JP7139303B2 - クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クライオスタットに装着され、蒸発したヘリウム冷媒の再凝縮を行うことが可能なクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置に関する。
従来、被冷却物を極低温に維持するための断熱容器であるクライオスタットが知られている。このようなクライオスタットを用いた技術として、化学分野をはじめ医農薬分野や工業分野において、分子間の結合状態を知ることができるNMR(Nuclear Magnetic Resonance)装置が広く利用されている。このようなNMRの測定には強磁場が必要であることから、当該NMR装置にはNbTiやNbSnなどの金属系超電導材料によって構成される超電導マグネット(被冷却物)が用いられる。これらの金属系超電導材料が超電導状態に転移するのは極低温状態のみであるため、NMR装置は上記のようなクライオスタットを有し、超電導マグネットは当該クライオスタット内で極低温の液体ヘリウムに浸漬されることで、継続的に保冷される。このようなクライオスタットは、液体ヘリウムを貯留するヘリウム容器と、当該ヘリウム容器を収容する真空断熱容器と、を有する。液体ヘリウムの大気圧における沸点は4.2Kであるため、その蒸発を抑止するために、超電導マグネットを内包したヘリウム容器は、前記真空断熱容器の中に収められ真空断熱される。
液体ヘリウムは、上記のようなクライオスタット内においても定常的に蒸発し減少し続け、例えば10~20cc/hの速度で蒸発する。このため、特許文献1には、NMR装置内のヘリウム槽から蒸発するヘリウムを再凝縮させることで、ヘリウムが減少することを防止するヘリウム再凝縮装置が開示されている。当該再凝縮装置は、NMR装置の上方に設けられた極低温冷凍機と、当該極低温冷凍機によって冷却されるヘリウム再凝縮槽と、ヘリウム槽で蒸発したヘリウムをNMR装置からヘリウム再凝縮槽に送り出す一方、当該ヘリウム再凝縮槽において再凝縮されたヘリウムをNMR装置のヘリウム槽に戻すための管路と、を備えている。
NMR装置のヘリウム槽から蒸発したヘリウムガスは、フレキシブル管路を通じてヘリウム再凝縮槽に流入し、極低温冷凍機のコールドヘッドによって冷却されることで再凝縮され液化する。液化したヘリウムは管路を通じてNMR装置のヘリウム槽に再び流入するため、NMR装置内の液体ヘリウムの減少を抑制することができる。また、ヘリウム再凝縮槽とヘリウム槽とが管路によって互いに接続されているため、極低温冷凍機がNMR装置に直接装着されている場合と比較して、冷凍機が発生する振動がNMR装置に伝播されることが抑止される。
特開2007-51850号公報
特許文献1に記載された技術では、NMR装置と再凝縮装置とを繋ぎ、ヘリウム槽のヘリウムが流れることを許容する管路内に詰まりが生じやすく、NMR装置の安定した運転が困難になるという問題があった。具体的に、NMR装置が運転されるに先立って、ヘリウム槽内には所定のヘリウムタンクから液体ヘリウムが供給されるが、この際に僅かながらも窒素や酸素などのエア成分がヘリウム槽内に混入する。このため、特許文献1に記載された技術のように、NMR装置内のヘリウム槽のヘリウムが、管路を通じてNMR装置と当該NMR装置外のヘリウム再凝縮槽との間での行き来を繰り返しているうちに、前記エア成分が前記管路内で凍結し当該管路を塞いでしまうため、NMR装置の運転が困難になるという問題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、再凝縮用の管路の閉塞を防止しつつ、クライオスタット内で蒸発したヘリウムを安定して再凝縮することが可能な、クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置は、液体からなる保冷用ヘリウムを貯留することが可能なように密閉されたヘリウム槽を含み被冷却物を保冷用ヘリウムに浸漬させるように収容することが可能なクライオスタットに装着され、前記ヘリウム槽において蒸発した保冷用ヘリウムを再凝縮させることが可能なクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置であって、前記クライオスタットから離れた位置に配置される冷凍機であって、極低温状態に維持されるメイン冷却部を含む冷凍機と、前記冷凍機の前記メイン冷却部の冷熱を受けて、前記ヘリウム槽内において前記保冷用ヘリウムの再凝縮を行うことが可能なヘリウム再凝縮ユニットと、を備え、前記ヘリウム再凝縮ユニットは、前記ヘリウム槽において保冷用ヘリウムの液面よりも上方に配置される第1熱交換器であって、当該第1熱交換器には前記ヘリウム槽の保冷用ヘリウムから隔離された第1内部空間であって液体からなる熱交換用ヘリウムを貯留することが可能な第1内部空間が形成されており、前記第1内部空間内の熱交換用ヘリウムの蒸発に必要な気化熱を前記ヘリウム槽において蒸発した保冷用ヘリウムから吸熱する、第1熱交換器と、前記メイン冷却部に熱的に接触するように前記クライオスタットから離れた位置に配置され、前記第1内部空間において蒸発した熱交換用ヘリウムを受け入れ、当該受け入れた熱交換用ヘリウムを前記メイン冷却部の冷熱を受けて再凝縮し液化し、排出する第1再凝縮室と、前記第1再凝縮室が前記ヘリウム槽よりも高い位置に配置されるように、前記第1再凝縮室を支持する支持機構と、前記熱交換用ヘリウムが前記クライオスタット内の前記第1熱交換器と前記第1再凝縮室との間を流れるための流路を形成する第1連通部であって、前記第1再凝縮室から排出された熱交換用ヘリウムがその自重によって前記第1熱交換器の前記第1内部空間まで流れることが可能なように、前記第1再凝縮室から前記第1熱交換器に至るまで連続的に下方に延びるように配設されている第1連通部と、を備える。
本構成によれば、保冷用ヘリウムから隔離した熱交換用ヘリウムの凝縮および蒸発を伴う移動によって、保冷用ヘリウムに冷凍機の冷熱を与えヘリウム槽内で再凝縮させることができる。したがって、保冷用ヘリウム内のエア成分の混入に関わらず、第1連通部の流路の閉塞を防止することができる。より具体的に、クライオスタットのヘリウム槽内で保冷用ヘリウムが蒸発すると、第1熱交換器が当該保冷用ヘリウムから吸熱することで、保冷用ヘリウムを再凝縮させることができる。第1熱交換器はヘリウム槽内に配置されているため、当該第1熱交換器との接触によって再凝縮した保冷用ヘリウムをそのままヘリウム槽内に貯留することができる。第1再凝縮室は、冷凍機のメイン冷却部によって冷却されることで、保冷用ヘリウムから吸熱し蒸発した熱交換用ヘリウムを再凝縮させることができる。更に、第1連通部は、ヘリウム槽の保冷用ヘリウムから隔離された第1熱交換器とクライオスタット外の第1再凝縮室とを互いに連通し、ヘリウム槽の保冷用ヘリウムがクライオスタット外に流出することを防止しながら、熱交換用ヘリウムを循環させることができる。この際、第1再凝縮室と第1熱交換器との相対的な位置関係によって、第1再凝縮室において再凝縮した熱交換用ヘリウムを第1熱交換器の第1内部空間に安定して流入させることができる。このような構成によれば、ヘリウム槽への液体ヘリウムの供給時にヘリウム槽内にエア成分が混入することがあっても、当該エア成分が第1連通部を通過することがないため、第1連通部が形成する流路において前記エア成分が凍結し流路を閉塞することを防止することができる。
上記の構成において、前記第1連通部は、前記第1内部空間において蒸発した熱交換用ヘリウムが前記第1再凝縮室に流入することを許容するように、前記第1熱交換器の前記第1内部空間と前記第1再凝縮室とを互いに連通する往路連通部と、前記往路連通部に対して独立して配設され、前記第1再凝縮室において再凝縮した熱交換用ヘリウムが前記第1内部空間に流入することを許容するように、前記第1熱交換器の前記第1内部空間と前記第1再凝縮室とを互いに連通する復路連通部と、を有することが望ましい。
本構成によれば、蒸発した熱交換用ヘリウムおよび再凝縮した熱交換用ヘリウムが互いに独立した往路連通部および復路連通部を流れることができるため、両者が同じ連通部内を流れる場合と比較して、液体状のヘリウムが気体状のヘリウムの流れを妨げることが抑止され、二相の熱交換用ヘリウムの流れをそれぞれ安定して維持することができる。
上記の構成において、前記第1再凝縮室には、熱交換用ヘリウムが前記往路連通部から前記第1再凝縮室に流入することを許容する往路連通口と、前記往路連通口よりも下方に配置され、熱交換用ヘリウムが前記第1再凝縮室から前記往路連通部に流入することを許容する復路連通口と、がそれぞれ形成されていることが望ましい。
本構成によれば、第1再凝縮室において、復路連通口が往路連通口の下方に配置されているため、再凝縮した熱交換用ヘリウムが往路連通口を塞ぎ、蒸発した熱交換用ヘリウムの第1再凝縮室への流入を妨げることを防止することができる。
上記の構成において、前記第1連通部は、前記第1熱交換器の前記第1内部空間と前記第1再凝縮室とを互いに連通する1本の管路であって、前記第1内部空間において蒸発した熱交換用ヘリウムが前記第1再凝縮室に流入することを許容しかつ前記第1再凝縮室において再凝縮した熱交換用ヘリウムが前記第1内部空間に流入することを許容する1本の管路からなることが望ましい。
本構成によれば、第1熱交換器と第1再凝縮室とを接続する管路構造を簡素化することが可能となる。
上記の構成において、前記第1再凝縮室は、前記第1連通部に向かって下方に傾斜している第1下面部を有することが望ましい。
本構成によれば、第1再凝縮室において再凝縮した熱交換用ヘリウムを第1連通部に安定して流入させることができる。
上記の構成において、前記第1連通部は、少なくとも前記第1熱交換器と前記第1再凝縮室との間に配置され可撓性部材からなる第1可撓性部を有することが望ましい。
本構成によれば、冷凍機の振動が第1連通部を通じてクライオスタットに伝わることを抑止することができる。
上記の構成において、前記第1再凝縮室との間で熱交換用ヘリウムの受け渡しを行うことが可能なように前記第1再凝縮室に連通するヘリウムバッファタンクであって、当該ヘリウムバッファタンクの容積が前記第1再凝縮室の容積および前記第1内部空間の容積の和よりも大きく設定されている、ヘリウムバッファタンクを更に備えることが望ましい。
本構成によれば、ヘリウムバッファタンクが第1再凝縮室に連通し熱交換用ヘリウムを収容するための容積を拡大することができるため、当該ヘリウムバッファタンクを有さない場合と比較して、熱交換用ヘリウムの第1再凝縮室および第1熱交換器への充填時の圧力を低くすることができる。
上記の構成において、前記第1再凝縮室に対して独立して配置され、前記ヘリウムバッファタンクとの間で熱交換用ヘリウムの受け渡しを行うことが可能なように前記ヘリウムバッファタンクに連通するヘリウムリザーバタンクと、前記ヘリウムバッファタンクの圧力が所定の目標圧力範囲に含まれるように、前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間での熱交換用ヘリウムの受け渡し量を調整する圧力調整機構と、を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、クライオスタットの使用中に熱交換用ヘリウムの圧力が変動することがあっても、圧力調整機構によってヘリウムバッファタンクの圧力を調整することが可能となり、ヘリウム槽の保冷用ヘリウムの再凝縮を安定して行うことができる。
上記の構成において、前記圧力調整機構は、前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間に配置される、ヘリウムポンプと、前記ヘリウムポンプの吸入側に配置され、前記ヘリウムポンプに前記熱交換用ヘリウムを供給する供給源を前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間で切り替える吸入側切替弁と、前記ヘリウムポンプの吐出側に配置され、前記ヘリウムポンプから前記熱交換用ヘリウムを排出する排出先を前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間で切り替える吐出側切替弁と、を有することが望ましい。
本構成によれば、クライオスタットの特性、運転状態およびその変化あるいは冷凍機の個体差や保守状況などによって、第1熱交換器内の圧力が変化した場合でも、その圧力を自動的に調整し、熱交換用ヘリウムの再凝縮を安定して維持することができる。
上記の構成において、前記ヘリウムリザーバタンクは、前記ヘリウムバッファタンクよりも低圧に設定された、低圧リザーバタンク部と、前記ヘリウムバッファタンクよりも高圧に設定された、高圧リザーバタンク部と、を有し、前記圧力調整機構は、前記低圧リザーバタンク部と前記高圧リザーバタンク部との間に配置される、ヘリウムポンプと、前記ヘリウムポンプと前記低圧リザーバタンク部との間に配置され、前記ヘリウムポンプの作動に応じて前記ヘリウムバッファタンクから前記低圧リザーバタンク部に熱交換用ヘリウムが排出されることを許容するように開弁する、ヘリウム低圧弁と、前記ヘリウムポンプと前記高圧リザーバタンク部との間に配置され、前記ヘリウムポンプの作動に応じて前記高圧リザーバタンク部から前記ヘリウムバッファタンクに熱交換用ヘリウムが供給されることを許容するように開弁する、ヘリウム高圧弁と、を有することが望ましい。
本構成によれば、本構成によれば、クライオスタットの特性、運転状態およびその変化あるいは冷凍機の個体差や保守状況などによって、第1熱交換器内の圧力が変化した場合でも、その圧力を自動的に調整し、熱交換用ヘリウムの再凝縮を安定して維持することができる。
上記の構成において、前記クライオスタットは、前記ヘリウム槽を囲むように配置され液体からなる断熱用補助冷媒を貯留することが可能なように密閉された補助冷媒槽を更に有し、前記冷凍機は、前記メイン冷却部とは異なる位置に配置され、極低温状態に維持されるサブ冷却部を更に含み、前記冷凍機の前記サブ冷却部の冷熱を受けて、前記補助冷媒槽内において前記断熱用補助冷媒の再凝縮を行うことが可能な補助冷媒再凝縮ユニットを更に備え、前記補助冷媒再凝縮ユニットは、前記補助冷媒槽において断熱用補助冷媒の液面よりも上方に配置される第2熱交換器であって、当該第2熱交換器には前記補助冷媒槽の断熱用補助冷媒に対して隔離された第2内部空間であって液体からなる熱交換用補助冷媒を貯留することが可能な第2内部空間が形成されており、前記第2内部空間内の熱交換用補助冷媒の蒸発に必要な気化熱を前記補助冷媒槽において蒸発した断熱用補助冷媒から吸熱する、第2熱交換器と、前記サブ冷却部に熱的に接触するように前記クライオスタットから離れた位置であって前記補助冷媒槽よりも高い位置で前記支持機構に支持され、前記第2内部空間において蒸発した熱交換用補助冷媒を受け入れ、当該受け入れた熱交換用補助冷媒を前記サブ冷却部の冷熱を受けて再凝縮し液化し、排出する第2再凝縮室と、前記熱交換用補助冷媒が前記クライオスタット内の前記第2熱交換器と前記第2再凝縮室との間を流れるための流路を形成する第2連通部であって、前記第2再凝縮室から排出された断熱用補助冷媒がその自重によって前記第2熱交換器の前記第2内部空間まで流れることが可能なように、前記第2再凝縮室から前記第2熱交換器に至るまで連続的に下方に延びるように配設されている第2連通部と、を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、クライオスタットの補助冷媒槽内で断熱用補助冷媒が蒸発すると、第2熱交換器が当該断熱用補助冷媒から吸熱することで、熱交換用補助冷媒を再凝縮させることができる。この結果、補助冷媒槽の断熱用補助冷媒が蒸発し、減少することを抑止することができるため、ヘリウム槽を安定して保冷することができる。また、補助冷媒槽内に存在するエア成分が第2連通部を通過することがないため、当該第2連通部が形成する流路において前記エア成分が凍結し流路を閉塞することを防止することができる。
上記の構成において、前記第2再凝縮室は、前記第2連通部に向かって下方に傾斜している第2下面部を有することが望ましい。
本構成によれば、第2再凝縮室において再凝縮した熱交換用補助冷媒を第2連通部に安定して流入させることができる。
上記の構成において、前記第2連通部は、少なくとも前記第2熱交換器と前記第2再凝縮室との間に配置され可撓性部材からなる第2可撓性部を有することが望ましい。
本構成によれば、冷凍機の振動が第2連通部を通じてクライオスタットに伝わることを抑止することができる。
上記の構成において、前記冷凍機は、上下方向に延びる中心軸を有する筒状のシリンダと、上下方向に沿って往復移動可能なように前記シリンダの内部に配置され、前記シリンダ内で冷媒ガスを膨張させることにより寒冷を発生するディスプレーサと、前記シリンダの下方に配置され、前記ディスプレーサを往復移動させる駆動力を発生する駆動部と、を更に有し、前記サブ冷却部は、寒冷を受けて前記第2再凝縮室を冷却することが可能なように前記駆動部の上方において前記シリンダに接続され、前記メイン冷却部は、寒冷を受けて前記第2再凝縮室よりも低温で前記第1再凝縮室を冷却することが可能なように前記サブ冷却部の上方において前記シリンダに接続されていることが望ましい。
本構成によれば、メイン冷却部およびサブ冷却部を有する2段式の冷却機を用いることで、クライオスタットの保冷用ヘリウムおよび断熱用補助冷媒の再凝縮をそれぞれ安定して行うことができる。また、冷凍機では、駆動部がシリンダの下方に配置されているため、当該駆動部よりもメイン冷却部およびサブ冷却部を高い位置に配置することができる。したがって、駆動部がシリンダの上方に配置されている場合と比較して、設置場所におけるクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の最上部の高さを抑えつつ、第1再凝縮室および第2再凝縮室から排出された熱交換用ヘリウムおよび熱交換用補助冷媒をそれぞれ第1熱交換器および第2熱交換器に自重で流し込むことができる。
本発明によれば、再凝縮用の管路の閉塞を防止しつつ、クライオスタットで蒸発したヘリウムを安定して再凝縮することが可能なクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置がNMR装置に装着された様子を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の一部を拡大した拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の一部を拡大した拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の一部を拡大した拡大断面図である。 本発明の第1変形実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の一部を拡大した拡大断面図である。 本発明の第1変形実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の一部を拡大した拡大断面図である。 本発明の第2変形実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置がNMR装置に装着された様子を示す断面図である。 本発明の第3変形実施形態に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置がNMR装置に装着された様子を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態に係る再凝縮装置100(クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置)について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る再凝縮装置100がNMR装置1Sに装着された様子を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る再凝縮装置100の断面図である。なお、以後の各図では、説明のために、上下および左右方向を図示しているが、当該方向は本発明に係るクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置の構造および使用態様を限定するものではない。
再凝縮装置100は、本実施形態ではクライオスタットの一例としてのNMR装置1Sに装着される。一例として、NMR装置1Sは、化学分野をはじめ、医農薬分野や工業分野において分子間の結合状態を測定するために用いられる。
NMR装置1Sは、超電導マグネット1(被冷却物)と、液体ヘリウム2(保冷用ヘリウム)を貯留することが可能なように密閉されたヘリウム槽3と、それぞれヘリウム槽3に連通する複数のヘリウムポート4と、ガス冷却輻射シールド5と、液体窒素6(断熱用補助冷媒)を貯留することが可能なように密閉された窒素槽7(補助冷媒槽)と、それぞれ窒素槽7に連通する複数の窒素ポート8と、真空槽9と、を有する。
超電導マグネット1は、NMR装置1Sにおける測定のために強磁場を発生する。このために、超電導マグネット1は極低温状態に深冷され、超電導状態に維持される。ヘリウム槽3は、円筒形状を有しており、内部に液体ヘリウム(保冷用ヘリウム)を貯留する。なお、超電導マグネット1は、ヘリウム槽3内の液体ヘリウムに浸漬されるように、ヘリウム槽3に収容される。このように超電導マグネット1を内包したヘリウム槽3(液体ヘリウム容器)は、真空槽9に収容され、真空断熱される。この結果、大気圧における沸点が4.2Kである液体ヘリウムの蒸発が抑制される。
更に、ヘリウム槽3への熱侵入を低減するために、ヘリウム槽3を囲むように窒素槽7が配置されている。窒素槽7は、液体窒素6を貯留している。また、ヘリウム槽3と窒素槽7との間に円筒状のガス冷却輻射シールド5が配置される。ガス冷却輻射シールド5の温度は、ヘリウム槽3内で蒸発するヘリウムの冷熱を利用して、およそ40~50Kに設定される。このような複数層からなる断熱容器は、クライオスタットと称される。
なお、上記のような断熱構造を有していても、NMR装置1Sの使用に伴って、ヘリウムは10~20cc/hの速度で、窒素は100~200cc/hの速度でそれぞれ蒸発する。このため、ヘリウム槽3および窒素槽7において蒸発するヘリウムおよび窒素を再凝縮することで、定期的な冷媒補充作業を低減することが望ましい。また、このようなNMR装置1Sにおける測定は、極めて微小な電磁波の観測に基づいて行われるため、その精度(S/N比)の向上のため、NMR装置1Sに伝播する振動は限りなく低減することが望ましい。
なお、NMR装置1Sは、窒素槽用逆止弁44と、窒素槽用圧力計45と、ヘリウム槽用逆止弁46と、ヘリウム槽用圧力計47と、を更に有する。NMR装置1Sが使用されるに先立って、ヘリウム槽3には、複数のヘリウムポート4のうちの一のヘリウムポート4(図1の右側のヘリウムポート4)から液体ヘリウムが充填される。同様に、窒素槽7には、複数の窒素ポート8のうちの一の窒素ポート8(図1の右側の窒素ポート8)から液体窒素が充填される。ヘリウム槽用逆止弁46および窒素槽用逆止弁44は、それぞれ、ヘリウム槽3および窒素槽7を略大気圧力に維持するために配置されており、より詳しくは、大気圧よりも若干高い圧力で保圧できるように作動する。ヘリウム槽用圧力計47および窒素槽用圧力計45は、それぞれ、ヘリウム槽3および窒素槽7の内部圧力を検知する。
本実施形態に係る再凝縮装置100は、NMR装置1Sにおいて蒸発するヘリウムおよび窒素のそれぞれの再凝縮を可能とする。図1、図2に示すように、再凝縮装置100は、NMR装置1Sから離れた位置に配置される冷凍機10と、窒素再凝縮ユニットA(補助冷媒再凝縮ユニット)と、ヘリウム再凝縮ユニットBと、再凝縮装置真空槽37と、筐体100S(支持機構)と、を有する。
冷凍機10は、シリンダ10Pと、ディスプレーサ10Qと、モータM(駆動部)と、それぞれ極低温状態に維持される1段冷却ステージ11(サブ冷却部)および2段冷却ステージ12(メイン冷却部)と、を有する。シリンダ10Pは、上下方向に延びる中心軸を有する筒状の部材である。ディスプレーサ10Qは、上下方向に沿って往復移動可能なようにシリンダ10Pの内部に配置され、シリンダ10P内で冷媒ガスを膨張させることにより寒冷を発生する。モータMは、シリンダ10Pの下方に配置され、ディスプレーサ10Qを往復移動させる駆動力を発生する。
1段冷却ステージ11は、モータMの上方においてシリンダ10Pに接続され、前記寒冷を受けて後記の窒素再凝縮室14(第2再凝縮室)を冷却する。詳しくは、1段冷却ステージ11は、窒素再凝縮室14に熱的に接続され、窒素再凝縮室14において窒素ガス(熱交換用補助冷媒)が再凝縮することを可能とするように、窒素再凝縮室14を冷却する。1段冷却ステージ11は、シリンダ10Pを囲むように構成された、円管形状を有している。
2段冷却ステージ12は、1段冷却ステージ11の上方(1段冷却ステージ11とは異なる位置)においてシリンダ10Pに接続され、前記寒冷を受けて後記のヘリウム再凝縮室26(第1再凝縮室)を冷却する。詳しくは、2段冷却ステージ12は、ヘリウム再凝縮室26に熱的に接続され、ヘリウム再凝縮室26においてヘリウム(熱交換用ヘリウム)が再凝縮することを可能とするように、ヘリウム再凝縮室26を冷却する。2段冷却ステージ12は、円柱形状を有している。
図3に示すように、冷凍機10は、周囲を再凝縮装置真空槽37によって囲まれており、その再凝縮装置輻射シールド40(図3)によって真空断熱されている。また、冷凍機10は、筐体100Sによって床面から所定の高さに保持されている(図1)。
窒素再凝縮ユニットAは、冷凍機10の1段冷却ステージ11の冷熱を受けて、窒素槽7内において前記断熱用窒素の再凝縮を行うことが可能とされている。窒素再凝縮ユニットAは、窒素熱交換器13(第2熱交換器)と、窒素再凝縮室14(第2再凝縮室)と、窒素復管15(第2連通部)と、窒素往管16(第2連通部)と、窒素往復管路ヘッダ17と、窒素移送管真空ジャケット18と、窒素移送管フレキシブル部19と、窒素供給管20と、窒素バッファタンク21と、窒素供給弁22と、窒素バッファタンク圧力計23と、窒素再凝縮室ヒータ24と、を有する。
ヘリウム再凝縮ユニットBは、冷凍機10の2段冷却ステージ12の冷熱を受けて、ヘリウム槽3内において前記保冷用ヘリウムの再凝縮を行うことが可能とされている。ヘリウム再凝縮ユニットBは、ヘリウム熱交換器25(第1熱交換器)と、ヘリウム再凝縮室26(第1再凝縮室)と、ヘリウム復管27(第1連通部、復路連通部)と、ヘリウム往管28(第1連通部、復路連通部)と、ヘリウム往復管路ヘッダ29と、ヘリウム移送管真空ジャケット30と、ヘリウム移送管フレキシブル部31と、ヘリウム供給管32と、ヘリウムバッファタンク33と、ヘリウム供給弁34と、ヘリウムバッファタンク圧力計35と、ヘリウム再凝縮室ヒータ36と、を有する。これらのヘリウム再凝縮ユニットBの各部材は、上記の窒素再凝縮ユニットAの各部材と順に対をなしている。なお、窒素再凝縮ユニットAおよびヘリウム再凝縮ユニットBは、互いに同様の構造を有しているため、以下ではヘリウム再凝縮ユニットBを用いてその詳細な構造を説明する。図3乃至図5は、それぞれ、本実施形態に係る再凝縮装置100の一部を拡大した拡大断面図である。
ヘリウム熱交換器25は、ヘリウム槽3においてヘリウム(保冷用ヘリウム)の液面よりも上方に配置される(図1)。ヘリウム熱交換器25は、外周面25A(第1外周面)と、内周面25B(第1内周面)と、を含む円管形状を有している(図5)。内周面25Bは、ヘリウム槽3内のヘリウムから隔離された内部空間S(第1内部空間)を画定する。内部空間Sは、液体ヘリウム(液体からなる熱交換用ヘリウム)を貯留することが可能とされている。ヘリウム熱交換器25は、内部空間S内の熱交換用ヘリウムの蒸発に必要な気化熱をヘリウム槽3において蒸発した保冷用ヘリウムから吸熱することで当該保冷用ヘリウムが内部空間S内の熱交換用ヘリウムとの間での熱交換によって再凝縮することを許容する。すなわち、ヘリウム熱交換器25は、NMR装置1Sのヘリウム槽3に暴露されており、ヘリウム熱交換器25の周辺のヘリウムガスをヘリウム熱交換器25の管壁(外周面)を介して冷却し、液化することで、熱交換器外壁液体ヘリウム38を生成する。
ヘリウム再凝縮室26は、NMR装置1Sから離れた位置に配置された円筒状の部材であって、冷凍機10の2段冷却ステージ12の上面部に熱的に接続されている。ヘリウム再凝縮室26にはヘリウムガス(熱交換用ヘリウム)が充填されており、冷凍機10の2段冷却ステージ12によって冷却されることで、ヘリウム再凝縮室26の内部でヘリウムが液化される。このように、ヘリウム再凝縮室26は、ヘリウム熱交換器25の内部空間Sにおいて蒸発したヘリウム(ガス状の熱交換用ヘリウム)を受け入れ、当該受け入れたヘリウムを2段冷却ステージ12の冷熱を受けて再凝縮し液化して排出する。
ヘリウム復管27は、ヘリウム再凝縮室26の側面の下側部分に接続されている。ヘリウム再凝縮室26において生成された液体ヘリウムは、このヘリウム復管27を通じてヘリウム再凝縮室26から排出される。ヘリウム復管27の先端側はヘリウム熱交換器25の内部空間Sに開放されており、ヘリウム再凝縮室26から流れ出た液体ヘリウムは、このヘリウム熱交換器25内に滴下する。
ヘリウム熱交換器25内の熱交換器内部液体ヘリウム39は、ヘリウム熱交換器25の管壁を介した熱の流入によって蒸発し、ヘリウム往管28を通して最終的にヘリウム再凝縮室26の上部に還流する。そして、還流した熱交換器内部液体ヘリウム39は、ヘリウム再凝縮室26で再び液化され、ヘリウム復管27を通してふたたびヘリウム熱交換器25に送りこまれる。なお、ヘリウム往復管路ヘッダ29は、再凝縮装置真空槽37に装着され、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28のヘリウム再凝縮室26に対する位置を固定するように、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28を保持する。
ヘリウム熱交換器25は、管壁内外での熱交換を担うものであるから、ヘリウム熱交換器25の内部の温度はヘリウム熱交換器25の外部の温度よりも低い。一例として、ヘリウム熱交換器25の内部は4.0Kであり、ヘリウム熱交換器25の外部(ヘリウム槽3)は4.2Kである。このためには、ヘリウム熱交換器25、ヘリウム再凝縮室26、ヘリウム復管27およびヘリウム復管27で形成される閉空間の内部圧力が適切(通常は大気圧力よりも若干低い圧力)に調整されている。本実施形態では、ヘリウムバッファタンク33が、上記の圧力調整機能を有している。ヘリウムバッファタンク33は、冷凍機10の外側で常温下に配置され、ヘリウム供給管32を介してヘリウム再凝縮室26に連通されている。
また、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28は、本実施形態における第1連通部を構成する。当該第1連通部は、前記熱交換用ヘリウムがヘリウム熱交換器25とヘリウム再凝縮室26との間で流れるための流路を形成する。また、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28は、ヘリウム槽3のヘリウムがヘリウム復管27およびヘリウム往管28に流入することを阻止し、かつ、ヘリウム熱交換器25の内部空間Sにおいて蒸発したヘリウムがヘリウム再凝縮室26に流入することを許容するとともに、ヘリウム再凝縮室26において再凝縮したヘリウムがヘリウム熱交換器25の内部空間Sに流入することを許容するように、ヘリウム熱交換器25の内部空間Sとヘリウム再凝縮室26とを互いに連通する。
図4に示すように、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28は互いに独立して配設されている。特に、ヘリウム往管28(往路連通部)は、内部空間Sにおいて蒸発したヘリウムがヘリウム再凝縮室26に流入することを許容するように、ヘリウム熱交換器25の内部空間Sとヘリウム再凝縮室26とを互いに連通する。また、ヘリウム復管27(復路連通部)は、ヘリウム往管28に対して独立して配設され、ヘリウム再凝縮室26において再凝縮したヘリウムが内部空間Sに流入することを許容するように、ヘリウム熱交換器25の内部空間Sとヘリウム再凝縮室26とを互いに連通する。なお、図4に示すようにヘリウム再凝縮室26には、熱交換用ヘリウムがヘリウム往管28からヘリウム再凝縮室26に流入することを許容するように開口された往路連通口26Pと、前記往路連通口26Pよりも下方に配置され、熱交換用ヘリウムがヘリウム再凝縮室26からヘリウム復管27に流入することを許容するように開口された復路連通口26Qと、がそれぞれ形成されている。また、ヘリウム再凝縮室26の下面部26A(第1下面部)は、その径方向内側部分よりも径方向外側部分が下方に位置することでヘリウム復管27に向かって下方に傾斜しており、再凝縮した液体ヘリウムがヘリウム復管27に流入しやすい構造となっている。
一例として、ヘリウム熱交換器25、ヘリウム再凝縮室26、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28で形成される閉空間(低温部分)の全容積は、約100ccである。また、上記の閉空間内に存在する液体ヘリウム量は10~20ccであり、飽和ガスヘリウム量は80~90ccである。この閉空間が密閉された状態で室温になると、温度変化による体積膨張の結果、ガス容積は標準状態換算で22Lになる。一方、上記の閉空間の容積が100ccに限定されている場合、その内部の圧力は、220気圧に達してしまう。本実施形態では、上記の閉空間の容積を拡大するために、再凝縮装置100がヘリウムバッファタンク33を有している。ヘリウムバッファタンク33は、ヘリウム供給管32を通じてヘリウム再凝縮室26に連通しヘリウム再凝縮室26との間でヘリウムの受け渡しを行うことが可能とされている。また、ヘリウムバッファタンク33の容積は、ヘリウム再凝縮室26の容積およびヘリウム熱交換器25の内部空間Sの容積の和よりも大きく設定されている。一例として、このヘリウムバッファタンク33の容積が8Lの場合、上記の閉空間を含めた室温時の圧力は、約2.8気圧となる。すなわち、上記の閉空間にヘリウムバッファタンク33も含めた系内に、室温状態で初期に2.8気圧程度のヘリウムガスを封入しておけば、冷却後の定常動作において必要な液体ヘリウム量と飽和ヘリウムガスとをそれぞれ確保することができる。なお、ヘリウムバッファタンク33は、不図示のヘリウムタンクからヘリウム供給弁34を通じて、ヘリウムの供給を受ける。ヘリウムバッファタンク33内に所定量のヘリウムが供給されると、ヘリウム供給弁34が閉止される。ヘリウムバッファタンク圧力計35は、ヘリウムバッファタンク33内のヘリウムの圧力を検出する。
なお、図2に示すように、ヘリウム再凝縮室26とヘリウム熱交換器25との間を流れるヘリウム(冷媒)は極低温であるから、ヘリウム熱交換器25を除く全ての系統は真空断熱される必要がある。このため、本実施形態では、前述のようにヘリウム再凝縮室26の周辺が再凝縮装置真空槽37によって断熱され、ヘリウム再凝縮室26からヘリウム熱交換器25に至る管路部分(ヘリウム復管27、ヘリウム往管28)は、ヘリウム移送管真空ジャケット30によって覆われ、断熱されている。
図3乃至図5を参照して、このヘリウム移送管真空ジャケット30では、ヘリウム往復管路ヘッダ29からヘリウム熱交換器25までの間において、ヘリウム復管27とヘリウム往管28とを熱的に遮断する真空壁が設けられるとともに、輻射低減効果を高めるために輻射シールド層(第1移送管輻射シールド41、第2移送管輻射シールド42、第3移送管輻射シールド43)が設けられている。この結果、ヘリウム往復管路ヘッダ29からヘリウム熱交換器25までの間では、ヘリウム復管27を中心とする、最大で4重の同心管構造を有している。
更に、冷凍機10の機械的振動の伝達を低減するとともに、ヘリウム熱交換器25をNMR装置1Sのヘリウムポート4に容易に挿入することが可能となるように、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28の一部には、ヘリウム移送管フレキシブル部31が形成されている。ヘリウム移送管フレキシブル部31(第1可撓性部)は、少なくともヘリウム熱交換器25とヘリウム再凝縮室26との間に配置され可撓性を有しており(可撓性部材からなり)、周囲の構造に応じて変形可能であるとともに、冷凍機10の振動がヘリウム再凝縮室26からヘリウム熱交換器25に至る管路部分(第1連通部)を通じてNMR装置1Sに伝わることを抑止する。
また、ヘリウム再凝縮室ヒータ36(図2)は、ヘリウム再凝縮室26の上面部に装着され、不図示の制御部から入力信号を受けることで発熱する。ヘリウム槽用圧力計47が検出するヘリウム槽3の内部圧力に応じて、ヘリウム再凝縮室ヒータ36の出力(発熱量)が調整されることで、ヘリウム槽3の圧力が一定に保持される。
なお、図1、図2に示すように、窒素再凝縮ユニットAは、上記のヘリウム再凝縮ユニットBと同様の構造を有しているが、以下に両者の相違点を中心に窒素再凝縮ユニットAについて説明する。
NMR装置1Sが有する窒素槽7は、ヘリウム槽3を囲むように円筒状に配置され、液体窒素(液体からなる断熱用補助冷媒、断熱用窒素)を貯留することが可能とされている。一方、再凝縮装置100の窒素再凝縮ユニットAが有する窒素熱交換器13(第2熱交換器)は、窒素槽7において液体窒素の液面よりも上方に配置されている。窒素熱交換器13は、ヘリウム熱交換器25と同様に、内周面(第2外周面)と、窒素槽7の窒素に対して隔離された内部空間(第2内部空間)であって液体窒素(液体からなる熱交換用補助冷媒、熱交換用窒素)を貯留することが可能な内部空間を画定する第2内周面と、を有している。そして、窒素熱交換器13は、前記第2内部空間内の液体窒素の蒸発に必要な気化熱を窒素槽7において蒸発した断熱用窒素から吸熱することで当該断熱用窒素が前記第2内部空間内の熱交換用窒素との間での熱交換によって再凝縮することを許容する。上記の作用は、ヘリウム槽3内のヘリウム熱交換器25の作用と同様である。
また、窒素再凝縮室14は、ヘリウム再凝縮室26と同様に、1段冷却ステージ11に熱的に接触するようにNMR装置1Sから離れた位置に配置され、前記第2内部空間において蒸発した窒素ガス(ガス状の熱交換用補助冷媒)を受け入れる一方、当該窒素ガスを1段冷却ステージ11の冷熱を受けて再凝縮し液化して窒素熱交換器13に向かって排出する。窒素熱交換器13と窒素再凝縮室14との間の窒素の受け渡しは、窒素復管15および窒素往管16によって行われる。窒素復管15および窒素往管16を内部に含む窒素移送管真空ジャケット18は、本発明の第2連通部を構成する。当該第2連通部は、前記熱交換用窒素が窒素熱交換器13と窒素再凝縮室14との間で流れるための流路を形成するものであって、窒素槽7内の窒素が窒素復管15および窒素往管16に流入することを阻止し、かつ、前記第2内部空間において蒸発した窒素が窒素再凝縮室14に流入することを許容するとともに窒素再凝縮室14において再凝縮した窒素が前記第2内部空間に流入することを許容するように、窒素熱交換器13の前記第2内部空間と窒素再凝縮室14とを互いに連通する。当該窒素移送管真空ジャケット18(第2可撓性部)も、少なくとも窒素熱交換器13と窒素再凝縮室14との間に配置され可撓性を有する(可撓性部材からなる)窒素移送管フレキシブル部19(第2可撓性部)を有しているため、周囲の構造に応じて変形可能であるとともに、冷凍機10の振動が窒素再凝縮室14から窒素熱交換器13に至る管路部分(第2連通部)を通じてNMR装置1Sに伝わることを抑止する。
また、図2に示すように、窒素再凝縮室14は、円筒状の1段冷却ステージ11を囲むように配置されている。すなわち、窒素再凝縮室14内には、窒素の再凝縮を可能とする空間が円筒状に形成されている。また、窒素再凝縮室14の下面部(第2下面部)は、上記のヘリウム再凝縮室26の下面部26Aと同様に、その径方向内側部分よりも径方向外側部分が下方に位置することで窒素復管15に向かって下方に傾斜しており、再凝縮した液体窒素が窒素復管15に流入しやすい構造となっている。
次に、図1を参照して、NMR装置1Sおよび再凝縮装置100の配置について更に説明する。本実施形態では、NMR装置1Sに隣接するように筐体100Sが床面に設置されている。筐体100Sは、ヘリウム再凝縮室26がヘリウム槽3よりも高い位置に配置され、窒素再凝縮室14が窒素槽7よりも高い位置に配置されるように、ヘリウム再凝縮室26および窒素再凝縮室14をそれぞれ支持している。また、筐体100Sは、1段冷却ステージ11および2段冷却ステージ12を含む冷凍機10を支持する機能も兼ね備えている。更に、筐体100Sは、冷凍機10の下方において、窒素バッファタンク21およびヘリウムバッファタンク33をそれぞれ支持している。なお、窒素バッファタンク21およびヘリウムバッファタンク33は、筐体100Sから独立して配置されてもよい。
NMR装置1Sは、ヘリウム槽3の上端部に連通し、ヘリウム熱交換器25がヘリウム槽3に配置されるように上方から挿通されることを許容する前述のヘリウムポート4(入口ポート)を有している。そして、筐体100Sは、ヘリウム再凝縮室26がヘリウム槽3のヘリウムポート4の上方でヘリウムポート4に対して水平方向(左側)にずれた位置に配置されるように、ヘリウム再凝縮室26を支持している(図1)。
一方、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28を含むヘリウム移送管真空ジャケット30は、ヘリウム再凝縮室26から排出される液体ヘリウムがその自重によってヘリウム熱交換器25の内部空間Sに流入可能なように、ヘリウム再凝縮室26からヘリウム熱交換器25に至るまで連続的に下方に延びるように配設されている。より詳しくは、ヘリウム移送管真空ジャケット30は、ヘリウム再凝縮室26からヘリウムポート4(ネックチューブ)に近づくように先下がりに傾斜して配設された傾斜部30Aと、前記傾斜部30Aの先端部からヘリウムポート4を通じて内部空間Sに至るまで鉛直方向に沿って延びる鉛直部30Bと、を有している。同様に、窒素復管15および窒素往管16を含む窒素移送管真空ジャケット18も、再凝縮した液体窒素の自重による流れを許容するように、窒素再凝縮室14から窒素熱交換器13まで先下がりに(連続的に下方に向かって)配設されている。なお、上記の「連続的に下方に向かって」とは、管路が部分的に湾曲していることや屈曲していることを含む。
このような構成によれば、NMR装置1Sの直上に冷凍機10、窒素再凝縮室14、ヘリウム再凝縮室26をそれぞれ配置する場合と比較して、再凝縮装置100の最上部の高さを抑えることが可能となり、限られた高さの天井Cを有する設置環境にも、NMR装置1Sおよび再凝縮装置100を設置することが可能となる。
また、本実施形態では、図1に示すように、冷凍機10のモータMがシリンダ10Pの下方に配置されており、冷凍機10が倒立配置とされている。詳しくは、1段冷却ステージ11は、寒冷を受けて窒素再凝縮室14を冷却することが可能なようにモータMの上方においてシリンダ10Pに接続され、2段冷却ステージ12は、寒冷を受けて窒素再凝縮室14よりも低温でヘリウム再凝縮室26を冷却することが可能なように1段冷却ステージ11の上方においてシリンダ10Pに接続されている。この結果、冷凍機10のうち1段冷却ステージ11および2段冷却ステージ12をモータMよりも高い位置に配置することが可能となり、液体ヘリウムおよび液体窒素がヘリウム再凝縮室26および窒素再凝縮室14から下方に流れるための落差を容易に設けることが可能となる。
以上のように、本実施形態では、保冷用ヘリウムから隔離した熱交換用ヘリウムの凝縮および蒸発を伴う移動によって、保冷用ヘリウムに冷凍機10の冷熱を与えヘリウム槽3内で再凝縮させることができる。したがって、保冷用ヘリウム内のエア成分の混入に関わらず、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28の流路の閉塞を防止することができる。より具体的に、NMR装置1Sのヘリウム槽3内で保冷用ヘリウムが蒸発すると、ヘリウム熱交換器25が当該保冷用ヘリウムから吸熱することで、保冷用ヘリウムを再凝縮し液化させることができる。ヘリウム熱交換器25はヘリウム槽3内に配置されているため、当該ヘリウム熱交換器25との接触によって再凝縮した保冷用ヘリウムを、ヘリウム槽3内にそのまま貯留することができる。ヘリウム再凝縮室26は、冷凍機10の2段冷却ステージ12によって冷却されることで、保冷用ヘリウムから吸熱し蒸発した熱交換用ヘリウムを再凝縮させることができる。更に、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28は、ヘリウム槽3の保冷用ヘリウムから隔離されたヘリウム熱交換器25とNMR装置1S外のヘリウム再凝縮室26とを互いに連通し、ヘリウム槽3の保冷用ヘリウムがNMR装置1S外に流出することを防止しながら、熱交換用ヘリウムを循環させることができる。したがって、ヘリウム槽3内に存在するエア成分がヘリウム復管27およびヘリウム往管28を通過することがないため、当該ヘリウム復管27およびヘリウム往管28が形成する流路において前記エア成分が凍結し流路を閉塞することを防止することができる。なお、ヘリウム槽3への液体ヘリウムの充填作業と比較して、ヘリウム熱交換器25およびヘリウム再凝縮室26への熱交換用ヘリウムの充填作業の頻度は少なく、更に、その容積も小さいため、エア成分の混入を容易に防止しながら、充填作業を行うことができる。
また、上記のように、ヘリウム熱交換器25内にヘリウム槽3とは別の液体ヘリウムを貯留し、当該液体ヘリウムの気化熱を利用してヘリウム槽3内のヘリウムの再凝縮を行うことで、ヘリウム熱交換器25とヘリウム再凝縮室26との間で熱交換用ヘリウムを強制的に循環させる不図示のポンプなどが不要となる。
また、本実施形態では、蒸発した熱交換用ヘリウムおよび再凝縮した熱交換用ヘリウムが互いに独立したヘリウム往管28およびヘリウム復管27を流れることができるため、両者が同じ連通部内を流れる場合と比較して、液体状のヘリウムが気体状のヘリウムの流れを妨げることが抑止され、二相の熱交換用ヘリウムの流れを安定して維持することができる。
また、本実施形態では、ヘリウム再凝縮室26において、復路連通口26Qが往路連通口26Pの下方に配置されているため、再凝縮した熱交換用ヘリウムが往路連通口26Pを塞ぎ、蒸発した熱交換用ヘリウムのヘリウム再凝縮室26への流入を妨げることを防止することができる。
更に、本実施形態では、筐体100Sがヘリウム再凝縮室26を支持し、ヘリウム移送管真空ジャケット30は、ヘリウム再凝縮室26からヘリウム熱交換器25に至るまで連続的に下方に延びるように配設されている。このため、ヘリウム再凝縮室26において再凝縮した熱交換用ヘリウムをヘリウム熱交換器25の内部空間Sに安定して流入させることができる。
また、本実施形態では、ヘリウムバッファタンク33がヘリウム再凝縮室26に連通し熱交換用ヘリウムを収容するための容積を拡大することができるため、当該ヘリウムバッファタンク33を有さない場合と比較して、保冷用ヘリウムの再凝縮に必要とされる熱交換用ヘリウムのヘリウム熱交換器25およびヘリウム再凝縮室26への充填時の圧力を低くすることができる。
また、本実施形態では、NMR装置1Sの窒素槽7内で断熱用窒素が蒸発すると、窒素熱交換器13が当該断熱用窒素から吸熱することで、断熱用窒素を再凝縮させることができる。この結果、NMR装置1Sに設けられた窒素槽7の断熱用窒素が蒸発し、減少することを抑止することができるため、ヘリウム槽3を更に安定して保冷することができる。また、窒素槽7内に存在するエア成分が窒素復管15および窒素往管16を通過することがないため、当該窒素復管15および窒素往管16が形成する流路において前記エア成分が凍結し流路を閉塞することを防止することができる。
また、本実施形態では、1段冷却ステージ11および2段冷却ステージ12を備えた2段式の冷凍機10を用いることで、NMR装置1Sのヘリウムおよび窒素の再凝縮を安定して行うことができる。また、冷凍機10では、モータMがシリンダ10Pの下方に配置されているため、当該モータMよりも1段冷却ステージ11および2段冷却ステージ12を高い位置に配置することができる。したがって、モータMがシリンダ10Pの上方に配置されている場合と比較して、設置場所における再凝縮装置100の最上部の高さを抑えつつ、ヘリウム再凝縮室26および窒素再凝縮室14から排出された液体ヘリウムおよび液体窒素をそれぞれヘリウム熱交換器25および窒素熱交換器13に自重で流し込むことができる。
以上、本発明の一実施形態に係る再凝縮装置100(クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置)について説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、ヘリウム熱交換器25とヘリウム再凝縮室26とが二重管構造を有するヘリウム復管27およびヘリウム往管28によって互いに接続される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図6は、本発明の第1変形実施形態に係る再凝縮装置100(クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置)の一部(ヘリウム再凝縮室26)を拡大した拡大断面図である。図7は、本変形実施形態に係る再凝縮装置100の一部(ヘリウム熱交換器25)を拡大した拡大断面図である。
先の実施形態のようにヘリウム再凝縮室26およびヘリウム復管27が二重管構造を有している場合、管路の径が大きくなるためヘリウムポート4に所定の開口サイズが必要となる。一方、本変形実施形態では、図6、図7に示すように、ヘリウム復管27およびヘリウム往管28が互いに独立した管路ではなく、共通の1本の管路によって構成されている。すなわち、本変形実施形態では、ヘリウム再凝縮室26およびヘリウム復管27は、ヘリウム熱交換器25の内部空間Sとヘリウム再凝縮室26とを互いに連通する1本の管路であって、内部空間Sにおいて蒸発した熱交換用ヘリウムがヘリウム再凝縮室26に流入することを許容しかつヘリウム再凝縮室26において再凝縮した熱交換用ヘリウムが内部空間Sに流入することを許容する1本の管路からなる。このような構成によれば、ヘリウム熱交換器25とヘリウム再凝縮室26とを接続する管路構造を簡素化することが可能となる。なお、図6に示すように、ヘリウム再凝縮室26において生成された液体ヘリウムは、1本の管路の下側部分を伝ってヘリウム熱交換器25に送られる。一方、ヘリウム熱交換器25において蒸発したヘリウムは、1本の管路の上側部分を通じてヘリウム再凝縮室26に流入する。
(2)また、先の実施形態では、再凝縮装置100をNMR装置1Sに装着する際に、ヘリウムを所定の圧力で供給するために、再凝縮装置100がヘリウムバッファタンク33を有する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、再凝縮装置100は更にその他のタンクを有するものでもよい。
図8は、本発明の第2変形実施形態に係る再凝縮装置100(クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置)がNMR装置1Sに装着された様子を示す断面図である。なお、本変形実施形態では、先の実施形態(図1)との相違点を中心に説明する(以後の変形実施形態でも同様)。図8に示すように、再凝縮装置100は、更に、窒素再凝縮ユニットAの一部をそれぞれ構成する窒素リザーバタンク48、窒素ポンプ49、窒素ポンプ吐出切替三方弁50および窒素ポンプ吸気切替三方弁51と、ヘリウム再凝縮ユニットBの一部をそれぞれ構成するヘリウムリザーバタンク52、ヘリウムバッファタンク33とヘリウムリザーバタンク52との間に配置されるヘリウムポンプ53、ヘリウムポンプ吐出切替三方弁54およびヘリウムポンプ吸気切替三方弁55を有する。以下では、本変形実施形態におけるヘリウム再凝縮ユニットBを例にその構造を説明する。
ヘリウムリザーバタンク52は、ヘリウム再凝縮室26に対して独立して配置され、ヘリウムポンプ53を介してヘリウムバッファタンク33に接続されている。この結果、ヘリウムリザーバタンク52とヘリウムバッファタンク33との間でヘリウム(熱交換用ヘリウム)の受け渡しが可能となる。また、ヘリウムバッファタンク33およびヘリウムリザーバタンク52とヘリウムポンプ53との間には、ヘリウムポンプ吐出切替三方弁54(吐出側切替弁)およびヘリウムポンプ吸気切替三方弁55(吸入側切替弁)がそれぞれ配置されている。ヘリウムポンプ吸気切替三方弁55は、ヘリウムポンプ53の吸入側に配置され、ヘリウムポンプ53に熱交換用ヘリウムを供給する供給源をヘリウムバッファタンク33とヘリウムリザーバタンク52との間で切り替える。また、ヘリウムポンプ吐出切替三方弁54は、ヘリウムポンプ53の吐出側に配置され、ヘリウムポンプ53から熱交換用ヘリウムを排出する排出先をヘリウムバッファタンク33とヘリウムリザーバタンク52との間で切り替える。ヘリウムポンプ吐出切替三方弁54およびヘリウムポンプ吸気切替三方弁55は、不図示の制御部から指令信号を受けて、ヘリウムポンプ53へのヘリウムの供給先およびヘリウムポンプ53からのヘリウムの吐出先をヘリウムバッファタンク33とヘリウムリザーバタンク52との間で切り換える。ヘリウムポンプ53、ヘリウムポンプ吐出切替三方弁54およびヘリウムポンプ吸気切替三方弁55は、本発明の圧力調整機構を構成する。圧力調整機構は、前記ヘリウムバッファタンク33の圧力が所定の目標圧力範囲に含まれるように、前記ヘリウムバッファタンク33と前記ヘリウムリザーバタンク52との間での熱交換用ヘリウムの受け渡し量を調整する。
先の実施形態と同様に再凝縮装置100が定常運転に移行したのち、ヘリウムバッファタンク圧力計35が検出するヘリウムバッファタンク33の圧力が所定の圧力(適正範囲)よりも高い場合、不図示の制御部によってヘリウムポンプ53の吸気側がヘリウムバッファタンク33に接続され、ヘリウムポンプ53の排気側がヘリウムリザーバタンク52に接続されるようにヘリウムポンプ吐出切替三方弁54およびヘリウムポンプ吸気切替三方弁55が切り換えられる。この結果、ヘリウムバッファタンク33からヘリウムリザーバタンク52にヘリウムが補充されヘリウムバッファタンク33が所定の圧力に調整される。逆に、ヘリウムバッファタンク圧力計35が検出するヘリウムバッファタンク33の圧力が所定の圧力よりも低い場合、ヘリウムポンプ53の吸気側がヘリウムリザーバタンク52に接続され、ヘリウムポンプ53の排気側がヘリウムバッファタンク33に接続されるようヘリウムポンプ吐出切替三方弁54およびヘリウムポンプ吸気切替三方弁55がそれぞれ切り換えられる。この結果、ヘリウムリザーバタンク52からヘリウムバッファタンク33にヘリウムが排出され、ヘリウムバッファタンク33が所定の圧力に調整される。上記の圧力調整の完了は、ヘリウムバッファタンク圧力計35が検出するヘリウムバッファタンク33の圧力によって判定されればよい。なお、窒素再凝縮ユニットAにおいても、同様に、窒素ポンプ49の吐出先が、窒素ポンプ吐出切替三方弁50および窒素ポンプ吸気切替三方弁51によって、窒素バッファタンク21と窒素リザーバタンク48との間で切り換えられ、窒素バッファタンク圧力計23が検出する窒素バッファタンク21の圧力が適正な範囲に設定される。
上記のような構成によれば、NMR装置1Sの特性(断熱性能)、運転状態(室温、気圧)、運転状態の変化(停電)あるいは冷凍機10の個体差(冷凍能力)や保守状況(交換)などによって、窒素熱交換器13およびヘリウム熱交換器25内の圧力が変化した場合でも、その圧力を自動的に調整し、窒素およびヘリウムの再凝縮を安定して維持することができる。
また、図9は、本発明の第3変形実施形態に係る再凝縮装置100(クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置)がNMR装置1Sに装着された様子を示す断面図である。本変形実施形態では、ヘリウムバッファタンク33に並列して2つのリザーバタンク(ヘリウム高圧リザーバタンク60(高圧リザーバタンク部)、ヘリウム低圧リザーバタンク61(低圧リザーバタンク部))が接続される。ヘリウム低圧リザーバタンク61の圧力はヘリウムバッファタンク33の圧力よりも低く、大気圧以下に設定されている。一方、ヘリウム高圧リザーバタンク60の圧力は、ヘリウムバッファタンク33の圧力よりも高く、大気圧以上に設定されている。ヘリウム高圧リザーバタンク60とヘリウム低圧リザーバタンク61との間には、ヘリウムポンプ53が配置されている。ヘリウム低圧弁63は、ヘリウムポンプ53とヘリウム低圧リザーバタンク61との間に配置され、ヘリウムポンプ53の作動に応じてヘリウムバッファタンク33からヘリウム低圧リザーバタンク61に熱交換用ヘリウムが排出されることを許容するように開弁する。ヘリウム高圧弁62は、ヘリウムポンプ53とヘリウム高圧リザーバタンク60との間に配置され、ヘリウムポンプ53の作動に応じてヘリウム高圧リザーバタンク60からヘリウムバッファタンク33に熱交換用ヘリウムが供給されることを許容するように開弁する。したがって、ヘリウムポンプ53の作動状態において、ヘリウム高圧弁62が開弁すると、ヘリウム高圧リザーバタンク60からヘリウムバッファタンク33にヘリウムが供給される。一方、ヘリウム低圧弁63が開弁すると、ヘリウムバッファタンク33からヘリウム低圧リザーバタンク61にヘリウムが排出される。このように、本変形実施形態においても、再凝縮装置100およびNMR装置1Sが定常運転に移行したのち、ヘリウムバッファタンク33の圧力が適正範囲となるように、不図示の制御部がヘリウムバッファタンク圧力計35の検出結果に応じてヘリウム高圧弁62またはヘリウム低圧弁63を制御する。この結果、上記の第1変形実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、ヘリウムポンプ53に加え、ヘリウム高圧リザーバタンク60、ヘリウム低圧リザーバタンク61、ヘリウム高圧弁62およびヘリウム低圧弁63は、本発明の圧力調整機構を構成する。また、窒素高圧リザーバタンク56、窒素低圧リザーバタンク57、窒素高圧弁58および窒素低圧弁59も、同様の機能を有している。
(3)また、上記の実施形態では、ヘリウム槽3を囲むように窒素槽7が配置される態様にて説明したが、窒素槽7の代わりにアルゴン層が配置され、液体アルゴンによってヘリウム槽3に対する熱の侵入が抑止されるものでもよい。この場合、前記アルゴン層に窒素熱交換器13と同様の熱交換器が配置されることが望ましい。また、他の態様において、ヘリウム槽3内にヘリウム熱交換器25が配置され、ヘリウム槽3内のヘリウムの再凝縮が促進されればよく、窒素槽7に窒素熱交換器13が配置されない態様でもよい。
1 超電導マグネット(被冷却物)
1S NMR装置(クライオスタット)
2 液体ヘリウム
3 ヘリウム槽
4 ヘリウムポート
5 ガス冷却輻射シールド
6 液体窒素
7 窒素槽(補助冷媒槽)
8 窒素ポート
9 真空槽
10 冷凍機
100 再凝縮装置(クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置)
100S 筐体(支持機構)
10P シリンダ
10Q ディスプレーサ
11 1段冷却ステージ(サブ冷却部)
12 2段冷却ステージ(メイン冷却部)
13 窒素熱交換器(第2熱交換器)
14 窒素再凝縮室(第2再凝縮室)
15 窒素復管(第2連通部)
16 窒素往管(第2連通部)
17 窒素往復管路ヘッダ
18 窒素移送管真空ジャケット
19 窒素移送管フレキシブル部
20 窒素供給管
21 窒素バッファタンク
22 窒素供給弁
23 窒素バッファタンク圧力計
24 窒素再凝縮室ヒータ
25 ヘリウム熱交換器(第1熱交換器)
26 ヘリウム再凝縮室(第1再凝縮室)
26P 往路連通口
26Q 復路連通口
27 ヘリウム復管(第1連通部、復路連通部)
28 ヘリウム往管(第1連通部、往路連通部)
29 ヘリウム往復管路ヘッダ
30 ヘリウム移送管真空ジャケット
31 ヘリウム移送管フレキシブル部
32 ヘリウム供給管
33 ヘリウムバッファタンク
34 ヘリウム供給弁
35 ヘリウムバッファタンク圧力計
36 ヘリウム再凝縮室ヒータ
37 再凝縮装置真空槽
38 熱交換器外壁液体ヘリウム
39 熱交換器内部液体ヘリウム
40 再凝縮装置輻射シールド
44 窒素槽用逆止弁
45 窒素槽用圧力計
46 ヘリウム槽用逆止弁
47 ヘリウム槽用圧力計
48 窒素リザーバタンク
49 窒素ポンプ
52 ヘリウムリザーバタンク
53 ヘリウムポンプ(圧力調整機構)
54 ヘリウムポンプ吐出切替三方弁(圧力調整機構、ヘリウム低圧弁)
55 ヘリウムポンプ吸気切替三方弁(圧力調整機構、ヘリウム高圧弁)
56 窒素高圧リザーバタンク
57 窒素低圧リザーバタンク
60 ヘリウム高圧リザーバタンク(高圧リザーバタンク部)
61 ヘリウム低圧リザーバタンク(低圧リザーバタンク部)
A 窒素再凝縮ユニット(補助冷媒再凝縮ユニット)
B ヘリウム再凝縮ユニット
M モータ(駆動部)

Claims (15)

  1. 液体からなる保冷用ヘリウムを貯留することが可能なように密閉されたヘリウム槽を含み被冷却物を保冷用ヘリウムに浸漬させるように収容することが可能なクライオスタットに装着され、前記ヘリウム槽において蒸発した保冷用ヘリウムを再凝縮させることが可能なクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置であって、
    前記クライオスタットから離れた位置に配置される冷凍機であって、極低温状態に維持されるメイン冷却部を含む冷凍機と、
    前記冷凍機の前記メイン冷却部の冷熱を受けて、前記ヘリウム槽内において前記保冷用ヘリウムの再凝縮を行うことが可能なヘリウム再凝縮ユニットと、
    を備え、
    前記ヘリウム再凝縮ユニットは、
    前記ヘリウム槽において保冷用ヘリウムの液面よりも上方に配置される第1熱交換器であって、当該第1熱交換器には前記ヘリウム槽の保冷用ヘリウムから隔離された第1内部空間であって液体からなる熱交換用ヘリウムを貯留することが可能な第1内部空間が形成されており、前記第1内部空間内の熱交換用ヘリウムの蒸発に必要な気化熱を前記ヘリウム槽において蒸発した保冷用ヘリウムから吸熱する、第1熱交換器と、
    前記メイン冷却部に熱的に接触するように前記クライオスタットから離れた位置に配置され、前記第1内部空間において蒸発した熱交換用ヘリウムを受け入れ、当該受け入れた熱交換用ヘリウムを前記メイン冷却部の冷熱を受けて再凝縮し液化し、排出する第1再凝縮室と、
    前記第1再凝縮室が前記ヘリウム槽よりも高い位置に配置されるように、前記第1再凝縮室を支持する支持機構と、
    前記熱交換用ヘリウムが前記クライオスタット内の前記第1熱交換器と前記第1再凝縮室との間を流れるための流路を形成する第1連通部であって、前記第1再凝縮室から排出された熱交換用ヘリウムがその自重によって前記第1熱交換器の前記第1内部空間まで流れることが可能なように、前記第1再凝縮室から前記ヘリウム槽に形成されたヘリウムポートを通じて前記第1熱交換器に至るまで連続的に下方に延びるように配設されている第1連通部と、
    を有し、
    前記支持機構は、前記クライオスタットに隣接するように床面に設置され、前記第1再凝縮室が前記ヘリウムポートの上方で前記ヘリウムポートに対して水平方向にずれた位置に配置されるように、前記冷凍機および前記第1再凝縮室を支持する、クライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  2. 前記第1連通部は、
    前記第1内部空間において蒸発した熱交換用ヘリウムが前記第1再凝縮室に流入することを許容するように、前記第1熱交換器の前記第1内部空間と前記第1再凝縮室とを互いに連通する往路連通部と、
    前記往路連通部に対して独立して配設され、前記第1再凝縮室において再凝縮した熱交換用ヘリウムが前記第1内部空間に流入することを許容するように、前記第1熱交換器の前記第1内部空間と前記第1再凝縮室とを互いに連通する復路連通部と、
    を有する、請求項1に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  3. 前記第1再凝縮室には、
    熱交換用ヘリウムが前記往路連通部から前記第1再凝縮室に流入することを許容する往路連通口と、
    前記往路連通口よりも下方に配置され、熱交換用ヘリウムが前記第1再凝縮室から前記復路連通部に流入することを許容する復路連通口と、
    がそれぞれ形成されている、請求項2に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  4. 前記第1連通部は、前記第1熱交換器の前記第1内部空間と前記第1再凝縮室とを互いに連通する1本の管路であって、前記第1内部空間において蒸発した熱交換用ヘリウムが前記第1再凝縮室に流入することを許容しかつ前記第1再凝縮室において再凝縮した熱交換用ヘリウムが前記第1内部空間に流入することを許容する1本の管路からなる、請求項1に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  5. 前記第1再凝縮室は、前記第1連通部に向かって下方に傾斜している第1下面部を有する、請求項1乃至4の何れか1項に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  6. 前記第1連通部は、少なくとも前記第1熱交換器と前記第1再凝縮室との間に配置され可撓性部材からなる第1可撓性部を有する、請求項1乃至5の何れか1項に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  7. 前記第1再凝縮室との間で熱交換用ヘリウムの受け渡しを行うことが可能なように前記第1再凝縮室に連通するヘリウムバッファタンクであって、当該ヘリウムバッファタンクの容積が前記第1再凝縮室の容積および前記第1内部空間の容積の和よりも大きく設定されている、ヘリウムバッファタンクを更に備える、請求項1乃至6の何れか1項に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  8. 前記第1再凝縮室に対して独立して配置され、前記ヘリウムバッファタンクとの間で熱交換用ヘリウムの受け渡しを行うことが可能なように前記ヘリウムバッファタンクに連通するヘリウムリザーバタンクと、
    前記ヘリウムバッファタンクの圧力が所定の目標圧力範囲に含まれるように、前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間での熱交換用ヘリウムの受け渡し量を調整する圧力調整機構と、
    を更に備える、請求項7に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  9. 前記圧力調整機構は、
    前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間に配置される、ヘリウムポンプと、
    前記ヘリウムポンプの吸入側に配置され、前記ヘリウムポンプに前記熱交換用ヘリウムを供給する供給源を前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間で切り替える吸入側切替弁と、
    前記ヘリウムポンプの吐出側に配置され、前記ヘリウムポンプから前記熱交換用ヘリウムを排出する排出先を前記ヘリウムバッファタンクと前記ヘリウムリザーバタンクとの間で切り替える吐出側切替弁と、
    を有する、請求項8に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  10. 前記ヘリウムリザーバタンクは、
    前記ヘリウムバッファタンクよりも低圧に設定された、低圧リザーバタンク部と、
    前記ヘリウムバッファタンクよりも高圧に設定された、高圧リザーバタンク部と、
    を有し、
    前記圧力調整機構は、
    前記低圧リザーバタンク部と前記高圧リザーバタンク部との間に配置される、ヘリウムポンプと、
    前記ヘリウムポンプと前記低圧リザーバタンク部との間に配置され、前記ヘリウムポンプの作動に応じて前記ヘリウムバッファタンクから前記低圧リザーバタンク部に熱交換用ヘリウムが排出されることを許容するように開弁する、ヘリウム低圧弁と、
    前記ヘリウムポンプと前記高圧リザーバタンク部との間に配置され、前記ヘリウムポンプの作動に応じて前記高圧リザーバタンク部から前記ヘリウムバッファタンクに熱交換用ヘリウムが供給されることを許容するように開弁する、ヘリウム高圧弁と、
    を有する、請求項8に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  11. 前記クライオスタットは、前記ヘリウム槽を囲むように配置され液体からなる断熱用補助冷媒を貯留することが可能なように密閉された補助冷媒槽を更に有し、
    前記冷凍機は、前記メイン冷却部とは異なる位置に配置され、極低温状態に維持されるサブ冷却部を更に含み、
    前記冷凍機の前記サブ冷却部の冷熱を受けて、前記補助冷媒槽内において前記断熱用補助冷媒の再凝縮を行うことが可能な補助冷媒再凝縮ユニットを更に備え、
    前記補助冷媒再凝縮ユニットは、
    前記補助冷媒槽において断熱用補助冷媒の液面よりも上方に配置される第2熱交換器であって、当該第2熱交換器には前記補助冷媒槽の断熱用補助冷媒に対して隔離された第2内部空間であって液体からなる熱交換用補助冷媒を貯留することが可能な第2内部空間が形成されており、前記第2内部空間内の熱交換用補助冷媒の蒸発に必要な気化熱を前記補助冷媒槽において蒸発した断熱用補助冷媒から吸熱する、第2熱交換器と、
    前記サブ冷却部に熱的に接触するように前記クライオスタットから離れた位置であって前記補助冷媒槽よりも高い位置で前記支持機構に支持され、前記第2内部空間において蒸発した熱交換用補助冷媒を受け入れ、当該受け入れた熱交換用補助冷媒を前記サブ冷却部の冷熱を受けて再凝縮し液化し、排出する第2再凝縮室と、
    前記熱交換用補助冷媒が前記クライオスタット内の前記第2熱交換器と前記第2再凝縮室との間を流れるための流路を形成する第2連通部であって、前記第2再凝縮室から排出された断熱用補助冷媒がその自重によって前記第2熱交換器の前記第2内部空間まで流れることが可能なように、前記第2再凝縮室から前記第2熱交換器に至るまで連続的に下方に延びるように配設されている第2連通部と、
    を有する、請求項1乃至10の何れか1項に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  12. 前記第2再凝縮室は、前記第2連通部に向かって下方に傾斜している第2下面部を有する、請求項11に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  13. 前記第2連通部は、少なくとも前記第2熱交換器と前記第2再凝縮室との間に配置され可撓性部材からなる第2可撓性部を有する、請求項11または12に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  14. 前記冷凍機は、
    上下方向に延びる中心軸を有する筒状のシリンダと、
    上下方向に沿って往復移動可能なように前記シリンダの内部に配置され、前記シリンダ内で冷媒ガスを膨張させることにより寒冷を発生するディスプレーサと、
    前記シリンダの下方に配置され、前記ディスプレーサを往復移動させる駆動力を発生する駆動部と、
    を更に有し、
    前記サブ冷却部は、寒冷を受けて前記第2再凝縮室を冷却することが可能なように前記駆動部の上方において前記シリンダに接続され、
    前記メイン冷却部は、寒冷を受けて前記第2再凝縮室よりも低温で前記第1再凝縮室を冷却することが可能なように前記サブ冷却部の上方において前記シリンダに接続されている、請求項11乃至13の何れか1項に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
  15. 前記支持機構は、前記冷凍機の下方かつ前記床面の上方において前記ヘリウムバッファタンクを更に支持し、
    前記支持機構において、前記第1再凝縮室、前記冷凍機および前記ヘリウムバッファタンクが上下方向に並んで配置される、請求項7に記載のクライオスタット用ヘリウム再凝縮装置。
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