JP7129218B2 - 設計支援装置、設計支援方法、設計支援プログラム及びコンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

設計支援装置、設計支援方法、設計支援プログラム及びコンクリート構造物の製造方法 Download PDF

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本発明はコンクリート構造物の設計支援装置、設計支援方法、設計支援プログラム及びコンクリート構造物の製造方法に関するものである。
鉄筋を含む拘束体によりコンクリートの体積変化が拘束されるコンクリート構造物には、コンクリートの外表面にひび割れが生じることがある。ひび割れのし難さ等のコンクリートの物性を評価するために、鉄筋の軸方向に直交するコンクリート構造物の断面における歪み分布及び応力分布の解析が行われる(特許文献1)。特許文献1では、特定の軸と直交する方向で歪み分布や応力分布が一定であると仮定して解析を簡素化している。
特許第5053022号公報
しかしながら、上記従来の技術では、歪み分布や応力分布が軸直角方向で一定となるような対称軸が断面内にある場合に限って精度良く歪み分布及び応力分布を解析できる。そこで、解析する断面内に対称軸がない場合等、複雑な断面の解析精度を向上させることが望まれている。
本発明は上述した要求に応えるものであり、いずれの断面形状においても歪み分布や応力分布の解析精度を向上できる設計支援装置、設計支援方法、設計支援プログラム及びコンクリート構造物の製造方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明の設計支援装置は、軸方向に配置される鉄筋を含む拘束体によりコンクリートの体積変化が拘束されるコンクリート構造物の設計支援装置であって、前記コンクリートの体積変化に関する設定、及び、前記軸方向に直交する前記コンクリート構造物の断面内の2軸であって互いに直交するx軸及びy軸に関連付けた前記断面に関する設定を受け付ける受付手段と、前記断面内において、前記受付手段により受け付けられた各設定値に基づき、前記コンクリートに作用する力と前記拘束体に作用する力との第1釣合条件、前記コンクリートに作用するx軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するx軸まわりの力のモーメントとの第2釣合条件、及び、前記コンクリートに作用するy軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するy軸まわりの力のモーメントとの第3釣合条件から、前記断面内の歪み分布及び応力分布の少なくともいずれか一方を解析する解析手段と、を備える。
なお、本発明は、設計支援装置、設計支援方法、設計支援プログラム等、又は、これらを用いたコンクリート構造物の製造方法等の種々の態様で構成できる。
請求項1記載の設計支援装置によれば、コンクリート構造物の断面内において、受付手段により受け付けられた各設定値に基づき、コンクリートに作用する力と拘束体に作用する力との第1釣合条件、コンクリートに作用するx軸まわりの力のモーメントと拘束体に作用するx軸まわりの力のモーメントとの第2釣合条件、及び、コンクリートに作用するy軸まわりの力のモーメントと拘束体に作用するy軸まわりの力のモーメントとの第3釣合条件から、断面内の歪み分布及び応力分布の少なくともいずれか一方を解析手段によって解析する。これにより、対称軸の有無に関わらずいずれの形状の断面においても歪み分布や応力分布の解析精度を向上できる。
請求項2記載の設計支援装置によれば、コンクリート構造物の断面内における歪み分布をx軸上の任意点x及びy軸上の任意点yを変数に持つ平面として、x軸に対する傾き、y軸に対する傾き、及び、切片の仮設定値を仮設定手段により受け付ける。解析手段は、断面内において、受付手段により受け付けられた各設定値に基づき、第1釣合条件、第2釣合条件及び第3釣合条件から、仮設定手段により仮設定された仮設定値が適切か否かを判定手段により判定する。そして、判定手段により仮設定値が適切であると判定された場合に、仮設定手段により仮設定された仮設定値を有してx,yを変数に持つ平面を、断面内における歪み分布として決定手段により決定する。このように、歪み分布の各値を仮設定して解析することによって、第1釣合条件、第2釣合条件及び第3釣合条件の解析を簡素化できる。その結果、請求項1の効果に加え、断面の形状によらない歪み分布や応力分布の解析を容易にできる。
請求項3記載の設計支援装置によれば、コンクリート構造物の断面をx軸方向又はy軸方向のいずれか一方に等分し、等分した断面の各部位をx軸方向又はy軸方向の他方に等分すると共に、その各部位のx軸方向又はy軸方向の他方への分割数をそれぞれ同一にすることで、断面を複数に分割した微小断面を設定する。そして、複数の微小断面に作用する力やモーメントを総和して第1釣合条件、第2釣合条件及び第3釣合条件から断面内の歪み分布及び応力分布の少なくともいずれか一方を解析手段により解析する。このように微小断面を設定することで、第1釣合条件、第2釣合条件及び第3釣合条件の解析をより簡素化できる。その結果、請求項1又は2の効果に加え、断面の形状によらない歪み分布や応力分布の解析をより容易にできる。
請求項4記載の設計支援装置によれば、コンクリート構造物の断面内の歪み分布又は応力分布に関する所望分布を分布受付手段により受け付ける。解析手段により解析された歪み分布又は応力分布が、分布受付手段で受け付けた所望分布に近づくように、受付手段で受け付けられる各設定値の変更を変更解析手段によって解析する。これにより、請求項1から3のいずれかの効果に加え、所望の歪み分布や応力分布が得られるようにコンクリート構造物を設計できる。
請求項5記載の設計支援プログラムは、請求項1から4のいずれかに記載の設計支援装置としてコンピュータを機能させるためのものであり、請求項1から4のいずれかと同様の効果を奏する。
請求項6記載の設計支援方法によれば、請求項1記載の設計支援装置と同様の効果を奏する。
請求項7記載のコンクリート構造物の製造方法によれば、コンクリート構造物の断面内において、受付ステップにより受け付けられた各設定値に基づき、コンクリートに作用する力と拘束体に作用する力との第1釣合条件、コンクリートに作用するx軸まわりの力のモーメントと拘束体に作用するx軸まわりの力のモーメントとの第2釣合条件、及び、コンクリートに作用するy軸まわりの力のモーメントと拘束体に作用するy軸まわりの力のモーメントとの第3釣合条件から、断面内の歪み分布及び応力分布の少なくともいずれか一方を解析ステップによって解析する。そして、コンクリート構造物の断面内の歪み分布又は応力分布に関する所望分布を分布受付ステップにより受け付ける。解析ステップにより解析された歪み分布又は応力分布が、分布受付ステップで受け付けた所望分布に近づくように、受付ステップで受け付けられる各設定値の変更を変更解析ステップによって解析する。そして、コンクリート構造物の歪み分布又は応力分布が所望分布に近づくように、コンクリートの体積変化及びコンクリート構造物の断面に関する設定値に対応するコンクリート及び拘束体の素材や形状、位置、大きさを決定してコンクリート構造物を製造する。これにより、所望の歪み分布や応力分布が得られるようにコンクリート構造物を製造できる。
一実施の形態における設計支援装置で解析されるコンクリート構造物の断面の歪み分布及び応力分布を示す模式図である。 設計支援装置の電気的構成を示すブロック図である。 XYモデルを示すコンクリート構造物の断面の模式図である。 YXモデルを示すコンクリート構造物の断面の模式図である。 メイン処理のフローチャートである。 分布解析処理のフローチャートである。 変更解析処理のフローチャートである。 実施例1におけるコンクリート構造物の断面の模式図である。 (a)は実施例1の歪み分布のグラフであり、(b)は実施例1の応力分布のグラフである。 (a)は比較例の歪み分布のグラフであり、(b)は比較例の応力分布のグラフである。 実施例4におけるコンクリート構造物の断面の模式図である。 (a)は外部拘束体の寸法に対する歪みの変化を示すグラフであり、(b)は外部拘束体の寸法に対する応力の変化を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態におけるコンクリート構造物1の設計支援装置10について説明する。図1は、一実施の形態における設計支援装置10で解析されるコンクリート構造物1の断面4の歪み分布5及び応力分布6を示す模式図である。図2は、設計支援装置10の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、設計支援装置10(図2参照)によって解析されるコンクリート構造物1は、コンクリートに膨張材を混和して製造される膨張コンクリート2の内部に複数の鉄筋3が配置されたものである。膨張コンクリート2の膨張が鉄筋3に拘束されると、膨張コンクリート2に圧縮応力であるケミカルプレストレスが生じ、鉄筋3に引張歪みであるケミカルプレストレインが生じる。
これらの歪み及び応力によって、コンクリート構造物1のうち、鉄筋3の軸方向に直交する所定の断面4には、歪み分布5及び応力分布6が生じる。図1では、xy平面座標系に断面4を配置し、その断面4に生じている歪み分布5及び応力分布6を模式的に図示している。
なお、膨張コンクリート2の外表面が他のコンクリート構造物等の外部拘束体(図示せず)に固着される場合には、膨張コンクリート2の膨張が鉄筋3だけでなく、外部拘束体にも拘束される。そのため、外部拘束体の有無によっても断面4の歪み分布5及び応力分布6が変化する。
又、本実施の形態では、説明の簡略化のために、膨張コンクリート2の膨張が鉄筋3を含む拘束体に拘束される場合の歪み分布5及び応力分布6の算出について説明するが、コンクリートの自己収縮や乾燥収縮等の体積変化が拘束体(鉄筋3や他のコンクリート構造物等)に拘束される場合の歪み分布5及び応力分布6の算出にも適用できる。これは、コンクリートが自己収縮や乾燥収縮する場合には、コンクリートに引張歪みが生じ、拘束体に圧縮応力が生じるためである。即ち、膨張コンクリート2の膨張をコンクリートの体積変化に置き換えて、コンクリート構造物の歪み分布5及び応力分布6を算出すれば良い。
図2に示すように、コンクリート構造物1の断面4の歪み分布5及び応力分布6を解析する設計支援装置10は、CPU11、フラッシュメモリ12、RAM13を主に備え、これらはバスライン14を介して互いに接続されている。又、CPU11は入出力ポート15に接続される。その入出力ポート15には、入力装置16、表示装置17、通信装置18がそれぞれ接続されている。
CPU11は、バスライン14により接続された各部を制御する演算装置である。フラッシュメモリ12は、CPU11により実行される制御プログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ12には、設計支援プログラム12aが設けられる。この設計支援プログラム12aを有するコンピュータが設計支援装置10である。
設計支援プログラム12aは、図5~図7に示されるメイン処理、メイン処理中の分布解析処理や変更解析処理を実行するためのプログラムであり、設計支援装置10としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。設計支援プログラム12aは、コンクリート構造物1の断面4の歪み分布5及び応力分布6を解析・算出する。又、設計支援プログラム12aは、コンクリート構造物1の歪み分布5や応力分布6を作業者の所望する分布(以下「所望分布」と称す)に近づくように、膨張コンクリート2及び鉄筋3(拘束体)の素材や形状、位置、大きさ等を決定する。
RAM13は、CPU11が制御プログラムの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリである。RAM13には、設定値メモリ13aと、仮設定値メモリ13bと、所望分布メモリ13cとが設けられている。
設定値メモリ13aは、膨張コンクリート2及び鉄筋3の素材や形状、位置、大きさ等、断面4や膨張コンクリート2の仕事量(後述する)に関する各設定値が記憶されるメモリである。仮設定値メモリ13bは、断面4の歪み分布5の仮設定値が記憶されるメモリである。所望分布メモリ13cは、作業者によって入力された所望分布が記憶されるメモリである。
入力装置16は、設定値メモリ13aや仮設定値メモリ13b、所望分布メモリ13cに記憶される各値等を作業者が入力したり、作業者が設計支援装置10を動作させるための入力をしたりする装置である。表示装置17は、入力装置16により入力するデータを作業者に視認可能にしたり、解析結果を表示して作業者に通知したりするためのディスプレイである。通信装置18は、外部のコンピュータ等から設定値メモリ13aや仮設定値メモリ13b、所望分布メモリ13cに記憶される各値を受信したり、外部のコンピュータ等に解析結果等を送信したりするための装置である。
次に図3及び図4を参照して、コンクリート構造物1の断面4の歪み分布5及び応力分布6の解析方法・解析原理について説明する。図3は、XYモデルを示すコンクリート構造物1の断面4の模式図である。図4は、YXモデルを示すコンクリート構造物1の断面4の模式図である。図3では、断面4に対称軸がないモデルを用いている。なお、図3の断面4と図4の断面4とは同一である。
歪み分布5及び応力分布6は、互いに直交するx軸及びy軸で定義されるxy平面座標系(x,y)に断面4を配置して解析が行われる。x軸上の任意点xが座標xであり、y軸上の任意点yが座標yである。断面4は、例えばコンクリート構造物1の3Dモデルを入力装置16や通信装置18を介して設計支援装置10に取り込み、作業者が任意の断面を選択することで設定される。又、解析したい断面4を入力装置16や通信装置18を介して設計支援装置10に取り込んでも良い。
断面4を座標(x,y)に配置するとき、膨張コンクリート2の形状や大きさ、k本の各鉄筋3の位置が座標(x,y)に関連付けて設定値メモリ13aの各領域に記憶される。さらに、各鉄筋3の断面積Ask(mm)、各鉄筋3のヤング率E(N/mm)も作業者によって入力され、設定値メモリ13aの各領域に記憶される。
解析を簡素化するために、膨張コンクリート2の断面4は複数の微小断面に分割される。この微小断面の設定方法には2種類ある。1つ目は、図3に示すように、まず断面4をx軸方向にm等分し、m等分された各部位をy軸方向にそれぞれn等分する設定方法である。この設定方法をXYモデルとする。なお、y軸方向に分割する数(nの値)は、m等分された各部位でそれぞれ同一である。また、n,mは任意の自然数であり、nとmとが同じでも異なっても良い。
この場合、各微小断面の位置を(i,j)で示す。「i」には、自然数である1~mのいずれかの値が入り、m等分された各部位のうちy軸に最も近いものから遠ざかるにつれて数値が大きくなる。「j」には、自然数である1~nのいずれかの値が入り、n等分された各部位のうちx軸に最も近いものから遠ざかるにつれて数値が大きくなる。なお、微小断面の位置(i,j)は、その微小断面の中心(重心)位置を示す座標(x,y)で表すことができる。iに対応する座標xをxとし、jに対応する座標yをyとして説明する。
XYモデルにおける各微小断面のx軸方向の寸法Δxは、断面4のうち座標xの最大値xmaxから座標xの最小値xminを引いたものをmで除して求められる定数である。又、XYモデルにおけるx軸方向にm等分された各部位のy軸方向の寸法は、i(それに対応するx)の値によって変化するため、xの関数としてB(x)と表す。このB(x)をnで除したものが、XYモデルにおける各微小断面のy軸方向の寸法となる。
2つ目の微小断面の設定方法は、図4に示すように、まず断面4をy軸方向にn等分し、n等分された各部位をx軸方向にそれぞれm等分するものである。この設定方法をYXモデルとする。なお、x軸方向に分割する数(mの値)は、n等分された各部位でそれぞれ同一である。この場合も、各微小断面の位置を(i,j)で示す。なお、XYモデルの位置(i,j)とYXモデルの位置(i,j)とは、両モデルで分割の仕方が異なるため必ずしも一致しない。
YXモデルにおける各微小断面のy軸方向の寸法Δyは、断面4のうち座標yの最大値ymaxから座標yの最小値yminを引いたものをnで除して求められる定数である。又、YXモデルにおけるy軸方向にn等分された各部位のx軸方向の寸法は、j(それに対応するy)の値によって変化するため、yの関数としてB(y)と表す。このB(y)をmで除したものが、YXモデルにおける各微小断面のx軸方向の寸法となる。
膨張コンクリート2に作用する力の総和Pcは、位置(i,j)にある微小断面の応力にその面積を乗じて求めた力を、全断面で総和して得られる。この力の総和Pcは、2つの方法で解くことができる。XYモデルにおいて微小断面に作用する力をy軸方向に総和した後にx軸方向に総和する方法と、YXモデルにおいて微小断面に作用する力をx軸方向に総和した後にy軸方向に総和する方法とである。いずれの方法も同じ解を出すため,いずれか一方で力の総和Pcを算出し、いずれか他方を検算用として活用できる。
位置(i,j)の微小断面に生じる応力(ケミカルプレストレス、N/mm)をσcp(i,j)とした場合、力の総和Pcは以下の式(1)及び式(2)で示される。式(1)がXYモデルにおける力の総和Pcを示し、式(2)がYXモデルにおける力の総和Pcを示す。
Figure 0007129218000001
Figure 0007129218000002
一方、鉄筋3に作用する力の総和Psは、フックの法則を適用して求めたk本の各鉄筋3に作用する力を総和して得られ、以下の式(3)で示される。位置(x,y)の鉄筋3に生じる歪みをε(x,y)と示している。上述した通り、Askは各鉄筋3の断面積であり、Eは各鉄筋3のヤング率である。なお、鉄筋3の位置(x,y)とは、鉄筋3の中心(重心)位置である。
Figure 0007129218000003
断面4には、応力が生じる前の平面状の断面が、応力を受けて変形した後も平面を保つという歪みの平面保持が成立する。その歪みの平面保持に基づくと、歪みε(x,y)はx及びyを変数とする平面となり、以下の式(4)で示される。右辺の第1項の偏微分はε(x,y)平面のx軸に対する傾きを示し、第2項の偏微分はε(x,y)平面のy軸に対する傾きを示し、第3項のCはε(x,y)平面の切片(x=0,y=0の値)を示す。
Figure 0007129218000004
膨張コンクリート2の歪みと応力の構成則として、「膨張コンクリートが拘束に対してなす仕事量は拘束の程度によらず一定である」という仕事量一定則の概念がある。この仕事量一定則を適用した場合、位置(x、y)の微小断面に生じる応力σcp(x,y)と歪みε(x,y)との関係は以下の式(5)で示される。なお、式(5)のiをxに置き換え、jをyに置き換えても式(5)は成立する。又、仕事量一定則の概念は、膨張コンクリート2に限らず、膨張材が混和されていないコンクリートにも適用できる。
Figure 0007129218000005
Uは、膨張コンクリート2の膨張が鉄筋3(コンクリートの体積変化が拘束体)に対してなす仕事量(N/mm)を示す。仕事量Uは、鉄筋3まわりにおける膨張コンクリート2と鉄筋3との力の釣合い条件から以下の式(6)で示される。pは、JIS A6202(2017年版)の附属書BのB法に記載された膨張コンクリート2に対する鉄筋3の断面積比(鉄筋比)である。εは、JIS A6202(2017年版)の附属書B等の一軸拘束膨張試験によって測定される鉄筋3の長さ変化率である。長さ変化率εは、膨張コンクリート2の膨張(コンクリートの体積変化)に基づいて変化する。即ち、長さ変化率εは、膨張コンクリート2の素材、特に膨張材の種類や量によって変化する。膨張材を混和していないコンクリートでは、主にコンクリートの素材(配合)によって長さ変化率εが変化する。
Figure 0007129218000006
断面4において、膨張コンクリート2に作用する力の総和Pcと、鉄筋3に作用する力の総和Psとが釣り合うので、式(1)、式(2)、式(3)及び式(5)から式(7)及び式(8)が成立する。この式(7)がXYモデルの第1釣合条件を示し、式(8)がYXモデルの第1釣合条件を示す。なお、ε(i,j)とは、式(4)のxにそれに対応するiを代入し、式(4)のyにそれに対応するjを代入したものである。
Figure 0007129218000007
Figure 0007129218000008
又、力のモーメントに関する第2釣合条件及び第3釣合条件について考える。第2釣合条件は、膨張コンクリート2に作用するx軸まわりの力のモーメントと、鉄筋3に作用するx軸まわりの力のモーメントとが釣り合うことを示す。第3釣合条件は、膨張コンクリート2に作用するy軸まわりの力のモーメントと、鉄筋3に作用するy軸まわりの力のモーメントとが釣り合うことを示す。
膨張コンクリート2に作用するx軸まわりの力のモーメントは、XYモデルにおいて位置(i,j)の微小断面に作用する力に、x軸から位置(i,j)の微小断面の中心位置までの距離yijを乗じ、それを全断面で総和することで得られる。距離yijは、位置(i,j)に応じて異なる。
膨張コンクリート2に作用するy軸まわりの力のモーメントは、YXモデルにおいて位置(i,j)の微小断面に作用する力に、y軸から位置(i,j)の微小断面の中心位置までの距離xijを乗じ、それを全断面で総和することで得られる。距離xijは、位置(i,j)に応じて異なる。
鉄筋3に作用するx軸まわりの力のモーメントは、各鉄筋3に作用する力にx軸から各鉄筋3の中心までの距離yskを乗じたものを総和することで得られる。鉄筋3に作用するy軸まわりの力のモーメントは、各鉄筋3に作用する力にy軸から各鉄筋3の中心までの距離xskを乗じたものを総和することで得られる。よって、第2釣合条件及び第3釣合条件は、それぞれ式(9)及び式(10)で示される。
Figure 0007129218000009
Figure 0007129218000010
設計支援装置10は、これら第1釣合条件(式(7)又は式(8))、第2釣合条件(式(9))及び第3釣合条件(式(10))の全てを満たすように、式(4)の歪みε(x,y)の分布(歪み分布5)を算出し、式(5)から応力σ(x,y)の分布(応力分布6)を算出する。
図5~図7に示すフローチャートを用いて、設計支援装置10(設計支援プログラム12a)により実行される、上述した歪み分布5及び応力分布6の解析方法(設計支援方法)を説明する。図5はメイン処理のフローチャートである。図6は分布解析処理のフローチャートである。図7は変更解析処理のフローチャートである。メイン処理は、作業者が処理実行の操作をした場合にCPU11で実行される処理である。
図5に示す通り、CPU11はメイン処理においてまず、座標(x,y)に関連付けたコンクリート構造物1の断面4に関する設定と、膨張コンクリート2の膨張(コンクリートの体積変化)に関する設定とを受け付け、設定値メモリ13aに保存する(S1)。S1の処理では、設定値メモリ13aに保存する各設定値の入力を作業者に実行させても良いし、予め入力しておいた各設定値を読み出しても良い。
なお、断面4に関する設定とは、コンクリート構造物1の位置や形状、大きさ、鉄筋3の本数k、各鉄筋3の位置、各鉄筋3の断面積Ask、各鉄筋3のヤング率Eである。膨張コンクリート2の膨張に関する設定とは、長さ変化率εに関する設定であって、仕事量Uを算出するための設定である。膨張コンクリート2の膨張に関する設定には、長さ変化率εに加え、鉄筋比pが含まれる。なお、別途算出した仕事量Uのみを膨張コンクリート2の膨張に関する設定としても良い。
又、長さ変化率εは、膨張コンクリート2の素材、特に膨張材の種類や量によって変化する。そこで、膨張材の種類や量に応じた長さ変化率εを示すテーブルを予めフラッシュメモリ12に保存しておき、膨張材の種類や量を入力すること(CPU11に受け付けさせること)で、長さ変化率εや仕事量Uを算出しても良い。この場合、長さ変化率εに代わって膨張材の種類や量が、膨張コンクリート2の膨張に関する設定となる。
S1の処理後、分布解析処理を実行する(S2)。図6に示すように、分布解析処理S2では、まず、式(4)におけるx軸に対する傾き、y軸に対する傾き、切片Cの仮設定値を所定のプログラムに基づいて仮定し、仮設定値メモリ13bに保存する(S21)。
S21の処理後、設定値メモリ13aに保存された各設定値と、仮設定値メモリ13bに保存された仮設定値とに基づいて、式(7)に示す第1釣合条件を満たすか判断する(S22)。入力装置16や通信装置18からの指示内容(例えばRAM13に設定されたフラグの状態)によっては、S22の処理で、設定値メモリ13aの各設定値と、仮設定値メモリ13bの仮設定値とに基づいて、式(8)に示す第1釣合条件を満たすか判断しても良い。
第1釣合条件を満たす場合には(S22:Yes)、設定値メモリ13aの各設定値と、仮設定値メモリ13bの仮設定値とに基づいて、式(9)に示す第2釣合条件を満たすか判断する(S23)。第2釣合条件を満たす場合には(S23:Yes)、設定値メモリ13aの各設定値と、仮設定値メモリ13bの仮設定値とに基づいて、式(10)に示す第3釣合条件を満たすか判断する(S24)。
なお、式(7)や式(8)、式(9)、式(10)の左辺の値が0になる場合を第1釣合条件、第2釣合条件、第3釣合条件を満たすと判断する場合に限らない。左辺の値が所定の閾値(0を除く)以下になる場合を第1釣合条件、第2釣合条件、第3釣合条件を満たすと判断することが好ましい。閾値が小さい程、歪み分布5や応力分布6の解析精度を向上できるが、解析に時間がかかる。
第1釣合条件、第2釣合条件、第3釣合条件のいずれか1つでも満たさない場合には(S22:No、S23:No、S24:No)、S21の処理に戻って仮設定値を仮定し直す。これを第1釣合条件、第2釣合条件、第3釣合条件の全てが満たされるまで繰り返し実行する。
第1釣合条件、第2釣合条件、第3釣合条件の全てが満たされる場合には(S22:Yes、S23:Yes、S24:Yes)、仮設定値メモリ13bの仮設定値を式(4)の傾き及び切片Cに決定して、式(4)から歪み分布5を算出し、式(5)から応力分布6を算出する(S25)。S25の処理後、分布解析処理S2を終了する。
なお、歪み分布5及び応力分布6の算出後、歪み分布5及び応力分布6をフラッシュメモリ12やRAM13に保存しても良いし、歪み分布5及び応力分布6を表示装置17に表示しても良い。又、歪み分布5及び応力分布6を、別のコンピュータ等へ通信装置18を介して送信しても良い。
このように、分布解析処理S2では、力の釣り合いに関する第1釣合条件と、x軸まわりの力のモーメントの釣り合いに関する第2釣合条件と、y軸まわりの力のモーメントの釣り合いに関する第3釣合条件とから、断面4の歪み分布5及び応力分布6を解析・算出する。ここで、力のモーメントの釣合条件を1軸に対してのみ満足させる場合には、その1軸が断面内の対称軸に平行でないと、歪み分布5及び応力分布6の解析精度が低下する。一方、本実施の形態では、異なる2軸に関して力のモーメントの釣合条件を満足させるため、断面4内に対称軸がなくても断面4の形状に関わらず、分布解析処理S2による歪み分布5や応力分布6の解析精度を向上できる。
歪みの平面保持が成立することから、断面4の歪み分布5を式(4)で示される平面に設定し、式(4)の傾き及び切片CをS21の処理で仮定している。そして、S22~S24の処理で仮設定値に基づいて第1釣合条件、第2釣合条件及び第3釣合条件を満たすと判断した後に、S21の処理で仮定した仮設定値を式(4)の傾き及び切片CとしてS25の処理によって決定し、歪み分布5及び応力分布6を算出している。このように、式(4)の傾き及び切片Cを仮設定して解析することによって、これらを仮定しないで解析する場合に比べて、第1釣合条件、第2釣合条件及び第3釣合条件の解析を簡素化できる。その結果、断面4の形状によらない歪み分布5や応力分布6の解析を容易にできる。
さらに、歪み分布5や応力分布6の解析では、断面4をx軸方向に等分したものをさらにy軸方向に等分した複数の微小断面から構成されるXYモデルや、断面4をy軸方向に等分したものをさらにx軸方向に等分した複数の微小断面から構成されるYXモデルを設定している。そして、XYモデルやYXモデルの各微小断面に作用する力やモーメントを総和して第1釣合条件、第2釣合条件及び第3釣合条件から、断面4内の歪み分布5や応力分布6を分布解析処理S2で解析している。このようなXYモデルやYXモデルを用いることで、各微小断面に作用する力やモーメントを総和し易くできると共に、歪み分布5や応力分布6のグラフ化も比較的容易にできる。よって、XYモデルやYXモデルを用いることによって分布解析処理S2による解析を簡素化できるので、断面4の形状によらない歪み分布5や応力分布6の解析をより容易にできる。
分布解析処理S2の後は、図5に示すように、入力装置16や通信装置18を用いた作業者からの指示(例えばRAM13に設定されたフラグの状態)に基づいて、変更解析処理を実行するか判断する(S3)。変更解析処理を実行しない場合には(S3:No)、S4の処理である変更解析処理をスキップしてメイン処理を終了する。
変更解析処理を実行すると判断される場合には(S3:Yes)、歪み分布5が作業者の所望する分布(所望分布)になるように、設定値メモリ13aの各設定値をどのように変更すれば良いかを解析する変更解析処理を実行し(S4)、メイン処理を終了する。
図7に示すように、変更解析処理S4ではまず、作業者が所望する歪み分布5(所望分布)を受け付け、所望分布メモリ13cに保存する(S41)。S41の処理では、所望分布メモリ13cに保存する所望分布の入力を作業者に実行させても良いし、予め入力しておいた所望分布を読み出しても良い。
次いで、設定値メモリ13aに保存された各設定値のうちいずれの値を変更するか、作業者に入力させ、各設定値の変更箇所を設定する(S42)。なお、S42の処理では、予め入力してRAM13等に記憶しておいた変更箇所を読み出しても良い。変更箇所は、1箇所でも複数個所でも良い。
S42の処理後、変更箇所の設定値を所定のプログラムに基づき仮変更し、仮変更した設定値を設定値メモリ13aに保存する(S43)。そして、分布解析処理S2を実行し、変更箇所の設定値を仮変更した場合の歪み分布5を算出する。分布解析処理S2で解析した歪み分布5が、所望分布メモリ13cの値である所望分布に合致するか判断する(S44)。
歪み分布5が所望分布に合致しない場合には(S44:No)、S43の処理に戻って、変更箇所の設定値を仮変更し直す。これを歪み分布5が所望分布に合致するまで繰り返し実行する。なお、歪み分布5と所望分布とが完全に合致する必要はなく、歪み分布5と所望分布とのずれが所定の閾値以下になって、両者がある程度合致すれば良い。この閾値が小さい程、所望分布に歪み分布5を近づけることができるが、解析に時間がかかる。
歪み分布5が所望分布に合致する場合には(S44:Yes)、仮変更した変更箇所の設定値をその値に決定して表示装置17に表示し(S45)、変更解析処理S4を終了する。なおS45の処理では、仮変更した設定値を表示装置17に表示して作業者に通知する場合に限らず、仮変更した設定値を、別のコンピュータへ通信装置18を介して送信し、別のコンピュータを操作する作業者に通知しても良い。
なお、膨張コンクリート2の膨張を拘束する拘束体として、鉄筋3だけでなく、膨張コンクリート2の外表面が固着される外部拘束体が存在する場合には、外部拘束体を含めたコンクリート構造物1の断面4について歪み分布5及び応力分布6を解析する。詳しくは、S1の処理で、断面4に関する設定として外部拘束体の断面積と、外部拘束体のヤング率と、外部拘束体の重心位置とを更に設定値メモリ13aに保存する。そして、式(3)、式(7)~式(10)における、kを拘束体(鉄筋3及び外部拘束体)の数とし、Askを各拘束体の断面積とし、Eを各拘束体のヤング率とし、yskをx軸から各拘束体の中心(重心)までの距離とし、xskをy軸から各拘束体の中心(重心)までの距離として、S22~S24の処理を実行すれば良い。
なお、S41の処理で作業者が所望する歪み分布5を受け付けて所望分布メモリ13cに保存し、所望の歪み分布5に近づくようにS43~S45の処理が実行される場合について説明したがこれに限らない。S41の処理で作業者が所望する応力分布6(所望分布)を受け付けて所望分布メモリ13cに保存し、所望の応力分布6に近づくようにS43~S45の処理を実行させても良い。
このように変更解析処理S4によって、所望の歪み分布5や応力分布6に近づくように、設定値メモリ13aに保存される(S1の処理で設定される)各設定値の変更が解析される。この解析によって決定された設定値によって、所望の歪み分布5や応力分布6が得られるようにコンクリート構造物1を設計できる。
さらに、この解析によって決定された設定値(鉄筋の長さ変化率εやコンクリート構造物1の断面4に関する設定値)に対応する膨張コンクリート2及び鉄筋3の素材や形状、位置、大きさを決定してコンクリート構造物1を製造することができる。その結果、所望の歪み分布5や応力分布6が得られるようにコンクリート構造物1を製造できる。
例えば、膨張コンクリート2の外表面における歪み分布5や応力分布6が不均一である場合、膨張コンクリート2の圧縮応力が小さい部分にひび割れが生じ易くなる。しかし、設計支援装置10を利用して膨張コンクリート2を設計又は製造し、膨張コンクリート2の外表面における歪み分布5や応力分布6を略均一に設定することで、膨張コンクリート2が局所的にひび割れし易くなることを防止できる。
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。なお、各実施例で共通する説明は、実施例1でのみ説明し、その他の実施例での説明を省略する。なお、計算には市販の表計算ソフトを用いた。
(実施例1及び比較例)
実施例1及び比較例では、図8に示す形状及び寸法のコンクリート構造物20の断面21について歪み分布及び応力分布を算出した。なお、図8に示す寸法の単位は全てmmである。断面21は、図8紙面左右方向の寸法を幅とし、図8紙面上下方向の寸法を高さとする。
断面21には、対称軸がなく、膨張コンクリート22内に複数の鉄筋23が配置されている。複数の鉄筋23は、高さ方向に並んだ1列6本が幅方向に離れて2列配置されている。1列の鉄筋23のうち上3本同士の間隔は100mmに設定され、下4本同士の間隔は185mmに設定されている。
全ての鉄筋23には、JIS G3112(2010年版)に規定される呼び名D16の異形棒鋼を用いており、断面積Askが1.986cmであり、ヤング率Eが約200kN/mmである。又、膨張コンクリート22の仕事量Uは、JIS A6202(2017年版)の附属書BのB法に記載されている通り鉄筋比pを0.95%とし、長さ変化率εを200×10-6とした場合の値を用いた。
実施例1及び比較例1では同一の断面21について解析を行った。実施例1では上述した設計支援装置10を使用して(設計支援プログラム12aに基づいて)断面21の歪み分布及び応力分布を算出した。比較例1では、従来技術である特許文献1(特許第5053022号公報)に記載の通り断面21の歪み分布及び応力分布を算出した。
図9(a)に実施例1の歪み分布の解析結果のグラフを示し、図9(b)に実施例1の応力分布の解析結果のグラフを示す。又、図10(a)に比較例の歪み分布の解析結果のグラフを示し、図10(b)に比較例の応力分布の解析結果のグラフを示す。又、断面21のうち左上の角を評価点A、右上の角を評価点B、左下の角を評価点C、右下の角を評価点Dとして、各評価点A~Dにおける歪み及び応力の値を表1に示す。
Figure 0007129218000011
図9(a)~図10(b)と表1とから、比較例では幅方向に歪み及び応力が一様に分布しているのに対して、実施例1では歪み及び応力が幅方向にも変化していることが分かった。これは、比較例では解析を簡素化するために、幅方向の歪み分布や応力分布が一定と仮定しているためである。比較例と比べて実施例1では、鉄筋23による拘束が強い部分と弱い部分とを明確にでき、断面21の歪み分布及び応力分布をより正確に把握できた。
表1に示すように、実施例1で解析した断面21では、高さが同一であって幅方向に離れた評価点Aと評価点Bとで応力の差の絶対値が0.17N/mmとなった。この差は、膨張コンクリート22のひび割れ抵抗性等の物性を評価する上で無視できない大きな値である。よって、設計支援装置10によれば、断面21の形状に関わらず歪み分布や応力分布の解析精度を向上できると共に、コンクリート構造物20の物性を比較的正しく推定できることが明らかになった。
(実施例2及び実施例3)
実施例2では、実施例1の12本の鉄筋23のうち最も右下の鉄筋23のみを呼び名D16からD25(断面積5.067cm)に変更し、設計支援装置10を使用して歪み分布及び応力分布を算出した。実施例3では、実施例1の12本の鉄筋23のうち最も右下の鉄筋23のみを呼び名D16からD29(断面積6.424cm)に変更し、設計支援装置10を使用して歪み分布及び応力分布を算出した。なお、実施例2,3は、一部の鉄筋23の呼び名を変更した以外は実施例1と同一である。
実施例1~3の各評価点A~Dにおける歪み及び応力の値を表2に示す。表2には、幅方向に離れた評価点Aと評価点Bとの差の絶対値、評価点Cと評価点Dとの差の絶対値を併記した。
Figure 0007129218000012
表2に示すように、最も右下の鉄筋23の断面積を大きくすることで、幅方向の歪み分布及び応力分布が略一様になることが確認された。実施例1では、断面21の右下の部位は、膨張コンクリート22の断面積に比べて鉄筋23の量が少ない(鉄筋23の断面積が小さい)ため、この部位の拘束が弱く、応力が小さくなっている。実施例2,3では、断面21の右下の部位の鉄筋23の断面積を大きくして拘束を強くすることで、断面21全体の拘束のバランスがとれ、略一様な歪み分布及び応力分布を得ることができた。このように、目的や用途に応じた歪み及び応力が得られるように、断面21の形状や寸法、鉄筋23の位置や大きさを最適に設定する設計支援装置10としての活用も期待できる。
(実施例4)
図11に示すように、実施例4には、実施例1の断面21を壁高欄とし、壁高欄の下縁が固着される床版26を外部拘束体としたコンクリート構造物25を用いた。床版26は、壁高欄(断面21)から幅方向に張り出しており、壁高欄に対して大きく偏心して設けられている。床版26の幅は、断面21の最大幅Bのn倍として設定されている。
実施例4では、床版26の幅nBを適宜変更して、コンクリート構造物25の断面(断面21及び床版26の断面)の歪み分布及び応力分布を、設計支援装置10を用いて算出した。図12(a)は、外部拘束体(床版26)の幅nBに対する各評価点A~Dでの歪みの変化を示すグラフである。図12(b)は、外部拘束体(床版26)の幅nBに対する各評価点A~Dでの応力の変化を示すグラフである。図12(a)及び図12(b)のグラフでは、幅nBのうちの倍数nを横軸に取り、歪み又は応力を縦軸に取っている。なお図12(b)では、評価点Aの各値が評価点Bの各値に重なって見えなくなっている。
図12(b)の応力の変化に着目すると、評価点A,Bでは、床版26の幅nBに殆ど影響を受けずに略一様の値を示した。これは、評価点A,Bが床版26から比較的遠いことから、評価点A,Bでの応力が床版26の幅nBに影響され難いためである。
又、評価点C,Dの応力は、倍数nの値が2~4程度で差が大きく開き、最大で約0.5N/mmの差が確認された。これは、倍数nが4以下では膨張コンクリート22内に配置された鉄筋23による拘束が支配的になるが、倍数nが4を超えると次第に床版26による拘束が支配的になるためである。
このように、設計支援装置10は、床版26等の外部拘束体がある場合や、その外部拘束体が膨張コンクリート22に対して偏心している場合にも歪み分布や応力分布を算出できる。即ち、設計支援装置10によって、外部拘束体が膨張コンクリート22に及ぼす影響を推定できる。よって、外部拘束体がある場合でも、最適な歪み分布や応力分布が得られるように、断面21の形状や寸法、鉄筋23の位置や大きさを最適に設定する設計支援装置10としての活用が期待できる。
以上、上記実施の形態及び上記各実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態及び各実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、コンクリート構造物1,20,25の断面4,21の形状や大きさ、鉄筋3,23の位置や大きさ、素材、コンクリート(膨張コンクリート2,22を含む)の素材(配合)等は適宜設定可能である。また、設計支援装置10や設計支援プログラム12aにより実行される各ステップを有する設計支援方法を、複数のコンピュータなどを用いて行っても良い。
上記一実施の形態では、図6に示す分布解析処理S2のS21の処理において、仮設定値を所定のプログラムに基づき仮定して仮設定値メモリ13bに保存する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。初回のみ又は毎回の仮設定値の仮定を作業者に設定させても良い。又、仮設定値を仮定する所定のプログラムには、仮設定値と、その仮設定値に対応する式(7)や式(8)、式(9)、式(10)の左辺の値との履歴をフラッシュメモリ12やRAM13に保存し、その保存した値に基づき規則的に仮設定値を仮定するものが例示される。
上記一実施の形態では、図7に示す変更解析処理S4において、各設定値の変更箇所を設定し、その変更箇所の値を所定のプログラムに基づき変更して解析する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定の変更箇所を設定せずに、設定値メモリ13aに保存されたいずれか一又は複数の設定値を別の値に変更して解析しても良い。又、所定のプログラムを用いて設定値を変更する場合に限らず、作業者が手動で設定値を変更しても良い。設定値を変更する所定のプログラムには、設定値を仮変更したときの歪み分布5や応力分布6の履歴をフラッシュメモリ12やRAM13に保存し、その保存した値に基づき規則的に設定値を変更するものが例示される。
上記一実施の形態では、図6に示す分布解析処理S2において断面4の歪み分布5及び応力分布6を解析・算出する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。分布解析処理S2では、歪み分布又は応力分布のいずれか一方のみを解析・算出しても良い。特に変更解析処理S4では、歪み分布又は応力分布のいずれか一方が、それに対応する所望分布と合致するかを判断している。そのため、変更解析処理S4中の分布解析処理S2では解析に使用する歪み分布又は応力分布のいずれか一方のみを解析・算出すれば良い。
上記一実施の形態では、歪み分布5を算出した後に式(5)から応力分布6を算出する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。応力分布6を算出した後に式(5)から歪み分布5を算出しても良い。先に応力分布6を算出するには、式(7)~式(10)のε(i,j)やε(x,y)を式(5)を用いてσ(i,j)やσ(x,y)に置換すれば良い。
上記一実施の形態では、プログラム(例えば設計支援プログラム12a)が記録された媒体(メモリーカード)の一例としてフラッシュメモリ12について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。コンピュータで読み取り可能な他の媒体としては、ハードディスク、CD、DVD、USBメモリ、ROM等が挙げられる。
なお、上記実施の形態における図5に示すフローチャート(メイン処理)において、請求項1記載の受付手段及び請求項6,7記載の受付ステップとしてはS1の処理が、請求項1記載の解析手段及び請求項6,7記載の解析ステップとしてはS2の処理(図6に示すフローチャート)がそれぞれ該当する。
上記実施の形態における図6に示すフローチャート(分布解析処理)において、請求項2記載の仮設定手段としてはS21の処理が、請求項2記載の判定手段としてはS22~S24の処理が、請求項2記載の決定手段としてはS25の処理がそれぞれ該当する。
上記実施の形態における図7に示すフローチャート(変更解析処理)において、請求項4記載の分布受付手段及び請求項7記載の分布受付ステップとしてはS41の処理が、請求項4記載の変更解析手段及び請求項7記載の変更解析ステップとしてはS42~S44の処理がそれぞれ該当する。
1,20,25 コンクリート構造物
2,22 膨張コンクリート(コンクリート)
3,23 鉄筋(拘束体の一部)
4,21 断面
5 歪み分布
6 応力分布
10 設計支援装置
11 CPU(処理部)
12a 設計支援プログラム
26 床版(拘束体の一部)

Claims (7)

  1. 軸方向に配置される鉄筋を含む拘束体によりコンクリートの体積変化が拘束されるコンクリート構造物の設計支援装置であって、
    前記コンクリートの体積変化に関する設定、及び、前記軸方向に直交する前記コンクリート構造物の断面内の2軸であって互いに直交するx軸及びy軸に関連付けた前記断面に関する設定を受け付ける受付手段と、
    前記断面内において、前記受付手段により受け付けられた各設定値に基づき、前記コンクリートに作用する力と前記拘束体に作用する力との第1釣合条件、前記コンクリートに作用するx軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するx軸まわりの力のモーメントとの第2釣合条件、及び、前記コンクリートに作用するy軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するy軸まわりの力のモーメントとの第3釣合条件から、前記断面内の歪み分布及び応力分布の少なくともいずれか一方を解析する解析手段と、を備えることを特徴とする設計支援装置。
  2. 前記断面内における前記歪み分布をx軸上の任意点x及びy軸上の任意点yを変数に持つ平面として、x軸に対する傾き、y軸に対する傾き、及び、切片の仮設定値を受け付ける仮設定手段を備え、
    前記解析手段は、前記断面内において、前記受付手段により受け付けられた各設定値に基づき、前記第1釣合条件、前記第2釣合条件及び前記第3釣合条件から、前記仮設定手段により仮設定された前記仮設定値が適切か否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記仮設定値が適切であると判定された場合に、前記仮設定手段により仮設定された前記仮設定値を有してx,yを変数に持つ平面を、前記断面内における前記歪み分布として決定する決定手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の設計支援装置。
  3. 前記解析手段は、前記断面をx軸方向又はy軸方向のいずれか一方に等分し、等分した前記断面の各部位をx軸方向又はy軸方向の他方に等分すると共に、その各部位のx軸方向又はy軸方向の他方への分割数をそれぞれ同一にすることで、前記断面を複数に分割した微小断面を設定し、複数の前記微小断面に作用する力やモーメントを総和して前記第1釣合条件、前記第2釣合条件及び前記第3釣合条件から前記断面内の前記歪み分布及び前記応力分布の少なくともいずれか一方を解析することを特徴とする請求項1又は2に記載の設計支援装置。
  4. 前記断面内の前記歪み分布又は前記応力分布に関する所望分布を受け付ける分布受付手段と、
    前記解析手段により解析された前記歪み分布又は前記応力分布が、前記分布受付手段で受け付けた前記所望分布に近づくように、前記受付手段で受け付けられる各設定値の変更を解析する変更解析手段と、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の設計支援装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の設計支援装置としてコンピュータを機能させるための設計支援プログラム。
  6. 軸方向に配置される鉄筋を含む拘束体によりコンクリートの体積変化が拘束されるコンクリート構造物の設計支援方法であって、処理部を有する設計支援装置によって実行される設計支援方法であり、
    前記コンクリートの体積変化に関する設定、及び、前記軸方向に直交する前記コンクリート構造物の断面内の2軸であって互いに直交するx軸及びy軸に関連付けた前記断面に関する設定を前記処理部が受け付ける受付ステップと、
    前記断面内において、前記受付ステップにより受け付けられた各設定値に基づき、前記コンクリートに作用する力と前記拘束体に作用する力との第1釣合条件、前記コンクリートに作用するx軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するx軸まわりの力のモーメントとの第2釣合条件、及び、前記コンクリートに作用するy軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するy軸まわりの力のモーメントとの第3釣合条件から、前記断面内の歪み分布及び応力分布の少なくともいずれか一方を前記処理部が解析する解析ステップと、を備えることを特徴とする設計支援方法。
  7. 軸方向に配置される鉄筋を含む拘束体によりコンクリートの体積変化が拘束されるコンクリート構造物の製造方法であって、
    前記コンクリートの体積変化に関する設定、及び、前記軸方向に直交する前記コンクリート構造物の断面内の2軸であって互いに直交するx軸及びy軸に関連付けた前記断面に関する設定を受け付ける受付ステップと、
    前記断面内において、前記受付ステップにより受け付けられた各設定値に基づき、前記コンクリートに作用する力と前記拘束体に作用する力との第1釣合条件、前記コンクリートに作用するx軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するx軸まわりの力のモーメントとの第2釣合条件、及び、前記コンクリートに作用するy軸まわりの力のモーメントと前記拘束体に作用するy軸まわりの力のモーメントとの第3釣合条件から、前記断面内の歪み分布及び応力分布の少なくともいずれか一方を解析する解析ステップと、
    前記断面内の前記歪み分布又は前記応力分布に関する所望分布を受け付ける分布受付ステップと、
    前記解析ステップにより解析された前記歪み分布又は前記応力分布が、前記分布受付ステップで受け付けた前記所望分布に近づくように、前記受付ステップで受け付けられる各設定値の変更を解析する変更解析ステップと、を備え、
    前記コンクリート構造物の前記歪み分布又は前記応力分布が前記所望分布に近づくように、前記コンクリートの体積変化及び前記断面に関する設定値に対応する前記コンクリート及び前記拘束体の素材や形状、位置、大きさを決定して前記コンクリート構造物を製造することを特徴とするコンクリート構造物の製造方法。
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