JP7138049B2 - 圧電薄膜素子 - Google Patents

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Description

本開示は、概ね、アクチュエーター、センサ、環境発電装置及び積層コンデンサにおける使用に適した圧電薄膜素子、並びにその素子の製造方法に関する。
本開示は、液滴堆積装置における液滴堆積ヘッドのアクチュエーターとして使用するのに適した圧電薄膜素子の製造方法、並びに素子を含むアクチュエーター、アクチュエーターを含む液滴堆積ヘッド、及び液滴堆積ヘッドを含む液滴堆積装置に関するものであるが、これらに限定されない。
様々な代替流体を、液滴堆積ヘッドによって堆積させてもよい。例えば、液滴堆積ヘッドは、一枚の紙若しくはカード、又は他の受容媒体、例えば、セラミックタイル若しくは成形物品(例えば、缶、ボトル等)に移動することができるインクの液滴を吐出して、インクジェット印刷用途(この用途では、液滴堆積ヘッドが、インクジェット印刷ヘッドであってもよく、より具体的には、ドロップオンデマンドのインクジェット印刷ヘッドであってもよい)の場合のように画像を形成することができる。
あるいは、流体の液滴を使用して構造体を構築することができ、例えば電気的に活性な流体を回路基材のような受容媒体上に堆積させて、電気デバイスの試作を可能にすることができる。
別の例では、(3D印刷の場合のように)物体の試作モデルを製造するために、流体を含むポリマー又は溶融ポリマーを連続した層に堆積させることができる。
更に他の用途では、液滴堆積ヘッドは、生物学的材料又は化学的材料を含む溶液の液滴を、マイクロアレイ等の受容媒体上に堆積させるように構成してもよい。
このような代替流体に適した液滴堆積ヘッドは、問題となっている特定の流体を取り扱うように作られた改造されたプリントヘッドと一般的に構造が類似している可能性がある。
液滴堆積ヘッドは、ドロップオンデマンド液滴堆積ヘッドであってもよく、吐出される液滴パターンは、ヘッドに提供される入力データに依存して変化する。
液滴堆積ヘッドのアクチュエーターとして使用するのに適した典型的な圧電薄膜素子は、シリコン又は他の基材上に形成される金属又は金属酸化物下部電極、金属上部電極、及び電極間に配置される圧電薄膜から構成される。
圧電薄膜は、鉛含有ペロブスカイト(ABO)、例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等を含み、スパッタリング、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、パルスレーザ堆積(PLD)、原子層堆積(ALD)、及び化学溶液堆積を含む様々な技術により形成されることができる。しかし、最も一般的に用いられる技術は、化学溶液堆積、例えばゾルゲル堆積である。
化学溶液堆積において、圧電薄膜は、個々に形成され、一緒にアニールされる複数の圧電薄膜層を備える積層体として形成される。
(例えば)最初に溶液を下部電極上に堆積させ、乾燥させ、熱分解させて、第1の圧電薄膜層の前駆体層を形成する。次に、前駆体層を熱処理して、アニールにより第1の圧電薄膜層を結晶薄膜層として形成する。
次に、溶液を第1の圧電薄膜層へ塗布し、乾燥させ、熱分解させて、第2の圧電薄膜層の前駆体層を形成する。前駆体層を熱処理して、アニールにより第2の圧電薄膜を結晶薄膜層として形成する。
これらの後工程を繰り返すことにより、下部電極上に複数の圧電薄膜層、及び圧電素子の使用目的に適した厚さを有する積層体を備える圧電薄膜が得られる。
化学溶液堆積は、圧電薄膜層及び圧電薄膜の厚さを制御するために、熱処理前に溶液の塗布、乾燥、及び熱分解を繰り返すことにより複数の前駆体層を形成することができる。これらの厚さはまた、溶液全体の溶質濃度、及び他のパラメータ、例えば溶液のスピンコーティング速度にも依存する。
最後に、例えば白金、イリジウム、又はルテニウム等の金属をスパッタリングすることにより、及び/又は二酸化イリジウム等の金属酸化物の反応性スパッタリングにより、圧電薄膜上に上部電極を形成する。
鉛含有ペロブスカイト、例えばPZTを含む圧電薄膜を形成するための化学溶液堆積、特にゾルゲル堆積の用途は、文献に詳細に記載されている。1つの詳細な説明は、例えば、(参照により本明細書中に組み込まれる)米国特許出願第2003/0076007A1号にある。
化学溶液堆積は、他の堆積技術と比較してより便利であり、圧電薄膜の電気的及び機械的特性の制御に対してより大きな柔軟性を提供するが、このような制御の程度は、実際に使用され得る異なる溶液の数により制限される。
特に、堆積に使用される手段により、典型的には、僅か3つ(又は、時には4つ)の異なる溶液しか堆積できない。
圧電素子の優れた性能を提供する圧電薄膜は、制御された圧電セラミック-電極界面だけでなく、高い実効圧電定数(d31,f)、低いリーク電流、及び高い破壊電圧を同時に示さなければならない。
このような圧電薄膜は、少なくとも5つ又は6つの異なる溶液の堆積を必要とし、既存の手段に高価な変更をする必要がある。またこの変更により、操作が非常に複雑で高価な手段となってしまう。
圧電素子において優れた性能を発揮するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含む圧電薄膜の製造を可能にし、3つ以下の異なる溶液を必要とし、従来の方法を変更なしに使用することができる手段を見出した。
米国特許第6080499号は、異なる鉛組成を有するPZT層を備える強誘電体コンデンサを開示している。PZT層は、鉛リッチターゲット及びより少ない鉛リッチターゲットを用いてスパッタリングされる。核形成層、及び場合によってはキャップPZT層が鉛リッチターゲットから形成され、バルク層がより少ない鉛リッチターゲットから形成される。
米国特許出願公開第2013/0002767A1号は、鉛含有量が異なるがZr/Ti含有量が同じであるゾルゲル溶液の組み合わせから複数のPZT薄膜を積層することにより、6つの電気機械変換素子膜を形成する研究を開示している。ここでは、平均のPb/(Zr+Ti)比が100~110%であり、界面のPZT薄膜のPb/(Zr+Ti)比が平均より最大20%異なる場合に、変換素子膜の鉛含有量が、その厚さ方向において実質的に均質化されると言われている。界面のPZT薄膜のZr/(Zr+Ti)比が平均より最大20%異なる場合、優れた変換特性が得られることも言われている。
米国特許第6080499号明細書 米国特許出願公開第2013/0002767号明細書
本開示は、米国特許第6080499号及び米国特許公開第2013/0002767A1号に開示される圧電素子と比較して優れた性能の圧電薄膜素子を提供することができる方法に関する。
したがって、第1の態様では、本開示は、第1の電極と、第2の電極と、その間の1つ又は複数の圧電薄膜と、を備える圧電薄膜素子の製造方法を提供し、方法は、3つの溶液を用いて化学溶液堆積によりPZTを含む圧電薄膜を形成することを含み、PZT薄膜を形成することは3つの溶液からバルクPZT薄膜層を形成することを含み、バルクPZT薄膜層がその厚さ方向において実質的に均一な鉛含有量及びZr/(Zr+Ti)比を有するように、各溶液は他のいずれの溶液のZr/Ti含有量とは異なるZr/Ti含有量を有し、少なくとも1つの溶液は他のいずれの溶液の過剰な鉛含有量よりも高い含有量を有する。
ここでバルクPZT薄膜層とは、単独又は1つ若しくは複数の同様なPZT薄膜層と一緒にPZT薄膜の大部分を形成するPZT薄膜層を指すことに留意されたい。
更に、化学溶液堆積とは、ゾルゲル堆積を指すことを含み、溶液とは、堆積中にゾルもゲルも発生させない溶液を指すことを含むだけではなく、ゾルゲル溶液を指すことも含むことに留意されたい。このような溶液は、選択される前駆体化合物の溶解度だけが異なり、溶液を塗布するための堆積工程は実質的に同様である。
また、PZT薄膜層の厚さ方向において実質的に均一な鉛含有量とZr/(Zr+Ti)比を有するバルクPZT薄膜層は、その層の厚さ方向において鉛含有量及びZr/(Zr+Ti)比に実質的に勾配がないか、又は最小勾配(例えば、それぞれ最大+/-3%若しくは5%)であるバルクPZT薄膜層であることに留意されたい。
各溶液は、3つの前駆体層をアニールすることによりバルクPZT薄膜層の形成する間に生じる異なるZr及びTiイオンの拡散を考慮に入れて選択されるZr/Ti含有量を含む。
各溶液はまた、別のPZT薄膜層上にバルクPZT薄膜層を形成する間に3つの前駆体層から生じる鉛蒸発及び拡散を考慮に入れて選択される過剰な鉛含有量を含む。
一実施形態では、この方法は、バルクPZT薄膜層を、第1の前駆体層を第1の溶液から、第2の前駆体層を第1の前駆体層上に第2の溶液から、及び、第3の前駆体層を第2の前駆体層上に第3の溶液から形成することにより、形成することを含み、ここで第1の溶液は第2の溶液よりも高いZr/Ti含有量を有し、及び、第3の溶液は第2の溶液よりも低いZr/Ti含有量を有し、並びに、第2又は第3の溶液は、他のいずれの溶液の過剰な鉛含有量よりも高い含有量を有する。
あるいは、第2又は第3の溶液の過剰な鉛含有量は、第2又は第3の溶液から形成される1つ又は複数の前駆体層が電極上にPZT薄膜層を形成するように選択されることができる。この選択は、電極上のPZT薄膜層の形成中に生じる鉛の減少及び蒸発を考慮に入れている。特に、第2又は第3の溶液の過剰な鉛含有量は、他のいずれの溶液の過剰な鉛含有量よりも高い。
一実施形態では、方法は、第2又は第3の溶液から、第1の電極、特に配向制御PZT薄膜層上にPZT薄膜層を形成することを更に含む。
あるいは、第1の溶液のZr/Ti含有量は、溶液から形成される1つ又は複数の前駆体層が、リーク電流バリアPZT薄膜層(以後、バリアPZT薄膜層)及び/又はPZT-電極界面PZT薄膜層(以後、電極界面PZT薄膜層)を形成するように選択されることができる。
あるいは、各溶液から形成されるそれぞれの前駆体層が、バリアPZT薄膜層及び/又は電極界面PZT薄膜層を形成するように、代替的に又は追加的に、第1の溶液、及び第2又は第3の溶液のZr/Ti含有量を選択することができる。
したがって、一実施形態では、この方法は、バリアPZT薄膜層を第1の溶液から、又は第1、及び第2若しくは第3の溶液から形成することを更に含む。
別の実施形態では、この方法は、電極界面PZT薄膜層を第1の溶液から、又は第1、及び第2若しくは第3の溶液から形成することを更に含む。
電極界面PZT薄膜層は、バリアPZT薄膜層としても作用し得ることに留意されたい。また、その方法は、PZT薄膜層を形成するために単一の溶液が用いられる場合、その溶液から1つ又は複数の前駆体層を形成することを含むことができることにも留意されたい。
バリアPZT薄膜層は、電極界面PZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比と比較して同じ又は異なるZr/(Zr+Ti)比を有し得ることに更に留意されたい。第1及び第2の溶液中のZr/Ti含有量、及びこれらの溶液を使用する選択はまた、バリアPZT薄膜層を形成すべきか、又は電極界面PZT薄膜層を形成すべきかに反映され得る。その選択は更に、例えば、バリアPZT薄膜層がPZT薄膜内に形成される位置、及び第2の電極上の電極界面PZT薄膜層の有益なインプリントに反映し得る。
第1及び第2の溶液からバリアPZT薄膜層又は電極界面PZT薄膜層を形成することは、第1の溶液から第1の前駆体層を形成することと、第2又は第3の溶液から第1の前駆体層上に第2の前駆体層を形成することと、を含み得る。その場合、PZT薄膜層中のZr/(Zr+Ti)比は、その厚さ方向において実質的に均一であることができる。
しかし、代替的に、第2又は第3の溶液から第1の前駆体層を形成することと、第1の溶液から第1の前駆体層上に第2の前駆体層を形成することと、を含んでもよい。その場合、Zr/(Zr+Ti)比は、その厚さ方向においてPZT薄膜層中で増加し得る。
この方法は、(例えば、LotgeringファクターLF100>0.90で決定される)90%を超える擬立方晶 {100} 配向を有する配向制御PZT薄膜層を第1の電極上に形成することを提供し得る。
本実施形態では、方法は、配向制御PZT薄膜層を白金電極上に30nm~150nmの厚さになるように形成することを含み得る。その場合、第2又は第3の溶液の過剰な鉛含有量が少なくとも10モル%であれば、配向制御PZT薄膜層は約90%の擬立方晶{100}配向を有することができる。このような配向制御PZT薄膜層の形成は、欧州特許公開第252391A2号に詳細に記載されている。
しかし、好ましくは、第2又は第3の溶液中の過剰な鉛含有量は、高温で堆積される白金電極上に配向制御PZT薄膜層を形成するように選択される。このPZT薄膜層における擬立方晶{100}配向は、層の厚さに依存するのではなく、それを形成するために使用される溶液の過剰な鉛含有量にのみに依存する。
その場合、第2又は第3の溶液中の過剰な鉛含有量は、一般に、前のケースで使用される含有量よりも高くなる。擬立方晶{100}配向の程度は、更に高くてもよく、特に95%若しくは98%、又は更には100%とすることができる。配向制御PZT薄膜層の厚さは、10nm~150nmとすることができる。
高温堆積される白金電極を、450℃以上、例えば500℃又は600℃の温度でスパッタリングすることによって堆積させることができる。それは50nmを超える、例えば100nm~500nmの粒径、及び10nm~200nmの厚さを有することができる。また、好ましい(111)配向を有することができる。
この白金電極を形成すること及びその上に配向制御PZT薄膜層を形成することは、(本明細書中に参照により組み込まれる)本出願人の同一日付の同時係属出願に詳細に記載されている。
別の実施形態では、第1の電極は、任意の適切な材料、例えば、イリジウム、ニッケル酸ランタン(LaNiO、LNO)、酸化イリジウム(IrO、IO)、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO、SRO)を含むことができる。第1の電極はまた、上述の酸化物のうちの1つが堆積された白金を含むことができる。
また、第1の電極上に形成される配向制御PZT薄膜層は、PZT薄膜を覆う層において、それらの層のZr/(Zr+Ti)比が異なっていても同様に高い擬立方晶{100}配向を示すことに留意されたい。
一実施形態では、各溶液のZr/Ti含有量は、約0.40~0.60の、例えばMPB値又はMPB値近傍における、特に0.52又は0.52近傍における、Zr/(Zr+Ti)比を有するバルクPZT薄膜層を形成することを提供するように選択される。MPB値は、PZTの正方晶相と菱面体晶相との間のモルフォトロピック相境界におけるZr/(Zr+Ti)比の値である。この値(典型的には0.52又は約0.52)では、圧電性能が最大に達する。
一実施形態では、第1の溶液は、比較的低い過剰な鉛含有量、及びバルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比を超えるZr/(Zr+Ti)比、例えば0.60を有するPZT薄膜層を提供するZr/Ti含有量を有することができる。
第2の溶液は、比較的高い過剰な鉛含有量、及びバルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比と同じZr/(Zr+Ti)比、例えば0.52を有するPZT薄膜層を提供するZr/Ti含有量を有することができる。
第3の溶液は、比較的低い過剰な鉛含有量、及びバルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比未満のZr/(Zr+Ti)比、例えば0.44を有するPZT薄膜層を提供するZr/Ti含有量を有することができる。
別の実施形態では、第1の溶液は、比較的低い過剰な鉛含有量、及びバルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比を超えるZr/(Zr+Ti)比、例えば0.60を有するPZT薄膜層を提供するZr/Ti含有量を有することができる。
第2の溶液は、比較的低い過剰な鉛含有量、及びバルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比と同じZr/(Zr+Ti)比、例えば0.52を有するPZT薄膜層を提供するZr/Ti含有量を有することができる。
第3の溶液は、比較的高い過剰な鉛含有量、及びバルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比未満のZr/(Zr+Ti)比、例えば0.44を有するPZT薄膜層を提供するZr/Ti含有量を有することができる。
これらの実施形態では、第1と第3の溶液、又は第1と第2の溶液の比較的低い過剰な鉛含有量は、互いに同一でも異なってもよい。
本明細書において、PZT薄膜層を提供する溶液とは、溶液が単独で使用される場合にPZT薄膜層を提供することを指すことに留意されたい。
また、第2の溶液によって提供されるZr/(Zr+Ti)比は、バルクPZT薄膜層中のZr/(Zr+Ti)比に対応することができ、一方第3の溶液によって提供されるZr/(Zr+Ti)比は、第1の溶液によって提供されるZr/(Zr+Ti)比を補償することに留意されたい。
更に、チタンリッチ溶液は高い擬立方晶{100}配向に有利に働くので、第2及び第3の溶液のそれぞれのZr/Ti含有量は、高温堆積される白金電極上に配向制御PZT薄膜層を形成するのに特に適していることに留意されたい。
バルクPZT薄膜層中の鉛含有量がほぼ化学量論であり、第2又は第3の溶液が配向制御PZT薄膜層を形成するように、各溶液中の過剰な鉛含有量を選択することができる。
比較的高い過剰な鉛含有量は、10モル%~40モル%、特に10モル%~20モル%、例えば12モル%、14モル%、16モル%、又は18モル%とすることができる。比較的低い過剰な鉛含有量は、これよりも最大10モル%、例えば5モル%、又は2モル%低くすることができる。
PZT薄膜層とは、ペロブスカイト構造中のPb(Aサイト)、又はZr若しくはTi(Bサイト)イオンのいずれかを名目上置換する1つ又は複数のドーパントイオンA若しくはBを含むドーピングされたPZT薄膜層を指すことを含むことに留意されたい。. PZT薄膜層は、例えば、(Pb1-z)(ZrTi1-x)O、又はPb[Zr(Ti1-x)]1-yを含むことができ、ここで、xは上記のZr/(Ti+Zr)比であり、y及びzは0.20以下である。
各溶液中の正確な過剰な鉛含有量及びZr/Ti含有量は、配向制御PZT薄膜層が形成される電極の性質だけでなく、ドーパントの有無にも依存する。MPB値は、ドーパントイオンのうちの1つ又は複数が存在するか否かに応じて変化し得る。ドーパントイオンのうちの1つ又は複数が存在する場合、特に、MPB値は、0.52から、例えば最大+/-5%まで、又はそれ以上異なる場合がある。
溶液中の過剰な鉛含有量のモル%とは、化学量論量の鉛でPZT薄膜層を形成するのに必要なモル数を超える溶液中の鉛のモル数を指すことにも留意されたい。
したがって、例えば12モル%過剰な鉛含有量を含む溶液とは、鉛のモル数が化学量論量の鉛でPZT薄膜層を形成するのに必要な鉛のモル数より12%高い溶液を指す。
このような溶液は、実際には1.00よりも僅かに低い又は僅かに超える(例えば、最大5%の)鉛の量を有する、即ちPb~1.00ZrTi1-xOを含むPZT薄膜層を提供することができるが、Pb1.12ZrTi1-xと記述することができる。
ペロブスカイト構造を維持するためには、ドーピングされたPZT薄膜中の鉛の量は時には1.00を超えなければならない。その結果、ドーパント前駆体化合物を含む溶液の過剰な鉛含有量は、ドーパント前駆体化合物を含まない溶液の過剰な鉛含有量と比べて、等しいかそれより高いモル%の過剰な鉛含有量を有することができる。
いくつかの実施形態では、各溶液は、ドナー、アクセプタ、又は等原子価ドーパントのうちの1つ又は複数によるPZT薄膜層のドーピングのためのドーパント前駆体化合物のうちの1つ又は複数を含む。
3つの溶液は、同じ濃度の同じドーパントを含むことができる。しかし、それらの溶液は、鉛含有量及びZr/(Zr+Ti)比がバルクPZT薄膜層中で実質的に均一なままであるならば、異なるドーパント及び/又は異なる濃度のドーパントを含むこともできる。
それらの溶液は、特に、それぞれが最大20モル%、特に最大15モル%、例えば10モル%、5モル%、又は2モル%の各ドーパント前駆体化合物を含むことができる。
ドナードーパント前駆体化合物は、La3+、Ta5+、V5+、U5+、Nb5+、及びW6+、並びに希土類元素の3価イオンからなる群のドーパントのいずれか1つを提供するように選択されることができる。
アクセプタ前駆体化合物は、Na、K、Cs、Rb、Cu、Mn、Li、Cu2+、Co2+、Mn2+、Nb2+、Ni2+、Mn3+、Y3+、並びにアルカリ土類元素及び希土類元素の2価及び3価イオンからなる群のドーパントのいずれか1つを提供するように選択されることができる。
等原子価の前駆体化合物は、Mn4+、Hf4+、Sn4+、Mg2+、Ca2+、Sr2+及びBa2+、並びにアルカリ土類元素及び希土類金属の他の2価イオンからなる群のドーパントのいずれか1つを提供するように選択されることができる。
一実施形態では、第1の溶液はPb1.14Zr0.60Ti0.40を含み、第2の溶液はPb1.17Zr0.52Ti0.48を含み、第3の溶液はPb1.14Zr0.44Ti0.55を含む。別の実施形態では、第1の溶液はPb1.14Nb0.02(Zr60Ti0.40)Oを含み、第2の溶液はPb1.17Nb0.02(Zr0.52Ti0.48)Oを含み、第3の溶液はPb114Nb0.02(Zr0.44Ti0.56)Oを含む。
一実施形態では、方法は、第1の電極上に配向制御PZT薄膜層を形成することと、配向制御PZT薄膜層上にバルクPZT薄膜層を形成することと、を含む。この実施形態では、方法はまた、バルクPZT薄膜層上に電極界面を形成することを含むことができる。
別の実施形態では、方法は、更に第1の電極上に配向制御PZT薄膜層を形成することと、配向制御PZT薄膜層上にバリアPZT薄膜層を形成することと、を含む。この実施形態では、方法は、バリアPZT薄膜層上にバルクPZT薄膜層を形成することを含む。方法はまた、バルクPZT薄膜層上に電極界面PZT薄膜層を形成することを含む。
本開示はまた、複数のバルクPZT薄膜層を形成することを含む方法を提供する。方法は、特に、2~15層のバルクPZT薄膜層、例えば3層、4層、5層、又は6層のこのような層を形成することを含むことができる。
方法は、特に、複数のPZT薄膜層を形成することと、バリアPZT薄膜層及び電極界面PZT薄膜層の少なくとも1つを形成することと、を含むことができる。
一実施形態では、方法は、配向制御PZT薄膜層上に複数のバルクPZT薄膜層を形成することと、バルクPZT薄膜層上に電極界面PZT薄膜層を形成することと、を含む。
別の実施形態では、方法は、配向制御PZT薄膜層上に複数のPZT薄膜層を形成することと、バリアPZT薄膜層を形成することと、を含み、バリアPZT薄膜層はバルクPZT薄膜層のうちの2つに接触している。この実施形態では、方法は更に、バルクPZT薄膜層上に電極界面PZT薄膜層を形成することを含むことができる。
方法は、バルクPZT薄膜層及びバリアPZT薄膜層を任意の順序で形成することを含むことができるが、バリアPZT薄膜層は、バルクPZT薄膜層の中心に又は中心近傍に配置されることが好ましい。
更に別の実施形態では、方法は、配向制御PZT薄膜層上にバリアPZT薄膜層を形成することと、バリアPZT薄膜層上に複数のバルクPZT薄膜層を形成することと、を含む。この実施形態では、方法は、バルクPZT薄膜層上に電極界面PZT薄膜層を形成することを更に含むことができる。
溶液は、特に、10重量%以上のPZTの可溶性前駆体化合物の全重量濃度を有する市販のゾルゲル溶液から調製することができる。適切な市販のゾルゲル溶液(三菱マテリアルズ)は、12重量%、15重量%、又は25重量%のゾルゲル溶液を含む。
市販のゾルゲル溶液の過剰な鉛含有量は10モル%であり、所定の重量の可溶性鉛前駆体化合物を選択される程度まで添加することによって調整することができる。Zr/Ti含有量はまた、適切な前駆体化合物のいずれか一方の所定の重量を添加することによって調整することができる。
第1の圧電薄膜層がドーピングされたPZT薄膜層である場合、ドーパント前駆体化合物を市販のゾルゲル溶液に適切な割合で単に添加することができることに留意されたい。
あるいは、溶液を、選択される過剰な鉛含有量、並びにチタン及びジルコニウム前駆体化合物の選択される比を提供する前駆体化合物の重量比で、PZTの前駆体化合物の適切な総重量濃度(例えば、10重量%以上)に最初から調製することができる。
各溶液の全体的な溶質濃度は、他のいずれの溶液と異なっていても、又はほぼ同じであってもよく、そのためPZT薄膜層の相対的な厚さは同一でも異なってもよい。勿論、これらの厚さを、溶液のスピンコーティングの速度及び持続時間の選択によって調整することができる。
方法は、任意の適切な技術によって圧電薄膜上に第2の電極を形成することを含むことができる。方法は、特に白金、イリジウム若しくはルテニウムをスパッタリングすること、又は導電性金属酸化物、例えばニオブ酸ランタン(LNO、LaNiO)若しくはルテニウム酸ストロンチウム(SRO、SrRuO)の反応性スパッタリングを含むことができる。
方法は、第1の電極と第2の電極との間に圧電薄膜が配置されるように、第2の電極を形成することを更に含むことができる。しかし、方法は、第1の電極及び第2の電極が、圧電薄膜の一表面上に、例えば隣接する又は相互嵌合ペアとして設けられるように、第2の電極を形成することを更に含んでもよい。
各PZT薄膜層のための前駆体層の形成には、任意の適切な技術、特にスピンコーティング又はディップコーティングを使用することができる。
PZT薄膜層の形成は、従来の限界内で加熱及び温度手順を用いて前駆体層を乾燥、熱分解、及びアニール又は結晶化することを含むことができる。乾燥及び熱分解を、特に、単一工程で行うことができる。
各溶液の正確な過剰な鉛含有量は、(炉が使用される場合)鉛分圧にある程度依存するが、炉内の鉛分圧も従来の限界内にある。
例えば、乾燥は、スピンコートされた層を60℃~250℃、特に100℃~200℃の温度に2又は3分間加熱することを含むことができ、熱分解は、150℃~500℃、特に200℃~400℃の温度に、例えば350℃に1~10分間、特に5分間加熱することを含むことができる。
アニール又は結晶化は、550℃~800℃、例えば600℃~800℃、特に700℃の温度に加熱することを含むことができる。アニールは、(2SLPMのOフローで)継続時間30秒~300秒、特に60秒の高速熱処理(RTP)によって、又は選択された温度に加熱された炉内では15分~30分で達成されることができる。
第2の態様では、本開示は、第1の電極と、第2の電極と、その間の1つ又は複数の圧電薄膜と、を備える圧電薄膜素子を提供し、第1の電極に隣接する圧電薄膜は、第1の電極と接触する配向制御PZT薄膜層と、バルクPZT薄膜層と、場合によっては、バリアPZT薄膜層及び電極界面PZT薄膜層のうちの少なくとも1つと、を備える積層体を備え、バルクPZT薄膜層は、層の厚さ方向において実質的に均一な約0.40~0.60のZr/(Zr+Ti)比、及び鉛含有量を有する。
一実施形態では、バルクPZT薄膜層は、MPB値における、又はその近傍における、例えば約0.52における、又は約0.52におけるZr/(Zr+Ti)比を有する。
バルクPZT薄膜層は、それぞれの溶液に由来する3つの前駆体層から形成されることができ、各溶液は異なるZr/Ti含有量を有し、少なくとも1つの溶液は他のいずれの溶液よりも高い過剰な鉛含有量を有する。
配向制御PZT薄膜層は、バルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比以下のZr/(Zr+Ti)比を有してもよい。
配向制御PZT薄膜層は、特に、Zr/(Zr+Ti)比もその厚さ方向において均一であるように、3つの溶液のうちの1つから形成されることができる。
バリアPZT薄膜層及び/又は電極界面PZT薄膜層は、バルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比よりも大きいZr/(Zr+Ti)比を有することができる。
バリアPZT薄膜層は、Zr/(Zr+Ti)比もその厚さ方向において実質的に均一になるように、3つの溶液のうちの1つから形成されてもよい。
あるいは、バリアPZT薄膜層は、バルクPZT薄膜層に使用される3つの溶液の中のそれぞれの溶液に由来する2つの前駆体層から形成されてもよい。Zr/(Zr+Ti)比は、バリアPZT薄膜層の厚さ方向において実質的に均一であることができる。一実施形態では、この比は、リーク電流バリア層として存在できるように、均一で、バルクPZT薄膜層のその比に近い。
配向制御PZT薄膜層、バルクPZT薄膜層、及びバリアPZT薄膜層又は電極界面PZT薄膜層におけるZr/(Zr+Ti)比の平均値は、バルクPZT薄膜層中のZr/(Zr+Ti)比に等しくすることができる。
第1の電極は、任意の適切な材料、例えば、白金、イリジウム、ニッケル酸ランタン(LaNiO、LNO)、酸化イリジウム(IrO、IO)、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO、SRO)を含むことができる。第1の電極はまた、上記の酸化物のうちの1つが堆積された白金を含むことができる。
第1の電極は、特に、450℃を超える温度、例えば500℃又は600℃で堆積された白金電極を含むことができる。この電極は、50nmを超える、例えば150nm、175nm、200nm、250nm、300nm、又は400nmの粒径を有することができる。電極の厚さは10nm~200nmとすることができ、電極はまた、(111)優先配向を有する。
この場合、配向制御PZT薄膜層は、90%を超える、例えば95%、98%、又は更には100%の擬立方晶{100}配向を有することができる。
上記のように、第1の電極が別の材料(例えば、通常の白金電極)を含む場合、配向制御PZTは、層が30nm~150nmである場合に約90%の擬立方晶{100}配向を有することができる。
全てのPZT薄膜層の配向度は、(例えばLotgeringファクターLF100>0.90で決定される場合)90%を超える、例えば95%以上であってもよいことに留意されたい。
一実施形態では、配向制御PZT薄膜層を第1の電極上に形成し、バルクPZT薄膜層を配向制御PZT薄膜層上に形成する。この実施形態では、電極界面PZT薄膜層をバルクPZT薄膜層上に形成することができる。
別の実施形態では、配向制御PZT薄膜層を第1の電極上に形成し、バリアPZT薄膜層を配向制御PZT薄膜層上に形成する。この実施形態では、PZT薄膜層をバリアPZT薄膜層上に形成し、電極界面PZT薄膜層をバルクPZT薄膜層上に形成することができる。
積層体は複数のバルクPZT薄膜層を備えることができる。積層体は、特に、2~15層のバルクPZT薄膜層、例えば3層、4層、5層、又は6層のこのような層を備えることができる。
一実施形態では、積層体は、配向制御PZT薄膜層上に形成される複数のバルクPZT薄膜層を備えることができる。この実施形態では、積層体は更に、バルクPZT薄膜層上に形成される電極界面PZT薄膜層を備えることができる。
別の実施形態では、積層体は、配向制御PZT薄膜層上に形成される複数のバルクPZT薄膜層と、バルクPZT薄膜層のうちの2つに接触するバリアPZT薄膜層とを備える。この実施形態では、積層体は更に、バルクPZT薄膜層上に形成される電極界面PZT薄膜層を備える。
積層体は、任意の順序のバルクPZT薄膜層とバリアPZT薄膜層とを備えることができることに留意されたい。バリアPZT薄膜層を、特に、バルクPZT薄膜層の中心領域内に又はその近傍に配置することができる。
更に別の実施形態では、積層体は、配向制御PZT薄膜層上に形成されるバリアPZT薄膜層と、バリアPZT薄膜層上に形成される複数のバルクPZT薄膜層とを備えることができる。この実施形態では、積層体は更に、バルクPZT薄膜層上に形成される電極界面PZT薄膜層を備えることができる。
全ての実施形態では、PZT薄膜層はそれぞれ(例えばLotgeringファクターLF100>0.90で決定される場合)90%を超える、例えば95%、98%、又は更には100%の擬立方晶{100}配向を有することができることに留意されたい。
PZT薄膜層は、ドナー、アクセプタ、又は等原子価ドーパントのうちの1つ又は複数によってドーピングされてもよいことに更に留意されたい。ドーピングの程度は、各ドーパントに対して最大20モル%、例えば15モル%、10モル%、5モル%、又は2モル%とすることができる。
上記のように、ドーピングされたPZT薄膜層は、特に、(Pb1-z)(ZrTi1-x)O、又はPb[Zr(Ti1-x)]1-yを含むことができ、ここで、xは上記のZr/(Ti+Zr)比であり、y及びzは0.20以下である。更に、鉛含有量は、特にドーパントイオンが存在する場合、ペロブスカイト構造が維持される限り非化学量論とすることができる。
ドナードーパントは、La3+、Ta5+、V5+、U5+、Nb5+、及びW6+、並びに希土類元素の3価イオンからなる群から選択されることができる。
アクセプタードーパントは、Na+、+、Cs+、Rb+、Cu+、Mn、Li、Cu2+、Co2+、Mn2+、Nb2+、Ni2+、Mn3+、Y3+、並びにアルカリ土類元素及び希土類元素の2価及び3価イオンからなる群から選択されることができる。
等原子価ドーパントは、Mn4+、Hf4+、Sn4+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、及びBa2+、並びにアルカリ土類元素及び希土類金属の他の2価イオンからなる群から選択されることができる。
鉛含有量及びZr/(Zr+Ti)比が各バルクPZT薄膜層中で実質的に均一なままであるならば、PZT薄膜層は同じ濃度の同じドーパントを含むことができるが、PZT薄膜層はまた、異なるドーパント又は異なる濃度のドーパントを含むことができる。
第2の電極は、白金、イリジウム若しくはルテニウム、又は導電性金属酸化物、例えばニオブ酸ランタン(LNO、LaNiO)若しくはルテニウム酸ストロンチウム(SRO、SrRuO)を含むことができる。
一実施形態では、第2の電極は上部電極であり、圧電薄膜は第1の電極と第2の電極との間に配置される。
この実施形態では、少なくとも1つの別の圧電薄膜に少なくとも1つの別の電極を設けて、圧電薄膜素子が、電極の間に交互に配置される圧電薄膜のスタックを備えることできる。
少なくとも1つの別の圧電薄膜は、PZT薄膜であってもよく、別の電極は、高温堆積される白金電極であってもよい。PZT薄膜は、第1の電極上に形成されるものと同様であってもよい。PZT薄膜は、特に同様の鉛含有量とZr/(Zr+Ti)比の、同様に又は異なってドーピングされたPZT薄膜層を含む。
あるいは、別の膜及び電極の構成は、(参照により本明細書中に組み込まれる)米国仮特許出願第63/175,056号に記載されたものと同様であってもよい。
別の実施形態では、第1及び第2の電極は、圧電薄膜の一方の表面上に、例えば隣接する又は相互嵌合ペアとして設けられる。
第1の電極は、任意の適切な材料を含む基材上に形成されてもよいことに留意されたい。基材は、例えばケイ素結晶を含む。ケイ素結晶に、白金金属電極を容易に堆積するために、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、又は酸化ガリウムのうちの1つ又は複数を含む接着層を設けることができる。またケイ素結晶に、接着層若しくは白金電極層と接触するバッファー層(例えば、シリカ)及び/又は鉛バリア層(例えば、アルミナ、ハフニア若しくはジルコニア)を設けることができる。
第3の態様において、本開示は、本開示の第2の態様の圧電素子を備える圧電アクチュエーターを提供する。
第4の態様において、本開示は、本開示の第3の態様の圧電アクチュエーターを備える液滴堆積ヘッドを提供する。液滴堆積ヘッドは、インクジェットプリンタのためのプリントヘッド、特にドロップオンデマンドプリントヘッドであってもよい。
第5の態様において、本開示は、本開示の第4の態様の液滴堆積ヘッドを備える液滴堆積装置を提供する。
第6の態様では、本開示は、PbZrTi1-x(式中、0.40≦x≦0.60)における、又はその近傍における組成、及び10モル%を超え40モル%以下の過剰な鉛含有量、のPZT薄膜層を提供する配合比で、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)の前駆体化合物を含む溶液を提供する。
この溶液は、特に、MPB値における又はMPB値近傍における組成、例えばPbZr0.52Ti0.48における又はその近傍における組成、並びに12モル%~20モル%の過剰な鉛含有量及び最大20モル%のドーパント前駆体化合物、のPZT薄膜層を提供する配合比で、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)の可溶性前駆体化合物を含むことができる。
この態様における更なる実施形態は、本開示の第1の及び第2の態様から明らかになるであろう。
実施形態を、以下の実施例及び添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
本開示の方法の一実施形態を示す断面図である。 本開示の方法によって得られたいくつかの圧電薄膜素子の部分断面図である。 本開示の方法によって得られたいくつかの圧電薄膜素子の部分断面図である。 本開示による圧電アクチュエーターの一実施形態の部分断面図である。
ここで図1を参照すると、本開示の方法の一実施形態は、シリコン基材(図示せず)上に堆積された(クロスハッチングされた)白金電極11上に、450℃~1000℃(例えば500℃)の温度で、概ね10のように示されるPZT薄膜を形成することを含む。
この方法は、PZT薄膜を、3つのゾルゲル溶液のみを使用するゾルゲル法により、PZT薄膜層の積層体として形成する。
第1のゾルゲル溶液はジルコニウムリッチ溶液、例えばPb1.14Nb0.02(Zr60Ti0.40)Oであり、第2のゾルゲル溶液は鉛リッチ溶液、例えばPb1.17Nb0.02(Zr0.52Ti0.48)Oであり、及び、第3のゾルゲル溶液はチタンリッチ溶液、例えばPb1.14Nb0.02(Zr0.44Ti0.56)Oである。これらの溶液の全溶質含量は15重量%である。
この方法は、まず、第2のゾルゲル溶液(鉛リッチ溶液)から白金電極上に配向制御PZT薄膜層12を形成する。電極11上に第2のゾルゲル溶液を(例えば6000rpmで)スピンコーティングし、スピンコーティングした層を(例えば200℃で2又は3分間)乾燥させ、熱分解させることにより単一の前駆体層121を形成する。次に、前駆体層121を700℃で(例えば、10℃/秒の温度勾配、60秒の保持時間及び2SPLMのOフローで)アニールする。
配向制御PZT薄膜層12は、0.52のZr/(Zr+Ti)比に実質的に勾配がなく、90%以上の擬立方晶{100}配向を有する。
次に、この方法は、配向制御PZT薄膜層12の上に、第1、第2及び第3のゾルゲル溶液からバルクPZT薄膜層13を形成する。配向制御PZT薄膜層12上に第1のゾルゲル溶液(ジルコニウムリッチ溶液)から第1の前駆体層131を形成し、第1の前駆体層131上に第2のゾルゲル溶液(鉛リッチ溶液)から第2の前駆体層132を形成し、そして、第2の前駆体層132上に第3のゾルゲル溶液(チタンリッチ溶液)から第3の前駆体層133を形成する。
前駆体層131~133を、例えば、各溶液を4000rpmで45秒間スピンコーティングし、100℃で1分間乾燥させ、300℃で4分間熱分解させることにより形成することができる。3つの前駆体層を、700℃で(例えば、10℃/秒の温度勾配、60秒の保持時間及び2SPLMのOフローで)一緒にアニールする。
バルクPZT薄膜層13は、鉛含有量及び0.52のZr/(Zr+Ti)比に実質的に勾配がなく(又は最小勾配を有し)、また90%以上の擬立方晶{100}配向を有する。
方法はこれらのステップを繰り返し、配向制御PZT薄膜層12の上に4つのバルクPZT薄膜層13を形成する。得られた4つのバルクPZT薄膜層13はまた、鉛含有量及び0.52のZr/(Zr+Ti)比に実質的に勾配がなく(又は最小勾配を有し)、90%以上の擬立方晶{100}配向を有す。
次に、方法は、第4のバルクPZT薄膜層13の上に、第1、第2のゾルゲル溶液からバリアPZT薄膜層14を形成する。第4のバルクPZT薄膜層13上に第1のゾルゲル溶液(ジルコニウムリッチ溶液)から第1の前駆体層141を形成し、そして、第1の前駆体層141上に第2のゾルゲル溶液(鉛リッチ溶液)から第2の前駆体層142を形成する。
前駆体層141及び142が形成され、バルクPZT薄膜層13と同じ方法で一緒にアニールされる。リーク電流バリア層14は、鉛含有量及び0.52~0.60のZr/(Zr+Ti)比に実質的に勾配がなく、また90%以上の擬立方晶{100}配向を有する。
次に、方法は、バリアPZT薄膜層上に、例えば、白金、イリジウム、若しくはルテニウムをスパッタリングすることにより、又は酸化イリジウム、ニオブ酸ランタン、若しくはストロンチウムルテニウム酸化物の反応性スパッタリングにより、上部電極(図示せず)を形成する。
このようにして形成されるPZT薄膜の圧電応答を、上部電極に正電圧を印加し、下部電極をグランドに保持して、ダブルビームレーザ干渉計(DBLI、aixDBLI、Germany)を用いて測定することができる。
PZT配向制御層上に形成される単一のバルクPZT薄膜層と、バルクPZT薄膜層上に(第1の溶液のみを用いて)形成される電極界面層とを有するPZT薄膜は、素子を100kV/cmの電界で駆動した場合に、10-8A/cm未満のリーク電流で、少なくとも123pm/Vの実効圧電定数d31,f及び-20C/m未満のe31,fを示した。
図2のa)及びb)は、本開示による圧電薄膜素子の2つの異なる実施形態の一部を示す。圧電素子は、バリアPZT薄膜層14を有する、及びバリアPZT薄膜層14を有さない6つのバルクPZT薄膜層13を配向制御PZT薄膜層12上に形成すること以外は、上記と同様の方法で作製される。
図3のa)及びb)は、本開示による圧電素子の2つの別の実施形態の一部を示す。圧電素子は、配向制御PZT薄膜層12上に3つのバルクPZT薄膜層13を形成した後に、バリアPZT薄膜層14を設けること以外は、上記と同様の方法で作製される。
図4は、本開示の一実施形態による液滴堆積ヘッド用のアクチュエーター(15)の部分断面図を示す。図3(b)の圧電薄膜素子は、ノズルプレート(18)と共に設けられた圧力チャンバー(17)上のメンブレン(16)に設けられている。
圧力チャンバー(17)は、厚さ約70μmのシリコン単結晶であり、メンブレン(16)は、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム等のうちの1つ又は複数を含む薄膜を含むことができる。
メンブレン(16)と白金金属電極(11)との間に厚さ約20nmの酸化チタン接着層(19)が配置される。
使用時には、制御回路からの信号によって、電極(11と20と)の間に所定の駆動電圧が印加される。この電圧により、圧電薄膜素子を変形させ、メンブレン(16)を圧力チャンバー(17)内へ反らせ、チャンバーの容積を変化させる。圧力チャンバー(17)内の圧力を十分に上昇させると、流体液滴がノズルプレート(18)内のノズルから吐出される。
本開示は、僅か3つの溶液を用いて最適化されたPZT薄膜を形成する、化学溶液堆積による高い圧電応答と低いリーク電流を有する高信頼性圧電素子を提供する。
PZT薄膜は、最適な圧電性能及び機械的性能のための複数の要求に応える組成及び配向を有するPZT層を含む。PZT薄膜は、リーク電流バリア層及び電極界面層だけでなく、鉛含有量及びZr/(Zr+Ti)比が実質的に均一であるモルフォトロピック相境界の又はその近傍の組成のPZT層も提供するPZT薄膜層を含むことができる。
PZT薄膜はまた、材料特性(例えば、1つのドーパント又は複数のドーパントの性質に依存して、圧電性能、低減されたリーク電流、最適化されたインプリント、又は他の特性)を改善するドーパントを含むことができる。PZT薄膜層の大部分においてZr/(Zr+Ti)比に勾配がないことは、材料の圧電性能を高める。
本開示は、必然的に、限られた数の実施形態を詳細に言及し、本明細書で詳細に説明されていない他の実施形態も可能であることに留意されたい。例えば、上記の実施形態は、配向制御PZT薄膜層の代わりに第1の電極上に通常のPZT薄膜層を含むことができる。
特定の範囲の値(例えば、平均結晶粒度)への言及は、開始値及び終了値を含むことに留意されたい。
更に、本開示における発明及び求められる保護の範囲を特に示すのは、添付の特許請求の範囲であることに留意されたい。

Claims (11)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、その間の1つ又は複数の圧電薄膜と、を備える圧電薄膜素子を製造する方法であって、前記方法は、3つの溶液を用いて化学溶液堆積によりPZTを含む圧電薄膜を形成することを含み、前記PZT薄膜を前記形成することは前記3つの溶液からバルクPZT薄膜層を形成することを含み、前記バルクPZT薄膜層がその厚さ方向において実質的に均一な鉛含有量及びZr/(Zr+Ti)比を有するように、各溶液は他のいずれの溶液のZr/Ti含有量とは異なるZr/Ti含有量を有し、少なくとも1つの溶液は他のいずれの溶液の過剰な鉛含有量よりも高い含有量を有し、
    前記バルクPZT薄膜層を前記形成することは、第1の前駆体層を第1の溶液から、第2の前駆体層を前記第1の前駆体層上に第2の溶液から、及び、第3の前駆体層を前記第2の前駆体層上に第3の溶液から形成することを含み、前記第1の溶液は前記第2の溶液よりも高いZr/Ti含有量を有し、及び、前記第3の溶液は前記第2の溶液よりも低いZr/Ti含有量を有し、
    配向制御PZT薄膜層を前記第1の電極上に前記第2の溶液又は前記第3の溶液から形成すること、を更に含む、方法。
  2. 前記第2又は第3の溶液の前記過剰な鉛含有量は、他のいずれの溶液の前記過剰な鉛含有量よりも高い、請求項1に記載の方法。
  3. バリアPZT薄膜層を前記第1の溶液から、又は前記第1、及び第2若しくは第3の溶液から形成すること、を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 電極界面PZT薄膜層を前記第1の溶液から、又は前記第1、及び第2若しくは第3の溶液から形成することを更に含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1の溶液、前記第2の溶液、及び前記第3の溶液の前記Zr/Ti含有量は、約0.40~0.60のZr/(Zr+Ti)比を有する前記バルクPZT薄膜層を形成することを提供する、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記第1の溶液、前記第2の溶液、及び前記第3の溶液は、ドナー、アクセプタ、又は等原子価ドーパントのうちの1つ又は複数による前記PZT薄膜層のドーピングのために提供するドーパント前駆体化合物のうちの1つ又は複数を含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 第1の電極と、第2の電極と、その間の1つ又は複数の圧電薄膜と、を備える圧電薄膜素子であって、前記第1の電極に隣接する圧電薄膜は、前記第1の電極と接触する配向制御PZT薄膜層と、バルクPZT薄膜層と、バリアPZT薄膜層及び電極界面PZT薄膜層のうちの少なくとも1つと、を備える積層体を備え、前記バルクPZT薄膜層は、前記層の厚さ方向において実質的に均一な約0.40~0.60のZr/(Zr+Ti)比、及び鉛含有量を有し、
    前記配向制御PZT薄膜層は、前記バルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比以下のZr/(Zr+Ti)比を有する、圧電薄膜素子。
  8. 前記バリアPZT薄膜層及び/又は前記電極界面PZT薄膜層は、前記バルクPZT薄膜層のZr/(Zr+Ti)比よりも大きいZr/(Zr+Ti)比を有する、請求項に記載の圧電薄膜素子。
  9. 前記配向制御PZT薄膜層と、前記バルクPZT薄膜層と、前記バリアPZT薄膜層、及び前記電極界面PZT薄膜層は90%を超える擬立方晶{100} 配向を有する、請求項7又は8に記載の圧電薄膜素子。
  10. 前記配向制御PZT薄膜層と、前記バルクPZT薄膜層と、前記バリアPZT薄膜層、及び前記電極界面PZT薄膜層のうちの1層又は複数は、ドナー、アクセプタ、又は等原子価ドーパントのうちの1つ又は複数によってドーピングされる、請求項7~のいずれかに記載の圧電薄膜素子。
  11. 前記積層体は、複数のバルクPZT薄膜層の間にバリアPZT薄膜層を有する前記複数のバルクPZT薄膜層を備える、請求項7~10のいずれかに記載の圧電薄膜素子。
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