JP7124725B2 - 温度センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、上記従来の技術では、金属板の表面にエポキシ系接着剤等の樹脂接着剤を塗布して絶縁性フィルムの裏面に金属板を接着しているが、接着剤が絶縁性フィルムと金属板との間に介在するために、接着剤の断熱性により熱応答性が低下してしまう不都合があった。また、介在する接着剤の厚さ制御が難しく、厚さにばらつきが生じ易いために、熱応答性にばらつきが生じるおそれがあった。
すなわち、この温度センサでは、金属膜が、少なくとも絶縁性フィルムの周縁部全周にわたって形成され、金属膜と金属板とが、絶縁性フィルムの周縁部全周で接合されているので、絶縁性フィルムの周縁部全周において金属板からの熱伝導性が高くなり、感熱素子に対して周囲から熱を伝えることができる。また、絶縁性フィルムの周縁部全周が接合されていることで、全周にわたって高い接着強度を得ることができる。
すなわち、この温度センサでは、金属膜が、感熱素子の直下に形成された素子直下部を有し、素子直下部が、金属膜と金属板との接合部と接続されているので、素子直下部と金属板とが接触していることで、最短距離で金属板からの熱を感熱素子で受けることが可能になると共に、接続された接合部から素子直下部に熱が伝わることで、より熱応答性が向上する。
すなわち、この温度センサでは、金属膜が、絶縁性フィルムの下面全面に形成されているので、接合されている領域以外の他の領域の金属膜も金属板に接触することで、さらに高い熱応答性を得ることができる。
すなわち、この温度センサでは、金属膜と金属板とが、同じ金属で形成されているので、高い接合強度及び熱伝導性を得ることができる。
すなわち、この温度センサの製造方法では、設置工程で、金属膜と金属板とを、感熱素子及びパターン配線の直下を避けた領域で超音波接合により接合するので、間に接着剤等を介在させずに、金属膜と金属板とを高い接合強度で直接接合することができる。また、金属膜と金属板とを、感熱素子及びパターン配線の直下を避けた領域で超音波接合させるので、感熱素子,パターン配線及びこれらの直下の絶縁性フィルムに対して超音波接合によるダメージを避けることができる。なお、感熱素子及びパターン配線の直下の絶縁性フィルムに超音波接合によるダメージが生じた場合、その絶縁性が劣化して金属板と導通するおそれがある。
すなわち、本発明に係る温度センサ及びその製造方法によれば、金属膜と金属板とが、感熱素子及びパターン配線の直下を避けた領域で直接接合されるので、樹脂接着剤のような断熱性が高いと共に厚さにばらつきが生じ易い材料を介在させないことで、金属同士の直接接合により高い熱応答性が得られると共に、熱応答性にばらつきを抑制することができる。
したがって、本発明の温度センサでは、熱応答性が高く熱応答性のばらつきも少ないことから、高精度な温度測定が可能になる。
上記センサ部3は、金属板2の上面に接合された絶縁性フィルム4と、絶縁性フィルム4の上面に設けられた感熱素子5と、絶縁性フィルム4の上面に形成され感熱素子5に接続された一対のパターン配線6とを備えている。
上記金属膜7と金属板2とは、感熱素子5及びパターン配線6の直下を避けた領域で直接接合されている。
本実施形態では、金属膜7が、絶縁性フィルム4の周縁部全周にわたって形成され、金属膜7と金属板2とが、絶縁性フィルム4の周縁部全周で接合されている。
すなわち、長方形状の絶縁性フィルム4の周縁部全周にわたって矩形環状の金属膜7がパターン形成され、この部分が接合部8となる。
本実施形態では、例えば金属膜7と金属板2とが銅で形成されている。すなわち、金属膜7は、銅箔であり、金属板2は銅板である。
なお、図1及び図2では、金属膜7の部分にハッチングを施している。
一対のパターン配線6の一端部は、感熱素子5の対応する端子電極にそれぞれ接続されている。また、パターン配線6の他端部には、外部のリード線等と接続するためのパッド部6aが設けられている。
上記設置工程では、金属膜7と金属板2とを、感熱素子5及びパターン配線6の直下を避けた領域で超音波接合により接合する。すなわち、本実施形態では、矩形環状の金属膜7の部分が矩形環状の接合部8となる。
上記超音波接合のホーン(共振体)Hは、図3に示すように、その端面が、接合部8の形状に対応して矩形環状とされた凸部H1と、凸部H1の内側に形成された矩形状の凹部H2とを有している。なお、図3では、凸部H1にハッチングを施して図示している。
さらに、金属膜7と金属板2とが、同じ金属で形成されているので、高い接合強度及び熱伝導性を得ることができる。
上記素子直下部27aは、感熱素子5の平面視よりも大きな矩形状に形成され、その一辺が矩形環状の接合部8の内周部に接続されている。
例えば、上記各実施形態では、感熱素子としてチップサーミスタを採用しているが、薄膜サーミスタや焦電素子などを採用しても構わない。
Claims (6)
- 金属板と、
前記金属板の上面に設置されたセンサ部とを備え、
前記センサ部が、前記金属板の上面に接合された絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルムの上面に設けられた感熱素子と、
前記絶縁性フィルムの上面に形成され前記感熱素子に接続された一対のパターン配線とを備え、
前記絶縁性フィルムの下面に金属膜が形成され、
前記金属膜と前記金属板とが、前記感熱素子及び前記パターン配線の直下を避けた領域で直接接合されていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1に記載の温度センサにおいて、
前記金属膜が、少なくとも前記絶縁性フィルムの周縁部全周にわたって形成され、
前記金属膜と前記金属板とが、前記絶縁性フィルムの周縁部全周で接合されていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、
前記金属膜が、前記感熱素子の直下に形成された素子直下部を有し、
前記素子直下部が、前記金属膜と前記金属板との接合部と接続されていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、
前記金属膜が、前記絶縁性フィルムの下面全面に形成されていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、
前記金属膜と前記金属板とが、同じ金属で形成されていることを特徴とする温度センサ。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の温度センサの製造方法であって、
金属板の上面にセンサ部を設置する設置工程を有し、
前記センサ部が、絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルムの上面にサーミスタ材料で形成された感熱素子と、
前記絶縁性フィルムの上面に形成され前記感熱素子に接続された一対のパターン配線とを備え、
前記絶縁性フィルムの下面に金属膜が形成され、
前記設置工程で、前記金属膜と前記金属板とを、前記感熱素子及び前記パターン配線の直下を避けた領域で超音波接合により接合することを特徴とする温度センサの製造方法。
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JP3223716B2 (ja) * | 1994-08-30 | 2001-10-29 | 三菱マテリアル株式会社 | サーミスタセンサ |
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