以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る経路案内システムの構成を、それが利用されるシーンの一例と共に示す図である。本実施形態に係る経路案内システム100は、例えば、ユーザ102が所持する端末装置である携帯端末104と、通信ネットワーク106を介して携帯端末104と通信可能に接続された案内管理サーバ108と、で構成される。通信ネットワーク106は、例えばインターネット等のオープンネットワークであるものとすることができる。携帯端末104は、例えばスマートフォン等の多機能携帯端末である。
経路案内システム100は、携帯端末104を介してユーザ102により入力された出発地から目的地までの経路を探索する。ここで、出発地は、例えばユーザ102の自宅110である。経路案内システム100は、例えば自宅110が備える自宅カメラ112からの画像等によりユーザの状態を把握し、当該把握したユーザの状態に応じた適切な経路を探索して、当該探索した経路を、携帯端末104を介してユーザ102に案内する。ユーザ102は、例えば、経路案内サービスを受けるユーザとして予め案内管理サーバ108に登録された登録ユーザである。
図1に示すシーンでは、ユーザ102は、例えば脚を怪我した大学生であり、松葉杖128をつきながら携帯端末104を携帯して出発地である自宅110を出発し、経由地である大学114へ移動する。その後、ユーザ102は、友人である人物116、118と共に、大学114から目的地であるショッピングモール120へ移動する。経由地である大学114および目的地であるショッピングモール120への移動は、例えば徒歩である。
まず、ユーザ102は、自宅110を出発する際に、自宅110を出発地、大学114を経由地、ショッピングモール120を目的地として携帯端末104に入力すると共に、経路案内の指示を携帯端末104に入力する。携帯端末104は、上記入力された出発地、経由地、及び目的地を示す情報と、経路案内要求とを、通信ネットワーク106を介して案内管理サーバ108へ送信する。
案内管理サーバ108は、経路案内要求を受信すると、携帯端末104から当該携帯端末104の現在の位置情報を所定の時間間隔で取得する。案内管理サーバ108は、携帯端末104の位置情報から、ユーザ102が出発地である自宅110を出発したことを検知すると、携帯端末104の周辺に存在するカメラ、例えば出発地である自宅110が備える自宅カメラ112、自宅110の周辺にある街灯カメラ122、及び又は自宅110の周辺を走行する又は駐車された車両124が備える車載カメラ126から、ユーザ102の画像を取得する。また、案内管理サーバ108は、上記取得したこれらの画像、及び携帯端末104に入力されている情報等から、ユーザ102の状態に関するユーザ状態情報を取得する。
ここで、ユーザ状態情報には、対応するユーザの身体状況に関連する情報(杖・車いす等の歩行補助器具の利用有無など)、帯同または同行する人物の構成に関する情報(成人、子どもの区別を含む)等が含まれ得る。
ユーザ状態情報を取得すると、案内管理サーバ108は、当該取得したユーザ状態情報に基づいて、経由地を経由して目的地に至る経路を探索する際の探索条件を決定する。この探索条件は、例えば、ユーザ状態情報が表すユーザの状態がユーザの歩行補助具(例えば、杖)の使用を意味するものであるときは、“通路の段差部の数が少なく傾斜が緩やかであること”等とすることができる。
また、あるいは、この探索条件は、例えば、ユーザ状態情報が表すユーザの状態が“複数の成人の帯同”又は“子供(児童や幼児など)の帯同”であるときは、それぞれ、“通路幅が広いこと”又は“人や車の通行量が少ないこと”等とすることができる。ここで、上記通路幅についての所定幅は、帯同する人数に応じて設定され得る。また、道路や通路の各部における通行量は、案内管理サーバ108が、例えば、街灯カメラや車載カメラ等からの画像を監視することで、常時把握しているものとすることができる。
図1に示すシーンでは、案内管理サーバ108は、自宅カメラ112等の画像から、ユーザ102が松葉杖128を用いていることを検知し、その結果として“ユーザが杖を使用”というユーザ状態情報を取得する。ここで、ユーザ102が松葉杖128を用いていることは、案内管理サーバ108が、従来技術に従い自宅カメラ112等の画像についての画像認識処理を行うことで検知され得る。
次に、案内管理サーバ108は、上記“ユーザが杖を使用”というユーザ状態情報に基づき、経路探索条件を、“通路の段差部の数が少なく傾斜が緩やかであること”に設定する。また、案内管理サーバ108は、当該設定した経路探索条件に従って、出発地である自宅110の位置から経由地に至る経路のうち、例えば動作段差の箇所が最小となる経路を探索する。ここで、経路探索条件に従う経路の探索は、例えば、出発地から経由地までの最短経路距離に所定の余裕距離を加えて算出される上限距離以下の経路距離を有する経路候補の中から探索されるものとすることができる。
そして、案内管理サーバ108は、探索した経路の情報(経路情報)を、ユーザ102の携帯端末104へ送信する。経路情報を受信した携帯端末104は、従来技術に従い、当該携帯端末が備える表示装置にマップを表示すると共に、上記受信した経路情報が示す経路を当該マップ上に重畳表示して、ユーザ102に対し経路案内を行う。
続いて、ユーザ102が経由地である大学114に到着して所用を済ませたのち、目的地であるショッピングモール120へ向けて大学114を出発すると、案内管理サーバ108は、携帯端末104から受信する位置情報の変化からこれを検知する。
案内管理サーバ108は、ユーザ102が経由地である大学114を出発したことを検知すると、携帯端末104の周辺に存在するカメラからユーザ102の画像を取得する。当該カメラは、例えば、大学114の建物に設置された構内カメラ130であり得る。
そして、案内管理サーバ108は、構内カメラ130からの画像に基づき、ユーザ102の現在の状態を示すユーザ状態情報を取得する。図1に示すシーンでは、案内管理サーバ108は、構内カメラ130の画像に基づき、ユーザ102が松葉杖を用いていること、及びユーザ102が2名の成人(人物116および118)を帯同していることを検知し、“ユーザが杖を使用し、且つ2名の成人を帯同”というユーザ状態情報を取得する。
また、案内管理サーバ108は、このユーザ状態情報に基づき、経路探索条件を、“通路の段差部の数が少なく傾斜が緩やかであって”且つ“通路が広いこと”に設定する。そして、案内管理サーバ108は、上記設定した経路探索条件に従って、経由地である大学114から目的地であるショッピングモール120に至る経路(上述と同様の上限距離以下の経路距離を有する経路)のうち、例えば動作段差の箇所が最小であって且つ経路に沿った通路幅の最大幅が最小となる経路を探索する。
そして、案内管理サーバ108は、探索した経路の情報(経路情報)を、ユーザ102の携帯端末104へ送信する。経路情報を受信した携帯端末104は、従来技術に従い、当該携帯端末が備える表示装置にマップを表示すると共に、上記受信した経路情報が示す経路を当該マップ上に重畳表示して、ユーザ102に対し経路案内を行う。
なお、案内管理サーバ108は、例えば、上記探索した大学114からショッピングモール120へ至る経路を案内している間においても、当該経路の周辺に存在する街灯カメラ132あるいは走行中又は駐車中の車両134に搭載された車載カメラ136等によりユーザ102の状態を監視することができる。これにより、案内管理サーバ108は、ユーザ102の状態の変化(例えば、ユーザ102が人物116、118と別れて一人で歩行する等)を検知して、新たなユーザ状態情報を取得することができる。案内管理サーバ108は、当該取得したユーザ状態情報を基に新たな経路探索条件を設定し、当該設定した経路探索条件に従い新たな経路を探索して、ユーザ102に対する経路案内を継続することができる。
上記の構成を有する経路案内システム100は、経路案内の対象であるユーザ102の状態を示すユーザ状態情報を、例えば自宅カメラ112や構内カメラ130等々により取得し、当該ユーザ状態情報が示すユーザ102の状態応じた経路探索条件を設定する。そして、経路案内システム100は、当該設定した経路探索条件に従って探索した経路を、例えば携帯端末104を介してユーザ102に案内する。これにより、経路案内システム100では、ユーザ102の状態(身体状態、帯同人物の有無等)に応じた、より適切な経路をユーザ102に案内することができる。
次に、経路案内システム100を構成する案内管理サーバ108および携帯端末104の構成について説明する。
まず、案内管理サーバ108の構成について説明する。図2は、案内管理サーバ108の構成の一例を示す図である。この案内管理サーバ108は、処理装置200と、記憶装置202と、通信装置204と、を備える。記憶装置202は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。通信装置204は、通信ネットワーク106を介して、携帯端末104、138、140、自宅カメラ112、街灯カメラ122、132、構内カメラ130、車載カメラ126、136と通信するための、有線通信及び又は無線通信を行う送受信器である。
処理装置200は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置200は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置200は、機能要素又は機能ユニットとして、ユーザ管理部210と、状態取得部212と、探索条件決定部214と、経路探索部216と、経路情報送信部218と、を備える。
処理装置200が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置200がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置200が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
ユーザ管理部210は、経路案内サービスを受けることを希望する人物についての情報である登録情報を当該サービスの開始に先立って記憶装置202に記憶して、当該人物を登録ユーザとして登録する。上記登録情報には、登録ユーザである人物の認証用顔画像、携帯端末と通信するためのアクセス情報、およびIDコードが含まれ得る。例えば、経路案内サービスを希望する人物が、携帯端末を介して顔画像およびアクセス情報等を案内管理サーバ108へ送信すると、ユーザ管理部210は、これらの情報を受信し、受信したこれらの情報にIDコード等を付加して、登録情報として記憶装置202に記憶する。
また、ユーザ管理部210は、登録ユーザ(以下、単にユーザともいう)の携帯端末から、当該登録ユーザの現在地および目的地(経由地を含み得る)と、経路案内要求と、を受信する。以下、経路案内要求を送信した登録ユーザを、案内希望ユーザともいう。図1に示すシーンでは、ユーザ102は案内希望ユーザであり、ユーザ102の携帯端末104は案内希望ユーザの携帯端末である。
ユーザ管理部210は、携帯端末から経路案内要求を受信すると、その携帯端末の通信アドレス等に基づいて当該経路案内要求を送信した案内希望ユーザのIDコードを特定し、当該特定したIDコードを付して、後述する状態取得部212、経路探索部216、および経路情報送信部218等へ動作指示を送信する。
状態取得部212は、ユーザ管理部210から動作指示を受信したことに応じて、案内希望ユーザの状態に関するユーザ状態情報を取得する。ユーザ状態情報には、案内希望ユーザの身体状況に関連する情報(年齢、体重、杖・車いす等の歩行補助器具の利用有無、手を引く介助者の存在など)、帯同または同行する人物の構成に関する情報(妻、子ども、幼児や老人など介助すべき人物の存在など)、案内希望ユーザが持ち運ぶ器械・器具についての情報(ベビーカー、スーツケース、etc.)、案内希望ユーザの手・腕の状態に関する情報(子供や荷物で手がふさがっているか否か等)、等々が含まれ得る。
状態取得部212は、案内希望ユーザをその視界内に捉え得る位置に配置されたセンサからの画像等の検知情報を取得し及び処理することにより、及び又は案内希望ユーザが予め自身の携帯端末に入力しておいた情報(例えば、自身の体重、身長、体調など)を取得することにより、上記ユーザ状態情報を取得する。上記センサは、好適には、案内希望ユーザの携帯端末及び又はその近辺の人物が携帯する携帯端末(例えば、図1のシーンにおいてユーザ102が帯同する人物116または118の携帯端末138または140)が備えるカメラのほか、案内希望ユーザの近辺に存在する車両、施設、建物、等々が備えるカメラである。そのようなカメラは、案内希望ユーザの周辺に存在し得るコンビニエンスストア、銀行、ホテル等のエントランスカメラやエレベータ内のカメラ、駅構内の監視カメラ、あるいは、信号機、踏切等に設置された交通監視カメラであり得る。
状態取得部212は、例えば、上記カメラからの画像に基づき、従来技術に従い画像認識処理を行うことで、当該画像に写った人物の顔画像認証により、案内希望ユーザを検知すると共に当該検知した案内希望ユーザについてのユーザ状態情報を取得し得る。
これに加えて、状態取得部212は、上述した携帯端末、車両、施設、建物等が備え得るマイク、温度センサ、日照センサ、レーダ、ライダ、人感センサ(モーションセンサ)、等々の、カメラ以外のセンサをも用いて、ユーザ状態情報を取得するものとすることができる。さらに、状態取得部212は、ユーザ102の携帯端末104に記憶されている個人情報(身長、体重等)や、案内管理サーバ108の記憶装置202に記憶されている登録情報に保存された同様の個人情報を参照して、ユーザ状態情報を取得してもよい。
また、あるいは、状態取得部212は、携帯端末104と通信して連携動作するウェアラブルウォッチなどの携帯機器の計測情報(例えば、心拍数など)を、携帯端末104からユーザ状態情報として取得してもよい。ここで、状態取得部212が、上記のように携帯端末104等の携帯端末から音声、カメラ画像、個人情報等々の情報を取得する場合には、従来技術に従い、それらの携帯端末において上記取得のためのアプリケーションプログラムを予め実行させておくものとすることができる。
案内管理サーバ108は、上述した種々のセンサから画像等の検知情報を取得するべく、各センサにアクセスするためのアクセス情報を予め記憶装置202に記憶しておくものとすることができる。あるいは、状態取得部212は、上述した種々のセンサを管理する一つ又は複数の他のサーバ(不図示)と、例えば通信ネットワーク106を介して通信することにより、それら他のサーバがそれぞれ管理するセンサからの検知情報を当該他のサーバを介して取得することができる。
探索条件決定部214は、状態取得部212が取得したユーザ状態情報に基づいて、後述する経路探索部216が経路を探索する際に用いる経路探索条件(以下、単に探索条件ともいう)を決定する。例えば、探索条件決定部214は、予め定められて記憶装置202に記憶された探索条件表により、状態取得部212が取得したユーザ状態情報を、予め定められた状態カテゴリのいずれかに対応付け、当該対応付けた状態カテゴリに応じて探索条件を決定する。
図3は、探索条件表の一例を示す図である。図3に示す探索条件表の第1列(最左列)はユーザ状態情報が示すユーザ状態、その右の第2列は、第1列が示すユーザ状態に対応する状態カテゴリ、第3列は、第2列が示す状態カテゴリに応じて決定すべき探索条件、第4列は、対策条件のID番号を示している。
ユーザ状態の列に示す成人、嬰児、幼児、児童、老人等の区別は、従来技術に従い、例えば街灯カメラ122、構内カメラ130等のカメラからの画像に写った人物の体形特徴や顔の特徴から判断されるものとすることができる。また、ユーザ状態の列に示すBMI値は、状態取得部212が、例えばユーザ102の携帯端末104が記憶する個人情報や、案内管理サーバ108の記憶装置202が記憶する登録情報に保存された、ユーザ102の体重および身長を参照して算出するものとすることができる。
あるいは、ユーザ状態の列に示す心拍数は、例えば、ユーザ102が装着するウェアラブルウォッチであって携帯端末104と通信して連携動作するウェアラブルウォッチが計測したユーザ102の心拍数を、状態取得部212が、携帯端末104を介して取得するものとすることができる。
また、あるいは、ユーザ状態の列に示す「トイレに行きたい」等の発話は、状態取得部212が、携帯端末104のマイク414や構内カメラ130等に併設される収音マイク(不図示)等から取得するものとすることができる。
なお、ユーザ状態情報が示すユーザ状態が“所定年齢以上の2人の成人帯同者を連れ、且つ嬰児を抱いて帯同”のように、複数の状態カテゴリに当てはまるときは、当該複数の状態カテゴリに対応する探索条件(例えば、条件IDが4の探索条件と、条件IDが5の探索条件)の結合条件を、最終的な探索条件とすることができる。また、探索条件の列に記載の「大」「小」「少」「短」「遠」等の表現は、対応する傾斜、段差、距離等々が「最大」「最小」「最少」「最短」「最遠」となる経路の探索を条件とすることを意味する。また、これらの経路は、例えば、目的地又は経由地までの最短経路距離に所定の余裕距離を加えて算出される上限距離以下の経路距離を有する経路のうちから探索されるものとすることができる。
図2を参照し、経路探索部216は、探索条件決定部214が決定した探索条件に従い、ユーザ管理部210が経路案内要求と共に受信した出発地、経由地、および目的地を用いて、出発地から経由地までの経路および経由地から目的地までの経路を探索する。経路探索部216が行うこの経路探索は、上記探索条件に加えて、従来技術に従って種々の地図情報に基づいて行うものとすることができる。これらの地図情報には、道路連結を表すノードやリンクの情報および建物の情報のほか、歩道や陸橋の道幅、段差および階段の有無、建物内通路の幅、段差、階段の有無、エレベータやエスカレータによる連結等々の情報が含まれ得る。
これに加えて、経路探索部216は、例えば、記憶装置202が記憶する通行量情報をも用いて、上記経路を探索するものとすることができる。この通行量情報は、案内管理サーバ108又はその他のサーバが、例えば従来技術に従い、街灯カメラや建物内カメラ等から取得される画像に基づいて算出した現在の所定時間当たりの車両や人の通行量、又はそのような通行量の所定期間(例えば曜日毎の一日当たり)の平均値(平均通行量)であるものとすることができる。
経路情報送信部218は、経路探索部216が探索した経路を示す経路情報を、経路案内要求を送信した案内希望ユーザの携帯端末(例えば、ユーザ102の携帯端末104)へ送信する。
次に、経路案内システム100を構成するユーザ102の携帯端末104の構成について説明する。図4は、携帯端末104の構成の一例を示す図である。携帯端末104は、例えばスマートフォンであり、処理装置400と、記憶装置402と、通信装置404と、GPS受信機406と、を備える。また、携帯端末104は、表示装置408と、タッチパネル410と、バイブレータ412と、マイク414と、スピーカ416と、を備える。
記憶装置402は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリにより構成される。通信装置404は、通信ネットワーク106を介して案内管理サーバ108および他の携帯端末138、140等と通信するための、無線通信を行う送受信器である。GPS受信機406は、GPS衛星からのGPS電波を受信する無線受信機である。また、表示装置408は、例えば液晶表示装置(LCD)であり、表示装置408のスクリーン上にタッチパネル410が配されている。バイブレータ412は、携帯端末104の筐体を振動させるモータである。
処理装置400は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置400は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置400は、機能要素又は機能ユニットとして、現在位置取得部420と、案内要求部422と、経路情報取得部424と、経路案内部426と、を備える。
処理装置400が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置400が、コンピュータ・プログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置400が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
本実施形態では、上記機能要素は、処理装置400が端末用プログラムであるアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。
現在位置取得部420は、従来技術に従い、携帯端末104が備えるGPS受信機406が受信するGPS電波に基づき、携帯端末104の現在位置を示す情報を取得する。処理装置400は、案内管理サーバ108からの指示に応じて、現在位置取得部420が取得した現在位置情報を案内管理サーバ108へ送信する。
案内要求部422は、従来技術に従い、例えば携帯端末104の所有者であるユーザ102がタッチパネル410またはマイク414を介して入力する出発地、経由地、および目的地の情報を取得する。
案内要求部422は、さらに、ユーザ102がタッチパネル410を介して入力する指示に従い、上記入力された出発地、経由地、および目的地についての情報と、当該出発地から当該目的地までの経路案内を要求する経路案内要求とを、案内管理サーバ108へ送信する。
経路情報取得部424は、上記出発地から目的地までの経路についての経路情報を、案内管理サーバ108が受信する。
経路案内部426は、案内管理サーバ108の経路探索部216が探索した経路(案内経路)をユーザに案内する。具体的には、経路案内部426は、経路情報取得部424が案内管理サーバ108から受信して取得した経路情報に基づき、従来技術に従い、表示装置408に地図を表示すると共に、当該表示した地図に上記経路情報が示す経路を表示する。また、経路案内部426は、現在位置取得部420が取得した位置情報が示す携帯端末104の現在位置を上記地図上において特定し、当該特定した位置を表示装置408において上記地図に重畳表示する。
これに加えて、経路案内部426は、ユーザ102の移動に伴って上記現在位置が移動する場合において、上記現在位置が、地図上の道路ないし通路の分岐点等、ユーザ102がルート取りを誤りやすい場所に近づいたときは、上記案内経路に沿ってユーザ102に右左折等を指示すべく、バイブレータ412及び又はスピーカ416を介してユーザ102に指示を与えるものとすることができる。
上記の案内管理サーバ108及び携帯端末104で構成される経路案内システム100は、例えば案内希望ユーザであるユーザ102の携帯端末104から案内管理サーバ108へ経路案内要求が送信されると、案内管理サーバ108の状態取得部212が携帯端末104の周辺にあるカメラ等(例えば、自宅カメラ112や街灯カメラ122)から、ユーザ102の状態を示すユーザ状態情報を取得する。そして、案内管理サーバ108の探索条件決定部214は、上記ユーザ状態情報が示すユーザの状態に基づいて経路の探索条件を決定し、当該決定した探索条件に基づいて目的地までの経路を経路探索部216により探索し、携帯端末104の経路案内部426によりユーザ102に対する上記探索した経路の案内を行う。
これにより、経路案内システム100では、身体状態や荷物所持等のユーザ102の状態に応じて、ユーザ102にとってより適切な経路を案内することができる。
次に、経路案内システム100の動作について説明する。図5は、経路案内システム100の動作の手順を示すフロー図である。この処理は、経路案内システム100を構成する携帯端末104に、ユーザ102が少なくとも出発地および目的地を入力したときに開始する。
処理を開始すると、携帯端末104の案内要求部422は、ユーザ102が入力した出発地、経由地(入力された場合。以下同じ。)、および目的地を取得する(S100)。携帯端末104は、取得した出発地、経由地、および目的地を示す情報と経路案内要求とを、経路案内システム100を構成する案内管理サーバ108へ送信する。
次に、案内管理サーバ108は、状態取得部212により、携帯端末104の現在位置の周辺に存在する自宅110の自宅カメラ112や街灯カメラ122等からの画像等に基づき、案内希望ユーザであるユーザ102の現在の状態を示すユーザ状態情報を取得する(S102)。続いて、案内管理サーバ108の探索条件決定部214は、上記取得したユーザ状態情報に基づき、経路を探索する際の探索条件を決定する(S104)。
次に、案内管理サーバ108の経路探索部216は、上記決定した探索条件に基づき、上記取得した出発地から経由地を経て目的地に至るまでの経路を探索する(S106)。案内管理サーバ108は、上記探索した経路についての情報である経路情報を、経路情報送信部218により、携帯端末104へ送信する。携帯端末104は、経路情報取得部424により、上記送信された経路情報を受信して取得する。
携帯端末104の経路案内部426は、上記取得した経路情報に基づき、例えば表示装置408に上記探索された経路と、現在位置取得部420が取得する携帯端末104の現在位置とを表示して、経路案内を行う(S108)。次に、経路案内部426は、未だ到達していない経由地があるか否かを判断する(S110)。到達していない経由地があるときは(S110、YES)、経路案内部426は、経由地に到達したか否かを判断する(S112)。そして、経由地に到達していないときは(S112、NO)、ステップS108に戻って経路の案内を継続する。
一方、経由地に到達したときは(S112、YES)、経路案内部426は、現在位置取得部420が取得する携帯端末104の現在位置情報に基づき、携帯端末104が経由地からの移動を開始したか否か、すなわち、ユーザ102が経由地を出発したか否かを判断する(S114)。
ユーザ102が経由地を出発していないときは(S114、NO)、経路案内部426は、ステップS114に戻ってユーザ102が経由地を出発するのを待機する。一方、ユーザ102が経由地を出発したとき、すなわち、携帯端末104が経由地からの移動を開始したときは(S114、YES)、経路案内部426は、案内管理サーバ108へ再探索要求を送信したのち、ステップS102に処理を戻す。再探索要求を受信した案内管理サーバ108は、ステップS102において状態取得部212により新たにユーザ状態情報を取得し、ステップS104以降の処理が繰り返される。
一方、ステップS110において未到達の経由地がないとき(経由地が一つも入力されていないときを含む)は(S110、NO)、経路案内部426は、目的地に到達したか否かを判断する(S116)。そして、目的地に到達していないときは(S116、NO)、経路案内部426は、ステップS108に戻って経路案内を継続する。一方、目的地に到達したときは(S116、YES)、経路案内部426は、本処理を終了する。
なお、経路案内システム100を構成する案内管理サーバ108および携帯端末104の構成は、図2及び図4に示す構成には限られない。例えば、探索条件決定部214および経路探索部216は、案内管理サーバ108ではなく、携帯端末104に備えられていてもよい。図6は、そのような、携帯端末104の変形例である携帯端末104-1の構成を示す図である。ここで、図6に示す携帯端末104-1の構成要素のうち、図4に示す携帯端末104の構成要素と同じ構成要素については、図4に示す符号と同じ符号で示すものとし、上述した図4についての説明を援用する。
携帯端末104-1は、携帯端末104と同様の構成を有するが、処理装置400に代えて、処理装置600を備える。処理装置600は、処理装置400と同様に、CPU等を備えるコンピュータである。ただし、処理装置600は、処理装置400とは異なり、案内要求部422に代えて案内要求部622を備え、経路情報取得部424を有さず、図2に示す案内管理サーバ108の探索条件決定部214および経路探索部216と同様の構成を有する探索条件決定部614および経路探索部616を備える。
案内要求部622、探索条件決定部614、および経路探索部616は、現在位置取得部420および経路案内部426と同様に、コンピュータである処理装置600が端末用プログラムである例えばアプリケーションプログラムを実行することにより実現される機能要素又は機能ユニットである。
案内要求部622は、案内要求部422と同様の構成を有するが、ユーザ102がタッチパネル410を介して入力する指示に従い、入力された出発地、経由地(入力された場合)、および目的地についての情報を経路探索部616へ送信すると共に、状態情報要求を、案内管理サーバ108へ送信する。状態情報を受信した案内管理サーバ108は、状態取得部212によりユーザ102のユーザ状態情報を取得して、携帯端末104-1へ送信するものとすることができる。
探索条件決定部614は、探索条件決定部214と同様の構成を有し、案内管理サーバ108から送信されるユーザ状態情報を受信し、当該受信したユーザ状態情報に基づき、例えば図3に示す探索条件表を用いて、探索条件を決定する。
経路探索部616は、経路探索部216と同様に、探索条件決定部614が決定した探索条件に従い、出発地から目的地までの経路を探索し、探索した経路についての経路情報を経路案内部426へ送る。
上記の構成を有する携帯端末104-1では、案内管理サーバ108はユーザ102のユーザ状態情報を取得して携帯端末104-1へ送信するだけでよいので、案内管理サーバ108の処理負荷が軽減される。また、携帯端末104-1において経路探索が行われるので、例えばユーザ102の好みに応じた探索条件を追加して、経路探索動作を容易にカスタマイズすることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る経路案内システムは、車両の利用者であるユーザに対し、当該車両の駐車位置への経路を案内する。
図7は、第2の実施形態に係る経路案内システム700が利用されるシーンの一例を示す図である。経路案内システム700は、例えば、ユーザ702が所持する端末装置である携帯端末704と、ユーザ702が利用する車両710が備える車載案内装置712と、案内管理サーバ708と、で構成される。携帯端末704と、車載案内装置712と、案内管理サーバ708とは、通信ネットワーク706を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク706は、例えばインターネット等のオープンネットワークであるものとすることができる。携帯端末704は、例えばスマートフォン等の多機能携帯端末である。
ユーザ702は、車両710を利用する車両利用者であり、かつ経路案内サービスを受けるユーザとして予め案内管理サーバ708に登録された登録ユーザである。経路案内システム700は、ユーザ702が車両710を駐車したときに車両710の駐車位置を取得し、例えば車両710が備える車載カメラ728により、車両710の降車時におけるユーザ702の画像を取得する。また、案内管理サーバ708は、上記取得した画像等から、ユーザ702の状態に関するユーザ状態情報を取得する。
そして、経路案内システム700は、ユーザ702が用事を済ませて車両710に戻るときに、例えば上記取得したユーザ状態情報に基づいて経路探索条件を決定する。また、経路案内システム700は、上記決定した経路探索条件に基づいて車両710の駐車位置までの経路を探索し、携帯端末704を介してユーザ702に対し当該探索した経路を案内する。
例えば、図7に示すシーンでは、ユーザ702は、人物714、716、718、720と共に、車両710によりショッピングモール740へ買い物に来ている。人物714、716は、成人であり、例えばユーザ702の妻及びその妹である。人物718、720は、ユーザ702の子供であり、幼児又は嬰児である。
ユーザ702は、ショッピングモール740の駐車エリアに車両710を駐車し、人物714、716、718、720と共に降車して、ショッピングモール740のショッピングエリアへ移動する。車載案内装置712は、車両710が駐車されると、車両710の現在位置を、駐車位置として案内管理サーバ708へ送信する。駐車位置を受信した案内管理サーバ708は、車両710の車載カメラ728やショッピングモール740内に設置された構内カメラ730等から、車両710を降車したユーザ702の画像を取得し、当該取得した画像に基づき、ユーザ702の状態を示すユーザ状態情報を取得する。ここで、案内管理サーバ708は、車載カメラ728および構内カメラ730等の画像を、車載案内装置712およびショッピングモール740に設定されたセキュリティサーバ(不図示)等から取得するものとすることができる。
案内管理サーバ708が取得するユーザ状態情報は、上述した第1実施形態に係る案内管理サーバ108が取得するユーザ状態情報と同様である。図7に示すシーンでは、案内管理サーバ708は、ユーザ702が人物714、716、718、720を帯同していること、ユーザ702が嬰児である人物718を抱きかかえていること、人物714が、幼児である人物720を乗せたベビーカー726を押していること、等を示すユーザ状態情報を取得する。
その後、ユーザ702は、人物714、716、718、720と共にショッピングエリアで買い物等の用事を済ませ、携帯端末704により、車両710の駐車位置までの経路の案内を要求する経路案内要求を案内管理サーバ708へ送信する。経路案内要求を受信した案内管理サーバ708は、上記取得したユーザ状態情報に基づき、第1実施形態に係る案内管理サーバ108と同様に、経路の探索条件を決定する。
そして、案内管理サーバ708は、決定した探索条件に従って、車両710の駐車位置までの経路を探索し、携帯端末704を介して上記探索した経路の案内を実行する。
上記の経路案内システム700は、第1の実施形態に係る経路案内システム100と同様に、経路案内の対象であるユーザ702の状態を示すユーザ状態情報に基づいて経路探索条件を設定し、当該設定した経路探索条件に従って探索した経路をユーザ702に案内する。これにより、経路案内システム700では、ユーザ702の状態に応じた、より適切な経路をユーザ702に案内することができる。
なお、経路案内システム700は、案内管理サーバ708が携帯端末704から経路案内要求を受信しない場合でも、携帯端末704が当該駐車位置から所定距離(例えば、500メートル)の範囲内に入った時に、携帯端末704に対し、ユーザ状態情報に基づき探索条件を用いて、駐車位置までの経路案内を行うものとすることができる。
また、経路案内システム700では、案内管理サーバ708は、携帯端末704が車両710の駐車位置から所定距離(例えば10メートル)の範囲内に接近したときに、車載案内装置712に指示して、車両710のホーンや車幅灯などを動作させて、車両710の位置をユーザ702に対し聴覚的及び又は視覚的に報知してもよい。
また、経路案内システム700では、案内管理サーバ708は、携帯端末704が車両710の駐車位置から所定距離(例えば数メートル)の範囲内に接近したときに、車載案内装置712に指示して、ユーザ状態情報が示すユーザ702及び又はその帯同者の状態(荷物所持の状態や、ベビーカー等の器具の利用状況など)に応じて、車両710の適切なドアを開動作させるものとすることができる。
次に、経路案内システム700を構成する案内管理サーバ708、携帯端末704、および車載案内装置712の構成について説明する。
まず、案内管理サーバ708の構成について説明する。図8は、案内管理サーバ708の構成の一例を示す図である。この案内管理サーバ708は、処理装置800と、記憶装置802と、通信装置804と、を備える。記憶装置802は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。通信装置804は、通信ネットワーク706を介して、携帯端末704、722、724、車載案内装置712、および構内カメラ730、732、734(又は、これらのカメラの動作を制御するセキュリティサーバ(不図示))と通信するための、有線通信及び又は無線通信を行う送受信器である。
処理装置800は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置800は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置800は、機能要素又は機能ユニットとして、ユーザ管理部810と、案内管理部812と、状態取得部814と、探索条件決定部816と、経路探索部818と、経路情報送信部820と、を備える。
処理装置800が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置800がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置800が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
ユーザ管理部810は、経路案内サービスを受けることを希望する人物についての情報である登録情報を当該サービスの開始に先立って記憶装置802に記憶して、当該人物を登録ユーザとして登録する。上記登録情報には、登録ユーザである人物の認証用顔画像とIDコード、その登録ユーザの携帯端末と通信するためのアクセス情報、及び、その登録ユーザが利用する車両と通信するためのアクセス情報が含まれ得る。また、上記登録情報には、登録ユーザの家族の顔画像及び携帯端末のアクセス情報を含ませるものとすることができる。
例えば、経路案内サービスを希望する人物が、携帯端末を介して自身及び家族の顔画像および携帯端末のアクセス情報等を案内管理サーバ708へ送信すると、ユーザ管理部810は、これらの情報を受信し、受信したこれらの情報にIDコード等を付加して、登録情報として記憶装置802に記憶する。図7に示すシーンでは、ユーザ702は登録ユーザであり、記憶装置802にはユーザ702の登録情報が記憶されている。以下、登録ユーザであるユーザ702及びその携帯端末704並びに車両710に関連して経路案内システム700の構成を説明する。
案内管理部812は、登録ユーザ(以下、単にユーザともいう)であるユーザ702が利用する車両710の車載案内装置712から、当該車両710の駐車位置についての情報である駐車位置情報を受信したときに、受信した駐車位置情報を記憶装置802に記憶すると共に、後述する状態取得部814に動作を指示する。
また、案内管理部812は、上記駐車位置情報を受信したときは、対応する登録ユーザであるユーザ702の携帯端末704の現在位置を、所定の時間間隔で取得する。案内管理部812は、ユーザ702の携帯端末704から経路案内要求を受信したとき、及び又はユーザ702の携帯端末704が、上記受信した駐車位置情報が示す位置から所定の案内開始距離(例えば500m)の範囲内に入ったときに、探索条件決定部816、経路探索部818、経路情報送信部820に動作を指示して、ユーザ702に対する車両710の駐車位置までの経路案内を開始する。
また、案内管理部812は、経路情報送信部820から受信確認不達通知(後述)を受信したときは、ユーザ702の携帯端末704へ、車両710の駐車位置までの経路案内が可能である旨の通知を行う。これに代えて又はこれに加えて、案内管理部812は、経路情報送信部820から受信確認不達通知(後述)を受信したときは、経路探索部818が探索した経路に沿ってユーザ702を案内すべく、携帯端末704の移動につれて、右折、左折、直進等々の進行指示を携帯端末704に送信するものとすることができる。上記の“経路案内が可能である旨の通知”および進行指示は、スマートフォン等の携帯端末に対するいわゆるプッシュ通知の形で送信され及び携帯端末704において出力されるものとすることができる。
また、案内管理部812は、ユーザ702の携帯端末704が、上記受信した駐車位置情報が示す位置から所定の直接通知距離(例えば10m)の範囲内に入ったときに、車載案内装置712に報知指示を送信して、車両710に音響及び又は照明による報知動作を行わせる。この音響及び又は照明による報知動作は、後述するように、車両710のホーンの吹鳴、ヘッドランプや車幅灯などの点灯ないし点滅等であるものとすることができる。
さらに、案内管理部812は、ユーザ702の携帯端末704が、上記受信した駐車位置情報が示す位置から所定の近接距離(例えば5m)の範囲内に入ったときに、ユーザ702についてのユーザ状態情報とドア動作指示とを車載案内装置712に送信する。車載案内装置712は、ユーザ状態情報に基づき、ユーザ702及びその帯同者の乗車に適した車両ドアの開動作を行う(後述)。
また、さらに、案内管理部812は、状態取得部814が取得したユーザ状態情報に基づき、ユーザ702の手がふさがっていること等によりユーザ702が携帯端末704により経路案内を受けることができない状態であると判断されるときは、ユーザ702に帯同するいずれかの人物714又は716の携帯端末722又は724を介して、経路探索部818が探索した経路を案内するものとすることができる。
この場合において、人物714又は716の携帯端末722又は724と通信するためのアクセス情報は、例えば、案内管理部812が、ユーザ702の登録情報の中にユーザ702の家族の情報として登録された人物714又は716の顔画像、及び携帯端末722又は724のアクセス情報を参照することにより、取得するものとすることができる。具体的には、案内管理部812は、人物714又は716の上記顔画像を用いて、ユーザ702が帯同する人物が人物714又は716であることを特定し、特定した人物714又は716の携帯端末722または724のアクセス情報を上記登録情報から取得するものとすることができる。
また、上記の場合において、帯同する人物714又は716の携帯端末722又は724による経路案内は、案内管理部812が、上述した進行指示をプッシュ通知により携帯端末722又は724に送信して行うものとすることができる。
あるいは、携帯端末722又は724において、後述する携帯端末704と同様に端末用プログラムの実行により経路情報取得部926および経路案内部928が実現されている場合には、上記の携帯端末722又は724による経路案内は、後述する携帯端末704の動作と同様に、携帯端末722又は724の表示装置に経路を表示して行われるものとすることができる。
状態取得部814は、案内管理部812から動作指示を受信したことに応じて、少なくとも車両710の降車時におけるユーザ702の状態に関するユーザ状態情報を取得する。ここで、車両710を降車したときのユーザ702のユーザ状態情報を取得するのは、例えば降車後に利用されるベビーカーや車いすの利用状態をユーザ状態情報として確実に取得するためである。
ユーザ状態情報には、第1の実施形態と同様に、ユーザ702の身体状況に関連する情報(年齢、体重、杖・車いす等の歩行補助器具の利用有無、手を引く介助者の存在など)、ユーザ702に帯同または同行する人物の構成に関する情報(妻、子ども、幼児や老人など介助すべき人物の存在など)、ユーザ702及びその帯同者(すなわち、人物714、716、718、720)が持ち運ぶ器械・器具についての情報(ベビーカー、スーツケース、etc.)、ユーザ702及び帯同者の手・腕の状態に関する情報(子供や荷物で手がふさがっているか否か等)、等々が含まれ得る。
状態取得部814は、ユーザ702をその視界内に捉え得る位置に配置されたセンサからの画像等の検知情報を取得し及び処理することにより、及び又はユーザ702が予め自身の携帯端末704に入力しておいた情報(例えば、自身の体重、身長、体調など)を取得することにより、上記ユーザ状態情報を取得してもよい。上記センサは、好適には、車両710の車載カメラ728のほか、ユーザ702の携帯端末704及び又はその近辺の人物が携帯する携帯端末(例えば、図7のシーンにおいてユーザ102が帯同する人物714、716の携帯端末722、724)、及び又はユーザ702の近辺に存在する車両、施設、建物、等々が備えるカメラ(例えば、構内カメラ730、732、734)である。これに加えて、状態取得部814は、これらの携帯端末、車両、施設、建物等が備えるレーダ、ライダ、人感センサ、等々の、カメラ以外のセンサをも用いて、ユーザ状態情報を取得するものとすることができる。
状態取得部814は、例えば、車載カメラ728等からの画像に基づき、従来技術に従い画像認識処理を行うことで、当該画像に写った人物の顔画像認証によりユーザ702を検知すると共に、検知したユーザ702についての上述したユーザ状態情報を取得し得る。
案内管理サーバ708は、上記センサから画像等の検知情報を取得するため、各センサにアクセスするためのアクセス情報を、予め記憶装置802に記憶しておくものとすることができる。あるいは、状態取得部814は、上述した種々のセンサを管理する一つ又は複数の他のサーバ(不図示)と、例えば通信ネットワーク706を介して通信することにより、それら他のサーバがそれぞれ管理するセンサからの検知情報を、当該他のサーバを介して取得するものとすることができる。例えば、案内管理サーバ708は、構内カメラ730、732、734からの画像を、これらの構内カメラを統括管理するショッピングモール740のセキュリティサーバ(不図示)を介して取得するものとすることができる。
探索条件決定部816は、状態取得部814が取得したユーザ状態情報に基づいて、後述する経路探索部818が経路を探索する際に用いる探索条件を決定する。探索条件決定部816は、第1の実施形態に係る案内管理サーバ108の探索条件決定部214と同様に、例えば図3に示すような探索条件表を用いて、状態取得部814が取得したユーザ状態情報から探索条件を決定することができる。
経路探索部818は、探索条件決定部816が決定した探索条件に従い、車両710の駐車位置を目的地として、携帯端末704の現在位置から当該目的地までの経路を探索する。経路探索部818が行うこの経路探索は、第1の実施形態に係る案内管理サーバ108の経路探索部216と同様に、上記探索条件を用いるほかは、従来技術に従って種々の地図情報に基づいて行うものとすることができる。これに加えて、経路探索部216は、経路探索部216と同様に、例えば記憶装置202が記憶する通行量情報(所定時間当たりの車両や人の通行量又はそれらの期間平均値)をも用いて、上記経路を探索するものとすることができる。
経路情報送信部820は、経路探索部818が探索した経路を示す経路情報を、ユーザ702の携帯端末704へ送信する。その際、経路情報送信部820は、携帯端末704から受信確認応答を受信することにより、携帯端末704の経路情報取得部926により上記経路情報が取得されたことを確認する。経路情報送信部820は、経路情報の送信から所定時間内に受信確認応答を受信しないときは、受信確認不達通知を案内管理部812へ送る。これにより、案内管理部812は、携帯端末704において経路情報取得部926を実現する端末用プログラムが実行されていないことを認識する。
次に、経路案内システム700を構成するユーザ702の携帯端末704の構成について説明する。図9は、携帯端末704の構成の一例を示す図である。図9において、図4に示す携帯端末104と同じ構成要素については、図4における符号と同じ符号を用いて示すものとし、上述した図4についての説明を援用する。
携帯端末704は、例えばスマートフォンであり、処理装置900と、記憶装置902と、通信装置904と、GPS受信機406と、を備える。また、携帯端末704は、表示装置408と、タッチパネル410と、バイブレータ412と、マイク414と、スピーカ416と、を備える。
記憶装置902は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリにより構成される。通信装置904は、通信ネットワーク706を介して案内管理サーバ708および他の携帯端末722、724等と通信するための、無線通信を行う無線送受信器である。GPS受信機406は、GPS衛星からのGPS電波を受信する無線受信機である。
処理装置900は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置900は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置900は、機能要素又は機能ユニットとして、現在位置取得部920と、通知処理部922と、案内要求部924と、経路情報取得部926と、経路案内部928と、を備える。
処理装置900が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置900が、コンピュータ・プログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置900が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
本実施形態では、通知処理部922は、処理装置900が例えばオペレーティングシステム(OS)プログラムを実行することにより、OS機能の一部として実現される。また、現在位置取得部920と、案内要求部924と、経路情報取得部926と、経路案内部928とは、例えば、処理装置900が、上記OS上で、端末用プログラムであるアプリケーションプログラムを実行することにより実現される。
このアプリケーションプログラムは、例えばユーザ702が車両710を駐車する際に又は車両710を降車する際に、予め携帯端末704において実行させておくものことができる。あるいは、このアプリケーションプログラムは、例えば、上述の案内管理サーバ708の案内管理部812がプッシュ通知として送信した上述の“経路案内が可能である旨の通知”を携帯端末704が受信して表示装置408に表示したことに応じて、ユーザ702がタッチパネル410等により指示を入力することにより実行されるものとすることができる。
現在位置取得部920は、従来技術に従い、例えば携帯端末704が備えるGPS受信機406が受信するGPS電波に基づき、携帯端末704の現在位置を示す現在位置情報を取得する。処理装置900は、案内管理サーバ708からの指示に応じて、現在位置取得部920が取得した現在位置情報を案内管理サーバ708へ送信する。
通知処理部922は、従来技術に従い、案内管理サーバ708等から送信されるプッシュ通知を処理する。プッシュ通知には、表示装置408に表示すべきテキストメッセージ等の表示情報のほか、スピーカ416により出力すべき音響や音声についての音響情報、バイブレータ412により発生させるべき振動についての振動情報が含まれ得る。通知処理部922は、通信装置904により受信したプッシュ通知に基づき、当該プッシュ通知に含まれる表示情報が示すテキストや画像を表示装置408に表示し、音響情報が示す音響や音声をスピーカ416に出力し、及び又は振動情報が示す振動をバイブレータ412により出力する。
案内要求部924は、ユーザ702がタッチパネル410を介して入力する指示に従い、車両710の駐車位置までの経路案内を要求する経路案内要求を、案内管理サーバ708へ送信する。
経路情報取得部926は、目的地である車両710の駐車位置までの経路についての経路情報を、案内管理サーバ708から受信する。
経路案内部928は、第1実施形態に係る携帯端末104の経路案内部426と同様に、案内管理サーバ708の経路探索部818が探索した経路(案内経路)をユーザに案内する。具体的には、経路案内部928は、経路情報取得部926が受信した経路情報に基づき、従来技術に従い、表示装置408に地図を表示すると共に、当該表示した地図に上記経路情報が示す経路を表示する。また、経路案内部426は、現在位置取得部420が取得した位置情報が示す携帯端末704の現在位置を上記地図上において特定し、当該特定した位置を表示装置408において上記地図に重畳表示する。
これに加えて、経路案内部426は、ユーザ702の移動に伴って上記現在位置が移動する場合において、上記現在位置が、地図上の道路ないし通路の分岐点等、ユーザ702がルート取りを誤りやすい場所に近づいたときは、上記案内経路に沿ってユーザ702に右左折等を指示すべく、バイブレータ412及び又はスピーカ416を介してユーザ702に指示を与えるものとすることができる。
次に、経路案内システム700を構成する車両710の車載案内装置712の構成について説明する。図10は、車載案内装置712の構成の一例を示す図である。
車載案内装置712は、本実施形態では、車載の電子制御装置(ECU、Electronic Control Unit)である。車載案内装置712は、車載ネットワークバス1000を介して、他の車載ECUと通信可能に接続されている。これら他の車載ECUには、画像取得装置1002、GPS受信機1004、TCU(テレマティクスコントロールユニット)1006、駆動制御装置1008、車載機器制御装置1010、及びBCM(ボディコントロールモジュール)1012が含まれ得る。車載ネットワークバス1000は、例えば、CAN(Control Area Network)通信規格に準拠した通信を行うCANバスである。
画像取得装置1002は、CPU等の処理装置(不図示)を備え、車載カメラ728の動作を制御し、車載カメラ728が撮像する画像を取得する。画像取得装置1002は、取得した画像を、車載ネットワークバス1000を介して他の車載装置へ送信する。車載カメラ728は、例えば、車両710の前方、後方、左側方、右側方の外部環境を撮像する一つ又は複数の車外カメラを含み得る。これに加えて、車載カメラ728には、車両710の車室内を撮像する車内カメラも含まれ得る。
GPS受信機1004は、GPS衛星からのGPS電波を受信する無線受信器とCPU等の処理装置とを備え(共に不図示)、受信したGPS電波から車両710の現在位置を示す現在位置情報を算出する。また、GPS受信機1004は、算出した現在位置情報を、車載ネットワークバス1000を介して他の車載装置へ送信する。
TCU1006は、通信ネットワーク706を介して案内管理サーバ708や携帯端末等と通信するための無線送受信機と、その動作を制御するCPU等の処理装置(共に不図示)を備える。
駆動制御装置1008は、車両710を駆動するモータ(あるはエンジン)や変速機(共に不図示)の動作を制御して車両710を走行させると共に、変速機のシフトレバーのシフトポジションに応じて、車両710を駐車状態に設定する。本実施形態では、駆動制御装置1008は、変速機に設けられたシフトポジションセンサ1026によりシフトポジションを検知し、車両710が駐車状態に設定されたか否かの情報等を、車載ネットワークバス1000を介して他の装置へ送信する。
車載機器制御装置1010は、車両710のホーン(クラクション)1030のほか、ヘッドランプ1032、テールランプ1034、車幅灯1036、ハザードランプ1038等の照明装置の動作を制御する。
BCM1012は、CPU等の処理装置(不図示)を備え、車両710の車両ドアである運転席ドア1040、助手席ドア1042、後部右ドア1044、後部左ドア1046、およびテールゲートドア(トランク(荷台)のドア)1048に設けられたアクチュエータを制御して、これらのドアの開動作(ドアを開く動作)を制御する。
車載案内装置712は、処理装置1060と記憶装置1062とを備える。記憶装置1062は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。処理装置1060は、例えばCPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。処理装置1060は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、処理装置1060は、機能要素又は機能ユニットとして、駐車位置送信部1064と、画像提供部1066と、報知制御部1068と、ドア制御部1070と、を備える。
処理装置1060が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである処理装置1060がプログラムを実行することにより実現される。なお、上記コンピュータ・プログラムは、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、処理装置1060が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
駐車位置送信部1064は、駆動制御装置1008からの情報により車両710のシフトレバーのポジションがパーキングに設定されて車両710が駐車状態に設定されたことを検知すると、GPS受信機1004から車両710の現在位置情報を取得する。そして、駐車位置送信部1064は、上記取得した現在位置情報を、TCU1006を介して、駐車位置情報として案内管理サーバ708へ送信する。
画像提供部1066は、案内管理サーバ708から画像要求を受信したときに、画像取得装置1002から車載カメラ728が撮像している画像を取得する。具体的には、画像提供部1066は、例えば、画像要求を受信した場合であって車両710の乗員が車両710を降車したときに、車載カメラ728が撮像した車両710の外部の画像(例えば、ユーザ702が車両710から去っていく画像)を取得する。そして、画像提供部1066は、取得した画像を、TCU1006を介して案内管理サーバ708へ送信する。
報知制御部1068は、案内管理サーバ708から報知指示を受信したときに、音響及び又は照明による報知動作を実行する。報知動作は、車両710のホーン1030の吹鳴、ヘッドランプ1032や車幅灯1036などの照明装置の点灯ないし点滅等であるものとすることができる。報知動作の内容は、予め定めておくこともできるし、案内管理サーバ708からの報知指示によって指示されるものとすることができる。報知制御部1068は、車載機器制御装置1010に指示して、ホーン1030、ヘッドランプ1032、テールランプ1034、車幅灯1036、ハザードランプ1038を制御することにより、上記報知動作を実行する。
ドア制御部1070は、案内管理サーバ708からユーザ状態情報とドア動作指示とを受信したときに、当該受信したユーザ状態情報に基づき、運転席ドア1040等の車両ドアのうち、開動作させるべき車両710の車両ドアを決定する。そして、ドア制御部1070は、BCM1012に指示して、上記決定した車両ドアの開動作を実行する。上記開動作は、対応する車両ドアのロックを解除してドア開閉のアクチュエータを駆動し、当該車両ドアを開くこと、であるものとすることができる。ドア制御部1070は、例えば、上記受信したユーザ状態情報が、ユーザ702又はその帯同者が荷物を所持し又はベビーカー等の歩行補助具を用いていることを示している場合には、ユーザ702及びその帯同者が乗車するための車両ドアのほか、上記荷物又はベビーカーを収納するための車両ドア(例えばテールゲートドア1048)の開動作を実行するものとすることができる。
次に、経路案内システム700の動作について説明する。図11は、経路案内システム700の動作の手順を示すフロー図である。この処理は、案内管理サーバ708の案内管理部812が、いずれかの登録ユーザが利用する車両から駐車位置情報を受信したときに開始する。以下の説明では、一例として、登録ユーザであるユーザ702の車両710(の車載案内装置712)から駐車位置情報を受信することにより、図11に示すフローが開始したものとする。
処理を開始すると、案内管理サーバ708の状態取得部814は、例えば車両710の車載案内装置712に画像要求を送信して車載カメラ728が撮像した画像を取得し、当該画像から車両710を降車する際のユーザ702の状態を示すユーザ状態情報を取得する(S200)。次に、案内管理サーバ708の案内管理部812は、ユーザ702の携帯端末704から経路案内要求を受信したか否かを判断する(S202)。そして、経路案内要求を受信していないときは(S202、NO)、案内管理部812は、携帯端末704が、車両710の駐車位置から所定の案内開始距離の範囲内に入ったか否かを判断する(S204)。そして、携帯端末704が案内開始距離の範囲内に入っていないときは(S204、NO)、案内管理部812は、ステップS202に戻って処理を繰り返す。
一方、ステップS202において経路案内要求を受信したとき(S202、YES)またはステップS204において携帯端末704が案内開始距離の範囲内に入ったときは(S204、YES)、案内管理サーバ708の探索条件決定部816は、ステップS200において取得したユーザ状態情報に基づき、経路の探索条件を決定する(S206)。
案内管理サーバ708の経路探索部818は、上記決定した探索条件に基づいて、携帯端末704の現在位置から車両710の駐車位置までの経路を探索する(S208)。また、案内管理サーバ708の経路情報送信部820は、上記探索した経路の情報である経路情報を、携帯端末704へ送信する(S210)。
続いて、案内管理部812は、携帯端末704が上記経路情報の送信に対する受信確認応答を送信したか否かを判断する(S212)。案内管理部812は、経路情報送信部820から受信確認不達通知を受信したか否かにより、携帯端末704が受信確認応答を送信したか否かを判断するものとすることができる。
ここで、受信確認応答が送信されているときは、携帯端末704において端末用プログラムであるアプリケーションプログラムが実行され、処理装置900において経路情報取得部926および経路案内部928が実現されており、携帯端末704の表示装置408を用いた経路表示による経路案内が可能であることを意味する。逆に、受信確認応答が送信されていないときは、携帯端末704において端末用プログラムであるアプリケーションプログラムが未だ実行されておらず、携帯端末704の表示装置408を用いた経路表示による経路案内ができないことを意味する。
受信確認応答を送信したときは(S212、YES)、携帯端末704は、経路情報取得部926により受信した上記経路情報に基づき、経路案内部928により、表示装置408を用いた経路表示による経路案内を開始する(S214)。
次に、案内管理サーバ708の案内管理部812は、携帯端末704が、車両710の駐車位置から所定の直接通知距離の範囲内に入ったか否かを判断する(S216)。そして、携帯端末704が直接通知距離の範囲内に入っていないときは(S216、NO)、案内管理部812は、ステップS216に戻って、携帯端末704が直接通知距離の範囲内に入るのを待機する。この間、携帯端末704では、ステップS214又はステップS228(後述)において開始した経路案内の実行が継続される。
一方、携帯端末704が直接通知距離の範囲内に入ったときは(S216、YES)、案内管理部812は、車両710の車載案内装置712に報知指示を送信して、車両710からの、ホーンやヘッドランプ等による報知動作を実行する(S218)。この報知動作は、所定時間だけ継続されるものとしてもよいし、後述するステップS222における車両ドアの開動作の実行まで継続されるものとしてもよい。
次に、案内管理部812は、携帯端末704が、車両710の駐車位置から所定の近接距離の範囲内に入ったか否かを判断する(S220)。そして、携帯端末704が近接距離の範囲内に入っていないときは(S220、NO)、案内管理部812は、ステップS220に戻って、携帯端末704が近接距離の範囲内に入るのを待機する。この間も、携帯端末704では、ステップS214又はステップS228(後述)において開始した経路案内の実行が継続されている。
一方、携帯端末704が近接距離の範囲内に入ったときは(S220、YES)、案内管理部812は、車両710の車載案内装置712にユーザ状態情報とドア動作指示を送信する。ドア開動作指示を受信した車載案内装置712のドア制御部1070は、受信したユーザ状態情報に基づき、開動作させるべき車両ドアを決定し、当該決定した車両ドアの開動作を実行する(S222)。これにより、図11に示す処理が終了する。
一方、ステップS212において案内管理部812が携帯端末704から受信確認応答を受信しないときは(S212、NO)、案内管理部812は、携帯端末704へ案内可能通知(上述した“経路案内が可能である旨の通知”)を携帯端末704へ送信する(S224)。この通知は、上述したように、例えば携帯端末704に対するプッシュ通知として送信される。これに対し、ユーザ702は、携帯端末704において端末用プログラムであるアプリケーションプログラムを実行して、処理装置900内に案内要求部924、経路情報取得部926、及び経路案内部928を実現することができる。その後、ユーザ702は、例えばタッチパネル410を操作して、案内要求部924により経路案内要求を案内管理サーバ708へ送信することができる。
続いて、案内管理サーバ708の案内管理部812は、例えばステップS210における経路情報の送信から所定時間(例えば5分)のうちに携帯端末704から経路案内要求を受信したか否かを判断する(S226)。そして、経路案内要求を受信したときは(S226、YES)、案内管理部812は、ステップS210へ戻って、携帯端末704へ経路情報を再度送信する。
一方、ステップS226において携帯端末704から経路案内要求を受信しないときは(S226、NO)、案内管理部812は、経路探索部818が探索した経路に沿ってユーザ702を案内すべく、進行指示による経路案内を開始したのち(S228)、ステップS216に処理を移す。ここで、進行指示による経路案内とは、上述したように、案内管理部812が、携帯端末704の移動につれて、右折、左折、直進等々の進行指示を携帯端末704に送信することで行う経路案内をいう。上述したように、この進行指示は、例えば携帯端末704に対するプッシュ通知の形態で実行され、進行指示を受信した携帯端末704の通知処理部922は、進行指示の内容に応じて、表示装置408、バイブレータ412、及び又はスピーカ416により、当該進行指示が示す進行方向をユーザ702へ通知する。
ここで、案内管理サーバ708の案内管理部812は、上述した図11に示すフロー図において、例えばステップS208において探索条件決定部816が探索条件を決定した後に、ステップS200において取得されたユーザ登録情報に基づきユーザ702が自身の携帯端末704を操作できる状態でないと判断されるときは、経路案内の対象をユーザ702のいずれかの帯同者の携帯端末(人物714の携帯端末722または人物716の携帯端末724)に変更するものとすることができる。経路案内の対象となる携帯端末を変更したときは、ステップS210以降の処理は、変更後の携帯端末に関連して行われるものとすることができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上述した経路案内システム100および700においては、それぞれ一人のユーザ102および702について経路案内を行うものとしたが、経路案内の対象となるユーザの人数は一人には限られない。経路案内システム100および700は、複数のユーザ(登録ユーザ)のそれぞれについて、上述したユーザ102及び702についての動作と同様の動作を並行に実行して、それぞれ経路案内をするものとすることができる。
また、上述した経路案内システム700においては、探索条件決定部および経路探索部は案内管理サーバ708に設けられるものとしたが、これらの機能要素の配置場所は、案内管理サーバ708には限られない。例えば、探索条件決定部および経路探索部は、図6に示す、経路案内システム100の携帯端末104の変形例である携帯端末104-1と同様に、携帯端末704に設けられるものとすることができる。
また、上述した経路案内システム700においては、案内管理サーバ708の状態取得部814は、車両710の降車時におけるユーザ702のユーザ状態情報を取得するものとしたが、状態取得部814の構成は、これには限られない。例えば、状態取得部814は、携帯端末704から経路案内要求を受信した際にユーザ状態情報を新たに取得し、ユーザ702が車両710を降車した際に取得したユーザ状態情報に代えて、上記新たに取得したユーザ状態情報を用いて探索条件を決定するものとしてもよい。この場合、図7に示すシーンにおいては、状態取得部814は、例えば図7の右側に示すように、ユーザ702が人物714、716、718、720を帯同していること、ユーザ702が人物718を乗せたベビーカー726を押しつつ荷物750を運んでいること、人物714が嬰児である人物718を抱きかかえていること、および人物716が荷物752を運んでいること、等を示すユーザ状態情報を取得し得る。状態取得部814は、例えばショッピングエリアに設けられた構内カメラ732、734等から画像に基づき、上記のような新たなユーザ状態情報を取得するものとすることができる。
また、上述した第1の実施形態においては、経路案内システム100の案内管理サーバ108は、経路案内システム700の案内管理サーバ708が備える案内管理部812に相当する構成を有さないものとしたが、案内管理サーバ108の構成は、これには限られない。例えば、案内管理サーバ108は、案内管理部を備え、当該案内管理部は、状態取得部212が取得したユーザ状態情報に基づき、ユーザ102の手がふさがっていること等によりユーザ102が携帯端末104により経路案内を受けることができない状態であると判断されるときに、ユーザ102に帯同するいずれかの人物116又は118の携帯端末138又は140を介して、経路探索部216が探索した経路を案内するものとすることができる。この場合において、人物116、118は例えば登録ユーザであって、上記案内管理部は、街灯カメラ132等の画像に基づく顔認証により人物確認を行うことができる。また、上記案内管理部は、記憶装置202が記憶する登録情報に基づいて、人物116、118の携帯端末138、140へアクセス情報を取得することができる。
以上説明したように、経路案内システム100は、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索部216と、探索した上記経路を案内する経路案内部426と、を備える。また、経路案内システム100は、ユーザ102の状態に関するユーザ状態情報を取得する状態取得部212と、状態取得部212が取得したユーザ状態情報に基づいて上記経路を探索する際の探索条件を決定する探索条件決定部214と、を備える。そして、経路探索部216は、探索条件決定部214が決定した探索条件に基づいて上記経路を探索する。この構成によれば、ユーザ102の状態に応じて、ユーザ102に対しより適切な経路を案内することができる。
また、経路案内システム100では、状態取得部212は、ユーザ102が出発地を出発する際、及び又は、上記経路に経由地が含まれるときはユーザ102が上記経由地を出発する際に、上記ユーザ状態情報を取得する。この構成によれば、直近においてユーザ102が移動を開始する出発地又は経由地において取得されるユーザ状態情報に基づいて経路が探索されるので、ユーザ102に対するより適切な経路案内をより確実に実行することができる。
また、経路案内システム700では、上記目的地は、ユーザ702が利用する車両710の駐車位置であって、状態取得部814は、ユーザ702が車両710を降車する際にユーザ状態情報を取得する。この構成によれば、降車後に利用されるベビーカーや車いすの利用状態をユーザ状態情報として確実に取得して、ユーザ702に対する適切な経路案内を実行することができる。
また、経路案内システム700は、経路探索部818が探索した経路についての、ユーザ702に対する案内動作を管理する案内管理部812を備える。案内管理部812は、ユーザ702の携帯端末704が車両710の駐車位置から予め定められた案内開始距離の範囲内に入ったときに、携帯端末704へ、駐車位置までの経路案内が可能である旨の通知を行う。この構成によれば、ユーザ702に対し、携帯端末704において経路案内用の端末用プログラムであるアプリケーションプログラムを実行することを促すことができる。
また、経路案内システム100では、案内管理部812は、状態取得部814が取得したユーザ状態情報に基づき、ユーザ702が自身の携帯端末704により経路案内を受けることができない状態であると判断されるときは、ユーザ702が帯同するいずれかの人物の携帯端末を介して、経路探索部818が探索した経路を案内する。
この構成によれば、ユーザ702が携帯端末704を操作できない状態にある場合でも、帯同者を介して間接的に、ユーザ702に経路案内を行うことができる。
また、経路案内システム700は、車両710の車両ドアの開動作を制御するドア制御部1070を備える。ドア制御部1070は、状態取得部814が取得したユーザ702のユーザ状態情報に基づき、どの車両ドアを対象として開動作を実行すべきかを決定し、当該決定した対象とする車両ドアについての開動作を実行する。この構成によれば、ユーザ702やその帯同者の状態、例えば荷物の有無や歩行補助具の使用有無に応じて、それら荷物や歩行補助具の収納のためのドア解錠が行われ得るので、ユーザ702及びその帯同者にとっての利便性が向上する。
また、経路案内システム100が備える処理装置200、400は、協働して経路案内方法を実行する。この経路案内方法は、経路探索部216が出発地から目的地までの経路を探索するステップと、上記探索した経路を経路案内部426が案内するステップと、を有する。また、この経路案内方法は、状態取得部212がユーザ102の状態に関するユーザ状態情報を取得するステップと、状態取得部212が取得したユーザ状態情報に基づいて探索条件決定部214が上記経路の探索条件を決定するステップと、を更に備える。そして、上記探索するステップでは、上記探索条件に基づいて上記経路が探索される。この構成によれば、ユーザ102の状態に応じて、ユーザ102に対しより適切な経路を案内することができる。
また、経路案内システム100は、通信ネットワーク106に接続されたコンピュータである処理装置200を有する案内管理サーバ108を含み、当該案内管理サーバ108は、状態取得部212と、探索条件決定部214と、経路探索部216と、を備えている。この構成によれば、ユーザ状態情報の取得から経路探索までの一連の動作が案内管理サーバ108において実行されるので、ユーザ102の携帯端末104における処理負荷を軽減することができる。
また、経路案内システム100は、ユーザ102の携帯端末104-1を含むものとすることができ、携帯端末104-1は、探索条件決定部614と、経路探索部616と、経路案内部426と、を備える。この構成によれば、案内管理サーバ108の処理負荷を軽減することができる。また、この構成によれば、携帯端末104-1において経路探索が行われるので、ユーザ102の好みに応じた探索条件を追加して、経路探索動作を容易にカスタマイズすることができる。
また、経路案内システム100を構成する携帯端末104-1は、コンピュータである処理装置600により、例えばアプリケーションプログラムである端末用プログラムを実行する。この端末用プログラムは、携帯端末104-1の処理装置600を、経路探索部616、探索条件決定部614、および経路案内部426として機能させる。この構成によれば、携帯端末において上記端末用プログラムを実行することにより、当該携帯端末を経路案内システム100の一部として容易に構成することができる。