判定した場合に、前記一の車輪に対する異物の付着が有ると検知することを特徴とする請求項1記載の異物検知方法。
  3. 前記所定差分トルクは、前記一の車輪に作用する負荷トルクと、前記複数の車輪における車輪1個当たりの平均負荷トルクとの差分値である差分負荷トルクであり、
    前記異物検知工程では、前記所定差分トルクの絶対値が予め設定した閾値以上であり且つ前記一の車輪に作用する負荷トルクが前記平均負荷トルクよりも大きい異常トルク状態にあるか否かを判定し、該異常トルク状態にあると判定した場合に、前記一の車輪に対する前記異物の付着が有ると検知することを徴とする請求項1記載の異物検知方法。
  4. 前記異物検知工程では、前記異常トルク状態が一定の周期で発生するか否かを判定し、該異常トルク状態が一定の周期で発生すると判定した場合に、前記一の車輪に対する異物の付着が有ると検知することを特徴とする請求項2又は3記載の異物検知方法。
  5. 無人搬送車が直進走行中であるか否かを判定する直進判定工程をさらに備え、
    前記差分トルク検出工程及び前記異物検知工程は、前記直進判定工程にて前記無人搬送車が直進走行中であると判定された場合に実行されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の異物検知方法。
  6. 前記無人搬送車は、直進走行及び旋回走行可能に構成され、
    前記複数の車輪は、左側車輪群と右側車輪群とで構成され、
    前記差分トルク検出工程では、前記無人搬送車の直進走行中においては、前記左側車輪群及び前記右側車輪群とからなる全ての車輪を対象として前記所定差分トルクの検出処理を実行する一方、前記無人搬送車の旋回走行中においては、各車輪群ごとに前記所定差分トルクの検出処理を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の異物検知方法。
  7. 前記一の車輪及び前記少なくとも1つの他の車輪は、それぞれ、駆動モータにより回転駆動される駆動車輪であり、
    前記差分トルク検出工程は、前記一の車輪を駆動する駆動モータの駆動トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクとを検出し、検出した前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクとの差分値が前記差分負荷トルクに等しいものとして、当該差分値を前記所定差分トルクとして検出するものであり、
    前記異物検知工程では、前記異常トルク状態にあるか否かの判定に際して、前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクが、少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクよりも大きい場合に、当該一の車輪の負荷トルクが、少なくとも1つの他の車輪の負荷トルクよりも大きいと判断することを特徴とする請求項記載の異物検知方法。
  8. 前記一の車輪及び前記少なくとも1つの他の車輪は、それぞれ、駆動モータにより回転駆動される駆動車輪であり、
    前記差分トルク検出工程は、前記一の車輪を駆動する駆動モータの駆動トルクと、前記少なくとも1つの他の車輪の駆動モータの駆動トルクとを検出し、検出した前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクと、前記駆動モータ1個当たりの平均駆動トルクとの差分値が前記差分負荷トルクに等しいものとして、当該差分値を前記所定差分トルクとして検出するものであり、
    前記異物検知工程では、前記異常トルク状態にあるか否かの判定に際して、前記一の車輪の駆動モータの駆動トルクが、前記駆動モータ1個当たりの平均駆動トルクよりも大きい場合に、当該一の車輪の負荷トルクが前記車輪1個当たりの平均負荷トルクよりも大きいと判断することを特徴とする請求項記載の異物検知方法。
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