JP7131188B2 - 発電制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、発電制御装置に関する。
発電機と、発電機に接続されるリチウムイオン蓄電池と、発電機に接続される鉛蓄電池と、発電機および鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池との間の電路を開閉する半導体スイッチと、を備える車載用電源システムが知られている。この車載用電源システムは、発電機が回生発電しているか否かに応じて発電機の発電電圧と、半導体スイッチの開閉状態とを変化させる。例えば、車載用電源システムは、発電機が回生発電している場合には、発電機の発電電圧を上昇させた後、半導体スイッチを閉じる(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1に記載のように発電機の発電電圧を上昇させた後、半導体スイッチを閉じると、半導体スイッチを閉じた状態に切り替えたときにスイッチに流入する電流値が過大になって、スイッチが破損する可能性がある。
そこで、スイッチを閉じる場合には、スイッチに流入する電流値が所定値以下になることが推定される場合に限ったり、発電機の発電電圧が所定値以下である場合に限ったりすることで、スイッチの破損を防止することが考えられる。つまり、スイッチの破損を防止するために、上述の条件の成立の後に、スイッチを閉じてから発電機の発電電圧を、蓄電池を充電可能な発電電圧に上昇させる方法がある。
しかしながら、条件の成立から充電に必要な発電電圧を得るまでに余計な時間が消費されてしまうと、スイッチの制御周期や通信周期の影響によって、バッテリーの充電が遅れる可能性がある。
そこで、本発明は、スイッチの破損を確実に防止し、かつ蓄電池の充電の応答性を向上させる発電制御装置を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明に係る発電制御装置は、発電機と、前記発電機の発電電圧を制御する発電制御部と、前記発電機に接続される第一蓄電池と、前記発電機に接続される第二蓄電池と、前記発電機と前記第一蓄電池との間の電路を開閉する第一スイッチと、前記発電機と前記第二蓄電池との間の電路を開閉する第二スイッチと、前記第一スイッチおよび前記第二スイッチを、それぞれ個別に開閉させるスイッチ制御部と、少なくとも前記第一スイッチに流れる電流値に基づいて前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可する開閉許可判断部と、を備え、前記スイッチ制御部は、前記開閉許可判断部が前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可した場合に、前記第二スイッチを閉じることが可能であり、前記発電制御部は、前記開閉許可判断部が前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可すると、前記発電機の発電電圧を第一発電電圧まで上昇させ、前記スイッチ制御部が前記第二スイッチを閉じ終えると、前記発電機の発電電圧を前記第一発電電圧より大きい第二発電電圧まで上昇させる。
本発明によれば、スイッチの破損を確実に防止し、かつ蓄電池の充電の応答性を向上させる発電制御装置を提供できる。
本発明に係る発電制御装置の実施形態について図1から図3を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
図1は、本発明の実施形態に係る発電制御装置が適用されるハイブリッド車両のブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るハイブリッド車両1は、複数の動力源、つまり内燃機関2(以下「エンジン2」という。)と、電動発電機3(Motor Generator、MG、以下「モータージェネレーター3」という。)と、を備えている。ハイブリッド車両1は、運転条件に応じてエンジン2とモータージェネレーター3とを複合的に用いて走行する。ハイブリッド車両1は、例えば、発進時や加速時には、モータージェネレーター3を力行させてエンジン2の駆動力を補助する一方、慣性走行時や制動時には、モータージェネレーター3を回生させて発電を行い、余剰の運動エネルギーを電力に変換する。ハイブリッド車両1は、例えば、普通乗用車、バス、トラックなどを含む。
本実施形態に係る発電制御装置5は、ハイブリッド車両1に搭載される車載用の電源システムを制御する制御装置である。
ハイブリッド車両1は、一対の駆動輪6と、エンジン2と、エンジン2の駆動を補助することが可能なモータージェネレーター3と、エンジン2の駆動力およびモータージェネレーター3の駆動力を変速して駆動輪6へ伝達する変速機7と、エンジン2と変速機7との間、かつモータージェネレーター3と変速機7との間に設けられて内燃機関2の駆動力およびモータージェネレーター3の駆動力の伝達と遮断とを切り替えるクラッチ8と、変速機7からそれぞれの駆動輪6へ駆動力を振り分けて伝達する差動歯車9と、を備えている。
また、ハイブリッド車両1は、モータージェネレーター3の力行で消費される電力を蓄え、かつモータージェネレーター3の回生で発電した電力を蓄える2つの蓄電池10、11と、エンジン2、およびモータージェネレーター3の運転制御を行う制御部12と、を備えている。
エンジン2は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンである。エンジン2は、1つ以上の気筒内で燃料を燃焼させて熱エネルギーを発生させ、この熱エネルギーでクランクシャフト15を回転駆動させる。つまり、エンジン2の駆動力は、クランクシャフト15から出力される。
モータージェネレーター3は、クランキングを行う機能も有している。なお、エンジン2の駆動を補助する限りにおいて、ハイブリッド車両1は、モータージェネレーター3に代えて、電動機(Motor、モーター)としての機能のない発電機を備えていても良い。
エンジン2とモータージェネレーター3との間には、動力伝達機構16が設けられている。動力伝達機構16は、エンジン2とモータージェネレーター3との間で相互に駆動力を伝える。動力伝達機構16は、モータージェネレーター3の出力軸17に設けられる第一プーリー21と、エンジン2の出力軸であるクランクシャフト15に設けられる第二プーリー22と、第一プーリー21と第二プーリー22との間に架け渡される無端状のベルト23と、を備えている。ベルト23は、エンジン2の駆動を補助するモータージェネレーター3の駆動力(出力トルク、力行トルク)をエンジン2へ伝達することが可能な一方で、ハイブリッド車両1の慣性走行時や制動時には、エンジン2側からモータージェネレーター3へ駆動力を伝えてモータージェネレーター3を回生させることが可能である。
なお、動力伝達機構16は、2つのプーリー21、22、およびベルト23の代わりに、互いに噛み合わされる複数のギヤを有するギヤボックスなどを用いて動力を伝達しても良い。また、動力伝達機構16は、エンジン2とモータージェネレーター3との間で駆動力を伝達、または遮断する第二クラッチ(図示省略)を備えていても良い。
クランクシャフト15の一方の端部には第二プーリー22が設けられ、クランクシャフト15の他方の端部にはクラッチ8が設けられている。
モータージェネレーター3は、エンジン2から駆動輪6へ伝達される駆動力の向き、およびモータージェネレーター3から駆動輪6へ伝達される駆動力の向きにおいて、エンジン2より上流側に配置されている。
なお、モータージェネレーター3は、クラッチ8越しに変速機7に接続されているのであれば、エンジン2とクラッチ8との間に設けられていても良い。換言すると、モータージェネレーター3は、エンジン2から駆動輪6へ伝達される駆動力の向き、およびモータージェネレーター3から駆動輪6へ伝達される駆動力の向きにおいて、クラッチ8よりも上流側に配置されているのであれば、エンジン2とクラッチ8との間に設けられていても良い。この場合、エンジン2、モータージェネレーター3、クラッチ8、および変速機7は、この順に直列に接続され、かつエンジン2とモータージェネレーター3との間に追加のクラッチ(第二クラッチ)が設けられていても良い。
変速機7は、エンジン2およびモータージェネレーター3の駆動力をトルクや回転数、回転方向を変えて差動歯車9へ伝達する。変速機7は、例えばオートメイテッドマニュアルトランスミッションである。変速機7は、減速比が異なる複数の歯車の組を備えている。また、変速機7は、エンジン2の駆動力およびモータージェネレーター3の駆動力を駆動輪6へ伝達しない状態、つまり中立(ニュートラル)状態をとることができる。なお、変速機7は、ハイブリッド車両1の慣性走行時や制動時には、駆動輪6側からエンジン2およびモータージェネレーター3へ駆動力を伝達する。
クラッチ8は、エンジン2の出力軸、つまりクランクシャフト15の一方の端部に接続されている。クラッチ8は、変速機7の自動変速制御に応じて接続されたり切断されたりする。
2つの蓄電池10、11はモータージェネレーター3に対して並列に接続されている。
第一蓄電池10は、例えば電圧12ボルトの鉛蓄電池である。第一蓄電池10の負荷側には、モータージェネレーター3の他に、車両電装品28、第二蓄電池11、およびスターターモーター29が接続されている。
第二蓄電池11は、例えば電圧12ボルトのリチウムイオンバッテリーやニッケル水素バッテリーである。第二蓄電池11の負荷側には、モータージェネレーター3の他に、車両電装品28、第一蓄電池10、およびスターターモーター29が接続されている。
車両電装品28は、例えば、ナビゲーション装置(図示省略)、オーディオ装置(図示省略)、電動エアコンディショナー(図示省略)、電動油圧ポンプ(図示省略)である。
制御部12は、いわゆるECM(Engine Control Module)である。制御部12は、信号線31を介してエンジン2、モータージェネレーター3、第二蓄電池11、第一蓄電池10、スターターモーター29に接続されている。制御部12は、モータージェネレーター3の運転を制御するMGコントローラー32を含んでいる。
制御部12は、発進時や加速時には、第二蓄電池11からモータージェネレーター3へ電力を供給させ、モータージェネレーター3を力行させてエンジン2の駆動力を補助する。また、制御部12は、慣性走行時や制動時には、モータージェネレーター3を回生させて発電を行い、余剰の運動エネルギーを電力に変換して第二蓄電池11を充電する。
制御部12は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit、CPU、図示省略)、中央処理装置で実行(処理)される各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する補助記憶装置(例えば、Read Only Memory、ROM、図示省略)、プログラムの作業領域が動的に確保される主記憶装置(例えば、Random Access Memory、RAM、図示省略)を備えている。
制御部12で実行されるプログラムとして、アイドルストップ(アイドリングストップ、停車時エンジン停止、No Idling、Idle Reduction、とも呼ばれる。)制御が例示される。アイドルストップ制御は、ハイブリッド車両1の車速がアイドルストップ閾値以下である場合に、エンジン2への燃料の供給を停止し、かつモータージェネレーター3を力行以外の状態にして、つまり第二蓄電池11からモータージェネレーター3への電力供給を遮断するか、モータージェネレーター3が回生トルクを出力して第二蓄電池11を充電するか、いずれかの動作を行いつつエンジン2を停止させる。制御部12は、駐停車時や、信号待ち時などにアイドルストップ制御を実行する。
そして、発電制御装置5は、発電機としてのモータージェネレーター3と、モータージェネレーター3の発電電圧を制御する発電制御部としてのMGコントローラー32と、モータージェネレーター3に接続される第一蓄電池としての第一蓄電池10と、モータージェネレーター3に接続される第二蓄電池としての第二蓄電池11と、モータージェネレーター3と第一蓄電池10との間の電路を開閉する第一スイッチ41と、モータージェネレーター3と第二蓄電池11との間の電路を開閉する第二スイッチ42と、電池制御部45と、を備えている。
また、発電制御装置5は、モータージェネレーター3および第二蓄電池11と車両電装品28との間の電路を開閉する第三スイッチ43を備えている。
なお、電池制御部45、第一スイッチ41、第二スイッチ42、第三スイッチ43、および第二蓄電池11は、同一の筐体(図示省略)に収容されて、ひとまとまりの電池パッケージ46としてハイブリッド車両1に搭載されている。
第一スイッチ41、第二スイッチ42、および第三スイッチ43は、例えば半導体スイッチであり、具体的にはMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。第一スイッチ41、第二スイッチ42、および第三スイッチ43のそれぞれのゲート端子(図示省略)は、電池制御部45に接続されている。第一スイッチ41、第二スイッチ42、および第三スイッチ43は、電池制御部45によってそれぞれ個別に開閉(開く/閉じる、切る/入れる、オフする/オンする、開放する/投入する、オープン/クローズ、遮断/導通のいずれの表現も、電路の切断と接続とを切り替える意味で同意である。)される。
ところで、第一蓄電池10および第二蓄電池11は並列に接続されている。そのため、モータージェネレーター3により蓄電池10、11の充電を行う場合には、第一スイッチ41および第二スイッチ42をいずれも閉じていれば、出力電圧の低い側の蓄電池へモータージェネレーター3が発電した電力が流れ込む。一方、蓄電池10、11から例えば車両電装品28へ電力を供給(放電)する場合には、モータージェネレーター3の非発電時に第一スイッチ41、第二スイッチ42、および第三スイッチ43をいずれも閉じていれば、出力電圧の高い方のバッテリーから車両電装品28へ電力の供給が行われる。
電池制御部45は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit、CPU、図示省略)、中央処理装置で実行(処理)される各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する補助記憶装置(例えば、Read Only Memory、ROM、図示省略)、プログラムの作業領域が動的に確保される主記憶装置(例えば、Random Access Memory、RAM、図示省略)を備えている。電池制御部45は、信号線31を介して制御部12に接続されている。
また、電池制御部45は、第二蓄電池11の出力電流、出力電圧、および温度を検出する。
さらに、電池制御部45は、第一スイッチ41、第二スイッチ42、および第三スイッチ43を、それぞれ個別に開閉させるスイッチ制御部48と、少なくとも第一スイッチ41に流れる電流値に基づいて第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を許可する開閉許可判断部49と、を備えている。スイッチ制御部48および開閉許可判断部49は、電池制御部45で実行されるプログラムである。
スイッチ制御部48は、開閉許可判断部49が第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を許可した場合には、第二スイッチ42を閉じることが可能であり、開閉許可判断部49が第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を禁止した場合には、第二スイッチ42を開閉させることが不可能である。
次に、発電制御装置5で実行される蓄電池10、11の充電制御について詳しく説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る発電制御装置が実行する充電制御のアルゴリズム(算法)の一例を表現したフローチャートである。
図3は、本発明の実施形態に係る発電制御装置が実行する充電制御の一例を表現したタイミングチャートである。
図2に示すように、本実施形態に係るMGコントローラー32は、開閉許可判断部49が第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を許可すると、モータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1まで上昇させ、スイッチ制御部48が第二スイッチ42を閉じ終えると、モータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1より大きい第二発電電圧PGV2まで上昇させる。
開閉許可判断部49は、モータージェネレーター3が非回生発電から回生発電に切り替えられ、かつ少なくとも第一スイッチ41に流れる電流値が所定値以下の場合には、第一スイッチ41に閉状態から開状態への切替を許可し、かつ第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を許可する。
スイッチ制御部48は、モータージェネレーター3が非回生発電する場合には、第一スイッチ41を閉じ、かつ第二スイッチ42を開く。また、スイッチ制御部48は、モータージェネレーター3が回生発電し、かつ開閉許可判断部49が第一スイッチ41に閉状態から開状態への切替を許可し、かつ第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を許可した場合には、第一スイッチ41を開き、かつ第二スイッチ42を閉じる。
以下に、本充電制御のルーチンを記載する。本ルーチンは、所定の制御周期で繰り返し実行されるものである。具体的には、電池制御部45は、第一スイッチ41、第二スイッチ42、および第三スイッチ43の開閉の状態を確認する(ステップS1)。
次いで、電池制御部45は、モータージェネレーター3が回生発電しているか否かを、制御部12に確認する(ステップS2)。なお、エンジン2への燃料供給が停止されており、かつアクセルペダルが踏み込まれていない場合には、モータージェネレーター3は回生発電しており、その他の場合には、モータージェネレーター3は非回生発電している。
ステップS2の確認が肯定された場合、つまりエンジン2への燃料供給が停止されている場合(ステップS2 Yes)であって、モータージェネレーター3が回生発電している場合(図3中のa)には、MGコントローラー32は、第二スイッチ42が閉状態に切り替えられているか否かを電池制御部45に確認する(ステップS3)。
ここで先ず、ステップS3の確認が否定された場合、つまり第二スイッチ42が開状態に切り替えられている場合(ステップS3 No)には、開閉許可判断部49は、第一スイッチ41に流れる電流値Isw1が所定値よりも小さいか否かを判断する(ステップS4)。
開閉許可判断部49は、ステップS4の判断が肯定された場合、つまり第一スイッチ41に流れる電流値Isw1が所定値よりも小さい場合には、第一スイッチ41を閉状態から開状態へ切り替えることを許可し、かつ第二スイッチ42を開状態から閉状態へ切り替えることを許可する(ステップS5、図3中のbおよびc)。ステップS5が処理されると、MGコントローラー32は、モータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1まで上昇させる(ステップS6、図3中のd)。このとき、第一スイッチ41を閉状態から開状態へ切り替える行為、および第二スイッチ42を開状態から閉状態へ切り替える行為は、未だ実行されていない。つまり、MGコントローラー32は、第二スイッチ42を開状態から閉状態へ切り替える前に、モータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1まで上昇させておく。第一発電電圧PGV1は、モータージェネレーター3や、蓄電池10、11の仕様に応じ、かつ第二発電電圧PGV2より小さく設定される。第一発電電圧PGV1は、例えば13.5ボルトに設定されている。
MGコントローラー32がモータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1まで上昇させた後に、スイッチ制御部48による第一スイッチ41の閉状態から開状態への切り替えと、第二スイッチ42の開状態から閉状態への切り替え(ステップS7、図3中のeおよびf)とが完了し、本ルーチンを終了する。そうすると、ステップS2からステップS4の判定が変わらない限り、第二蓄電池11は第一発電電圧PGV1で充電される(図3中のg)。なお、次回のルーチンが開始されると、ステップS3の確認は肯定される、つまり、第二スイッチ42は閉状態に切り替えられているため、ステップS10が処理される。
また、開閉許可判断部49は、ステップS4の判断が否定された場合、つまり第一スイッチ41に流れる電流値Isw1が所定値以上の場合には、第一スイッチ41を閉状態から開状態へ切り替えることを禁止し、かつ第二スイッチ42を開状態から閉状態へ切り替えることを禁止する(ステップS8)。この場合には、ステップS3で確認したように、第二スイッチ42は閉状態には切り替えられていない。MGコントローラー32は、モータージェネレーター3の発電電圧を第一蓄電池10の電池電圧、例えば12ボルトに制御(ステップS9)して、本ルーチンを終了する。モータージェネレーター3の発電電圧を第一蓄電池10の電池電圧に制御している状態を、「第一蓄電池10への無充電状態」と呼ぶ。
さらに、MGコントローラー32は、ステップS3の確認が肯定された場合、つまり第二スイッチ42が閉状態に切り替えられている場合(ステップS3 Yes、つまりステップS7が処理された場合)には、モータージェネレーター3の発電電圧を第二発電電圧PGV2まで上昇させて(ステップS10、図3中のh)、本ルーチンを終了する。そうすると、第二蓄電池11は第二発電電圧PGV2で充電される(図3中のi)。第二発電電圧PGV2は、モータージェネレーター3や、蓄電池10、11の仕様に応じて設定される。第二発電電圧PGV2は、例えば15ボルトに設定されている。
さらにまた、ステップS2の確認が否定された場合、つまりエンジン2へ燃料が供給されている場合(ステップS2 No)には、MGコントローラー32は、エンジン2が出力するトルクを用いた発電、つまり非回生発電可能であると推定して、ハイブリッド車両1の走行状態に応じてモータージェネレーター3の発電電圧を制御(ステップS11)して、本ルーチンを終了する。
ところで、第一スイッチ41を閉状態から開状態へ切り替える時期(図3中のe)と、第二スイッチ42を開状態から閉状態へ切り替える時期(図3中のf)には、時間的なズレが生じる場合がある。つまり、第一スイッチ41および第二スイッチ42のいずれも、閉状態で導通する可能性がある(図3の区間A)。
例えば、従来技術では、第一スイッチ41の閉状態から開状態への切替が終了し、かつ第二スイッチ42の開状態から閉状態への切替が終了した後、つまり区間Aの終端時において、モータージェネレーター3の発電電圧が、第一発電電圧PGV1を経ることなく、一気に第二発電電圧PGV2に上昇する(図3中の破線α)。このようなタイミング(区間Aの終端時)でモータージェネレーター3の発電電圧を一気に第二発電電圧PGV2に上昇させる場合には、第一スイッチ41が閉じている第一蓄電池10は、意図しない放電を行うことになり(図3中の破線β)、第二スイッチ42が開いている第二蓄電池11は、区間Aの終端時まで充電が開始されない(図2中の破線γ)。
しかしながら、本実施形態に係る発電制御装置5は、区間A以前に予めモータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1まで上昇させておくことで、第一蓄電池10の放電を抑制し、かつ第二蓄電池11の充電の開始時期を早めることができる。
本実施形態に係る発電制御装置5は、第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を許可すると、モータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1まで上昇させ、第二スイッチ42を閉じ終えると、モータージェネレーター3の発電電圧を第一発電電圧PGV1より大きい第二発電電圧PGV2まで上昇させる。そのため、発電制御装置5は、第二スイッチ42を閉じた直後から第二蓄電池11を十分な電流値で充電することができる。また、発電制御装置5は、第二スイッチ42を閉じる際に、確実にスイッチの破損を回避することができる。つまり、発電制御装置5は、第二蓄電池11の充電の応答性の向上と第二スイッチ42の保護とを両立することができる。
また、本実施形態に係る発電制御装置5は、モータージェネレーター3が回生発電し、かつ第一スイッチ41に閉状態から開状態への切替を許可し、かつ第二スイッチ42に開状態から閉状態への切替を許可した場合には、第一スイッチ41を開き、かつ第二スイッチ42を閉じる。そのため、発電制御装置5は、第一スイッチ41および第二スイッチ42の切替の過渡期において、第一スイッチ41および第二スイッチ42が共に閉じた状態になったとしても、第一蓄電池10の放電を抑制し、かつ第二蓄電池11の充電の開始時期を早めることができる。
したがって、本実施形態に係る発電制御装置5は、第二スイッチ42の破損を確実に防止し、かつ第二蓄電池11の充電の応答性を向上させる。
1…ハイブリッド車両、2…内燃機関、2…エンジン、3…電動発電機、3…モータージェネレーター、5…発電制御装置、6…駆動輪、7…変速機、8…クラッチ、9…差動歯車、10…第一蓄電池、11…第二蓄電池、12…制御部、15…クランクシャフト、16…動力伝達機構、17…電動発電機の出力軸、21…第一プーリー、22…第二プーリー、23…ベルト、28…車両電装品、29…スターターモーター、31…信号線、32…MGコントローラー、41…第一スイッチ、42…第二スイッチ、43…第三スイッチ、45…電池制御部、46…電池パッケージ、48…スイッチ制御部、49…開閉許可判断部。
Claims (2)
- 発電機と、
前記発電機の発電電圧を制御する発電制御部と、
前記発電機に接続される第一蓄電池と、
前記発電機に接続される第二蓄電池と、
前記発電機と前記第一蓄電池との間の電路を開閉する第一スイッチと、
前記発電機と前記第二蓄電池との間の電路を開閉する第二スイッチと、
前記第一スイッチおよび前記第二スイッチを、それぞれ個別に開閉させるスイッチ制御部と、
少なくとも前記第一スイッチに流れる電流値に基づいて前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可する開閉許可判断部と、を備え、
前記スイッチ制御部は、前記開閉許可判断部が前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可した場合に、前記第二スイッチを閉じることが可能であり、
前記発電制御部は、前記開閉許可判断部が前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可すると、前記発電機の発電電圧を第一発電電圧まで上昇させ、前記スイッチ制御部が前記第二スイッチを閉じ終えると、前記発電機の発電電圧を前記第一発電電圧より大きい第二発電電圧まで上昇させる発電制御装置。 - 前記開閉許可判断部は、前記発電機が非回生発電から回生発電に切り替えられ、かつ少なくとも前記第一スイッチに流れる電流値が所定値以下の場合には、前記第一スイッチに閉状態から開状態への切替を許可し、かつ前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可し、
前記スイッチ制御部は、前記発電機が非回生発電する場合には、前記第一スイッチを閉じ、かつ前記第二スイッチを開き、前記発電機が回生発電し、かつ前記開閉許可判断部が前記第一スイッチに閉状態から開状態への切替を許可し、かつ前記第二スイッチに開状態から閉状態への切替を許可した場合には、前記第一スイッチを開き、かつ前記第二スイッチを閉じる請求項1に記載の発電制御装置。
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Citations (5)
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