JP7133135B1 - エレベータ及び張り車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 張り車装置が水没した状態で、かごを走行させることができるエレベータを提供する。【解決手段】 エレベータは、上下方向に走行するかごと、かごに接続されるガバナロープに張力を付与するために、ガバナロープに吊り下げられる張り車装置と、昇降路内の水位が張り車装置よりも高い位置に達することを検出する水位検出部と、水位検出部が水位を検出した場合に、かごの走行を休止させる処理部と、を備え、張り車装置は、ガバナロープが巻き掛けられる回転可能な張り車と、張り車に接続される錘体と、張り車の少なくとも一部を覆うカバー体と、を備える。【選択図】 図5

Description

本出願は、エレベータ及び張り車装置に関する。
従来、例えば、エレベータは、かごと、昇降路内の水位が基準高さに達することを検出する水位検出部と、かごの走行を制御する処理部とを備えている(例えば、特許文献1)。そして、水位検出部が水位を検出した場合に、処理部は、基準高さよりも高い範囲でかごの走行を可能としている。
また、エレベータは、かごの走行速度を検出する調速機を備えている。そして、調速機は、ガバナシーブと、かごに接続され、ガバナシーブに巻き掛けられるガバナロープと、ガバナロープに張力を付与するために、ガバナロープが巻き掛けられる張り車を有する張り車装置とを備えている(例えば、特許文献2)。
ところで、張り車が円滑に回転できない場合には、調速機がかごの速度を適正に検出することができなかったり、かごの停止部が起動してかごが停止したりする。そして、昇降路内が浸水し、張り車装置が水没し、異物が水中を移動して張り車へ侵入した場合に、張り車が円滑に回転できなくなる虞があるため、張り車装置が水没した状態で、かごの走行を許可することができない。
特開昭51-102852号公報 特開平3-51284号公報
そこで、課題は、張り車装置が水没した状態で、かごを走行させることができるエレベータを提供することである。
エレベータは、上下方向に走行するかごと、前記かごに接続されるガバナロープに張力を付与するために、前記ガバナロープに吊り下げられる張り車装置と、昇降路内の水位が前記張り車装置よりも高い位置に達することを検出する水位検出部と、前記水位検出部が水位を検出した場合に、前記かごの走行を休止させる処理部と、を備え、前記張り車装置は、前記ガバナロープが巻き掛けられる張り車と、前記張り車に接続される錘体と、前記張り車の少なくとも一部を覆うカバー体と、を備える。
また、エレベータにおいては、前記カバー体は、上方から前記張り車の少なくとも一部を覆う上カバー部を備える、という構成でもよい。
また、エレベータにおいては、前記錘体は、下方から前記張り車の少なくとも一部を覆うように、前記張り車よりも下方に配置され、前記カバー体は、前記張り車の軸方向である第1横方向の一方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第1車カバー部と、前記第1横方向の他方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第2車カバー部と、前記第1横方向と直交する第2横方向の一方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第3車カバー部と、前記第2横方向の他方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第4車カバー部と、を備える、という構成でもよい。
また、エレベータにおいては、前記カバー体は、前記張り車の軸方向である第1横方向から前記張り車及び前記錘体との隙間の少なくとも一部を覆うように、前記第1横方向視において前記張り車及び前記錘体に跨って配置される隙間カバー部を備える、という構成でもよい。
また、エレベータにおいては、前記錘体は、円弧状に凹む凹部を備え、前記凹部は、前記張り車の外周部に沿って配置される、という構成でもよい。
また、張り車装置は、前記のエレベータに用いられる。
図1は、一実施形態に係るエレベータの概要図である。 図2は、同実施形態に係る張り車装置の正面図である。 図3は、同実施形態に係る張り車装置の右側面図である。 図4は、同実施形態に係る張り車装置の平面図である。 図5は、同実施形態に係るカバー体の正面図である。 図6は、同実施形態に係るカバー体の背面図である。 図7は、同実施形態に係るカバー体の右側面図である。 図8は、同実施形態に係るカバー体の左側面図である。 図9は、同実施形態に係るカバー体の平面図である。
以下、エレベータ及び張り車装置における一実施形態について、図1~図9を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1に示すように、エレベータ1は、例えば、人が乗るためのかご2と、かご2に接続されるかごロープ3と、かごロープ3に接続される釣合錘4と、かごロープ3を駆動してかご2を走行させる巻上機5とを備えていてもよい。また、エレベータ1は、例えば、かご2を案内するかごレール6と、釣合錘4を案内する錘レール7と、かご2の走行速度を検出する調速機8と、エレベータ1の各部を制御する処理部9とを備えていてもよい。
本実施形態に係るエレベータ1においては、巻上機5は、昇降路X1内に配置されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、巻上機5は、昇降路X1の上部に設けられる機械室の内部に配置されている、という構成でもよい。
また、本実施形態においては、かごロープ3の両端がそれぞれ昇降路X1の上部又は下部に固定され、かごロープ3がかご2のシーブ2a及び釣合錘4のシーブ4aにそれぞれ巻き掛けられることによって、かごロープ3がかご2及び釣合錘4にそれぞれ接続されている、という構成であるが、斯かる構成に限られない。例えば、かごロープ3の一端がかご2に固定され、かごロープ3の他端が釣合錘4に固定されている、という構成でもよい。
巻上機5は、例えば、かごロープ3が巻き掛けられる綱車5aと、綱車5aを回転させる駆動源5bと、綱車5aを制動する制動部5cとを備えていてもよい。また、調速機8は、例えば、かご2に接続される無端環状のガバナロープ8aと、かご2の速度を検出するために、ガバナロープ8aが巻き掛けられるガバナシーブ8bと、ガバナロープ8aに張力を付与するために、ガバナロープ8aに吊り下げられる張り車装置10と、張り車装置10をガイドするガイド部8cと、ガバナロープ8aを把持する把持部8dとを備えていてもよい。
かご2は、例えば、かごレール6を挟むことによってかご2を停止させる停止部2bと、調速機8の動作を停止部2bへ伝達する伝達部2cとを備えていてもよい。そして、例えば、かご2の速度が設定速度を超えた場合に、把持部8dがガバナロープ8aを把持し、ガバナロープ8aの走行が停止されることによって、かご2の停止部2bは、作動する、という構成でもよい。
また、エレベータ1は、例えば、昇降路X1内の水位が第1水高さに達することを検出する第1水位検出部11と、昇降路X1内の水位が第1水高さよりも低い第2水高さに達することを検出する第2水位検出部12とを備えていることが好ましい。各水位検出部11,12の構成は、昇降路X1内の水位を検出できれば、特に限定されず、各水位検出部11,12は、例えば、フロート式センサでもよく、また、例えば、電極棒式センサでもよい。
第1水高さは、張り車装置10よりも高い。そして、第1水高さは、例えば、巻上機5の高さよりも、低いことが好ましい。なお、第2水高さは、例えば、張り車装置10よりも高くてもよく、また、例えば、張り車装置10よりも低くてもよい。
処理部9は、例えば、巻上機5を制御することによって、かご2の走行を制御してもよい。そして、処理部9は、例えば、ソフトシーケンス(例えば、プログラマブルロジックコントローラによるプログラム制御)の回路を備えていてもよく、また、例えば、ハードシーケンス(リレー等の有接点機器による実配線制御)の回路を備えていてもよい。
処理部9は、例えば、水位検出部11,12の検出に基づいて、かご2の走行を制御してもよい。具体的には、処理部9は、例えば、第1及び第2水位検出部11,12が水位を検出していない場合には、正常(通常)時運転を行い、第2水位検出部12のみが水位を検出した場合には、非常(浸水)時運転を行い、さらに、第1水位検出部11も水位を検出した場合には、かご2の走行を休止させる、という構成でもよい。
ここで、処理部9の制御の一例について説明する。なお、処理部9の制御は、以下の説明に限定されない。
<正常時運転>
第2水位検出部12が水位を検出していない正常時、即ち、昇降路X1内に水が流れ込んでいない正常時には、処理部9は、正常時運転を行う。このとき、処理部9は、操作盤(例えば、乗場に配置される乗場操作盤、かご2内に配置されるかご操作盤等)に入力された情報に基づいて、かご2の走行を制御する。なお、正常時運転の走行範囲は、最下階から最上階までの範囲である。
<非常時運転>
昇降路X1内に水が流れ込み、水位が第2水高さまで達し、第2水位検出部12が水位を検出した非常時に、処理部9は、非常時運転を行う。そして、非常時運転においては、処理部9は、第1水高さよりも高い非常時走行範囲で、かご2の走行を可能とする。例えば、非常時運転の走行範囲は、第1水高さよりも高い階から最上階までの範囲とすることができる。
なお、処理部9は、非常時運転中のかご2の最高速度を、正常時運転中のかご2の最高速度よりも遅くする、という構成が好ましい。特に限定されないが、例えば、非常時運転中のかご2の最高速度は、正常時運転中のかご2の最高速度の50%以下としてもよい。また、処理部9は、例えば、非常時運転中のかご2の最高加速度を、正常時運転中のかご2の最高加速度よりも遅くする、という構成が好ましい。
また、第2水位検出部12が水位を検出した場合に、処理部9は、例えば、走行中のかご2を最寄り階に停止させて、かご2の走行を休止させてもよい。そして、手動操作による入力部(例えば、セレクトスイッチ等)に、走行許可の指示が入力された場合に、処理部9は、非常時運転を可能とする、という構成でもよい。また、第2水位検出部12が水位を検出した場合に、処理部9は、正常時運転から非常時運転に自動的に切り替える、という構成でもよい。
<走行停止>
万が一、昇降路X1内に水がさらに流れ込むことによって、昇降路X1内が浸水し、水位が第1水高さまで達し、第1水位検出部11が水位を検出した場合には、処理部9は、例えば、走行中のかご2を最寄りの階に停止させて、かご2の走行を休止させる。これにより、昇降路X1内が浸水した場合に、かご2が水中に突入することを防止することができる。
本明細書において、「停止」とは、例えば、走行中のかご2が止まることをいい、「休止」とは、例えば、停止した上で、操作盤に情報が入力された場合でも、かご2が走行しないことをいう。そして、かご2の走行が休止された場合に、非常状態が解消されても、自動復旧することなく、例えば、非常状態が解消されて且つ所定の手動操作を行うことによって、かご2の走行が再び可能となる、という構成としてもよい。
このように、昇降路X1内の水位が第1水高さに達するまで、かご2を走行させることができる。一方で、非常時運転を行っている場合には、張り車装置10が水没した状態で、かご2が走行することになる。そこで、張り車装置10は、水没した状態でも対応できる構成となっている。
そこで、以下に、本実施形態に係る張り車装置10の構成について、図2~図9を参照しながら説明する。
図2~図4に示すように、張り車装置10は、ガバナロープ8aが巻き掛けられる回転可能な張り車13と、張り車13よりも下方に配置され、張り車13に接続される錘体14と、張り車13を覆うカバー体15とを備えている。また、張り車装置10は、例えば、本実施形態のように、張り車13と錘体14とを接続する接続部16と、ガイド部8cにガイドされる被ガイド部17とを備えていてもよい。
なお、図2~図4においては、カバー体15は、外縁のみを二点鎖線で図示されている。また、図2~図4(図5~図9も同様)において、第1方向D1は、水平方向であって、張り車13の回転軸方向と平行である第1横方向D1といい、第2方向D2は、水平方向であって、第1横方向D1と直交する方向である第2横方向D2といい、第3方向D3は、鉛直方向であって、上下方向D3という。
張り車13は、例えば、本実施形態のように、軸部13aと、ガバナロープ8aが巻き掛けられる凹状の外周部13bと、内部に配置される複数の開口13cとを備えていてもよい。なお、複数の開口13cは、例えば、張り車13の軽量化を目的として設けられていてもよい。
接続部16の構成は、特に限定されない。例えば、接続部16は、本実施形態のように、張り車13から錘体14まで延びる板材16aと、板材16aと錘体14とを固定する固定具16bと、張り車13の軸部13aを回転可能に支持する軸支材16cとを備えていてもよい。
被ガイド部17の構成は、特に限定されない。例えば、本実施形態のように、被ガイド部17は、上下方向D3へ延び且つ第1横方向D1に離れる一対の板材17a,17aを備え、板状のガイド部8cが一対の板材17a,17aの間に挿入されることによって、被ガイド部17は、ガイド部8cにガイドされる、という構成でもよい。
錘体14は、上面部に、円弧状に凹む凹部14aを備えている。そして、錘体14の凹部14aは、張り車13の外周部13bに沿って配置されている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を移動して張り車13と錘体14との隙間へ侵入することを抑制することができる。
なお、例えば、第1横方向D1視において、錘体14の凹部14aと張り車13の外周部13bとの隙間の幅は、一定(同じだけでなく、±10%又は±5mmの差異を含む略同じも含む)である、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、錘体14の凹部14aと張り車13の外周部13bとの隙間の幅は、例えば、100mm以下とすることが好ましく、また、例えば、50mm以下とすることがより好ましい。
特に、錘体14の凹部14aと張り車13の外周部13bとの隙間の幅は、ガバナロープ8aの直径よりも、小さい、という構成が特に好ましい。これにより、ガバナロープ8aが錘体14と張り車13との隙間を通過できないため、ガバナロープ8aが張り車13から外れることを抑制することができる。
そして、カバー体15は、本実施形態のように、第1横方向D1の一方から張り車13を覆う第1横カバー部18と、第1横方向D1の他方から張り車13を覆う第2横カバー部19と、第2横方向D2の一方から張り車13を覆う第3横カバー部20と、第2横方向D2の他方から張り車13を覆う第4横カバー部21とを備えていることが好ましい。また、カバー体15は、本実施形態のように、上方から張り車13を覆う上カバー部22を備えていることが好ましい。
ところで、図4に示すように、錘体14は、下方から張り車13を覆っていることが好ましい。即ち、錘体14は、上下方向D3視において、張り車13と重なるように、配置されていることが好ましい。
これにより、張り車装置10が水没したときに、異物(例えば、水よりも小さい比重である異物)が水中を上昇して張り車13へ侵入することを抑制することができる。なお、本実施形態においては、錘体14は、上下方向D3視において、張り車13の全体を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13の一部を覆っている、という構成でもよい。
図5及び図6に示すように、第1及び第2横カバー部18,19は、例えば、板状に形成されていてもよい。そして、第1及び第2横カバー部18,19は、第1横方向D1に離れて配置され、張り車13は、第1横方向D1において、第1及び第2横カバー部18,19の間に配置されていてもよい。
第1横カバー部18は、本実施形態のように、第1横方向D1の一方から張り車13を覆う第1車カバー部18aと、第1横方向D1の一方から張り車13及び錘体14との隙間を覆う第1隙間カバー部18bとを備えていることが好ましい。また、第2横カバー部19は、本実施形態のように、第1横方向D1の他方から張り車13を覆う第2車カバー部19aと、第1横方向D1の他方から張り車13及び錘体14との隙間を覆う第2隙間カバー部19bとを備えていることが好ましい。
第1及び第2車カバー部18a,19aのそれぞれは、第1横方向D1視において、張り車13と重なるように配置されている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を第1横方向D1へ移動して張り車13へ侵入することを抑制することができる。
例えば、第1及び第2車カバー部18a,19aのそれぞれは、第1横方向D1視において、張り車13の開口13cの全部を覆うように配置されている、という構成が好ましい。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を移動して張り車13の開口13cへ侵入することを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第1車カバー部18aは、第1方向D1視において、張り車13の一部を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13の全部を覆っている、という構成でもよい。また、本実施形態においては、第2車カバー部19aは、第1方向D1視において、張り車13の全部を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13の一部を覆っている、という構成でもよい。
第1及び第2隙間カバー部18b,19bのそれぞれは、第1横方向D1視において張り車13及び錘体14に跨って配置されている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を第1横方向D1へ移動して張り車13と錘体14との隙間へ侵入することを抑制することができる。
なお、第1隙間カバー部18bは、本実施形態のように、第1横方向D1視において、張り車13及び錘体14との隙間の全部を覆っている、という構成が好ましいが、例えば、張り車13及び錘体14との隙間の一部を覆っている、という構成でもよい。また、第2隙間カバー部19bは、本実施形態のように、第1横方向D1視において、張り車13及び錘体14との隙間の全部を覆っている、という構成が好ましいが、例えば、張り車13及び錘体14との隙間の一部を覆っている、という構成でもよい。
図7及び図8に示すように、第3及び第4横カバー部20,21は、例えば、板状に形成されていてもよい。そして、第3及び第4横カバー部20,21は、第2横方向D2に離れて配置され、張り車13は、第2横方向D2において、第3及び第4横カバー部20,21の間に配置されていてもよい。
第3横カバー部20は、本実施形態のように、第2横方向D2の一方から張り車13を覆う第3車カバー部20aと、第2横方向D2の一方から張り車13及び錘体14との隙間を覆う第3隙間カバー部20bとを備えてることが好ましい。また、第4横カバー部21は、本実施形態のように、第2横方向D2の他方から張り車13を覆う第4車カバー部21aと、第2横方向D2の他方から張り車13及び錘体14との隙間を覆う第4隙間カバー部21bとを備えていることが好ましい。
第3及び第4車カバー部20a,21aのそれぞれは、第2横方向D2視において、張り車13と重なるように配置されている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を第2横方向D2へ移動して張り車13へ侵入することを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第3車カバー部20aは、第2横方向D2視において、張り車13の一部を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13の全部を覆っている、という構成でもよい。また、本実施形態においては、第4車カバー部21aは、第2横方向D2視において、張り車13の一部を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13の全部を覆っている、という構成でもよい。
第3及び第4隙間カバー部20b,21bのそれぞれは、第2横方向D2視において張り車13及び錘体14に跨って配置されている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を第2横方向D2へ移動して張り車13と錘体14との隙間へ侵入することを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、第3隙間カバー部20bは、第2横方向D2視において、張り車13及び錘体14との隙間の一部を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13及び錘体14との隙間の全部を覆っている、という構成でもよい。また、本実施形態においては、第4隙間カバー部21bは、第2横方向D2視において、張り車13及び錘体14との隙間の全部を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13及び錘体14との隙間の一部を覆っている、という構成でもよい。
図9に示すように、上カバー部22は、例えば、板状に形成されていてもよい。そして、上カバー部22は、上下方向D3視において、張り車13と重なるように、配置されている。
これにより、張り車装置10が水没したときに、異物(例えば、水よりも大きい比重である異物)が水中を下降して張り車13へ侵入することを抑制することができる。なお、本実施形態においては、上カバー部22は、上下方向D3視において、張り車13の一部を覆っている、という構成であるが、例えば、張り車13の全部を覆っている、という構成でもよい。
このように、カバー体15は、張り車13や、張り車13と錘体14との隙間を覆っている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を移動して張り車13や、張り車13と錘体14との隙間へ侵入することを抑制することができる。
したがって、例えば、張り車13に異物が噛み込むことによって、張り車13が円滑に回転できなくなることを抑制することができる。その結果、不具合(例えば、調速機8がかご2の速度を適正に検出できない不具合や、かご2の停止部2bが起動してかご2が停止する不具合等)が発生することを抑制することができる。
以上より、本実施形態のように、エレベータ1は、上下方向D3に走行するかご2と、前記かご2に接続されるガバナロープ8aに張力を付与するために、前記ガバナロープ8aに吊り下げられる張り車装置10と、昇降路X1内の水位が前記張り車装置10よりも高い位置に達することを検出する水位検出部(本実施形態においては、第1水位検出部)11と、前記水位検出部11が水位を検出した場合に、前記かご2の走行を休止させる処理部9と、を備え、前記張り車装置10は、前記ガバナロープ8aが巻き掛けられる張り車13と、前記張り車13に接続される錘体14と、前記張り車13の少なくとも一部を覆うカバー体15と、を備える、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、昇降路X1内の水位が張り車装置10よりも高い位置に達した場合に、かご2の走行が休止される。これにより、張り車装置10が水没した状態でも、かご2を走行することができる。そして、カバー体15が張り車13の少なくとも一部を覆うため、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を移動して張り車13へ侵入することを抑制することができる。
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記カバー体15は、上方から前記張り車13の少なくとも一部を覆う上カバー部22を備える、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、上カバー部22は、張り車13の少なくとも一部を上方から覆っている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を下降して張り車13へ侵入することを抑制することができる。
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記錘体14は、下方から前記張り車13の少なくとも一部を覆うように、前記張り車13よりも下方に配置され、前記カバー体15は、前記張り車13の軸方向である第1横方向D1の一方から、前記張り車13の少なくとも一部を覆う第1車カバー部18aと、前記第1横方向D1の他方から、前記張り車13の少なくとも一部を覆う第2車カバー部19aと、前記第1横方向D1と直交する第2横方向D2の一方から、前記張り車13の少なくとも一部を覆う第3車カバー部20aと、前記第2横方向D2の他方から、前記張り車13の少なくとも一部を覆う第4車カバー部21aと、を備える、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、上カバー部22は、上方から張り車13を覆い、錘体14は、下方から張り車13を覆い、各車カバー部18a,19a,20a,21aは、横方向D1,D2の四方から張り車13をそれぞれ覆っている。これにより、張り車13は、上カバー部22、錘体14及び各車カバー部18a,19a,20a,21aによって、六方から覆われているため、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を移動して張り車13へ侵入することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記カバー体15は、前記張り車13の軸方向である第1横方向D1から前記張り車13及び前記錘体14との隙間の少なくとも一部を覆うように、前記第1横方向D1視において前記張り車13及び前記錘体14に跨って配置される隙間カバー部18b,19bを備える、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、隙間カバー部18b,19bが、第1横方向D1視において、張り車13及び錘体14に跨って配置されているため、張り車13及び錘体14との隙間の少なくとも一部は、隙間カバー部18b,19bによって、第1横方向D1から覆われている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を移動して張り車13と錘体14との隙間へ侵入することを抑制することができる。
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記錘体14は、円弧状に凹む凹部14aを備え、前記凹部14aは、前記張り車13の外周部13bに沿って配置される、という構成が好ましい。
斯かる構成によれば、円弧状に凹む錘体14の凹部14aは、張り車13の外周部13bに沿って配置されている。これにより、張り車装置10が水没したときに、異物が水中を移動して張り車13と錘体14との隙間へ侵入することを抑制することができる。
なお、エレベータ1及び張り車装置10は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1及び張り車装置10は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
(1)上記実施形態に係る張り車装置10においては、錘体14は、上面部に、円弧状に凹む凹部14aを備えている、という構成である。しかしながら、張り車装置10は、斯かる構成に限られない。例えば、錘体14の上面部は、平面状に形成されている、という構成でもよい。
(2)また、上記実施形態に係る張り車装置10においては、カバー体15は、第1~第4横カバー部18,19,20,21及び上カバー部22を備えている、という構成である。しかしながら、張り車装置10は、斯かる構成に限られない。例えば、カバー体15は、第1~第4横カバー部18,19,20,21及び上カバー部22の一部を備えていない、という構成でもよい。
(3)また、上記実施形態に係る張り車装置10においては、錘体14は、下方から張り車13を覆うように、張り車13よりも下方に配置されている、という構成である。しかしながら、張り車装置10は、斯かる構成に限られない。例えば、錘体14は、上下方向D3視において、張り車13から横方向D1,D2へ離れて配置されている、という構成でもよい。また、例えば、錘体14は、張り車13と横方向D1,D2に並ぶように、又は、張り車13よりも上方に配置されている、という構成でもよい。
1…エレベータ、2…かご、2a…シーブ、2b…停止部、2c…伝達部、3…かごロープ、4…釣合錘、4a…シーブ、5…巻上機、5a…綱車、5b…駆動源、5c…制動部、6…かごレール、7…錘レール、8…調速機、8a…ガバナロープ、8b…ガバナシーブ、8c…ガイド部、8d…把持部、9…処理部、10…張り車装置、11…第1水位検出部、12…第2水位検出部、13…張り車、13a…軸部、13b…外周部、13c…開口、14…錘体、14a…凹部、15…カバー体、16…接続部、16a…板材、16b…固定具、16c…軸支材、17…被ガイド部、17a…板材、18…第1横カバー部、18a…第1車カバー部、18b…第1隙間カバー部、19…第2横カバー部、19a…第2車カバー部、19b…第2隙間カバー部、20…第3横カバー部、20a…第3車カバー部、20b…第3隙間カバー部、21…第4横カバー部、21a…第4車カバー部、21b…第4隙間カバー部、22…上カバー部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…昇降路

Claims (6)

  1. 上下方向に走行するかごと、
    前記かごに接続されるガバナロープに張力を付与するために、前記ガバナロープに吊り下げられる張り車装置と、
    昇降路内の水位が前記張り車装置よりも高い位置に達することを検出する水位検出部と、
    前記水位検出部が水位を検出した場合に、前記かごの走行を休止させる処理部と、を備え、
    前記張り車装置は、前記ガバナロープが巻き掛けられる張り車と、前記張り車に接続される錘体と、前記張り車の少なくとも一部を覆うカバー体と、を備え
    前記張り車は、軸部と、前記ガバナロープが巻き掛けられる外周部と、前記軸部と前記外周部との間に配置される複数の開口と、を備え、
    前記カバー体は、
    前記張り車の軸方向である第1横方向の一方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第1車カバー部と、
    前記第1横方向の他方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第2車カバー部と、を備え、
    前記第1車カバー部及び前記第2車カバー部のそれぞれは、前記第1横方向視において前記張り車の前記開口の全部を覆うように、配置される、エレベータ。
  2. 前記カバー体は、上方から前記張り車の少なくとも一部を覆う上カバー部を備える、請求項1に記載のエレベータ。
  3. 前記錘体は、下方から前記張り車の少なくとも一部を覆うように、前記張り車よりも下方に配置され、
    前記カバー体は
    記第1横方向と直交する第2横方向の一方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第3車カバー部と、
    前記第2横方向の他方から、前記張り車の少なくとも一部を覆う第4車カバー部と、をさらに備える、請求項2に記載のエレベータ。
  4. 前記カバー体は、前記張り車の軸方向である第1横方向から前記張り車及び前記錘体との隙間の少なくとも一部を覆うように、前記第1横方向視において前記張り車及び前記錘体に跨って配置される隙間カバー部を備える、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータ。
  5. 前記錘体は、円弧状に凹む凹部を備え、
    前記凹部は、前記張り車の外周部に沿って配置される、請求項1~4の何れか1項に記載のエレベータ。
  6. 請求項1~5の何れか1項に記載のエレベータに用いられる張り車装置。
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