JP5532825B2 - 電気接続箱 - Google Patents

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Description

本発明は、電気接続箱に関する。
ケース内に回路基板が収容されてなる回路ユニットとしては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。このような回路ユニットの一例としては、電源と各電気部品との電気的な接続を担う電気接続箱が知られている。
特開平7−176875号公報
上記のような電気接続箱に収容される回路基板には、回路基板の保護を図るためにヒューズが実装されているものがある。このようなヒューズは、回路基板に対して着脱可能に取り付けられている。これは、ヒューズが溶断した際に、他のヒューズとの交換を容易に行うためである。また、電気接続箱のケースには、ヒューズが挿通可能な開口部が形成されているものがある。この開口部を通じて、ケースの外側からヒューズの着脱を行うことができ、その交換作業が容易となる。
ところで、近年、電気接続箱に接続される配線部材など(例えば、ワイヤハーネス)の品質向上や配線方法の改善などが進み、電気接続箱にて発生する電気的な不具合(例えば、ワイヤハーネスのショートに起因した過電流の発生)は、殆ど起こらなくなっている。このため、ヒューズが溶断する頻度も減少しており、ヒューズを交換する頻度自体が減少している。
上記の事情から、ヒューズ交換時の利便性を重視しない構成、つまり、開口部を形成せず、ヒューズをケース内に収容する構成が考えられる。このような構成とすれば、ケースに開口部を形成する必要がなく、ケースの防水性が向上するためである。しかしながら、ヒューズをケース内に収容すると、ヒューズから発生する熱がケース内にこもりやすくなる。これにより、例えば、回路基板の導電路とヒューズの端子との間の半田部の温度が上昇し、電気的な接続信頼性が低下するおそれがある。本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ヒューズから発生する熱を効果的に放熱可能とする電気接続箱を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電気接続箱は、ヒューズが表面実装された回路基板と、前記回路基板が収容されるケースと、を備えた電気接続箱であって、前記ケース内に収容され前記回路基板を保持する保持部材を備え、前記回路基板において、前記ヒューズの実装領域の裏側を前記ケースの壁部を構成する放熱壁に対して熱伝導可能に接触させており、前記ケースは、前記放熱壁と対向する対向壁を有し、前記保持部材は、前記対向壁に当接する当接部と、前記回路基板を前記放熱壁側に押圧する押圧部と、を備えていることに特徴を有する。
このような構成とすれば、ヒューズ通電時に、ヒューズから発生する熱は回路基板に伝熱され、その後、回路基板から熱伝導によって、ケースの放熱壁へと伝熱(放熱)される。これにより、例えば、ヒューズにおける回路基板との接続箇所(例えば、はんだ部)の温度上昇を抑制できる。
また、前記回路基板において、前記ヒューズの実装領域の裏側を、前記ケースの前記放熱壁に対して直接的に接触させたものとすることができる。このような構成とすれば、ヒューズ通電時に、ヒューズから発生する熱は回路基板に伝熱され、その後、熱伝導によって、ケースの放熱壁へ伝熱させることが可能となる。
また、前記ケースは、前記回路基板が前記ケース内に収容される前の状態において、前記ケースの壁部が前記ケースの内方に撓んだ形状に予め成型されたものとすることができる。このような構成とすれば、ケース内に回路基板を収容した状態では、ケースの壁部は、回路基板によってケースの外側へ押圧される。これにより、ケースの壁部を回路基板に対して、より確実に密着させることができる。このため、回路基板からケースの壁部への熱伝導をより確実に行うことが可能となる。
本発明によれば、ヒューズから発生する熱を効果的に放熱可能とする電気接続箱を提供できる。
本発明の一実施形態に係る電気接続箱を示す斜視図 図1とは異なる方向から示した、電気接続箱を示す斜視図 電気接続箱を示す分解斜視図 図3とは異なる方向から示した、電気接続箱を示す分解斜視図 電気接続箱を示す断面図 図5とは異なる断面で切断された、電気接続箱を示す断面図 電気接続箱を示す平断面図 電線カバーを取り付ける前の電気接続箱を示す斜視図 図8とは異なる方向から示した、電気接続箱を示す斜視図 保持部材に第2回路基板を取り付けた状態を示す斜視図 保持部材に第2回路基板を取り付けた状態を示す平面図 図10について異なる方向から示した斜視図 保持部材に第1回路基板を取り付けた状態を示す平面図 保持部材に第1回路基板及び第2回路基板を取り付けた状態を示す側面図 保持部材を示す斜視図 保持部材に蓋部が取り付けられた状態を示す斜視図 図16について異なる方向から示した斜視図 ケースの正面図 ケース内に、第1回路基板、第2回路基板、及び保持部材が収容された状態を示す断面図 図19において、ヒューズ周辺を拡大した拡大断面図 第1回路基板を示す平面図 第1回路基板に対するヒューズの取付構造を示す拡大図 他の実施形態を示す拡大図 他の実施形態を示す拡大図
本発明を車載用の電気接続箱10に適用した一実施形態を図1ないし図22を参照しつつ説明する。この電気接続箱10は、バッテリー等の図示しない電源と、ヘッドランプ、ワイパー等の図示しない車載電装品との間に接続されて、各種車載電装品のスイッチングを実行する。本実施形態に係る電気接続箱10は、図1ないし図4に示すように、ケース11と、ケース11内に収容された第1回路基板12(回路基板)及び第2回路基板13と、を備える。電気接続箱10は車両に対して任意の姿勢で取り付け可能となっている。
(ケース11)
ケース11は合成樹脂製であって、全体として扁平な直方体形状をなしている。図3に示すように、ケース11の一方の端面(図3における左手前側の端面)には開口部14が形成されている。ケース11の開口部14には合成樹脂製の蓋部15が取り付けられ、この蓋部15により開口部14は塞がれるようになっている。蓋部15の外側面には外方に突出する第1ロック突部16が形成されている。また、ケース11において第1ロック突部16と対応する位置には、第1ロック受け部17が形成されている。第1ロック突部16に対して第1ロック受け部17が弾性的に係合(言い換えると第1ロック受け部17に形成された孔に第1ロック突部16が嵌合)することにより、蓋部15とケース11とが一体に組み付けられるようになっている(図8及び図9も参照)。
図3に示すように、蓋部15には、図示しない相手側コネクタを接続可能な嵌合部18が、外方(図3における左手前側の方向)に開口して形成されている。相手側コネクタは、図示しない電線を介して車載電装品と接続されている。図5に示すように、嵌合部18の内部には、コネクタ端子19の一端部が配されており、コネクタ端子19の他端部は、蓋部15を貫通してケース11内に導入されている。
図5に示すように、ケース11のうち開口部14が形成された側の端縁には、相手側コネクタから導出された電線を覆う合成樹脂製の電線カバー20が取り付けられている。図6に示すように、ケース11の外側面には外方に突出する複数の第2ロック突部21が形成されており、電線カバー20において第2ロック突部21に対応する位置には、複数の第2ロック受け部22が形成されている。第2ロック突部21に対して第2ロック受け部22が弾性的に係合することにより、電線カバー20がケース11に組み付けられる構成となっている。
また、図4に示すように、蓋部15の外側面には外方に突出する複数の第3ロック突部41が形成されている。電線カバー20において第3ロック突部41に対応する位置には、複数の第3ロック受け部42が形成されている。第3ロック突部41に対して第3ロック受け部42が弾性的に係合することにより、電線カバー20が蓋部15に組み付けられるようになっている。
図3に示すように、ケース11に電線カバー20が取り付けられた状態で、ケース11における開口部14側の側縁のうち一方側に設けられた半割り導出部23Aと、電線カバー20において半割り導出部23Aに対応する箇所に形成された半割り導出部23Bとが合体することにより、電線カバー20から電線を導出するための導出部23が形成される(図1も参照)。
(第1回路基板12)
ケース11内に収容される第1回路基板12は略長方形状をなしており、プリント配線により導電路が形成されている。図21に示すように、導電路には、通電時に発熱するヒューズ50及び、それ以外の電子部品24Aが実装されている。電子部品24Aとしては、例えばリレー、半導体スイッチング素子等、必要に応じて任意の素子を用いることができる。第1回路基板12は繊維基材及び合成樹脂からなり、折り曲げ可能に構成されている。
図5に示すように、第1回路基板12のうちケース11の開口部14側(図5の左側)に位置する部分は、略直角に曲げられてコネクタ接続部25とされる。このコネクタ接続部25には、コネクタ端子19の他方の端部が貫通して半田付けされている。これにより、コネクタ端子19と、コネクタ接続部25の導電路とが電気的に接続されている。また、図21に示すように、コネクタ端子19の一部のうち比較的に細長い形状のものは、コネクタ接続部25に取り付けられた合成樹脂製の台座26に貫通して取り付けられている。これにより比較的に細長いコネクタ端子19のアライメントが保持されるようになっている。
第1回路基板12及び第2回路基板13は合成樹脂製の保持部材27に保持された状態でケース11内に収容されている。図15に示すように、保持部材27は概ね直方体形状をなしている。図12及び図13に示すように、保持部材27の上下両壁は、第1回路基板12のうち略長方形状をなす部分と概ね同じ形状に設定されている。また、保持部材27のうち、図12における上下方向の高さ寸法は、第1回路基板12のうち折り曲げられたコネクタ接続部25の図12における上下方向の高さ寸法と略同じに設定されている。図15に示すように、第1回路基板12は、保持部材27に対してボルト28により固定されている。
第1回路基板12には複数(本実施形態では2つ)の位置決め孔29が貫通して形成されている。また、保持部材27には位置決め孔29と対応する位置に、第1回路基板12側(図12における上方)に突出する複数(本実施形態では2つ)の位置決め突起30が形成されている。上記の位置決め孔29内に位置決め突起30が挿通されることにより、第1回路基板12が保持部材27に対して位置決めされる。
(第2回路基板13)
図5に示すように、ケース11内には、第1回路基板12の板面と略平行な姿勢で、第2回路基板13が収容されている。第2回路基板13にはプリント配線により導電路が形成されている。第2回路基板13は、保持部材27に対して第1回路基板12とは反対側の位置に配された状態で、ボルト28によって、保持部材27に固定されている。図11に示すように、第2回路基板13は略長方形状をなしており、保持部材27よりも一回り小さく設定されている。図10に示すように、保持部材27には第2回路基板13を収容するための収容部31が陥没して形成されている。
図5に示すように、第2回路基板13の導電路には、例えばマイコン等の電子部品24Bが実装されている。また、図6に示すように、コネクタ端子19の一方の端部が蓋部15の嵌合部18内に配されると共に、コネクタ端子19の他方の端部が、蓋部15を貫通してケース11内に導入された後、第2回路基板13側(図6の上側)に曲げ加工されて、第2回路基板13に貫通されている。コネクタ端子19の他方の端部は、第2回路基板13の導電路に半田付け等により電気的に接続されている。
(接続基板32)
図5に示すように、第1回路基板12及び第2回路基板13のうち、ケース11の開口部14とは反対側に位置する端部寄り(図5の右側)の位置には、第1回路基板12と第2回路基板13とを電気的に接続する接続基板32が取り付けられている。接続基板32は合成樹脂製であって、例えばいわゆるFPC等の折り曲げ可能な基板とされる。接続基板32は、ケース11のうち開口部14と反対側に位置する奥壁33に沿って配されている。接続基板32の図5における上下両端部は第1回路基板12及び第2回路基板13に沿って折り曲げられており、それぞれ、第1回路基板12及び第2回路基板13に接続されている。この接続基板32には導電路が形成されており、この導電路と、第1回路基板12及び第2回路基板13に形成された導電路とが接続されることにより、第1回路基板12と第2回路基板13とが電気的に接続される。
(保持部材27)
保持部材27は、合成樹脂製であって、略直方体形状をなしている。図7に示すように、保持部材27のうちケース11の開口部14と反対側(図7の上側)の端部には、ケース11の奥壁33に対してケース11の内方から当接する奥壁接触部34が、奥壁33側に突出して形成されている。また、保持部材27のうちケース11の開口部14側に位置する端部は、嵌合部18内に相手側コネクタが嵌合されたときに第1回路基板12のコネクタ接続部25と当接して、相手側コネクタの嵌合時にコネクタ端子19に加えられた力がコネクタ接続部25を介して保持部材27に伝達されるようになっている。保持部材27に伝達された力は、奥壁接触部34を介してケース11へと伝達されるようになっている。このように、本実施形態においては、相手側コネクタの嵌合時にコネクタ端子19に加えられた力をケース11で受けることができるようになっている。
図5及び図6に示すように、保持部材27には、第1回路基板12と第2回路基板13との間を隔てる遮熱壁35が形成されている。この遮熱壁35によって、通電時に第1回路基板12に実装されたヒューズ50及び電子部品24Aから発生する熱を遮断することで、第2回路基板13へ熱が伝達されることを抑制する構成となっている。
(第1回路基板12と放熱壁36との関係)
図5に示すように、第1回路基板12は、その板面が、ケース11のうち図5における下側に位置する放熱壁36(ケースの壁部)の壁面に沿う姿勢でケース11内に収容されている。この放熱壁36は、通電時に第1回路基板12で発生する熱を受けて、ケース11の外部へ放散するようになっている。
図22に示すように、第1回路基板12に複数個実装されたヒューズ50は、略直方体形状をなしている。ヒューズ50は、その内部に封入された溶断部50Aと、その溶断部50Aと電気的に接続され、ヒューズ50の長手方向両端に取り付けられた端子部50Bと、を備える。ヒューズ50の両端子部50Bは、第1回路基板12における内側の面12Aに、半田部52及び取付金具53を介して接続されている。すなわち、ヒューズ50は、第1回路基板12のうち、内側の面12Aに対して表面実装されている。なお、ヒューズ50の表面実装の方法については、この方法に限定されるものではない。例えば、ヒューズ50の両端子部50Bを直接、第1回路基板12に半田付けする構成としてもよく、取付金具53を備えていなくてもよい。
第1回路基板12の外側の面12B(第1回路基板12の非実装面)は、平坦な面となっており、全面に渡って放熱壁36の内側の面36Aに当接されている。これにより、第1回路基板12において、ヒューズ50の実装領域の裏側(符号51を付す)が、放熱壁36に対して直接的に接触する構成となっている。すなわち、ヒューズ50の実装領域の裏側51は、放熱壁36に対して熱伝導可能に接触されている。
また、ケース11のうち、放熱壁36と対向する壁(図5における上側に位置する壁)は、対向壁37とされる。保持部材27は、ケース11内において、第1回路基板12に対して対向壁37側(図5における上側)に位置して配されている。
(当接部38)
図5に示すように、保持部材27は、対向壁37に対してケース11の内方(図5における下方)から当接する複数の当接部38を有する。図10に示すように、当接部38は、保持部材27のうち対向壁37と対向する壁面(図10における上面)であって、収容部31と異なる領域に設けられている。
(押圧部39)
また、図5及び図15に示すように、保持部材27には、第1回路基板12に対してケース11の内方(図5における上方)から当接して、放熱壁36側に押圧する複数の押圧部39が形成されている。この押圧部39に押圧されることにより、第1回路基板12と放熱壁36とは密着するようになっている。
図15に示すように、押圧部39は、保持部材27のうち第1回路基板12側の面から、第1回路基板12側(図15における上方)に向けて突出して設けられている。
図15に示すように、押圧部39は、保持部材27の四隅部に離散して形成された第1押圧部39Aを含む。第1押圧部39Aは角柱状をなしている。この第1押圧部39Aは、第1回路基板12が保持部材27に取り付けられた状態で、第1回路基板12の四隅を押圧するようになっている。なお、上記した位置決め突起30は、第1押圧部39Aの先端部に設けられている。
また、押圧部39は、第1回路基板12とコネクタ接続部25との折り曲げ部分(図15における左手前側の側縁)に位置して細長いリブ状に形成された第2押圧部39Bを含む。この第2押圧部39Bは、第1回路基板12が保持部材27に取り付けられた状態で、第1回路基板12のうち、コネクタ接続部25との折り曲げ部分に対応する部分を押圧するようになっている。
また、押圧部39は、保持部材27の長手方向(図15において矢線Aで示す方向)の略中央部に設けられた第3押圧部39Cを含む。第3押圧部39Cは角柱状をなしている。第3押圧部39Cは、保持部材27の長手方向と直交する方向(図15において矢線Bで示す方向)について、両端部寄りの位置、及び略中央部に離散して設けられている。この第3押圧部39Cは、第1回路基板12が保持部材27に取り付けられた状態で、第1回路基板12の長手方向の略中央部を押圧するようになっている。
(ケース11の形状)
図18に示すように、ケース11において、放熱壁36及び対向壁37の双方は、第1回路基板12、第2回路基板13、及び保持部材27がケース11内に収容される前の状態において、ケース11の内方に撓んだ形状となるように予め成型されている。言い換えると、放熱壁36は、第1回路基板12に向かって撓んだ形状となっている。第1回路基板12、第2回路基板13、及び保持部材27がケース11内に収容されていない状態における対向壁37と放熱壁36との間隔は、第1回路基板12を保持部材27に組み付けた状態における当接部38の先端(図19における上端縁)と第1回路基板12の外側の面12B(図19における下側の面)との間の寸法よりも小さく設定されている。
これにより、第1回路基板12及び第2回路基板13を組み付けた状態の保持部材27を、ケース11内に収容すると、当接部38が対向壁37によってケース11の内方に押圧され、この力が押圧部39に伝達されて第1回路基板12が放熱壁36側に押圧される。このとき、放熱壁36は、元々第1回路基板12側に撓んだ状態であるから、第1回路基板12から外側に押圧され、図18に示す自然状態から、わずかに外側に撓んだ状態となる。これにより、放熱壁36は、その壁面が第1回路基板12の板面に対して、ほぼ沿った形状となり、第1回路基板12の外側の面12Bと放熱壁36の内側の面36Aとは、ほぼ全面に渡って当接した状態となる。この状態では、放熱壁36は第1回路基板12を押圧した状態となっている。これにより、外側の面12Bと放熱壁36の内側の面36Aとを、より確実に密着させることができる。
(放熱窓40)
図5及び図6に示すように、第1回路基板12と保持部材27との間には空間S1が形成されている。詳細には、この空間S1は、第1回路基板12と、保持部材27の遮熱壁35との間に形成されている。言い換えると、この空間S1内に、第1回路基板12に実装されたヒューズ50及び電子部品24Aが収容されるようになっている。
また、図14、図16、及び図17に示すように、保持部材27の側壁には、第1回路基板12側の端縁から切欠された放熱窓40が形成されている。この放熱窓40を介して、第1回路基板12と保持部材27との間に形成された空間S1と、外部の空間とが連通するようになっている。
第1回路基板12及び保持部材27がケース11内に収容された状態では、図20に示すように、保持部材27に設けられた放熱窓40は、ケース11の内壁11Aと対向して配される。これにより、第1回路基板12と保持部材27との間の空間S1に、ケース11の内壁11Aが露出するようになっている。
(組み付け工程)
続いて、本実施形態に係る電気接続箱10の製造工程の一例を説明する。なお電気接続箱10の製造工程は以下の記載に限定されるものではない。まず、図21に示すように、第1回路基板12の内側の面12Aにヒューズ50及びその他の電子部品24Aを半田付け等の公知の手法により実装する。また、コネクタ端子19をコネクタ接続部25に半田付け等の公知の手法により接続する。その後、コネクタ接続部25を折り曲げる。
続いて、図21の2点鎖線に示すように、接続基板32の一方の端縁を第1回路基板12の端縁に半田付け等の公知の手法により接続する。その後、接続基板32の他方の端縁を第2回路基板13の端縁に、半田付け等の公知の手法により接続する。
続いて、図12に示すように、第1回路基板12の位置決め孔29内に保持部材27の位置決め突起30を挿入して、第1回路基板12と保持部材27との相対的な位置決めを行いながら、第1回路基板12を保持部材27に組み付ける。また、折り曲げられたコネクタ接続部25を、保持部材27の壁面27Aに沿わせて配する。
続いて、接続基板32を所定の形状に折り曲げて、第2回路基板13を保持部材27の収容部31内に収容する(図10及び図11参照)。その後、第2回路基板13をボルト28により保持部材27に固定する。
続いて、図16に示すように、蓋部15を保持部材27にボルト28によりネジ止めする。このとき、蓋部15の嵌合部18内に、コネクタ端子19の一方の端部が配される(図5)。
その後、第1回路基板12、第2回路基板13、保持部材27、及び蓋部15を組み付けた構成体(図16及び図17の状態)を、ケース11の開口部14から、ケース11内に挿入する。このとき、蓋部15が挿入方向における後側に位置する姿勢で上記の構成体を挿入する。すると、蓋部15に形成された第1ロック突部16に、ケース11に形成された第1ロック受け部17が弾性的に変形して乗り上げた後、復帰変形する。これにより、第1ロック突部16に対して第1ロック受け部17が弾性的に係合して、蓋部15とケース11とが一体に組み付けられる(図8及び図9の状態)。
続いて、蓋部15の嵌合部18内に相手側コネクタ(図示せず)を嵌合させる。その後、ケース11に電線カバー20を組み付ける。すると、ケース11の外側面に形成された第2ロック突部21に、電線カバー20に形成された第2ロック受け部22が弾性的に変形して乗り上げた後、復帰変形する。これにより、第2ロック突部21に対して第2ロック受け部22が弾性的に係合して、電線カバー20がケース11に組み付けられる(図1及び図2の状態)。以上により、電気接続箱10が完成する。
(作用及び効果)
続いて、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態の電気接続箱10によれば、第1回路基板12において、ヒューズ50の実装領域の裏側51を、放熱壁36に対して直接的に接触させる構成としている。つまり、ヒューズ50の実装領域の裏側51をケース11の放熱壁36に対して熱伝導可能に接触させている。このような構成とすれば、ヒューズ50通電時に、ヒューズ50から発生する熱は第1回路基板12に伝熱され、その後、第1回路基板12から熱伝導によって、ケース11の放熱壁36へと伝熱される。これにより、例えば、ヒューズ50における第1回路基板12との接続箇所(例えば、半田部52)の温度上昇を抑制でき、電気的な接続信頼性を確保することが可能となる。これは、本実施形態のようなヒューズ50をケース11内に収容した構成(ヒューズ50から発生する熱が比較的こもりやすい構成)において、特に効果的である。
また、ケース11は、第1回路基板12がケース11内に収容される前の状態において、ケース11の放熱壁36がケース11の内方に撓んだ形状に予め成型されたものとすることができる。このような構成とすれば、ケース11内に第1回路基板12を収容した状態では、ケース11の放熱壁36は、第1回路基板12によってケース11の外側へ押圧される。これにより、ケース11の放熱壁36を第1回路基板12に対して、より確実に密着させることができる。これにより、第1回路基板12からケース11の放熱壁36への熱伝導をより確実に行うことが可能となる。
また、当接部38は、対向壁37に対してケース11の内面から当接している。これにより、当接部38に対しては対向壁37からケース11の内方へ向かう力が加えられる。この力は保持部材27を介して当接部38へと伝達される。この当接部38は、ケース11の内方から第1回路基板12に当接しているので、第1回路基板12に対しては、当接部38によって、ケース11の内方から外方へ向かう力が加えられる。上記の第1位回路基板は放熱壁36に沿って配されているので、第1回路基板12に加えられた力により、第1回路基板12は放熱壁36に押圧される。この結果、第1回路基板12と放熱壁36とを、より確実に接触させることができる。つまり、第1回路基板12と放熱壁36との間に隙間が生じて、熱伝導による伝熱が妨げられることを抑制できる。
また、通電時に第1回路基板12で熱が発生して第1回路基板12の温度が上昇すると、第1回路基板12は板面に平行な方向に延びる。しかしながら、第1回路基板12はケース11内に収容されているため、板面に平行な方向に延びた第1回路基板12の端縁がケース11の内壁と当接し、第1回路基板12のうち、長手方向の中央付近が放熱壁36から離間する方向に撓むことが懸念される。
本実施形態によれば、第1回路基板12は長方形状をなしており、押圧部39のうち第3押圧部39Cは、第1回路基板12の長手方向の略中央部を押圧するように設けられている。これにより、第3押圧部39Cは、より隙間の生じやすい第1回路基板12の長手方向の略中央部を押圧するように設けられるから、第1回路基板12と放熱壁36との間に隙間が生じることを一層抑制できる。
また、第1回路基板12を放熱壁36に確実に密着させようとすると、押圧部39と第1回路基板12とが当接する当接面積を広くすることが考えられる。一方、第1回路基板12には電子部品24Aが実装されている。押圧部39と第1回路基板12との当接面積を過度に広くすると、電子部品24Aを実装可能な領域が狭くなってしまうということが懸念される。そこで本実施形態においては、押圧部39を離散的に配することにより、第1回路基板12を放熱壁36に密着させると共に、電子部品24Aの実装領域を確保することができる。
また、本実施形態によれば、第1回路基板12と保持部材27との間には空間が形成されており、保持部材27のうちケース11と対向する部分には、第1回路基板12と保持部材27との間の空間にケース11の内壁を露出させる放熱窓40が開口して設けられている。これにより、通電時に第1回路基板12又は電子部品24Aで発生した熱は、保持部材27と第1回路基板12とに囲まれた空間内に放散された後、放熱窓40において露出するケース11の内壁へと伝達される。その後、熱はケース11から外部に放散される。これにより、ケース11内に熱がこもることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、保持部材27には、第1回路基板12と第2回路基板13との間を遮熱する遮熱壁35が設けられている。これにより、通電時に第1回路基板12で発生した熱が、第2回路基板13に伝達されることを抑制できる。同様に、第2回路基板13で発生した熱が、第1回路基板12に伝達されることも抑制できる。この結果、第1回路基板12又は第2回路基板13のうち、一方の基板から発生した熱が、他方の回路基板に実装された電子部品(ヒューズ50及び電子部品24A,24Bのいずれか)に伝達されることを抑制でき、当該電子部品に誤作動等の不具合が発生することを抑制できる。本態様は、第1回路基板12及び第2回路基板13の一方には通電時に発熱する発熱部品が実装されており、他方には比較的に熱に弱い電子部品24A,24Bが実装されている場合に有効である。
また、本実施形態においては、保持部材27のうちケース11の開口部14側に位置する端部は、嵌合部18内に相手側コネクタが嵌合されたときに第1回路基板12のコネクタ接続部25と当接して、相手側コネクタの嵌合時にコネクタ端子19に加えられた力がコネクタ接続部25を介して保持部材27に伝達されるようになっている。保持部材27に伝達された力は、奥壁接触部34を介してケース11へと伝達されるようになっている。このように、本実施形態によれば、相手側コネクタの嵌合時にコネクタ端子19に加えられた力をケース11で受けることができる。これにより、コネクタ端子19に加えられた力により、接続基板32又は第1回路基板12が変形することが抑制される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ヒューズ50を第1回路基板12に表面実装する構成としたが、図23に示すように、フレーム61と一対の接続端子62とを備えたヒューズホルダ60を介して、第1回路基板12に表面実装される構成としてもよい。この構成の場合、ヒューズ50は、フレーム61内に収容され、各接続端子62に挟持されることで、ヒューズホルダ60に対して着脱可能に保持されている。また、ヒューズ50の各端子部50Bは各接続端子62を介して、第1回路基板12と電気的に接続されている。このような構成とすれば、ヒューズ50の交換作業が容易となる。
(2)ヒューズの種類は上記実施形態のものに限定されない。例えば、図24に示すような、いわゆるブレード型のヒューズ70であってもよい。このヒューズ70は、一対の平板状の端子部71を溶断部(図示せず)で連結し、その溶断部を含む端子部71の基端側を絶縁ハウジング72内に収容してなる。各端子部71の先端側は、絶縁ハウジング72から下方に突き出しており、第1回路基板に半田付けされたL字型の接続端子73の各々へ挿抜可能となっている。
(3)上記実施形態では、第1回路基板12と放熱壁36とを直接当接させる構成を例示したが、この構成に限定されない。第1回路基板12と放熱壁36とは、熱伝導可能に接触されていればよい。例えば、第1回路基板12と放熱壁36との間に、高い熱伝導性を有する放熱グリースや放熱板などが介在されていてもよい。
(4)上記実施形態では、ケース11において、放熱壁36及び対向壁37の双方が、第1回路基板12、第2回路基板13、及び保持部材27がケース11内に収容される前の状態において、ケース11の内方に撓んだ形状となるように予め成型されている構成とした。この構成に限定されず、放熱壁36及び対向壁37のうちいずれか一方のみが内方に撓んだ形状となるように成型されていてもよい。
(5)上記実施形態では、第1回路基板12の外側の面12Bと放熱壁36の内側の面36Aとが、ほぼ全面に渡って当接した構成を例示したが、これに限定されない。第1回路基板12において、少なくともヒューズ50の実装領域の裏側51が、放熱壁36の内側の面36Aと当接していればよい。例えば、ケース11の放熱壁36において、ヒューズ50の実装領域の裏側51に対応する箇所を、実装領域の裏側51に向かって突き出すことで当接部を形成し、この当接部が実装領域の裏側51と当接する構成であってもよい。
10…電気接続箱
11…ケース
12…第1回路基板(回路基板)
36…放熱壁(ケースの壁部)
50、70…ヒューズ
51…ヒューズの実装領域の裏側

Claims (3)

  1. ヒューズが表面実装された回路基板と、前記回路基板が収容されるケースと、を備えた電気接続箱であって、
    前記ケース内に収容され前記回路基板を保持する保持部材を備え、
    前記回路基板において、前記ヒューズの実装領域の裏側を、前記ケースの壁部を構成する放熱壁に対して熱伝導可能に接触させており、
    前記ケースは、前記放熱壁と対向する対向壁を有し、
    前記保持部材は、
    前記対向壁に当接する当接部と、
    前記回路基板を前記放熱壁側に押圧する押圧部と、を備えていることを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記回路基板において、前記ヒューズの実装領域の裏側を、前記ケースの前記放熱壁に対して直接的に接触させたことを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 前記ケースは、前記回路基板が前記ケース内に収容される前の状態において、前記ケースの壁部が前記ケースの内方に撓んだ形状に予め成型されたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気接続箱。
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