JP7136654B2 - 電子部品モジュール、電気接続箱、及びワイヤハーネス - Google Patents
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例えば車両に搭載される電気接続箱は、車両の所定位置に配索されるワイヤハーネス(図示省略)の後述する端末7がある側に設けられる。ワイヤハーネスは、機器間を電気的に接続するために配索される。電気接続箱は、電子部品モジュール1と、この電子部品モジュール1の後述するアンダーカバー10側を収容係止するフレーム(図示省略。電気接続箱本体を構成するものである)と、電子部品モジュール1の上からフレームのフレーム開口部を覆う蓋部材とを備えて構成される。尚、電気接続箱は、電子部品モジュール1の取り付け先になるものである。
図1ないし図3において、電子部品モジュール1は、例えばリレーモジュールや機器制御モジュール等と呼ばれるものであって、ここでは前者を一例に挙げて説明をするものとする。リレーモジュールとしての電子部品モジュール1は、箱形状のカバー2と、このカバー2に収容される基板ASSY3とを備えて構成される。電子部品モジュール1は、本実施例において、電気接続箱の中に、更に小さな電気接続箱がある、という見方をしてもよいものとする。電子部品モジュール1は、以下の説明から分かるようになるが、従来例よりも温度上昇を抑制することができるものになる。
図1ないし図4において、カバー2は、基板ASSY3を全体的に収容する箱形状の樹脂成形品であって、ハウジング挿通孔8の位置に合わせて分割されたアッパーカバー9と、アンダーカバー10とを備えて構成される。カバー2は、矢印Pの上下方向において、アッパーカバー9が上、アンダーカバー10が下に配置される。カバー2のハウジング挿通孔8は、基板ASSY3の後述するハウジング49~51を突出させて、相手コネクタ4~6と、基板ASSY3のコネクタ37~39(後述する)との電気的な接続をすることができるような部分に形成される。ハウジング挿通孔8は、以下で説明するが、アッパーカバー9の側が切り欠かれるような開口部分に形成される。
図2ないし図4において、アッパーカバー9は、側壁としての、前壁11、後壁12、左壁13、及び右壁14を有するとともに、天井壁15及び開口16を有する図示形状に形成される。アッパーカバー9の前壁11(一の側壁)には、ハウジング挿通孔8が形成される。アッパーカバー9の下側には、開口16が配置される。この開口16の近傍には、アンダーカバー10との係合部分である係合孔17が複数形成される。アッパーカバー9の内面には、基板ASSY3に合わせて各種のリブが配置形成される。例えば引用符号18、19で示すリブは、後述する基板36の側部と裏面とに合わせて配置形成される。また、引用符号20で示すリブは、後述するハウジング49、51に合わせて配置形成される。リブ20は、ハウジング49、51の後述するフランジ壁53の後面端部に対向するような部分に形成される。
図2ないし図4において、ハウジング挿通孔8は、上記の如く、後述するハウジング49~51を突出させる部分として形成される。別な言い方をすれば、ハウジング49~51を外部に露出させる部分として形成される。ハウジング挿通孔8は、アッパーカバー9の前壁11を大きく切り欠くような図示形状に形成される。尚、ハウジング挿通孔8は、アッパーカバー9及びアンダーカバー10が係合した上で完全な孔形状になるのは勿論である。ハウジング挿通孔8は、本実施例において、アッパーカバー9の前壁11のみを切り欠く形状であるが、これに限らずアンダーカバー10の側も切り欠くような形状であってよいものとする。
図2、図3、及び図5において、アンダーカバー10は、側壁としての、前壁23、後壁24、左壁25、及び右壁26を有するとともに、底壁27及び開口28を有する図示形状に形成される。アンダーカバー10の上側には、開口28が配置される。この開口28の近傍には、アッパーカバー9との係合部分である係合突起29が複数形成される。開口28を形成する前壁23(一の側壁)の上端には、ハウジング挿通孔8の開口縁となる部分、すなわちアンダーカバー10側の開口縁部30が形成される。開口縁部30は、フランジ壁53の後面よりも後に位置するような部分に、且つ、フランジ壁53の後面端部に対し重なるような部分に、且つ、フランジ壁53との間に微小な隙間S2(図12参照。後述する)を生じさせてこの微小な隙間S2が迷路状になるような部分に形成される。
図3及び図6において、基板ASSY3は、基板36と、この基板36に実装されるコネクタ37~39とを備えて構成される。基板ASSY3は、アッパーカバー9及びアンダーカバー10からなる箱形状のカバー2に収容される部材であって、コネクタ37~39を介して相手コネクタ4~6(図1参照)と、カバー2内の基板36との電気的な接続ができるように構成される。基板ASSY3は、基板36の表裏面の方向が矢印Rの前後方向に一致し、また、基板36に実装されたコネクタ37~39が上側に位置するような「縦型」の状態でカバー2内に収容される。
図3及び図6において、基板36は、この表裏面の方向(矢印Rの前後方向)から見て視矩形の板状部材となる基板本体40を有する。基板本体40は、この裏面に図示しない所望の回路が形成される。また、基板本体40には、小さな貫通孔(符号省略)が多数形成される。このような基板本体40の表面側(実装面側)には、上記貫通孔を用いて複数の抵抗41やリレー42、放熱バスバー43が実装される。抵抗41やリレー42、放熱バスバー43は、上記裏面側で半田付けにより上記回路に接続される。尚、コネクタ37~39を構成する後述のピン端子52も上記貫通孔に差し込まれ、そして、半田付けにより上記回路に接続される。
図6において、リレー42は、コイルに与えられる入力信号によりスイッチの開閉を行うものであって、公知のものが用いられる。リレー42は、本実施例において、基板本体40の表面側に10個実装される。リレー42は、通電による作動にて発熱が生じる発熱体である。10個のリレー42のうち、コネクタ37~39から離れたもの(引用符号42hotで示すもの。別な言い方をすれば一番下の列に位置する4つ)は、特に発熱が大きくなる発熱体である。4つのリレー42hotは、アンダーカバー10の底壁27に近い側に配置される。4つのリレー42hotは、底壁27に近い側(空気を含めて)の周辺温度を上昇させてしまうことになる。この温度上昇は、電子部品モジュール1自体の温度上昇につながってしまうことから、その対策としては、以下で説明をする放熱バスバー43が有効になる。4つのリレー42hotは、特許請求の範囲に記載された「発熱体である電子部品」に相当する。
図3及び図6において、放熱バスバー43は、4つのリレー42hotにて温められた基板本体40の下側部分の熱を、コネクタ37~39の実装部分の近傍まで「熱引き」するための部材であって、熱伝導率の高い金属板をプレス加工することにより形成される。放熱バスバー43は、基板本体40の下側部分の熱(具体的には半田付け部分に生じる熱)を効率よくコネクタ37~39の実装部分近傍まで「熱引き」するため、中間44が基板本体40の表面(実装面)から所定の間隔で離れた略ブリッジ状の形状に形成される。放熱バスバー43は、本実施例において3本用いられ、それぞれ上下方向に真っ直ぐのびるように配置される。放熱バスバー43は、上記形状及び配置により、また、後述する隙間S1、S2を空気が通過することにより、下側脚部45の部分と、上側脚部46の部分とで温度の勾配が生じるようになることから(特に中間44を浮かせて温度の勾配を生じさせ易くしていることから)、効率よく「熱引き」をすることができる。尚、本実施例の放熱バスバー43は、「熱引き」のためだけでなく、回路としても使用されるものとする。回路としての使用は、上側のリレー42の回路パターンを広くとることができるようになり、これによって上側のリレー42の周辺に流れる電流値を減少させることができるという利点を有する。
図3、図6、図7、図8、図9、及び図10において、コネクタ37~39は、横並びで一体化するようなブロック状の部材に形成される。本実施例では、これをコネクタブロック47と呼ぶものとする。コネクタブロック47は、一対の固定脚部48を有しており、この一対の固定脚部48を介して基板本体40の上端近傍にビス止めされる。コネクタ37~39は、樹脂製のハウジング49~51と、一端がハウジング49~51内に突出し且つ他端が半田付けにより上記回路に接続される金属製の複数のピン端子52とを備えて構成される。
図3において、開口28を上にしたアンダーカバー10の内部に基板ASSY3を、4つのリレー42hotの実装側となる下端から収容し、そしてこの後に、開口16を下にしたアッパーカバー9をアンダーカバー10に係合させると、電子部品モジュール1の組み立てが完了する。電子部品モジュール1は、ハウジング挿通孔8からハウジング49~51が外部に露出した状態に組み立てられる。
図7及び図8において、4つのリレー42hotにて温められた基板本体40の下側部分の熱(具体的には半田付け部分に生じる熱)は、周囲の空気等を温めることになる。温まった空気は、コネクタ37~39の側に向けて上昇する。一方、基板本体40の温まった下側部分は、その熱が放熱バスバー43により上方に「熱引き」される。図9及び図10において、基板本体40の上端近傍におけるコネクタブロック47の実装部分周辺においては、ハウジング挿通孔8とハウジング49~51との間に隙間S1、S2(図11及び図12参照)が生じることから、この隙間S1、S2を通過する空気にて外部に放熱される。温まった空気等は、アッパーカバー9の内部で籠もることはなく、上記放熱がなされた結果、電子部品モジュール1における温度上昇は抑制される。
以上、図1ないし図12を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態である電子部品モジュール1によれば、ハウジング挿通孔8とハウジング49~51との間に隙間S1、S2を生じさせる構造であることから、カバー2内に熱を籠もらせずに隙間S1、S2を介して外部に放出することができる。また、電子部品モジュール1によれば、放熱バスバー43を有する構造であることから、発熱体となるリレー42hotの実装が隙間S1、S2から十分に離れた位置であっても、熱を隙間S1、S2の近くまで引き寄せることができ、以て隙間S1、S2を介しての放出(放熱)に寄与することができる。
Claims (5)
- 発熱体である電子部品が実装された基板と、
該基板の全体を収容する箱形状のカバーと、
外部の相手コネクタの接続先になるコネクタを一体に有し且つ該コネクタが前記基板に対し接続されるコネクタブロックとを備え、
前記カバーは、上側に位置する天井壁と、下側に位置する底壁と、これらの間に位置する複数の側壁とを有するとともに、該複数の側壁のうち、一の側壁に前記コネクタのハウジングを前記外部に露出させるハウジング挿通孔を有し、
該ハウジング挿通孔は、前記一の側壁における前記天井壁の側に配置形成され、
前記基板は、前記底壁の側に実装された前記電子部品の近傍から前記コネクタの接続側に向けてのびる金属製の放熱バスバーを有し、
前記電子部品により生じる熱は、前記放熱バスバーにて上方に伝えられ且つ前記ハウジング挿通孔と前記ハウジングとの隙間を通過する空気にて外部に放出される
ことを特徴とする電子部品モジュール。 - 請求項1に記載の電子部品モジュールにおいて、
前記放熱バスバーは、該放熱バスバーの中間が前記基板の実装面から所定の間隔で離れた略ブリッジ状の形状に形成され、
前記カバーの内面には、前記放熱バスバーの前記中間をガイドするガイドリブが形成される
ことを特徴とする電子部品モジュール。 - 請求項1又は2に記載の電子部品モジュールにおいて、
前記カバーは、前記ハウジング挿通孔の位置に合わせて分割されたアッパーカバーとアンダーカバーとを備えて構成され、
前記カバーと前記コネクタには、前記ハウジング挿通孔の開口縁のカバー壁と、前記ハウジングのフランジ状のフランジ壁とで二重壁構造が形成される
ことを特徴とする電子部品モジュール。 - 請求項1、2又は3に記載の電子部品モジュールと、該電子部品モジュールが組み付けられるフレームと、該フレームのフレーム開口部を覆う蓋部材とを備える
ことを特徴とする電気接続箱。 - 端末に請求項4に記載の電気接続箱を備えて自動車に配索される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
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2018
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