JP7152141B2 - 電気接続箱及びワイヤハーネス - Google Patents
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Description
図1ないし図4において、電気接続箱1は、外部に露出した状態でトラックに搭載される(一例であるものとする)。具体的には、トラックにおけるキャビンと荷台との間の、雨が掛かったり雪が積もったりする部分に搭載される。このような電気接続箱1は、電気ブロック2と、この電気ブロック2を収容するための筐体3とを備えて構成される。また、電気接続箱1は、筐体3の内部に図示しないワイヤハーネスが引き込まれるように構成される(ワイヤハーネスは、この端末等の所定位置に電気接続箱1を備えて自動車に配索される)。
図3及び図4において、電気ブロック2は、複数の電気部品が組み付けられる部材として備えられる。また、電気ブロック2は、上記電気部品が所定回路に接続される部材として備えられる。具体的には、リレー4が樹脂製のリレー組み付け部5に組み付けられるとともに、ヒューズ6、7、8が樹脂製のヒューズ組み付け部9、10、11に組み付けられるような部材として備えられる。
図1ないし図4において、筐体3は、絶縁性を有する樹脂製であって、従来例(特許文献1の図7参照)のような二つの部材や、以下で説明をする三つの部材で構成される。筐体3は、カセット式の電気ブロック2が着脱自在に組み付けられるフレーム14と、このフレーム14の下部開口を覆うロアカバー15と、フレーム14の上部開口を覆うアッパーカバー16とを備えて構成される。このような筐体3には、固定脚部17、18、19が設けられる。また、筐体3には、図示しないワイヤハーネスが挿通される挿通孔20と、ワイヤハーネスの端末に対する端末収容空間21とが形成される。
図1及び図4において、フレーム14は、矢印Pの上下方向にのびて高さがある外周壁22(側壁)と、この外周壁22の内側に配設される内周壁23とを有して、上下が開口する箱形状の部材に形成される。このようなフレーム14の外周壁22には、ロアカバー15やアッパーカバー16に対するロック部(符号省略)が設けられる。また、外周壁22には、上記固定脚部17、18も設けられる。フレーム14は、外周壁22と内周壁23とを有することにより、二重壁の構造に形成される。
図1において、ロアカバー15は、底壁24と、高さの低い周壁25(側壁)とを有して、浅底で蓋形状の部材に形成される。このようなロアカバー15には、フレーム14に対するロック部(符号省略)が設けられる。また、ロアカバー15には、上記固定脚部19も設けられる。
図1ないし図6において、アッパーカバー16は、天井壁26と、高さの低い周壁27(側壁)とを有して、浅底で蓋形状の部材に形成される(開口部分から天井壁26までの距離が比較的近い蓋形状の部材に形成される)。このようなアッパーカバー16には、フレーム14に対するロック部(符号省略)が設けられる。また、アッパーカバー16には、特徴部分である結露発生部28が形成される。この結露発生部28は、天井壁26に形成される。天井壁26には、結露発生部28の他に結露回避部29も形成される。
図4ないし図6において、結露発生部28は、天井壁26の内面30で結露を集中的に発生させるための部分として形成される。具体的に説明すると、結露発生部28は、天井壁26をこの内面30の側から薄肉化するような部分に形成される。結露発生部28は、トラックが始動して電気ブロック2に通電がなされ、そして、電気接続箱1内の(筐体3内の)空気が暖められると内外の温度差から結露が生じ、この結露が先に生じるような部分に形成される(電気接続箱1内の暖められた空気が薄肉の結露発生部28の位置で、天井壁26の他の位置よりも先に冷やされることにより、結露が集中的に発生する箇所に形成される)。結露発生部28は、水滴許容位置13の直上になるように配置形成される。結露発生部28は、図に示す如く、比較的広い範囲に配置形成される。結露発生部28は、薄肉にした面が平面になるように形成される(微小な勾配を付けたり曲面にしたりして、水滴を周壁27の位置まで移動可能にすることも有効であるものとする)。尚、結露発生部28は、図からも分かるように、例えば穴の底面や溝の底面と異なる部分に形成されるものとする。
図5及び図6において、結露回避部29は、天井壁26の内面30で結露発生部28以外の部分が該当するように形成される。結露回避部29は、アッパーカバー16における通常の肉厚の部分であって、実際には特に何も形状を変えてない単なる壁そのものであるものとする(一例であるものとする)。図5において、周壁27の肉厚を寸法D1とすると、結露回避部29の肉厚も寸法D1で同じ厚みに形成される。尚、寸法D1の結露回避部29に対し結露発生部28は、本実施例において、結露回避部29の半分の肉厚となる寸法D2で形成される(寸法D1>寸法D2)。尚、寸法D1の結露回避部29と、この半分の寸法D2の結露発生部28は、カバーとして機能するために必要な強度が確保されているものとする。
以上、図1ないし図6を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態である電気接続箱1によれば、天井壁26にこの内面30の側から薄肉化する部分を形成し、これを結露発生部28とすることから、結露発生部28が天井壁26において結露の発生箇所のコントロール部分として機能し、結果、電気的に水分を避けたい位置での結露を防止することができる。従って、結露に起因したショート等を防止することができる。
図7ないし図9において、実施例2の電気接続箱1における筐体3のアッパーカバー16は、天井壁26と、高さの低い周壁27(側壁)とを有して、浅底で蓋形状の部材に形成される(開口部分から天井壁26までの距離が比較的近い蓋形状の部材に形成される)。このようなアッパーカバー16には、フレーム14に対するロック部(符号省略)が設けられる。また、アッパーカバー16には、特徴部分である結露発生部28が天井壁26を薄肉にして形成される。尚、結露発生部28は、実施例1と同じ形状であるため、ここでは説明を省略するものとする。
図7ないし図9において、結露回避部31は、実施例1の結露回避部29(図5及び図6参照)の変形例であって、平面に対し複数の溝32を付加したような形状に形成される。溝32は、浅底であって、寸法D1と寸法D2の中間になる寸法D3の深さに形成される(D2<D3<D1(又はD2≦D3<D1であってもよいものとする)。溝32は、周壁27の位置まで長くのびるように形成される。溝32は、比較的幅の狭い形状に形成される(後述する表面張力を生じさせることが可能な幅に形成される)。
図10(a)の例では、結露発生部28が天井壁26の内面30の中央に配置される。また、この両側に結露回避部29が配置される。図10(b)の例では、逆に結露回避部29が天井壁26の内面30の中央に配置される。また、この両側に結露発生部28が配置される。図10(c)の例では、結露回避部31が天井壁26の内面30の中央に配置される。また、この両側に結露発生部28が配置される。図10(d)の例では、結露発生部28が天井壁26の内面30の中央に配置される。また、この両側に結露回避部31が配置される。
以上、図7ないし図10を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態である電気接続箱1によれば、実施例1と同様に、天井壁26にこの内面30の側から薄肉化する部分を形成し、これを結露発生部28とすることから、結露発生部28が天井壁26において結露の発生箇所のコントロール部分として機能し、結果、電気的に水分を避けたい位置での結露を防止することができる。また、電気接続箱1によれば、結露回避部31を溝32付きの部分にすることから、結露による水滴の落下を確実に防止することができる。従って、結露に起因したショート等を防止することができる。
図11において、実施例3の電気接続箱1は、電気ブロック2と、この電気ブロック2を収容するための筐体3とを備えて構成される。実施例3の電気ブロック2は、実施例1の電気ブロック2に対しカバー部33を追加したものとして構成される。
図11において、カバー部33は、結露回避部29の直下となる位置のリレー4(電気部品)を覆うために設けられる。カバー部33は、結露回避部29に仮に結露が発生し、そして、水滴が仮に落下したとしても、この水滴がリレー4に掛からないようにするために設けられる。カバー部33は、念のために設けられるものである。
Claims (4)
- 複数の電気部品が組み付けられるとともに該電気部品が所定回路に接続される電気ブロックと、該電気ブロックを収容するための筐体とを備え、
該筐体は、天井壁と、底壁と、側壁とを有し、
前記天井壁は、該天井壁の内面において結露を集中的に発生させるための結露発生部を有し、
該結露発生部は、前記結露による水滴の落下を許容する位置に合わせて配置され且つ前記天井壁を前記内面側から薄肉化する部分に形成され、
前記天井壁は、前記水滴の落下を回避したい位置に合わせて配置され且つ前記結露発生部が形成されない部分になる結露回避部を有し、
前記結露発生部及び前記結露回避部は、前記天井壁を構成する同じ材料からなる壁のみで構成され、
前記結露発生部の内面が前記結露回避部の内面より上側に位置するように、前記結露発生部が前記結露回避部に対して薄肉化されており、
前記天井壁は、長手方向を有する略矩形平板状の形状を有し、
前記結露発生部は、前記天井壁における前記長手方向の一側の端から前記長手方向の中央より他側寄りの仕切位置までの前記長手方向の範囲に亘って形成され、前記結露回避部は、前記天井壁における前記仕切位置から前記長手方向の他側の端までの前記長手方向の範囲に亘って形成されており、
前記水滴の落下を回避したい位置には、水滴の影響を受ける前記電気部品が配置され、前記結露による水滴の落下を許容する位置には、水滴の影響を受けない前記電気部品が配置され、
前記仕切位置は、前記水滴の影響を受ける前記電気部品が配置される位置である前記水滴の落下を回避したい位置と、前記水滴の影響を受けない前記電気部品が配置される位置である前記結露による水滴の落下を許容する位置と、を区切る位置である、
ことを特徴とする電気接続箱。 - 複数の電気部品が組み付けられるとともに該電気部品が所定回路に接続される電気ブロックと、該電気ブロックを収容するための筐体とを備え、
該筐体は、天井壁と、底壁と、側壁とを有し、
前記天井壁は、該天井壁の内面において結露を集中的に発生させるための結露発生部を有し、
該結露発生部は、前記結露による水滴の落下を許容する位置に合わせて配置され且つ前記天井壁を前記内面側から薄肉化する部分に形成され、
前記天井壁は、前記水滴の落下を回避したい位置に合わせて配置され且つ前記結露発生部が形成されない部分になる結露回避部を有し、
前記結露発生部及び前記結露回避部は、前記天井壁を構成する同じ材料からなる壁のみで構成され、
前記結露発生部の内面が前記結露回避部の内面より上側に位置するように、前記結露発生部が前記結露回避部に対して薄肉化されており、
前記天井壁は、長手方向を有する略矩形平板状の形状を有し、
前記結露発生部は、前記天井壁における前記長手方向の一側の端から前記長手方向の中央より他側寄りの仕切位置までの前記長手方向の範囲に亘って形成され、前記結露回避部は、前記天井壁における前記仕切位置から前記長手方向の他側の端までの前記長手方向の範囲に亘って形成されており、
前記結露回避部における前記内面は、該平面に前記側壁に向かう溝を付加した形状に形成され、
前記結露回避部における前記溝が形成された部分の前記壁の厚さは、前記結露発生部の前記壁の厚さより大きく、且つ、前記結露回避部における前記溝が形成されていない部分の前記壁の厚さより小さい、
ことを特徴とする電気接続箱。 - 請求項2に記載の電気接続箱において、
前記電気ブロックは、前記結露回避部の直下となる位置の前記電気部品を覆うためのカバー部を有する
ことを特徴とする電気接続箱。 - 端末に請求項1、2又は3に記載の電気接続箱を備えて自動車に配索される
ことを特徴とするワイヤハーネス。
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