JP7126640B1 - 冷凍麺類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の冷凍麺類の製造方法は、調理済み麺類の表面に、アラビアガムを含有する処理液を付着させる工程と、該処理液が付着した麺類を冷凍する工程とを有する。前記処理液におけるアラビアガムの含有量は0.04~0.35質量%が好ましい。前記処理液は、更に油脂及び水を含有し、該処理液における該油脂の含有量は23~75質量%であることが好ましい。前記麺類は、例えばパスタ類である。また、前記冷凍麺類は、出力1000W以上の電子レンジで加熱してから食されるものである。

Description

本発明は、調理済み麺類を冷凍してなる冷凍麺類に関する。
麺類は比較的人気の高い食品であるが、調理に大量の湯が必要になるなど、喫食可能な状態にするまでに比較的手間がかかる。そこで、調理済み麺類を冷凍した冷凍麺類が広く普及している。冷凍麺類は、電子レンジ等の加熱調理器で加熱するだけで簡便に喫食可能な状態となるため、人気がある。一方で冷凍麺類は、冷凍保存中に麺の表面から水分が蒸発し、麺本来の色が失われて白っぽくなる等の現象、いわゆる「冷凍焼け」が起きる場合がある。冷凍焼けした冷凍麺類は、変色によって外観が劣るだけでなく、これを電子レンジで加熱しても冷凍焼けした部分は硬い食感となってしまうため食味食感にも劣り、商品価値が著しく低下したものとなる。また近年、出力が1000W以上になるような高出力電子レンジが普及しているところ、高出力電子レンジで冷凍麺類を加熱すると、冷凍焼けした部分だけでなく、冷凍焼けしていない部分でも焦げが発生し、食用に適さない場合があった。
冷凍麺類の冷凍焼けを防止する技術として、調理済み麺類に油脂を含む処理液を付着させてから冷凍する方法が知られている。前記処理液として、例えば特許文献1及び2には、水、油脂及び増粘多糖類を含有するものが記載され、両文献1、2の実施例では、増粘多糖類としてキサンタンガム、タマリンドガムが使用されている。特許文献3には、前記処理液として、水、油脂、多価アルコール及び乳化剤を含有するものが記載され、特許文献3の実施例では、これらに加えて更に大豆多糖類を含有させたものが使用されている。特許文献3に記載の技術によれば、冷凍焼けのみならず、レンジ焼けも解消できるとされている。「レンジ焼け」とは、冷凍食品を電子レンジで加熱した場合に生じる、食品への部分的な過加熱による乾燥、焦げ、加熱ムラである。
US2010189846A1 US2015110942A1 特開2016-2024号公報
従来の冷凍麺類の冷凍焼け防止技術は、一定の効果は期待できるものの改善の余地があり、特に高出力電子レンジで加熱した場合の焦げ防止効果は限定的であった。
本発明の課題は、冷凍焼けが生じにくく、また、高出力電子レンジを用いて加熱を行っても焦げが生じにくい冷凍麺類を提供することである。
本発明は、調理済み麺類の表面に、アラビアガムを含有する処理液を付着させる工程と、該処理液が付着した麺類を冷凍する工程とを有する、冷凍麺類の製造方法である。
本発明の冷凍麺類の製造方法は、調理済み麺類の表面に所定の処理液を付着させる工程(処理液付着工程)と、該処理液が付着した麺類を冷凍する工程(冷凍工程)とを有する。本発明の冷凍麺類の製造方法は、前記処理液付着工程の前に、調理済み麺類の製造工程を有していてもよい。前記調理済み麺類の製造工程は、例えば、生地を調製し、該生地を所定形状に成形して麺類を得、該麺類を加熱調理する工程を有する。
本発明で用いる調理済み麺類は、麺類を加熱調理したα化麺類である。
本明細書でいう「麺類」には、麺と称される食品全般が包含される。具体的には例えば、パスタ類、うどん、蕎麦、素麺、冷麦、中華麺、麺皮類(例えば、餃子、焼売、春巻き、ワンタン、包子、饅頭等の皮)、フォー、ビーフン等を例示できる。
本発明が特に好適な麺類として、パスタ類が挙げられる。一般にパスタ類は、独特のつややかな黄色の表面が特徴で、冷凍焼けを生じやすい傾向があるが、本発明の冷凍麺類の製造方法によって製造された冷凍パスタ類は冷凍焼けが生じにくく、また、高出力電子レンジを用いて加熱を行っても焦げが生じにくく、食感に優れたものとなり得る。前記「パスタ類」には、麺線形状のロングパスタ;マカロニ、ペンネ等のショートパスタが包含される。
本発明では、麺類の製造方法は特に制限されず、従来公知の方法を利用できる。麺類の製造方法は、典型的には、穀粉類を含む粉体原料と水等の液体原料とを混合して生地を調製し、該生地を常法に従って、麺線形状などの所定形状に成形する工程を含む。斯かる工程を経て得られる麺類は、乾燥処理が施されていない生麺である。本発明では、生麺を加熱調理して調理済み麺類としてもよく、あるいは、生麺に乾燥処理を施して乾麺とし、該乾麺を加熱調理して調理済み麺類としてもよい。また、生地の成形方法は特に制限されず、例えば、所定形状の押出ノズルから生地を高圧で押し出す押出成形法でもよく、あるいは、生地を麺帯状に高圧で押し出して麺帯を得、該麺帯をローラー等によって圧延し、更に切り刃で切り出す方法でもよい。
前記粉体原料に含まれる穀粉類には、穀粉及び澱粉が含まれ、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。穀粉としては、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉等が挙げられ、該小麦粉としては、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、デュラム粉(デュラムセモリナ、デュラム小麦粉を含む)等が挙げられる。澱粉としては、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、米澱粉、小麦澱などの未加工澱粉;未加工澱粉に、架橋、リン酸化、アセチル化、エーテル化、酸化、α化などの加工処理の1種以上を施した加工澱粉が挙げられる。
前記粉体原料は、穀粉類以外に必要に応じ、麺類の製造に使用可能な各種原料、例えば、糖類、油脂類、色素、調味料等を含有してもよい。
本発明では、麺類の加熱調理法は特に制限されず、従来公知の方法を利用でき、例えば、80~100℃の湯を用いた茹で調理、飽和水蒸気を用いた蒸し調理など、水分の存在下での加熱調理法が挙げられる。麺類を水分の存在下で加熱調理する場合の調理条件(調理時間等)としては、例えば、前記粉体原料100質量部に対して、加熱調理後の麺類(すなわち調理済み麺類)の質量が230~300質量部となる条件が挙げられる。
前記処理液付着工程では、調理済み麺類の表面に、アラビアガムを含有する処理液を付着させる。これにより本発明の所定の効果(冷凍焼け防止効果、電子レンジ加熱時の焦げ防止効果等)が奏され得る。アラビアガムはアカシア属の植物の樹液に含まれる多糖類であり、キサンタンガム、タマリンドガム等の他のガム類が有するような高い増粘作用は有しないが、乳化作用があり、食品分野では菓子類に広く利用されている。アラビアガムは水溶性であり、また乳化作用も有するため、水、水と油脂とを含有する液体等、種々の液体に溶解して含有させることができる。
処理液におけるアラビアガムの含有量は、該処理液の全質量に対して0.04~0.35質量%であり、好ましくは0.08~0.28質量%、より好ましくは0.12~0.22質量%である。処理液におけるアラビアガムの含有量が0.04質量%未満では、本発明の所定の効果が奏されず、該含有量が0.35質量%を超えると、麺類に異味が生じるおそれがある。
本発明で用いる処理液は、典型的には、アラビアガムの他に、油脂を含有する。油脂には、冷凍麺類の冷凍焼け及び加熱時の焦げを防止する効果があり、アラビアガムと併用することで、これらが一層確実に防止され得る。
処理液用の油脂としては、例えば、コーン油、綿実油、大豆油、オリーブ油など、通常調理に使用することができる油脂を特に制限なく用いることができ、1種の油脂を単独で又は2種以上の油脂を組み合わせて用いることができる。
処理液における油脂の含有量は、該処理液の全質量に対して、好ましくは23~75質量%、より好ましくは29~65質量%、更に好ましくは35~55質量%である。処理液における油脂の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、該含有量が多すぎると、麺類がべた付いた食感となるおそれがある。
本発明で用いる処理液は、典型的には、アラビアガム及び油脂の他に、水を含有する。処理液において、水は溶媒として機能し、処理液のハンドリング性を高めるためのものである。処理液用の水としては、例えば、清水、精製水、水道水など、通常調理に使用することができる水を特に制限なく用いることができる。
本発明で用いる処理液の形態は特に制限されず、水溶液、懸濁液、油液、水と油脂とを含む液、乳化液等であり得る。麺類に対する付着のしやすさ、付着後の乾燥のしにくさ等を考慮すると、処理液は、少なくとも油脂を含むものが好ましく、水及び油脂の両方を含むものがより好ましく、水及び油脂の両方を含む乳化液の状態であるものが最も好ましい。
本発明で用いる処理液は、前記成分(アラビアガム、油脂、水)以外の他の成分を含有してもよい。前記他の成分としては、例えば、増粘剤、乳化剤、調味料、色素等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
増粘剤としては、麺類の製造に使用可能なものを特に制限なく用いることができ、例えば、キサンタンガム、タマリンドガム、グアガム、カードラン、カラギーナン、寒天、ローカストビーンガム、ジェランガム、グルコマンナン、プルラン、ヒアルロン酸、ペクチン酸、アルギン酸、セルロース、メチルセルロース等の増粘多糖類;コラーゲン、アルブミン、ゼラチン及びカゼイン等のタンパク質等が挙げられる。これらの中でも特に増粘多糖類が好ましく、とりわけ、キサンタンガム、タマリンドガム、グアガム及びカラギーナンが好ましい。
乳化剤としては、例えば、ショ糖脂酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられる。
処理液における前記他の成分の総含有量は、該処理液の全質量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
本発明で用いる処理液は、各種成分をほぼ均一になるまで混合することで調製することができる。調製する処理液が油脂及び水を含有するものである場合には、高速攪拌等を行って乳化状態としてもよく、単純攪拌で油脂と水とが分離した状態であってもよいが、アラビアガムをできだけ均一に麺類に付着させ、本発明の所定の効果を確実に奏させるようにする観点からは、処理液は乳化状態とすることが好ましい。
前記処理液付着工程において、調理済み麺類の表面に処理液を付着させる方法は特に制限されず、例えば、調理済み麺類に対して処理液を噴霧する方法、処理液中に調理済み麺類を浸漬させる方法が挙げられる。処理液は、調理済み麺類の表面全体に均一に付着させることが好ましく、これを確実に行う観点から、処理液及びこれを付着させる調理済み麺類それぞれの品温は、20~60℃の範囲にあることが好ましい。
処理液の粘度は、調理済み麺類に対する付着性を高める観点から、好ましくは50~1000mPa・s、より好ましくは70~700mPa・sである。ここでいう「粘度」は、B型粘度計を用いて、測定対象の処理液の品温60℃、3~13rpmの回転速度で測定された値を指す。
処理液の付着量は、付着対象の調理済み麺類100質量部に対して湿重量基準で、好ましくは2~10質量部、より好ましくは4~8質量部である。
本明細書において「湿重量」とは、当該物体(処理液)の非冷凍及び非乾燥状態(喫食可能な状態)での重量を指す。
前記冷凍工程では、前記処理液付着工程を経た調理済み麺類を冷凍する。調理済み麺類の冷凍方法は特に制限されず、麺類に対して通常行われる冷凍方法を採用することができ、例えば、急速冷凍、緩慢冷凍が挙げられる。特に急速冷凍が好ましい。調理済み麺類を一旦急速冷凍で冷凍した後、通常の冷凍保存条件で保存すればよく、その場合、調理済み麺類の冷凍物を袋状又はトレイ等の定形の容器に収容した後、冷凍保存することもできる。調理済み麺類を容器に収容し、該容器ごと冷凍してもよく、これにより、冷凍焼けの防止効果が期待でき、更には、電子レンジ等の加熱調理器による解凍処理が簡便になり得る。具体的には例えば、調理済み麺類を、所定の分量、例えば、一人分ずつに分けて容器に入れた後、その容器ごと冷凍することができる。また例えば、調理済み麺類を、所定の分量、例えば、一人分ずつに分け、冷凍した後、その冷凍物を容器に収容することができる。
前記冷凍工程では、調理済み麺類を、これと一緒に食するソース類とともに冷凍してもよい。例えば、調理済み麺類にソース類をかける、調理済み麺類をソース類と絡める等して、調理済み麺類とソース類とを混合してから、その混合物をトレイ等の容器に盛り付け、該容器ごと冷凍してもよい。あるいは、調理済み麺類を一旦冷凍させ、その調理済み麺類の冷凍物にソース類を付着させてからそれらを一体的に冷凍してもよい。
調理済み麺類とともに冷凍されるソース類の種類は特に制限されず、調理済み麺類の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、ミートソース、ナポリタンソース、アラビアータソース、トマトソース、カルボナーラソース、チーズソース、クリームソース、ホワイトソース、オイルソース、ブラウンソース、めんつゆ、カレーソース、ウスターソース、ホワイトソース、たれ、あん等が挙げられる。また、ソース類には具材が含まれていてもよく、該具材として、野菜類、キノコ類、肉類、魚介類等が挙げられる。また前記冷凍工程では、前記処理液付着工程を経た調理済み麺類に、具材無しのソース類と具材とを加えて冷凍してもよい。
本発明の製造方法によって製造された冷凍麺類は、解凍することで喫食可能な状態となる。冷凍麺類の解凍方法は特に制限されず、自然解凍、緩慢解凍でもよいが、加熱を伴う解凍(急速解凍)が簡便である。本発明の製造方法によって製造された冷凍麺類は、加熱しても焦げが生じにくいため、急速解凍を安心して行うことができる。急速解凍には、電子レンジ加熱、ボイル、蒸気による加熱、オーブン加熱等がある。冷凍麺類が容器に収容されている場合には、衛生上の点から、容器ごと該冷凍麺類を電子レンジ加熱にて解凍することが好ましい。電子レンジとしては、マイクロ波加熱を行う加熱調理器のうち、一般的な出力500~600Wのものを使用してもよく、より高出力な1000~1800Wのものを使用してもよい。本発明の製造方法によって製造された冷凍麺類は、冷凍焼けのみならず、電子レンジ加熱で懸念される焦げにも耐性があるため、短時間で加熱可能な出力1000W以上の電子レンジで加熱してから食することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1~19、比較例1~5〕
表1~3の配合で各原料を混合し、処理液を調製した。また、市販の乾燥スパゲティ(日清フーズ株式会社製)を、茹で歩留まりが220~235質量%となるように茹でた後、冷水で冷却し、ざるに入れて水分を十分に切り、直径1.8mmの麺線形状の調理済みスパゲティ(調理済み麺類)を得た。この調理済みスパゲティ200gに前記処理液10gを噴霧し、よくかき混ぜてスパゲティの表面全体に処理液を付着させた。この処理液が付着した調理済みスパゲティをプラスチック製のトレイ上に載置し、トレイごと庫内温度-20℃の冷凍庫で急速冷凍し、目的の冷凍スパゲティ(冷凍麺類)を製造した。
本明細書において「茹で歩留まり」とは、茹で調理前の対象物(乾燥スパゲティ)の加水(練り水)を除いた原料の質量に対する、茹で調理後の対象物(α化スパゲティ)の質量の比率(百分率)である。例えば、200質量%の茹で歩留まりに茹でられたα化スパゲティは、その茹で調理前の加水を除いた原料の質量の2倍の質量になるまで吸水するように茹でられた茹でスパゲティである。
〔実施例20~25、比較例6〕
調理済みスパゲティに対する処理液の付着量を表4に示すように調整した以外は、実施例1と同様にして冷凍スパゲティを製造した。処理液の付着量の調整は、調理済み麺類に対する処理液の単位面積当たりの噴霧量を調整することで調整した。
〔評価試験:冷凍焼け、焦げ、食感〕
前記の手順で製造した各実施例及び比較例の冷凍スパゲティを、プラスチック製の包装袋に入れて密封し、庫内温度-20℃の冷凍庫で1週間冷凍保存した。この保存期間中、24時間おきに、冷凍庫から包装袋を取り出して雰囲気温度20℃の環境に5分間静置することで、包装袋内の冷凍スパゲティにヒートショックを与えた。1週間経過後、包装袋から冷凍スパゲティを取り出し、冷凍焼けの程度を下記方法により評価した。
また、冷凍焼けの評価後、冷凍スパゲティを耐熱皿に載置し、ラップフィルムで上面を軽く覆った状態で、出力1500Wの電子レンジで2分30秒間加熱した。加熱終了後、スパゲティの焦げの状態及び喫食時の食感をそれぞれ下記方法により評価した。
前記評価は何れも、訓練されたパネルが、評価対象の冷凍スパゲティ1種につき10点のサンプルについて行い、その10点のサンプルの評価点の算術平均値を、当該評価対象の評価点とした。その結果を表1~3に示す。
<冷凍焼けの評価方法>
評価対象の冷凍スパゲティ(冷凍麺塊)の上面を撮像し、その撮像したカラー画像データをコンピュータに取り込み、該画像データにおける冷凍麺塊の全面積(冷凍麺塊の上面の面積)を算出し、その算出した面積値を、冷凍麺塊を構成する麺線形状のスパゲティの直径(当該スパゲティを規定どおりに茹で調理して得られる茹でスパゲティの直径を指し、前記実施例及び比較例では1.8mm)で除して、「スパゲティ上面視全長」を算出する。また、前記カラー画像データにおいて、「通常の冷凍スパゲティの色(黄色又は黄色に近い色)と異なり白化している部分」(冷凍焼け部分)の最大差し渡し長さを測定し、「冷凍焼け長さ」とする。前記カラー画像データに前記冷凍焼け部分が複数ある場合は、その複数の冷凍焼け部分それぞれの冷凍焼け長さを測定し、それらの合計値を「冷凍焼け長さ」とする。前記「スパゲティ上面視全長」に対する前記「冷凍焼け長さ」の割合(以下、「冷凍焼け部分占有率」とも言う。)を算出し、下記評価基準で点数化する。
(冷凍焼けの評価基準)
5点:冷凍焼け部分占有率が1%未満である。
4点:冷凍焼け部分占有率が1%以上5%未満である。
3点:冷凍焼け部分占有率5%以上10%未満である。
2点:冷凍焼け部分占有率10%以上20%未満である。
1点:冷凍焼け部分占有率20%以上である。
<焦げの評価方法>
評価対象の加熱した冷凍スパゲティ(麺塊)の上面を撮像し、その撮像したカラー画像データをコンピュータに取り込み、該画像データにおける麺塊の全面積(麺塊の上面の面積)を算出し、その算出した面積値を、麺塊を構成する麺線形状のスパゲティの直径(当該スパゲティを規定どおりに茹で調理して得られる茹でスパゲティの直径を指し、前記実施例及び比較例では1.8mm)で除して、「スパゲティ上面視全長」を算出する。また、前記カラー画像データにおいて、「麺線の直径が他の部分と比べて90%以下の直径となった細い部分、又は通常のスパゲティの色(黄色若しくは黄色に近い色)と異なり茶色ないし黒色の程度が高い部分」(焦げ部分)の最大差し渡し長さを測定し、「焦げ長さ」とする。前記カラー画像データに前記焦げ部分が複数ある場合は、その複数の焦げ部分それぞれの焦げ長さを測定し、それらの合計値を「焦げ長さ」とする。前記「スパゲティ上面視全長」に対する前記「焦げ長さ」の割合(以下、「焦げ部分占有率」とも言う。)を算出し、下記評価基準で点数化する。
(焦げの評価基準)
5点:焦げ部分占有率が2%未満である。
4点:焦げ部分占有率が2%以上5%未満である。
3点:焦げ部分占有率5%以上10%未満である。
2点:焦げ部分占有率10%以上20%未満である。
1点:焦げ部分占有率20%以上である。
(食感の評価基準)
5点:スパゲティのつるみと弾力が十分にあり、冷凍していない調理済みスパゲティと比べて食感にほとんど差がなかった。
4点:スパゲティのつるみと弾力があり、冷凍していない調理済みスパゲティと比べて食感がわずかに劣る程度であった。
3点:スパゲティのつるみと弾力が感じされるが、わずかに部分的に硬い食感が感じられる。
2点:スパゲティのつるみと弾力にやや乏しく、やや硬い食感が感じられる。
1点:スパゲティのつるみと弾力に乏しく、硬い食感が感じられる。
Figure 0007126640000001
表1に示すとおり、各実施例は、冷凍前の麺類に付着させる処理液にアラビアガムが含有されているため、これを満たさない各比較例に比べて、冷凍焼け、電子レンジ加熱による焦げが大幅に低減されており、食感に優れていた。また、キサンタンガム又はタマリンドガムを含有する処理液を用いた実施例2、3は、これを含有しない実施例1に比べて、冷凍焼け及び焦げの防止効果に優れていた。
Figure 0007126640000002
Figure 0007126640000003
Figure 0007126640000004
本発明によれば、冷凍焼けが生じにくく、また、高出力電子レンジを用いて加熱を行っても焦げが生じにくく、冷凍していない調理済み麺と同等の食感を有する冷凍麺類を提供することができる。
本明細書において「冷凍焼け」とは、冷凍麺類の冷凍保存中に麺類が部分的に乾燥する現象をいう。冷凍焼けは、麺類に含有される水分が蒸発したり、麺類内を移動したりすることにより生じ、麺類の表面が白っぽく変色する、麺類が硬化する、麺線形状の麺類の太さが細くなる等の現象が見られる。
また本明細書において「焦げ」とは、冷凍麺類を加熱した際に生じる、麺類が硬く縮む、麺類の表面が茶色ないし黒色に変色する等の現象をいう。いわゆるレンジ焼けは、焦げの一種である。

Claims (5)

  1. 調理済み麺類の表面に、アラビアガムを含有する処理液を付着させる工程と、該処理液が付着した麺類を冷凍する工程とを有する、冷凍麺類の製造方法。
  2. 前記処理液におけるアラビアガムの含有量は0.04~0.35質量%である、請求項1に記載の冷凍麺類の製造方法。
  3. 前記処理液は、更に油脂及び水を含有し、該処理液における該油脂の含有量は23~75質量%である、請求項1又は2に記載の冷凍麺類の製造方法。
  4. 前記麺類はパスタ類である、請求項1~3の何れか1項に記載の冷凍麺類の製造方法。
  5. 前記冷凍麺類は、出力1000W以上の電子レンジで加熱してから食されるものである、請求項1~4の何れか1項に記載の冷凍麺類の製造方法。
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