JP7130136B2 - 軸流ファン、送風装置、及び、冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
[軸流ファン100]
図1は、実施の形態1に係る軸流ファン100の概略構成を示す斜視図である。なお、図中の矢印で示す回転方向DRは、軸流ファン100の回転方向DRを示す。また、図中の白抜き矢印で示す方向Fは、気流の流れる方向Fを示している。気流の流れる方向Fにおいて、軸流ファン100に対してZ1側は、軸流ファン100に対して気流の上流側となり、軸流ファン100に対してZ2側は、軸流ファン100に対して気流の下流側となる。すなわち、Z1側は、軸流ファン100に対して空気の吸込側であり、Z2側は、軸流ファン100に対して空気の吹出側である。また、Y軸は、軸流ファン100の回転軸RSに対する径方向を表している。軸流ファン100に対してY2側は、軸流ファン100の内周側であり、軸流ファン100に対してY1側は、軸流ファン100の外周側である。
ハブ10は、回転駆動され回転軸RSを形成する。ハブ10は、回転軸RSを中心に回転する。軸流ファン100の回転方向DRは、図1中の矢印で示す時計回りの方向である。ただし、軸流ファン100の回転方向DRは、時計回りに限定されるものではなく、翼20の取り付け角度、あるいは、翼20の向き等を変更した構成にすることによって、反時計回りとしてもよい。ハブ10は、モータ(図示は省略)など駆動源の回転軸と接続される。ハブ10は、例えば、円筒状に構成されてもよく、あるいは、板状に構成されてもよい。ハブ10は、上述したように駆動源の回転軸と接続されるものであればよく、その形状は限定されるものではない。
複数の翼20は、ハブ10から径方向外側に放射状に延びて構成されている。複数の翼20は、相互に周方向に離隔して設けられている。実施の形態1においては、翼20が3枚である態様を例示しているが、翼20の枚数はこれに限定されない。
図1に示す回転方向DRに軸流ファン100が回転すると、各翼20は、圧力面25によって周囲の空気を押し出し、図1に示す方向Fに、気流が生じる。また、軸流ファン100が回転すると、各翼20の周囲では、圧力面25側と負圧面26側とで圧力差が生じる。詳しくは、負圧面26側の圧力が圧力面25側の圧力よりも小さくなる。
図9は、比較例に係る軸流ファン100Lを回転軸RSの軸方向と平行な方向に見た平面図である。図10は、図9に示す翼20Lにおける後縁部22の翼厚の分布を概念的に示した側面図である。図11は、比較例に係る軸流ファン100Lの後縁部22の翼面の分布を表す図である。一般的に、軸流ファンは、翼の前縁部から流入した気流が遠心力により径方向の外側に流れる。比較例に係る軸流ファン100Lにおいて、頂点部33から径方向の内側に流入する気流は、軸流ファン100Lの径方向の外側に移動する過程で切欠部30を通過する。そのため、軸流ファン100Lは、頂点部33付近には、頂点部33よりも径方向の内側に流入する気流が集まり、頂点部33付近は、風速が高い状態となる。
図13は、実施の形態2に係る軸流ファン100Aを回転軸RSの軸方向と平行な方向に見た平面図である。図14は、図13に示す翼20Aにおける後縁部22の翼厚の分布の一例を概念的に示した側面図である。図15は、実施の形態2に係る軸流ファン100Aの後縁部22の翼面の分布を表す図である。なお、図14は、後縁部22の一例を示したものであり、翼20Aの翼厚は、図15の翼面で示すように、圧力面25あるいは負圧面26のいずれかの翼面によって特定されてもよい。実施の形態2に係る軸流ファン100Aは、頂点部33と切欠部30の外周側端部である後縁端部32との間の構成を特定するものである。なお、図1~図12の軸流ファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態2に係る軸流ファン100Aの切欠部30は、頂点部33よりも径方向外側に、切欠部30を構成する翼20Aの翼厚が最小となる最小翼厚部34を有する。実施の形態2に係る軸流ファン100Aの切欠部30は、頂点部33と切欠部30の外周側端部である後縁端部32との間に切欠部30を構成する翼20Aの翼厚が最小となる最小翼厚部34を有する。翼表面に沿って流れる気流は、遠心力を受けて切欠部30の頂点部33から半径方向外側に流れる。軸流ファン100Aは、気流が集まる切欠部30において、径方向外側の翼厚を薄くすることにより、圧力面及び負圧面の翼端から離脱した気流が翼端の後方で巻き込まれにくくなり、翼端下流で発生する翼端渦WVを小さくすることができる。その結果、軸流ファン100Aは、翼端渦WVを起因とするエネルギー損失が抑制されると共に、気流の乱れが低減することにより、省エネを図ることができ、騒音を抑制することができる。また、軸流ファン100Aは、径方向外側の翼厚が薄くなるため、遠心力による切欠部30にかかる力が小さくなり、軸流ファン100Aの強度を確保することができる。
図16は、実施の形態3に係る軸流ファン100Bを回転軸RSの軸方向と平行な方向に見た平面図である。図17は、図16に示す翼20Bおける後縁部22の翼厚の分布の一例を概念的に示した側面図である。図18は、実施の形態3に係る軸流ファン100Bの後縁部22の翼面の分布を表す図である。なお、図16は、後縁部22の一例を示したものであり、翼20Bの翼厚は、図18の翼面で示すように、圧力面25あるいは負圧面26のいずれかの翼面によって特定されてもよい。実施の形態3に係る軸流ファン100Bは、頂点部33と切欠部30の外周側端部である後縁端部32との間の構成を特定するものである。なお、図1~図15の軸流ファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態3に係る軸流ファン100Bの切欠部30は、頂点部33よりも径方向外側に、切欠部30を構成する翼20Bの翼厚が最小となる最小翼厚部34を有する。実施の形態2に係る軸流ファン100Aの切欠部30は、切欠部30の外周側端部である後縁端部32に切欠部30を構成する翼20Bの翼厚が最小となる最小翼厚部34を有する。翼表面に沿って流れる気流は、遠心力を受けて切欠部30の頂点部33から半径方向外側に流れる。軸流ファン100Bは、気流が集まる切欠部30において、径方向外側の翼厚を薄くすることにより、翼端下流で発生する翼端渦WVを小さくすることができ、エネルギー損失が抑制され及び気流の乱れが低減することにより、省エネで騒音を抑制することができる。また、軸流ファン100Bは、径方向外側の翼厚が薄くなるため、遠心力による切欠部30にかかる力が小さくなり、軸流ファン100Bの強度を確保することができる。また、軸流ファン100Bは、翼20の内周側から外周側にかけて翼厚が徐々に変化するので、局所的な応力集中が発生しにくく、軸流ファン100Aよりも軸流ファン100Bの強度を確保することができる。
図19は、実施の形態4に係る軸流ファン100Cを回転軸RSの軸方向と平行な方向に見た平面図である。図20は、図19に示す翼20Cにおける後縁部22の翼厚の分布の一例を概念的に示した側面図である。図21は、実施の形態4に係る軸流ファン100Cの後縁部22の翼面の分布を表す図である。なお、図19は、後縁部22の一例を示したものであり、翼20Cの翼厚は、図21の翼面で示すように、圧力面25あるいは負圧面26のいずれかの翼面によって特定されてもよい。実施の形態4に係る軸流ファン100Cは、頂点部33と切欠部30の内周側端部である交点部31との間の構成を特定するものである。なお、図1~図18の軸流ファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態4に係る軸流ファン100Cの切欠部30は、切欠部30の内周側端部である交点部31に切欠部30を構成する翼20Cの翼厚が最大となる最大翼厚部36を有する。実施の形態4に係る軸流ファン100Cの切欠部30は、遠心力がかかる外周側ほど翼厚が小さくなり、質量が軽くなるため翼20の強度を確保することができる。また、実施の形態4に係る軸流ファン100Cの切欠部30は、径方向において後縁部22の翼厚の急変がなくなる。実施の形態4に係る軸流ファン100は、切欠部30の内周側端部である交点部31を挟んで内周側及び外周側で発生する渦の強さの変化が小さくなり、気流の乱れが小さくなる。
図22は、実施の形態5に係る軸流ファン100Dを回転軸RSの軸方向と平行な方向に見た平面図である。図23は、図22に示す翼端切欠部40を概念的に示した拡大図である。なお、図1~図21の軸流ファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
切欠部30は、頂点部33よりも外周側の一部に、後縁部に沿って鋸歯状に形成された翼端切欠部40を有している。切欠部30の外周側は、頂点部33よりも翼厚が薄いので気流FLによって翼20Dの端部で発生する翼端渦WVは小さい。軸流ファン100Dは、風速の速い外周側に鋸歯状に形成された翼端切欠部40を備えることで、小さな乱流をあらかじめ作り、翼端渦WVをさらに弱くすることで、後流渦を減らすことができる。
図24は、実施の形態6に係る軸流ファン100Eを回転軸RSの軸方向と平行な方向に見た平面図である。なお、図1~図23の軸流ファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
切欠部30は、頂点部33よりも内周側の一部に、後縁部に沿って鋸歯状に形成された翼端切欠部40を有している。軸流ファン100Eは、翼厚が厚い内周側に鋸歯状に形成された翼端切欠部40を有することで、翼20の強度を確保する部分においても、小さな乱流をあらかじめ作り、翼端渦WVをさらに弱くすることで、後流渦を減らすことができる。
図25は、実施の形態7に係る軸流ファン100Fを回転軸RSの軸方向と平行な方向に見た平面図である。なお、図1~図24の軸流ファン100等と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。
切欠部30は、頂点部33よりも外周側の一部に、後縁部に沿って鋸歯状に形成された翼端切欠部40を有している。切欠部30の外周側は、頂点部33よりも翼厚が薄いので気流FLによって翼20Dの端部で発生する翼端渦WVは小さい。軸流ファン100Fは、風速の速い外周側に鋸歯状に形成された翼端切欠部40を備えることで、小さな乱流をあらかじめ作り、翼端渦WVをさらに弱くすることで、後流渦を減らすことができる。さらに、切欠部30は、頂点部33よりも内周側の一部に、後縁部に沿って鋸歯状に形成された翼端切欠部40を有している。軸流ファン100Fは、翼厚が厚い内周側に鋸歯状に形成された翼端切欠部40を有することで、翼20の強度を確保する部分においても、小さな乱流をあらかじめ作り、翼端渦WVをさらに弱くすることで、後流渦を減らすことができる。
本実施の形態8は、上記実施の形態1~7の軸流ファン100等を、送風装置としての冷凍サイクル装置70の室外機50に適用した場合について説明する。
本実施の形態8においても、対応する上記実施の形態1~7と同様な利点が得られる。例えば、上述したように軸流ファン100~軸流ファン100Fは、後縁部22において、翼端渦の成長が抑制される。そのため、この軸流ファン100~軸流ファン100Fのいずれか1つ以上を送風装置に搭載すれば、送風装置は、低騒音及び高効率で送風量を増加することができる。また、圧縮機64と熱交換器などで構成される冷凍サイクル装置70である空気調和機又は給湯用室外機に、軸流ファン100等を搭載すれば、低騒音かつ高効率で熱交換器の通過風量を稼ぐことができ、熱交換器68での熱交換量を増加させることができる。そのため、冷凍サイクル装置70は、機器の低騒音化と省エネルギー化を実現することができる。また、冷凍サイクル装置70に軸流ファン100等を搭載すれば、冷凍サイクル装置70は、従来の軸流ファンの使用時よりも小型な熱交換器68に変更することができ、冷媒量の削減に貢献することができる。
Claims (13)
- 回転駆動され回転軸を形成するハブと、
前記ハブに接続され、前縁部と、後縁部とを有する翼と、
を備え、
前記後縁部には、前記前縁部側に凹んでいる切欠部が形成されており、
前記切欠部は、
前記後縁部側から前記前縁部側に向かって開口幅が小さくなるように形成されており、
前記切欠部において最も前記前縁部側に位置する頂点部を有し、
前記切欠部は、
前記頂点部よりも径方向内側であって前記切欠部を構成する部分において、前記翼の翼厚が最大となる最大翼厚部を有する軸流ファン。 - 前記最大翼厚部は、
前記切欠部の内周側端部と前記頂点部との間において、
前記内周側端部と前記頂点部との中間位置よりも前記頂点部側に形成されている請求項1に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記切欠部の内周側端部に前記最大翼厚部を有する請求項1に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記頂点部よりも径方向外側に、前記切欠部を構成する前記翼の翼厚が最小となる最小翼厚部を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記頂点部と前記切欠部の外周側端部との間に前記切欠部を構成する前記翼の翼厚が最小となる最小翼厚部を有する請求項4に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記切欠部の外周側端部に前記切欠部を構成する前記翼の翼厚が最小となる最小翼厚部を有する請求項4に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記頂点部よりも外周側の一部に、前記後縁部に沿って鋸歯状に形成された翼端切欠部を有する請求項1~6のいずれか1項に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記頂点部よりも内周側の一部に、前記後縁部に沿って鋸歯状に形成された翼端切欠部を有する請求項1~6のいずれか1項に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記頂点部よりも内周側及び外周側のそれぞれの一部に、前記後縁部に沿って鋸歯状に形成された翼端切欠部を有する請求項1~6のいずれか1項に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記翼の回転方向において、前記頂点部よりも内周側に形成された前記翼端切欠部の少なくともいずれか1つの切欠きの深さが、前記頂点部よりも外周側に形成された前記翼端切欠部の切欠きの深さよりも深くなるように形成されている請求項9に記載の軸流ファン。 - 前記切欠部は、
前記翼の回転方向において、前記最大翼厚部よりも内周側に形成された前記翼端切欠部の少なくともいずれか1つの切欠きの深さが、前記最大翼厚部よりも外周側に形成された前記翼端切欠部の切欠きの深さよりも深くなるように形成されている請求項9又は10に記載の軸流ファン。 - 請求項1~11のいずれか1項に記載の軸流ファンと、
前記軸流ファンに駆動力を付与する駆動源と、
前記軸流ファン及び前記駆動源を収容するケーシングと、を備えた
送風装置。 - 請求項12に記載の送風装置と、
凝縮器及び蒸発器を有する冷媒回路と、を備え、
前記送風装置は、
前記凝縮器及び前記蒸発器の少なくとも一方に空気を送風する
冷凍サイクル装置。
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