JP7136651B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、貯蔵室の内部に棚部材が設けられる冷蔵庫に関する。
貯蔵物を載せる棚部材を、貯蔵室内で取り外し可能とする冷蔵庫が特許文献1に記載されている。棚部材は、奥側の端部に爪を有する。一方、貯蔵室の奥側に位置するダクトカバーの前面には、貯蔵室側に突出する突起部が、棚部材を支持する支持部として設けられている。棚部材は、爪を突起部に係止することで、貯蔵室に取り付けられる。
特開2003-336962号公報
棚部材が取り付けられる突起部は、ダクトカバーの前面から貯蔵室側に突出しているため、突起部が邪魔となって貯蔵室の貯蔵スペースが狭くなる。
そこで本発明は、棚部材を支持する支持部によって貯蔵室の貯蔵スペースが狭くなることを抑制することを目的としている。
本発明の実施の形態の冷蔵庫は、冷蔵庫本体に設けられる貯蔵室と、前記貯蔵室の内部に取り外し可能に設けられる棚部材と、前記貯蔵室の内壁に設けられ、前記棚部材を支持する支持部と、を有する。前記支持部は、前記貯蔵室の内壁の表面に対して凹んだ凹部に形成されている。
本発明の第1の実施形態を示す冷蔵庫の正面図である。 図1の冷蔵庫の扉を外した状態の内部構造を示す正面図である。 図1の冷蔵庫の内箱の斜視図である。 図1の冷蔵庫に使用される棚部材の平面図である。 図1の冷蔵庫に使用される棚部材の右側面図である。 図1の冷蔵庫に使用される棚部材の裏側から見た斜視図である。 図2の棚部材が取り付けられた部位周辺の斜視図である。 棚部材の上に、寝かせた状態の円筒形状の貯蔵物の一部が位置するように収納した状態を示す斜視図である。 図6の棚部材周辺を正面図から見た断面図である。 図1の冷蔵庫の扉に形成した切欠凹部の周辺を示す断面図である。 図8の扉の切欠凹部の周辺を示す斜視図である。 図3の内箱に設けたフック周辺を示す斜視図である。 図10のフックを利用して棚部材を取り付けた部位を断面で示す斜視図である。 貯蔵室底面に凹凸形状を備える冷蔵庫の内部構造を示す斜視図である。 図12のA部を拡大した斜視図である。 貯蔵室底面の凹凸形状の他の例を示す斜視図である。 貯蔵室底面の凹凸形状のさらに他の例を示す斜視図である。 第2の実施形態の冷蔵庫の内部構造を上方から見た断面図である。 図16AのB矢視図である。 図16BのC-C断面図である。 図16Aの冷蔵庫に使用する棚部材の平面図である。 図17AのD-D断面図である。 第3の実施形態の冷蔵庫の後方上部を側方から見た断面図である。 図18Aの冷蔵庫の扉を外した状態の上部の正面図である。 第1の実施形態に対し、棚部材を膨出部の上側の貯蔵領域に取り付けた例を示す、図2に対応する正面図である。 図19のE-E断面図である。 図19の冷蔵庫の内箱の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、以下の説明において、冷蔵庫1における「左右方向」は、図1に示すように冷蔵庫1を正面から見たときの左右方向で、「前後方向」は、冷蔵庫1の前面側を前、後面側(奥側)を後とした前後方向である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態の冷蔵庫1は、例えばホテルや病院などの部屋に設置される小型の冷蔵庫である。図2は、図1の冷蔵庫1の前面に設けてある扉3を省略した内部構造を示している。冷蔵庫1は、冷蔵庫本体5を備え、冷蔵庫本体5の内部に貯蔵室7が形成されている。冷蔵庫本体5は、外側板からなる外箱9と、内側板からなる内箱11とを有し、外箱9と内箱11との間に図示しない断熱材を配置した断熱構造体である。扉3も断熱構造体である。
貯蔵室7は、冷蔵庫1の前面側に開口部7aが形成され、開口部7aは扉3によって開閉される。扉3は、図1中で右側端部のヒンジ13を介して左右に開閉する。冷蔵庫本体5は、上壁5aと、下壁5bと、左側壁5cと、右側壁5dと、後壁5eとを備えており、これら各壁に囲まれた内側に貯蔵室7が形成される。上壁5a、下壁5b、左側壁5c、右側壁5d、後壁5eは、外箱9、内箱11及び断熱材を含んでいる。
貯蔵室7内の上部に隔壁15を介して冷却器17が設けられる。隔壁15は、冷却器17側から流下する結露水を受けるもので、前方及び左右両側方から後方の左右方向中央に向けて下がるように傾斜している。隔壁15が受けた結露水は、受皿18に流下してから貯蔵室7の外部に排出される。冷却器17は、上壁5a及び右側壁5dのそれぞれの内面に支持される。冷蔵庫1は、冷却器17から発生する冷気を、貯蔵室7内で自然対流によって循環させる直冷式(自然対流式)である。隔壁15の下方の空間が貯蔵室7となる。
図3に示すように、冷蔵庫本体5の内箱11は、後壁5eの下部において、図3では図示していない外箱9と共に前方に向けて膨出する膨出部19が形成されている。膨出部19は、下壁5bの後端から立ち上がる縦壁19aと、縦壁19aの上端から後方に向けて屈曲する水平な横壁19bとを備える。なお、ここでの膨出部19は、内箱11と外箱9とを含む冷蔵庫本体5に設けられたものであるとする。
縦壁19aと横壁19bとに囲まれた、冷蔵庫本体5の下部後方の外側の領域は、図8に一部を示す機械室20を構成しており、機械室20に圧縮機21を配置している。圧縮機21は、下壁5bの下面及び機械室20を下方から覆っている底板5fの上に固定している。圧縮機21で圧縮した冷媒は、機械室20内に設けた図示しない凝縮器を経て、前述した冷却器17に送られる。圧縮機21、凝縮器及び冷却器17等は図示しない冷媒配管で接続される。
右側壁5dの貯蔵室7の内面には、前後方向に延在する上リブ23が形成されている。上リブ23は、横壁19bの上面において後壁5eから開口部7a付近まで形成されている。上リブ23の下方には、前後方向に延在する下リブ25が形成されている。下リブ25は、縦壁19aから開口部7a付近まで形成され、上リブ23と下リブ25との間に隙間27が形成されている。
下リブ25は、右側壁5dに形成された部分の後端から右側壁5dに対して離れる方向(左方向)に屈曲する屈曲部25aを備え、屈曲部25aは縦壁19aの前面に形成されている。下リブ25の上面は、横壁19bの上面よりも、図2に示す棚部材29の棚部31の上下方向の厚さにほぼ相当する分だけ下方に位置している。上リブ23の下面は、横壁19bの上面に対し、ほぼ同等かやや上方に位置している。図3に示す隙間27に、図2に示すように、棚部31の右側の端部が挿入される。
膨出部19における縦壁19aの前面と横壁19bの上面との境界部に位置する角部19cには、二つの傾斜面部33,35が形成されている。傾斜面部33,35は、水平面に対してほぼ45度の角度で傾斜している。左側の傾斜面部33は、貯蔵室7内における左右方向のほぼ中央に位置している。右側の傾斜面部35は、右側の端部が、下リブ25の屈曲部25aの端部にほぼ対応する位置にある。
二つの傾斜面部33,35相互間には、後方支持部37が設けられている。後方支持部37は、角部19c近傍の横壁19bの上面に左右方向に貫通する横溝37aを備えている。後方支持部37は、横溝37aの前方側に、棚部材29の後部外周リブ45aが係止されるフック37bが形成される。二つの傾斜面部33,35は、貯蔵室7の内壁の表面(膨出部19の角部19c周辺の表面)に対して凹んだ凹部を構成しており、当該凹部から支持部としてのフック37bが突出するようにして形成される。フック37bは、膨出部19(縦壁19a、横壁19b及び角部19c)の表面から外部に突出しておらず、側面視で凹部内に収まっている。
左側の傾斜面部33から縦壁19aの上部にわたり、前方に向けて突出する突起39が形成されている。突起39は、傾斜面部33において後方支持部37から離れた左側に位置しており、貯蔵室7における左右方向の中央位置よりやや左側に位置する。突起39は、上面39a及び下面39bがほぼ水平面であり、上面39aの前端と下面39bの前端とを上下方向につなぐ前面39cがほぼ鉛直面である。したがって、上面39a及び下面39bと、前面39cとはほぼ直角である。
次に棚部材29について説明する。
棚部材29は、図2に示すように冷蔵庫本体5に取り付けた状態で、左側の端部が貯蔵室7における左右方向の中央位置よりやや左側に位置する。この状態で、棚部材29より左側の貯蔵室7の空間に、例えば2L入りのペットボトル41を立てた状態で貯蔵できる。
棚部材29は、図4Aに示すように、平面視で左右方向に長い長方形状の棚部31を備えている。棚部31の上に貯蔵物を載せることができる。棚部31には、前後方向に長い貫通孔31aが複数形成されている。図4Cに示すように、棚部31の裏側における貫通孔31aの周縁には、リブ31bが形成されている。リブ31bは図2中で下方に突出している。
図2に示すように、棚部材29は、棚部31の左側の端部において下方に向けて突出する突出部43を備えている。突出部43は、図4Bに示すように、側面視で大略三角形状の左側板43aと、左側板43aに対して離間している右側板43bとを備えている。右側板43bは、左側板43aの後方側(図4B中で右側)に位置して上下方向に長い上下長部分43b1と、上下長部分43b1の上端から前方側(図4B中で左側)に延設されて前後方向に長い前後長部分43b2とを備えている。
右側板43bの上下長部分43b1の下部と、左側板43aの後方側の下部とが底板43cによりつながっている。図4Cに示すように、左側板43aと右側板43bとは、前方側においても、前板43dによりつながっている。
棚部材29を図2、図5のように取り付けた状態で、左側板43aと右側板43bとの間の空間に、図3に示した内箱11の突起39が入り込む。このとき、左側板43a及び右側板43bは、突起39の左右両側部に近接しており、底板43cは、突起39の下面39bに近接している。
棚部材29を図2、図5のように取り付けた状態で、突出部43の後部43eが内箱11の縦壁19aに当接する。この場合、後部43eが当接する部分の縦壁19aは、棚部材29の下方への移動を規制する後方当接部44となる。後部43eは、左側板43a、右側板43b及び底板43cの縦壁19aに対向する部分であり、図4Bに示すように、棚部31の後方側の端部よりもやや前方に位置している。
棚部材29は、突出部43が形成された部分を除く棚部31の外周縁に、下方に向けて突出する外周リブ45が形成されている。棚部31は、外周リブ45と共に前方に向けて凹むようにして形成した二箇所の切欠部47,49を備えている。二箇所の切欠部47,49は、棚部材29の左右方向中心に対して左右両側に位置している。左側の切欠部47は、左側の傾斜面部33の右側に対応した位置にあり、右側の切欠部49は、右側の傾斜面部35の左右方向の長さにほぼ対応した位置にある。
二箇所の切欠部47,49相互間の外周リブ45を含む棚部31は、切欠部47,49に対して後方に突出した形状となる。この突出した形状部分の後部外周リブ45aが、内箱11の横溝37aに上方から入り込む係止部となる。
棚部材29を図5のように取り付けた状態では、図6に示すように、例えば500mL入りの缶51等の円筒形状の貯蔵物を寝かせた状態で前後方向に沿って収納することができる。缶51は、膨出部19の横壁19bと棚部31とにわたって載せられる。このとき、図7に示すように、断面円形の缶51は、前後方向に長い貫通孔31aに外周部の一部が入り込んで、左右方向への転がり移動が抑制される。
図8に示すように、扉3は、表側に位置する例えば金属製の表板53と、裏側に位置する例えば樹脂製の裏板55との間に断熱材57が充填されている。裏板55は、扉3の外周縁に沿って内側に突出する突起55aが形成されている。突起55a内にも断熱材57が充填されている。突起55aは、扉3を閉じたときに、扉3と冷蔵庫本体5との間の隙間59を覆うように貯蔵室7側に突出している。突起55aより外周側の裏板55には、パッキン61が取り付けられ、扉3を閉じたときに、パッキン61が冷蔵庫本体5に密接して貯蔵室7を密閉する。
図8、図9に示すように、突起55aは、図2に示すペットボトル41に対応する部分に切欠凹部55a1が形成されている。切欠凹部55a1を形成することで、2L入りのペットボトル41は扉3に接触することなく容易に収納することができる。この場合、断熱性能を確保するための突起55aを必要最小限の部位のみ切り欠くことにより、断熱性能の確保と貯蔵物の収納スペースの確保とを同時に達成できる。
次に、棚部材29の冷蔵庫本体5に対する着脱方法について説明する。
棚部材29を冷蔵庫本体5に取り付ける際には、側部外周リブ45bを前方から隙間27に挿入する。このとき、棚部31は、後部が前部よりも上方となるよう前後方向にやや傾けた状態とすることで、後部外周リブ45aが横溝37aに入り込みやすくなる。隙間27の上下の間隔を、側部外周リブ45bの上下高さよりもやや大きくすることで、棚部31を前後方向に傾けることができる。
フック37bの上部は、図10、図11に示すように面取り37b2を施してある。このため、棚部材29を後方へ押し込むときに、後部外周リブ45aは、下端が後方支持部37の上部に当接しても、弾性変形しながら面取り37b2に沿って容易に移動し、横溝37aに入り込む。棚部材29を後方へ押し込むことで、内箱11の突起39が突出部43の内部空間に入り込む。
棚部材29を冷蔵庫本体5から取り外す際には、棚部材29を前方へ引き抜けばよいが、このとき、棚部31は、取り付けるときと同様に、後部が前部よりも上方となるよう前後方向にやや傾けた状態とする。図10、図11に示すように、フック37bは、横溝37a側に傾斜部37b3を形成しているので、後部外周リブ45aが傾斜部37b3に当接しても、弾性変形しながら傾斜部37b3に沿って容易に移動し、横溝37aから取り出せる。傾斜部37b3と面取り37b2との間の上部37b4は断面円弧形状としているので、後部外周リブ45aは、断面円弧形状の上部37b4に沿って容易に移動する。このように、棚部材29の冷蔵庫本体5に対する着脱作業は極めて容易にできる。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態は、冷蔵庫本体5に設けられる貯蔵室7と、貯蔵室7の内部に取り外し可能に設けられる棚部材29と、貯蔵室7の内壁に設けられ、棚部材29を支持するフック37bと、を有する。フック37bは、貯蔵室7の内壁の表面に対して凹んだ傾斜面部33,35に形成されている。この場合、フック37bが、貯蔵室7の内壁(縦壁19a、横壁19b)の表面から突出しておらず、側面視で傾斜面部33,35に収まるように形成されている。このため、貯蔵室7の貯蔵スペースがフック37bによって狭くなることを抑制できる。
例えば、図11に示すように、棚部材29の下方の空間に500mL入りの缶51を立てた状態で収納する場合を想定する。この場合、フック37bが膨出部19の表面から前方や上方等に突出していないため、缶51は、フック37bが邪魔になることなく膨出部19(縦壁19a)により近づけて収納できる。さらに、図6のように缶51を寝かせた状態で横壁19b及び棚部材29の上に載せて収容する場合でも、缶51は、フック37bが邪魔になることなく効率よく収納できる。
本実施形態の貯蔵室7は、後方側の内壁(後壁5e)から前方に突出する膨出部19が設けられ、膨出部19の角部19cに傾斜面部33,35が設けられている。膨出部19を有することによって貯蔵室7の貯蔵スペースがより狭くなるが、狭くなる貯蔵スペースは、フック37bを傾斜面部33,35に収まるように設けることで、より有効に使用することができる。
本実施形態は、貯蔵室7の後方側の外側下部に、圧縮機21を収容する機械室20が形成され、機械室20によって膨出部19が形成される。圧縮機21を用いた小型の冷蔵庫1では、特に膨出部19があるために、奥行き方向のスペースが制限される。しかし、フック37bを傾斜面部33,35に収まるように設けることで、奥行き方向のスペースをより有効に使用することができる。
本実施形態の冷蔵庫1は、貯蔵室7の上部に貯蔵室7を冷却する冷却器17が設けられ、冷却器17による冷気の自然対流によって貯蔵室7を冷却する。膨出部19は、貯蔵室17の後方側の外側下部に設けられ、膨出部19の縦壁19aの前面と横壁19bの上面との間の角部19cに凹部が形成される。凹部は、縦壁19aの前面及び横壁19bの上面に対して傾斜する傾斜面部33,35により構成され、棚部材29は、傾斜面部33,35に設けられるフック37bに支持された状態で後部が傾斜面部33,35に対向している。
冷却器17からの冷気は、膨出部19の横壁19b上に流下した後、傾斜面部33,35に沿って棚部材29の下方に向けて流れ、棚部材29の下方に収納した貯蔵物を冷却する。このとき棚部材29は、傾斜面部33,35に沿う冷気の流れを許容する。棚部材29が傾斜面部33,35に設けられたフック37bに支持されることで、フック37bが邪魔になることなく貯蔵スペースを有効利用できる。
本実施形態の棚部材29は、フック37bに支持された状態で、膨出部19に対向する後部に、膨出部19の傾斜面部33,35との間隔を大きくするように切り欠かれた切欠部47,49が設けられている。この場合、冷却器17から流下する冷気が、切欠部47,49を通って棚部材29の下方に向けて流れる。これにより、棚部材29の下方に収納した貯蔵物を効率よく冷却することができ、冷却性能が向上する。
図12は、図2のペットボトル41に加え、棚部材29の下方の空間に500mL入りの缶51を立てた状態で複数収納している。ここでの冷蔵庫本体5の下壁5bの上面(内箱11の上面)は、図13にも示すように、凹み部63を有する凹凸形状としている。凹み部63は、ペットボトル41及び缶51を収納する位置に対応して形成している。凹み部63は、ペットボトル41や缶51から流下する水滴等の液体を溜めることができ、当該液体の冷蔵庫外部への漏れを抑制する。
図14、図15は、凹凸形状の他の例を示している。図14は、矩形状の複数の凸部65の周囲が凹み部67となっており、凹み部67に液体を溜めることができる。図15は、左右方向に延びる直線状の凹み部69を複数形成しており、凹み部69に液体を溜めることができる。
上記した実施形態では、ホテルや病院などの部屋に設置される小型の冷蔵庫1を例にして説明したが、一般に家庭で使用される通常の冷蔵庫にも本発明を適用できる。この場合、圧縮機21によって形成される膨出部19に代えて、貯蔵室の後方側に形成される冷気通路や、冷気通路内に配置した冷却器によって膨出部が形成されることがある。これら冷気通路や冷却器は、貯蔵室側がカバー部材で覆われる。したがって、膨出部はカバー部材に形成される。
冷気通路や冷却器によって形成される膨出部の貯蔵室側に凹部を形成し、当該凹部に棚部材を支持する支持部を形成することができる。これにより、通常の冷蔵庫においても、膨出部があるために、奥行き方向のスペースが制限されたとしても、棚部材を支持する支持部を凹部に形成することで、奥行き方向のスペースをより有効に使用することができる。
[第2の実施形態]
図16Aは、通常の冷蔵庫71の内部構造を簡略化して示す平面図であり、貯蔵室73の後部に設けたカバー部材となる冷気ダクト75によって、冷蔵庫本体77の後壁77eとの間に冷気通路79が形成される。冷気通路79内には図示しない冷却器やファンを設置してあり、冷却器により冷却された冷気が、ファンによって冷気通路79を流れ、冷気ダクト75の複数の通気孔75hを通って貯蔵室7に流入する。
貯蔵室73の前方の開口部73aは、扉81によって開閉される。冷気ダクト75は、冷気通路79側に突出する凸部75aが形成され、凸部75aによって貯蔵室73側に凹部75bが形成される。凹部75bは、図16AのB矢視図である図16Bに示すように、正面視で矩形状である。凹部75bには、支持部としてのフック83が設けられている。
フック83は、図16BのC-C断面図である図16Cに示すように、凹部75bの底面から貯蔵室73側に向けて突出する基部83aと、基部83aの先端から上方に向けて突出する先端部83bとを備える。フック83は、先端部83bの貯蔵室7側の端部が、冷気ダクト75の前面75cと同一面か、前面75cよりも凹部75b内に収まる側に位置している。
図17Aは、フック83に支持される棚部材85の平面図である。棚部材85は、冷気ダクト75の凹部75bに入り込む突起87を備えている。突起87は、図17AのD-D断面図である図17Bに示すように、裏側へ向けてほぼ90度の角度で屈曲する係止部87aを備えている。図16Aに示すように、冷蔵庫本体77の左右の側壁77c,77dの内壁面には、棚受け89,91が互いに対向する方向に突出している。棚受け89,91は、棚部材85の開口部73a側の左右両側部がそれぞれ載せられる。
棚部材85を貯蔵室73内に取り付けるには、突起87をフック83の上部で冷気ダクト75の凹部75bに押し込んだ後、棚部材85を下げることで、係止部87aがフック83の先端部83bの奥側に入り込んで係止される。このとき、棚部材85は左右両側部が棚受け89,91に載せられて支持される。
第2の実施形態は、棚部材85を支持するフック83が、貯蔵室73の内壁の表面(冷気ダクト75の前面75c)に対して凹んだ凹部75bに形成されている。この場合、フック83が、冷気ダクト75の前面75cから突出しておらず、凹部75b内に収まるように設けられているため、貯蔵室73の貯蔵スペースがフック83によって狭くなることを抑制できる。特に、フック83を上下方向に複数設けてある場合には、使用していないフック83が邪魔になりやすい。
図16Aに示すように、冷気ダクト75のフック83が設けられる位置には凹部75bが形成され、凹部75bによって、冷気通路79側に突出する凸部75aが形成される。凸部75aは、冷気通路79内における冷気の流れを整流する機能を有する。例えば、フック83が設けられる凸部75aを上下方向に複数設ける構成とし、その際、凸部75aの左右方向の位置を上下方向で変化させる。これにより、冷気の流れを凸部75aによって通気孔75hに効率よく導くことが可能となる。
[第3の実施形態]
図18Aに示す冷蔵庫93は、圧縮機95が冷蔵庫本体97の後方側の上部に設置されている。冷蔵庫本体97は、後方側の上部に圧縮機95を収容するための機械室となる凹所99が形成されている。凹所99は、冷蔵庫本体97の後壁97eの上端から前方へ向け屈曲して延びる横壁97fと、冷蔵庫本体97の上壁97aの後端から下方へ向けて延びる縦壁97gとを備える。凹所99によって、貯蔵室101は、後方側の内壁から前方に突出する膨出部102が形成される。
縦壁97gは、図16Aの冷気ダクト75と同様に、後方に突出する凸部97g1を備え、当該凸部97g1によって貯蔵室101側に凹部97g2が形成される。凹部97g2は、冷蔵庫本体97の正面図である図18Bに示すように、正面視で矩形状である。凹部97g2には、支持部としてのフック103が形成されている。
フック103は、第2の実施形態のフック83と同様に、凹部97g2の底面から貯蔵室101側に向けて突出する基部103aと、基部103aの先端から上方に向けて突出する先端部103bとを備える。フック103は、先端部103bの貯蔵室101側の端部が、縦壁97gの貯蔵室101側の前面97g3と同一面か、前面97g3よりも凹部97g2内に収まる側に位置している。
棚部材85は、図17A、図17Bに示したものとほぼ同様である。すなわち、縦壁97gの凹部97g2に入り込む突起87を備え、突起87は、図18A中で下方へ向けてほぼ90度の角度で屈曲する係止部87aを備えている。図18Bに示すように、冷蔵庫本体97の左右の側壁97c,97dの内壁面には、棚受け105,107が互いに対向する方向に突出している。棚受け105,107は、棚部材85の前方側(図18B中で紙面手前側)の左右両側部がそれぞれ載せられる。
冷蔵庫本体97の正面図である図18Bに示すように、圧縮機95は、冷蔵庫本体97の左右方向のほぼ中央に位置している。凹部97g2及び凸部97g1は、圧縮機95に対して左右方向で重ならないように、圧縮機95に対して左右両側にずれた位置にある。
第3の実施形態は、棚部材85を支持するフック103が、貯蔵室101の内壁の表面(縦壁97gの前面97g3)に対して凹んだ凹部97g2に形成されている。この場合、フック103が、縦壁97gの前面97g3から貯蔵室101側に突出しておらず、凹部97g2内に収まるように設けられている。このため、貯蔵室101の貯蔵スペースがフック103によって狭くなることを抑制できる。その際、凹部97g2によって後方に突出する凸部97g1は、圧縮機95に対し左右方向にずれた位置にあるため、圧縮機95への干渉が抑制されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、第1の実施形態の冷蔵庫1において、図19及び図20に示すように、膨出部19の横壁19bの上側に位置する上側貯蔵領域7A、換言すれば機械室20の上側に位置する上側貯蔵領域7Aに、棚部材29を取り付けることができる。この場合、図21にも示すように、内箱11の右側壁5dの内面に、第2上リブ109及び第2下リブ111を形成する。
第2上リブ109及び第2下リブ111は、横壁19bと隔壁15との間にあって、上側貯蔵領域7A内の上下方向ほぼ中央に位置する。第2上リブ109及び第2下リブ111は、前後方向の長さが同等であり、内箱11の後壁5eから前方に向けて延在し、前端が膨出部19の縦壁19aよりもやや後方に位置している。図19に示すように、第2上リブ109及び第2下リブ111の正面視での形状は、上リブ23及び下リブ25の正面視での形状とほぼ同等であり、第2上リブ109と第2下リブ111との間に、上リブ23と下リブ25との間の隙間27と同様な第2隙間113が形成されている。
図19に示すように、内箱11の後壁5eの左右方向中央には、前方に向けて突出する突部115が形成され、突部115の前側に前述した受皿18が設けられている。受皿18が受ける冷却器11側からの結露水は、突部115の裏側に設けてある図20に示す配管117を通して貯蔵室7の外部に排出される。
突部115は、上側貯蔵領域7A内で上下方向に延在しており、図20の断面形状で示すように、前側(図20中で下側)程左右方向の幅が狭くなっている。突部115の先端側の断面形状にほぼ整合するように、棚部材29の切欠部47の凹形状が形成されている。なお、図19及び図20に示す棚部材29は、切欠部47の位置が、図2及び図4Aに示す棚部材29に対し左方向にずれ、かつ、左右方向の長さも長くなっており、これにより突部115と切欠部47とが整合する。
したがって、棚部材29を上側貯蔵領域7Aで使用する場合には、側部外周リブ45bを前方から第2隙間113に挿入しながら、棚部材29を後方へ押し込むと、図20に示すように切欠部47が突部115に整合する。このとき棚部材29は、突出部43の下端が膨出部19の横壁19b上に接触することで、ほぼ水平な状態で支持される。また、突部115の先端側の一部のみが切欠部47に入り込むので、棚部材29の後端と内箱11の後壁5eとの間には後壁隙間119が形成される。
上記した例では、棚部材29の切欠部47を突部115に整合させて嵌め合わせることで、突部115が大きな邪魔になることなく、上側貯蔵領域7Aにおいて棚部材29を内箱11に安定して支持させることができる。このとき、冷却器17から流下する冷気の一部は、後壁隙間119を通って膨出部19の横壁19b上に流下し、横壁19b上に配置した貯蔵物をより効率よく冷却できる。
上記した例の棚部材29は、第1の実施形態の図2に示す棚部材29と同様に、上リブ23、下リブ25及びフック37bを利用して取り付けることができる。このため、棚部材29は、図19及び図20に示すような上側貯蔵領域7Aで使用する場合と、図2と同様の位置で使用する場合とのいずれかを選択することができる。したがって、棚部材29を貯蔵室7内で取り付けて使用する際のバリエーションが増加し、使い勝手が向上する。
1,71,93 冷蔵庫
5,77,97 冷蔵庫本体
7,73,101 貯蔵室
17 冷却器
19,102 膨出部
19c 膨出部の角部
29,85 棚部材
33,35 傾斜面部(凹部)
37b,83,103 フック(支持部)
47,49 切欠部
75a 凸部
75b,97g2 凹部
79 冷気通路

Claims (8)

  1. 冷蔵庫本体に設けられる貯蔵室と、
    前記貯蔵室の内部に取り外し可能に設けられる棚部材と、
    前記貯蔵室の内壁に設けられ、前記棚部材を支持する支持部と、を有し、
    前記支持部は、前記貯蔵室の内壁の表面に対して凹んだ凹部に形成され
    前記棚部材の一端側は、前記貯蔵室の側方側の内壁に取り付けられ、
    前記棚部材の他端側は、前記貯蔵室の後方側の下部に設けた膨出部の前端に取り付けられ、
    前記棚部材の前記他端側には、前記他端側から下方に突出して前記膨出部の前面に当接する突出部が設けられていることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記貯蔵室は、後方側の内壁から前方に突出する前記膨出部が設けられ、前記膨出部に前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記貯蔵室の後方側の外側に、圧縮機を収容する機械室が形成され、前記機械室によって前記膨出部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記貯蔵室の上部に当該貯蔵室を冷却する冷却器が設けられ、前記冷却器による冷気の自然対流によって前記貯蔵室を冷却する冷蔵庫であって、
    前記膨出部は、前記貯蔵室の後方側の外側下部に設けられ、
    前記膨出部の前面と上面との間の角部に前記凹部が形成され、
    前記凹部は、前記膨出部の前面及び上面に対して傾斜する傾斜面部により構成され、
    前記棚部材は、前記傾斜面部に設けられる前記支持部に支持された状態で後部が前記傾斜面部に対向していることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
  5. 前記棚部材は、前記支持部に支持された状態で、前記膨出部に対向する後部に、前記膨出部との間隔を大きくするように切り欠かれた切欠部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の冷蔵庫。
  6. 前記貯蔵室の後方側に冷気が流通する冷気通路が設けられ、前記冷気通路を形成するカバー部材によって前記膨出部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
  7. 前記膨出部に設けられる前記凹部によって、前記冷気通路側に突出する凸部が形成され、前記凸部は、前記冷気通路内における冷気の流れを整流する機能を有することを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
  8. 前記貯蔵室の後方側に前記貯蔵室を冷却する冷却器が設けられ、前記冷却器の前記貯蔵室側を覆うカバー部材によって前記膨出部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
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